JP2002217531A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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和仁 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な形状および高さを有するとともにボイ
ド等の欠陥を有さず、相互間で短絡のない半田バンプを
形成し、接続性及び信頼性に優れ、安定した品質の多層
プリント配線板を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 少なくとも下記(a)〜(c)の工程を
行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷を行い、凹形状の
半田バンプ形成用開口に半田ペースト充填する第一の半
田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処理
および振動処理のうちの少なくとも一の処理により、上
記(a)の工程を経て充填された半田ペーストの表面を
平坦にする半田ペースト平坦化工程、および、(c)1
回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペースト
印刷工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソルダーレジスト
層が有する半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷
する方法に特徴を有するプリント配線板の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆる多層ビルドアップ配線基板と呼
ばれる多層プリント配線板は、セミアディティブ法等に
より製造されており、コアと呼ばれる0.5〜1.5m
m程度のガラスクロス等で補強された樹脂基板の上に、
銅等による導体回路と層間樹脂絶縁層とを交互に積層す
ることにより作製される。この多層プリント配線板の層
間樹脂絶縁層を介した導体回路間の接続は、バイアホー
ルにより行われている。
【0003】従来、ビルドアップ多層プリント配線板
は、例えば、特開平9−130050号公報等に開示さ
れた方法により製造されている。即ち、まず、銅箔が貼
り付けられた銅張積層板に貫通孔を形成し、続いて無電
解銅めっき処理を施すことによりスルーホールを形成す
る。続いて、基板の表面をフォトリソグラフィーの手法
を用いて導体パターン状にエッチング処理して導体回路
を形成する。次に、形成された導体回路の表面に、無電
解めっきやエッチング等により粗化面を形成し、その粗
化面を有する導体回路上に絶縁樹脂層を形成した後、露
光、現像処理を行ってバイアホール用開口を形成し、そ
の後、UV硬化、本硬化を経て層間樹脂絶縁層を形成す
る。
【0004】さらに、層間樹脂絶縁層に酸や酸化剤など
により粗化形成処理を施した後、薄い無電解めっき膜を
形成し、この無電解めっき膜上にめっきレジストを形成
した後、電解めっきにより厚付けを行い、めっきレジス
ト剥離後にエッチングを行って、下層の導体回路とバイ
アホールにより接続された導体回路を形成する。これを
繰り返した後、最後に導体回路を保護するためのソルダ
ーレジスト層を形成し、ICチップ等の電子部品やマザ
ーボード等との接続のために開口を露出させた部分にめ
っき等を施して半田バンプ形成用パッドとした後、IC
チップ等の電子部品側に半田ペーストを印刷して半田バ
ンプを形成することにより、ビルドアップ多層プリント
配線板を製造する。また、必要に応じて、マザーボード
側にも半田バンプを形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ソルダーレジスト層に
形成された半田バンプ形成用パッドは、フラットな導体
回路上に形成された平坦なものと、バイアホール上に形
成されたその中心に10〜120μmの径の窪みを有す
るものの2種類がある。
【0006】中心に窪みを有する半田バンプ形成用パッ
ドは、半田ペーストを充填した際、半田ペーストの粘度
等によっては完全に窪み付近が充填されない場合があ
り、これに起因して半田バンプの窪み部分やその付近に
ボイドが形成されることがある。
【0007】この半田バンプ内に形成されたボイドは、
リフロー時や、ICチップなどの電子部品が動作した際
の発熱で、拡散したり膨張したりし、これに起因して、
半田バンプや半田バンプ形成用パッドに剥がれやクラッ
クが発生し、接続性、信頼性に悪影響を与えるという問
題があった。
【0008】近年、ICチップなどの電子部品の高密度
化、高集積化に伴い、基板の半田バンプも同様に狭ピッ
チ化、ファイン化が進行しているため、ボイドが与える
悪影響も顕著に現れるようになってきた。また、近年、
半田ペーストを63Sn/37PbからPbフリーのも
のへと変更する案が検討されているが、Pbフリーの半
田ペーストではボイドの発生率が高くなることが判っ
た。特に、半田バンプ形成用パッドの形状が窪みを有す
るものである場合にボイドが発生しやすかった。
【0009】このボイドを低減させる方法としては、半
田ペーストの粘度を下げる方法が考えられるが、この方
法では、半田バンプのボイドは低減されるものの、半田
バンプの形状や高さの均一性が損なわれ、ICチップ等
の電子部品との接続が不良となったり、印刷時に半田ペ
ーストがソルダーレジスト層の表面に滲んでしまい、半
田バンプ間の短絡を引き起こしてしまうという問題が発
生してしまう。
【0010】また、半田ペーストの印刷時に使用するマ
スクの開口径を変更する方法、ピーク温度、余熱温度、
コンベアスピード等のリフロー条件を変更する方法、ス
キージ速度や印刷圧力などの印刷条件の変更を行うこと
によりボイドを低減させる方法等も考えられるが、この
ような方法では望ましい結果を得ることは困難であっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑みて鋭意研究した結果、先に、半田ペーストの印刷を
少なくとも2回に分けて行い、1回目の半田ペースト印
刷で、半田バンプ形成用開口とその周辺に半田ペースト
を印刷することにより半田バンプ形成用開口を半田ペー
ストで充填し、その後、半田ペーストの表面を平坦化す
るとともに、該半田ペーストの表面とソルダーレジスト
層の表面とを略同一平面とし、さらに、2回目の半田ペ
ースト印刷を行うことにより、形状や高さの均一性に優
れる半田バンプを形成することができ、相互間で短絡が
なく、外部接続部品との接続信頼性に優れた半田バンプ
を有する多層プリント配線板を製造方法を発明した。
【0012】本発明者らは、先に発明した上記多層プリ
ント配線板の製造方法について、さらに、検討を行った
結果、上記半田バンプ形成用開口に充填した半田ペース
トの表面を平坦化する際、スキージ処理、ロール処理お
よび振動処理のうちの少なくとも一の処理を施すこと
で、より好適に上記半田ペーストの表面とソルダーレジ
スト層の表面とを略同一面とすることができることを見
いだし、以下に示す要旨構成とする発明に到達した。
【0013】即ち、第一の本発明の多層プリント配線板
の製造方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂
絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回
路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
レジスト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペ
ーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配
線板の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜
(c)の工程を行うことを特徴とする多層プリント配線
板の製造方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷を行い、凹形状の
半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の
半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処
理および振動処理のうちの少なくとも一の処理により、
上記(a)の工程を経て充填された半田ぺーストの表面
を平坦にする半田ペースト平坦化工程、および、(c)
1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペース
ト印刷工程。
【0014】また、第一の本発明の多層プリント配線板
の製造方法の第一の半田ペースト印刷工程においては、
上記ソルダーレジスト層上に、上記半田バンプ形成用開
口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した後、
半田ペーストを印刷することが望ましい。
【0015】第二の本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層
と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路上
に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジ
スト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペース
トを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配線板
の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(c)の
工程を行うことを特徴とする多層プリント配線板の製造
方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジ
スト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ
形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペース
ト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処理および振
動処理のうちの少なくとも一の処理により、半田バンプ
形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペースト
を除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の
表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、およ
び、(c)1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の
半田ペースト印刷工程。
【0016】第三の多層プリント配線板の製造方法は、
導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶縁層と導体回
路とを積層形成した後、最上層の導体回路上に、複数の
半田バンプ形成用開口を有するソルダーレジスト層を設
け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷し
て半田バンプを形成する多層プリント配線板の製造方法
であって、少なくとも下記(a)〜(c)の工程を行う
ことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。 (a)ソルダーレジスト層上の複数の半田バンプ形成用
開口を含む一定領域に、一回以上半田ペーストを印刷
し、前記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填す
る第一の半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、
ロール処理および振動処理のうちの少なくとも一の処理
により、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト
以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソ
ルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペー
スト除去工程、および、(c)1回以上の半田ペースト
の印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程。
【0017】また、第三の多層プリント配線板の製造方
法の第一の半田ペースト印刷工程においては、上記ソル
ダーレジスト層上に、複数の半田バンプ形成用開口を含
む一定領域に対向する部分に開口を有するマスクを載置
した後、半田ペーストを印刷することが望ましい。
【0018】第一、第二または第三の多層プリント配線
板の製造方法においては、上記(a)の工程の後、上記
(b)の工程の前に、ソルダーレジスト層上の半田ペー
スト層の表面全体または表面の一部をプレスする半田ペ
ーストプレス工程を行うことが望ましい。
【0019】第一、第二または第三の多層プリント配線
板の製造方法の第二の半田ペースト印刷工程において
は、上記ソルダーレジスト層上に、上記半田バンプ形成
用開口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した
後、半田ペーストを印刷することが望ましい。
【0020】第一、第二または第三の多層プリント配線
板の製造方法において、上記第一の半田ペースト印刷工
程で印刷する半田ペーストの粘度は、上記第二の半田ペ
ースト印刷工程で印刷する半田ペーストの粘度よりも低
いことが望ましい。
【0021】第一、第二または第三の多層プリント配線
板の製造方法の第一の半田ペースト印刷工程において
は、1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪みを
有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が充
填される程度に半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペ
ーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全
に充填するように、ソルダーレジスト層の表面全体に半
田ペーストを塗布することが望ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】第一の本発明のプリント配線板の
製造方法は、導体回路を形成した基板上に、層間樹脂絶
縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回路
上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダーレ
ジスト層を設け、上記半田バンプ形成用開口に半田ペー
ストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配線
板の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜(c)
の工程を行うことを特徴とする多層プリント配線板の製
造方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷を行い、凹形状の
半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の
半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処
理および振動処理のうちの少なくとも一の処理により、
上記(a)の工程を経て充填された半田ぺーストの表面
を平坦にする半田ペースト平坦化工程、および、(c)
1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペース
ト印刷工程。
【0023】第一の本発明の多層プリント配線板の製造
方法では、第一の半田ペースト印刷工程を経ることによ
り、半田バンプ形成用開口を半田ペーストで充填し、そ
の後、スキージ処理、ロール処理および振動処理のうち
の少なくとも一の処理により、半田バンプ形成用開口の
半田ペーストの表面を平坦化し、さらに、第二の半田ペ
ースト印刷工程を行うため、均一な形状および高さを有
するとともにボイド等の欠陥を有さず、相互間で短絡の
ない半田バンプを形成することができ、接続性及び信頼
性に優れたプリント配線板を製造することができる。ま
た、上記半田ペースト平坦化工程において、スキージ処
理、ロール処理および振動処理のうちの少なくとも一の
処理を施すため、より好適に上記半田ペーストの表面と
ソルダーレジスト層の表面とを略同一面にすることがで
き、安定した品質の多層プリント配線板を製造すること
ができる。
【0024】以下に、第一の本発明の多層プリント配線
板の製造方法について説明する。なお、本発明の多層プ
リント配線板の製造方法は、ソルダーレジスト層に設け
られた半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷する
工程、即ち、上記(a)〜(c)の工程に特徴を有する
ものであるため、まずこの工程について、図面を参照し
ながら説明し、多層プリント配線板を製造する全製造工
程については、後に説明する。
【0025】図1は、本発明の多層プリント配線板の製
造方法における(a)〜(c)の工程を模式的に示す部
分断面図である。上記(a)の工程(第一の半田ペース
ト印刷工程)では、半田バンプ形成用開口106を有す
るソルダーレジスト層114を備えた基板に、1回以上
の半田ペーストの印刷を行い、凹形状の半田バンプ形成
用開口106に半田ペースト117を充填する(図1
(a)参照)。なお、図中、102は層間樹脂絶縁層、
105は導体回路、107はバイアホール、116は半
田バンプ形成用パッド(以下、半田パッドともいう)で
ある。この工程では、半田バンプ形成用開口106に半
田ペースト117を充填する。半田バンプ形成用開口1
06に確実に充填するためには、半田バンプ形成用開口
の容積よりも多い量の半田ペーストを印刷する。従っ
て、第一の半田ペースト印刷工程終了後、印刷した半田
ペーストは、その一部が、ソルダーレジスト層の表面よ
り盛り上がった形状となる(図中、半田ペースト111
7と示す)。
【0026】上記第一の半田ペースト印刷工程において
は、ソルダーレジスト層上に、半田バンプ形成用開口に
対向する部分に開口を有するマスクを載置した後、半田
ペーストを印刷することが望ましい。マスクを載置し
て、半田バンプ形成用開口に半田ペーストを選択的に印
刷することにより、半田バンプ形成用開口およびその周
辺以外のソルダーレジスト層の表面に半田ペーストが付
着することがなく、後工程で、ソルダーレジスト層表面
に付着した半田ペーストを除去する必要がないからであ
る。
【0027】また、上記マスクの種類としては特に限定
されず、プリント配線板製造用の印刷マスクやその他の
印刷マスクで用いられている材質全てのものを用いるこ
とができる。具体的には、例えば、ニッケル合金、ニッ
ケル−コバルト合金、SUS等からなるメタルマスク;
エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等からなるプラスチック
マスク等が挙げられる。また、マスクの製造方法として
はエッチング、アディテイブ加工、レーザ加工等が挙げ
られる。
【0028】また、マスクが有する開口は、ソルダーレ
ジスト層に対して垂直な壁面を有するように形成されて
いてもよいが、徐々にソルダーレジスト層側に拡径する
形態のテーパが形成されていることが望ましい。半田ペ
ーストの抜け性に優れ、半田バンプ形成用開口に半田ペ
ーストをより確実に充填することができるからである。
また、マスクの厚さは特に限定されず、形成する半田バ
ンプの形状や、半田ペーストの抜け性等を考慮して適宜
選択すればよく、通常、30〜70μmが望ましく、3
0〜50μmがより望ましい。
【0029】また、第一の半田ペースト印刷工程で用い
る半田ペーストとしては特に限定されず、一般にプリン
ト配線板の製造で使用されるもの全てを用いることがで
きる。具体的には、例えば、Sn:Pb(重量比)=6
3:37、Sn:Pb:Ag=62:36:2、Sn:
Ag=96.5:3.5、Sn:Ag:Cu=96:
3.5:0.5、Sn:Sb=95:5等が挙げられ
る。また、半田粒子の粒子径は、2〜40μmが好まし
く、特には、5〜20μmが好ましい。
【0030】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
後述する(b)の工程(半田ペースト平坦化工程)を行
う前に、ソルダーレジスト層上の半田ペースト層の表面
全体または表面の一部をプレスする半田ペーストプレス
工程を行うことが望ましい。上記第一の半田ペースト印
刷工程においては、上記した方法を用いて半田ペースト
を印刷するのみであるため、半田バンプ形成用開口の形
状(開口径や底面の窪みの有無)によっては、半田ペー
ストが完全に充填されず、半田バンプ形成用開口にボイ
ド等が形成されるおそれがある。半田バンプ形成用開口
にボイドが形成されると、このボイドがリフロー時やI
Cチップ等の電子部品が動作した際の発熱で、拡散した
り膨張したりし、これに起因して、半田パッドや半田バ
ンプに剥がれやクラックが発生し、接続性、信頼性に悪
影響を与える原因となることがある。
【0031】従って、半田バンプ形成用開口に発生した
ボイドをそのまま放置しておくことは、上述したよう
に、製造する多層プリント配線板の接続性や信頼性の低
下に繋がるが、上記半田ペーストプレス工程を行うこと
で、第一の半田ペースト印刷工程でボイドが発生した場
合であっても、この工程でボイドを完全に除去すること
ができ、半田バンプ形成用開口を半田ペーストで完全に
充填することができる。
【0032】この工程では、ソルダーレジスト層上の半
田ペースト層の表面全体または表面の一部をプレスする
ことが望ましい。この半田ペーストプレス工程は、具体
的には、例えば、その形状が板状のプレス部材を、ソル
ダーレジスト層上の半田ペースト層117の表面全体ま
たは表面の一部に、1〜30秒程度、押し当てることに
より行うことが望ましい。また、上記プレス部材を押し
当てる際の押圧力は、半田バンプ形成用開口のボイドを
除去するとともに、半田ペーストを完全に充填すること
ができる押圧力であればよく、具体的には、0.1MP
a〜1.0MPaの押圧力で押し当てればよい。なお、
上記プレス部材をソルダーレジスト層上の半田ペースト
層の表面の一部に押し当てる場合、上記プレス部材は、
形成された全ての半田バンプ形成用開口を含む領域に押
し当てることが望ましい。半田バンプ形成用開口を半田
ペーストで完全に充填することが目的だからである。ま
た、プレス部材をソルダーレジスト層上の半田ペースト
層に押し当てる場合、このプレス部材を押し当てる操作
は1回で行ってもよいし、2回以上に分けて行ってもよ
い。
【0033】上記プレス部材の材質としては特に限定さ
れず、金属やプラスチック等が挙げられ、具体的には、
フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が望ましい。これらは、
半田ペーストに対する濡れ性が悪く、半田ペーストが付
着しにくいからである。上記プレス部材の半田ペースト
に対するぬれ性が良い場合、半田ペーストがプレス部材
に付着することがあり、このように半田ペーストがプレ
ス部材に付着した場合には、第一の半田ペースト印刷工
程で半田バンプ形成用開口に印刷した半田ペーストが除
去されることとなり、後工程を経て半田バンプを形成し
た際に、半田バンプの形状が均一にならないことがある
からである。
【0034】また、上記プレス部材は、ソルダーレジス
ト層上の半田ペースト層に当接する面の端部が曲面形状
により構成されていることが望ましい。ソルダーレジス
ト層や半田バンプ形成用開口に充填した半田ペーストに
傷をつけないためである。
【0035】また、上記半田ペーストプレス工程は、上
述したプレス部材を押し当てる方法に代えて、ソルダー
レジスト層上の半田ペースト層をローラーで押すことに
より行ってもよい。具体的には、ソルダーレジスト層上
の半田ペースト層の表面にローラーを走らせたり、ロー
ラーの間に半田ペースト層を形成した基板を通すことに
より行うことができる。
【0036】また、ローラーでソルダーレジスト層上の
半田ペースト層を押す際の押圧力は、半田バンプ形成用
開口のボイドを除去するとともに、半田ペーストを完全
に充填することができる押圧力であればよく、具体的に
は、0.1MPa〜1.0MPaの押圧力で押せばよ
い。
【0037】上記ローラーの材質としては特に限定され
ず、金属、プラスチック、セラミック等が挙げられ、具
体的には、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ
る。これらのなかでは、半田ペーストに対する濡れ性が
悪く、半田ペーストが付着しにくい点からフッ素樹脂が
望ましい。また、上記プレス部材や上記ローラーの半田
ペーストに接触する部分は、半田ペーストに濡れにくい
材料でコーティングしておいてもよい。
【0038】また、上記半田ペーストの粘度は、後述す
る第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペースト
の粘度よりも低いことが望ましい。半田ペーストの流動
性を上げることにより、半田ペーストを半田バンプ形成
用開口により確実に充填することができるからである。
特に、その底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口を
確実に充填することができる。また、流動性の高い半田
ペーストで半田バンプ形成用開口を充填した場合には、
半田バンプを形成した際によりボイドが発生しにくい。
半田ペーストの粘度を低下させる方法としては、半田ペ
ーストに添加する溶剤の量を多くしたり、フラックスの
含有量を多くしたり、半田粒子の粒径を小さくしたりす
る方法等が挙げられる。また、上記半田ペーストの粘度
は、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペース
トの粘度と同じであってもよい。
【0039】また、第一の半田ペースト印刷工程におい
ては、1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪み
を有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が
充填される程度の量の半田ペーストを印刷し、2回目の
半田ペーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口
を完全に充填するように、半田ペーストを印刷してもよ
い。
【0040】ソルダーレジスト層に形成された半田バン
プ形成用開口の底面には、導体回路が露出しており、通
常、この露出した導体回路の表面(半田バンプ形成用開
口の底面)には、めっき等により半田バンプ形成用パッ
ドが形成されている。ここで、この半田パッドが導体回
路のバイアホール上に形成されている場合、該半田パッ
ドの形状は、その一部に窪みを有するものとなる。この
ような、底面に窪みを有する半田バンプ形成用開口に半
田ペーストを充填する際には、上述したように、2回に
分けて半田ペースト印刷を行うことにより、半田バンプ
形成用開口に半田ペーストをより確実に充填することが
できる。
【0041】また、半田ペーストを印刷する際には、通
常、印刷用スキージを用いる。この印刷形成用スキージ
の材質は特に限定されず、例えば、ポリエチレン等のゴ
ム;鉄、ステンレス等の金属;セラミック、エポキシ樹
脂等の樹脂等の一般にプリント配線板の印刷に用いられ
る材質を使用することができる。これらのなかでは、弾
力性を有し、基板表面の凹凸(アンジュレーション)に
対する追従性が高いため、より確実に開口に半田ペース
トを印刷することができる点から硬度60°以上のゴム
が望ましく、目減りしにくく、摩耗による半田ペースト
への異物混入が起こりにくい点から金属が望ましい。
【0042】上記スキージの形状としては、平型、角型
等の種々の形状が挙げられる。上記形状のスキージに、
適時切れ込みを入れることにより半田ペーストの充填性
を向上させることもできる。具体的には、例えば、スキ
ージの端部にスキージの端面とのなす角が120〜15
0°の切れ込みを入れてもよい。上記スキージの厚さは
特に限定されないが、通常、10〜30mmが望まし
く、15〜25mmがより望ましい。また、金属性のス
キージの場合は、その厚さは50〜300μmが望まし
い。
【0043】また、半田ペーストの印刷は、密閉式のス
キージユニットを用いて行ってもよい。このようなスキ
ージとしては、例えば、エアー圧入型、ローラー圧入
型、ピストン圧入型等が挙げられる。隣合う半田バンプ
同士の距離が200μm以下の半田バンプを形成する場
合、このような半田バンプを形成することができる半田
ペースト層は、通常のスキージ印刷を用いて形成するこ
とが困難であるため、密閉式のスキージユニットを用い
て形成することが望ましい。また、上記密閉式のスキー
ジユニットのなかでは、印刷圧力の安定性に優れる点か
らピストン圧入型が望ましい。
【0044】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
上記(b)の工程(半田ペースト平坦化工程)を行う。
この工程では、第一の半田ペースト印刷工程終了後に、
スキージ処理、ロール処理および振動処理のうちの少な
くとも一の処理を行うことにより、半田バンプ形成用開
口より盛り上がった部分の半田ペースト1117を除去
する。このように半田ペースト1117を除去すること
により、半田ペースト表面117aを平坦化するととも
に、充填した半田ペースト表面117aとソルダーレジ
スト層の表面とを略同一平面とする(図1(b)参
照)。
【0045】ここでは、上記半田ペースト平坦化工程に
ついて、図2および図3を参照しながら説明する。図2
(a)は、スキージを用いて半田ペースト平坦化工程を
施す様子を模式的に示す説明図であり、図2(b)は、
ロール装置を用いて半田ペースト平坦化工程を施す様子
を模式的に示す説明図であり、図2(c)は、粘着ロー
ル装置を用いた処理を模式的に示す説明図である。ま
た、図3(a)は、振動装置を用いて半田ペースト平坦
化工程を施す様子を模式的に示す説明図であり、図3
(b)は、振動処理に用いる振動装置の別の一例を模式
的に示す平面図であり、図3(c)は、振動処理に用い
る振動装置のさらに別の一例を模式的に示す断面図であ
る。なお、以下の説明においては、半田ペースト111
7を除去することについてのみ説明するが、半田バンプ
形成用開口の壁面を除くソルダーレジスト層の表面に半
田ペーストが付着している場合にも、この工程で、付着
した上記半田ペーストを除去することができることは言
うまでもない。
【0046】上記スキージ処理とは、図2(a)に示す
ように、ソルダーレジスト層の表面に接する位置に、ホ
ルダー135に取りつけられたスキージ131を設置
し、このスキージ131をソルダーレジスト層の表面に
平行に移動させることで、半田バンプ形成用開口より盛
り上がった部分の半田ペースト1117をカットして除
去する処理のことをいう。
【0047】スキージ131の先端をソルダーレジスト
層の表面に接した状態で移動させる際、ソルダーレジス
ト層の表面が傷つくのを防止するため、スキージの材料
として、樹脂等の余り硬くないものを選定することが望
ましく、また、ソルダーレジスト層の表面に余り大きな
押圧力がかからないような状態でスキージ131を移動
させることが望ましい。
【0048】この半田ペースト平坦化工程において、上
記スキージ処理を採用することで、好適にソルダーレジ
スト層の表面と半田ペーストの表面とを略同一面とする
ことができ、より安定した品質の多層プリント配線板を
製造することができる。
【0049】スキージ131はソルダーレジスト層の表
面全体を移動するものであってもよく、ソルダーレジス
ト層の表面の一部を移動するものであってもよい。スキ
ージ131がソルダーレジスト層の表面の一部を移動す
る場合、スキージ131は、少なくとも、全ての半田バ
ンプ形成用開口が形成された領域を移動することが望ま
しい。
【0050】スキージ131がソルダーレジスト層上を
移動する回数は特に限定されず、1回であってもよく、
複数回であってもよいが、生産性を考慮すると、スキー
ジ131を1回移動させることにより、除去すべき半田
ペースト1117の全てを除去することができることが
望ましい。
【0051】また、スキージ131の移動速度としては
半田ペースト1117を確実に除去することができる速
度であれば特に限定されず、多層プリント配線板の大き
さや半田ペーストの粘度等に合わせて任意に設定する
が、通常、10〜100mm/sec程度である。
【0052】上記ロール処理では、図2(b)に示すよ
うに、クリーニングペーパー供給ロール132aとクリ
ーニングペーパー巻き取りロール132bとを備え、こ
れらの間にクリーニングペーパー136をソルダーレジ
スト層114表面に当接させるクリーニングロール13
4が配設された構成のロール装置132を用いることが
できる。そして、このロール装置132を、クリーニン
グペーパー136がソルダーレジスト層114表面に当
接するように設置し、クリーニングペーパー136の供
給と巻き取りとを行いながらロール装置132をソルダ
ーレジスト層の表面に平行に移動させ、クリーニングペ
ーパー136で半田バンプ形成用開口より盛り上がった
部分の半田ペースト1117を削り取るようにして除去
する。また、半田ペーストを除去した後には、クリーニ
ングペーパーの巻き取りを行うことにより別の部位の半
田ペーストを除去する際には、半田ペーストの付着して
いないクリーニングペーパーが使用されることとなる。
【0053】このようなクリーニングペーパー136を
用いた場合、ソルダーレジスト層114の表面が余り削
り取られないようにする必要があり、また、余り大きな
傷が付かないようにする必要がある。ソルダーレジスト
層114にクラック等が発生するのを防止するためであ
る。
【0054】この半田ペースト平坦化工程において、上
記ロール処理を採用することで、除去対象である半田ペ
ースト1117のみを確実に除去することができるた
め、好適にソルダーレジスト層の表面と半田ペーストの
表面とを略同一面とすることができ、より安定した品質
の多層プリント配線板を製造することができる。また、
半田ペースト1117の除去を連続的に行うことができ
るため、より生産性の向上を図ることができる。
【0055】また、クリーニングペーパーを用いた場合
には、半田粒子とともにフラックスも除去することがで
きる。フラックスがソルダーレジスト層表面に残ってい
る場合、後述する第二の半田ペースト印刷工程で半田ペ
ーストがソルダーレジスト層表面ににじみやすく、リフ
ロー処理後に半田バンプ間で短絡が発生する原因となる
おそれがあるが、ロール処理を用いた場合には、このよ
うな不都合が発生することがない。また、クリーニング
ペーパーの供給と巻き取りとを行いながら半田ペースト
の除去を行うことにより、より確実の半田ペーストを除
去することができる。
【0056】クリーニングロール134の回転方向とし
ては、ロール装置132の移動方向と同方向にクリーニ
ングペーパーが移動するような回転方向が望ましい。よ
り好適に、半田ペースト1117を除去することができ
るからである。
【0057】また、ロール装置132の移動速度は、半
田ペースト1117を確実に除去することができる速度
であれば特に限定されず任意に調整することができる
が、通常、10〜50mm/sec程度であることが望
ましい。また、クリーニングペーパー136の巻き取り
速度は、ロール装置132の移動速度より速いことが望
ましい。なお、場合によってはクリーニングペーパーを
固定したままロールの装置の移動を行い、半田ペースト
除去後、クリーニングペーパーの巻き取りを行ってもよ
い。
【0058】クリーニングロール134の材質は特に限
定されず、例えば、金属、セラミック、ゴム等を挙げる
ことができる。また、クリーニングロールの数は図示し
たような1本には限定されず、2本以上であってもよ
い。クリーニングロールの数が2本以上の場合、クリー
ニングロールは一直線に並べられた構造であってもよ
く、屈曲線を形成するように並べられた構造であっても
よい。また、上記ロール装置において、2本以上のクリ
ーニングロールを備えている場合、クリーニングペーパ
ーの下側部分がソルダーレジスト層の表面と平行になる
ように、クリーニングペーパーとソルダーレジスト層と
を接触させてもよく、クリーニングペーパーの下側部分
がソルダーレジスト層の表面に対して傾いた状態になる
ように、クリーニングペーパーとソルダーレジスト層と
を接触させてもよい。
【0059】クリーニングペーパー136としては特に
限定されず、例えば、布や紙からなるもの等が挙げられ
る。具体的な材質としては、例えば、セルロース100
%、目付10〜100g/m2 の連続長繊維不繊布;ア
クリル/ポリエステル=90/10、アクリル/レーヨ
ン=65/35、アクリル/ポリエステル/セルロース
=45/15/50等のアクリル極細短繊維不繊布;セ
ルロース/ポリエステル、セルロース/ポリプロピレン
等の連続長繊維不繊布と各種合繊の複合布;パルプ、短
繊維等の紙ワイパー;バインダー不繊布;セルロース系
短繊維不繊布;合繊長繊維不繊布等が挙げられる。
【0060】ロール装置132は、ソルダーレジスト層
の表面を1回移動することで、全ての半田ペースト11
17を除去することができるものであってもよく、ロー
ル装置132が複数回移動するか、または、複数のロー
ル装置が移動することで半田ペースト1117を除去す
るものであってもよい。しかしながら、製造コストおよ
び生産性を考慮すると、1回の移動で全ての半田ペース
トを除去することができるものが望ましい。また、この
クリーニングペーパーを備えたロール装置を用いるロー
ル処理は、湿式クリーニングで行うこともできる。具体
的には、イソプロピルアルコール等の溶剤を浸したクリ
ーニングペーパーを備えたロール装置を用いてロール処
理を行う。
【0061】また、上記ロール処理を行った後、粘着シ
ートを備えた粘着ロール装置を用いた処理を行ってもよ
い。該粘着ロール装置を用いることにより、上記ロール
処理後、ソルダーレジスト層の表面に半田粒子が残留し
ている場合でも、この半田粒子を完全に除去することが
できるからである。
【0062】そこで、この粘着ロール装置について図面
を参照しながら説明する。図2(c)は、粘着ロール装
置を用いて半田粒子を除去する一実施形態を模式的に示
す断面図である。図2(c)に示すように、粘着ロール
装置137では、粘着シート供給ロール137aと粘着
シート巻き取りロール137bとを備え、これらの間に
粘着シート138をソルダーレジスト層114表面に当
接させる押当て部材139が配設されるとともに、粘着
シート巻き取りロールは、かき取り刃141を備えた洗
浄槽140とエアーノズル142とからなる洗浄手段に
より付着した半田粒子を洗浄するように構成されてい
る。そして、この粘着ロール装置137を、粘着シート
138がソルダーレジスト層114表面に当接するよう
に設置し、粘着シート138の供給と巻き取りとを行う
ことによりソルダーレジスト層114表面に残留した半
田粒子を除去する。
【0063】また、粘着シート138の当接面は、半田
ペーストを印刷した基板の上面であっても、下面であっ
てもよいが、基板の下面であることが望ましい。洗浄液
の入った洗浄槽を有する粘着ロール装置では、基板の下
面の半田粒子を除去する構成の方が、装置を作製しやす
いからである。また、押当て部材139を押当てる際に
は、粘着シート138を吸引しながら押し当ててもよ
い。粘着シートのズレ等がより発生しにくくなり、より
確実に半田粒子を除去することができるからである。
【0064】上記粘着シートの材質としては特に限定さ
れず、例えば、シリコーン樹脂等の柔らかく、ソルダー
レジスト層表面への追従性に優れ、溶剤に不溶な樹脂等
が挙げられる。上記押当て部材の材質としては、上述し
たロール装置のクリーニングロールと同様のものを挙げ
ることができ、その形状は、少なくともソルダーレジス
ト層の表面に面する平行な面が一面あればよく、例え
ば、角柱、円柱、角錐、円錐等任意の形状を挙げること
ができる。また、場合によっては、ソルダーレジスト層
表面にクリーニングペーパーを介して対向する部材とし
て、先端が刃状となった板状部材を用いてもよい。ま
た、上記押当て部材の数は、1個であってもよいし、複
数個であってもよい。また、上記粘着ロール装置におい
て、粘着シート巻き取りロール側の粘着シートは、その
一部が洗浄液の入った洗浄槽に浸かるように構成されて
いることが望ましい。かき取り刃で粘着シートに付着し
た半田粒子を除去する際に、洗浄液に浸かった状態で除
去する方が確実に除去することができるからである。上
記洗浄液としては、例えば、イソプロピルアルコール、
エタノール、イソプロピルアルコール/エタノール混合
液、メタノール等の比較的蒸発しやすい溶剤がが挙げら
れる。また、かき取り刃は、上記したように洗浄槽内に
備えていてもよいし、洗浄槽の前に備えていてもよい。
また、このかき取り刃の材質としては、例えば、SUS
等の金属、セラミック等が挙げられる。また、上記洗浄
手段は、半田粒子のかき取られた粘着シートを短時間で
乾燥させるために、上記したエアーノズルを備えている
ことが望ましい。
【0065】上記振動処理とは、図3(a)に示すよう
に、ソルダーレジスト層の上方に、クリーニングペーパ
ー145を備えたヘッド144を複数個(図中では3
個)有する振動装置143を設置し、ソルダーレジスト
層の表面とクリーニングペーパー145とを接触させな
がら、振動装置143をソルダーレジスト層の表面に平
行な方向に振動させ、クリーニングペーパー145で半
田バンプ形成用開口より盛り上がった部分の半田ペース
ト1117を削り取るようにして除去する処理のことを
いう。なお、クリーニングペーパーは、所望の大きさに
切断した後、緩み、たわみ、振動時の位置ズレ等が発生
しないようにヘッドに固定すればよい。このような振動
装置143を用いる場合、一のヘッド144に備えたク
リーニングペーパー145が汚れる毎に使用するヘッド
を取り替え、汚れたクリーニングペーパーは別途交換す
ればよい。また、このようなクリーニングペーパー14
5を備えた振動装置を用いた場合、ソルダーレジスト層
114の表面が余り削り取られないようにする必要があ
り、また、余り大きな傷が付かないようにする必要があ
る。ソルダーレジスト層114にクラック等が発生する
のを防止するためである。
【0066】この半田ペースト平坦化工程において、上
記振動処理を採用することで、除去対象である半田ペー
スト1117のみを確実に除去することができるため、
好適にソルダーレジスト層の表面と半田ペーストの表面
とを略同一面にすることができ、より安定した品質の多
層プリント配線板を製造することができる。特に、フラ
ックスの除去に大きな効果を得ることができる。
【0067】特に第一の本発明の製造方法では、半田バ
ンプ形成用開口およびその周辺にのみ半田ペーストを充
填しているため、該半田ペーストを充填している部分に
のみ上記振動処理を施すことが可能であり、ソルダーレ
ジスト層の表面を傷つけるおそれがより少なくなる。
【0068】振動装置143は、上述したようなソルダ
ーレジスト層の表面に対して平行な方向に振動すること
で、半田ペースト1117を除去するものであるが、そ
の平行方向の移動速度は、半田ペースト1117を確実
に除去することができる速度であればよく、通常、50
〜100mm/sec程度に調整される。
【0069】また、振動装置は、図3(b)に平面図で
示すように、クリーニングペーパー148を備えた複数
個のヘッド147(図中では3個)が、順次、ソルダー
レジスト層表面に接触するように構成された振動装置1
46であってもよい。この振動装置146では、ソルダ
ーレジスト層114の表面に平行な面で回転することに
より上記振動する場合と同様の半田ペーストを除去する
効果を得ることができる。このような振動装置146を
用いる場合も、一のヘッド147に備えたクリーニング
ペーパー148が汚れる毎に使用するヘッドを取り替
え、汚れたクリーニングペーパーは別途交換すればよ
い。
【0070】また、クリーニングペーパー145、14
8としては、上述したロール装置132のクリーニング
ペーパーと同様のものを挙げることができる。
【0071】また、振動装置は、上述したロール装置1
32のクリーニングロール134に代えて、押当て部材
150が配設されたもの、すなわち、図3(c)に示す
ように、クリーニングペーパー供給ロール149aとク
リーニングペーパー巻き取りロール149bとを備え、
これらの間にクリーニングペーパー151をソルダーレ
ジスト層114表面に当接させる押当て部材150が配
設された構成の振動装置を用いることもできる。
【0072】また、押当て部材150の材質としては、
上述したロール装置132のクリーニングロール134
と同様のものを挙げることができ、その形状は、少なく
ともソルダーレジスト層114の表面に面する平行な面
が一面あればよく、例えば、角柱、円柱、角錐、円錐等
任意の形状を挙げることができる。また、場合によって
は、ソルダーレジスト層表面にクリーニングペーパーを
介して対向する部材として、先端が刃状となった板状部
材を用いてもよい。また、上記押当て部材の数は、1個
であってもよいし、複数個であってもよい。また、押当
て部材150を押当てる際には、クリーニングペーパー
151を吸引しながら押し当ててもよい。クリーニング
ペーパーのズレ等がより発生しにくくなり、より確実に
半田粒子を除去することができるからである。
【0073】また、振動装置143、146、149の
サイズとしては特に限定されず、例えば、個々の半田ペ
ースト1117を処理することができる大きさであって
もよく、複数の半田ペースト1117を同時に処理する
ことができる大きさであってもよく、また、全ての半田
ペースト1117を同時に処理することができる大きさ
であってもよい。しかしながら、通常、半田ペースト1
117は、ソルダーレジスト層上にかなりの数のものが
形成されているため、製造コストを考慮すると、振動装
置133は、複数または全部の半田ペーストを同時に処
理することが可能なサイズのものが望ましい。
【0074】上述した半田ペースト平坦化工程において
使用する各装置は、それぞれ単独で使用してもよいが、
複数の装置を併用してもよい。特に、まず、前工程で印
刷した半田ペースト1117にスキージ処理を施し、そ
の後、ロール処理または振動処理を施すことが望まし
い。半田バンプ形成用開口の周囲に付着した半田ペース
トを完全に除去することができ、また、ソルダーレジス
ト層の表面と半田ペーストの表面とをより均一な面とす
ることができるからである。
【0075】なお、この半田ペースト平坦化工程を行わ
なくても済むように、半田ペーストがソルダーレジスト
層の表面より盛り上がった形状になることなく、かつ、
半田バンプ形成用開口完全に充填する量の半田ペースト
を充填してもよい。しかしながら、このような量の半田
ペーストを充填するには、半田ペーストの印刷量を半田
バンプ形成用開口ごとに厳密に制御しなければならない
ため、印刷時の管理項目が多くなり、また、印刷量に誤
差が生じた際にも、その誤差が多層プリント配線板の品
質の低下に繋がるため、結果的に、このような方法を用
いることは、歩留りの低下に繋がり、経済的に不利にな
ることとなる。従って、処理工程数は増加するものの、
開口を充填するのに充分な量の半田ペーストを印刷した
後、半田バンプ形成用開口に充填されなかった半田ペー
ストを除去する工程を経る本発明の製造方法の方が経済
的に優れることとなる。
【0076】半田ペースト表面を平坦化した後、上記
(c)の工程(第二の半田ペースト印刷工程)により、
上記(a)、(b)の工程を経て、その上部がソルダー
レジスト層の表面と同一平面になるように半田ペースト
が充填された半田バンプ形成用開口上に半田ペースト層
を形成し、さらに、印刷した半田ペーストをリフローさ
せることにより半田バンプ127を形成する(図1
(c)参照)。半田ペーストの印刷は、第一の半田ペー
スト印刷工程と同様、印刷用スキージや密閉式のスキー
ジユニットを用いて行うことができる。
【0077】上記第二の半田ペースト印刷工程において
は、半田バンプ形成部分に相当する部分に開口を有する
マスクを載置した後、半田ペーストを印刷することが望
ましい。マスクを用いて印刷を行うことにより、形状や
高さ等の均一性に優れる半田ペースト層を形成すること
ができる。
【0078】上記第二の半田ペースト印刷工程で用いる
マスクの種類としては、第一の半田ペースト印刷工程で
用いるマスクと同様のものを用いることができる。第二
の半田ペースト印刷工程で用いるマスクもまた、第一の
半田ペースト印刷工程で用いるマスクと同様、ソルダー
レジスト層側に拡径する形態のテーパが形成されている
ことが望ましい。
【0079】また、第一および第二の半田ペースト印刷
工程において、マスクを用いて半田ペーストを印刷する
場合、上記第一の半田ペースト印刷工程で用いるマスク
と上記第二の半田ペースト印刷工程で用いるマスクと
は、その開口径が同一か、または、第一の半田ペースト
印刷工程で用いるマスクの方が小さいことが望ましい。
【0080】第一および第二の半田ペースト印刷工程で
用いるマスクの開口径が同一である場合には、両工程で
同一のマスクを使用することができるため、経済的に有
利であるとともに、印刷装置自体をコンパクトにするこ
とができる。
【0081】また、第一の半田ペースト印刷工程で用い
るマスクの開口径が、第二の半田ペースト印刷工程で用
いるマスクの開口径よりも小さい場合には、以下のよう
な効果がある。即ち、第一の半田ペースト印刷工程は、
半田バンプ形成用開口に確実に充填するために行う工程
であり、しかも、余分に印刷した半田ペーストは、後工
程において除去する。従って、マスクの開口径を小さく
した方が、印刷する半田ペースト量が少なくなり、後工
程で半田ペーストを除去しやすくなるとともに、除去す
る半田ペースト量を少なくすることができる。また、半
田バンプ形成用開口の開口径より少し大きな径の開口を
有するマスクを用いることにより、印刷時のアライメン
トズレに対応することができ、半田ペーストをより確実
に充填することができる。場合によっては、半田バンプ
形成用開口と同じ径の開口を有するマスクを用いること
もできる。なお、アライメントズレとは、基板やマスク
の仕上がり精度バラツキ、印刷機の印刷精度バラツキに
起因する半田バンプ形成用開口と印刷される半田ペース
トとの位置ズレである。
【0082】一方、第二の半田ペースト印刷工程は、形
状や高さ等の均一性に優れる半田ペースト層を形成する
ために行う工程である。また、この工程では、後述する
ように、粘度の高い半田ペーストを印刷することが望ま
しい。従って、充分な量の半田ペーストを印刷すること
ができるような開口を有するマスクを用いることにより
所望の形状の半田ペースト層を形成することができる。
【0083】また、第二の半田ペースト印刷工程で用い
る半田ペーストの組成としては特に限定されず、第一の
半田ペースト印刷工程で用いる半田ペーストと同様のも
の等が挙げられる。
【0084】また、第二の半田ペースト印刷工程で印刷
する半田ペーストの粘度は、上記第一の半田ペースト印
刷工程で印刷する半田ペーストの粘度と同じかまたは高
いことが望ましく、その差は、0〜150Pa・sであ
ることが望ましく、50〜100Pa・sであることが
より望ましい。具体的には、第二の半田ペースト印刷工
程で印刷する半田ペーストの粘度は、25℃において、
150〜350Pa・sであることが望ましい。上記粘
度が150Pa・s未満では、所望の形状に半田ペース
トを印刷することができず、形状の均一な半田バンプを
形成することができなかったり、印刷時に半田ペースト
がソルダーレジスト層の表面に滲んでしまい形成する半
田バンプの短絡の原因になる場合がある。一方、粘度が
350Pa・sを超えると、所望の形状に半田ペースト
を印刷することができないことがあり、特に、マスクを
用いて半田ペーストを印刷する場合に、半田ペーストの
抜け性が低いため、半田ペーストを印刷することができ
ない部分が発生することがある。
【0085】上記第二の半田ペースト印刷工程におい
て、半田ペーストの印刷は1回で行ってもよいし、複数
回に分けて行ってもよい。1回で半田ペーストの印刷を
終了するか、または、複数回印刷を行うかは、形成する
半田バンプ間の距離、半田バンプの高さや形状、半田ペ
ーストの組成、半田粒子の粒径等により異なり、一慨に
は言えないが、例えば、形成する半田バンプ間の距離が
極めて狭い場合には、複数回印刷を行うことが望まし
く、特に、マスク用いて、半田ペーストを印刷する場合
には、複数回印刷を行うことが望ましい。
【0086】これは、マスクを用いて、一回の印刷で半
田ペーストの印刷を行う場合、形成する半田バンプ間の
距離が狭い場合には、マスクが有する開口同士の距離も
短くなり、このような場合、マスクの機械的強度が弱く
なり、半田ペーストを印刷する際に、マスクに破損や反
りが発生することがあるからである。特に、マスクの開
口が、マスクの裏側に向かって拡径する形状のテーパを
有している場合に、マスクの機械的強度が弱くなるおそ
れが高い。また、半田バンプ間の距離が短くなるに伴
い、半田バンプ形成用開口の開口径も小さくなってきて
おり、そのため、マスクの開口径も小さくなってきてい
る。このようにマスクの開口径が小さくなると、一回の
印刷で半田ペーストを確実に印刷するためには、印刷時
の圧力(スキージ印圧や半田ペースト押し込み圧力)を
高くする必要があり、マスクにかかる圧力も高くなって
しまう。
【0087】上記第二の半田ペースト印刷工程におい
て、半田ペーストの印刷を複数回に分け行う具体的な方
法としては、例えば、以下に説明するような方法を用い
ることができる。図4(a)〜(b)は、第二の半田ペ
ースト印刷工程において、半田ペーストを印刷する方法
の一例を模式的に示す断面図である。
【0088】図4(a)に示すように、全半田バンプ形
成用開口の一部に対向する部分にのみ開口が形成され、
開口同士の間隔が広くとられたマスク224を用いて、
第二の半田ペースト印刷工程における1回目の半田ペー
スト印刷を行い、半田ペースト層227aを形成し、次
に、(b)に示すように、2回目の印刷で、1回目に印
刷されなかった半田バンプ形成用開口に対向する部分に
開口が形成されたマスク225を用いて印刷処理を行
い、半田ペースト層227bを形成する。
【0089】このような開口同士の間隔が広くとられた
マスクでは、マスクの機械的強度を充分に高く保つこと
ができる。ここで、「開口同士の間隔が広くとられた」
とは、マスクの全半田バンプ形成用開口に対向する部分
に開口が形成された場合と比較して、マスクの開口同士
の間隔が広くとられていることを意味する。
【0090】具体的には、マスクを用いて第二の半田ペ
ースト印刷工程を行う際に、例えば、1回目の印刷で、
隔列の半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有
するマスクを用い、隔列の半田バンプ形成用開口上に半
田ペースト層を形成し、2回目の印刷で、残りの半田バ
ンプ形成用開口上に半田ペースト層を形成する。
【0091】なお、2回目以降の印刷においては、マス
クの裏側の、前に形成した半田ペースト層に対向する部
分に凹部(以下、ザクリともいう)が形成されたマスク
を用いることが望ましい。ザクリ225aが形成された
マスク225(図4(b)参照)を用いることにより、
マスク225による先に印刷した半田ペースト層227
aの損傷をなくすとともに、半田ペーストがマスクの裏
側に付着し、続いてソルダーレジスト層214の表面に
付着することに起因する短絡を防止することかできるか
らである。なお、上記凹部は、例えば、マスクの裏側に
ドライフィルムを張り付け、露光、現像処理を施すこと
によりエッチングレジストを形成し、その後、エッチン
グ処理を施すことにより形成することができる。
【0092】このような(a)〜(c)の工程を経るこ
とにより、形状や高さ等の均一性に優れ、相互間で短絡
が発生することのない半田バンプを設けるための半田ペ
ースト層を形成することができる。
【0093】次に、第一の本発明の多層プリント配線板
の製造方法の全製造工程について、工程順に説明する。 (1)第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法に
おいては、まず、基板上に導体回路を形成する。具体的
には、例えば、基板の両面に無電解めっき処理等を施す
ことによりベタの導体層を形成した後、該導体層上に導
体回路パターンに対応したエッチングレジストを形成
し、その後、エッチングを行うことにより形成すればよ
い。なお、無電解めっき処理を施した後、電解めっきを
施すことにより導体層の厚さを厚くしてもよい。上記基
板としては、樹脂基板が望ましく、具体的には、例え
ば、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基板、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂基板(BT樹脂基板)、フッ素樹
脂基板等が挙げられる。また、銅張積層板やRCC基板
等を、ベタの導体層が形成された基板として用いてもよ
い。
【0094】また、必要に応じて、上記無電解めっき処
理を施す際に、予め、この絶縁性基板に貫通孔を形成し
ておき、該貫通孔の壁面にも無電解めっき処理を施すこ
とにより、基板を挟んだ導体回路間を電気的に接続する
スルーホールとしてもよい。また、スルーホールを形成
した場合には、該スルーホール内に樹脂充填材を充填す
ることが望ましい。
【0095】(2)次に、必要に応じて、導体回路の表
面の粗化処理を行う。粗化処理方法としては、例えば、
黒化(酸化)−還元処理、有機酸と第二銅錯体とを含む
混合溶液等を用いたエッチング処理、Cu−Ni−P針
状合金めっきによる処理等を用いることができる。
【0096】(3)次に、導体回路上に熱硬化性樹脂や
樹脂複合体からなる未硬化の樹脂層を形成するか、また
は、熱可塑性樹脂からなる樹脂層を形成する。上記未硬
化の樹脂絶縁層は、未硬化の樹脂をロールコーター、カ
ーテンコーター等により塗布して成形してもよく、ま
た、未硬化(半硬化)の樹脂フィルムを熱圧着して形成
してもよい。さらに、未硬化の樹脂フィルムの片面に銅
箔等の金属層が形成された樹脂フィルムを貼付してもよ
い。また、熱可塑性樹脂からなる樹脂層は、フィルム状
に成形した樹脂成形体を熱圧着することにより形成する
ことが望ましい。
【0097】上記未硬化の樹脂を塗布する場合には、樹
脂を塗布した後、加熱処理を施す。上記加熱処理を施す
ことにより、未硬化の樹脂を熱硬化させることができ
る。なお、上記熱硬化は、後述するバイアホール用開口
や貫通孔を形成した後に行ってもよい。
【0098】このような樹脂層の形成において使用する
熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ビスマレイミド樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0099】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れるも
のとなる。
【0100】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポ
リイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、シ
クロオレフィン系樹脂、これらの樹脂の共重合体等が挙
げられる。これらのなかでは、誘電率および誘電正接が
低く、GHz帯域の高周波信号を用いた場合でも信号遅
延や信号エラーが発生しにくく、さらには、剛性等の機
械的特性にも優れている点からシクロオレフィン系樹脂
が望ましい。
【0101】上記シクロオレフィン系樹脂としては、2
−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンま
たはこれらの誘導体からなる単量体の単独重合体または
共重合体等が望ましい。上記誘導体としては、上記2−
ノルボルネン等のシクロオレフィンに、架橋を形成する
ためのアミノ基や無水マレイン酸残基あるいはマレイン
酸変性したもの等が結合したもの等が挙げられる。上記
共重合体を合成する場合の単量体としては、例えば、エ
チレン、プロピレン等が挙げられる。また、上記ポリオ
レフィン樹脂は、有機フィラーを含むものであってもよ
い。
【0102】上記ポリフェニレンエーテル樹脂として
は、例えば、下記化学式(1)で表される繰り返し単位
を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂や下記化
学式(2)で表される繰り返し単位を有する熱硬化性ポ
リフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。
【0103】
【化1】
【0104】(式中、nは、2以上の整数を表す。)
【0105】
【化2】
【0106】(式中、mは、2以上の整数を表す。ま
た、R1 、R2 は、メチレン基、エチレン基または−C
2 −O−CH2 −を表し、両者は同一であってもよい
し、異なっていてもよい。)
【0107】また、上記化学式(1)で表される繰り返
し単位を有する熱可塑性ポリフェニレンエーテル樹脂
は、ベンゼン環にメチル基が結合した構造を有している
が、本発明で用いることのできるポリフェニレンエーテ
ル樹脂としては、上記メチル基が、エチル基等の他のア
ルキル基等で置換された誘導体や、メチル基の水素がフ
ッ素で置換された誘導体等であってもよい。
【0108】また、上記熱可塑性樹脂としては、例え
ば、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン等が挙げ
られる。また、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との複合体
(樹脂複合体)としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂
とを含むものであれば特に限定されず、その具体例とし
ては、例えば、粗化面形成用樹脂組成物等が挙げられ
る。
【0109】上記粗化面形成用樹脂組成物としては、例
えば、酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくと
も1種からなる粗化液に対して難溶性の未硬化の耐熱性
樹脂マトリックス中に、酸、アルカリおよび酸化剤から
選ばれる少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性
の物質が分散されたもの等が挙げられる。なお、上記
「難溶性」および「可溶性」という語は、同一の粗化液
に同一時間浸漬した場合に、相対的に溶解速度の早いも
のを便宜上「可溶性」といい、相対的に溶解速度の遅い
ものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0110】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、層
間樹脂絶縁層に上記粗化液を用いて粗化面を形成する際
に、粗化面の形状を保持できるものが好ましく、例え
ば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等が
挙げられる。また、感光性樹脂であってもよい。後述す
るバイアホール用開口を形成する工程において、露光現
像処理により開口を形成することができるからである。
【0111】上記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、上記熱
硬化性樹脂を感光化する場合は、メタクリル酸やアクリ
ル酸等を用い、熱硬化基を(メタ)アクリル化反応させ
る。特にエポキシ樹脂の(メタ)アクリレートが望まし
い。さらに、1分子中に、2個以上のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂がより望ましい。上述の粗化面を形成す
ることができるばかりでなく、耐熱性等にも優れている
ため、ヒートサイクル条件下においても、導体回路に応
力の集中が発生せず、導体回路と層間樹脂絶縁層との間
で剥離が発生しにくい。
【0112】上記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェ
ノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォ
ン、ポリフェニレンスルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルイミド等
が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以
上併用してもよい。
【0113】上記酸、アルカリおよび酸化剤から選ばれ
る少なくとも1種からなる粗化液に対して可溶性の物質
は、無機粒子、樹脂粒子、金属粒子、ゴム粒子、液相樹
脂および液相ゴムから選ばれる少なくとも1種であるこ
とが望ましい。
【0114】上記無機粒子としては、例えば、アルミニ
ウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合物、マグ
ネシウム化合物、ケイ素化合物等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0115】上記アルミニウム化合物としては、例え
ば、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記
カルシウム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、
水酸化カルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物と
しては、例えば、炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシア、ドロマ
イト、塩基性炭酸マグネシウム、タルク等が挙げられ、
上記ケイ素化合物としては、例えば、シリカ、ゼオライ
ト等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2
種以上併用してもよい。
【0116】上記アルミナ粒子は、ふっ酸で溶解除去す
ることができ、炭酸カルシウムは塩酸で溶解除去するこ
とができる。また、ナトリウム含有シリカやドロマイト
はアルカリ水溶液で溶解除去することができる。
【0117】上記樹脂粒子としては、例えば、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸、ア
ルカリおよび酸化剤から選ばれる少なくとも1種からな
る粗化液に浸漬した場合に、上記耐熱性樹脂マトリック
スよりも溶解速度の早いものであれば特に限定されず、
具体的には、例えば、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素
樹脂、グアナミン樹脂等)、エポキシ樹脂、フェノール
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ビスマレイ
ミド−トリアジン樹脂等が挙げられる。これらは、単独
で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0118】上記樹脂粒子は予め硬化処理されているこ
とが必要である。硬化させておかないと上記樹脂粒子が
樹脂マトリックスを溶解させる溶剤に溶解してしまうた
め、均一に混合されてしまい、酸や酸化剤で樹脂粒子の
みを選択的に溶解除去することができないからである。
【0119】上記金属粒子としては、例えば、金、銀、
銅、スズ、亜鉛、ステンレス、アルミニウム、ニッケ
ル、鉄、鉛等が挙げられる。これらは、単独で用いても
よく、2種以上併用してもよい。また、上記金属粒子
は、絶縁性を確保するために、表層が樹脂等により被覆
されていてもよい。
【0120】上記ゴム粒子としては、例えば、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポ
リイソプレンゴム、アクリルゴム、多硫系剛性ゴム、フ
ッ素ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ABS樹脂
等が挙げられる。
【0121】また、上記ゴム粒子として、例えば、ポリ
ブタジエンゴム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メ
タ)アクリロニトリル変性等の各種変性ポリブタジエン
ゴム、カルボキシル基を含有した(メタ)アクリロニト
リル・ブタジエンゴム等を使用することもできる。これ
らの可溶性の物質は、単独で用いてもよいし、2種以上
併用してもよい。
【0122】上記液相樹脂としては、上記熱硬化性樹脂
の未硬化溶液を使用することができ、このような液相樹
脂の具体例としては、例えば、未硬化のエポキシオリゴ
マーとアミン系硬化剤の混合液等が挙げられる。上記液
相ゴムとしては、例えば、上記したポリブタジエンゴ
ム、エポキシ変性、ウレタン変性、(メタ)アクリロニ
トリル変性等の各種変性ポリブタジエンゴム、カルボキ
シル基を含有した(メタ)アクリロニトリル・ブタジエ
ンゴム等の未硬化溶液等を使用することができる。
【0123】上記液相樹脂や液相ゴムを用いて上記感光
性樹脂組成物を調製する場合には、耐熱性樹脂マトリッ
クスと可溶性の物質とが均一に相溶しない(つまり相分
離するように)ように、これらの物質を選択する必要が
ある。上記基準により選択された耐熱性樹脂マトリック
スと可溶性の物質とを混合することにより、上記耐熱性
樹脂マトリックスの「海」の中に液相樹脂または液相ゴ
ムの「島」が分散している状態、または、液相樹脂また
は液相ゴムの「海」の中に、耐熱性樹脂マトリックスの
「島」が分散している状態の感光性樹脂組成物を調製す
ることができる。
【0124】(4)次に、その材料として熱硬化性樹脂
や樹脂複合体を用いた層間樹脂絶縁層を形成する場合に
は、未硬化の樹脂絶縁層に硬化処理を施すとともに、バ
イアホール用開口を形成し、層間樹脂絶縁層とする。上
記バイアホール用開口は、レーザ処理により形成するこ
とが望ましい。上記レーザ処理は、上記硬化処理前に行
ってもよいし、硬化処理後に行ってもよい。また、感光
性樹脂からなる層間樹脂絶縁層を形成した場合には、露
光、現像処理を行うことにより、バイアホール用開口を
設けてもよい。なお、この場合、露光、現像処理は、上
記硬化処理前に行う。
【0125】また、その材料として熱可塑性樹脂を用い
た層間樹脂絶縁層を形成する場合には、熱可塑性樹脂か
らなる樹脂層にレーザ処理によりバイアホール用開口を
形成し、層間樹脂絶縁層とすることができる。
【0126】このとき、使用するレーザとしては、例え
ば、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UVレーザ、Y
AGレーザ等が挙げられる。これらのレーザは、形成す
るバイアホール用開口の形状等を考慮して使い分けても
よい。
【0127】上記バイアホール用開口を形成する場合、
マスクを介して、ホログラム方式のエキシマレーザによ
るレーザ光照射することにより、一度に多数のバイアホ
ール用開口を形成することができる。また、短パルスの
炭酸ガスレーザを用いて、バイアホール用開口を形成す
ると、開口内の樹脂残りが少なく、開口周縁の樹脂に対
するダメージが小さい。
【0128】また、光学系レンズとマスクとを介してレ
ーザ光を照射することにより、一度に多数のバイアホー
ル用開口を形成することができる。光学系レンズとマス
クとを介することにより、同一強度で、かつ、照射角度
が同一のレーザ光を複数の部分に同時に照射することが
できるからである。
【0129】上記マスクに形成された貫通孔は、レーザ
光のスポット形状を真円にするために、真円であること
が望ましく、上記貫通孔の径は、0.1〜2mm程度が
望ましい。また、上記炭酸ガスレーザを用いる場合、そ
のパルス間隔は、10-4〜10-8秒であることが望まし
い。また、開口を形成するためのレーザを照射する時間
は、10〜500μ秒であることが望ましい。レーザ光
にてバイアホール用開口を形成した場合、特に炭酸ガス
レーザを用いた場合には、デスミア処理を行うことが望
ましい。
【0130】また、上記した方法で形成する層間樹脂絶
縁層の厚さは特に限定されないが、5〜50μmが望ま
しい。また、上記バイアホール用開口の開口径は特に限
定されないが、通常、40〜200μmが望ましい。
【0131】また、層間樹脂絶縁層を形成した後、必要
に応じて、該層間樹脂絶縁層と基板とを貫通する貫通孔
を形成してもよい。該貫通孔は、ドリル加工やレーザ処
理等を用いて形成すればよい。このような貫通孔を形成
した場合には、後工程で、層間樹脂絶縁層の表面に薄膜
導体層を形成する際に、該貫通孔の壁面にも薄膜導体層
を形成することにより、基板と層間樹脂絶縁層とを挟ん
だ2層の導体回路間は勿論のこと、この2層の導体回路
と基板の両面に形成された2層の導体回路との計4層の
導体回路間を電気的に接続するスルーホールを形成する
ことができる。このようにして導体回路間を接続するこ
とにより、信号伝送距離を短くすることができるため、
信号遅延等が発生しにくくなり、多層プリント配線板の
性能の向上に繋がる。
【0132】(5)次に、バイアホール用開口の内壁を
含む層間樹脂絶縁層の表面と上記工程で貫通孔を形成し
た場合には貫通孔の内壁とに、必要に応じて、酸または
酸化剤を用いて粗化面を形成する。上記酸としては、硫
酸、硝酸、塩酸、リン酸、蟻酸等が挙げられ、上記酸化
剤としては、クロム酸、クロム硫酸、過マンガン酸ナト
リウム等の過マンガン酸塩等が挙げられる。また、上記
粗化面の形成は、プラズマ処理等を用いて行ってもよ
い。
【0133】また、粗化面を形成した後には、アルカリ
等の水溶液や中和液等を用いて、層間樹脂絶縁層の表面
を中和することが望ましい。次工程に、酸や酸化剤の影
響を与えないようにすることができるからである。
【0134】なお、この粗化面は、層間樹脂絶縁層とそ
の上に形成する薄膜導体層との密着性を高めるために形
成するものであり、層間樹脂絶縁層と薄膜導体層との間
に充分な密着性がある場合には形成しなくてもよい。
【0135】(6)次に、バイアホール用開口を設けた
層間樹脂絶縁層の表面に薄膜導体層を形成する。上記薄
膜導体層は、無電解めっき、スパッタリング、蒸着等の
方法を用いて形成することができる。なお、層間樹脂絶
縁層の表面に粗化面を形成しなかった場合には、上記薄
膜導体層は、スパッタリングにより形成することが望ま
しい。なお、無電解めっきにより薄膜導体層を形成する
場合には、被めっき表面に、予め、触媒を付与してお
く。上記触媒としては、例えば、塩化パラジウム等が挙
げられる。
【0136】上記薄膜導体層の厚さは特に限定されない
が、該薄膜導体層を無電解めっきにより形成した場合に
は、0.6〜1.2μmが望ましく、スパッタリングに
より形成した場合には、0.1〜1.0μmが望まし
い。なお、上記(4)の工程で貫通孔を形成した場合に
は、この工程で貫通孔の内壁面にも金属からなる薄膜導
体層を形成することにより、スルーホールとすることが
できる。
【0137】また、上記したように貫通孔の内壁面に薄
膜導体層を形成し、スルーホールとした場合には、この
後、スルーホール内を樹脂充填材で充填することが望ま
しい。上記樹脂充填材としては、例えば、エポキシ樹脂
と硬化剤と無機粒子とを含む樹脂組成物等が挙げられ
る。
【0138】また、スルーホール内を樹脂充填材により
充填した場合には、スルーホール上に樹脂充填材を覆う
蓋めっき層を形成してもよく、蓋めっき層を形成した場
合には、該蓋めっき層の直上に、バイアホールや半田パ
ッドを形成することができるため、信号伝送距離を短く
することができる。
【0139】(7)次に、上記薄膜導体層上の一部にド
ライフィルムを用いてめっきレジストを形成し、その
後、上記薄膜導体層をめっきリードとして電気めっきを
行い、上記めっきレジスト非形成部に電気めっき層を形
成する。このとき、バイアホール用開口を電気めっきで
充填してフィールドビア構造としてもよく、バイアホー
ル用開口に導電性ペーストを充填した後、その上に蓋め
っき層を形成してフィールドビア構造としてもよい。
【0140】(8)電気めっき層を形成した後、めっき
レジストを剥離し、めっきレジストの下に存在していた
金属からなる薄膜導体層をエッチングにより除去し、独
立した導体回路とする。エッチング液としては、例え
ば、硫酸−過酸化水素水溶液、過硫酸アンモニウム等の
過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄、塩化第二銅、塩酸等が挙
げられる。また、エッチング液として上述した第二銅錯
体と有機酸とを含む混合溶液を用いてもよい。
【0141】また、上記(7)および(8)に記載した
方法に代えて、以下の方法を用いることにより導体回路
を形成してもよい。即ち、上記薄膜導体層上の全面に電
気めっき層を形成した後、該電気めっき層上の一部にド
ライフィルムを用いてエッチングレジストを形成し、そ
の後、エッチングレジスト非形成部下の電気めっき層お
よび薄膜導体層をエッチングにより除去し、さらに、エ
ッチングレジストを剥離することにより独立した導体回
路を形成してもよい。
【0142】(9)この後、上記(3)〜(8)の工程
を繰り返すことにより、層間樹脂絶縁層上に最上層の導
体回路が形成された基板を作製する。
【0143】(10)次に、最上層の導体回路を含む基
板上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
レジスト層を形成する。具体的には、未硬化のソルダー
レジスト組成物をロールコータやカーテンコータ等によ
り塗布したり、フィルム状に成形したソルダーレジスト
組成物を圧着したりした後、レーザ処理や露光現像処理
により半田バンプ形成用開口を形成し、さらに、必要に
応じて、硬化処理を施すことによりソルダーレジスト層
を形成する。
【0144】上記ソルダーレジスト層は、例えば、ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素
樹脂、熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、ポリイミ
ド樹脂等を含むソルダーレジスト組成物を用いて形成す
ることができ、これらの樹脂の具体例としては、例え
ば、層間樹脂絶縁層に用いた樹脂と同様の樹脂等が挙げ
られる。
【0145】また、上記以外のソルダーレジスト組成物
としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート、イミダゾール硬化剤、2官能性(メ
タ)アクリル酸エステルモノマー、分子量500〜50
00程度の(メタ)アクリル酸エステルの重合体、ビス
フェノール型エポキシ樹脂等からなる熱硬化性樹脂、多
価アクリル系モノマー等の感光性モノマー、グリコール
エーテル系溶剤などを含むペースト状の流動体が挙げら
れ、その粘度は25℃で1〜10Pa・sに調整されて
いることが望ましい。上記ノボラック型エポキシ樹脂の
(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェノールノ
ボラックやクレゾールノボラックのグリシジルエーテル
をアクリル酸やメタクリル酸等と反応させたエポキシ樹
脂等が挙げられる。
【0146】上記2官能性(メタ)アクリル酸エステル
モノマーとしては特に限定されず、例えば、各種ジオー
ル類のアクリル酸やメタクリル酸のエステル等が挙げら
れ、その市販品としては、日本化薬社製のR−604、
PM2、PM21等が挙げられる。
【0147】また、上記ソルダーレジスト組成物は、エ
ラストマーや無機フィラーが配合されていてもよい。エ
ラストマーが配合されていることにより、形成されるソ
ルダーレジスト層は、エラストマーの有する柔軟性およ
び反発弾性により、ソルダーレジスト層に応力が作用し
た場合でも、該応力を吸収したり、緩和したりすること
ができ、その結果、多層プリント配線板の製造工程や製
造した多層プリント配線板にICチップ等の電子部品を
搭載した後のソルダーレジスト層にクラックや剥離が発
生することを抑制でき、さらに、クラックが発生した場
合でも該クラックが大きく成長することがほとんどな
い。
【0148】また、上記半田バンプ形成用開口を形成す
る際に用いるレーザとしては、上述したバイアホール用
開口を形成する際に用いるレーザと同様のもの等が挙げ
られる。
【0149】次に、上記半田バンプ形成用開口の底面に
露出した導体回路の表面に、必要に応じて、半田パッド
を形成する。上記半田パッドは、ニッケル、パラジウ
ム、金、銀、白金等の耐食性金属により上記導体回路表
面を被覆することにより形成することができる。具体的
には、ニッケル−金、ニッケル−銀、ニッケル−パラジ
ウム、ニッケル−パラジウム−金等の金属により形成す
ることが望ましい。また、上記半田パッドは、例えば、
めっき、蒸着、電着等の方法を用いて形成することがで
きるが、これらのなかでは、被覆層の均一性に優れると
いう点からめっきが望ましい。
【0150】(11)次に、上記半田バンプ形成用開口
の底面に半田バッドを有するソルダーレジスト層に、上
記した(a)〜(c)の工程を行うことにより、半田ペ
ースト層を形成し、該半田ペースト層にリフロー処理を
施すことにより半田ペーストを形成する。なお、上記リ
フロー処理は、第一および第二の半田ペースト印刷工程
終了後に行ってもよいし、半田ペーストプレス工程を行
った場合は該工程終了後、または、半田ペースト除去工
程終了後に一度行い、第二の半田ペースト印刷工程終了
後に再度行ってもよい。
【0151】また、第二の半田ペースト印刷工程で形成
した半田ペースト層にリフロー処理を施す前に、予め、
該半田ペースト層に導電性ピンを取り付けておき、外部
端子と接続するためのPGA(Pin Grid Array) を形成
してもよい。なお、製品認識文字などを形成するための
文字印刷工程やソルダーレジスト層の改質のために、酸
素や四塩化炭素などのプラズマ処理を適時行ってもよ
い。
【0152】次に、第二の本発明の多層プリント配線板
の製造方法について説明する。第二の本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法は、導体回路を形成した基板上
に、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最
上層の導体回路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有
するソルダーレジスト層を設け、上記半田バンプ形成用
開口に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成する多
層プリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記
(a)〜(c)の工程を行うことを特徴とする。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジ
スト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ
形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペース
ト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処理および振
動処理のうちの少なくとも一の処理により、半田バンプ
形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペースト
を除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の
表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、およ
び、(c)1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の
半田ペースト印刷工程。
【0153】第二の本発明の多層プリント配線板の製造
方法では、第一の半田ペースト印刷工程を経ることによ
り、半田バンプ形成用開口を半田ペーストで充填し、そ
の後、スキージ処理、ロール処理および振動処理のうち
の少なくとも一の処理により、半田バンプ形成用開口の
半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略
同一平面とし、さらに、第二の半田ペースト印刷工程を
行うため、均一な形状および高さを有するとともに、相
互間で短絡のない半田バンプを形成することができ、接
続性及び信頼性に優れた多層プリント配線板を製造する
ことができる。また、上記半田ペースト除去工程におい
て、スキージ処理、ロール処理および振動処理のうちの
少なくとも一の処理を施すため、より好適に上記半田ペ
ーストの表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一面
にすることができ、安定した品質の多層プリント配線板
を製造することができる。
【0154】第二の本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法
と比べて、(a)〜(c)の工程、即ち、半田ペースト
を印刷する工程のみが異なる。具体的には、第一の本発
明の多層プリント配線板の製造方法では、第一の半田ペ
ースト印刷工程において、凹形状の半田バンプ形成用開
口に選択的に半田ペーストを充填した後、半田ペースト
表面の平坦化を行い、さらに、リフロー後に半田バンプ
となる半田ペースト層を形成するのに対し、第二の本発
明の多層プリント配線板の製造方法では、第一の半田ペ
ースト印刷工程において、ソルダーレジスト層の表面全
体に半田ペーストを印刷することにより半田バンプ形成
用開口に半田ペーストを充填した後、半田ペースト表面
の平坦化と半田ペースト層の形成とを行う。従って、こ
こでは、第二の本発明の多層プリント配線板の製造方法
における(a)〜(c)工程についてのみ説明し、多層
プリント配線板を製造する全製造工程については、その
説明を省略する。
【0155】図5は、第二の本発明の多層プリント配線
板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模式的に
示す部分断面図である。上記(a)の工程(第一の半田
ペースト印刷工程)では、半田バンプ形成用開口306
を有するソルダーレジスト層314の表面全体に、1回
以上、半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バンプ形成
用開口306に半田ペースト317を充填する(図5
(a)参照)。なお、図中、302は層間樹脂絶縁層、
305は導体回路、307はバイアホール、316は半
田パッドである。この工程では、半田バンプ形成用開口
306を完全に充填することができる量以上の量の半田
ペーストをソルダーレジスト層314の表面全体に印刷
する。従って、第一の半田ペースト印刷工程終了後、印
刷した半田ペーストは、半田バンプ形成用開口に充填さ
れるとともに、ソルダーレジスト層の表面全体に塗布さ
れた状態となる。
【0156】この第一の半田ペースト印刷工程で用いる
半田ペーストとしては特に限定されず、例えば、第一の
本発明の製造方法で用いる半田ペーストと同様のもの等
を用いることができる。また、この工程で用いる半田ペ
ーストの粘度は、第一の本発明の製造方法の場合と同
様、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペース
トの粘度よりも低いことが望ましい。また、場合によっ
ては、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペー
ストの粘度と同じであってもよい。
【0157】また、第一の半田ペースト印刷工程におい
ては、第一の本発明の製造方法と同様、1回目の半田ペ
ーストの印刷で、その底面に窪みを有する半田バンプ形
成用開口のみに、その窪み部分が充填される程度の量の
半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペーストの印刷
で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全に充填するよ
うに、半田ペーストを印刷してもよい。なお、1回目の
半田ペースト印刷を行う際には、その底面に窪みを有す
る半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有する
マスクをソルダーレジスト層上に載置した後、半田ペー
ストを印刷することが望ましい。
【0158】また、半田ペーストを印刷する際には、通
常、印刷用スキージを用いる。上記印刷用スキージとし
ては、例えば、第一の本発明の製造方法で用いるものと
同様のもの等を用いることができる。また、密閉式のス
キージユニットを用いることもできる。
【0159】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
後述する(b)の工程(半田ペースト除去工程)を行う
前に、ソルダーレジスト層上の半田ペースト層の表面全
体または表面の一部をプレスする半田ペーストプレス工
程を行うことが望ましい。上記第一の半田ペースト印刷
工程においては、上記した方法を用いて半田ペーストを
印刷するのみであるため、半田バンプ形成用開口の形状
(開口径や底面の窪みの有無)によっては、半田ペース
トが完全に充填されず、半田バンプ形成用開口にボイド
等が形成されるおそれがある。半田バンプ形成用開口に
ボイドが形成されると、このボイドがリフロー時やIC
チップ等の電子部品が動作した際の発熱で、拡散したり
膨張したりし、これに起因して、半田パッドや半田バン
プに剥がれやクラックが発生し、接続性、信頼性に悪影
響を与える原因となることがある。
【0160】従って、半田バンプ形成用開口に発生した
ボイドをそのまま放置しておくことは、上述したよう
に、製造する多層プリント配線板の接続性や信頼性の低
下に繋がるが、上記半田ペーストプレス工程を行うこと
で、第一の半田ペースト印刷工程でボイドが発生した場
合であっても、この工程でボイドを完全に除去すること
ができ、半田バンプ形成用開口を半田ペーストで完全に
充填することができる。
【0161】この半田ペーストプレス工程を行う具体的
な方法としては、第一の本発明の製造方法で説明した半
田ペーストプレス工程で用いた方法と同様の方法を用い
ることができる。なお、この場合、第一の本発明の製造
方法同様、プレス部材は0.1〜1.0MPaの押圧力
で押し当てればよい。また、第一の本発明の製造方法で
説明した半田ペーストプレス工程と同様、プレス部材を
押し当てる方法に代えて、ローラで押す方法を用いても
よい。
【0162】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
上記(b)の工程(半田ペースト除去工程)を行う。こ
の工程では、第一の半田ペースト印刷工程で印刷した半
田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した半
田ペースト以外の半田ペースト1317を除去すること
により、半田ペースト表面317aを平坦化するととも
に、充填した半田ペーストの表面317aとソルダーレ
ジスト層の表面とを略同一平面とする(図5(b)参
照)。
【0163】半田バンプ形成用開口に充填した半田ペー
スト以外の半田ペースト1317を除去する際には、第
一の本発明の製造方法の半田ペースト平坦化工程で用い
た処理と同様の方法、即ち、スキージ処理、ロール処理
および振動処理のうちの少なくとも一の処理を行う。従
って、第二の本発明の製造方法においても、上述した第
一の本発明の製造方法と同様の効果を得ることができ
る。
【0164】また、この半田ペースト除去工程では、半
田バンプ形成用開口以外の部分に印刷された半田ペース
トが残らないように、ソルダーレジスト層表面(半田バ
ンプ形成用開口を除く)の半田ペーストを除去する必要
がある。上記ソルダーレジスト層表面に半田ペーストが
残った場合には、この半田ペーストが後工程でリフロー
を行った際に、移動して近接する半田ペースト層に付着
し、形成される半田バンプの形状の均一性が損なわれる
原因となったり、後工程を経て形成される半田バンプ間
の短絡の原因となったりすることがある。従って、ソル
ダーレジスト層表面の半田ペーストを確実に除去するた
めには、例えば、まず、スキージ処理を施して半田ペー
ストを除去し、その後、ロール処理または振動処理を施
して再度半田ペーストを除去する方法等を用いることが
望ましい。また、上記ロール処理の後、粘着シートを備
えた粘着ロール装置を用いた処理を施すことも望まし
い。
【0165】なお、この半田ペースト除去工程を行わな
くても済むように、半田ペーストが半田バンプ形成用開
口以外の部分には塗布されず、かつ、半田バンプ形成用
開口が完全に充填され、さらに、半田ペーストの表面と
ソルダーレジスト層の表面とが略同一平面となる量の半
田ペーストを印刷してもよい。しかしながら、このよう
な量の半田ペーストを印刷するには、半田ペーストの印
刷量を半田バンプ形成用開口ごとに厳密に制御しなけれ
ばならないため、印刷時の管理項目が多くなり、また、
印刷量に誤差が生じた際にも、その誤差が多層プリント
配線板の品質の低下に繋がるため、結果的に、このよう
な方法を用いることは、歩留りの低下に繋がり、経済的
に不利になることとなる。従って、処理工程数は増加す
るものの、ソルダーレジスト層上に、半田バンプ形成用
開口を充填するのに充分な量の半田ペーストを印刷した
後、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の表面と
が略同一平面となるように半田ペーストを除去する方法
を用いる本発明の製造方法の方が経済的に優れることと
なる。
【0166】半田ペースト表面を平坦化した後、上記
(c)の工程(第二の半田ペースト印刷工程)を行うこ
とにより、上記(a)〜(b)の工程を経て半田ペース
トが充填された半田バンプ形成用開口上に半田ペースト
層を形成し、さらに、印刷した半田ペーストをリフロー
させることにより半田バンプ327を形成する(図5
(c)参照)。この工程は、第一の本発明の製造方法の
第二の半田ペースト印刷工程と同様の方法を用いて行う
ことができる。特に、隣合う半田バンプ同士の距離が2
00μm以下の半田バンプを形成する場合、このような
半田バンプを形成することができる半田ペースト層は、
通常のスキージ印刷を用いて形成することが困難である
ため、密閉式のスキージユニットを用いて形成すること
が望ましい。このような(a)〜(c)の工程を行う以
外は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法と
同様の方法を用いることにより、接続性および信頼性に
優れる多層プリント配線板を製造することができるとと
もに、安定した品質の多層プリント配線板を好適に製造
することができる。
【0167】次に、第三の本発明の多層プリント配線板
の製造方法について説明する。第三の本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法は、導体回路を形成した基板上
に、層間樹脂絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最
上層の導体回路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有
するソルダーレジスト層を設け、上記半田バンプ形成用
開口に半田ペーストを印刷して半田バンプを形成する多
層プリント配線板の製造方法であって、少なくとも下記
(a)〜(c)の工程を行うことを特徴とする。 (a)ソルダーレジスト層上の複数の半田バンプ形成用
開口を含む一定領域に、一回以上半田ペーストを印刷
し、上記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填す
る第一の半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、
ロール処理および振動処理のうちの少なくとも一の処理
により、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト
以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソ
ルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペー
スト除去工程、および、(c)1回以上の半田ペースト
の印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程。
【0168】第三の本発明の多層プリント配線板の製造
方法では、第一の半田ペースト印刷工程を経ることによ
り、半田バンプ形成用開口を半田ペーストで完全に充填
してボイドを除去し、その後、スキージ処理、ロール処
理および振動処理のうちの少なくとも一の処理により、
半田バンプ形成用開口の半田ペーストの表面とソルダー
レジスト層の表面とを略同一平面とし、さらに、第二の
半田ペースト印刷工程を行うため、均一な形状および高
さを有するとともにボイド等の欠陥を有さず、相互間で
短絡のない半田バンプを形成することができ、接続性及
び信頼性に優れたプリント配線板を製造することができ
る。また、上記半田ペースト除去工程において、スキー
ジ処理、ロール処理および振動処理のうちの少なくとも
一の処理を施すため、より好適に、上記半田ペーストの
表面とソルダーレジスト層の表面とを略同一面にするこ
とができ、安定した品質の多層プリント配線板を製造す
ることができる。
【0169】第三の本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法
と比べて、(a)〜(c)の工程、即ち、半田ペースト
を印刷する工程のみが異なる。
【0170】具体的には、第一の本発明の多層プリント
配線板の製造方法では、第一の半田ペースト印刷工程に
おいて、凹形状の半田バンプ形成用開口に選択的に半田
ペーストを充填した後、半田ペースト表面の平坦化を行
い、さらに、リフロー後に半田バンプとなる半田ペース
ト層を形成するのに対し、第三の本発明の多層プリント
配線板の製造方法では、第一の半田ペースト印刷工程に
おいて、ソルダーレジスト層上の複数の半田バンプ形成
用開口を含む一定領域に、半田ペーストを印刷すること
により半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填した
後、半田ペースト表面の平坦化と半田ペースト層の形成
とを行う。従って、ここでは、第三の本発明の多層プリ
ント配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程に
ついてのみ説明し、多層プリント配線板を製造する全製
造工程については、その説明を省略する。
【0171】図6(a)は、本発明の製造方法で製造す
る多層プリント配線板の一例を模式的に示す平面図であ
り、(b)は、(a)に示す多層プリント配線板の部分
断面図である。図6(a)および(b)に示すように、
多層プリント配線板400において、ICチップ接続面
400aには、半田バンプ427が密に形成されている
領域(半田バンプエリア)が存在する。通常、多層プリ
ント配線板にICチップを実装する場合、該ICチップ
は、多層プリント配線板400の中央付近(図5(a)
におけるA領域)に実装されるため、ソルダーレジスト
層414の中央付近に半田バンプ427が密に形成され
ることとなる。このような場合、ソルダーレジスト層4
14の中央付近に、本発明の製造方法の第一の印刷工程
により半田ペーストを印刷し、さらに、残りの工程を経
ることにより、好適に半田バンプを形成することができ
る。なお、図5において、405は導体回路、407は
バイアホール、402は層間樹脂絶縁層である。
【0172】上記第一の半田ペースト印刷工程で、半田
ペーストを印刷する「複数の半田バンプ形成用開口を含
む一定領域」は、半田バンプエリアより少し大きな領域
であることが望ましい。具体的には、半田バンプエリア
より1〜20mm大きい領域が望ましく、半田バンプエ
リアより5〜10mm大きい領域がより望ましい。確実
に半田バンプ形成用開口に半田ペーストを印刷するため
である。なお、半田バンプエリアとは、隣合う半田バン
プとの距離が300μm以下の半田バンプを含む矩形状
の領域をいう。
【0173】図7は、第三の本発明の多層プリント配線
板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模式的に
示す部分断面図である。上記(a)の工程(第一の半田
ペースト印刷工程)では、ソルダーレジスト層514上
の複数の半田バンプ形成用開口506を含む一定領域
に、1回以上半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バン
プ形成用開口506内およびその周辺に半田ペースト5
17を印刷する(図7(a)参照)。なお、図中、50
2は層間樹脂絶縁層、505は導体回路、507はバイ
アホール、516は半田パッドである。この工程では、
半田バンプ形成用開口506を完全に充填することがで
きる量以上の量の半田ペーストをソルダーレジスト層5
14上の一定領域に印刷する。従って、第一の半田ペー
スト印刷工程終了後、印刷した半田ペーストは、半田バ
ンプ形成用開口に存在するとともに、余剰の半田ペース
トがその周辺の部分に存在することとなる。
【0174】また、上記第一の半田ペースト印刷工程に
おいては、上記ソルダーレジスト層上に、半田ペースト
を印刷する一定領域(複数の半田バンプ形成用開口を含
む一定領域)に対向する部分に開口を有するマスクを載
置した後、半田ペーストを印刷することが望ましい。マ
スクを載置して半田ペーストを印刷することにより、半
田バンプ形成用開口を含む一定領域を除くソルダーレジ
スト層の表面に半田ペーストが付着することがなく、後
工程で、ソルダーレジスト層の表面に付着した半田ペー
ストを除去する必要がないからである。
【0175】上記マスクの材質としては特に限定され
ず、上記第一の本発明の製造方法で用いるマスクの材質
と同様のもの等が挙げられる。また、マスクの製造方法
としてはエッチング、アディティブ加工、レーザ加工等
が挙げられる。また、マスクの厚さも特に限定されず、
第一の本発明の製造方法同様、30〜70μmが望まし
く、30〜50μmがより望ましい。
【0176】また、この工程で用いるマスクにおいて
も、該マスクが有する開口は、ソルダーレジスト層に対
して垂直な壁面を有するように形成されていてもよい
が、徐々にソルダーレジスト層側に拡径する形態のテー
パが形成されていることが望ましい。
【0177】また、この第一の半田ペースト印刷工程で
用いる半田ペーストとしては特に限定されず、例えば、
第一の本発明の製造方法で用いる半田ペーストと同様の
もの等が挙げられる。また、この工程で用いる半田ペー
ストの粘度は、第一の本発明の製造方法の場合と同様、
第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペーストの
粘度よりも低いことが望ましい。また、場合によって
は、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペース
トの粘度と同じであってもよい。
【0178】また、第一の半田ペースト印刷工程におい
ては、第一の本発明の製造方法と同様、1回目の半田ペ
ーストの印刷で、その底面に窪みを有する半田バンプ形
成用開口のみに、その窪み部分が充填される程度の量の
半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペーストの印刷
で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全に充填するよ
うに、半田ペーストを印刷してもよい。なお、1回目の
半田ペースト印刷を行う際には、その底面に窪みを有す
る半田バンプ形成用開口に対向する部分に開口を有する
マスクをソルダーレジスト層上に載置した後、半田ペー
ストを印刷することが望ましい。
【0179】また、半田ペーストを印刷する際には、通
常、印刷用スキージを用いる。上記印刷用スキージとし
ては、例えば、第一の本発明の製造方法で用いるものと
同様のもの等を用いることができる。また、密閉式のス
キージユニットを用いることもできる。
【0180】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
後述する(b)の工程(半田ペースト除去工程)を行う
前に、ソルダーレジスト層上の半田ペースト層の表面全
体または表面の一部をプレスする半田ペーストプレス工
程を行うことが望ましい。上記第一の半田ペースト印刷
工程においては、上記した方法を用いて半田ペーストを
印刷するのみであるため、半田バンプ形成用開口の形状
(開口径や底面の窪みの有無)によっては、半田ペース
トが完全に充填されず、半田バンプ形成用開口にボイド
等が形成されるおそれがある。半田バンプ形成用開口に
ボイドが形成されると、このボイドがリフロー時やIC
チップ等の電子部品が動作した際の発熱で、拡散したり
膨張したりし、これに起因して、半田パッドや半田バン
プに剥がれやクラックが発生し、接続性、信頼性に悪影
響を与える原因となることがある。
【0181】従って、半田バンプ形成用開口に発生した
ボイドをそのまま放置しておくことは、上述したよう
に、製造する多層プリント配線板の接続性や信頼性の低
下に繋がるが、上記半田ペーストプレス工程を行うこと
で、第一の半田ペースト印刷工程でボイドが発生した場
合であっても、この工程でボイドを完全に除去すること
ができ、半田バンプ形成用開口が半田ペーストで完全に
充填することができる。
【0182】この半田ペーストプレス工程を行う具体的
な方法としては、第一の本発明の製造方法で説明した半
田ペーストプレス工程で用いた方法と同様の方法を用い
ることができる。なお、この場合、第一の本発明の製造
方法同様、プレス部材は0.1〜1.0MPaの押圧力
で押し当てればよい。また、第一の本発明の製造方法で
説明した半田ペーストプレス工程と同様、プレス部材を
押し当てる方法に代えて、ローラで押す方法を用いても
よい。
【0183】上記第一の半田ペースト印刷工程終了後、
上記(b)の工程(半田ペースト除去工程)を行う。こ
の工程では、第一の半田ペースト印刷工程で印刷した半
田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した半
田ペースト以外の半田ペースト1517を除去すること
により、半田ペースト表面517aを平坦化するととも
に、充填した半田ペーストの表面517aとソルダーレ
ジスト層の表面とを略同一平面とする(図7(b)参
照)。
【0184】半田バンプ形成用開口に充填した半田ペー
スト以外の半田ペースト1517を除去する際には、第
一の本発明の製造方法の半田ペースト平坦化工程で用い
た処理と同様の方法、即ち、スキージ処理、ロール処理
および振動処理のうちの少なくとも一の処理を行う。従
って、第三の本発明の製造方法においても、上述した第
一の本発明の製造方法と同様の効果を得ることができ
る。
【0185】また、この半田ペースト除去工程では、半
田バンプ形成用開口以外の部分に印刷された半田ペース
トが残らないように、ソルダーレジスト層表面(半田バ
ンプ形成用開口を除く)の半田ペーストを除去する必要
がある。上記ソルダーレジスト層表面に半田ペーストが
残った場合には、この半田ペーストが後工程でリフロー
を行った際に、移動して近接する半田ペースト層に付着
し、形成される半田バンプの形状の均一性が損なわれる
原因となったり、後工程を経て形成される半田バンプ間
の短絡の原因となったりすることがある。従って、ソル
ダーレジスト層表面の半田ペーストを確実に除去するた
めには、例えば、まず、スキージ処理を施して半田ペー
ストを除去し、その後、ロール処理または振動処理を施
して再度半田ペーストを除去する方法等を用いることが
望ましい。また、上記ロール処理の後、粘着ロール装置
を用いた処理を施すことも望ましい。
【0186】なお、この半田ペースト除去工程を行わな
くても済むように、半田ペーストが半田バンプ形成用開
口以外の部分には塗布されず、かつ、半田バンプ形成用
開口が完全に充填され、さらに、半田ペーストの表面と
ソルダーレジスト層の表面とが略同一平面となる量の半
田ペーストを印刷してもよい。しかしながら、このよう
な量の半田ペーストを印刷するには、半田ペーストの印
刷量を半田バンプ形成用開口ごとに厳密に制御しなけれ
ばならないため、印刷時の管理項目が多くなり、また、
印刷量に誤差が生じた際にも、その誤差が多層プリント
配線板の品質の低下に繋がるため、結果的に、このよう
な方法を用いることは、歩留りの低下に繋がり、経済的
に不利になる。従って、処理工程数は増加するものの、
ソルダーレジスト層上に、半田バンプ形成用開口を充填
するのに充分な量の半田ペーストを印刷した後、半田ペ
ーストの表面とソルダーレジスト層の表面とが略同一平
面となるように半田ペーストを除去する方法を用いる本
発明の製造方法の方が経済的に優れることとなる。
【0187】半田ペースト表面を平坦化した後、上記
(c)の工程(第二の半田ペースト印刷工程)を行うこ
とにより、上記(a)〜(b)の工程を経て半田ペース
トが充填された半田バンプ形成用開口上に半田ペースト
層を形成し、さらに、印刷した半田ペーストをリフロー
させることにより半田バンプ527を形成する(図7
(c)参照)。
【0188】この工程は、第一の本発明の製造方法の第
二の半田ペースト印刷工程と同様の方法を用いて行うこ
とができる。特に、隣合う半田バンプ同士の距離が20
0μm以下の半田バンプを形成する場合、このような半
田バンプを形成することができる半田ペースト層は、通
常のスキージ印刷を用いて形成することが困難であるた
め、密閉式のスキージユニットを用いて形成することが
望ましい。このような(a)〜(c)の工程を行う以外
は、第一の本発明の多層プリント配線板の製造方法と同
様の方法を用いることにより、接続性および信頼性に優
れる多層プリント配線板を製造することができるととも
に、安定した品質の多層プリント配線板を好適に製造す
ることができる。
【0189】また、第三の本発明の多層プリント配線板
の製造方法は、ソルダーレジスト層の略全面に半田バン
プ等が形成される設計の多層プリント配線板を製造する
際にも好適に用いることができる。これについて、以下
に図面を参照しながら簡単に説明する。
【0190】図8は、第三の本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を模式的に示す平面図であ
る。多層プリント配線板の製造においては、通常、複数
の多層プリント配線板を同時に製造する。即ち、大判の
基板上に上述した方法を用いて、導体回路と層間樹脂絶
縁層とを順次積層形成し、その後、ソルダーレジスト層
と半田バンプとを形成することにより、図8に示すよう
な基板の各区画601に、所望の設計の導体回路(図示
せず)、半田バンプ627等が形成された多層プリント
配線板の集合体600を製造する。次いで、この多層プ
リント配線板の集合体600を各区画601に分割する
(即ち、図8中の点線に沿って切断する)ことにより、
1つの多層プリント配線板とする。
【0191】このように、多層プリント配線板の集合体
を製造する場合においては、第三の本発明の製造方法の
(a)〜(c)の工程等を経て半田バンプを形成するこ
とができる。この場合、上記第一の半田ペースト印刷工
程において、半田ペーストを印刷する領域を多層プリン
ト配線板となる区画(図8中、点線で固まれる領域60
1)とすることにより、多層プリント配線板の集合体6
00を切断した際に破棄される領域には、半田ペースト
を印刷しないため、半田ペーストを基板の全面に塗布す
る場合に比べて、半田ペーストの消費量が少なくてす
み、勿論、この切断時に破棄する領域には半田ペースト
の除去処理を施す必要もないため、経済的に有利であ
る。なお、上述したように、ソルダーレジスト層の中央
付近に半田バンプ形成用開口が密に存在する多層プリン
ト配線板を複数同時に製造する場合には、第一の半田ペ
ースト印刷工程で、多層プリント配線板となる区画60
1の中央付近にのみ半田ペーストを印刷すればよい。ま
た、多層プリント配線板の集合体を製造する場合、通
常、大判の基板には、半田ペースト印刷用アライメント
マーク603が形成されている。また、多層プリント配
線板毎には、2個の円形(直径:約0.5mm)のIC
チップ実装用アライメントマーク602が形成されてお
り、このICチップ実装用アライメントマーク602
は、多層プリント配線板の集合体を切断した後、ICチ
ップを実装する際に用いることとなる。従って、上記
(b)の工程、即ち、半田ペースト除去工程において、
ICチップ実装用アライメントマーク602に半田ペー
ストが付着すると、その後、ICチップを実装する際
に、ICチップの位置ズレの原因となることがあるた
め、ICチップ実装用アライメントマーク602は、半
田ペースト除去時に半田ペーストが付着しない位置に形
成しておくことが望ましい。
【0192】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) A.層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製 エピコート1001)3
0重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロ
ンN−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノ
ールノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、
大日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0193】B.貫通孔充填用樹脂組成物の調製 ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社
製、分子量:310、YL983U)100重量部、表
面にシランカップリング剤がコーティングされた平均粒
径が1.6μmで、最大粒子の直径が15μm以下のS
iO2 球状粒子(アドテック社製、CRS 1101−
CE)72重量部およびレベリング剤(サンノプコ社製
ペレノールS4)1.5重量部を容器にとり、攪拌混
合することにより、その粘度が25℃で30〜80Pa
・sの樹脂充填材を調製した。なお、硬化剤として、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成社製、2E4MZ−CN)
6.5重量部を用いた。
【0194】C.プリント配線板の製造方法 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両
面に18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積層
板を出発材料とした(図9(a)参照)。まず、この銅
張積層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パ
ターン状にエッチングすることにより、基板1の両面に
下層導体回路4とスルーホール9を形成した。
【0195】(2)スルーホール9および下層導体回路
4を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、NaOH
(10g/l)、NaClO2 (40g/l)、Na3
PO4 (6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)と
する黒化処理、および、NaOH(10g/l)、Na
BH4 (6g/l)を含む水溶液を還元浴とする還元処
理を行い、そのスルーホール9を含む下層導体回路4の
全表面に粗化面4a、9aを形成した(図9(b)参
照)。
【0196】(3)次に、上記Bに記載した貫通孔充填
用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調整後2
4時間以内に、スルーホール9内、および、基板1の片
面の導体回路非形成部と下層導体回路4の外縁部とに樹
脂充填材10の層を形成した。即ち、まず、スキージを
用いてスルーホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し
込んだ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次
に、導体回路非形成部に相当する部分が開口したマスク
を基板上に載置し、スキージを用いて凹部となっている
導体回路非形成部に樹脂充填材10の層を形成し、10
0℃、20分の条件で乾燥させた(図9(c)参照)。
【0197】(4)上記(3)の処理を終えた基板の片
面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用い
たベルトサンダー研磨により、下層導体回路4の表面や
スルーホール9のランド表面に樹脂充填材10が残らな
いように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨によ
る傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一
連の研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次
いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加熱処理
を行って樹脂充填材10を硬化させた。
【0198】このようにして、スルーホール9や導体回
路非形成部に形成された樹脂充填材10の表層部および
下層導体回路4の表面を平坦化し、樹脂充填材10と下
層導体回路4の側面とが粗化面4aを介して強固に密着
し、またスルーホール9の内壁面と樹脂充填材10とが
粗化面9aを介して強固に密着した絶縁性基板を得た
(図9(d)参照)。即ち、この工程により、樹脂充填
材10の表面と下層導体回路4の表面が同一平面とな
る。
【0199】(5)上記基板を水洗、酸性脱脂した後、
ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板の両
面にスプレイで吹きつけて、下層導体回路4の表面とス
ルーホール9のランド表面とをエッチングすることによ
り、下層導体回路4の全表面に粗化面4a、9aを形成
した(図10(a)参照)。なお、エッチング液として
は、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリコー
ル酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッチン
グ液(メック社製、メックエッチボンド)を使用した。
【0200】(6)基板の両面に、上記Aで作製した基
板より少し大きめの層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを基
板上に載置し、圧力0.4MPa、温度80℃、圧着時
間10秒の条件で仮圧着して裁断した後、さらに、以下
の方法により真空ラミネーター装置を用いて張り付け、
その後、熱硬化させることにより層間樹脂絶縁層2を形
成した(図10(b)参照)。即ち、層間樹脂絶縁層用
樹脂フィルムを基板上に、真空度67Pa、圧力0.4
MPa、温度80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し
て張り付け、その後、170℃で30分間熱硬化させ
た。
【0201】(7)次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚さ
1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波長
10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.0
mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マス
クの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間樹
脂絶縁層2に、直径80μmのバイアホール用開口6を
形成した(図10(c)参照)。
【0202】(8)さらに、バイアホール用開口6を形
成した基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃
の溶液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存
在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バ
イアホール用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表
面を粗面とした(図10(d)参照)。
【0203】(9)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒(アトテック社製)を付与すること
により、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用
開口6の内壁面に触媒核を付着させた。
【0204】(10)次に、以下の組成の無電解銅めっ
き水溶液中に基板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6〜
3.0μmの無電解銅めっき膜12を形成した(図11
(a)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕35℃の液温度で40分
【0205】(11)市販の感光性ドライフィルムを無
電解銅めっき膜12に貼り付け、マスクを載置して、1
00mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム水
溶液で現像処理することにより、厚さ20μmのめっき
レジスト3を設けた(図11(b)参照)。
【0206】(12)ついで、基板を50℃の水で洗浄
して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄し
てから、以下の条件で電解銅めっきを施し、電解銅めっ
き膜13を形成した(図11(c)参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0207】(13)さらに、めっきレジスト3を5%
NaOH水溶液で剥離除去した後、そのめっきレジスト
3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液
でエッチング処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜1
2と電解めっき膜13からなる厚さ18μmの独立の上
層導体回路5(バイアホール7を含む)とした(図11
(d)参照)。
【0208】(14)上記(5)〜(13)の工程を繰
り返すことにより、さらに、上層の層間樹脂絶縁層2と
上層の導体回路5(バイアホール7を含む)を形成した
(図12(a)〜図13(a)参照)。その後、上記上
層の導体回路5の表面にエッチング液を用いて粗化面を
形成した。なお、エッチング液としては、メック社製、
メックエッチボンドを使用した(図13(b)参照)。
【0209】(15)次に、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になるよ
うに溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化した
感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.6
7重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量%
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製、
商品名:エピコート1001)15.0重量部、イミダ
ゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ−C
N)1.6重量部、感光性モノマーである多価アクリル
モノマー(日本化薬社製、商品名:R604)3.0重
量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学社製、商
品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡剤(サン
ノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器にとり、
攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合組成物に
対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関東化学社
製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラーケトン
(関東化学社製)0.2重量部を加え、粘度を25℃で
2.0Pa・sに調整したソルダーレジスト組成物を得
た。なお、粘度測定は、B型粘度計(東京計器社製、D
VL−B型)で60min-1(rpm)の場合はロータ
ーNo.4、6min-1(rpm)の場合はローターN
o.3によった。
【0210】(16)次に、多層配線基板の両面に、上
記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し、
70℃で20分間、70℃で30分間の条件で乾燥処理
を行った後、半田パッドのパターンが描画された厚さ5
mmのフォトマスクをソルダーレジスト層に密着させて
1000mJ/cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液
で現像処理し、直径80μmの開口を形成した。そし
て、さらに、80℃で1時間、100℃で1時間、12
0℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞれ加熱
処理を行ってソルダーレジスト層を硬化させ、半田バン
プ形成用開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレ
ジスト層14を形成した。なお、半田バンプ形成用開口
の開口径は80μmであり、隣合う半田バンプ形成用開
口間の距離は150μmである。また、上記ソルダーレ
ジスト組成物としては、市販のソルダーレジスト組成物
を使用することもできる。
【0211】(17)次に、過硫酸ナトリウムを主成分
とするエッチング液を、そのエッチング能が毎分2μm
程度になるように調製し、このエッチング液中にソルダ
ーレジスト層14が形成された基板を1分間浸漬し、導
体回路表面に平均粗度(Ra)が1μm以下の粗化面を
形成した。さらに、この基板を、塩化ニッケル(2.3
×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8
×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×
10 -1mol/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケ
ルめっき液に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmの
ニッケルめっき層15を形成した。さらに、その基板を
シアン化金カリウム(7.6×10-3mol/l)、塩
化アンモニウム(1.9×10-1mol/l)、クエン
酸ナトリウム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン
酸ナトリウム(1.7×10-1mol/l)を含む無電
解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニ
ッケルめっき層15上に、厚さ0.03μmの金めっき
層16を形成し、半田パッドとした。
【0212】(18)この後、ソルダーレジスト層14
上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直
径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン
式圧入印刷機を用いて、凹形状の半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷した。なお、ここで印刷した半田
ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配
合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもの
で、その粘度を200Pa・sに調整したものである。
さらに、半田ペースト印刷後、ソルダーレジスト層14
上の全面にフッ素樹脂からなるプレス部材を5秒間、
0.5MPaの押圧力で押し当て、半田バンプ形成用開
口を半田ペーストで完全に充填するとともに、半田バン
プ形成用開口のボイドを除去した。
【0213】(19)次に、上記(18)の工程後、ソ
ルダーレジスト層14の表面に略当接する位置に樹脂製
のスキージを設置し、該スキージを10mm/secの
移動速度でソルダーレジスト層14上を1回移動させる
ことで、ソルダーレジスト層の表面より盛り上がった部
分の半田ペーストを除去し、充填した半田ペーストの表
面を平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダ
ーレジスト層の表面とを同一平面にした(図2(a)参
照)。
【0214】(20)次に、ソルダーレジスト層14上
に、上記(18)の工程で用いたマスクと同様のマスク
を載置し、半田ペーストをピストン式圧入印刷機で印刷
することにより半田ペースト層を形成した。なお、ここ
で充填した半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.
5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μmの半
田を含むもので、その粘度を250Pa・sに調整した
ものである。
【0215】(21)その後、上記(18)〜(20)
の工程で印刷した半田ペーストを250℃でリフロー
し、さらに、フラックス洗浄を行うことにより、半田バ
ンプを備えた多層プリント配線板を得た(図13(c)
参照)。
【0216】(実施例2) A.実施例1と同様にして、層間樹脂絶縁層用樹脂フィ
ルムの作製、および、貫通孔充填用樹脂組成物の調製を
行った。
【0217】B.多層プリント配線板の製造 (1)厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる絶縁性基板
30の両面に18μmの銅箔32がラミネートされてい
る銅張積層板を出発材料とした(図14(a)参照)。
まず、この銅張積層板を下層導体回路パターン状にエッ
チングすることにより、基板の両面に下層導体回路34
を形成した(図14(b)参照)。
【0218】(2)下層導体回路34を形成した基板3
0を水洗いし、乾燥した後、NaOH(10g/l)、
NaClO2 (40g/l)、Na3 PO4 (6g/
l)を含む水溶液を黒化浴(酸化浴)とする黒化処理、
および、NaOH(10g/l)、NaBH4 (6g/
l)を含む水溶液を還元浴とする還元処理を行い、下層
導体回路34の表面に粗化面34aを形成した(図14
(c)参照)。
【0219】(3)次に、上記Aで作製した層間樹脂絶
縁層用樹脂フィルムを、温度50〜150℃まで昇温し
ながら、0.5MPaで真空圧着ラミネートして貼り付
け、樹脂フィルム層50αを形成した(図14(d)参
照)。さらに、樹脂フィルム層50αを貼り付けた基板
30に、ドリル加工により直径300μmの貫通孔35
を形成した(図14(e)参照)。
【0220】(4)次に、樹脂フィルム層50α上に、
厚さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、
波長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径
4.0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ
秒、マスクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件
で樹脂フィルム層50αに、直径80μmのバイアホー
ル用開口52を形成し、層間樹脂絶縁層50とした(図
15(a)参照)。
【0221】(5)バイアホール用開口52を形成した
基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶液
に10分間浸漬し、貫通孔35の壁面にデスミア処理を
施すとともに、層間樹脂絶縁層50の表面に存在するエ
ポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、バイアホー
ル用開口52の内壁面を含むその表面に粗化面50a、
52aを形成した(図15(b)参照)。
【0222】(6)次に、上記処理を終えた基板を、中
和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いした。さ
らに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板の表面
に、パラジウム触媒を付与することにより、層間樹脂絶
縁層50の表面(バイアホール用開口52の内壁面を含
む)、および、貫通孔35の壁面に触媒核を付着させた
(図示せず)。即ち、上記基板を塩化パラジウム(Pb
Cl2 )と塩化第一スズ(SnCl2 )とを含む触媒液
中に浸漬し、パラジウム金属を析出させることにより触
媒を付与した。
【0223】(7)次に、以下の組成の無電解銅めっき
水溶液中に、基板を浸漬し、層間樹脂絶縁層50の表面
(バイアホール用開口52の内壁面を含む)、および、
貫通孔35の壁面に厚さ0.6〜3.0μmの無電解銅
めっき膜42を形成した(図15(c)参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 0.003 mol/l 酒石酸 0.200 mol/l 硫酸銅 0.030 mol/l HCHO 0.050 mol/l NaOH 0.100 mol/l α、α′−ビピリジル 100 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) 0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕34℃の液温度で40分
【0224】(8)次に、無電解銅めっき膜42が形成
された基板に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、
マスクを載置して、100mJ/cm2 で露光し、0.
8%炭酸ナトリウム水溶液で現像処理することにより、
厚さ20μmのめっきレジスト43を設けた(図15
(d)参照)。
【0225】(9)ついで、基板を50℃の水で洗浄し
て脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄して
から、以下の条件で電解めっきを施し、めっきレジスト
43非形成部に、厚さ20μmの電解銅めっき膜44を
形成した(図15(e)参照)。 〔電解めっき液〕 硫酸 2.24 mol/l 硫酸銅 0.26 mol/l 添加剤 19.5 ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドGL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 1 A/dm2 時間 65 分 温度 22±2 ℃
【0226】(10)次に、めっきレジスト43を5%
KOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト43下の
無電解めっき膜を硫酸と過酸化水素との混合液でエッチ
ング処理して溶解除去し、スルーホール36、および、
上層導体回路45(バイアホール46を含む)とした
(図16(a)参照)。
【0227】(11)次に、スルーホール36等を形成
した基板30をエッチング液に浸漬し、スルーホール3
6、および、上層導体回路(バイアホール46を含む)
の表面に粗化面36a、46aを形成した(図16
(b)参照)。なお、エッチング液としては、メック社
製、メックエッチボンドを使用した。
【0228】(12)次に、上記Aに記載した貫通孔充
填用樹脂組成物を調製した後、下記の方法により調製後
24時間以内に、その壁面にスルーホール36内、およ
び、基板の片面のバイアホール46内に樹脂充填材4
0、54の層を形成した。即ち、まず、スキージを用い
てスルーホール内に貫通孔充填用樹脂組成物を押し込ん
だ後、100℃、20分の条件で乾燥させた。次に、バ
イアホール46に相当する部分が開口したマスクを基板
上に載置し、スキージを用いてバイアホール46内に貫
通孔充填用樹脂組成物を充填し、100℃、20分の条
件で乾燥を行った。さらに、同様にして、基板の他方の
面のバイアホール46内にも貫通孔充填用樹脂組成物を
充填した(図16(c)参照)。
【0229】(13)次に、上記(12)の処理を終え
た基板の両面にバフ研磨を施し、スルーホール36およ
びバイアホール46から露出した樹脂充填材40、54
の層の表面を平坦にした。次いで、100℃で1時間、
150℃で1時間の加熱処理を行うことにより、樹脂充
填材40、54の層を硬化させた(図16(d)参
照)。
【0230】(14)次に、層間樹脂絶縁層50の表
面、および、樹脂充填材40、54の露出面に、上記
(6)と同様の処理を行ってパラジウム触媒(図示せ
ず)を付与した。次に、上記(7)と同様の条件で無電
解めっき処理を施し、層間樹脂絶縁層50の表面、およ
び、樹脂充填材40、54の露出面に無電解めっき膜5
6を形成した(図17(a)参照)。
【0231】(15)次に、上記(8)と同様の方法を
用いて、無電解めっき膜56上に、厚さ20μmのめっ
きレジストを設けた(図示せず)。さらに、上記(9)
と同様の条件で電解めっきを施して、めっきレジスト非
形成部に電解めっき膜57を形成した。その後、めっき
レジストと、その下に存在する無電解めっき膜56とを
除去し、スルーホール36上およびバイアホール46上
に、無電解めっき膜56と電解めっき膜57とからなる
蓋めっき層58を形成した(図17(b)参照)。
【0232】(16)次に、蓋めっき層58の表面に上
記(11)で用いたエッチング液(メックエッチボン
ド)を用いて粗化面58aを形成した(図17(c)参
照)。 (17)次に、上記(3)〜(7)の工程を繰り返すこ
とにより、さらに上層の層間樹脂絶縁層60、導体回路
(バイアホール66を含む)を形成し、多層配線板を得
た(図17(d)参照)。なお、この工程では、スルー
ホールを形成しなかった。
【0233】(18)次に、実施例1の(16)および
(17)と同様にして、半田バンプ形成用開口が形成さ
れ、その底面に、半田パッドを有するソルダーレジスト
層70を形成した(図18(a)〜(c)参照)。な
お、半田バンプ形成用開口の開口径は80μmであり、
隣合う半田バンプ形成用開口間の距離は150μmであ
る。
【0234】(19)この後、ソルダーレジスト層70
上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直
径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン
式圧入印刷機を用いて、凹形状の半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷した。なお、ここで充填した半田
ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配
合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもの
で、その粘度を200Pa・sに調整したものである。
さらに、半田ペースト印刷後、ソルダーレジスト層70
上の半田ペースト層をフッ素樹脂からなるローラーで
0.3MPaの押圧力で押すことにより、半田バンプ形
成用開口を半田ペーストで完全に充填するとともに、半
田バンプ形成用開口のボイドを除去した。
【0235】(20)次に、上記(19)の工程後、印
刷した半田ペーストを放冷固化させた後、ソルダーレジ
スト層70の表面に略当接する位置に、クリーニングペ
ーパー供給ロールとクリーニングペーパー巻き取りロー
ルとを備え、これらの間にクリーニングペーパー(旭化
成工業社製、ベンリーゼTS100)をソルダーレジス
ト層表面に当接させるゴム製のクリーニングロールが配
設された構成のロール装置を設置し、上記クリーニング
ペーパー巻き取りロールの巻き取り速度を30mm/s
ecに設定し、該ロール装置の移動方向とクリーニング
ロールの回転方向とが同一となるように、上記ロール装
置をソルダーレジスト層上を20mm/secの移動速
度で1回移動させることで、ソルダーレジスト層より盛
り上がった部分の半田ペーストを除去し、充填した半田
ペーストの表面を平坦化するとともに、半田ペーストの
表面とソルダーレジスト層の表面とを同一平面にした
(図2(b)参照)。さらに、充填した半田ペーストを
250℃でリフローした。
【0236】(21)次に、ソルダーレジスト層70の
片面に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に
直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピスト
ン式圧入印刷機を用いて半田ペーストを印刷することに
より半田ペースト層を形成した。なお、ここで充填した
半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5
で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含むも
ので、その粘度を250Pa・sに調整したものであ
る。
【0237】また、ソルダーレジスト層70の他の一面
には、上記と同様にSn:Sb=95.0:5.0の半
田ペースト層を形成した後、導電性ピン78を取り付け
た。
【0238】(22)その後、上記(21)の工程で形
成した半田ペースト層を260℃でリフローし、さら
に、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとP
GA(Pin Grid Array)とを備えた多層プリント配線板
を得た(図19参照)。
【0239】(実施例3)実施例1における(19)の
工程に代えて、下記の工程を行った以外は、実施例1と
同様にして多層プリント配線板を製造した。即ち、実施
例1の(1)〜(18)の工程を行った後、充填した半
田ペーストを放冷固化させ、クリーニングペーパー(旭
化成社製、ベンリーゼTS100)を備えたヘッドを3
個有する振動装置を、上記半田ペーストの上方に設置
し、80mm/secでソルダーレジスト層の表面を1
0mmの幅で平行に振動させ、上記振動装置をソルダー
レジスト層の表面に略当接する位置にまで1回移動させ
ることで、ソルダーレジスト層より盛り上がった部分の
半田ペーストを除去し、充填した半田ペーストの表面を
平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダーレ
ジスト層の表面とを同一平面にした(図2(c)参
照)。その後、実施例1の(20)〜(21)の工程を
行うことで、多層プリント配線板得た。
【0240】(実施例4)実施例1における(19)の
工程に代えて、下記の工程を行った以外は、実施例1と
同様にして多層プリント配線板を製造した。即ち、実施
例1の(1)〜(18)の工程を行った後、充填した半
田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口より盛り上が
った部分の半田ペーストを、まず、樹脂製のスキージを
用いて除去し、その後、振動装置を用いて完全に除去す
ることにより、充填した半田ペーストの表面を平坦化す
るとともに、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層
の表面とを同一面とした。なお、上記スキージおよび振
動装置は、上述した実施例1および実施例3で使用した
スキージおよび振動装置と同様のものであり、その処理
も同条件で行った。その後、実施例1の(20)〜(2
1)の工程を行うことで、多層プリント配線板を得た。
【0241】(実施例5)実施例2において、(18)
の工程で、その開口径が100μmの半田バンプ形成用
開口を形成し、(19)の工程で、Sn:Agを重量比
96.5:3.5で配合させた主として粒径5〜20μ
mの半田を含むもので、その粘度が250Pa・sに調
整した半田ペーストを直径が100μmの開口を有する
マスクを用いて充填し、(20)の工程で、半田バンプ
形成用開口より盛り上がった部分の半田ペーストを、ま
ず、樹脂製のスキージを用いて除去し、その後、ロール
装置を用いて完全に除去することにより、充填した半田
ペーストの表面を平坦化するとともに、半田ペーストの
表面とソルダーレジスト層の表面とを同一面とした。な
お、上記スキージおよびロール装置は、上述した実施例
1および実施例2で使用したスキージおよびロール装置
と同様のものであり、その処理も同条件で行った。その
後、実施例2の(21)〜(22)の工程を行うこと
で、多層プリント配線板を得た。
【0242】(実施例6)実施例1における(18)〜
(21)の工程に代えて、下記(1)〜(4)の工程を
行った以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線
板を製造した。 (1)実施例1の(1)〜(17)の工程を行った後、
ソルダーレジスト層14の表面全体に、硬度90°のゴ
ム製の印刷用スキージを用いて、半田ペーストを塗布
し、凹形状の半田バンプ形成用開口に半田ペーストを完
全に充填した。なお、ここで充填した半田ペーストは、
Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた主と
して粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘度を
200Pa・sに調整したものである。さらに、半田ペ
ースト印刷後、ソルダーレジスト層14上の全面にフッ
素樹脂からなるプレス部材を5秒間、0.5MPaの押
圧力で押し当て、半田バンプ形成用開口を半田ペースト
で完全に充填するとともに、半田バンプ形成用開口およ
びその周辺のボイドを除去した。
【0243】(2)次に、上記(1)の工程で塗布した
半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した
半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、樹脂製のス
キージを用いて除去し、その後、振動装置を用いて完全
に除去することにより、充填した半田ペーストの表面を
平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダーレ
ジスト層の表面とを同一平面にした。なお、上記スキー
ジおよび振動装置は、上述した実施例1および実施例3
で使用したスキージおよび振動装置と同様のものであ
り、その処理も同条件で行った。
【0244】(3)次に、ソルダーレジスト層14上
に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径
80μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン式圧
入型印刷機で半田ペーストを印刷することにより半田ペ
ースト層を形成した。なお、ここで充填した半田ペース
トは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させ
た主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その
粘度を250Pa・sに調整したものである。
【0245】(4)その後、上記(1)〜(3)の工程
で印刷した半田ペーストを250℃でリフローし、さら
に、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備
えた多層プリント配線板を得た(図13(c)参照)。
【0246】(実施例7)実施例2における(18)〜
(22)の工程に代えて、下記(1)〜(5)の工程を
行った以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線
板を製造した。 (1)実施例2の(1)〜(17)の工程を行った後、
ソルダーレジスト層の表面にその開口径が80μmの半
田バンプ形成用開口を形成した。
【0247】(2)次に、ソルダーレジスト層の表面全
体に、硬度90°のゴム製の印刷用スキージを用いて、
半田ペーストを塗布し、凹形状の半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを完全に充填した。なお、ここで充填し
た半田ペーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.
5で配合させた主として粒径5〜20μmの半田を含む
もので、その粘度を250Pa・sに調整したものであ
る。さらに、半田ペースト印刷後、ソルダーレジスト層
上の半田ペースト層をフッ素樹脂からなるローラーを用
いて、0.3MPaの押圧力で押すことにより、半田バ
ンプ形成用開口を半田ペーストで完全に充填するととも
に、半田バンプ形成用開口およびその周辺のボイドを除
去した。
【0248】(3)次に、上記(2)の工程で塗布した
半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した
半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、樹脂製のス
キージを用いて除去し、その後、ロール装置を用いて完
全に除去することにより、充填した半田ペーストの表面
を平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダー
レジスト層の表面とを同一平面にした。なお、上記スキ
ージおよびロール装置は、上述した実施例1および実施
例2で使用したスキージおよびロール装置と同様のもの
であり、その処理も同条件で行った。さらに、充填した
半田ペーストを250℃でリフローした。
【0249】(4)次に、ソルダーレジスト層の片面
に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径
100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン式
圧入印刷機で半田ペーストを印刷することにより半田ペ
ースト層を形成した。なお、ここで充填した半田ペース
トは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させ
た主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その
粘度を250Pa・sに調整したものである。
【0250】また、ソルダーレジスト層の他の一面に
は、上記と同様にSn:Sb=95.0:5.0の半田
ペースト層を形成した後、導電性ピン78を取り付け
た。
【0251】(5)その後、上記(4)の工程で形成し
た半田ペースト層を260℃でリフローし、さらに、フ
ラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとPGA
(Pin Grid Array)とを備えた多層プリント配線板を得
た(図19参照)。
【0252】(実施例8)実施例1における(18)〜
(21)の工程に代えて、下記(1)〜(4)の工程を
行った以外は、実施例1と同様にして多層プリント配線
板を製造した。 (1)実施例1の(1)〜(17)の工程を行った後、
ソルダーレジスト層上にマスクを載置し、硬度90°の
ゴム製の印刷用スキージを用いて、半田ペーストを印刷
し、凹形状の半田バンプ形成用開口に半田ペーストを完
全に充填するとともに、半田バンプ形成用開口周辺のソ
ルダーレジスト層上に半田ペースト層1517を形成し
た(図7(a)参照)。なお、実施例1の(1)〜(1
7)と同様の工程を行うことにより形成された半田バン
プ形成用開口は、10×10mmのエリアに150μm
の間隔で約5000個形成されており、このような約5
000個の半田バンプ形成用開口が形成された領域が半
田バンプエリアとなる。なお、本実施例において、半田
バンプエリアは複数存在する。
【0253】また、この工程において、マスクとして
は、約5000個の半田バンプ形成用開口を含む10×
10mmの半田バンプエリアより1辺あたり5mm大き
い15×15mmの領域に対向する部分に開口が形成さ
れたものを用いた。従って、本実施例で用いたマスク
は、半田バンプエリアに対向する部分に形成された複数
の開口を有している。また、ここで充填した半田ペース
トは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させ
た主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その
粘度を200Pa・sに調整したものである。さらに、
半田ペースト印刷後、ソルダーレジスト層14上の全面
にフッ素樹脂からなるプレス部材を5秒間、0.5MP
aの押圧力で押し当て、半田バンプ形成用開口を半田ペ
ーストで完全に充填するとともに、半田バンプ形成用開
口およびその周辺のボイドを除去した。
【0254】(2)次に、上記(1)の工程で塗布した
半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した
半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、樹脂製のス
キージを用いて除去し、その後、振動装置を用いて完全
に除去することにより、充填した半田ペーストの表面を
平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダーレ
ジスト層の表面とを同一平面にした。なお、上記スキー
ジおよび振動装置は、上述した実施例1および実施例3
で使用したスキージおよび振動装置と同様のものであ
り、その処理も同条件で行った。
【0255】(3)次に、ソルダーレジスト層上に、全
ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直径100
μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン式圧入型
印刷機で半田ペーストを印刷することにより半田ペース
ト層を形成した。なお、ここで充填した半田ペースト
は、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させた
主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その粘
度を250Pa・sに調整したものである。
【0256】(4)その後、上記(1)〜(3)の工程
で印刷した半田ペーストを250℃でリフローし、さら
に、フラックス洗浄を行うことにより、半田バンプを備
えた多層プリント配線板を得た(図13(c)参照)。
【0257】(実施例9)実施例2における(18)〜
(22)の工程に代えて、下記(1)〜(5)の工程を
行った以外は、実施例2と同様にして多層プリント配線
板を製造した。 (1)実施例2の(1)〜(17)の工程を行った後、
ソルダーレジスト層の表面にその開口径が80μmの半
田バンプ形成用開口を形成した。
【0258】(2)次に、ソルダーレジスト層上にマス
クを載置し、硬度90°のゴム製の印刷用スキージを用
いて、半田ペーストを印刷し、凹形状の半田バンプ形成
用開口に半田ペーストを完全に充填するとともに、半田
バンプ形成用開口周辺のソルダーレジスト層上に半田ペ
ースト層1517を形成した(図7(a)参照)。な
お、実施例2の(1)〜(18)と同様の工程を行うこ
とにより形成された半田バンプ形成用開口は、10×1
0mmのエリアに150μmの間隔で約5000個形成
されており、このような約5000個の半田バンプ形成
用開口が形成された領域が半田バンプとなる。なお、本
実施例において、半田バンプエリアは複数存在する。
【0259】また、この工程において、マスクとして
は、約5000個の半田バンプ形成用開口を含む10×
10mmの半田バンプエリアより1辺あたり5mm大き
い15×15mmの領域に対向する部分に開口が形成さ
れたものを用いた。従って、本実施例で用いたマスク
は、半田バンプエリアに対向する部分に形成された複数
の開口を有している。なお、ここで充填した半田ペース
トは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合させ
た主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、その
粘度を250Pa・sに調製したものである。さらに、
半田ペースト印刷後、ソルダーレジスト層14上をフッ
素樹脂からなるローラを用いて、0.3MPaの押圧力
で押すことにより半田バンプ形成用開口を半田ペースト
で完全に充填するとともに、半田バンプ形成用開口およ
びその周辺のボイドを除去した。
【0260】(3)次に、上記(2)の工程で塗布した
半田ペーストのうち、半田バンプ形成用開口に充填した
半田ペースト以外の半田ペーストを、まず、樹脂製のス
キージを用いて除去し、その後、ロール装置を用いて完
全に除去することにより、充填した半田ペーストの表面
を平坦化するとともに、半田ペーストの表面とソルダー
レジスト層の表面とを同一平面にした。なお、上記スキ
ージおよびロール装置は、上述した実施例1および実施
例2で使用したスキージおよびロール装置と同様のもの
であり、その処理も同条件で行った。さらに、充填した
半田ペーストを250℃でリフローした。
【0261】(4)次の、ソルダーレジスト層14の片
面に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部分に直
径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピストン
式圧入型印刷機で半田ペーストを印刷することにより半
田ペースト層を形成した。なお、ここで充填した半田ペ
ーストは、Sn:Agを重量比96.5:3.5で配合
させた主として粒径5〜20μmの半田を含むもので、
その粘度を250Pa・sに調整したものである。
【0262】また、ソルダーレジスト層14の他の一面
には、上記と同様にSn:Sb=95.0:5.0の半
田ペースト層を形成した後、導電性ピン78を取り付け
た。
【0263】(5)その後、上記(4)の工程で形成し
た半田ペースト層を260℃でリフローし、さらに、フ
ラックス洗浄を行うことにより、半田バンプとPGA
(Pin Grid Array)とを備えた多層プリント配線板を得
た(図19参照)。
【0264】(比較例1)実施例1の(18)〜(2
1)の工程に代えて、全ての半田バンプ形成用開口に1
回の半田ペースト印刷で半田ペースト層を形成し、リフ
ローすることにより半田バンプを形成した以外は、実施
例1と同様にして多層プリント配線板を製造した。具体
的には、以下の工程を行った。
【0265】即ち、半田パッドを形成したソルダーレジ
スト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部
分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピ
ストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための
半田ペースト層を形成した。その後、半田ペースト層を
250℃でリフローし、さらに、フラックス洗浄を行う
ことにより、半田バンプを備えた多層プリント配線板を
得た。なお、半田ペーストとしては、実施例1の(1
8)の工程で用いたものと同様のものを使用した。
【0266】(比較例2)実施例2の(19)〜(2
2)の工程に代えて、全ての半田バンプ形成用開口に1
回の半田ペースト印刷で半田ペースト層を形成し、リフ
ローすることにより半田バンプを形成した以外は、実施
例2と同様にして多層プリント配線板を製造した。具体
的には、以下の工程を行った。
【0267】即ち、半田パッドを形成したソルダーレジ
スト層上に、全ての半田バンプ形成用開口に対向する部
分に直径100μmの開口を有するマスクを載置し、ピ
ストン式圧入型印刷機を用いて、半田バンプ形成用開口
に半田ペーストを印刷し、半田バンプを形成するための
半田ペースト層を形成した。その後、Sn:Sb=9
5.0:5.0の半田ペースト層を形成した基板の片面
に導電性ピンを取り付け、さらに、半田ペースト層を2
60℃でリフローした後、フラックス洗浄を行うことに
より、半田バンプとPGAとを備えた多層プリント配線
板を得た。なお、半田ペーストとしては、実施例2の
(21)の工程で用いたものと同様のものを使用した。
【0268】実施例1〜9および比較例1、2で得られ
た多層プリント配線板について、ソルダーレジスト層表
面の汚染の有無、半田バンプのボイドの有無、および、
半田バンプの形状と高さの観察、信頼性試験前後の性能
評価を下記の評価方法を用いて行った。結果を表1に示
した。
【0269】評価方法 (1)半田バンプのボイドの有無、半田バンプの形状と
高さ 多層プリント配線板の半田バンプが形成されている部分
をX線にて観察してボイドの有無を評価し、ソルダーレ
ジスト層からの半田バンプの高さを測定し、形状を観察
した。なお、形状については、半球状になっているもの
を○、そうでないものを×とした。
【0270】(2)信頼性試験 135℃、相対湿度85%の条件下で1000時間放置
した後、下記する導通試験を行い、多層プリント配線板
を半田バンプが形成されている部分で切断して半田バン
プの状態を観察した。信頼性試験と変わらないものを
○、クラック等が観察されたものを×とした。
【0271】(3)導通試験 多層プリント配線板を製造した後、上記信頼性試験前後
に導通試験を行い、モニターに表示された結果から導通
状態を評価した。短絡、断線のないものを○、短絡、断
線のあったものを×とした。
【0272】
【表1】
【0273】表1に示したように、実施例1〜9の多層
プリント配線板では、半田バンプにボイドは観察され
ず、半田バンプの高さ、形状は略均一であり、ソルダー
レジスト層の表面も半田ペーストで汚染されていなかっ
た。また、半田バンプ間での短絡もなく、信頼性試験前
後に行った導通試験にも全く問題はなく、信頼性試験後
にクラック、剥がれ等も見当たらなかった。
【0274】また、実施例6〜9の多層プリント配線板
では、第一の半田ペースト印刷工程で印刷した半田ペー
ストの除去工程を、スキージ処理とロール処理、また
は、スキージ処理と振動処理とで行っているが、これら
の実施例では、上記各処理をそれぞれ単独で行った場合
にも所望の形状の半田バンプを形成することができた。
また、第二の半田ペースト印刷工程で印刷する半田ペー
ストの粘度を150〜350Pa・sの範囲で順次変更
し、実施例1と同様の方法を用いて半田バンプを形成し
た場合にも所望の形状の半田バンプを形成することがで
きた。
【0275】一方、比較例1の多層プリント配線板で
は、一回の印刷工程で粘度の低い半田ペーストのみを印
刷しているため、半田バンプにボイドは形成されていな
かったものの、高さも実施例1と比べてバラツキが大き
く、形状も一様でなかった。また、ソルダーレジスト層
の表面が半田ペーストで汚染されていた。これは、印刷
時に半田ペーストがマスクの裏側に回り込んだためであ
ると推定された。また、導通試験に関しては、半田バン
プ形成後は特に問題がなかったが、信頼性試験後には断
線、短絡が発生した。また、断線と確認された部分の半
田バンプの断面を観察すると、クラック、剥がれを引き
起こしていた。
【0276】また、比較例2の多層プリント配線板で
は、一回の印刷工程で粘度の高い半田ペーストのみを印
刷しているため、ソルダーレジスト層の表面は殆ど汚染
されていなかったものの、半田バンプには多くのボイド
が形成されており、高さも実施例2と比べてバラツキが
大きく、形状も一様でなかった。また、導通試験に関し
ては、半田バンプ形成後は特に問題がなかったが、信頼
性試験後には断線、短絡が発生した。また、断線と確認
された部分の半田バンプの断面を観察すると、比較例1
と比べて多くのクラックや剥がれが発生していた。これ
は、半田バンプ内のボイドから誘発されたものであると
推定された。
【0277】
【発明の効果】第一〜第三の本発明の多層プリント配線
板の製造方法は、上述した構成からなるため、均一な形
状および高さを有するとともに、相互間で短絡のない半
田バンプを形成することができ、接続性及び信頼性に優
れ、安定した品質の多層プリント配線板を製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、第一の本発明の多層プリン
ト配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模
式的に示す部分断面図である。
【図2】(a)は、スキージを用いて半田ペースト平坦
化工程を施す様子を模式的に示す説明図であり、(b)
は、ロール装置を用いて半田ペースト平坦化工程を施す
様子を模式的に示す説明図であり、(c)は、粘着ロー
ル装置を用いた処理を模式的に示す説明図である。
【図3】(a)は、振動装置を用いて半田ペースト平坦
化工程を施す様子を模式的に示す説明図であり、(b)
は、振動処理に用いる振動装置の別の一例を模式的に示
す平面図であり、(c)は、振動処理に用いる振動装置
のさらに別の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】(a)〜(b)は、第一の本発明の多層プリン
ト配線板の製造方法において、半田ペーストを印刷する
方法の一例を模式式に示す部分断面図である。
【図5】(a)〜(c)は、第二の本発明の多層プリン
ト配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模
式的に示す部分断面図である。
【図6】(a)は、第三の本発明の製造方法で製造する
多層プリント配線板の一例を模式的に示す平面図であ
り、(b)は、(a)に示す多層プリント配線板の部分
断面図である。
【図7】(a)〜(c)は、第三の本発明の多層プリン
ト配線板の製造方法における(a)〜(c)の工程を模
式的に示す部分断面図である。
【図8】第三の本発明の多層プリント配線板の製造方法
の工程の一部を模式的に示す平面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配線
板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図13】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図14】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図15】(a)〜(e)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図16】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図17】(a)〜(d)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図18】(a)〜(c)は、本発明の多層プリント配
線板の製造方法の工程の一部を示す断面図である。
【図19】本発明の製造方法により得られる多層プリン
ト配線板の一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1、30 基板 8、32 銅箔 4、34 下層導体回路 9、36 スルーホール 6、52 バイアホール用開口 12、42 薄膜導体層(無電解めっき膜) 3、43 めっきレジスト 13、44 電解めっき膜 2、50 層間樹脂絶縁層 10、54 樹脂充填材 58 蓋めっき層 14、70 ソルダーレジスト層 17、76 半田バンプ 78 導電性ピン 131 スキージ 132 ロール装置 133 振動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E314 AA27 CC15 DD07 FF05 FF19 GG03 5E319 AC01 BB05 CD02 GG05 5E346 AA15 CC04 CC09 CC32 DD12 FF13 FF45 GG15 GG22 HH08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体回路を形成した基板上に、層間樹脂
    絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回
    路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
    レジスト層を設け、前記半田バンプ形成用開口に半田ペ
    ーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配
    線板の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜
    (c)の工程を行うことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷を行い、凹形状の
    半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填する第一の
    半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処
    理および振動処理のうちの少なくとも一の処理により、
    前記(a)の工程を経て充填された半田ぺーストの表面
    を平坦にする半田ペースト平坦化工程、および、(c)
    1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の半田ペース
    ト印刷工程。
  2. 【請求項2】 前記第一の半田ペースト印刷工程におい
    て、前記ソルダーレジスト層上に、前記半田バンプ形成
    用開口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した
    後、半田ペーストを印刷する請求項1に記載の多層プリ
    ント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 導体回路を形成した基板上に、層間樹脂
    絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回
    路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
    レジスト層を設け、前記半田バンプ形成用開口に半田ペ
    ーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配
    線板の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜
    (c)の工程を行うことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。 (a)1回以上の半田ペーストの印刷で、ソルダーレジ
    スト層の表面全体に半田ペーストを塗布し、半田バンプ
    形成用開口に半田ペーストを充填する第一の半田ペース
    ト印刷工程、(b)スキージ処理、ロール処理および振
    動処理のうちの少なくとも一の処理により、半田バンプ
    形成用開口に充填した半田ペースト以外の半田ペースト
    を除去し、半田ペーストの表面とソルダーレジスト層の
    表面とを略同一平面とする半田ペースト除去工程、およ
    び、(c)1回以上の半田ペーストの印刷を行う第二の
    半田ペースト印刷工程。
  4. 【請求項4】 導体回路を形成した基板上に、層間樹脂
    絶縁層と導体回路とを積層形成した後、最上層の導体回
    路上に、複数の半田バンプ形成用開口を有するソルダー
    レジスト層を設け、前記半田バンプ形成用開口に半田ペ
    ーストを印刷して半田バンプを形成する多層プリント配
    線板の製造方法であって、少なくとも下記(a)〜
    (c)の工程を行うことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。 (a)ソルダーレジスト層上の複数の半田バンプ形成用
    開口を含む一定領域に、一回以上半田ペーストを印刷
    し、前記半田バンプ形成用開口に半田ペーストを充填す
    る第一の半田ペースト印刷工程、(b)スキージ処理、
    ロール処理および振動処理のうちの少なくとも一の処理
    により、半田バンプ形成用開口に充填した半田ペースト
    以外の半田ペーストを除去し、半田ペーストの表面とソ
    ルダーレジスト層の表面とを略同一平面とする半田ペー
    スト除去工程、および、(c)1回以上の半田ペースト
    の印刷を行う第二の半田ペースト印刷工程。
  5. 【請求項5】 前記第一の半田ペースト印刷工程におい
    て、前記ソルダーレジスト層上に、複数の半田バンプ形
    成用開口を含む一定領域に対向する部分に開口を有する
    マスクを載置した後、半田ペーストを印刷する請求項4
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記(a)の工程の後、前記(b)の工
    程の前に、ソルダーレジスト層上の半田ペースト層の表
    面全体または表面の一部をプレスする半田ペーストプレ
    ス工程を行う請求項1〜5のいずれか1に記載の多層プ
    リント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第二の半田ペースト印刷工程におい
    て、前記ソルダーレジスト層上に、前記半田バンプ形成
    用開口に対向する部分に開口を有するマスクを載置した
    後、半田ペーストを印刷する請求項1〜6のいずれか1
    に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第一の半田ペースト印刷工程で印刷
    する半田ペーストの粘度が、前記第二の半田ペースト印
    刷工程で印刷する半田ペーストの粘度よりも低い請求項
    1〜7のいずれか1に記載の多層プリント配線板の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記第一の半田ペースト印刷工程におい
    て、1回目の半田ペーストの印刷で、その底面に窪みを
    有する半田バンプ形成用開口のみに、その窪み部分が充
    填される程度に半田ペーストを印刷し、2回目の半田ペ
    ーストの印刷で、凹形状の半田バンプ形成用開口を完全
    に充填するように、ソルダーレジスト層の表面全体に半
    田ペーストを塗布する請求項1〜8のいずれか1に記載
    のプリント配線板の製造方法。
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