JP2002217629A - チップアンテナ及び無線端末装置 - Google Patents

チップアンテナ及び無線端末装置

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JP2002217629A JP2001014158A JP2001014158A JP2002217629A JP 2002217629 A JP2002217629 A JP 2002217629A JP 2001014158 A JP2001014158 A JP 2001014158A JP 2001014158 A JP2001014158 A JP 2001014158A JP 2002217629 A JP2002217629 A JP 2002217629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、アンテナ特性のバラツキが小さな
チップアンテナ及び無線端末装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 基台11と、基台11に設けられた一対
の端子部15,16と、基台11上に設けられ一対の端
子部15,16と電気的に接続されしかも一対の端子部
の間に設けられたスパイラル状のアンテナ素子部とを備
え、アンテナ素子部を覆う管状の保護材14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体通信などの
無線通信を行う電子機器等に好適に用いられるチップア
ンテナ及び無線端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロッド型のアンテナや平面アンテナは、
無線通信用のアンテナとして一般的に用いられている
が、近年、チップ型のアンテナが注目されてきている。
このようなチップアンテナは、携帯電話などの基板に直
接実装でき、外部に大きく突出せず、装置の小型化を実
現できる。
【0003】先行例としては、特開平9−64627号
公報,特開平9−74309号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、完成されたチップアンテナでは、そのア
ンテナ特性のバラツキが大きくてチップアンテナの精度
があまり高くなく、機器に搭載したときに性能にバラツ
キが生じやすいと言う問題点があり、これを解決するた
めに、機器側で、アンテナ特性の調整などを行わなけれ
ばならないなどの問題点あった。そのため、機器の生産
性が悪くなるという課題があった。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、アンテナ特性のバラツキを抑え、搭載される機器の
生産性を向上させることができるチップアンテナ及び無
線端末装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台と、基台
に設けられた端子部と、基台上に設けられ前記端子部と
電気的に接続されたスパイラル状のアンテナ素子部と、
アンテナ素子部を覆う絶縁性を有する管状の保護材とを
備えた。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基台と、
前記基台に設けられた端子部と、前記基台上に設けられ
前記端子部と電気的に接続されたスパイラル状のアンテ
ナ素子部と、前記アンテナ素子部を覆う絶縁性を有する
管状の保護材とを備えたことを特徴とするチップアンテ
ナとすることで、筒状の保護材は、スパイラル状のアン
テナ素子部の間に入らないか或いは入ったとしてもごく
僅かであるので、アンテナ特性のバラツキを抑えること
ができ、機器でのアンテナ特性の調整などがごく軽微か
或いは全く調整が不要となるので、機器などの生産性が
向上する。
【0008】請求項2記載の発明は、アンテナ素子部が
基台の側面全周にわたって形成されたスパイラル状の導
電膜で構成されたことを特徴とする請求項1記載のチッ
プアンテナとすることで、基台上に導電膜が密着して固
定されるので、バラケなどが発生せず、長期間安定した
特性を得ることができる。
【0009】請求項3記載の発明は、基台の側面全周に
導電膜を設け、前記導電膜に前記側面全周にわたってス
パイラル状の溝を形成することで、スパイラル状の導電
膜を形成したことを特徴とする請求項2記載のチップア
ンテナとすることで、溝の幅や形成長さを調整して容易
に特性の調整を行うことができる。
【0010】請求項4記載の発明は、管状の保護材の長
さを基台の全長よりも短くするとともに、端子部となる
部分には前記保護材を非配置としたことを特徴とする請
求項1記載のチップアンテナとすることで、端子部とな
る部分を確実に確保でき、実装性を向上させることがで
きる。
【0011】請求項5記載の発明は、金属膜を金,白
金,パラジウム,銀,タングステン,チタン,ニッケ
ル,錫,銅の材料グループから選ばれる少なくとも一つ
の材料か、もしくは、前記材料グループから選ばれる材
料と、前記材料グループ以外の元素の合金材料の少なく
とも一方で構成したことを特徴とする請求項4記載のチ
ップアンテナとしたことで、特性のばらつきを抑えるほ
か、直接ランドなどに接合でき、しかも鉛フリーのチッ
プアンテナを提供できる。
【0012】請求項6記載の発明は、管状の保護材を熱
収縮性を有する樹脂材料で構成したことを特徴とする請
求項1記載のチップアンテナとすることで、例えば管状
の保護材を基台に挿入した後に、所定の温度で熱処理す
ることで、管状の保護材が収縮して、管状の保護材をア
ンテナ素子部に密着して設けることができ、確実に管状
の保護材を基台に固定させることができる。更にはアン
テナ素子部へのゴミの進入などを防止することができ
る。
【0013】請求項7記載の発明は、導電膜と基台の間
にバッファ層を設けたことを特徴とする請求項2記載の
チップアンテナとすることで、導電膜と基台の密着性が
増し、導電膜の剥がれによる特性劣化を防止できる。
【0014】請求項8記載の発明は、バッファ層とし
て、バッファ層として、炭素膜,炭素含有膜,Ni合金
膜,Ag,Sn,Cu,Ag合金,Sn合金,Cu合金
の少なくとも一つを設けたことを特徴とする請求項7記
載のチップアンテナとすることで、特性を劣化させるこ
となく、導電膜と基台の密着性を向上させることができ
る。
【0015】請求項9記載の発明は、導電膜自体を金,
白金,パラジウム,銀,タングステン,チタン,ニッケ
ル,錫,銅の材料グループから選ばれる少なくとも一つ
の材料か、もしくは、前記材料グループから選ばれる材
料と、前記材料グループ以外の元素の合金材料の少なく
とも一方で構成したことを特徴とする請求項2記載のチ
ップアンテナとすることで、保護材を向ける必要もな
く、しかも構造が簡単であるので、生産性が飛躍的に向
上する。
【0016】請求項10記載の発明は、スパイラル状の
溝のターン数を自然数倍で構成したことを特徴とする請
求項3記載のチップアンテナとすることで、更に、左右
どちらの端子部を給電部としても、特性のばらつきを抑
えることができる。
【0017】請求項11記載の発明は、基台を角柱状と
するとともに、溝の両端部が同一側面上もしくは同一稜
線上に配置されることを特徴とする請求項3記載のチッ
プアンテナとすることで、スパイラル状の溝のターン数
を自然数倍かそれに近いターン数とすることができるの
で、更に、左右どちらの端子部を給電部としても、特性
のばらつきを抑えることができる。
【0018】請求項12記載の発明は、基台を円柱状と
するとともに溝の両端部を結ぶ仮想線が略全長に沿った
中心軸と略平行(交差角が±5度)となることを特徴と
する請求項3記載のチップアンテナとすることで、スパ
イラル状の溝のターン数を自然数倍かそれに近いターン
数とすることができるので、更に、左右どちらの端子部
を給電部としても、特性のばらつきを抑えることができ
る。
【0019】請求項13記載の発明は、アンテナ素子部
として、線状の導体線をスパイラル状に基台の側面に巻
回して構成したことを特徴とする請求項1記載のチップ
アンテナとすることで、利得を大きくすることができ、
アンテナ特性を向上させることができる。
【0020】請求項14記載の発明は、基台の両端部に
おける全側面に端子部を設けた事を特徴とする請求項1
記載のチップアンテナとすることで、長手方向の中心線
を回転軸としてどの方向でも実装可能となるので、更に
実装性を向上させることができる。
【0021】請求項15記載の発明は、端子部として導
電膜上に保護層か接合層の少なくとも一つを設けたこと
を特徴とする請求項14記載のチップアンテナとするこ
とで、端子部の回路基板との接合性を良くでき、長時間
に渡って安定した特性を得ることができ、同様に端子部
自体の腐食なども抑えることができるので、長時間に渡
って安定した特性を得ることができる。
【0022】請求項16記載の発明は、端子部を基台の
両端部に導電性材料で構成されたキャップを嵌着して構
成したことを特徴とする請求項1記載のチップアンテナ
とすることで、キャップの厚みによって、アンテナ素子
部を基板などから浮かすことができ、特性の変化を防止
できる。
【0023】請求項17記載の発明は、キャップ上とア
ンテナ素子部上にわたって接合膜を設けたことを特徴と
する請求項16記載のチップアンテナとすることで、キ
ャップと導電膜の電気的接合を広い領域で行うことがで
き、特性を向上させることができる。
【0024】請求項18記載の発明は接合膜として、
錫,錫合金(錫・鉛合金は除く),金,金合金の少なく
とも一つを設けたことを特徴とする請求項17記載のチ
ップアンテナとすることで、直接回路基板に実装でき、
しかも鉛フリー部品とすることができる。
【0025】請求項19記載の発明は、音声を音声信号
に、あるいはデータをデータ信号に変換する信号変換手
段と、電話番号等を入力する操作手段と、着信表示や電
話番号等を表示する表示手段と、音声信号あるいはデー
タ信号を変調して送信信号に変換する送信手段と、受信
信号を音声あるいはデータ信号に変換する受信手段と、
前記送信信号か前記受信信号を送信または受信の少なく
とも一方を行う請求項1〜18いずれか1記載のアンテ
ナと、各部を制御する制御手段を備えた無線端末装置と
することによって、装置を安価に作製でき、しかも特性
がよくしかも面実装可能なアンテナを搭載することによ
って、小型で高性能な装置を提供できる。
【0026】請求項20記載の発明は、基地局との間で
信号の送受信を行う第1のアンテナと、前記第1のアン
テナで送受信した信号をデータ信号に変換する第1の送
受信部と、近傍に設けられた携帯端末装置との間で信号
の送受信を行う第2のアンテナと、前記第2のアンテナ
で送受信した信号をデータ信号に変換する第2の送受信
部とを備え、前記第1のアンテナおよび第2のアンテナ
の少なくともいずれか一方を請求項1〜18いずれか1
記載のアンテナ構造とした事を特徴とする無線端末装置
とすることで、装置を安価に作製でき、しかも特性がよ
くしかも面実装可能なアンテナを搭載することによっ
て、小型で高性能な装置を提供できる。
【0027】請求項21記載の発明は、請求項20記載
の無線端末装置と、前記無線端末装置との間でデータの
送受信を行う携帯端末装置と、前記無線端末装置との間
でデータもしくは音声信号のやり取りを行う基地局と、
前記基地局と公衆回線で結ばれたサーバーと、前記サー
バーと回線を介して接続された情報網と、前記情報網と
接続された特定或いは不特定のユーザー又はプロバイダ
を有するユーザー等とを有するデータの送受信システム
とすることで、安定な通信システムを構築することがで
きる。
【0028】以下、本発明におけるチップアンテナ及び
無線端末装置の実施の形態について説明する。
【0029】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態におけるチップアンテナを示す斜視図及び側断面図で
ある。
【0030】図1において、11は絶縁材料などをプレ
ス加工,押し出し法等を施して構成されている基台、1
2は基台11の上に設けられている導電膜で、導電膜1
2は、メッキ法やスパッタリング法等の蒸着法等によっ
て基台11の側面上に形成される。13は基台11及び
導電膜12に設けられた溝で、溝13は、レーザ光線等
を導電膜12に照射することによって形成したり、導電
膜12に砥石等を当てて機械的に形成されたり、レジス
トなどを用いた選択的エッチングによって形成されてい
る。この溝13はスパイラル状に設けることによって、
導電膜12にスパイラル状の導電膜12が形成されるこ
とになる。また、溝13は、好ましくは基台11と導電
膜12の双方に形成した方が好ましく、この様な構成に
よって、完全に導電膜12を切断することができ、特性
劣化を防止できる。14は導電膜12上に設けられた保
護材、15,16はそれぞれ基台11の端面上にそれぞ
れ端子電極が形成された端子部で、端子部15と端子部
16の間には、溝13が設けられている。
【0031】この様な構成によって、スパイラル状の溝
13に導電膜12を形成することで、スパイラル状の導
電膜12(アンテナ素子部)を形成できるので、非常に
生産性が良く、しかも、溝13の幅やスパイラル状の導
電膜12の幅などを適宜設定することで、特性の調整も
容易になり、しかも上記構成に加えて、端子部15,1
6の断面を正多角形状或いは円形状とすることで、端子
部15,16におけるどの側面を実装面としても、ま
た、端子部15,16のいずれを給電部として用いても
特性に変化が無く、すなわち、方向性が存在しないの
で、実装性が飛躍的に向上する。また、導電膜12は基
台11に固着しているので、本発明品を使用している途
中で、スパイラル状の導電膜のピッチが変わったりする
ことがないので、長期間安定した特性を得ることができ
る。
【0032】なお、図中では、スパイラル状の導電膜1
2の幅やピッチが均等の場合について記載しているが、
必ずしも均等である必要はなくアンテナ素子部の中心に
対して、ほぼ対称に導電膜12の幅やピッチを変化させ
ても良い。
【0033】また、本実施の形態のチップアンテナは、
実用周波数帯域が0.7〜6.0GHzと高周波領域に対
応し、そのチップアンテナの長さL1,高さL2,幅L
3は以下の通りとなっていることが好ましい。
【0034】L1=4.0〜40.0mm L2=0.5〜5.0mm L3=0.5〜5.0mm L1が4.0mm以下であると、必要とするインダクタ
ンス値、すなわち所望の周波数でのアンテナ動作を得る
ことができない。また、L1が40.0mmを超えてし
まうと、素子自体が大きくなってしまい、電子回路等が
形成された基板など(以下回路基板等と略す)回路基板
等の小型化ができず、ひいてはその回路基板等を搭載し
た電子機器等の小型化を行うことができない。また、L
2,L3それぞれが0.5mm以下であると、素子自体
の機械的強度が弱くなりすぎてしまい、実装装置など
で、回路基板等に実装する場合に、素子折れ等が発生す
ることがある。また、L2,L3が5.0mm以上とな
ると、素子が大きくなりすぎて、回路基板等の小型化、
ひいては装置の小型化を行うことができない。
【0035】以上の様に構成されたチップアンテナにつ
いて、以下各部の詳細な説明をする。
【0036】まず、基台11の形状について説明する。
【0037】基台11は角柱状もしくは円柱状とするこ
とが好ましく、図1,2に示す様に基台11を角柱状と
することによって、実装性を向上させることができ、素
子の転がり等を防止できる等の効果を有する。また、基
台11を角柱状とする中でも特に四角柱状とすることが
非常に実装性や、素子の回路基板上での位置決めを容易
にする。更に、基台11を角柱状とすることによって構
造が非常に簡単になるので、生産性がよく、しかもコス
ト面が非常に有利になる。
【0038】また、基台11の形状を円柱状とすること
によって、後述するように基台11上に導電膜12を形
成し、その導電膜12にレーザ加工や砥石加工等によっ
て溝13を形成する場合、その溝13の深さなどを精度
よく形成することができ、特性のばらつきを抑えること
ができる。
【0039】また、基台11の両端部を除いて、全周に
渡り段差部11Zが形成されており、溝13はこの段差
部11Z中に設けられている。この段差部11Zは深さ
は30〜500μmとする事が好ましい。この段差部1
1Zを設けることで、アンテナとして働く部分を回路基
板等と離間させることができるので、接触などによっ
て、導電膜12を破損させアンテナ特性が変化したりす
る事はない。なお、回路基板などに工夫が施されたり、
或いは、他の手段にて、スパイラル状の導電膜12と基
板との接触の危険性が非常に少ない場合には、特に段差
部11Zを設ける必要はない。
【0040】また基台11の両端部の断面の形状は、上
述の通り、円形または多角形状とすることが好ましく、
しかも多角形状とする場合には、特に正多角形状とする
ことによって、どの方向に実装しても、特性の変化があ
まりないので好ましい。更に、段差部における断面も、
同様に、円形または多角形状とすることが好ましく、し
かも多角形状とする場合には、特に正多角形状とするこ
とが好ましい。なお、段差部11Zの断面形状と両端部
の断面形状の断面形状は異なった形でも良いし、同一形
状としても良い。
【0041】次に基台11の面取りについて説明する。
【0042】基台11に形成された角部には、面取りが
形成されており、その面取りの曲率半径Rは下記を満た
すことが好ましい。
【0043】0.1<R1<0.5(mm) R1が0.1mm以下であると、基台11の角部が尖っ
た形状となっているので、メッキ法やスパッタリング法
等の蒸着法等によって導電膜12を形成する際に稜線部
での断線やはがれ等が生じる可能性があり、さらに、ち
ょっとした衝撃などによって角部に欠けなどが生じるこ
とがあり、その欠けによって、特性の劣化等が発生した
りする。
【0044】また、R1が0.5mm以上であると、ア
ンテナを回路基板に実装する際に、はんだ部にひけや空
洞が発生したり、幅方向のはんだ部の細りや未はんだが
発生したりする。
【0045】次に基台11の構成材料について説明す
る。基台11の構成材料として下記の特性を満足してお
くことが好ましい。
【0046】体積固有抵抗:1013Ωm以上(好ましく
は1014Ωm以上) 熱膨張係数:5×10-4/℃以下(好ましくは2×10
-5/℃以下)[20℃〜500℃における熱膨張係数] 比誘電率:1MHzにおいて40以下(好ましくは20
以下) 曲げ強度:1300kg/cm2以上(好ましくは20
00kg/cm2以上) 焼結密度:理論密度の92%以上(好ましくは95%以
上) 基台11の構成材料が体積固有抵抗が1013Ωm以下で
あると、導電膜12間にリーク電流が発生しアンテナ利
得の損失を招いてしまう。
【0047】また熱膨張係数が5×10-4/℃以上であ
ると、基台11にヒートショック等でクラックなどが入
ることがある。すなわち熱膨張係数が5×10-4/℃以
上であると、上述の様に溝13を形成する際にレーザ光
線や砥石等を用いるので、基台11が局部的に高温にな
り、基台11にクラックなどが生じることあるが、上述
の様な熱膨張係数を有することによって、大幅にクラッ
ク等の発生を抑止できる。
【0048】また、誘電率が1MHzにおいて40以上
であると、導電膜間に無視できないほどの静電容量が発
生し、体積固有抵抗が低下したときと同様に導電膜12
間にリーク電流が発生しアンテナ利得の損失を招いてし
まう。
【0049】曲げ強度が1300kg/cm2以下であ
ると、実装装置で回路基板等に実装する際に素子折れ等
が発生することがある。
【0050】焼結密度が理論密度の92%以下である
と、基台11の吸水率が高くなり、基台11の特性が著
しく劣化し、素子としての特性が悪くなったり、抗折強
度の劣化などから十分な機械的強度が確保できなくなっ
てしまう。
【0051】この様に基台11の体積固有抵抗,熱膨張
係数,誘電率,曲げ強度,焼結密度を規定することによ
って、アンテナ利得が低下しないので、面実装用チップ
アンテナの素子として用いることができ、ヒートショッ
ク等で基台11にクラック等が発生することを抑制でき
るので、不良率を低減することができ、更には、機械的
強度を向上させることができるので、実装装置などを用
いて回路基板等に実装できるので、生産性が向上する等
の優れた効果を得ることができる。
【0052】上記の諸特性を得る材料としては、アルミ
ナを主成分とするセラミック材料が挙げられる。しかし
ながら、単にアルミナを主成分とするセラミック材料を
用いても上記諸特性を得ることはできない。すなわち、
上記諸特性は、基台11を作製する際のプレス圧力や焼
成温度及び添加物によって異なるので、作製条件などを
適宜調整しなければならない。具体的な作製条件とし
て、基台11の加工時のプレス圧力を2〜5t,焼成温
度を1500〜1600℃,焼成時間1〜3時間等の条
件が挙げられる。また、アルミナ材料の具体的な材料と
しては、Al23が92重量%以上,SiO2が6重量
%以下,MgOが1.5重量%以下,Fe23が0.1
%以下,Na2Oが0.3重量%以下等が挙げられる。
【0053】この他にもフォルステライト、チタン酸マ
グネシウム系やチタン酸カルシウム系、ジルコニア・ス
ズ・チタン系、チタン酸バリウム系や鉛・カルシウム・
チタン系などのセラミック材料を用いても良い。
【0054】また、基台11の構成材料として、フェラ
イト等の磁性材料で構成してもよい。
【0055】次に基台11の表面粗さについて説明す
る。なお、以下の説明で出てくる表面粗さとは、全て中
心線平均粗さを意味するものであり、導電膜12の説明
等に出てくる粗さも中心線平均粗さである。
【0056】基台11の表面粗さは0.1〜1.0μmと
する事が好ましく、0.1μmより表面粗さが小さい
と、導電膜12の密着強度が低下し、1.0μmより大
きいと導電膜12の導体損が増加しアンテナ利得を低下
させてしまう。
【0057】なお、本実施の形態では、導電膜12と基
台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整すること
によって、向上させたが、例えば、基台11と導電膜1
2の間に炭素単体,炭素に他の元素を添加したもの、C
r単体またはCrと他の金属の合金(NiCr合金)の
少なくとも一方で構成された中間層を設けることによっ
て、表面粗さを調整せずとも導電膜12と基台11の密
着強度を向上させることができる。もちろん基台11の
表面粗さを調整し、その上その基台11の上に中間層及
び導電膜12を積層する場合では、より強力な導電膜1
2と基台11の密着強度を得ることができる。
【0058】次に導電膜12について説明する。
【0059】以下具体的に導電膜12について説明す
る。
【0060】導電膜12の構成材料としては、銅,銀,
金,ニッケルなどの導電材料が挙げられる。この銅,
銀,金,ニッケル等の材料には、耐候性等を向上させた
めに所定の元素を添加してもよい。また、導電材料と非
金属材料等の合金を用いてもよい。構成材料としてコス
ト面や耐食性の面及び作り易さの面から銅及びその合金
がよく用いられる。導電膜12の材料として、銅等を用
いる場合には、まず、基台11上に無電解メッキによっ
て下地膜を形成し、その下地膜の上に電解メッキにて所
定の銅膜を形成して導電膜12が形成される。更に、合
金等で導電膜12を形成する場合には、スパッタリング
法や蒸着法で構成することが好ましい。
【0061】なお、導電膜12を金,白金,パラジウ
ム,銀,タングステン,チタン,ニッケル,錫,銅の材
料グループから選ばれる少なくとも一つの材料か、もし
くは、前記材料グループから選ばれる材料と、前記材料
グループ以外の元素の合金材料の少なくとも一方で構成
することで、例えば回路基板のランド上に半田や鉛フリ
ー半田などを用いて、直接的あるいは間接的に接合され
る。
【0062】なお、導電膜12の膜厚としては、1〜5
0μmとすることが良く、導電膜12の膜厚が1μmよ
り小さいと、高周波電流が流れるのに必要な表皮深さを
十分に確保できなくなり、50μmより大きいと表皮深
さは、十分に確保できるが生産性が悪くなるばかりか、
ヒートショックなどの耐環境性能の劣化を招く。
【0063】更に、導電膜12に形成される溝13の幅
K1と溝13と溝13の間の導電膜12の幅K2は、ア
ンテナの動作周波数、利得およびアンテナ外形形状から
決められ、以下の関係を有する事が好ましい。
【0064】20μm>K1>500μm 5μm>K2>500μm K1が20μm以下であると導電膜12間の絶縁に対す
る十分な信頼性が確保できないという不具合が生じ、5
00μm以上であるとアンテナ動作周波数に必要なイン
ダクタンス値が十分にとれなくなるという不具合が生じ
る。
【0065】また、K2が5μm以下であると導電膜1
2の伝送線路としてのインピーダンスが高くなりすぎ
て、アンテナとしてのインピーダンス整合がとれなくな
ってしまったり、導体損の増加からアンテナ利得の劣化
を招くという不具合が生じ、500μm以上であるとア
ンテナ動作周波数に必要なインダクタンス値が十分にと
れなくなるという不具合が生じる。
【0066】導電膜12の形成方法としては、メッキ法
(電解メッキ法や無電解メッキ法など),スパッタリン
グ法,蒸着法等が挙げられる。この形成方法の中でも、
量産性がよく、しかも膜厚のばらつきが小さなメッキ法
がよく用いられる。
【0067】導電膜12の表面粗さは5μm以下が好ま
しく、更に好ましくは2μm以下が好ましい。導電膜1
2の表面粗さが5μmを超えると導体損の増加からアン
テナ利得の劣化を招く、という不具合が生じる。
【0068】次に保護材14について説明する。
【0069】保護材14としては、耐候性に優れた有機
材料、例えばエポキシ樹脂などの絶縁性を示す材料が用
いられる。また、保護材14としては、溝13の状況等
が観測できるような透明度を有する事が好ましい。更に
保護材14には透明度を有したまま、所定の色を有する
ことが好ましい。保護材14に赤,青,緑などの、導電
膜12や端子部15,16等と異なる色を着色する事に
よって、素子各部の区別をする事ができ、素子各部の検
査などが容易に行える。また、素子の大きさ、特性、品
番等の違いで保護材14の色を変えることによって、特
性や品番等の異なる素子を誤った部分に取り付けるなど
のミスを低減させることができる。
【0070】なお、保護材14は、耐候性を求める場合
等に必要であり、耐候性等を必要としない場合等には、
設けなくても良い。また、樹脂などを塗布して保護材1
4を形成しても良いが、電着法(例えばカチオン電着
法)などを用いて、保護材14を設けても良く、この場
合には、薄くて均一な膜を形成でき、溝13の中に大量
に入り込まないので、保護材14を設けた後でもチップ
アンテナの動作周波数が変動することはないかあるいは
わずかに変動するだけであるので、非常に好ましく、し
かも量産性に優れている。
【0071】また、保護材14としては、上述の様に樹
脂などの高分子材料ではなく、図3に示すように金属膜
などを用いてもよい。
【0072】この場合、保護材14としては、耐候性に
優れた金属材料が用いられ、保護材14の具体的材料と
しては、金,白金,パラジウム,銀,タングステン,チ
タン,ニッケル,錫の材料グループから選ばれる少なく
とも一つの材料か、もしくは、前記材料グループから選
ばれる材料と前記材料グループ以外の元素の合金材料が
挙げられる。特に、コスト面や耐候性の面から見ると、
金あるいは金合金,錫あるいは錫合金(ただし錫・鉛合
金は除く)が最も好ましい。保護材14は、好ましくは
溶液を用いた鍍金法や、スパッタリング法,蒸着法など
によって形成される。
【0073】また、保護材14としては、1層構造とし
ても良いし、上記材料グループあるいは、前記合金材料
群から選ばれた材料で積層して構成しても良い。
【0074】保護材14の形成形態としては、導電膜1
2全周をほぼ確実に保護材14で覆ってしまう構成によ
って、確実に導電膜12の保護を行うことができる。ま
ず、基台11上に導電膜12を一部或いは全面に形成
し、その後に溝13を例えばスパイラル状(残ったスパ
イラル状の導電膜12の巻軸が基台11の長手方向に沿
うように)に形成し、その後に上述の鍍金法などによっ
て、保護材14を形成することで、ほぼ完全に導電膜1
2を保護材14で覆う構成となる。
【0075】また、この場合、保護材14の膜厚として
は、0.05μm〜7μm(好ましくは0.1μm〜5
μm)程度が好ましく、0.05μmより膜厚が薄いと
十分に耐候性が得られないという不具合が生じ、7μm
より厚いと、スパイラル状の導電膜12間で短絡が発生
してしまう可能性があったり、それほど耐候性の向上が
見られず、コストアップだけが発生するという不具合が
生じる。
【0076】更に、保護材14としては、好ましくは、
アンテナ特性が劣化しないように、電気抵抗の小さい方
が好ましく、この点からすると、保護材14としては、
金,金合金,白金,白金合金,パラジウム,パラジウム
合金,錫,錫合金(ただし錫・鉛合金は除く)を用いる
ことが好ましい。
【0077】また、保護材14として、タングステン,
チタン,ニッケル等は、多少表面に酸化物が形成され、
その酸化物の形成によって、安定した耐候性を得ること
ができる。この場合、長期間の使用において、多少のア
ンテナ特性がばらつくことはあるが、これら使用するア
ンテナの仕様などによって、適宜用いることができ、し
かも上記問題を解決するには、製造の時に、予め形成し
た保護材14の表面に酸化物を形成して、特性を調整す
ることで、その後に特性の劣化などが生じることを防止
できる。
【0078】この様に、保護材14を耐候性の高く、し
かも好ましくは電気抵抗の小さな金属材料で構成するこ
とによって、例えば保護材14として、樹脂などを形成
する場合に比較して、特性のばらつきを抑えることがで
きる。すなわち、樹脂などによって、保護材14を形成
する場合にはどうしても、その樹脂の塗布量のばらつき
などが生じて特性が劣化したり、或いは、樹脂で保護材
14を形成するので、アンテナとして機能するスパイラ
ル状の導電膜12上に絶縁体が比較的厚く形成されるこ
とになるので、アンテナ特性が劣化するが、本実施の形
態の様に、耐候性の大きな、好ましくは電気抵抗の小さ
な金属材料で構成することによって、比較的、各アンテ
ナ素子に形成される保護材14の量を一定にすることが
でき、しかも厚い絶縁体がスパイラル状の導電膜12上
に形成されることはないので、特性のばらつきやアンテ
ナ特性の劣化を防止できる。
【0079】更に、上記材料で保護材14として錫,錫
合金(錫・鉛合金は除く),金,金合金の少なくとも一
つを用いることによって、直接回路基板に実装でき、し
かも鉛フリー部品とすることができ、環境に優しい面実
装アンテナ素子を提供することができる。
【0080】次に端子部15,16について説明する。
【0081】端子部15,16は、導電膜12のみでも
十分に機能するが、様々な環境条件等に順応させるため
に、多層構造とすることが好ましい。
【0082】基台11の端部11dの上に導電膜12が
形成されており、しかも導電膜12の上には耐候性を有
するニッケル,チタン等の材料で構成される保護層30
0が形成されており、更に保護層300の上には半田等
で構成された接合層301が形成されている。保護層3
00は接合層301と導電膜12の接合強度を向上させ
るとともに、導電膜の耐候性を向上させることができ
る。本実施の形態では、保護層300の構成材料とし
て、ニッケルかニッケル合金の少なくとも一方とし、接
合層301の構成材料としては半田または鉛フリー半田
を用いた。保護層300(ニッケル)の厚みは1〜8μ
mが好ましく、1μmを下回ると耐候性が悪くなり、8
μmを上回ると保護層300(ニッケル)自体の電気抵
抗が高くなり、素子特性が大きく劣化する。また、接合
層301(半田)の厚みは5μm〜20μm程度が好ま
しく、5μmを下回ると半田量が不足して素子と回路基
板等との良好な接合が期待できず、20μmを上回ると
メッキ量が多くなるため生産性が悪くなる。なお、保護
層300は耐候性を要求しない場合には設けなくても良
い。
【0083】なお、チップアンテナの実装の際の方向性
を無くすには、端子部15,16の全側面に導電膜12
を設けるか、或いは、その導電膜12上に接合層301
か保護層300の少なくとも一つを設けることが好まし
い。
【0084】更に、本実施の形態では、基台11の端面
全面に導電膜12を設けたが、図4(a)に示すよう
に、基台11の端面がむき出しになるように、基台11
の端面上に導電膜12が全く存在しないように構成した
り、あるいは、図4(b)に示すように、端面の一部に
基台11がむき出しになるように、導電膜12の非配設
部分を設けることで、スパイラル状に形成された導電膜
12を空芯コイル化することができ、高周波磁界がアン
テナ素子部をスムーズに流れることによりアンテナのQ
値が良くなりアンテナ利得が向上する。この空芯化処理
部(基台11がむき出しになっている部分)の形状は、
図に示す方形状以外に、円形,楕円形状,三角形状,多
角形などでも良いが、その面積が基台11の端面の少な
くとも30%以上必要で、これ以下の面積では、効果が
十分に現れてこないという不具合が起こる。
【0085】また、端子部15,16として、保護層3
00や接合層301の少なくとも一つを設けた場合に
は、上述の通り、基台11の端面をむき出しにしても良
いし、更に、基台11の端面上において、導電膜12を
設けず、保護層300や接合層301の少なくとも一方
を配設する構成となるようにしても良い。この構成は、
基台11をむき出しにするよりも空芯コイル化の効果は
多少減少するものの、導電膜12を基台11の端面上の
全面に形成するよりは、特性を良くすることができる。
【0086】また、端子部15,16としては、図6に
示すように、基台11の両端に断面コ字型の有底型の金
属キャップ400を嵌着してもよい。金属キャップ40
0を嵌着する事で導電膜12との電気的接合が実現され
る。金属キャップ400は、圧入により装着したり、あ
るいは、多少導電膜12との間に隙間が設けられ、その
隙間に導電性接着剤を設けることで装着してもよい。こ
の構成によって、金属キャップ400の基台11側面に
おける厚みによって、アンテナ素子部を基板から浮かす
ことができるので、特性の変化を小さくできる。また、
比較的広い領域において、金属キャップ400と導電膜
12との電気的接合を実現する様に、図6に示すよう
に、金属キャップ400上と導電膜12上にわたって連
続して、接合膜401を形成してもよい。接合膜401
はメッキ法などにより形成され、しかも錫,錫合金(錫
・鉛合金は除く),金,金合金等の材料で構成され、こ
れら材料によって構成することで、直接基板状に実装で
き、鉛フリーの素子を得ることができる。
【0087】次に、スパイラル状の導電膜で構成された
アンテナ素子部の配置関係について好ましい例について
説明する。
【0088】基本的に、本実施の形態のチップアンテナ
は、端子部15,16をいずれか一方を給電部としても
動作周波数の変化を小さくするために、スパイラル状の
導電膜12で構成されるアンテナ素子部のチップアンテ
ナ上における配置関係について検討した結果、以下の関
係を満たすことが重要であることに着目した。
【0089】すなわち、図2において、溝13の両端間
で定義されるアンテナ素子部の中央部が、図2のB領域
に存在することが好ましい(溝13の最外端部間の距離
がアンテナ素子部の長さ)。
【0090】すなわち、チップアンテナの全長をLと
し、両端から0.3×Lの範囲(好ましくは0.4×L
の範囲,更に好ましくは0.45×L)をA領域とし
て、チップアンテナの長手方向における中心をGとした
とき、中心Gから両端に0.2×Lの範囲(好ましく
は、0.1×Lの範囲、更に好ましくは0.05×Lの
範囲)をB領域とした場合に、アンテナ素子部の長さL
1の中心G1がこのB領域の範囲に存在するように構成
した。
【0091】このように構成することで、端子部15,
16のいずれか一方を給電部としても、動作周波数の違
いはあまり生じない。
【0092】図7を用いて上記アンテナ素子部の中心が
存在する位置と動作周波数のばらつきについて説明す
る。
【0093】図7はアンテナ素子部の中心が存在する位
置と動作周波数について説明するグラフである。横軸が
チップアンテナの中心に対するアンテナ素子部の中心の
ずれ(チップアンテナの全長に対する百分率で表示)、
縦軸がこのときのチップアンテナの本来の動作周波数
2.41GHzに対する変動量を示している。通常求め
られるアンテナの動作周波数のばらつき範囲は2%以内
であるが、このグラフから、チップアンテナの動作周波
数のばらつきを2%以内にするためには、チップアンテ
ナの中心に対するアンテナ素子部の中心のずれは少なく
とも±20%以内に設定しなければならない事がわか
る。
【0094】これは、最も電流の流れるアンテナ給電部
付近に高インピーダンスのアンテナ素子部、すなわちス
パイラル状の導電膜が接近することによりチップアンテ
ナのインピーダンスの増加を招き、動作周波数が下がる
ことを示しており、逆に、アンテナ給電部から高インピ
ーダンスのアンテナ素子部、すなわちスパイラル状の導
電膜が遠ざかるとチップアンテナのインピーダンスが低
下し、動作周波数が上がることを示している。
【0095】このため、いずれの給電部を用いても動作
周波数の変動の少ないチップアンテナを構成するために
は、チップアンテナの長手方向における中心Gから両端
に0.2×Lの範囲に、アンテナ素子部の中心G1が存
在するようにしなければならないことがわかる。
【0096】以上の様に、B領域にアンテナ素子部の中
央が存在することで、左右どちらの端子部を給電部とし
てもあまり動作周波数の違いが発生せず、実装時に予め
決まった端子部を給電部しなくてもよいので、実装性が
非常に向上する。
【0097】また、更に、端子部15,16のどちらを
給電部としても、動作周波数のばらつきが小さくなる手
段として、図1に示すように、溝13の両端を同一の平
坦な側面11a上になるように構成するか、同一の稜線
上(図示せず)になるように構成することで、アンテナ
素子部のスパイラル状導電膜12のターン数を自然数倍
かもしくはそれに近いターン数とすることができるの
で、更に、動作周波数のばらつきを抑えることができ
る。
【0098】例えば、溝13の一方の端部を側面11a
に設け、他方の端部を側面11aの反対側の面に設ける
構成であると、端子部15を給電部とした場合と端子部
16を給電部とした場合とでは、動作周波数に差が生じ
不具合が生じる。
【0099】また、基台11を円柱状とした場合には、
図11に示すように、溝13の端部13a,13bを結
んだ仮想線D2と基台11の長手方向の沿った中心線D
1が平行かあるいは±5度の角度以下で交差するように
構成することで、アンテナ素子部のターン数を自然数倍
かあるいはそれに近くすることができる。
【0100】次に、保護材14の別の形態について、説
明する。
【0101】図2に記載のチップアンテナに保護材14
は樹脂材料を塗布したり、或いは電着法によって構成さ
れているが、この様な保護材14を用いていると、アン
テナ特性にバラツキが大きく生じてしまうことがある。
すなわち、溝13内に所定の誘電率を有する樹脂材料が
存在すると、アンテナ特性に変化が生じる。また。溝1
3に樹脂材料が入り込む量を制御できれば、アンテナ特
性のバラツキは抑えることができるが、量産品では非常
に困難である。
【0102】図2に示すようにエポキシ樹脂などをアン
テナ素子部に塗布すると、溝13の中に入り込む樹脂の
量が各々のチップアンテナで異なってくる。この溝13
の中に存在する物質がどの程度かによって、アンテナ特
性は変化する。すなわち、完全にエポキシ樹脂が溝13
に充填されるように構成されたチップアンテナと、溝1
3の中に気泡などが存在して溝13内に不完全にエポキ
シ樹脂が充填されているチップアンテナではそのアンテ
ナ特性は大きくばらつく。また、電着法で保護材14を
構成する方法でも同様に、溝13内に保護材が入り込む
と共に、その入り込みの量を制御することは困難であ
る。なお、保護材14は230℃以上の耐熱性を有する
ことが好ましい。
【0103】そこで、図12に示すように、保護材14
を管状体とすることで、解決することができる。すなわ
ち、保護材14を管状体とすると、溝13の中に全く入
り込まないか、あるいは、入ったとしても極めて少量で
あるので、アンテナ特性の劣化はほとんど生じない。す
なわち、管状体が溝13に入り込もうとしても、コイル
状の導電膜12の表面に管状体が当接するので、管状体
は溝13の奥まで進入していかない。
【0104】管状体の保護材14の構成材料としては、
絶縁性を有する材料で構成され、好ましくは、弾性か或
いは可塑性を有する材料で構成することが好ましい。具
体的な材料としては樹脂材料が挙げられる。例えば、管
状体として、樹脂で構成されたチューブを用い、そのチ
ューブを基台11に挿入してアンテナ素子部を覆い保護
材14として用いる。
【0105】また、更に好ましくは、管状体を熱収縮性
を有する樹脂材料(具体的には、ポリフッ化ビニリデン
樹脂等)で構成することで、基台11に管状体を挿入し
た後に、所定の温度で熱処理することで、管状体が収縮
しアンテナ素子部へ確実に密着し、容易に基台11から
管状体が脱落しないように構成でき、しかもゴミなどが
アンテナ素子部へ入らず特性劣化を防止することができ
る。この時、管状体の熱処理された後の厚みは、0.1
mm〜2.0mm程度となるように構成することが、絶
縁性の面や耐候性の面から好ましい。
【0106】また、基台11の断面形状と、挿入される
保護材14となる管状体の断面形状は、必ずしも同形で
なくてもよいが、好ましくは、基台11の断面形状が方
形状であれば、管状体の断面形状も方形状とした方がよ
い。すなわち、基台11の断面形状に合わせて管状体の
断面形状を決めることが好ましい。
【0107】ただ量産面で、部品の種類を減らす意味
で、管状体を断面円形状とした場合には、基台11の断
面形状が方形状でも、上述の通り熱収縮性を有する樹脂
で管状体を構成すれば、十分な密着性を有することがで
きる。
【0108】さらに、この様に、管状体を用いるメリッ
トとして、管状体に不具合が生じた場合には、カッター
などで管状体を切断することで、容易に取り除くことが
でき、不良品の低減も行うことができる。
【0109】なお、上記実施の形態では、管状体と導電
膜12には特別に接着剤や粘着材を用いていないが、管
状体と導電膜12間の接合強度などに問題がある場合に
は、管状体の内壁に例えば熱硬化樹脂等を塗布してお
き、熱処理等にて、管状体と導電膜12との接合強度を
向上させることができる。
【0110】以上の様に構成されたチップアンテナにつ
いて、以下その製造方法について説明する。
【0111】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体にメッキ法やスパッタリング法などによっ
て導電膜12を形成する。なお、導電膜12と基台11
間の密着強度を増すため等のために、バッファ層(炭素
膜やNi−Cr膜,炭素含有膜,Ni合金膜,Ag,S
n,Cu,Ag合金,Sn合金,Cu合金)を設ける場
合には、蒸着法や焼結法などによって、基台11上にバ
ッファ層を設けてから導電膜12をメッキ法などで構成
する。
【0112】次に導電膜12を形成した基台11にスパ
イラル状の溝13を形成する。溝13はレーザ加工や切
削加工によって作製される。レーザ加工は、非常に生産
性が良いので、以下レーザ加工について説明する。ま
ず、基台11を回転装置に取り付け、基台11を回転さ
せ、そして基台11にレーザを照射して導電膜12及び
基台11の双方を取り除き、スパイラル状の溝を形成す
る。当然図2に示すB領域にアンテナ素子部の中心(溝
13の中心)が配置されるように溝13が形成される。
このときのレーザは、YAGレーザ,エキシマレーザ,
炭酸ガスレーザなどを用いることができ、レーザ光をレ
ンズなどで絞り込むことによって、基台11に照射す
る。更に、溝13の深さ等は、レーザのパワーを調整
し、溝13の幅等は、レーザ光を絞り込む際のレンズを
交換することによって行える。また、導電膜12の構成
材料等によって、レーザの吸収率が異なるので、レーザ
の種類(レーザの波長)は、導電膜12の構成材料によ
って、適宜選択することが好ましい。なお、レーザー加
工では溝13の幅を広くすることは困難であるので、砥
石もしくはラバーによる切削加工を用いても良い。
【0113】溝13を形成した後に、溝13を形成した
部分に保護材14を塗布し、乾燥させたり、電着液の中
で電着塗装することで、電着樹脂膜を形成し、保護材1
4を形成する。また、アンテナ特性の劣化を防止するた
めに、樹脂で構成されたチューブを基台11に挿入して
取り付け、そのチューブを保護材14として用いる。こ
の時、端子部15,16となる基台の11の両端部がむ
き出しになる様な長さをチューブは有する。なお、樹脂
製のチューブが熱収縮性を有する場合には、チューブを
装着した後に、所定の温度で熱処理して、チューブをア
ンテナ素子部に密着させる。
【0114】この時点でも、製品は完成するが、特に端
子部15,16にニッケル層や半田層を積層して、耐候
性や接合性を向上させることもある。ニッケル層や半田
層は、メッキ法等によって保護材14を形成した半完成
品に形成する。
【0115】保護材14として図3に示すように耐食性
の高い金属膜で構成する場合には、溝13を形成した後
に、メッキ法などによって、金や錫等で構成された金属
膜を導電膜12上に形成する。
【0116】なお、本実施の形態では、アンテナ素子部
としては、導電膜12をスパイラル状としたものを用い
たが、導線などの線状体を基台の側面に巻き付けた構成
としても良い。このように構成することで、導線の損失
は導電膜に比べて小さいので、アンテナ利得を向上させ
ることができる。
【0117】図5は本発明のチップアンテナの回路基板
への実装を示す斜視図であり、図5において、100は
図1〜3等に示されるチップアンテナ、101は回路基
板で、回路基板101には少なくともチップアンテナ固
定用パターン102と受信或いは送信回路と接続された
パターン103が設けられている。なお、回路基板10
1には、図示していないが他の電子部品(抵抗器,コン
デンサ,インダクタンス素子,半導体装置の中の少なく
とも一つ)が実装されている。
【0118】本実施の形態では、パターン102に端子
部16を接合し、パターン103に端子部15を接合し
ているが、逆方向に接合しても良い。また、本実施の形
態では、端子部15,16の断面形状を略正方形として
いるので、実装面を側面100aとしているが、実装面
として側面100b,100c,100dとしても特性
の変化が極めて小さく、チップアンテナ100を実装す
る際の方向性を無くすことができる。
【0119】図8及び図9はそれぞれ本発明の一実施の
形態における無線端末装置を示す斜視図及びブロック図
である。図8及び図9において、29は音声を音声信号
に変換するマイク、30は音声信号を音声に変換するス
ピーカー、31はダイヤルボタン等から構成される操作
部、32は着信等を表示する表示部、33は公衆回線な
どと接続された基地局との間で電波のやり取りを行うア
ンテナ、34はマイク29からの音声信号を復調して送
信信号に変換する送信部で、送信部34で作製された送
信信号は、アンテナ33を通して外部に放出される。3
5はアンテナ33で受信した受信信号を音声信号に変換
する受信部で、受信部35で作成された音声信号はスピ
ーカー30にて音声に変換される。36はアンテナで、
アンテナ36は、図示していないデスクトップコンピュ
ータ,モバイルコンピュータ等の携帯端末装置との間で
電波のやり取りを行い、図1,2等に示されるチップア
ンテナである。37はデータ信号をデータ送信信号に変
換し、そのデータ送信信号をアンテナ36を介して送信
する送信部、38はアンテナ36を介して受信したデー
タ受信信号をデータ信号に変換する受信部、39は送信
部34,受信部35,操作部31,表示部32,送信部
37,受信部38を制御する制御部である。
【0120】なお、本実施の形態では、アンテナ33を
ヘリカルアンテナやホイップアンテナ等を用い、アンテ
ナ36を図1,2等に示すチップアンテナとしてが、ア
ンテナ33及びアンテナ36の双方を図1,2等に示す
チップアンテナとしても良い。
【0121】更に、図9に示すアンテナ36,送信部3
7,受信部36を設けずに、アンテナ33を図1,2等
に示すチップアンテナとした無線端末装置にしても良
い。
【0122】以下図8,9に示す無線電話装置のその動
作の一例について説明する。
【0123】先ず、着信があった場合には、受信部35
から制御部39に着信信号を送出し、制御部39は、そ
の着信信号に基づいて、表示部32に所定のキャラクタ
等を表示させ、更に操作部31から着信を受ける旨のボ
タン等が押されると、信号が制御部39に送出されて、
制御部39は、着信モードに各部を設定する。即ちアン
テナ33で受信した信号は、受信部35で音声信号に変
換され、音声信号はスピーカー30から音声として出力
されると共に、マイク29から入力された音声は、音声
信号に変換され、送信部34を介し、アンテナ33を通
して外部に送出される。
【0124】次に、発信する場合について説明する。
【0125】まず、発信する場合には、操作部31から
発信する旨の信号が、制御部39に入力される。続いて
電話番号に相当する信号が操作部31から制御部39に
送られてくると、制御部39は送信部34を介して、電
話番号に対応する信号をアンテナ33から送出する。そ
の送出信号によって、相手方との通信が確立されたら、
その旨の信号がアンテナ33を介し受信部35を通して
制御部39に送られると、制御部39は発信モードに各
部を設定する。即ちアンテナ33で受信した信号は、受
信部35で音声信号に変換され、音声信号はスピーカー
30から音声として出力されると共に、マイク29から
入力された音声は、音声信号に変換され、送信部34を
介し、アンテナ33を通して外部に送出される。
【0126】図10は本発明の一実施の形態における無
線端末装置を用いたシステムを示す図であり、図10に
おいて、200は図8,9に示す無線端末装置、201
は無線端末装置200との間でデータのやり取りを行う
携帯端末装置、202は無線端末装置200と通信を行
う基地局で、無線端末装置200は直接基地局202と
通信を行ったり、時には地球の周りを回っている通信衛
星を介して、基地局202と通信を行う。203は基地
局202と公衆回線204を介して接続されたサーバー
(好ましくは通信サーバー)で、サーバー203は公衆
回線や専用回線等の回線205を介してインターネット
等の情報網206と接続されている。207は情報網2
06と接続されたユーザー等で、ユーザー等207と
は、プロバイダや特定或いは不特定のユーザー等を示
す。
【0127】携帯端末装置201は、無線端末装置20
0と電波のやり取りを行うアンテナ201aが設けられ
ており、このアンテナ201aとしては、図1,2等に
示すようなチップアンテナを用いるのが好ましく、チッ
プアンテナは携帯端末装置201のケース内に内蔵され
ているか、或いは、携帯端末装置201に接続される通
信カードに設けられている。201bはアンテナ201
aで受信した受信信号を受信データ信号に変換したり、
或いは、携帯端末装置201が送ろうとする送信データ
を送信信号に変換したりする。201cは入力手段で、
入力手段201cとしてはキーボード,手書き入力装
置,音声入力装置等で構成され、外部へ送ろうとするデ
ータなどの入力を行う。201dは表示手段で、送られ
てきたデータを表示したり、或いは入力手段201cで
入力されたデータなどを表示する。表示手段201dと
しては、液晶ディスプレー,CRTディスプレー,有機
ELディスプレー,プラズマディスプレー等が好適に用
いられる。201eは送られてきたデータなどを記憶す
る記憶手段で、記憶手段201eとしては、ハードディ
スクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスクドライ
ブ、DVDドライブ,光磁気ディスクドライブ,CD−
Rドライブ,CD−RWドライブ等の光ディスクドライ
ブ等のデータの記憶、読み出し可能なものが好適に用い
られる。201fはデータ読み出し専用の外部記憶手段
で、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ等
の読み出し専用のドライブが好適に用いられる。201
gは各部を制御する制御手段である。
【0128】以下、通信方法について、一例を説明す
る。
【0129】先ず、無線端末装置200とサーバー20
3の間に通信を確立させる。
【0130】携帯端末装置201の入力手段201c等
から入力されたデータは、送信データ信号として、送受
信部201bに送られ、送受信部201bで送信信号に
変換され、アンテナ201aを介して近傍に配置された
(半径約10m以内)無線端末装置200に送られる。
無線端末装置200では、図示していないアンテナ36
にてその送信信号を受信し、受信部38にて受信データ
信号に変換される。その受信データ信号は制御部39を
介して、送信部34に送られ、送信部34にて、送信信
号に変換され、アンテナ33から電波として送信され、
基地局202,サーバー203を介して、情報網206
に接続されユーザー等207に携帯端末装置201で入
力されたデータが送信される。
【0131】更に、ユーザー等207からデータ送信さ
れると、情報網206、サーバー203、基地局202
を介して無線端末装置200にデータ送信信号が送られ
てくる。無線端末装置200はアンテナ33でそのデー
タ送信信号を受信すると、受信部34で受信し、その受
信した信号を音声に変換するかどうかを判断する。個の
時、音声信号へ変換する信号であれば、直接スピーカー
30から音を出し、データ信号として、携帯端末装置2
01に送るものであれば、制御部39を介して、送信部
37に送られる。送信部37では、データ信号をデータ
送信信号に変換し、アンテナ36を介して、送信し、そ
の送信信号がアンテナ201aで受信されると、送受信
部201bにてデータ信号に変換され、制御手段201
gで、そのデータ信号に対応したキャラクタなどを表示
手段201dに表示したり、或いは記憶手段201eに
記憶させる。
【0132】
【発明の効果】本発明は、基台と、基台に設けられた端
子部と、基台上に設けられ前記端子部と電気的に接続さ
れたスパイラル状のアンテナ素子部と、アンテナ素子部
を覆う絶縁性を有する管状の保護材とを備えたことで、
筒状の保護材は、スパイラル状のアンテナ素子部の間に
入らないか或いは入ったとしてもごく僅かであるので、
アンテナ特性のバラツキを抑えることができ、機器での
アンテナ特性の調整などがごく軽微か或いは全く調整が
不要となるので、機器などの生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるチップアンテナ
を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態におけるチップアンテナ
を示す側断面図
【図3】本発明の別な実施の形態におけるチップアンテ
ナを示す側断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるチップアンテナ
を示す端子部側面図
【図5】本発明のチップアンテナの回路基板への実装を
示す斜視図
【図6】本発明の別な実施の形態におけるチップアンテ
ナを示す側断面図
【図7】アンテナ素子部の中心が存在する位置と動作周
波数について説明するグラフ
【図8】本発明の一実施の形態における無線端末装置を
示す斜視図
【図9】本発明の一実施の形態における無線端末装置を
示すブロック図
【図10】本発明の一実施の形態における無線端末装置
を用いたシステムを示す図
【図11】本発明の一実施の形態におけるチップアンテ
ナの端面を示す平面図
【図12】本発明の別な実施の形態におけるチップアン
テナを示す側断面図
【符号の説明】
11 基台 11Z 段差部 12 導電膜 13 溝 14 保護材 15,16 端子部 30 スピーカー 31 操作部 32 表示部 33,36 アンテナ 34,37 送信部 35,38 受信部 39 制御部 200 無線端末装置 201 携帯端末装置 202 基地局 203 サーバー 204 公衆回線 205 回線 206 情報網 207 ユーザー等
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04M 1/725 H04M 1/725 3/42 3/42 Z (72)発明者 磯▲崎▼ 賢蔵 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 黒木 政信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5J046 AA03 AA19 AB00 AB12 PA01 QA05 5J047 AA03 AA19 AB00 AB12 FD01 FD06 5K011 AA06 HA06 JA01 5K024 AA71 CC11 EE06 GG05 5K027 AA12 BB02 CC08 FF02 FF22

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台に設けられた端子部と、
    前記基台上に設けられ前記端子部と電気的に接続された
    スパイラル状のアンテナ素子部と、前記アンテナ素子部
    を覆う絶縁性を有する管状の保護材とを備えたことを特
    徴とするチップアンテナ。
  2. 【請求項2】アンテナ素子部が基台の側面全周にわたっ
    て形成されたスパイラル状の導電膜で構成されたことを
    特徴とする請求項1記載のチップアンテナ。
  3. 【請求項3】基台の側面全周に導電膜を設け、前記導電
    膜に前記側面全周にわたってスパイラル状の溝を形成す
    ることで、スパイラル状の導電膜を形成したことを特徴
    とする請求項2記載のチップアンテナ。
  4. 【請求項4】管状の保護材の長さを基台の全長よりも短
    くするとともに、端子部となる部分には前記保護材を非
    配置としたことを特徴とする請求項1記載のチップアン
    テナ。
  5. 【請求項5】金属膜を金,白金,パラジウム,銀,タン
    グステン,チタン,ニッケル,錫,銅の材料グループか
    ら選ばれる少なくとも一つの材料か、もしくは、前記材
    料グループから選ばれる材料と、前記材料グループ以外
    の元素の合金材料の少なくとも一方で構成したことを特
    徴とする請求項4記載のチップアンテナ。
  6. 【請求項6】管状の保護材を熱収縮性を有する樹脂材料
    で構成したことを特徴とする請求項1記載のチップアン
    テナ。
  7. 【請求項7】導電膜と基台の間にバッファ層を設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載のチップアンテナ。
  8. 【請求項8】バッファ層として、炭素膜,炭素含有膜,
    Ni合金膜,Ag,Sn,Cu,Ag合金,Sn合金,
    Cu合金の少なくとも一つを設けたことを特徴とする請
    求項7記載のチップアンテナ。
  9. 【請求項9】導電膜自体を金,白金,パラジウム,銀,
    タングステン,チタン,ニッケル,錫,銅の材料グルー
    プから選ばれる少なくとも一つの材料か、もしくは、前
    記材料グループから選ばれる材料と、前記材料グループ
    以外の元素の合金材料の少なくとも一方で構成したこと
    を特徴とする請求項2記載のチップアンテナ。
  10. 【請求項10】スパイラル状の溝のターン数を自然数倍
    で構成したことを特徴とする請求項3記載のチップアン
    テナ。
  11. 【請求項11】基台を角柱状とするとともに、溝の両端
    部が同一側面上もしくは、同一稜線上に配置されること
    を特徴とする請求項3記載のチップアンテナ。
  12. 【請求項12】基台を円柱状とするとともに溝の両端部
    を結ぶ仮想線が略全長に沿った中心軸と略平行(交差角
    が±5度)となることを特徴とする請求項3記載のチッ
    プアンテナ。
  13. 【請求項13】アンテナ素子部として、線状の導体線を
    スパイラル状に基台の側面に巻回して構成したことを特
    徴とする請求項1記載のチップアンテナ。
  14. 【請求項14】基台の両端部における全側面に端子部を
    設けた事を特徴とする請求項1記載のチップアンテナ。
  15. 【請求項15】端子部として導電膜上に保護層か接合層
    の少なくとも一つを設けたことを特徴とする請求項14
    記載のチップアンテナ。
  16. 【請求項16】端子部を基台の両端部に導電性材料で構
    成されたキャップを嵌着して構成したことを特徴とする
    請求項1記載のチップアンテナ。
  17. 【請求項17】キャップ上とアンテナ素子部上にわたっ
    て接合膜を設けたことを特徴とする請求項16記載のチ
    ップアンテナ。
  18. 【請求項18】接合膜として、錫,錫合金(錫・鉛合金
    は除く),金,金合金の少なくとも一つを設けたことを
    特徴とする請求項17記載のチップアンテナ。
  19. 【請求項19】音声を音声信号に、あるいはデータをデ
    ータ信号に変換する信号変換手段と、電話番号等を入力
    する操作手段と、着信表示や電話番号等を表示する表示
    手段と、音声信号あるいはデータ信号を変調して送信信
    号に変換する送信手段と、受信信号を音声あるいはデー
    タ信号に変換する受信手段と、前記送信信号か前記受信
    信号を送信または受信の少なくとも一方を行う請求項1
    〜18いずれか1記載のアンテナと、各部を制御する制
    御手段を備えた無線端末装置。
  20. 【請求項20】基地局との間で信号の送受信を行う第1
    のアンテナと、前記第1のアンテナで送受信した信号を
    データ信号に変換する第1の送受信部と、近傍に設けら
    れた携帯端末装置との間で信号の送受信を行う第2のア
    ンテナと、前記第2のアンテナで送受信した信号をデー
    タ信号に変換する第2の送受信部とを備え、前記第1の
    アンテナおよび第2のアンテナの少なくともいずれか一
    方を請求項1〜18いずれか1記載のアンテナ構造とし
    た事を特徴とする無線端末装置。
  21. 【請求項21】請求項20記載の無線端末装置と、前記
    無線端末装置との間でデータの送受信を行う携帯端末装
    置と、前記無線端末装置との間でデータもしくは音声信
    号のやり取りを行う基地局と、前記基地局と公衆回線で
    結ばれたサーバーと、前記サーバーと回線を介して接続
    された情報網と、前記情報網と接続された特定或いは不
    特定のユーザー又はプロバイダを有するユーザー等とを
    有するデータの送受信システム。
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