JP2002216971A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

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JP2002216971A
JP2002216971A JP2001011354A JP2001011354A JP2002216971A JP 2002216971 A JP2002216971 A JP 2002216971A JP 2001011354 A JP2001011354 A JP 2001011354A JP 2001011354 A JP2001011354 A JP 2001011354A JP 2002216971 A JP2002216971 A JP 2002216971A
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浩司 野田
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Takeshi Owaki
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Yasunori Taga
康訓 多賀
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久 岡田
Tatsuya Igarashi
達也 五十嵐
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた青色又は白色発光有機EL素子を提供
する。 【解決手段】 陽極と陰極との間に、少なくとも正孔輸
送層及び青色発光層及び電子輸送層を有し、電子輸送層
は化学式(1) で示される化合物、正孔輸送層には、化学式(2) で示される化合物を用いる。上記電子輸送層の化合物は
HOMO準位が隣接する青色発光層の発光材料のHOM
O準位より深く、優れた正孔ブロック機能を発揮する。
よって、高効率かつ色純度の高い青色発光素子が得ら
れ、青色と補色関係にある黄色などの発光層と組み合わ
せることで優れた白色発光素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電界発光素子、
特に青色又は白色発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機電界発光素子(以下、有機EL素子
という)は、省電力に有利であり、高視野角かつ高輝度
発光が可能であるという特性を備えており、次世代平面
ディスプレイ素子や、その平面光源として注目されてい
る。
【0003】このような有機EL素子において、白色発
光を実現することは、表示パネルの多色化、フルカラー
化の要求や、また白色発光そのものを表示光とする、さ
らには液晶ディスプレイ等のバックライトへのニーズに
こたえるためには非常に重要である。
【0004】有機EL素子において、白色発光を達成す
るためには、(i)R、G、Bの3波長からの各発光光
を用いる方法、(ii)青+黄色〜橙色、又は青緑+赤の
2波長の補色関係にある光を合成する方法がある。
【0005】また、上記(i)の3波長方式の場合、
(i−a)R、G、B各色の発光層を積層する方法と、
(i−b)R、G、Bの各蛍光色素を発光層中に同時に
ドープする方法とがある。
【0006】(i−a)の方法では、駆動に伴う白色E
Lスペクトルの変化による色ずれや再結合ゾーンが複数
の層にまたがるために発光効率が低いという問題があ
る。(i−b)の方法では、さらに用いる有機発光材料
について、高分子系と低分子系とに分けられる。高分子
系発光材料の場合、発光層用材料としての塗布液を調整
する段階で、各色の蛍光色素を塗布液中に混合すること
により白色を得るが、色素混合の制御が困難なため発光
効率および駆動安定性が実用には遠い。低分子系発光材
料の場合、真空蒸着法により各色の蛍光色素を同一発光
層中にドープすることは可能であるが、同時に多数の蒸
着源の蒸着速度を制御して各色素のドープ量を調整しな
ければならず、このような制御は実際の量産には不向き
である可能性が高い。
【0007】次に、上記(ii)のように2波長の補色を
用いる場合には、各色の発光層を2層積層する方法と、
一つの発光層で2色の発光を得る方法がある。いずれの
方法においても、3色の発光層を積層する方法に比べ
て、白色の色ずれが起きにくく、かつ、発光効率が高い
という利点を有する。
【0008】しかし、上記2色の補色を利用する場合に
おいて、青緑と赤色の組み合わせを採用すると、現在提
案されている多くの赤色色素では、正孔輸送層中にドー
プして用いる場合に、その蛍光ピークが短波長側にシフ
トしてしまう。従って、赤色発光が得られなくなり、結
果として白色の色ずれが発生するという問題がある。
【0009】黄色で安定な発光を示すことが知られてい
るルブレンを用いることで実用的な耐久性を有する素子
を得ることができる。このルブレンを用いて白色発光素
子を得るためには、同時に純度の高い青色発光が要求さ
れる。しかし、しばしば青色発光層と接する電子輸送層
にAlqが用いられるため、この電子輸送層のAlqに
起因した緑色発光が生じてしまい、純度の高い青色発光
を得ることができなかった。このため、色ずれなく白色
発光を実現することも難しかった。
【0010】特開平7−41759号公報、特開平11
−204259号公報、特開平11−273876号公
報には、青色発光層と電子輸送層との間に正孔ブロッキ
ング層を設けることで、正孔の電子輸送層中への流入を
抑制し、再結合が発光層のみで高率よく起きるようにし
て青色の純度を向上させることについて開示がある。ま
た、正孔ブロッキング層を挿入した白色発光素子につい
ても特開平11−329734号公報に開示されてい
る。
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば正孔ブ
ロッキング材料として特開平11−204259号公報
に開示されているバソクプロイン(2,9-dymethl-4,7-dip
henyl-1,10-phenanthroline )等は、Tsutsuiらによって
その不安定性が指摘されているように(Jpn. J.Appl. 3
8(1999) L15029)、従来開示されている正孔ブロッキン
グ材料は、ガラス転移温度が低いなど、化学的に不安定
なものが多かった。このため、これらの正孔ブロッキン
グ材料を用いた素子では、十分な耐久性が得られないと
いう問題がある。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れてものであり、発光効率が高くかつ色純度の高い青色
発光、或いは他の補色との組み合わせにより白色発光を
示し、耐性の高い有機EL素子を実現することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、電極間に、少なくとも、正孔輸送層、有
機発光層及び有機電子輸送層を備える有機電界発光素子
であって、前記電子輸送層に、下記化学式(1)
【化4】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
リール基又は芳香族ヘテロ環基を表し、X1、X2及びX
3は、それぞれ所定置換基を表し、n1、n2及びn3は、
それぞれ0〜3の整数を表す。)で表される有機化合物
を含有し、前記素子の発光波長ピークが400nm〜5
00nmであることを特徴とする。
【0013】以上のように化学式(1)で表される有機
化合物を電子輸送層に用いることで、この電子輸送層
は、高い電子輸送性を示す。さらに、この有機化合物
は、最高占有分子軌道(HOMO)準位と最低非占有分
子輝度(LUMO)準位の差が大きいため、高い正孔ブ
ロック機能を発揮する。
【0014】電子輸送材料として一般的なAlqを用い
た場合、このAlqは正孔ブロック機能が低いため正孔
が発光層中で再結合しきらずに電子輸送層中にも流入し
電子と再結合するため、電子輸送層から緑色発光も生じ
てしまう。しかし、上記化学式(1)で表される有機化
合物を電子輸送層として用いた場合には、青色発光色の
効率が増すと共に、青色の色純度を向上させることが可
能となる(緑色発光成分が低減する)。さらに、補色関
係にある赤色より波長の短い黄色〜橙色発光と上記高色
純度の青色発光とを組合せることで、良好な白色発光を
得ることができる。また、本発明では、別途正孔ブロッ
キング層を設けなくとも、正孔が電子輸送層へ流入する
ことを防止でき、効率よく発光層中で電子と正孔とを再
結合させることができる。
【0015】本発明の他の特徴は、電極間に、少なくと
も、正孔輸送層、有機発光層及び有機電子輸送層を備え
る有機電界発光素子であって、前記電子輸送層に、上記
化学式(1)、(但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3
は、それぞれアリール基又は芳香族ヘテロ環基を表し、
1、X2及びX3は、それぞれ所定置換基を表し、n1
2及びn3は、それぞれ0〜3の整数を表す。)で表さ
れる有機化合物を含有し、前記素子は、発光波長ピーク
が400nm〜500nmの青色発光と、発光波長ピー
クが550nm〜600nmの黄色〜橙色発光との補色
により白色発光を得ることである。
【0016】本発明の他の特徴は、上記有機EL素子に
おいて、前記有機発光層は、発光波長ピークが550〜
600nmの黄色〜橙色発光を示す発光層と、発光波長
ピークが400〜500nmの青色発光を示す発光層と
の積層構造を備えることである。このような補色関係に
ある色の光を発する発光層を積層し、かつ上述のように
高い正孔ブロッキング能力を備えた電子輸送層を設ける
ことで、高効率かつ色ずれなく白色発光を得ることがで
きる。
【0017】また、本発明の他の特徴は、上述の前記正
孔輸送層が下記化学式(2)
【化5】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
リール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)で表される有
機化合物を含有することである。
【0018】このような有機化合物を正孔輸送層に用
い、かつ、電子輸送層として上記化学式(1)に示す有
機化合物を用いることで、陽極からの正孔を効率的に発
光層に注入し、かつ陰極からの電子を効率的に発光層に
注入でき、さらに発光層に注入された正孔を電子輸送層
がブロックするので正孔が陰極に到達して失われること
が防止できる。従って、色純度を高めると共に高輝度、
高効率発光を実現することが可能なる。また、さらに、
上記化学式(1)の化合物も、化学式(2)の化合物も
薄膜化した場合の耐熱性が高く、化学式(1)の化合物
を電子輸送層に用い、かつ化学式(2)の化合物を正孔
輸送層として用いることで素子の耐熱温度を格段に向上
させることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以下
実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0020】<実施形態1>図1は実施形態1に係る青
色発光を示す有機EL素子の断面構成を示している。図
1において、ガラスなどの透明基板10の上に透明電極
としてITO(Indium Tin Oxide)等を用いた陽極12
が形成され、その上に多層構造の有機化合物層200が
形成され、この有機化合物層200の上に金属材料とし
て、例えばLiFとAlを用いて陰極14が形成されて
いる。本実施形態に係る有機EL素子では、有機化合物
層200は、少なくとも、正孔輸送層22と、発光波長
ピークが400〜500nmの青色の発光を示す青色発
光層26及び電子輸送層28が陽極12の上に順に積層
された多層構造を備える。なお、図1に示すように陽極
12と正孔輸送層22との間に、さらに、正孔注入層2
0を備えていてもよい。
【0021】また、電子輸送層28は、後述する一般式
(1)で表され、電子輸送機能だけでなく、正孔ブロッ
ク機能を備えた有機化合物を含有する。
【0022】青色発光層26は、400〜500nmの
青色発光材料であれば特に限定されない。一例として
は、下記化学式(4)
【化6】 に示されるような化合物が採用できる。本実施形態で
は、電子輸送層28に上記のように式(1)で示される
有機化合物を採用しているため、通常用いられる青色発
光材料よりも、電子輸送層28のHOMO準位が深く、
青色発光層26からの正孔をブロックすることが可能と
なり、発光層26における発光効率、発光色純度を向上
させることが可能となる。
【0023】次に、本実施形態において、正孔輸送層2
2は、下記一般式(2)
【化7】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
リール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)で表される有
機化合物を含有する。一例として、この化合物は、下記
化学式(3)
【化8】 に示されるようなTPTEが採用可能である。この化合
物は、正孔輸送能力が高いので、発光層26に効率的に
正孔を供給することができ、発光層26での発光効率向
上に寄与する。また化学式(1)に示す化合物を電子輸
送層、化学式(2)に示す化合物を正孔輸送層に用いる
ことにより、素子の耐熱性向上を達成することができ
る。
【0024】また、本実施形態において、正孔注入層2
0を陽極12と正孔輸送層22との間に設ける場合、例
えばCuPc(銅フタロシアニン)等が採用可能であ
る。
【0025】陰極14としては、例えばLiFとAlの
積層電極を用いることができる。もちろん、材料はこれ
らには限られない。またアルカリフッ化物、アルカリ酸
化物あるいは金属をドープした有機層を電子注入層とし
て陰極14と電子輸送層28との間に形成してもよい。
【0026】以上のような構成により、本実施形態の有
機EL素子は、青色発光層26に対し、陽極12からホ
ール注入層20及びホール輸送層22を介して正孔が注
入され、陰極14から電子輸送層28を介して電子が注
入される。上述のように本実施形態1において電子輸送
層28は正孔ブロック機能を備えているので、陽極12
から発光層に到達した正孔は電子輸送層28を通り抜け
ることができず、陰極14に到達して失われることがな
い。従って、発光層24及び26に注入された電子と正
孔とはこの各発光層24及び26中で効率的に再結合す
ることができる。そして再結合によって、青色発光化合
物が励起され400nm〜500nmの色純度の高い青
色光が素子から射出される。
【0027】なお、電子輸送層28は、上記化学式
(1)に示す化合物を用いることで、特別に正孔ブロッ
キング層を形成することなく、優れた青色発光素子を実
現できる。しかし、これにかぎらず、この化学式(1)
の化合物を用いた層と、他の材料の多層構造からなる電
子輸送層としてもよい。つまり、この化学式(1)の化
合物層を電子輸送性の正孔ブロッキング層として用い、
その上層にAlq等の電子輸送層を形成してもよい。
【0028】また、この化学式(1)に示す有機化合物
は、そのガラス転移温度が130℃以上であるため、有
機薄膜として素子に用いた場合に、十分な耐久性を発揮
し、素子の耐久性向上に寄与できる。
【0029】(化学式(1)の化合物)本実施形態1に
おいて、上記電子輸送層28に用いる化学式(1)
【化9】 で示される有機化合物は、具体的には、以下のような構
成をとることができる。まず、式(1)において、Ar
1、Ar2及びAr3は、それぞれアリール基又は芳香族
ヘテロ環基を表し、X1、X2及びX3は、それぞれ所定
置換基を表し、n1、n2及びn3は、それぞれ0〜3の
整数を表す。
【0030】Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれア
リール基または芳香族ヘテロ環基を表す。
【0031】Ar1、Ar2、Ar3で表されるアリール
基は同一または互いに異なってもよく、好ましくは炭素
数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、更に好ま
しくは炭素数6〜18のアリール基であり、例えばフェ
ニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、ピレニ
ルなどが挙げられる。
【0032】Ar1、Ar2、Ar3で表される芳香族ヘ
テロ環基は、同一または互いに異なってもよく、好まし
くは5員環または6員環の芳香族ヘテロ環であり、より
好ましくはヘテロ原子としてN、O、S原子の少なくと
も一つを含むものであり、更に好ましくはN原子を少な
くとも一つ含むものであり、特に好ましくはN原子を少
なくとも一つ含む炭素数2〜12の芳香族アゾール基で
ある。
【0033】上記芳香族ヘテロ環の具体例としては、例
えばフリル、チエニル、イミダゾリル、ピリジル、ピリ
ミジル、キノリル、イソキノリル、フタラジル、ナフチ
リジル、キノキサリルなどが挙げられ、好ましくはピリ
ジル、キノリル、イソキノリルであり、より好ましくは
キノリルである。
【0034】Ar1、Ar2、Ar3で表されるアリール
基または芳香族ヘテロ環基は、更に他の環と縮環しても
よく、また置換基を有してもよい。この置換基として
は、以下が採用可能である。アルキル基(好ましくは炭
素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好
ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチ
ル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチ
ル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、
シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられ
る。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、よ
り好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2
〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、
3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基
(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2
〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば
プロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましく
は炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であ
り、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチルな
どが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜
30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは
炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、
ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられ
る。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、よ
り好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1
〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、
2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリー
ルオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましく
は炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であ
り、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−
ナフチルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ま
しくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜2
0、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセ
チル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げら
れる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数
2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好まし
くは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリー
ルオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、よ
り好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7
〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが
挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2
〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましく
は炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイ
ルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ま
しくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜2
0、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセ
チルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜
30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは
炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミ
ノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルア
ミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭
素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、
例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられ
る。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜3
0、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭
素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、
ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スル
ファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好まし
くは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12で
あり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、
ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなど
が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数
1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好まし
くは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチ
ルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカル
バモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ま
しくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜2
0、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチ
ルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチ
オ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素
数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例
えばフェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
メシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げ
られる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、
より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数
1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フ
ェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基
(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1
〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば
ジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙
げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン
原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ
基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、
イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、よ
り好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子として
は、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には
例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チ
エニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリ
ル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリルなどが挙げ
られる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、よ
り好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3
〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニル
シリルなどが挙げられる。)などが挙げられる。これら
の置換基は更に置換されてもよい。また置換基が二つ以
上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な
場合には連結して環を形成してもよい。
【0035】次に、Ar1、Ar2、Ar3の置換基とし
て好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール
オキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ
基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカ
ルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ
基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環
基であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲ
ン原子、シアノ基、ヘテロ環基であり、更に好ましくは
アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、芳香族ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、芳香族ヘテロ環基で
ある。
【0036】式(1)において、X1、X2およびX
3は、それぞれ置換基を表し、同一または互いに異なっ
ても良い。 X1、X2、X3で表される置換基としては、
例えばAr1、Ar2,Ar3の置換基として挙げたもの
が適用でき、また好ましい範囲も同様である。
【0037】さらに、式(1)において、n1、n2およ
びn3は、それぞれ0〜3の整数を表し、好ましくは
0、1、2であり、より好ましくは0、1であり、更に
好ましくは0である。また、n1、n2、n3が2または
3の場合、複数のX1、X2、X3はそれぞれ同一または
互いに異なっても良い。
【0038】以上のような化学式(1)で表される化合
物の具体例は次の通りである。但し、以下の具体例に限
定されるものではない。
【0039】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 上記化合物例のうち、好ましくは例示化合物(i)、
(ii)、(viii)である。
【0040】一般式(1)で表される本発明の化合物
は、特公昭44−23025号公報、同48−8842
号公報、特開昭53−6331号公報、特開平10−9
2578号公報、米国特許3,449,255号、同
5,766,779号、J.Am.Chem.Soc.,94,2414(197
2)、Helv.Chim.Acta,63,413(1980)、Liebigs Ann.Che
m.,1423(1982)などに記載の方法を参考にして合成でき
る。
【0041】<実施形態2>図2は本発明に係る白色発
光を示す有機EL素子の断面構成を示している。上記実
施形態1と相違する点は、素子が白色発光を示し、か
つ、有機化合物層200の発光層30が、図2に示すよ
うに、少なくとも、互いに補色関係を有する発光波長ピ
ークが550〜600nmの黄色〜橙色の発光を示す発
光層24と、発光波長ピークが400〜500nmの青
色の発光を示す発光層26との積層構造を備えることで
ある。
【0042】多層構造のこの発光層30の上には、電子
輸送層28が形成されており、この電子輸送層28に
は、上記実施形態1と同様に化学式(1)で示される正
孔ブロック機能を備えた電子輸送性の有機化合物が用い
られている。
【0043】また、この電子輸送層28と共に本実施形
態2の白色発光素子を実現可能な青色発光層26の材料
は、特に限られない。化学式(1)で示される化合物を
電子輸送層28に用いれば、上述のようにこの化合物は
現在知られている青色発光材料よりもHOMO準位が深
いので、優れた正孔ブロック機能を発揮できる。
【0044】発光層24は、上記青色発光層26からの
青色光(400nm〜500nm程度)と補色関係にあ
る波長(550nm〜600nm程度)の発光を示す材
料であれば特に限定されない。一例を挙げれば、ルブレ
ンを用いることができる。
【0045】上述のように黄色〜橙色の発光について
は、既にある程度高効率で色純度の高い発光が実現され
ているが、青色発光については色純度、発光効率の点で
十分な特性が達成されていない。しかし、図2に示すよ
うに青色発光層26と接する位置に本実施形態2に係る
電子輸送層28を形成することで、この電子輸送層28
が青色発光層26に対して高い正孔ブロック機能を発揮
し、青色発光層26における青色の発光効率、色純度が
高められている。このため、素子全体としては、色ずれ
のない良好な白色発光が得られている。
【0046】以上のような構成により、実施形態2に係
る有機EL素子は、黄色発光層24及び青色発光層26
に対し、陽極12からホール注入層20及びホール輸送
層22を介して正孔を注入し、陰極14から電子輸送層
28を介して電子を注入する。上述のように電子輸送層
28は正孔ブロック機能を備えているので、陽極12か
ら発光層に到達した正孔は電子輸送層28を通り抜ける
ことができず、陰極14に到達して失われることがな
い。従って、発光層24及び26に注入された電子と正
孔とはこの各発光層24及び26中で効率的に再結合す
ることができる。そして再結合によって、黄色発光化合
物及び青色発光化合物がそれぞれ励起され、補色関係に
ある550nm〜600nmの光と、400nm〜50
0nmの光とが得られ、これらが加色され、素子から白
色光が射出される。
【0047】ここで実施形態2において、積層構造の有
機発光層30として、青色発光層26、黄色発光層24
を例に挙げて説明したが、補色関係にあれば各発光層で
の発光色はこれら青と黄色には限られない。そしてその
場合においても、陰極と発光層との間に上述のように正
孔ブロック機能を備えた電子輸送層を設けることで良好
な特性の白色発光素子を実現することができる。また、
有機発光層30は、積層構造により白色発光を実現する
構成に限らず、例えば青色発光層中に黄色発光材料をド
ーピングし、単一層にて加色による白色光を得る構成を
採用してもよい。この場合においても、正孔ブロック機
能を備えた上記電子輸送層をその発光層と陰極との間に
設けることで発光効率の向上と、色ずれ防止が可能とな
る。
【0048】以上に説明した実施形態1及び2におい
て、化学式(1)で表される基本骨格を持つ有機材料を
電子輸送層として、例えば化学式(5)に示される化合
物が採用可能であるがこれだけに限定されるものではな
い。また、青色発光層には、本実施形態1及び2では、
一例として化学式(4)の有機化合物を用いているが、
400nm〜500nmに発光スペクトルのピークを有
する他の有機化合物を使用しても、同様の効果が得られ
る。また、本実施形態1及び2において、色素をドープ
することなく青色発光を得たが、青色発光層において色
素をドープした構成を採用してもよい。陰極14にはL
iF/Al電極を用いたが、アルカリフッ化物、アルカ
リ酸化物あるいは金属をドープした有機層を電子注入層
として用いても良い。一方、ホール輸送層22と陽極1
2の間にCuPcをホール注入層20として用いたが、
スターバーストアミン、バナジウム酸化物等を正孔注入
層として用いても良い。
【0049】
【実施例】(実施例1)次に、実施例1に係る青色発光
素子について説明する。素子構成は上述の図1と同じで
ある。
【0050】ITOの透明電極12が予め形成されてい
るガラス基板10上に、真空蒸着(真空度: 3×10
-7Torr:1Torr≒133Pa)により、正孔注入層
(CuPc)20を15nm、正孔輸送層22として
は、上述の化学式(2)で示される化合物の一つとして
上記化学式(3)に示すTPTEを用い、これを45n
m堆積した。その後、青色発光層26として上記化学式
(4)で表される有機化合物を20nm蒸着した。
【0051】さらに、電子輸送層28として、上述の一
般式(1)で表される基本骨格の有機材料として、下記
化学式(5)
【化14】 で示される化合物(上述の式(ii)と同じ)を用い、こ
れを40nm蒸着した。
【0052】さらにこの後、LiFを0.5nm、Al
を150nm蒸着し金属電極14を形成し、素子部を作
製した。
【0053】この素子部が形成されたものを、高真空排
気したチャンバーに搬送し、チャンバー内を窒素置換し
た後、エポキシ樹脂を用いて金属製の封止キャップの端
部を透明電極の表面に接着し密封した。得られた素子の
1画素の発光面積は2.5×2.5mmである。
【0054】この素子に11mA/cm2の直流電流を
流したところ、600cd/m2という高輝度の発光を
得た。発光色は、CIE色度座標においてX=0.17
9,Y=0.303であった。この実施例1に係る素子
のELスペクトルを図3に示す。480nm付近のピー
クが化学式(4)に示した有機化合物からの発光ピーク
であるが、これ以外に、420nm付近にもピークが観
測されるが、これは正孔輸送層に用いた上記化学式
(3)に示すTPTEからの発光のピークである。
【0055】(実施例2)実施例2として、上記化学式
(5)に示す有機化合物を正孔ブロッキング層として用
いた場合を示す。
【0056】ITOの透明電極が予め形成されているガ
ラス基板上に、真空蒸着(真空度:3×10-7Tor
r:1Torr≒133Pa)により、正孔注入層(C
uPc)を15nm、正孔輸送層22として化学式
(3)で示される有機化合物(TPTE)を45nm堆
積した。その後、青色発光層として化学式(4)で示さ
れる有機化合物を20nm蒸着した。さらに、電子輸送
機能を備えた正孔ブロッキング層として、化学式(5)
で示される有機化合物を10nm蒸着した。次いで、電
子輸送層としてAlqを30nm蒸着した。さらにその
後、LiFを0.5nm、Alを150nm蒸着し、金
属電極を形成し、素子部を作成した。
【0057】この素子部が形成されたものを、高真空排
気したチャンバーに搬送し、チャンバー内を窒素置換し
た後、エポキシ樹脂を用いて金属製の封止キャップの端
部を透明電極の表面に接着し密封した。素子構成は、上
述の図1において、青色発光層26とAlqからなる電
子輸送層28との間に電子輸送層兼用の正孔ブロッキン
グ層を備えた構成に該当する。得られた素子の1画素の
発光面積は2.5×2.5mmである。
【0058】この素子に11mA/cm2の直流電流を
流したところ、400cd/m2の高輝度の発光が得ら
れた。発光色は、CIE色度座標においてX=0.18
7,Y=0.310であった。この実施例2に係る素子
のELスペクトルを図4に示す。480nm付近のピー
クが化学式(4)に示した有機化合物からの発光ピーク
であるが、これ以外に、420nm付近にもピークが観
測されるが、これは正孔輸送層に用いた上記化学式
(3)に示すTPTEからの発光のピークである。ま
た、電子輸送層に用いたAlqに起因した発光は特に認
められなかった。
【0059】(比較例1−1)比較例1−1として、電
子輸送層の部分にAlqを用いた以外は、上記実施例1
と同じ構造の素子を作製した。この素子に11mA/c
2の直流電流を流したところ、330cd/m2の発光
を得た。発光色は、CIE色度座標においてX=0.2
16,Y=0.373であり、青白色であった。ELス
ペクトルを図5に示す。図5には、比較のため、実施例
1及び実施例2で得られたスペクトルと比較例1−1を
それぞれ示している。比較例1−1のスペクトルの49
0nmおよび420nm付近のピークの現れ方は、上記
図3、図4の実施例1及び2と同様であるが、比較例1
−1では、長波長側の発光強度が実施例1,2に比べて
強くなっている。これは、比較例1−1において、発光
層と接して形成された電子輸送層のAlqからの発光に
よるものである。
【0060】このように、一般的な電子輸送材料である
Alqを電子輸送層に用いた場合、青色発光層だけでな
く、Alqからの発光も生じてしまい、純粋な青色発光
を得ることができないことがわかる。
【0061】また、図6は、実施例1及び2と比較例1
−1でそれぞれ得られた素子の発光色の色度座標であ
り、図6からも実施例1及び実施例2は比較例1−1に
比べて理想的な青色に近づいていることがわかる。
【0062】(比較例1−2)比較例1−2として、正
孔輸送層の部分に下記化学式(6)
【化15】 に示すα−NPDを用いた以外は上記実施例1と同じ構
造の素子を作成した。この素子に11mA/cm2の直
流電流を流したところ、570cd/m2の発光を得
た。発光色はCIE色度座標において、X=0.17
8,Y=0.285であった。ELスペクトルを図7に
示す。図7に示されるように比較例1−2において49
0nm付近にピークを有する発光が実現されているが、
この素子を定電流下(11mA/cm2)で発光させた
状態で高温槽内で徐々に温度を上げていったところ、1
00℃を超えたところで急激に輝度が低下してしまっ
た。
【0063】一方、実施例1で作成した化学式(3)に
示すTPTEを正孔輸送層に用いた素子は、同様の条件
で120℃においても輝度の低下を示さなかった。この
ことから、電子輸送層に化学式(1)で示される化合物
を用いると共に、一般式(2)で示される化合物を正孔
輸送層に用いて有機EL素子を作成することで、素子の
耐熱性を向上できることがわかる。
【0064】(実施例3)次に、実施例3に係る白色発
光素子について説明する。素子構成は上述の図2と同じ
である。
【0065】ITOの透明電極12が予め形成されてい
るガラス基板10上に、真空蒸着(真空度:3×10-7
Torr:1Torr≒133Pa)により、正孔注入
層(CuPc)20を15nm、正孔輸送層(TPT
E)22を40nm堆積した。次いで、黄色発光層とし
て、TPTEをホストにルブレンを5%ドープした層を
5nm、真空同時蒸着により形成した。その後、青色発
光層として、上記化学式(4)で表される有機化合物を
40nm蒸着した。
【0066】さらに、電子輸送層28として上述の化学
式(1)で表される基本骨格を持つ有機材料、ここで
は、上記化学式(5)に示した有機化合物を20nm蒸
着した。
【0067】さらにこの後、LiFを0.5nm、Al
を150nm蒸着し金属電極14を形成し、素子部を作
製した。この素子部が形成されたものを、高真空排気し
たチャンバーに搬送し、チャンバー内を窒素置換した
後、エポキシ樹脂を用いて金属製の封止キャップの端部
を透明電極の表面に接着し密封した。作成した素子の1
画素の発光面積は2.5×2.5mmである。
【0068】この素子に11mA/cm2の直流電流を
流したところ、1100cd/m2の発光を得た。発光
色は、CIE色度座標においてX=0.3091、Y=
0.402の白色であった。
【0069】(比較例2)比較例2として、電子輸送層
28の部分にAlqを用いた以外は、上記実施例2と同
じ構造の素子を作製した。この素子に11mA/cm2
の直流電流を流したところ、900cd/m2の発光を
得た。発光色は、CIE色度座標においてX=0.31
4,Y=0.438であり、黄白色であった。
【0070】図8に、実施例3および比較例2で作製さ
れた素子から得られた発光色のCIE色度座標を示す。
実施例3は、比較例2と同様の素子構造でありながら、
電子輸送層28に化学式(1)の化合物を用いたこと
で、良好な白色発光を示すことがわかる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有機化合物層として、少なくとも正孔輸送層、発光層及
び電子輸送層を備える有機EL素子において、電子輸送
層が優れた正孔ブロッキング機能を発揮し、また正孔輸
送層が優れた正孔輸送性を発揮する。従って、発光層に
おいて電子と正孔とを効率的に再結合させることがで
き、発光色の純度、特に本発明の電子輸送層を青色発光
層と隣接させることで青色純度を向上させることができ
る。また青色と補色関係の黄色発光層を設ければ良好な
白色発光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1及び実施例1に係る有機
EL素子の概略構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施形態2及び実施例3に係る有機
EL素子の概略構成を示す図である。
【図3】 実施例1に係る青色発光有機EL素子の発光
スペクトルを示す図である。
【図4】 実施例2に係る青色発光有機EL素子の発光
スペクトルを示す図である。
【図5】 実施例1及び2と比較例1に係る青色発光有
機EL素子の発光スペクトルの比較図である。
【図6】 実施例1及び2と比較例1の有機EL素子で
得られた青色光のCIE座標を示す図である。
【図7】 比較例1−2に係る青色発光有機EL素子の
発光スペクトルを示す図である。
【図8】 実施例3及び比較例2の有機EL素子により
得た白色光のCIE座標を示す図である。
【符号の説明】
10 基板、12 陽極、14 陰極、20 ホール注
入層、22 ホール輸送層、24 黄色発光層、26
青色発光層、28 電子輸送層、30 有機発光層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野田 浩司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 三浦 篤志 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大脇 健史 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 多賀 康訓 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡田 久 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 五十嵐 達也 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB11 BB01 BB04 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極間に、少なくとも、正孔輸送層、有
    機発光層及び有機電子輸送層を備える有機電界発光素子
    であって、 前記電子輸送層に、下記化学式(1) 【化1】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
    リール基又は芳香族ヘテロ環基を表し、X1、X2及びX
    3は、それぞれ所定置換基を表し、n1、n2及びn3は、
    それぞれ0〜3の整数を表す。)で表される有機化合物
    を含有し、 前記素子の発光波長ピークが400nm〜500nmで
    あることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 電極間に、少なくとも、正孔輸送層、有
    機発光層及び有機電子輸送層を備える有機電界発光素子
    であって、 前記電子輸送層に、下記化学式(1) 【化2】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
    リール基又は芳香族ヘテロ環基を表し、X1、X2及びX
    3は、それぞれ所定置換基を表し、n1、n2及びn3は、
    それぞれ0〜3の整数を表す。)で表される有機化合物
    を含有し、 前記素子は、発光波長ピークが400nm〜500nm
    の青色発光と、発光波長ピークが550nm〜600n
    mの黄色〜橙色発光との補色により白色発光を得ること
    を特徴とする有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の有機電界
    発光素子であって、 前記正孔輸送層に、下記化学式(2) 【化3】 (但し、式中、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれア
    リール基又は芳香族ヘテロ環基を表す。)で表される有
    機化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素
    子。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の有機電界発光素子にお
    いて、 前記有機発光層は、発光波長ピークが550nm〜60
    0nmの黄色〜橙色発光を示す発光層と、発光波長ピー
    クが400nm〜500nmの青色発光を示す発光層と
    の積層構造を備え、該発光層と前記電極の内の陰極との
    層間に前記電子輸送層が設けられていることを特徴とす
    る有機電界発光素子。
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