JP2002219072A - 泡立てネットとその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用時に使いやすく、極めて効率良く石鹸を
充分泡立てることができ、使用後にも泡立ての濯ぎがし
やすい泡立てネットの提供をする。 【解決手段】 一辺が１ｍｍ程度の矩形または菱形の網
目を有するネット（１）にて、全周の縁部（２）が折り
曲げによって連続している二重のネットで椀状を形成
し、且つ当該椀の内外壁には少なくとも二つのヒダ
（３）を有することである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、洗顔時または入
浴時に使用する石鹸を極めて容易にきめ細かく、生クリ
ーム状のソフトな感じの泡をたてることができる石鹸の
泡立てネットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、広く用いられているこの種のネッ
トとしては、一個の袋体構造であり、石鹸を泡立てる際
に使用する水分の大半がネットから落下して石鹸を充分
に泡立てることができなかった。さらにネットに付けた
泡もネットから脱落しやすく使用の都度あらたに石鹸を
つけて使用する必要があり、石鹸の使用量を低減するこ
とができなかった。

【０００３】また、他の案件ではネットの内部に吸収湿
度弾性体を装着しているので、泡立ては良いが、使用後
には、泡の濯ぎがめんどうであり、弾性体の内部に古い
石鹸の粕が残り不潔になりやすいという欠点があった。

【０００４】ところで、石鹸の持つ汚れ落とし効果は、
単に石鹸を塗布して、体を擦るだけでなく、むしろ石鹸
を充分泡立て、その泡を塗布して擦ることの方が、感じ
もまろやかであり、しかも泡の破裂するときに発生する
超音波の洗浄作用とあいまって、より一層石鹸の洗浄効
果を高めるとも言われている。こうしたことから、石鹸
の泡を、より沢山得ることができるようにした物も案出
されているがいずれも以下のような欠点があった。 イ）大きくなって使いにくく、きめ細かな泡が充分出な
い。 ロ）ネットが一重なので耐久性がない。 ハ）構造が複雑なので製作が難しく、しかもコストが高
くなる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の欠点
をなくし、多くの要望に応えるためになされたもので、
使用時に使いやすく、極めて効率良く石鹸を充分泡立て
ることができ、使用後にも泡立ての濯ぎや水切りの簡便
さを有し、しかも石鹸の使用量が低減でき、更には製作
が容易で低コストで生産できる泡立てネットの提供を目
的とする。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】上記目的を達成するため
に、本発明の泡立てネットにおいては、一辺が１ｍｍ程
度の矩形または菱形の網目を有するネットにて、全周の
縁部が祈り曲げによって連続している二重のネットで椀
状を形成し、且つ当該椀の内外壁には少なくとも二つの
ヒダを有することである。

【０００７】また、一辺が１ｍｍ程度の矩形または菱形
の網目を有する適宜の横幅と長さのプラスチック袋状の
ネットの長辺を夫々「着物合せ」にて重ね合せて熱溶着
した状態で、元の袋の開口部から全体を裏返し、裏返さ
れた状態での開放口の全周囲を内側に折り込み押し込ん
だ後、開放口を一纏めに締結固定する方法によって製作
する。

【０００８】全ての縁端が折り曲げによる連続した二重
のネットで椀状を形成しているので端がほつれることが
ないばかりでなく、二重のネットなので、優れた耐久性
を有することになる。さらに、二重のネットで複数のヒ
ダを有しているので、生クリーム状のきめ細かな石鹸の
泡立ちを促進すると共に、石鹸の消費量を低減すること
ができる。また、椀状に形成しているので、内部に石鹸
の納まりが安定する。

【０００９】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を実施例に基づ
き図面を参照して説明する。図１は本発明の斜視図であ
る。図１において、一辺が１ｍｍ程度の矩形または菱形
の網目を有するネット１にて、全周の縁部２が折り曲げ
によって連続している二重のネットで椀状を形成し、且
つ当該椀の内外壁には少なくとも二つのヒダ３を有し、
底部外側には使用後に用いる環状の吊り紐４を設けて構
成する。

【００１０】図２は本発明の製造工程を示した説明図で
あって、製造工程は以下に示すとおりである。 イ）家庭の流し台排水口用袋ネット１を用意して中央か
ら折曲げる。図２（ａ）参照（以下参照は省略） ロ）袋ネットの一方の長辺角を「着物合せ」で底辺が２
ｃｍ、高さ４ｃｍの二等辺三角形にて重ね合せた着物合
せ部５をアイロンで熱接着する。図２（ｂ，ｃ） ハ）同袋ネットの重ねた対向部（他方の長辺）を点対称
にして、即ち、一方の合せ面が外側になれば、他方の合
せ面が内側になるようにして、１）と同様に着物合せ部
５を熱接着する。図２（ｂ，ｃ） ニ）元の袋の開口部６から太い矢印方向に全体を裏返
す。図２（ｄ）参照この時、両手の人差指を開口部６に
差し込んで、親指を袋の底を押し上げるようにすると作
業が容易に行なえる。 ホ）全周囲を底の方まで充分裏返すことによって、外側
と内側に多くのヒダ３ができる。 図２（ｅ） ヘ）裏返された状態での開放口７の全周囲を１ｃｍの縫
代８を取り、前述の重ね合せ接着した部分から開始し
て、他方の重ね合せ接着した部分も含めて糸と針９でジ
グザグ縫いをする。図２（ｆ） ト）開放口７全周囲の端である縫代８を内側に折り込
み、その中央に吊り紐４としての直径４ｍｍの色の着い
たアクリル紐を長さ８０ｍｍに切断して、中央二つ折り
にして環状をなすように差し込む。図２（ｆ） チ）開放口７を巾着絞りで、強くいっぱいに絞り込んで
固定する。図２（ｇ） リ）固定カ所を、中央のアクリル紐を含めて貫通させる
ように縫い糸で３往復縫いした後、糸端を玉止めして、
内側とすその縁を広げる。図２（ｇ）

【００１１】以上のように製作したので、円周の端が滑
らかに折り曲がった二重のネットによって椀形に形成さ
れると共に、内外壁には複数のヒダができることとな
る。

【００１２】本発明は以上のような構造で、これを使用
するときは図３で示すように吊り紐を下側にして、ネッ
ト本体を椀状に広げた状態にして片手の掌にのせ中に石
鹸を入れ、この石鹸を包むようにして開口部を閉じ、両
手で揉みながら擦るようにすればよく、一度石鹸を付け
ればそれ以降は、石鹸がなくても二重ネットと複数のヒ
ダによって継続してきめ細かな泡が沢山出てくる。この
時、ぬるま湯を用いると、より泡立ち効果が向上する。
従って、石鹸の使用量が節減でき経済的であると共に環
境にも優しい。そして、家庭の流し台排水口用袋ネット
を母材として二重にしたので、極めて優れた耐久性があ
る。また、使用後は充分濯いでからネット本体を椀状に
広げて、下向きにして吊り紐で掛けておけば容易に水が
切れて乾燥しやすく、衛生的である。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明の通り、本発明によれば、多
くの問題点を考慮した上で構成されているため、使用時
に使いやすく、二重のネットと複数のヒダによって空気
がたっぷり含まれて極めて効率良く石鹸を生クリーム状
に充分泡立てることができ、使用後にも泡の濯ぎや水切
りの簡便さを有し、しかも石鹸の使用量が低減でき、更
には傷みが少なく耐久性にも優れているという効果があ
る。

【００１４】そして、請求項２に記載する泡立てネット
の製造方法によれば、誰でもが簡単に製作することがで
き、低いコストで生産することができる。

【００１５】

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本発明の斜視図である。

【図２】は、本発明の製造工程の説明図である。

【図２（ａ）】は、家庭の流し台排水口用袋ネットを中
央から折曲げる斜視図である。

【図２（ｂ）】は、同袋ネットの重ねた対向部を点対称
にして重ねる斜視図である。

【図２（ｃ）】は、三角形に「着物合せ」で重ね合せて
熱接着する斜視図である。（片側は省略した。）

【図２（ｄ）】は、元の袋の開放部から太い矢印方向に
全体を裏返す斜視図である。

【図２（ｅ）】は、元の袋の全体を裏返された状態の斜
視図である。

【図２（ｆ）】は、吊り紐の取付け方とジグザグ縫いを
する斜視図である。

【図２（ｇ）】は、開放口を絞り、締付けて縫い上げた
斜視図である。

【図３】は、本発明の使用時の断面図である。

【符号の説明】

１ ネット ６ 開口部 ２ 縁部 ７ 開放口 ３ ヒダ ８ 縫代 ４ 吊り紐 ９ 針 ５ 着物合せ部 １０ 石鹸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一辺が１ｍｍ程度の矩形または菱形の網
   目を有するネット（１）にて、全周の縁部（２）が折り
   曲げによって連続している二重のネットで椀状を形成
   し、且つ当該椀の内外壁には少なくとも二つのヒダ
   （３）を有することを特徴とした泡立てネット。
2. 【請求項２】 一辺が１ｍｍ程度の矩形または菱形の網
   目を有する適宜の横幅と長さのプラスチック袋状のネッ
   ト（１）の長辺を夫々「着物合せ」にて重ね合せて熱溶
   着した状態で、元の袋の開口部（６）から全体を裏返
   し、裏返された状態での開放口（７）の全周囲を内側に
   折り込み押し込んだ後、当該開放口（７）を一纏めに締
   結固定することを特徴とした泡立てネットの製造方法。