JP2002214024A - 重量測定装置 - Google Patents

重量測定装置

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JP2002214024A JP2001009060A JP2001009060A JP2002214024A JP 2002214024 A JP2002214024 A JP 2002214024A JP 2001009060 A JP2001009060 A JP 2001009060A JP 2001009060 A JP2001009060 A JP 2001009060A JP 2002214024 A JP2002214024 A JP 2002214024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な重量測定装置を提供する。 【解決手段】 交流励磁回路2により交流バイアスされ
たロードセル3は、励磁信号Eの大きさ及び荷重Wxに
応じた交流荷重信号Woを出力する。この交流荷重信号
Woは、前置増幅回路4によって交流増幅された後、A
/D変換器5に入力される。A/D変換器5は、タイミ
ング回路6から供給されるタイミングパルスTPに従っ
て、入力信号Viの各ピーク部分をディジタル化し、こ
のディジタル化したデータVoをCPU9に入力する。
CPU9は、上記入力信号Viの所謂最大ピークに対応
するデータVoと最小ピークに対応するデータVoとの差
を求めることによって、上記前置増幅回路4自身が持つ
入力ノイズΔeの影響を排除すると共に、当該入力信号
Viのピーク・トゥー・ピーク値を捉えるのと等価な効
果を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の重量を測定
する重量測定装置に関し、特に、例えば歪みゲージ式ロ
ードセル等のように外部からバイアスとしての励磁信号
を与えることによって当該励磁信号の大きさと測定対象
物の重量とに応じた荷重信号を出力する重量センサ、を
用いた重量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような重量測定装置においては、
重量センサに掛かる荷重負荷の大きさの変化に対して、
上記荷重信号の変化量が極めて小さいため、所謂前置増
幅回路を設けて、この前置増幅回路により荷重信号を比
較的に大きなゲインで増幅するのが、一般的である。上
記前置増幅回路としては、性能の良さ及び手軽さ等か
ら、多くの場合、演算増幅器(operational amplifie
r)が用いられる。しかし、演算増幅器は、それ自身、
入力ノイズを有しているので、この入力ノイズ、特に低
周波数帯域の入力ノイズが、高精度な測定を阻害する一
つの大きな要因となっている。
【0003】即ち、上記入力ノイズのうち、比較的に周
波数の高い成分については、例えば上記荷重信号の品質
を損なわない程度のローパス・フィルタを通過させるこ
とにより、比較的に容易に除去できる。しかし、重量セ
ンサの応答特性と重なるような低周波数帯域の入力ノイ
ズを、上記のようなローパス・フィルタにより除去する
ことは不可能である。特に、この入力ノイズには、所謂
温度ドリフト等も含まれるが、このドリフトによる信号
の変化は、極めて遅くしかも環境条件に左右されるた
め、かかる低周波数かつ不規則なノイズを除去するの
は、非常に厄介である。
【0004】従来、このようなノイズを除去する技術と
して、例えば特許第3002078号公報に開示された
ものがある。これは、上記重量センサに対応する歪みゲ
ージブリッジ回路に、そのバイアスとして交流電圧を与
え、このブリッジ回路の出力信号を、交流増幅器を介し
て、互いに独立した2つのサンプルホールド回路に供給
する。そして、これら各サンプルホールド回路により、
上記交流増幅器の出力信号を、上記交流電圧の極性に一
致するように各半サイクルごとに交互にサンプルホール
ドし、この2つの出力の差を、積分機能を有する差動増
幅器で増幅することによって、上記ノイズをキャンセル
すると共に、上記ブリッジ回路の機械的歪み量に応じた
直流の信号を復調する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ディジタル技
術が発達しかつ一般化している近年においては、上記復
調して得た直流信号を、アナログ信号のままの状態で処
理することは、極めて稀であり、殆どの場合は、当該ア
ナログ信号をディジタル化して、各種ディジタル処理を
施すことにより、最終的な測定結果等を導き出してい
る。従って、上記従来技術の場合、別途A/D変換器を
設け、このA/D変換器により上記復調信号をディジタ
ル化してから、例えばCPU(中央演算処理装置)やD
SP(ディジタル信号処理装置)等により上記ディジタ
ル処理を行うことになる。
【0006】かかるディジタル処理を前提とする場合、
言うまでもなく、アナログ処理を掌る部分については、
その構成を極力簡素化するのが望ましい。そこで、本発
明は、上記従来技術よりも極めて簡単な構成で、上記前
置増幅回路自身の入力ノイズ等誤差信号の影響を回避で
きる重量測定装置、を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の重量測定装置は、周波数が一定の交流励
磁信号を出力する励磁手段と、上記励磁信号が供給さ
れ、この励磁信号の大きさと測定対象物の重量とに応じ
た大きさの交流荷重信号を出力する重量センサと、上記
交流荷重信号に所定の処理を施す処理手段と、この処理
手段によって処理した後の前処理済荷重信号をディジタ
ル化するA/D変換手段と、或る第1の時点における上
記前処理済荷重信号をA/D変換手段によってディジタ
ル化して得た第1のデータと、当該第1の時点から上記
励磁信号の周期の略[{1/2}+m(mは、整数であ
る。)]倍に相当する時間だけ離れた第2の時点におけ
る上記前処理済荷重信号をA/D変換手段によってディ
ジタル化して得た第2のデータと、の差を求め、この差
を基に上記測定対象物の重量を表す荷重データを導出す
る演算手段と、を具備するものである。
【0008】なお、ここで言う上記重量センサとして
は、例えば上述した歪みゲージブリッジ回路等に代表さ
れる歪みゲージ式ロードセルがある。また、上記処理手
段としては、例えば上記交流荷重信号を比較的に大きな
ゲインで増幅する前置増幅回路等がある。
【0009】本発明によれば、重量センサは、交流の励
磁信号が供給されることにより、所謂交流バイアスされ
ており、当該励磁信号の大きさ、例えば電圧と、風袋等
に載置された測定対象物の重量と、に応じた交流荷重信
号を出力する。この交流荷重信号は、処理手段によって
例えば増幅処理等の前処理が成された後、A/D変換手
段に入力される。A/D変換手段は、この前処理済荷重
信号をディジタル化し、このディジタル化して得たデー
タを演算手段に入力する。
【0010】演算手段は、上記A/D変換手段から入力
されるデータのうち、或る第1の時点における上記前処
理済荷重信号をディジタル化して得た第1のデータと、
或る第2の時点における上記前処理済荷重信号をディジ
タル化して得た第2のデータと、を捉える。ここで、上
記第1の時点と第2の時点とは、互いに上記励磁信号の
周期の略[{1/2}+m]倍に相当する時間だけ離れ
ている。このような第1及び第2の各時点においては、
上記励磁信号は、それぞれ略同じ大きさでかつ逆極性の
値を示す。従って、かかる第1及び第2の各時点におけ
る上記前処理済荷重信号は、それぞれ測定対象物の重量
に応じた大きさでかつ逆極性の値を示す。そして、これ
らの値をそれぞれディジタル化して得た上記第1及び第
2の各データは、それぞれ測定対象物の重量を表しかつ
互いに逆符号のデータである。
【0011】上記のように、第1及び第2の各データ
は、互いに逆符号のデータではあるものの、それぞれが
単独で測定対象物の重量を表しているので、演算手段
は、これらのデータを捉えることにより、測定対象物の
重量を認識する。しかし、演算手段は、これら第1及び
第2の各データを捉えるだけでなく、これら互いに逆符
号のデータの差を求めることによって、測定対象物の重
量を言わば2倍の感度で認識する。そして、演算手段
は、上記第1及び第2の各データの差を基に、測定対象
物の重量を例えば数値等で表すための荷重データを導出
する。この荷重データは、例えば紙等に記録したり、或
るいは半導体メモリや磁気ディスク等の各種電気式記録
媒体に記録したり、更にはモニタ画面に表示する等、視
覚情報として出力したり、スピーカから音声で出力する
等、聴覚情報として出力することができる。
【0012】ところで、本発明においても、上記処理手
段により交流荷重信号を増幅処理等する際に、上述した
温度ドリフト等の処理手段自身が持つ入力ノイズ等誤差
信号の影響によって、当該処理後の前処理済荷重信号が
変化することがある。しかし、この前処理済荷重信号を
上記A/D変換手段によりディジタル化したとき、第1
及び第2のデータは位相差が[{1/2}+m]周期分
あるので、第1及び第2のデータのうち交流荷重信号相
当分は、絶対値が等しく極性が反対の信号になるが、前
処理手段の入力点で発生する入力ノイズ等誤差信号相当
分は極性が反転しない。しかも、交流荷重信号の周期に
比べて入力ノイズ等誤差信号が変化する周期が充分長け
れば、交流荷重信号をA/D変換した第1及び第2の時
点での誤差信号の大きさがほぼ等しいとみなせるので、
当該誤差信号は第1及び第2のデータに同極性でほぼ等
しい値で含まれる。これら第1及び第2の各データは、
上記演算手段により所謂減算処理されるので、この減算
処理の際に、ほぼ等しい値である上記誤差信号はキャン
セルされる。これにより、上記入力ノイズ等誤差信号の
影響を排除した、純粋な荷重データを得ることができ
る。
【0013】なお、上記第1及び第2の各時点間の時間
間隔が短いほど(即ち、励磁信号の周期が短いほど、及
び整数mの絶対値が小さいほど)、または入力ノイズ等
誤差信号の周期が長いほど、上記第1及び第2の各デー
タにそれぞれ含まれる上記入力ノイズの値は、近似す
る。従って、これら第1及び第2の各時点間の時間間隔
を極力短くした方が、または第1及び第2の各時点の時
間間隔に対して入力ノイズ等誤差信号の周期が長いほ
ど、上記入力ノイズ等誤差信号の影響を有効に排除で
き、より高精度な重量測定を実現できる。また、上記荷
重データを時系列で複数導出し、これら複数の荷重デー
タを例えば移動平均処理等のディジタル処理をすれば、
より一層高精度化できる。
【0014】本発明は、重量センサを、所謂直流バイア
スする方式の重量測定装置にも、供する。この場合、上
記重量センサに励磁信号を供給するための励磁手段とし
て、例えば電圧値が略一定の直流の励磁信号を出力する
ものを、用いる。これにより、重量センサは、当該励磁
信号の大きさと測定対象物の重量とに応じた大きさの直
流荷重信号を出力するようになる。そして、この直流荷
重信号を一定の周期で断続(チョッピング)することに
より、当該直流荷重信号を、概略矩形でかつ一方の極性
のみに振幅を持つ片極性パルス荷重信号に変換するチョ
ッパ手段を設ける。そして、このチョッパ手段による変
換前の段階または変換後の段階において、処理手段によ
り上記直流荷重信号または片極性パルス荷重信号を例え
ば増幅する等の所定の処理を施し、この処理手段及び上
記チョッパ手段による処理後の前処理済荷重信号を、A
/D変換手段によりディジタル化する。演算手段につい
ては、上記と同様に、第1の時点における前処理済荷重
信号をA/D変換手段によってディジタル化して得た第
1のデータと、第2の時点における前処理済荷重信号を
A/D変換手段によってディジタル化して得た第2のデ
ータと、の差を求め、この差を基に荷重データを導出す
るよう構成する。なお、ここで言う上記第1及び第2の
各時点は、互いに上記チョッパ手段による直流荷重信号
の断続周期の略[{1/2}+m(mは、整数であ
る。)]倍に相当する時間だけ離れた時点、とする。
【0015】この構成によれば、上記チョッパ手段が所
謂出力ONの状態にあるときは、上記前処理済荷重信号
は、上記処理手段自身が持つ入力ノイズ等誤差信号の影
響を含む測定対象物の重量に応じた大きさとなる。そし
て、チョッパ手段が所謂出力OFFの状態にあるときに
は、上記前処理済荷重信号は、基本的に大きさ零(0)
となり、厳密には測定対象物の重量を含まない上記入力
ノイズ等誤差信号の影響のみに応じた大きさとなる。演
算手段は、これらチョッパ手段が出力ONの状態にある
ときと出力OFFの状態にあるときとに、それぞれ上記
第1及び第2の各時点を設け、これら各時点における前
処理済荷重信号をそれぞれディジタル化して得た第1及
び第2のデータの差を求める。これにより、上記入力ノ
イズ等誤差信号の影響が排除される。ただし、これら第
1及び第2の各データの一方は、基本的に零を表し測定
対象物の重量に係る情報を含まないので、これら各デー
タの差を求めても、上記重量センサを交流バイアスする
場合とは異なり、測定対象物の重量を2倍の感度で認識
することはできない。
【0016】そこで、重量センサを直流バイアスする場
合でも、重量センサを交流バイアスする場合と同様に、
測定対象物の重量を2倍の感度で認識できるようにする
には、次のように構成すればよい。
【0017】即ち、上記チョッパ手段に代えて、重量セ
ンサから出力される直流荷重信号の極性を一定の周期で
交互に反転させる極性反転手段を設ける。これにより、
上記直流荷重信号を、その極性が正極と負極とに交互に
反転する概略矩形の両極性パルス荷重信号に、変換す
る。そして、この極性反転手段による変換前の段階また
は変換後の段階において、処理手段により上記直流荷重
信号または極性パルス荷重信号を処理し、この処理手段
及び上記極性反転手段による処理後の前処理済荷重信号
を、A/D変換手段によりディジタル化する。これ以降
は、上記と同様に、演算手段により、第1の時点におけ
る前処理済荷重信号をA/D変換手段によってディジタ
ル化して得た第1のデータと、第2の時点における前処
理済荷重信号をA/D変換手段によってディジタル化し
て得た第2のデータと、の差を求め、この差を基に荷重
データを導出するよう構成する。なお、ここで言う上記
第1及び第2の各時点は、互いに上記極性反転手段によ
る極性の反転周期の略[{1/2}+m(mは、整数で
ある。)]倍に相当する時間だけ離れた時点、とする。
【0018】この構成によれば、上記重量センサを交流
バイアスする場合と同様に、第1及び第2の各時点にお
ける前処理済荷重信号は、それぞれ上記処理手段自身の
入力ノイズ等誤差信号の影響を含む測定対象物の重量に
応じた大きさで、入力ノイズ等誤差信号は同極性、前処
理ずみ荷重信号は逆極性の値を示す。従って、これらの
値をそれぞれディジタル化して得た第1及び第2の各デ
ータの差を、演算手段により求めることによって、上記
入力ノイズ等誤差信号の影響を排除すると共に、測定対
象物の重量を略2倍の感度で測定することができる。
【0019】本発明においては、上記A/D変換手段の
動作負担を軽減するために、このA/D変換手段による
上記前処理済荷重信号のサンプリング周期を、上記第1
及び第2の各時点間の時間間隔に相当する周期としても
よい。
【0020】即ち、上記A/D変換手段よってディジタ
ル化して得たデータは、演算手段に入力されるが、この
演算手段が上記荷重データを導出するために必要として
いるるデータは、第1及び第2の各時点における前処理
済荷重信号をそれぞれディジタル化して得た第1及び第
2のデータのみである。従って、A/D変換手段は、少
なくとも上記第1及び第2の各時点における前処理済荷
重信号をそれぞれディジタル化すれば十分であり、これ
ら第1及び第2の各時点間の途中で前処理済荷重信号を
ディジタル化する必要はない。よって、本発明を実現す
るには、A/D変換手段による前処理済荷重信号のサン
プリング周期を、上記のように第1及び第2の各時点間
の時間間隔に相当する周期とすれば十分ある。そして、
このようにA/D変換手段のサンプリング周期を設定す
ることによって、当該A/D変換手段の動作負担を最小
限に抑制できる。
【0021】また、本発明において、上記重量センサを
交流バイアスする場合には、上記励磁信号を正弦(si
n)波信号とするのが、望ましい。この場合、演算手段
は、上記励磁信号の或る1周期中において、上記前処理
済荷重信号の大きさが略最大または略最小になる時点
を、上記第1の時点とするよう、構成する。この構成に
よれば、装置の測定感度を略最大限に向上できる。
【0022】即ち、今、上記励磁信号の或る1周期中に
おいて、例えば前処理済荷重信号の大きさが略最大にな
る時点を、第1の時点とするとする。この場合、第2の
時点は、当該励磁信号の或る1周期中または他の周期中
において、前処理済荷重信号の大きさが略最小になる時
点、となる。このような第1及び第2の各時点における
前処理済荷重信号をそれぞれディジタル化して得た第1
及び第2の各データの差は、言わば当該前処理済荷重信
号のピーク・トゥー・ピーク値に対応する。従って、か
かるピーク・トゥー・ピーク値を基に、測定対象物の重
量を求めれば、最も高い測定感度を得ることができる。
【0023】なお、上記とは逆に、励磁信号の或る1周
期中において、前処理済荷重信号の大きさが略最小にな
る時点を、第1の時点とした場合、当該励磁信号の或る
1周期中または他の周期中において、前処理済荷重信号
の大きさが略最大になる時点が、第2の時点となる。従
って、この場合も、上記と同様に、前処理済荷重信号の
ピーク・トゥー・ピーク値を得ることができ、最も高い
感度で重量測定を実現できる。
【0024】本発明において、重量センサを直流バイア
スする場合であって、上記チョッパ手段を用いる場合に
は、このチョッパ手段による直流荷重信号の断続周期の
或る1周期中において、上記前処理済荷重信号の大きさ
が急変する所謂立ち上がり及び立ち下がり時点以外の所
定の時点を、第1の時点とするよう、演算手段を構成す
るのが、望ましい。
【0025】即ち、チョッパ手段により直流荷重信号を
チョッピングすると、このチョッピングにより生成され
る片極性パルス荷重信号は、その立ち上がり及び立ち下
がりにおいて、過渡的な乱れを生じる。この信号の乱れ
は、上記前処理済荷重信号にも現れる。また、上記信号
の急激な立ち上がり及び立ち下がりによって、接地(G
ND)電位等の基準電位に、高周波ノイズが乗る。従っ
て、かかる信号の乱れや高周波ノイズの影響を回避する
ために、上記のように、第1の時点は、前処理済荷重信
号の立ち上がり及び立ち下がり以外の時点に設けるの
が、望ましい。なお、このように第1の時点を決定すれ
ば、第2の時点も、必然的に、前処理済荷重信号の立ち
上がり及び立ち下がり以外の時点に設けられるようにな
る。
【0026】上記チョッパ手段に代えて、上述した極性
反転手段を用いる場合には、この極性反転手段による極
性の反転周期の或る1周期中において、上記前処理済荷
重信号の立ち上がり及び立ち下がり時点以外の時点を、
第1の時点とするよう、演算手段を構成する。
【0027】即ち、極性反転手段により直流荷重信号の
極性を反転した場合にも、この極性を反転させることに
より生成される両極性パルス荷重信号の立ち上がり及び
立ち下がりに、過渡的な乱れが生じる。そして、この信
号の乱れは、前処理済荷重信号にも現れる。また、上記
と同様、接地電位等の基準電位に、高周波ノイズが載
る。よって、この場合にも、上記信号の乱れや高周波ノ
イズの影響を回避するために、第1の時点は、前処理済
荷重信号の立ち上がり及び立ち下がり以外の時点に設け
るのが、望ましい。そして、このように第1の時点を決
定することにより、第2の時点も、必然的に、前処理済
荷重信号の立ち上がり及び立ち下がり以外の時点に設け
られる。
【0028】更に、上記重量センサを交流バイアスする
場合において、上記第1及び第2の各時点を定める際、
例えば励磁信号の位相に同期して、これらの時点を定め
るよう、演算手段を構成するのが、望ましい。このよう
にすれば、例え何らかの原因により励磁信号の位相がシ
フトし、これによって前処理済荷重信号の位相がシフト
したとしても、この位相のシフトに応じて、上記第1及
び第2の各時点もシフトする。このように、A/D変換
手段によるディジタル化の対象となる前処理済荷重信号
の位相と、この前処理済荷重信号を実際にディジタル化
するタイミングとが、上記励磁信号の位相を基準として
連携してシフトするので、当該ディジタル化のタイミン
グを一定とすることができる。これにより、装置の測定
感度が一定となり、常に安定した測定精度が得られる。
なお、上記ディジタル化の対象となる前処理済荷重信号
自身の位相に同期して、当該ディジタル化のタイミング
である上記第1及び第2の各時点を定めれば、最も安定
した測定感度を得ることができる。これ以外にも、例え
ば上記交流荷重信号の位相に同期して、第1及び第2の
各時点を定めてもよい。
【0029】一方、上記重量センサを直流バイアスする
場合であって、上記チョッパ手段を用いる場合には、例
えば、当該チョッパ手段による直流荷重信号の断続動作
に同期して、上記第1及び第2の各時点を定めるよう、
演算手段を構成する。なお、この場合も、前処理済荷重
信号の位相に同期して、第1及び第2の各時点を定めれ
ば、最も安定した測定感度を得ることができる。これ以
外にも、例えば上記片極性パルス荷重信号の位相に同期
して、第1及び第2の各時点を定めてもよい。
【0030】上記チョッパ手段に代えて、上記極性反転
手段を用いる場合には、例えば、当該極性反転手段によ
る上記極性の反転動作に同期して、第1及び第2の各時
点を定めるよう、演算手段を構成する。この場合も、前
処理済荷重信号の位相に同期して、第1及び第2の各時
点を定めれば、最も安定した測定感度を得ることができ
る。これ以外にも、例えば上記両極性パルス荷重信号の
位相に同期して、第1及び第2の各時点を定めてもよ
い。
【0031】また、上記第1及び第2の各時点を定める
際、これら各時点間の時間間隔、換言すればA/D変換
手段による前処理済荷重信号のサンプリング周期は、重
量センサの固有振動数の逆数の1/2以下の値に相当す
る時間間隔とする(換言すれば、A/D変換手段による
前処理済荷重信号のサンプリング周波数を、重量センサ
の固有振動数の1/2以上とする)よう、演算手段を構
成するのが、望ましい。このようにすれば、重量センサ
の応答特性に応じた上記前処理済荷重信号をディジタル
化する際に、所謂サンプリング定理を満足する。従っ
て、重量センサの機械的な応答を忠実に捉えることがで
き、正確な重量測定を実現できる。
【0032】上記A/D変換手段は、第1の変換手段及
び第2の変換手段という、それぞれ個別の2つの変換手
段により構成してもよい。この場合、第1の変換手段に
より、第1の時点における前処理済荷重信号をディジタ
ル化することによって、第1のデータを得る。そして、
第2の変換手段により、第2の時点における前処理済荷
重信号をディジタル化することによって、第2のデータ
を得る。演算手段については、これら各変換手段からそ
れぞれ上記第1及び第2の各データを取り込み、これら
のデータの差を基に荷重データを導出するよう、構成す
る。
【0033】このように、第1のデータを得るためのA
/D変換手段と、第2のデータを得るためのA/D変換
手段とを、それぞれ別個に設けることによって、これら
各変換手段の動作負担を軽減することができ、換言すれ
ば、より高速な応答性を実現できる。更に、言い換えれ
ば、上記2つの変換手段として、例えば比較的に応答性
の低いA/D変換器を用いても、本発明を実現するの
に、十分に対応できる。
【0034】更に、上記のように2つの変換手段を設け
る場合には、上記第1の時点における前処理済荷重信号
をサンプルホールドするための第1のサンプルホールド
手段と、上記第2の時点における前処理済荷重信号をサ
ンプルホールドするための第2のサンプルホールド手段
とを、設けてもよい。そして、上記第1のサンプルホー
ルド手段によりサンプルホールドした信号を、上記第1
の変換手段によりディジタル化することによって、第1
のデータを得る。一方、上記第2のサンプルホールド手
段によりサンプルホールドした信号を、上記第2の変換
手段によりディジタル化することによって、第2のデー
タを得るように、構成する。
【0035】このように構成すれば、上記第1及び第2
の各変換手段として、例えば一般に知られているデルタ
−シグマ形のA/D変換器のように極めて変換速度の遅
いA/D変換器を用いたとしても、本発明を実現するの
に、十分に対応できる。このデルタ−シグマ形のA/D
変換器は、上記のように変換速度は遅いものの、例えば
逐次比較形A/D変換器等のような他のA/D変換器に
比べて、非常に低価格である、また、高分解能なものも
多い。従って、かかるデルタ−シグマ形のA/D変換器
を採用すれば、高精度な測定装置を低コストで提供する
のに、極めて有効である。
【0036】なお、一般に知られているA/D変換器
は、その多くが基準端子を有しており、この基準端子に
入力される信号の大きさ、例えば電圧、を基準として、
変換の対象となるアナログ信号をディジタル化する。そ
こで、本発明において、例えば重量センサを交流バイア
スする場合であって、A/D変換手段として、上記基準
端子を有するA/D変換器を用いる場合には、励磁信号
を基に、この励磁信号の実効値(または最大振幅)に応
じた大きさの直流基準信号を生成する直流基準信号生成
手段を、設ける。そして、この直流基準信号を、上記A
/D変換手段の基準端子に、入力する。
【0037】この構成によれば、例え何らかの原因によ
り励磁信号の大きさ(実効値)が変化し、これに伴っ
て、前処理済荷重信号の大きさ、厳密には第1及び第2
の各時点における前処理済荷重信号の大きさ、が変化し
たとしても、この変化に応じて、上記直流基準信号の大
きさも、同じ比率で変化する。このように、A/D変換
手段によるディジタル化の対象となる前処理済荷重信号
の大きさと、当該ディジタル化の際に基準となる直流基
準信号の大きさとが、連携して変化するので、常に正確
なA/D変換値を得ることができる。これにより、安定
した測定精度を確保できる。
【0038】なお、重量センサを直流バイアスする場合
には、励磁信号を直接または増幅処理や濾波処理等の或
る一定の処理を施してから、上記A/D変換手段の基準
端子に入力すればよい。
【0039】また、特に重量センサを交流バイアスする
場合であって、上記励磁信号の大きさが変化する場合の
対処法として、次のような策を講じることもできる。即
ち、上記励磁信号が入力され、この励磁信号の大きさに
応じた大きさの交流基準信号を生成する交流基準信号生
成手段と、上記交流基準信号と上記前処理済荷重信号と
を上記A/D変換手段によって選択的にディジタル化す
る状態に、当該A/D変換手段によるディジタル化の対
象となる信号を選択する信号選択手段と、を具備する。
そして、上記信号選択手段により上記交流基準信号が選
択されているとき、演算手段により、或る第3の時点に
おける交流基準信号をA/D変換手段によってディジタ
ル化して得た第3のデータと、当該第3の時点から上記
励磁信号の周期の略[{1/2}+m]倍に相当する時
間だけ離れた第4の時点における上記交流基準信号を上
記A/D変換手段によってディジタル化して得た第4の
データと、の差を求め、この差を基に上記励磁信号の大
きさを表す励磁基準データを導出する。そして、上記信
号選択手段により上記前処理済荷重信号が選択されてい
るとき、上述した手順と同様に第1及び第2の各データ
の差を求め、この差を上記励磁基準データで除すること
により、上記荷重データを導出するよう、演算手段を構
成する。
【0040】この構成によれば、上記前処理済荷重信号
から第1及び第2の各データを得るのと全く同様に、上
記励磁信号の大きさに応じた大きさの交流基準信号から
第3及び第4の各データを得る。そして、これら第3及
び第4の各データの差を求めることにより、上記交流基
準信号に含まれる各種ノイズ、例えば交流荷重信号生成
手段が演算増幅器を有するものである場合にはこの演算
増幅器自身が持つ入力ノイズ等誤差信号の影響を排除す
ると共に、上記励磁信号の大きさを略2倍の感度で捉え
たのと略等価な励磁基準データを、導出する。一方、上
記第1及び第2の各データの差は、上述したように測定
対象物の重量を略2倍の感度で捉えたのと等価な値を示
すが、この値は、上記励磁信号の大きさにも依存する。
そこで、この第1及び第2の各データの差を、上記励磁
基準データで、除算することにより、上記第1及び第2
の各データの差から、励磁信号の変化分を含む当該励磁
信号の大きさを取り除く。これにより、純粋に測定対象
物の重量のみを表す荷重データを、導出できる。
【0041】更に、上記信号選択手段に代えて、上記A
/D変換手段とは別個の第3の変換手段を設け、この第
3の変換手段により上記交流基準信号をディジタル化し
てもよい。この場合、演算手段については、上記第3の
時点における交流基準信号を上記第3の変換手段によっ
てディジタル化して得た第3のデータと、上記第4の時
点における交流基準信号を上記第3の変換手段によって
ディジタル化して得た第4のデータと、の差を求め、こ
の差を基に上記励磁基準データを導出する。そして、こ
の励磁基準データで、上記A/D変換手段から得られる
第1及び第2の各データの差を、除することによって、
上記荷重データを導出するよう、構成する。なお、第3
の時点は、第1若しくは第2の時点と同一に、あるいは
第1及び第2の時点と異なる時点に選択できる。
【0042】即ち、前処理済荷重信号をディジタル化す
るためのA/D変換手段とは別個に、交流基準信号をデ
ィジタル化するためのA/D変換手段(第3の変換手
段)を設ける。このようにすれば、上記前処理済荷重信
号と交流基準信号とを1つのA/D変換手段により選択
的にディジタル化するという上記信号選択手段を用いる
場合とは異なり、測定対象物の重量を所謂リアルタイム
で測定できる。
【0043】また、演算手段は、上記のように、第1及
び第2の各データの差を、第3及び第4の各データの差
(励磁基準データ)で除することにより、荷重データを
導出する。従って、これら第1及び第2の各データの取
得タイミングである第1及び第2の各時点と、第3及び
第4の各データの取得タイミングである第3及び第4の
各時点とを、それぞれ一致させれば、より正確な重量測
定を実現できる。上記の構成によれば、第1及び第2の
各データを取得するためのA/D変換手段と、第3及び
第4の各データを取得するための第3の変換手段とを、
それぞれ別個に設けているので、上記第1及び第2の各
時点と、第3及び第4の各時点とを、それぞれ一致させ
ることができる。よって、より正確な重量測定を実現で
きる。
【0044】なお、上記励磁信号が、例えば正弦波信号
である場合には、当該励磁信号の或る1周期中におい
て、上記交流基準信号の大きさが略最大または略最小に
なる時点を、上記第3の時点とするよう、演算手段を構
成する。
【0045】即ち、今、上記励磁信号の或る1周期中に
おいて、例えば交流基準信号の大きさが略最大になる時
点を、第3の時点とするとする。この場合、第4の時点
は、当該励磁信号の或る1周期中または他の周期中にお
いて、交流荷重信号の大きさが略最小になる時点、とな
る。このような第3及び第4の各時点における交流基準
信号をそれぞれディジタル化して得た第3及び第4の各
データの差は、言わば当該交流基準信号のピーク・トゥ
ー・ピーク値に対応する。従って、かかるピーク・トゥ
ー・ピーク値を基に、交流基準信号の大きさを求めれ
ば、最も高い感度で当該交流基準信号の大きさを捉える
ことができる。
【0046】なお、上記とは逆に、励磁信号の或る1周
期中において、交流基準信号の大きさが略最小になる時
点を、第1の時点とした場合、当該励磁信号の或る1周
期中または他の周期中において、交流基準信号の大きさ
が略最大になる時点が、第2の時点となる。従って、こ
の場合も、上記と同様に、交流基準信号のピーク・トゥ
ー・ピーク値を得ることができ、最も高い感度で当該交
流基準信号の大きさを捉えることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明に係る重量測定装置の第1
の実施形態について、図1から図5を参照して説明す
る。なお、本第1の実施形態は、本発明のうち、主に請
求項1に記載の発明を具体化したものである。
【0048】図1に、本第1の実施形態の概略構成を示
す。同図に示すように、この装置は、パルス発生器1を
有している。このパルス発生器1は、例えば図示しない
水晶発振器やカウンタ回路等で構成されており、例えば
図2(a)に示すように、数十kHz乃至数百kHzの
概略矩形の正極性クロックパルスCPを発生する。そし
て、このパルス発生器1は、上記クロックパルスCP
を、交流励磁回路2に入力する。
【0049】交流励磁回路2は、例えば図示しない分周
回路、ローパス・フィルタ回路、バイアス調整回路及び
増幅器等を、内蔵している。そして、この交流励磁回路
2は、パルス発生器1から入力されるクロックパルスC
Pを、上記分周回路で分周することにより、例えば図2
(b)に示すような周期Toの矩形波基本パルスOPを
生成し、この基本パルスOPを、上記ローパス・フィル
タ回路で濾波処理することにより、正弦波の信号に変形
する。更に、この正弦波信号に対して、上記バイアス調
整回路により負極のバイアス電圧を掛けることによっ
て、この正弦波信号の中心電圧を接地電位(=0
[V])にシフトさせて、交流の正弦波信号を生成す
る。そして、この交流正弦波信号を、上記増幅器で増幅
することによって、最終的に、図2(c)に示すような
励磁信号E(=Asinωt:ここで、Aは、最大振幅、
ωは、角周波数、tは、時刻である。)を、生成する。
なお、この励磁信号Eの周期(周波数fo)は、基本パ
ルスOPの周期To(周波数)と同じである。そして、
この励磁信号Eの位相は、基本パルスOPの位相より
も、上記ローパス・フィルタ回路等の時定数に応じた時
間φだけ、遅れる。なお、ここで説明した励磁信号E
の生成方法は、飽くまで一例であって、これ以外の方法
によっても、当該励磁信号Eを生成できる。この交流励
磁回路2が、特許請求の範囲に記載の励磁手段に対応す
る。
【0050】交流励磁回路2は、上記励磁信号Eを、本
装置における重量センサとしての歪みゲージ式ロードセ
ル3のブリッジ入力端子3a、3aに入力する。これに
より、ロードセル3は、所謂交流バイアスされる。ここ
で、例えば図示しない風袋に図示しない測定対象物が載
置され、これによって、ロードセル3に荷重Wxが付加
されたとする。すると、ロードセル3は、次の数1で表
される交流荷重信号Woを、ブリッジ出力端子3b、3
bから出力する。
【0051】
【数1】Wo=k・Wx・E=k・Wx・Asinωt ここで、kは、ロードセル3の荷重変換係数である。
【0052】そして、この交流荷重信号Woは、前置増
幅回路4に入力される。前置増幅回路4は、例えば演算
増幅器構成のもので、上記交流荷重信号Woを交流増幅
し、この増幅後の信号Vaを、A/D変換器5のアナロ
グ入力端子(IN)に入力する。なお、前置増幅回路4
は、それ自身、上述した入力ノイズを有している。従っ
て、この入力ノイズを符号Δeで表すと、前置増幅回路
4の出力信号Va、換言すればA/D変換器5への入力
信号Viは、次の数2のようになる。
【0053】
【数2】Va=Vi=Gw(Wo+Δe)=Gw(k・Wx・
Asinωt+Δe) ここで、Gwは、前置増幅回路4の増幅率である。
【0054】上記荷重Wxと励磁信号EとA/D変換器
5の入力信号Viとの関係を、図で表すと、例えば図3
(a)乃至同図(c)のようになる。これらの図に誇張
して示すように、或る荷重Wxがロードセル3に付加さ
れると、A/D変換器5には、上記荷重Wxにより励磁
信号Eを言わば振幅変調したような信号Viが、入力さ
れる。
【0055】A/D変換器5は、これに入力される上記
信号Viを、ディジタル化する。具体的には、A/D変
換器5は、クロック入力端子(CLK)と基準電圧端子
(REF)とを、有している。そして、A/D変換器5
は、クロック入力端子に入力されるタイミングパルスT
Pのタイミング、例えば立ち上がり(または立ち下が
り)に応じて、上記入力信号Viをサンプリングすると
共に、上記基準電圧端子に供給される基準信号Vrの電
圧値を例えば最大基準電圧として、当該サンプリングし
て得た入力信号Viを、所定ビット数のディジタルデー
タVoに変換して出力する。
【0056】上記タイミングパルスTPは、タイミング
回路6から与えられる。即ち、タイミング回路6は、パ
ルス発生器1からクロックパルスCPを取り込むと共
に、交流励磁回路2から基本パルスOPを取り込む。そ
して、これらのパルスCP、OPを基に、タイミング回
路6は、図3(d)に示すように、励磁信号Eの周期T
oの1/2に相当する時間Ts(=To/2)間隔で、か
つ、励磁信号Eの各1周期To中において上記入力信号
Viが最大または最小となる時点(上記数2において、s
inωtが「+1」または「−1」となる時点)で、A/
D変換器5により入力信号Viをサンプリングするよう
に、タイミングパルスTPを生成する。これら入力信号
ViとタイミングパルスTPとの時間的関係をより詳し
く表すと、図2(d)及び同図(e)のようになる。こ
の図2(d)に示すように、入力信号Viは、励磁信号
Eよりも、前置増幅回路4の時定数に応じた時間φ
け、位相が遅れる。そして、同図(e)に示すように、
タイミングパルスTPは、上記基本パルスOPの立ち上
がり時点から、上述した時間φと上記時間φと基本
パルスOPの周期Toの1/4に相当する時間To/4と
を足し合わせた時間Td(=φ+φ+To/4)だ
け、その位相が遅れる。このようなタイミングパルスT
Pを生成するタイミング回路6は、例えば論理回路とカ
ウンタ回路との組み合せによって、構成できる。
【0057】一方、上記基準電圧端子には、励磁信号E
を例えば演算増幅器構成の差動増幅回路7によって差動
増幅し、この差動増幅後の信号Veを例えばダイオード
及び平滑コンデンサ構成の整流平滑回路8によって整流
平滑して得た直流信号が、上記基準信号Vrとして、供
給される。この基準信号Vrの電圧は、上記入力信号Vi
の電圧の最大値よりも若干大き目となるように、上記差
動増幅回路7(増幅率Ge)により調整される。
【0058】上記A/D変換器5によってディジタル化
して得たデータVoは、次の数3及び数4で表される。
【数3】Vo=Gw(k・Wx・A+Δe)/Vr ただし、数2において、sinωt=1のとき。
【0059】
【数4】Vo=Gw(−k・Wx・A+Δe)/Vr ただし、数2において、sinωt=−1のとき。
【0060】そして、このデータVoは、順次、CPU
9に入力される。CPU9は、この順次入力されるデー
タVoに対して、次の数5で表される演算を行い、これ
を最終的な荷重データDとして、導出する。
【0061】
【数5】 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{k・Wx(n)・A+Δe(n)}/Vr−Gw{−k
・Wx(n-1)・A+Δe(n-1)}/Vr| または、 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{−k・Wx(n)・A+Δe(n)}/Vr−Gw{k
・Wx(n-1)・A+Δe(n-1)}/Vr| ここで、nは、A/D変換器5によるサンプリングタイ
ミング(番号)を表すインデックスである。
【0062】ところで、A/D変換器5のサンプリング
周期Tsが、比較的に短く、厳密には上記荷重Wx及び入
力ノイズΔeの変動周期に比べて遥かに短いとすると、
Wx(n)=Wx(n-1)とみなすことができ、よってΔe(n)
≒Δe(n-1)とみなせるので、上記数5は、次の数6に
示すようになる。
【0063】
【数6】D(n)≒2Gw・k・Wx(n)・A/Vr
【0064】この数6から明らかなように、最終的に導
出して得られる上記荷重データDは、上記入力ノイズΔ
eの影響を排除したものとなる。しかも、A/D変換器
5の出力Voを言わば2倍したのと等価なデータを得る
ことができ、これは、測定対象物の重量を言わば2倍の
感度で認識するのと等価である。
【0065】更に、上記荷重データDに対して、適宜デ
ィジタルフィルタリング処理等を施すことができる。こ
のディジタルフィルタリング処理の一例として、例えば
次の数7で表される移動平均処理がある。
【0066】
【数7】D(n)'={D(n)+D(n-1)+・・・+D(n-
N)}/(N+1) ここで、D(n)'は、移動平均処理後のデータ、Nは、自
然数である。
【0067】CPU9は、上記のように導出して得た荷
重データDまたはD'に係る情報を、例えば液晶パネル
(LCD)構成の表示部10に、数値やグラフ等で表示
する。この表示部10に代えて、例えばスピーカ等を設
け、このスピーカから音声により上記荷重データDまた
はD'に係る情報を出力するようにしてもよい。また、
CPU9には、例えばキーボード等の操作部11も接続
されており、CPU9は、この操作部11から入力され
る各種命令に従って、例えば重量測定を開始する等の各
種動作を実行する。このCPU9の一連の動作は、例え
ば半導体メモリ構成の記憶部12に予め記憶されている
制御プログラムにより制御される。また、この記憶部1
2には、上記導出して得た荷重データDまたはD'等を
記憶することもできる。
【0068】このように、本第1の実施形態によれば、
上述した特許第3002078号公報に開示された従来
技術とは異なり、所謂復調回路(当該従来技術において
は、2つのサンプルホールド回路と積分機能を有する差
動増幅器とから成る部分)を必要としなくとも、図4
(e)に示すように、言わばディジタル的に荷重Wxに
応じた荷重データDを得ることができる。従って、その
分、装置の構成を簡素化できると共に、装置を低コスト
化できる。しかも、上述した入力ノイズΔeの影響を排
除し、かつ、2倍の測定感度を得ることができるので、
極めて高精度な重量測定を実現できる。
【0069】なお、本第1の実施形態における前置増幅
回路4が、特許請求の範囲に記載の処理手段に対応し、
A/D変換器5の入力信号Viが、特許請求の範囲に記
載の前処理済荷重信号に対応する。そして、CPU9
が、特許請求の範囲に記載の演算手段に対応し、上記数
5における各データVo(n)及びVo(n-1)が、それぞれ特
許請求の範囲に記載の第1及び第2の各データに対応す
る。
【0070】本第1の実施形態では、A/D変換器5に
対して所謂両極性の入力信号Viを供給したが、これに
限らない。例えば、A/D変換器5が、片極性(正極ま
たは負極)の信号のみを入力可能とするものである場合
には、前置増幅回路4の出力信号Vaに直流バイアスを
掛けて、当該A/D変換器5の入力信号Viの極性を片
極性とすればよい。なお、この場合も、上記数5に基づ
いて、上記入力信号Viの所謂最大ピーク及び最小ピー
クにそれぞれ対応するデータVo(n)及びVo(n-1)の差を
求めることによって、上記入力ノイズΔeの影響を排除
すると共に、測定対象物の重量を2倍の感度で認識する
のと等価な効果が得られることは、明らかである。
【0071】また、本第1の実施形態においては、A/
D変換器5のサンプリング周期(タイミングパルスTP
の周期)Tsを、励磁信号E(基本パルスOP)の周期
Toの1/2としたが、これに限らない。例えば、A/
D変換器5の変換速度が遅い場合や、或いはCPU9の
処理速度が遅い場合等には、上記サンプリング周期Ts
を、励磁信号Eの周期Toの[{1/2}+m(mは、
整数である。)]倍に相当する時間間隔としてもよい。
なお、ここで言う整数mを、例えばm=1とした場合、
即ち周期Ts=3To/2とした場合の、A/D変換器5
の入力信号ViとタイミングパルスTPとの時間的な関
係を、図4に示す。
【0072】上記整数mは、任意であるが、これを大き
くし過ぎると、サンプリング周期Tsが長くなり、上記
数5において、Δe(n)≒Δe(n-1)が成立しなくなる。
従って、この整数mは、できるだけ小さい値とするのが
好ましい。
【0073】特に、予めロードセル3の固有振動数fw
が判っている場合には、上記サンプリング周期Tsを、
当該ロードセル3の固有振動数fwの逆数1/fwの1/
2以下の値に相当する時間間隔(Ts≦1/2fw)とす
るのが、好ましい。具体的には、例えば、ロードセル3
の固有振動数fwが、fw=50[Hz]である場合、上
記サンプリング周期Tsを、10[ms]以下(Ts≦1
0[ms])とする。この場合、上記整数mが、m=0
であるとすると、励磁信号Eの周波数foは、50[H
z]以上(fo≧50[Hz])となる。このようにす
れば、ロードセル3の応答特性に応じた上記入力信号V
iをディジタル化する際に、所謂サンプリング定理を十
分に満足する。従って、ロードセル3の機械的な応答を
忠実にディジタル化することができ、正確な重量測定を
実現できる。特に、上記サンプリング周期Tsを、サン
プリング定理を満足するのに必要な最低限の値、即ち上
記逆数1/fwの1/2に相当する時間間隔(Ts=1/
2fw)とすれば、A/D変換器5やCPU9の負担を
最小限にすることができる。
【0074】また、例えば、上記A/D変換器5の変換
速度は比較的に速いけれど、CPU9の処理速度が遅い
場合には、次のように構成してもよい。即ち、A/D変
換器5のサンプリング周期Tsを、極力短くする。そし
て、このA/D変換器5の出力データVoを基に、CP
U9により上記荷重データD(n)を導出する際、上記数
5に代えて、次の数8の演算を行う。
【0075】
【数8】D(n)=|Vo(n)−Vo(n-p)| ここで、pは、任意の奇数である。
【0076】つまり、CPU9の処理速度に合わせて、
A/D変換器5から得られるデータVoを所謂間引きす
る。このようにすれば、CPU9の処理速度が遅くて
も、これに合わせて、上記荷重データD(n)を正確に導
出できる。ただし、この場合も、当該数8における各デ
ータVo(n)及びVo(n-p)の時間的な間隔(即ち、pに相
当する時間間隔)は、上記ロードセル3の固有振動数f
wの逆数1/fwの1/2以下の値に相当する時間間隔と
するのが、好ましい。
【0077】更に、本第1の実施形態では、A/D変換
器5により入力信号Viをディジタル化する際、この入
力信号Viの所謂各ピークを捉えてこれをディジタル化
するように構成したが、これに限らない。即ち、一定の
周期Tsで入力信号Viをディジタル化するのであれば、
上記ピーク以外の部分を捉えてもよい。ただし、本第1
の実施形態のように、入力信号Viの各ピークを捉えれ
ば、上記荷重データD(n)として、入力信号Viの所謂ピ
ーク・トゥー・ピーク値を得ることができ、最も高い感
度で重量測定できる。また、入力信号Viの各ピーク付
近においては、時間tの変化に対する当該入力信号Vi
の変化量が小さい。従って、例えば何らかの理由により
A/D変換器5のサンプリング周期Tsが多少ずれて
も、上記入力信号Viのピーク付近をディジタル化して
得たデータVoであれば然程の差は生じないので、比較
的に安定した測定精度を得ることができる。
【0078】また、上記タイミングパルスOPは、基本
パルスOPの立ち上がりに同期するので、A/D変換器
5は、この基本パルスOPに同期して、上記入力信号V
iをディジタル化することになる。従って、例えば、何
らかの原因により上記基本パルスOPの位相がシフト
し、これに伴って、A/D変換器5の入力信号Viの位
相が変化したとしても、この位相のシフトに応じて、上
記タイミングパルスTPの位相もシフトする。このよう
に、A/D変換器5によるディジタル化の対象となる入
力信号Viの位相と、このディジタル化のタイミングを
計るタイミングパルスTPとが、上記基本パルスOPの
位相を基準として連携してシフトするので、当該基本パ
ルスOPの位相が変化しても、常に一定のタイミングで
上記入力信号Viをディジタル化できる。
【0079】なお、上記A/D変換器5の入力信号Vi
の位相と、基本パルスOPの位相とは、上述したよう
に、交流励磁回路2を構成するローパス・フィルタ回路
等の時定数に応じた時間φと前置増幅回路4の時定数
に応じた時間φとを足し合わせた時間(φ+φ
だけ、ずれている。従って、例えば、これら交流励磁回
路2または前置増幅回路4の時定数が何らかの原因によ
り変化すると、上記入力信号Viと基本パルスOPとの
位相差(φ+φ)が変化して、適切なタイミングで
当該入力信号Viをディジタル化できなくなることがあ
る。
【0080】そこで、例えば図1に点線13で示すよう
に、上記基本パルスOPに代えて、上記A/D励磁信号
Eの入力信号Viを、タイミング回路6に供給する。そ
して、この入力信号Viの位相に同期して、上記タイミ
ングパルスTPを生成するように、タイミング回路6を
構成してもよい。このような構成は、例えば一般に知ら
れているPLL(位相同期ループ)回路を用いることに
より、実現できる。このようにすれば、入力信号Vi自
身の位相に合わせて、これをディジタル化できる。な
お、これ以外にも、例えば励磁信号Eまたは交流荷重信
号Woをタイミング回路6に供給し、これらの信号に同
期して、上記タイミングパルスTPを生成するよう構成
してもよい。
【0081】更に、本第1の実施形態では、励磁信号E
を差動増幅回路7で差動増幅し、この差動増幅後の信号
Veを整流平滑回路8で整流平滑した後の信号を、上述
した基準信号Vrとして、A/D変換器5の基準電圧端
子に供給するように構成したが、これに限らない。例え
ば、回路電源電圧(所謂Vcc)等の任意の直流電圧を、
上記基準信号Vrとして用いてもよい。ただし、本第1
の実施形態のように、励磁信号Eを基に上記基準信号V
rを生成することにより、次のような効果が得られる。
即ち、今、何らかの原因により励磁信号Eの最大振幅
(または実効値)が、変化したとする。すると、A/D
変換器5の入力信号Viも、当然に変化する。しかし、
本第1の実施形態によれば、上記励磁信号Eの変化に応
じて、基準信号Vrも、入力信号Viと同じ比率で、変化
する。このように、ディジタル化の対象となる信号Vi
と、このディジタル化の際に基準となる基準信号Vrと
が、連携して変化し、所謂レシオメトリックが成立す
る。従って、例え励磁信号Viの最大振幅が変化たとし
ても、これに関係なく、常に正確なデータVoが得られ
る。
【0082】なお、上記整流平滑回路8を構成するダイ
オードは、例えば温度変化等によるドリフトを生じ易
い。従って、この温度ドリフト等の影響により、上記レ
シオメトリックが成立しなくなる可能性がある。そこ
で、このレシオメトリック作用を、より理想的なものに
するには、例えば図5に示すように構成すればよい。
【0083】即ち、同図に示すように、前置増幅回路4
の出力側とA/D変換器5のアナログ入力端子との間
に、2入力1出力形式の切替回路14を設ける。そし
て、この切替回路14の一方の入力端子に、前置増幅器
4の出力端子を接続し、他方の入力端子に、差動増幅回
路7の出力端子を直接接続する。そして、この切替回路
14の出力端子を、A/D変換器5のアナログ入力端子
に接続する。この切替回路14の切替動作は、例えばC
PU9(同図では省略している)から供給される切替制
御パルスSPにより、制御される。なお、A/D変換器
5の基準電圧端子には、例えば回路電源電圧等の任意の
直流電圧を、基準信号Vrとして供給する。
【0084】CPU9は、上記前置増幅器4の出力信号
Vaと、差動増幅回路7の出力信号Veとを、交互にA/
D変換器5に入力するよう、切替回路14を制御する
(厳密には、この制御を実現するための上記切替制御パ
ルスSPを生成して切替回路14に供給する)。ここ
で、例えば、CPU9が、前置増幅回路4の出力信号V
aをA/D変換器5に入力するよう、切替回路14を制
御しているとする(同図の状態)。この場合、CPU9
は、上記のように数5に示す演算を実行して、荷重デー
タDを導出する。
【0085】一方、CPU9が、差動増幅回路7の出力
信号VeをA/D変換器5に入力するよう、切替回路1
4を制御しているとする。この場合も、CPU9は、上
記数5と同様の演算を実行する。ただし、この演算によ
り得られるデータ(以下、これを励磁基準データと言
い、符号Deで表す。)は、次の数9で表される。
【0086】
【数9】 De(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Ge{A+Δe(n)'}/Vr−Ge{−A+Δe(n-
1)'}]/Vr| または、 De(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Ge{−A+Δe(n)'}/Vr−Ge{A+Δe(n-
1)'}]/Vr| ここで、Δe(n)'、Δe(n-1)'は、差動増幅回路7の入
力ノイズである。
【0087】なお、この数9においても、A/D変換器
5のサンプリング周期Tsが、比較的に短い場合には、
「Δe(n)' ≒Δe(n-1)'」が成り立つ。従って、この
数9は、次の数10で表すことができる。
【0088】
【数10】De(n)≒2Ge・A/Vr
【0089】即ち、この数10から明らかなように、励
磁信号Eをディジタル化する場合にも、上記差動増幅回
路7の入力ノイズΔe'の影響を排除し、かつ、2倍の
感度で当該励磁信号Eの最大振幅Aを認識できる。
【0090】そして、CPU9は、上記数5(数6)で
表される荷重データDを、上記数10で表される励磁基
準データDeで除算することにより、最終的に、次の数
11に示すようなデータD"を導出する。
【0091】
【数11】 D(n)"=D(n)/De(n) ={2Gw・k・Wx(n)・A/Vr}/{2Ge・A/Vr} =Gw・k・Wx(n)/Ge
【0092】この数11からも明らかなように、上記デ
ータD"として、励磁信号Eの振幅Aと基準信号Vrの電
圧値とを排除したデータを得ることができる。従って、
これら励磁信号Eの振幅Aや基準信号Vrの電圧値が変
化しても、これらの変化に影響されない理想に近いレシ
オメトリック作用が得られる。
【0093】なお、上記数9(または数10)に示すよ
うに、励磁信号Eの最大振幅Aを認識するには、A/D
変換器5により差動増幅回路7の出力信号Veをディジ
タル化する際に、当該信号Veの各ピーク部分をディジ
タル化する必要がある。そのためには、差動増幅回路7
の出力信号Veの位相と、前置増幅回路4の出力信号Va
の位相とを、略一致させればよい。この図5の構成で
は、例えば差動増幅回路7の時定数と前置増幅回路4の
時定数とが略等価であれば、上記各信号Ve及びVaの各
位相は必然的に略一致する。
【0094】なお、この図5に示す構成は、主に請求項
16に記載の発明に対応する。そして、この図5におけ
る差動増幅回路7が、特許請求の範囲に記載の交流基準
信号生成手段に対応し、切替回路14が、特許請求の範
囲に記載の信号選択手段に対応する。また、上記数9に
おける各データVo(n)及びVo(n-1)が、それぞれ特許請
求の範囲に記載の第3及び第4のデータに対応する。
【0095】ところで、上記図5の構成によれば、前置
増幅回路4の出力信号Vaと、差動増幅回路7の出力信
号Veとを、1つのA/D変換器5により交互にディジ
タル化するので、これらの信号Va及びVeをそれぞれデ
ィジタル化するタイミングに、時間的なズレが生じる。
そして、この時間的なズレにより、上記荷重データDに
含まれる励磁信号Eの振幅A及び基準信号Vrの電圧値
と、上記励磁基準データDeに含まれる励磁信号Eの振
幅A及び基準信号Vrの電圧値とに、差異が生じ、これ
によって上記レシオメトリックの精度が若干低下する場
合がある。また、前置増幅回路4の出力信号Vaのみを
連続的にディジタル化することが不可能なため、所謂リ
アルタイム測定を実現できない。
【0096】そこで、かかる不具合を解決するには、例
えば図6に示すように構成すればよい。同図に示すよう
に、上記切替回路14に代えて、上記A/D変換器5と
同様(例えば同規格)のA/D変換器15を、別個に設
ける。そして、この新たに設けたA/D変換器15のア
ナログ入力端子(IN)に、差動増幅回路7の出力信号
Veを入力し、A/D変換器5のアナログ入力端子に
は、図1と同様に、前置増幅回路4の出力信号Vaのみ
を入力する。そして、これら各A/D変換器5、15の
各出力データVo、Voを、それぞれCPU9(図6では
省略している)に入力し、上記数5、数9及び数11と
同様の演算を行う。なお、各A/D変換器5、15の各
基準電圧端子には、例えば回路電源等からそれぞれ同じ
直流の基準信号Vrを供給し、各クロック入力端子に
は、タイミング回路6からそれぞれ同じタイミングパル
スTPを供給する。
【0097】このように、前置増幅回路4の出力信号V
aをディジタル化するためのA/D変換器5と、差動増
幅回路7の出力信号Veをディジタル化するためのA/
D変換器15と、それぞれ別個に設ければ、上記リアル
タイム測定を実現できる。また、前置増幅回路4の出力
信号Vaと、差動増幅回路7の出力信号Veとを、それぞ
れ同じタイミングでディジタル化できる。これにより、
上記荷重データDに含まれる励磁信号Eの振幅A及び基
準信号Vrの電圧値と、上記励磁基準データDeに含まれ
る励磁信号Eの振幅A及び基準信号Vrの電圧値とを、
それぞれ同じにすることができるので、より理想的なレ
シオメトリック作用を期待できる。
【0098】なお、この図6に示す構成は、主に請求項
17に記載の発明に対応する。そして、この図6におい
て新たに設けたA/D変換器15が、特許請求の範囲に
記載の第3の変換手段に対応する。
【0099】上記レシオメトリック作用は、例えば図7
に示す構成によっても、実現できる。同図に示すよう
に、ロードセル3の各入力端子3a、3a間に、3つの
抵抗器16a乃至16cを直列に接続して、上記励磁信
号Eを分圧する分圧回路16を構成し、この分圧回路1
6により、励磁信号Eの最大振幅Aをロードセル3の出
力信号Woの最大振幅よりも若干大き目の振幅にまで分
圧する。そして、前置増幅回路4の入力側に、2連の2
入力1出力形式の切替回路17を設け、この2連の入力
端子の一方に、ロードセル3の各出力端子3b、3bを
それぞれ接続し、他方の入力端子に、上記分圧回路16
の出力(真中の抵抗器16bの両端)をそれぞれ接続す
る。そして、切替回路17の出力端子を、前置増幅回路
4の入力端子に接続する。なお、この切替回路17の切
替動作は、上記図5における切替回路7と同様、例えば
CPU9(図7では省略している)から供給される切替
制御パルスSPにより、制御される。また、A/D変換
器5の基準電圧端子には、例えば回路電源電圧等の任意
の安定な直流電圧を、基準信号Vrとして供給する。
【0100】CPU9は、上記ロードセル3の出力信号
Woと、分圧回路16の出力信号Edとを、交互に前置増
幅回路4に入力するよう、切替回路17を制御する(厳
密には、この制御を実現するための上記切替制御パルス
SPを生成して切替回路17に供給する)。ここで、例
えば、CPU9が、ロードセル3の出力信号Woを前置
増幅回路4に入力するよう、切替回路17を制御してい
るとする(同図の状態)。この場合、CPU9は、上記
のように数5に示す演算を実行して、荷重データDを導
出する。
【0101】一方、CPU9が、分圧回路16の出力信
号Edを前置増幅回路4に入力するよう、切替回路17
を制御しているとする。この場合も、CPU9は、上記
数5と同様の演算を実行する。ただし、この演算により
得られるデータ(以下、このデータについても励磁基準
データと言い、符号Deで表す。)は、次の数12で表
される。
【0102】
【数12】 De(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{α・A+Δe(n)}/Vr−Gw{−α・A+Δ
e(n-1)}]/Vr| または、 De(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{−α・A+Δe(n)}/Vr−Gw{α・A+Δ
e(n-1)}]/Vr| ここで、αは、分圧回路16による分圧率である。
【0103】この数12において、A/D変換器5のサ
ンプリング周期Tsが、比較的に短く、上記「Δe(n)
≒Δe(n-1)」が成り立つ場合には、この数12は、次
の数13で表される。
【0104】
【数13】De(n)≒2Gw・α・A/Vr
【0105】この数13から明らかなように、励磁信号
Eをディジタル化する場合にも、前置増幅回路4の入力
ノイズΔeの影響を排除し、かつ、2倍の感度で当該励
磁信号Eの最大振幅Aを認識できる。
【0106】そして、CPU9は、上記数6で表される
荷重データDを、上記数13で表される励磁基準データ
Deで除算することにより、最終的に、次の数14に示
すようなデータD"を導出する。
【0107】
【数14】 D(n)"=D(n)/De(n) ={2Gw・k・Wx(n)・A/Vr}/{2Gw・α・A/Vr} =k・Wx(n)/α
【0108】この数14からも明らかなように、上記デ
ータD"として、前置増幅回路4の増幅率Gwと励磁信号
Eの振幅Aと基準信号Vrの電圧値とを排除したデータ
を得ることができる。従って、これら前置増幅回路4の
増幅率Gw、励磁信号Eの振幅A及び基準信号Vrの電圧
値が変化しても、これらの変化に影響されない理想的な
レシオメトリック作用が得られる。なお、この図7に示
す構成においても、上記図5に示す構成と同様に、CP
U9は、1つのA/D変換器5から、上記荷重データD
を得るためのデータVoと、励磁基準データDeを得るた
めのデータVoとを、交互に取り込む。従って、完全な
レシオメトリック作用は望めず、また、リアルタイム測
定を実現できないことは、言うまでもない。
【0109】なお、この図7に示す構成もまた、請求項
16に記載の発明に対応する。この図7における分圧回
路16が、特許請求の範囲に記載の交流基準信号生成手
段に対応し、切替回路17が、特許請求の範囲に記載の
信号選択手段に対応する。そして、上記数12における
各データVo(n)及びVo(n-1)が、それぞれ特許請求の範
囲に記載の第3及び第4のデータに対応する。
【0110】次に、本発明の第2の実施形態について、
図8及び図9を参照して説明する。なお、本第2の実施
形態は、本発明のうち、主に請求項2に記載の発明を具
体化したものである。
【0111】図6に、本第2の実施形態の概略構成を示
す。同図に示すように、この第2の実施形態の装置は、
上記第1の実施形態における交流励磁回路2に代えて、
直流励磁回路20を、設けたものである。そして、この
直流励磁回路20からロードセル3のブリッジ入力端子
3a、3aに、励磁信号Eとして電圧値がAの直流信号
を入力することにより、当該ロードセル3を、所謂直流
バイアスするものである。このように直流バイアスされ
たロードセル3は、そのブリッジ出力端子3b、3bか
ら、次の数15で表される直流荷重信号Woを出力す
る。
【0112】
【数15】Wo=k・Wx・E=k・Wx・A
【0113】この直流荷重信号Woは、チョッパ回路2
1に入力される。チョッパ回路21は、これに入力され
る直流荷重信号Woを一定の周期Tcでチョッピングする
ことにより、当該直流荷重信号Woを、概略矩形でかつ
一方の極性(例えば正極)のみに振幅を持つ所謂片極性
パルス荷重信号Woaに、変換する。なお、このチョッパ
回路21のチョッピング動作は、タイミング回路6から
供給されるゲート制御パルスGPによって制御される。
タイミング回路6は、パルス発生器1の発生するクロッ
クパルスCPを基に、上記ゲート制御パルスGPを生成
する。これらクロックパルスCPとゲート制御パルスG
Pとの時間的な関係を、図9(a)及び同図(b)に示
す。これらの図に示すように、タイミング回路6は、上
記直流荷重信号Woを通過させる所謂出力ON(図8に
おいて、SW1がONで、SW2がOFF)の状態と、
この直流荷重信号Woを遮断する所謂出力OFF(図8
において、SW1がOFFで、SW2がON)の状態と
を、略同じ期間(Tc≒Tc)毎に交互に切り替える
よう、チョッパ回路21を制御する(厳密には、この制
御を実現するためのゲート制御パルスGPを生成してチ
ョッパ回路21に供給する)。
【0114】上記チョッパ回路21による変換後の片極
性パルス荷重信号Woaは、前置増幅回路4に入力され
る。前置増幅回路4は、この片極性パルス荷重信号Woa
を交流増幅し、この増幅後の信号Vaを、A/D変換器
5のアナログ入力端子(IN)に入力する。このA/D
変換器5への入力信号Viは、基本的に、次の数16及
び数17で表される。
【0115】
【数16】Va=Vi=Gw(Woa+Δe)=Gw(k・W
x・A+Δe) ただし、チョッパ回路21が、出力ONの状態にあると
き。
【0116】
【数17】Va=Vi=Gw(Woa+Δe)=Gw(0+Δ
e)=Gw・Δe ただし、チョッパ回路21が、出力OFFの状態にある
とき。
【0117】これら数16及び数17からも明らかなよ
うに、本第2の実施形態においても、上記第1の実施形
態と同様に、上記前置増幅回路4による増幅処理の際
に、この前置増幅回路4自身が持つ入力ノイズΔeの影
響を受ける。また、上記のように、片極性パルス荷重信
号Woaは、直流荷重信号Woをチョッピングすることに
より生成されるものであるので、このチョッピングの瞬
間、即ち立ち上がり及び立ち下がりにおいて、過渡的に
乱れを生じる。そして、この乱れは、図9(c)に誇張
して示すように、A/D変換器5の入力信号Viにも現
れる。また、上記チョッピングの瞬間に、接地電位等の
周囲の電位に、高周波ノイズが載ることもある。
【0118】A/D変換器5は、上記入力信号Viの立
ち上がり及び立ち下がり付近における乱れや上記高周波
ノイズ等の影響を回避しつつ、当該入力信号Viをディ
ジタル化する。具体的には、A/D変換器5は、図9
(d)に示すように、タイミングパルスTPに応じて、
上記チョッパ回路21のチョッピング周期(ゲート制御
パルスGPの周期)Tcの1/2に相当する時間Ts(=
Tc/2)間隔で、かつ、上記入力信号Viの立ち上がり
及び立ち上がり付近以外の時点、例えばこれら立ち上が
りと立ち下がりとの間の略中間時点において、当該入力
信号Viをサンプリングしてディジタル化する。これに
より、チョッパ回路21が出力ONの状態にあるときの
入力信号Viと、チョッパ回路21が出力OFFの状態
にあるとき入力信号Viとが、上記時間Ts間隔で、交互
にディジタル化される。
【0119】なお、上記A/D変換器5のサンプリング
タイミングを制御する上記タイミングパルスTPは、タ
イミング回路6からA/D変換器5のクロック入力端子
(CLK)に入力される。タイミング回路6は、上記ク
ロックパルスCPを基に、このタイミングパルスTPを
生成する。また、A/D変換器5の基準電圧端子(RE
F)には、励磁信号Eを直流増幅回路7によって増幅し
て得た直流信号Veが、基準信号Vrとして、入力され
る。この基準信号Vrの電圧は、上記入力信号Viの電圧
の最大値よりも若干大き目となるように、上記直流増幅
回路7(増幅率Ge)により調整される。
【0120】上記A/D変換器5によってディジタル化
して得たデータVoは、次の数18及び数19で表され
る。
【数18】Vo=Gw(k・Wx・A+Δe)/Vr ただし、チョッパ回路21が、出力ONの状態にあると
き。
【0121】
【数19】Vo=Gw・Δe/Vr ただし、チョッパ回路21が、出力OFFの状態にある
とき。
【0122】そして、このデータVoは、順次、上記第
1の実施形態におけるCPU9と同様の図示しないCP
Uに入力される。CPUは、この順次入力されるデータ
Voに対して、次の数20で表される演算を行い、これ
を最終的な荷重データDとして、導出する。
【0123】
【数20】 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{k・Wx(n)・A+Δe(n)}/Vr−Gw・Δe
(n-1)/Vr| または、 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw・Δe(n)/Vr−Gw{k・Wx(n-1)・A+Δe
(n-1)}/Vr|
【0124】ここで、上記チョッパ回路21のチョッピ
ング周期Tcが、比較的に短く、厳密には上記荷重Wx及
び入力ノイズΔeの変動周期に比べて遥かに短いとする
と、Wx(n)=Wx(n-1)とみなせ、Δe(n)≒Δe(n-1)と
みなせるので、上記数20は、次の数21に示すように
なる。
【0125】
【数21】D(n)≒Gw・k・Wx(n)・A/Vr
【0126】この数21から明らかなように、本第2の
実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、上
記荷重データDとして、前置増幅回路4自身が持つ入力
ノイズΔeの影響を排除したデータを得ることができ
る。ただし、本第2の実施形態では、第1の実施形態と
は異なり、測定対象物の重量を言わば2倍の感度で認識
することはできない。なお、本第2の実施形態において
も、上記第1の実施形態と同様に、この荷重データD
を、例えば移動平均処理する等、適宜ディジタルフィル
タリング処理をしてもよい。
【0127】また、本第2の実施形態によれば、A/D
変換器5の基準電圧端子に供給する基準信号Vrとし
て、励磁信号Eを直流増幅回路7により増幅して得た直
流信号Veを用いているので、上述したレシオメトリッ
クが成立する。従って、例え励磁信号Eの電圧が変化し
たとしても、常に正確なディジタルデータVoを得るこ
とができ、安定した測定精度を確保できる。ただし、こ
のレシオメトリック作用を求めない場合には、上記基準
信号Vrとして、例えば回路電源電圧等の任意の安定な
直流信号を供給してもよい。なお、図8のVeには誤差
信号Δe'が加わるが、励磁信号Eに比べ、直流増幅回
路7の入力点の誤差信号e'は十分に小さいので、測定
精度の上で無視できることが多い。
【0128】そして、タイミング回路6は、クロックパ
ルスCPに基づいて、チョッパ回路21のチョッピング
動作を制御するためのゲート制御パルスGPと、A/D
変換器5のサンプリングタイミングを制御するためのタ
イミングパルスTPとを、生成する。このように、チョ
ッパ回路21のチョッピング動作と、A/D変換器5の
サンプリングタイミングとは、それぞれに共通のクロッ
クパルスCPを基準として同期しているので、A/D変
換器5は、常に適切なタイミングで入力信号Viをディ
ジタル化できる。なお、図8に点線22で示すように、
本第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同
様に、A/D変換器5の入力信号Viを上記タイミング
回路6に供給し、この入力信号Viの位相に同期して、
上記A/D変換器5のサンプリングタイミングを制御
(タイミングパルスTPを生成)するよう、構成しても
よい。
【0129】また、A/D変換器5のサンプリング周期
(タイミングパルスTPの周期)Tsを、チョッパ回路
21のチョッピング周期Tcの1/2としたが、これに
限らない。このサンプリング周期Tsは、チョッピング
周期Tcの[{1/2}+m(mは、整数である。)]
倍に相当する時間間隔であればよい。ただし、ここで言
う整数mは、極力小さい値とするのが、好ましい。
【0130】次に、本発明の第3の実施形態について、
図10から図13を参照して説明する。なお、本第3の
実施形態は、本発明のうち、主に請求項3に記載の発明
を具体化したものである。
【0131】図10に、本第3の実施形態の概略構成を
示す。同図に示すように、この第3の実施形態は、上記
第2の実施形態と同様、ロードセル3を直流励磁するも
のである。そして、第2の実施形態におけるチョッパ回
路21に代えて、反転回路31を、設けたものである。
【0132】上記反転回路31は、4つのアナログスイ
ッチAS1乃至AS4を備えており、これらのスイッチ
AS1乃至AS4を一定の周期TaでON/OFFさせ
ることにより、ロードセル3から入力される直流荷重信
号Woを、その極性が正極と負極とに交互に反転する概
略矩形の両極性パルス荷重信号Wobに、変換する。この
反転回路31による極性の反転動作(各スイッチAS1
乃至AS4のON/OFF動作)は、タイミング回路6
から供給される極性制御パルスAPによって制御され
る。なお、タイミング回路6は、パルス発生器1の発生
するクロックパルスCPを基に、上記極性制御パルスA
Pを生成する。これらクロックパルスCPと極性制御パ
ルスAPとの時間的な関係を、図11(a)及び同図
(b)に示す。これらの図に示すように、タイミング回
路6は、上記両極性パルス荷重信号Wobの極性を例えば
正極とする期間(例えばAS1及びAS3がONで、A
S2及びAS4がOFFの期間)と、この両極性パルス
荷重信号Wobの極性を負極とする期間(AS1及びAS
3がOFFで、AS2及びAS4がONの期間)とが、
略同じ長さ(Ta≒Ta)になるように、反転回路3
1を制御する(厳密には、この制御を実現するための反
転制御パルスAPを生成して反転回路31に供給す
る)。
【0133】上記反転回路31による変換後の両極性パ
ルス荷重信号Wobは、前置増幅回路4に入力される。前
置増幅回路4は、この両極性パルス荷重信号Wobを交流
増幅し、この増幅後の信号Vaを、A/D変換器5のア
ナログ入力端子(IN)に入力する。このA/D変換器
5への入力信号Viは、基本的に、次の数22及び数2
3で表される。また、図11(c)に、この入力信号V
iの一例を示す。
【0134】
【数22】Va=Vi=Gw(Wob+Δe)=Gw(k・W
x・A+Δe) ただし、両極性パルス荷重信号Wobの極性が正極である
とき。
【0135】
【数23】Va=Vi=Gw(Wob+Δe)=Gw(−k・
Wx・A+Δe) ただし、両極性パルス荷重信号Wobの極性が負極である
とき。
【0136】A/D変換器5は、上記入力信号Viをデ
ィジタル化する。具体的には、A/D変換器5は、図1
1(d)に示すように、タイミングパルスTPに応じ
て、上記反転回路31の極性反転周期(反転制御パルス
APの周期)Taの1/2に相当する時間Ts(=Ta/
2)間隔で、かつ、上記入力信号Viの立ち上がりと立
ち下がりとの間の時点、例えばこれらの略中間時点にお
いて、当該入力信号Viをサンプリングしてディジタル
化する。これにより、正極の入力信号Viと、負極の入
力信号Viとが、上記時間Ts間隔で、交互にディジタル
化される。
【0137】なお、上記タイミングパルスTPは、タイ
ミング回路6からA/D変換器5のクロック入力端子
(CLK)に入力される。タイミング回路6は、上記ク
ロックパルスCPを基に、このタイミングパルスTPを
生成する。また、A/D変換器5の基準電圧端子(RE
F)には、上記第2の実施形態と同様、励磁信号Eを直
流増幅回路7によって増幅して得た直流信号Veが、基
準信号Vrとして、入力される。
【0138】上記A/D変換器5によってディジタル化
して得たデータVoは、次の数24及び数25で表され
る。
【数24】Vo=Gw(k・Wx・A+Δe)/Vr ただし、入力信号Viの極性が正極であるとき。
【0139】
【数25】Vo=Gw(−k・Wx・A+Δe)/Vr ただし、入力信号Viの極性が負極であるとき。
【0140】そして、このデータVoは、順次、上記第
1の実施形態におけるCPU9と同様の図示しないCP
Uに入力される。CPUは、この順次入力されるデータ
Voに対して、次の数26で表される演算を行い、これ
を最終的な荷重データDとして、導出する。
【0141】
【数26】 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{k・Wx(n)・A+Δe(n)}/Vr−Gw{−k
・Wx(n-1)・A+Δe(n-1)}/Vr| または、 D(n)=|Vo(n)−Vo(n-1)| =|Gw{−k・Wx(n)・A+Δe(n)}/Vr−Gw{k
・Wx(n-1)・A+Δe(n-1)}/Vr|
【0142】ここで、上記反転回路21の極性反転周期
Taが、比較的に短く、厳密には上記荷重Wx及び入力ノ
イズΔeの変動周期に比べて遥かに短いとすると、Wx
(n)=Wx(n-1)とみなせ、従ってΔe(n)≒Δe(n-1)と
みなせるので、上記数26は、次の数27に示すように
なる。
【0143】
【数27】D(n)≒2Gw・k・Wx(n)・A/Vr
【0144】この数27から明らかなように、本第3の
実施形態によれば、上記第1の実施形態と全く同様に、
前置増幅回路4自身が持つ入力ノイズΔeの影響を排除
し、かつ測定対象物の重量を言わば2倍の感度で認識し
たのと等価な荷重データDを得ることができる。なお、
本第3の実施形態においても、この荷重データDを、例
えば移動平均処理する等、適宜ディジタルフィルタリン
グ処理をしてもよい。
【0145】本第3の実施形態によれば、上記第2の実
施形態と全く同様のレシオメトリック作用を期待できる
ことは、言うまでもない。そして、タイミング回路6に
より、クロックパルスCPを基に、反転回路31の極性
反転動作と、A/D変換器5のサンプリングタイミング
とを、制御しているので、常に適切なタイミングで入力
信号Viをディジタル化できることも、上記第2の実施
形態と同様である。なお、本第3の実施形態において
も、図10に点線32で示すように、A/D変換器5の
入力信号Viを上記タイミング回路6に供給し、この入
力信号Viの位相に同期して、上記A/D変換器5のサ
ンプリングタイミングを制御するよう、構成してもよ
い。
【0146】また、A/D変換器5のサンプリング周期
Tsを、反転回路31の極性反転周期Taの1/2とした
が、これに限らない。このサンプリング周期Tsは、上
記極性反転周期Taの[{1/2}+m(mは、整数で
ある。)]倍に相当する時間間隔であればよい。ただ
し、ここで言う整数mは、極力小さい値とするのが、好
ましい。
【0147】ところで、近年、比較的に安価でかつ高分
解能なA/D変換器として、デルタ−シグマ形のもの
が、知られている。よって、例えば上記A/D変換器5
として、このデルタ−シグマ形のものを採用すれば、高
精度な測定装置を低価格で提供できる。しかし、このデ
ルタ−シグマ形のA/D変換器は、その構成上、逐次比
較形等の他の形式のA/D変換器に比べて、変換速度が
遅いため、装置の仕様、特に重量選別機等の所謂動的は
かりの仕様に、十分に対応できない場合がある。そこ
で、デルタ−シグマ形のA/D変換器を採用しながら
も、高速処理を実現するために、例えば図12に示すよ
うな構成を考える。
【0148】同図に示すように、上記A/D変換器5の
他に、これと同規格のA/D変換器5aを、もう1つ別
個に設ける。そして、これら各A/D変換器5、5aと
前置増幅回路4との間に、それぞれサンプルホールド回
路33、33aを設け、これら各サンプルホールド回路
33、33aにより、前置増幅回路4の出力信号Vaを
それぞれサンプルホールドする。そして、これらサンプ
ルホールドした信号を、それぞれ各A/D変換器5、5
aの入力信号Viとする。
【0149】なお、上記各サンプルホールド回路33、
33aのうちの一方33は、タイミング回路6から供給
されるタイミングパルスTPに応じて、例えば前置増
幅回路4の出力信号Vaの極性が正極であるとき(図1
1(c)における期間Ta)の当該出力信号Vaをサン
プルホールドする。そして、他方のサンプルホールド回
路33aは、タイミング回路6から供給されるタイミン
グパルスTPに応じて、前置増幅回路4の出力信号V
aの極性が負極であるとき(図11(c)における期間
Ta)の当該出力信号Vaをサンプルホールドする。た
だし、これら各サンプルホールド回路33、33aは、
内部にローパス・フィルタ等の時定数を有しているの
で、この時定数の影響を回避するために、各A/D変換
器5、5aの各クロック入力端子(CLK)には、それ
ぞれ、遅延回路34、34aにより上記各タイミングパ
ルスTP、TPの位相を遅らせたパルスTP'、
TP 'を入力する。
【0150】即ち、この図12の構成は、前置増幅回路
4の出力信号Vaの極性が正極であるときの当該出力信
号Vaをディジタル化するためのA/D変換器5と、前
置増幅回路4の出力信号Vaの極性が負極であるときの
当該出力信号Vaをディジタル化するためのA/D変換
器5aとを、それぞれ別個に設けたものである。これに
より、各A/D変換器5、5aの負担が軽減されるの
で、当該各A/D変換器5、5aとして、応答性の低い
上記デルタ−シグマ式のものを採用することができる。
【0151】また、上記各A/D変換器5、5aの前段
に、それぞれサンプルホールド回路33、33aを設け
ることによって、これら各A/D変換器5、5aによる
変換処理を、確実なものとしている。なお、サンプルホ
ールド回路33、33aは、例えば図13に示すよう
に、スイッチング素子35、抵抗器36、この抵抗器3
6とローパス・フィルタを形成すると共に畜電器として
も機能するコンデンサ37、及びバッファ増幅器38、
と言う極めて簡単な回路構成で実現できる。
【0152】なお、この図12に示す構成は、主に請求
項12に記載の発明に対応し、特に請求項13に記載の
発明を具体化したものである。この図12における各A
/D変換器5、5aが、それぞれ特許請求の範囲に記載
の第1及び第2の変換手段に対応する。そして、各サン
プルホールド回路33、33aが、それぞれ特許請求の
範囲に記載の第1及び第2のサンプルホールド手段に対
応する。このように請求項12または13に記載の発明
に対応する構成は、本第3の実施形態のみならず、上記
第1及び第2の各実施形態にも、適用できる。
【0153】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、上述し
た特許第3002078号公報に開示された従来技術と
は異なり、当該従来技術における2つのサンプルホール
ド回路や積分機能を有する差動増幅器等を設けることな
く、測定対象物の重量を高感度で測定でき、かつ処理手
段自身が持つ入力ノイズ等誤差信号の影響を排除でき
る。従って、上記サンプルホールド回路や差動増幅器等
の言わば余計な回路を必要としない分、装置の構成を簡
素化できると共に、低コスト化できる、という効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図2】同実施形態における各要部の信号波形を示すタ
イミングチャートである。
【図3】同実施形態における各要部の信号波形を示すタ
イミングチャートで、図2よりも時間軸を短縮して表し
たチャートである。
【図4】同実施形態における各要部の信号波形を示すタ
イミングチャートで、図2とは異なる条件でA/D変換
器を動作させる場合のチャートである。
【図5】同実施形態の別の例を示すブロック図である。
【図6】図5の構成において、A/D変換器を2つ設け
る場合のブロック図である。
【図7】同実施形態の更に別の例を示すブロック図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施形態の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図9】同実施形態における各要部の信号波形を示すタ
イミングチャートである。
【図10】本発明の第3の実施形態の概略構成を示すブ
ロック図である。
【図11】同実施形態における各要部の信号波形を示す
タイミングチャートである。
【図12】同実施形態の別の例を示すブロック図であ
る。
【図13】図12におけるサンプルホールド回路の構成
例を示す図である。
【符号の説明】
1 パルス発生器 2 交流励磁回路 3 ロードセル 4 前置増幅回路 5 A/D変換器 6 タイミング回路 7 CPU

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が一定の交流の励磁信号を出力す
    る励磁手段と、 上記励磁信号が供給され、この励磁信号の大きさと測定
    対象物の重量とに応じた大きさの交流荷重信号を出力す
    る重量センサと、 上記交流荷重信号に所定の処理を施す処理手段と、 この処理手段によって処理した後の前処理済荷重信号を
    ディジタル化するA/D変換手段と、 或る第1の時点における上記前処理済荷重信号を上記A
    /D変換手段によってディジタル化して得た第1のデー
    タと、該第1の時点から上記励磁信号の周期の略[{1
    /2}+m(mは、整数である。)]倍に相当する時間
    だけ離れた第2の時点における上記前処理済荷重信号を
    上記A/D変換手段によってディジタル化して得た第2
    のデータと、の差を求め、この差を基に上記測定対象物
    の重量を表す荷重データを導出する演算手段と、を具備
    する重量測定装置。
  2. 【請求項2】 直流の励磁信号を出力する励磁手段と、 上記励磁信号が供給され、この励磁信号の大きさと測定
    対象物の重量とに応じた大きさの直流荷重信号を出力す
    る重量センサと、 上記直流荷重信号を一定の周期で断続することにより、
    該直流荷重信号を概略矩形の片極性パルス荷重信号に変
    換するチョッパ手段と、 このチョッパ手段による変換前の段階において上記直流
    荷重信号に所定の処理を施し、または該チョッパ手段に
    よる変換後の段階において上記片極性パルス荷重信号に
    所定の処理を施す処理手段と、 上記チョッパ手段及び処理手段による処理後の前処理済
    荷重信号をディジタル化するA/D変換手段と、 或る第1の時点における上記前処理済荷重信号を上記A
    /D変換手段によってディジタル化して得た第1のデー
    タと、該第1の時点から上記チョッパ手段による上記直
    流荷重信号の断続周期の略[{1/2}+m(mは、整
    数である。)]倍に相当する時間だけ離れた第2の時点
    における上記前処理済荷重信号を上記A/D変換手段に
    よってディジタル化して得た第2のデータと、の差を求
    め、この差を基に上記測定対象物の重量を表す荷重デー
    タを導出する演算手段と、を具備する重量測定装置。
  3. 【請求項3】 直流の励磁信号を出力する励磁手段と、 上記励磁信号が供給され、この励磁信号の大きさと測定
    対象物の重量とに応じた大きさの直流荷重信号を出力す
    る重量センサと、 上記直流荷重信号の極性を一定の周期で交互に反転させ
    ることにより、該直流荷重信号を概略矩形の両極性パル
    ス荷重信号に変換する極性反転手段と、 この極性反転手段による変換前の段階において上記直流
    荷重信号に所定の処理を施し、または該極性反転手段に
    よる変換後の段階において上記両極性パルス荷重信号に
    所定の処理を施す処理手段と、 上記極性反転手段及び処理手段による処理後の前処理済
    荷重信号をディジタル化するA/D変換手段と、 或る第1の時点における上記前処理済荷重信号を上記A
    /D変換手段によってディジタル化して得た第1のデー
    タと、該第1の時点から上記極性反転手段による上記極
    性の反転周期の略[{1/2}+m(mは、整数であ
    る。)]倍に相当する時間だけ離れた第2の時点におけ
    る上記前処理済荷重信号を上記A/D変換手段によって
    ディジタル化して得た第2のデータと、の差を求め、こ
    の差を基に上記測定対象物の重量を表す荷重データを導
    出する演算手段と、を具備する重量測定装置。
  4. 【請求項4】 上記A/D変換手段は、上記第1及び第
    2の各時点間の時間間隔に相当する周期で、上記前処理
    済荷重信号を、ディジタル化する状態に構成された、請
    求項1、2または3に記載の重量測定装置。
  5. 【請求項5】 上記励磁信号は、正弦波信号であって、 上記演算手段は、上記励磁信号の或る1周期中におい
    て、上記前処理済荷重信号の大きさが略最大または略最
    小になる時点を、上記第1の時点とする状態に構成され
    た、請求項1に記載の重量測定装置。
  6. 【請求項6】 上記演算手段は、上記チョッパ手段によ
    る上記直流荷重信号の断続周期の或る1周期中におい
    て、上記前処理済荷重信号の大きさが急変する時点以外
    の所定の時点を、上記第1の時点とする状態に構成され
    た、請求項2に記載の重量測定装置。
  7. 【請求項7】 上記演算手段は、上記極性反転手段によ
    る上記極性の反転周期の或る1周期中において、上記前
    処理済荷重信号の大きさが急変する時点以外の所定の時
    点を、上記第1の時点とする状態に構成された、請求項
    3に記載の重量測定装置。
  8. 【請求項8】 上記演算手段は、上記励磁信号、上記交
    流荷重信号及び上記前処理済荷重信号、のいずれかの位
    相に同期して、上記第1及び第2の各時点を定める状態
    に構成された、請求項1に記載の重量測定装置。
  9. 【請求項9】 上記演算手段は、上記チョッパ手段によ
    る上記直流荷重信号の断続動作、上記片極性パルス荷重
    信号の位相及び上記前処理済荷重信号の位相、のいずれ
    かに同期して、上記第1及び第2の各時点を定める状態
    に構成された、請求項2に記載の重量測定装置。
  10. 【請求項10】 上記演算手段は、上記極性反転手段に
    よる上記極性の反転動作、上記両極性パルス荷重信号の
    位相及び上記前処理済荷重信号の位相、のいずれかに同
    期して、上記第1及び第2の各時点を定める状態に構成
    された、請求項3に記載の重量測定装置。
  11. 【請求項11】 上記演算手段は、上記第1及び第2の
    各時点間の時間間隔を、上記重量センサの固有振動数の
    逆数の1/2以下の値に相当する時間間隔とする状態に
    構成された、請求項1、2または3に記載の重量測定装
    置。
  12. 【請求項12】 上記A/D変換手段は、それぞれ個別
    の第1の変換手段と第2の変換手段とから成り、該第1
    の変換手段により上記第1の時点における上記前処理済
    荷重信号をディジタル化することにより上記第1のデー
    タを得、該第2の変換手段により上記第2の時点におけ
    る上記前処理済荷重信号をディジタル化することにより
    上記第2のデータを得る状態に構成され、 上記演算手段は、上記第1及び第2の各変換手段からそ
    れぞれ得られる上記第1及び第2の各データの差を求
    め、この差を基に上記荷重データを導出する状態に構成
    された、請求項1、2または3に記載の重量測定装置。
  13. 【請求項13】 上記第1の時点における上記前処理済
    荷重信号をサンプルホールドする第1のサンプルホール
    ド手段と、上記第2の時点における上記前処理済荷重信
    号をサンプルホールドする第2のサンプルホールド手段
    と、を備え、 上記第1のサンプルホールド手段によりサンプルホール
    ドした信号を上記第1の変換手段によりディジタル化
    し、上記第2のサンプルホールド手段によりサンプルホ
    ールドした信号を上記第2の変換手段によりディジタル
    化する状態に構成された、請求項12に記載の重量測定
    装置。
  14. 【請求項14】 上記A/D変換手段は、基準端子を有
    し、この基準端子に入力される信号の大きさを基準とし
    て、上記前処理済荷重信号をディジタル化するものであ
    って、 上記励磁信号が入力され、この励磁信号の実効値に応じ
    た大きさの直流基準信号を生成する直流基準信号生成手
    段、を設け、 上記A/D変換手段の基準端子に、上記直流基準信号を
    入力する状態に構成された、請求項1に記載の重量測定
    装置。
  15. 【請求項15】 上記A/D変換手段は、基準端子を有
    し、この基準端子に入力される信号の大きさを基準とし
    て、上記前処理済荷重信号をディジタル化するものであ
    って、 このA/D変換手段の基準端子に、上記直流の励磁信号
    を直接または或る一定の処理を施したあと入力する状態
    に構成された、請求項2または3に記載の重量測定装
    置。
  16. 【請求項16】 上記励磁信号が入力され、この励磁信
    号の大きさに応じた大きさの交流基準信号を生成する交
    流基準信号生成手段と、 上記交流基準信号と上記前処理済荷重信号とを上記A/
    D変換手段によって選択的にディジタル化する状態に、
    該A/D変換手段によるディジタル化の対象となる信号
    を選択する信号選択手段と、 を具備し、 上記演算手段は、上記交流基準信号が上記信号選択手段
    によって選択されているとき、或る第3の時点における
    該交流基準信号を上記A/D変換手段によってディジタ
    ル化して得た第3のデータと、該第3の時点から上記励
    磁信号の周期の略[{1/2}+m]倍に相当する時間
    だけ離れた第4の時点における上記交流基準信号を上記
    A/D変換手段によってディジタル化して得た第4のデ
    ータと、の差を求め、この差を基に上記励磁信号の大き
    さを表す励磁基準データを導出し、上記前処理済荷重信
    号が上記信号選択手段によって選択されているとき、上
    記第1及び第2の各データの差を求め、この差を上記励
    磁基準データで除することにより上記荷重データを導出
    する状態に構成された、請求項1に記載の重量測定装
    置。
  17. 【請求項17】 上記励磁信号が入力され、この励磁信
    号の大きさに応じた大きさの交流基準信号を生成する交
    流基準信号生成手段と、 上記A/D変換手段とは別個に設けられ、上記交流基準
    信号をディジタル化する第3の変換手段と、を具備し、 上記演算手段は、上記第1若しくは第2の時点と同一の
    時点または第1及び第2の時点と異なる時点である第3
    の時点における上記交流基準信号を上記第3の変換手段
    によってディジタル化して得た第3のデータと、該第3
    の時点から上記励磁信号の周期の略[{1/2}+m]
    倍に相当する時間だけ離れた第4の時点における上記交
    流基準信号を上記第3の変換手段によってディジタル化
    して得た第4のデータと、の差を求め、この差を基に上
    記励磁信号の大きさを表す励磁基準データを導出すると
    共に、上記第1及び第2の各データの差を求め、この差
    を上記励磁基準データで除することにより上記荷重デー
    タを導出する状態に構成された、請求項1に記載の重量
    測定装置。
  18. 【請求項18】 上記励磁信号は、正弦波信号であっ
    て、 上記演算手段は、上記励磁信号の或る1周期中におい
    て、上記前処理済荷重信号の大きさが略最大または略最
    小になる時点を、上記第3の時点とする状態に構成され
    た、請求項16または17に記載の重量測定装置。
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