JP2002213329A - 始動電動機装置 - Google Patents

始動電動機装置

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JP2002213329A
JP2002213329A JP2001012203A JP2001012203A JP2002213329A JP 2002213329 A JP2002213329 A JP 2002213329A JP 2001012203 A JP2001012203 A JP 2001012203A JP 2001012203 A JP2001012203 A JP 2001012203A JP 2002213329 A JP2002213329 A JP 2002213329A
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JP
Japan
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shift lever
plunger
motor device
contact portion
starting motor
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JP2001012203A
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Inventor
Yoji Nishimura
洋二 西村
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シフトレバーの他端部及び軸方向移動体の当
接部の摩擦を低減させて、長寿命で信頼性の高い始動電
動機装置を得る。 【解決手段】 軸線方向に往復移動可能なプランジャ5
を有する電磁部1のプランジャ5に一端部が係止し、軸
方向移動体3の当接部7に他端部102fが当接するシ
フトレバー102がプランジャ5が移動して回動するこ
とにより、この他端部102fが軸方向移動体3を移動
させてこの軸方向移動体3のピニオン6を機関のリング
ギア30に噛合させ、軸方向移動体3に連結された電動
機4の駆動力を機関に伝達する始動電動機装置であっ
て、シフトレバー102の他端部102fに当接部7を
押圧する方向に穴部40を設け、この穴部40にグリー
スを充填することにより、他端部102f及び当接部7
の間の摩擦を低減して他端部102f及び当接部7の摩
耗を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ピニオンを移動
することによりこのピニオンが機関のリングギアに噛合
し電動機の駆動力を機関に伝達して機関を始動する始動
電動機装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、機関の始動は、電動機の駆動力を
機関のリングギアに伝達させて行う。機関のリングギア
に電動機の駆動力を伝達する手段として、電磁コイルの
電磁吸引力を利用してシフトレバーを移動させてこのシ
フトレバーが当接する軸方向移動体に設けられたピニオ
ンを移動させ、このピニオンを機関のリングギアに噛合
させることにより機関を始動させる方法が用いられる。
この場合、電動機の駆動力は機関が動作してしまうと不
要となるので、電動機の駆動力を機関に伝達するピニオ
ンと機関のリングギアとを切り離す必要があり、この点
でピニオンを移動させるシフトレバーは必要不可欠な構
成要素である。
【0003】図3は始動電動機装置の要部断面図であ
り、図4は図3のピニオンを移動させるシフトレバーの
斜視図である。図3において、始動電動機装置は、軸線
方向に往復移動可能なプランジャ5を有する電磁部1
と、このプランジャ5に一端部が係止し、プランジャ5
の往復移動により回動するシフトレバー2と、このシフ
トレバー2の他端部2fが当接される当接部7及び機関
のリングギア30に噛合するピニオン6を有するととも
にシフトレバー2からの押圧力により軸線方向に往復移
動する軸方向移動体3と、この軸方向移動体3に連結さ
れており、軸方向移動体3に機関の始動の駆動力を与え
る電動機4とを備えている。
【0004】電磁部1は、始動電動機の外枠であるフロ
ントブラケット20に固定されたケース9と、このケー
ス9の内周部に設けられた電磁コイル8と、この電磁コ
イル8の内部に設けられ、通電時に吸引されて軸線方向
に往復移動可能なプランジャ5とを備えている。また、
プランジャ5の先端部にはシフトレバー2の一端部と係
止するための係止部5aが設けられており、シフトレバ
ー2の一端部がプランジャ5とともに移動し得る構造に
なっている。
【0005】シフトレバー2は、図3及び図4に示すよ
うに、フロントブラケット20と一体的に形成された支
持枠を有する支持部材10に挿入されている略半球状に
形成された支点部分2aと、同じくこの支持部材10に
挿入された圧縮コイルばね11に当接している半球面状
に形成されたばね当接部2bと、このばね当接部2bの
反対側に設けられ、フロントブラケット20の内面に当
接して安定状態を保っている湾曲部2cとを有してお
り、プランジャ5の係止部5aに係止されたシフトレバ
ー2の一端部を有する足部2dと、軸方向移動体3の当
接部7に当接するシフトレバー2の他端部2fを有する
二股足部2eとがこの支点部分2aから延びている。こ
の構成により、シフトレバー2はプランジャ5の移動に
伴いシフトレバー2の支点部分2aを基準に回動し、こ
の回動により二股足部2eの他端部2fが移動して他端
部2fに当接する軸方向移動体3のピニオン6を移動さ
せることができる。また、シフトレバー2は電磁コイル
8の磁束のシフトレバー2への漏洩を防止するために樹
脂等の非磁性部材で構成されている。
【0006】軸方向移動体3は、図3に示すように、電
動機のアマチュアシャフト12に連結された一方向クラ
ッチであるオーバランニングクラッチ13と、このオー
バランニングクラッチ13のクラッチインナと一体的に
形成され、機関のリングギア30と噛合可能なピニオン
6と、アマチュアシャフト12に設けられたカラー14
とを有し、このカラー14及びオーバランニングクラッ
チ13のカラー側の面の間でシフトレバー2の他端部2
fに当接される当接部7を形成している。この他端部2
fが移動することにより、他端部2fの一部がカラー1
4あるいはオーバランニングクラッチ13の側面に当接
して、ピニオン6を移動させる。
【0007】また、機関始動の駆動力を与える電動機
は、このアマチュアシャフト12に固着されたアマチュ
ア15と、このアマチュア15と径方向に微少隙間を介
して設けられた界磁鉄心16と、この界磁鉄心16の周
囲に設けられた界磁コイル17と、これら界磁鉄心16
及び界磁コイル17が固着されたヨーク18とを備えて
いる。この電動機はまた、電磁部1の作動でプランジャ
5が吸引されたときに、このプランジャ5が図示しない
電動機通電スイッチをオンすることにより始動するよう
に構成されている。また、ヨーク18と電磁部1のケー
ス9との間にはパッキン19が挿入され、このパッキン
19は電動機の密閉のため及び支持部材10に挿入され
ている圧縮コイルばね11の支持のために支持部材10
に嵌着されている。
【0008】このように構成された始動電動機装置は、
機関を始動させるために以下のような動作を行う。即
ち、図示しない始動用スイッチをオンすると、電磁部1
の電磁コイル8が通電励磁され、プランジャ5が図1で
左方向に吸引される。プランジャ5の係止部5aにはシ
フトレバー2の一端部すなわち足部2dの端部が係合し
ているため、プランジャ5とともに同方向にこの端部も
移動する。この移動に伴い、シフトレバー2は支点部分
2aを支点にシーソ回動し、このシフトレバー2の他端
部2fが当接している軸方向移動体3が機関のリングギ
ア30に向かって移動し、それとともにピニオン6も同
方向に移動する。ピニオン6はこの移動により機関のリ
ングギア30と噛合し、また同時にプランジャ5による
図示しない電動機通電スイッチのオン動作により電動機
の界磁コイル17にも通電される。この通電により、ア
マチュアシャフト12が駆動され、この駆動力は軸方向
移動体3のピニオン6を経て機関のリングギア30に伝
達され、機関始動が行われる。
【0009】しかし、ピニオン6が機関のリングギア3
0に向かって移動するが、これらピニオン6とリングギ
ア30とが完全に噛合しない場合がある。この場合は、
ピニオン6がリングギア30に引っ掛かって完全に移動
しないにもかかわらずプランジャ5は吸引方向に移動す
るため、シフトレバー2に負荷がかかるが、圧縮コイル
ばね11の弾性によりこの異常な負荷を吸収する。この
吸収はシフトレバー2の図1の左方向への移動を意味
し、湾曲部2cがフロントブラケット7から離間し、こ
れに伴いプランジャ5は図示しない電動機通電スイッチ
をオン動作する。このオン動作により、アマチュアシャ
フト12は回転して引っ掛かっていたピニオン6及びリ
ングギア30が完全に噛合し、機関を始動させることが
できる。
【0010】機関始動後、電磁部1への通電が断たれて
プランジャ5及びこのプランジャ5に係止されたシフト
レバー2の一端部が元の位置方向に押圧されることによ
り、シフトレバー2の他端部2fが軸方向移動体3の当
接部7であるカラー14に当接して噛合していたピニオ
ン6及びリングギア30を離脱させる方向にピニオン6
が移動する。プランジャ5が元の位置方向へ移動するこ
とにより、図示しない電動機通電スイッチをオフ状態に
し、電動機への通電を遮断して電動機の駆動を停止させ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の始動
電動機装置では、軸方向移動体3の当接部7であるオー
バランニングクラッチ13の側面あるいはカラー14が
回転している状態でシフトレバー2の他端部2fが当接
してピニオン6を移動させる場合もあるので、このシフ
トレバー2の他端部2f及び軸方向移動体3の当接部7
すなわちオーバランニングクラッチ13の側面又はカラ
ー14が他端部2fに当接する部分がこれらの摩擦によ
り摩耗しやすく、この他端部2fあるいは当接部7が摩
耗することによってさまざまな不具合が生ずる。即ち、
他端部2fのオーバランニングクラッチ13の側面に接
触する部分が摩耗すると、ピニオン6をリングギア30
に完全に噛合する位置に移動させることができなくな
り、噛合障害が発生し、動力伝達不良やピニオン6、リ
ングギア30の破損などの問題を起こす。また、他端部
2fのカラー14に接触する部分が摩耗すると、ピニオ
ン6を十分にリングギア30との離脱位置に移動させる
ことができなくなり、機関動作中でもピニオン6とリン
グギア30とが噛合するという問題もあった。
【0012】そこでこの発明は、上記のような問題点を
解決することを課題とするもので、シフトレバーの他端
部及び軸方向移動体の当接部の摩耗を低減させて、寿命
を長くするとともに信頼性の高い始動電動機装置を得る
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る始動電動
機装置は、電磁コイルにより往復移動可能なプランジャ
を有する電磁部と、前記プランジャに一端部が係止し、
前記プランジャの往復移動により回動するシフトレバー
と、前記シフトレバーの他端部が当接される当接部及び
機関のリングギアに噛合するとともに前記シフトレバー
からの押圧力により軸線方向に往復移動するピニオンを
有する軸方向移動体と、前記軸方向移動体に連結されて
おり、前記軸方向移動体に前記機関の始動の駆動力を与
える電動機とを備えた始動電動機装置であって、前記他
端部及び前記当接部の少なくとも一方に前記他端部と前
記当接部との間の摩擦を低減する滑動手段が設けられた
ものである。
【0014】また、前記滑動手段は、前記他端部に設け
られた穴部に充填された滑動材であるものである。
【0015】また、前記穴部は、前記他端部が前記当接
部を押圧する方向に延びて形成されたものである。
【0016】また、前記滑動材は、液体滑動剤であるも
のである。
【0017】また、前記液体滑動剤は、グリースである
ものである。
【0018】また、前記滑動材は、固体滑動剤であるも
のである。
【0019】また、前記固体滑動剤は、モリブデンであ
るものである。
【0020】また、前記滑動手段は、前記他端部及び前
記当接部が互いに当接する面の少なくとも一方に被覆さ
れた滑動性部材であるものである。
【0021】また、前記滑動性部材は、ポリアミドであ
るものである。
【0022】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの実施の
形態1に係る始動電動機装置の要部断面図であり、図2
は図1のシフトレバーの形状を示す図で、図2(a)は
正面図、図2(b)は側面図である。図1において、始
動電動機装置は、軸線方向に往復移動可能なプランジャ
5を有する電磁部1と、このプランジャ5に一端部が係
止し、プランジャ5の往復移動により回動するシフトレ
バー102と、このシフトレバー102の他端部102
fが当接される当接部7及び機関のリングギア30に噛
合するピニオン6を有するとともにシフトレバー102
からの押圧力により軸線方向に往復移動する軸方向移動
体3と、この軸方向移動体3に連結されており、軸方向
移動体3に機関の始動の駆動力を与える電動機4とを備
えている。
【0023】電磁部1は、始動電動機の外枠であるフロ
ントブラケット20に固定されたケース9と、このケー
ス9の内周部に設けられた電磁コイル8と、この電磁コ
イル8の内部に設けられ、通電時に吸引されて軸線方向
に往復移動可能なプランジャ5とを備えている。また、
プランジャ5の先端部にはシフトレバー102の一端部
と係止するための係止部5aが設けられており、シフト
レバー102の一端部がプランジャ5とともに移動し得
る構造になっている。
【0024】シフトレバー102は、図1及び図2に示
すように、フロントブラケット20と一体的に形成され
た支持枠を有する支持部材10に挿入されている略半球
状に形成された支点部分102aと、同じくこの支持部
材10に挿入された圧縮コイルばね11に当接している
半球面状に形成されたばね当接部102bと、このばね
当接部102bの反対側に設けられ、フロントブラケッ
ト20の内面に当接して安定状態を保っている湾曲部1
02cとを有しており、プランジャ5の係止部5aに係
止されたシフトレバー102の一端部を有する足部10
2dと、軸方向移動体3の当接部7に当接するシフトレ
バー102の他端部102fを有する二股足部102e
とがこの支点部分102aから延びている。この構成に
より、シフトレバー102はプランジャ5の移動に伴い
シフトレバー102の支点部分102aを支点に回動
し、この回動により二股足部102eの他端部102f
が移動して他端部102fに当接する軸方向移動体3の
ピニオン6を移動させることができる。また、他端部1
02fにはこの他端部102fが軸方向移動体3の当接
部7に当接して押圧する方向に穴部40が設けられてお
り、この穴部40に液体滑動剤であるグリースが充填さ
れている。従って、この充填されたグリースが少しずつ
他端部102f及び軸方向移動体3の当接部7の間に介
在し、これらの間の摩擦を低減することができる。ま
た、毛管現象により穴部40にグリースが保持されるた
めグリースが穴部40から流れ出てしまうことはなく、
長期に渡って摩擦低減の効果を奏する。さらに、シフト
レバー102は電磁コイル8の磁束のシフトレバー10
2への漏洩を防止するために樹脂等の非磁性部材で構成
されている。
【0025】軸方向移動体3は、図1に示すように、電
動機のアマチュアシャフト12に連結された一方向クラ
ッチであるオーバランニングクラッチ13と、このオー
バランニングクラッチ13のクラッチインナと一体的に
形成され、機関のリングギア30と噛合可能なピニオン
6と、アマチュアシャフト12に設けられたカラー14
とを有し、このカラー14及びオーバランニングクラッ
チ13のカラー側の面の間でシフトレバー102の他端
部102fに当接される当接部7を形成している。この
他端部102fが移動することにより、他端部の一部が
カラー14あるいはオーバランニングクラッチ13の側
面に当接して、ピニオン6を移動させる。
【0026】また、機関始動の駆動力を与える電動機
は、このアマチュアシャフト12に固着されたアマチュ
ア15と、このアマチュア15と径方向に微少隙間を介
して設けられた界磁鉄心16と、この界磁鉄心16の周
囲に設けられた界磁コイル17と、これら界磁鉄心16
及び界磁コイル17が固着されたヨーク18とを備えて
いる。この電動機はまた、電磁部1の作動でプランジャ
5が吸引されたときに、このプランジャ5が図示しない
電動機通電スイッチをオンすることにより始動するよう
に構成されている。また、ヨーク18と電磁部1のケー
ス9との間にはパッキン19が挿入され、このパッキン
19は電動機の密閉のため及び支持部材10に挿入され
ている圧縮コイルばね11の支持のために支持部材10
に嵌着されている。
【0027】このように構成された始動電動機装置は、
機関を始動させるために以下のような動作を行う。即
ち、図示しない始動用スイッチをオンすると、電磁部1
の電磁コイル8が通電励磁され、プランジャ5が図1で
左方向に吸引される。プランジャ5の係止部5aにはシ
フトレバー102の一端部すなわち足部102dの端部
が係合しているため、プランジャ5とともに同方向にこ
の端部も移動する。この移動に伴い、シフトレバー10
2は支点部分102aを支点にシーソ回動し、このシフ
トレバー102の他端部102fが当接している軸方向
移動体3が機関のリングギア30に向かって移動し、そ
れとともにピニオン6も同方向に移動する。ピニオン6
はこの移動により機関のリングギア30と噛合し、また
同時にプランジャ5による図示しない電動機通電スイッ
チのオン動作により電動機の界磁コイル17にも通電さ
れる。この通電により、アマチュアシャフト12が駆動
され、この駆動力は軸方向移動体3のピニオン6を経て
機関のリングギア30に伝達され、機関始動が行われ
る。この時、シフトレバー102の他端部102fは回
転する軸方向移動体3の当接部7であるオーバランニン
グクラッチ13の側面に当接した状態になり、この当接
した他端部102fがオーバランニングスイッチ13の
側面を摺動するようになる。この他端部102fの当接
した面には穴部40が設けられており、この穴部40に
充填されたグリースがこの摺動に伴って少しずつオーバ
ランニングクラッチ13の側面及び他端部102fの当
接面の間に介在するようになる。これにより、他端部1
02f及びオーバランニングクラッチ13の側面の間の
摩擦は低減し、円滑に摺動するようになる。
【0028】ピニオン6が機関のリングギア30に向か
って移動するが、これらピニオン6とリングギア30と
が完全に噛合しない場合がある。この場合は、ピニオン
6がリングギア30に引っ掛かって完全に移動しないに
もかかわらずプランジャ5は吸引方向に移動するため、
シフトレバー102に負荷がかかるが、圧縮コイルばね
11の弾性によりこの異常な負荷を吸収する。この吸収
はシフトレバー102の図1の左方向への移動を意味
し、湾曲部102cがフロントブラケット20から離間
し、これに伴いプランジャ5は図示しない電動機通電ス
イッチをオン動作する。このオン動作により、アマチュ
アシャフト12は回転して引っ掛かっていたピニオン6
及びリングギア30が完全に噛合し、機関を始動させる
ことができる。
【0029】機関始動後、電磁部1への通電が断たれて
プランジャ5及びこのプランジャ5に係止されたシフト
レバー102の一端部が元の位置方向に押圧されること
により、シフトレバー102の他端部102fが軸方向
移動体3の当接部7であるカラー14に当接して噛合し
ていたピニオン6及びリングギア30を離脱させる方向
にピニオン6が移動する。この時、ピニオン6がリング
ギア30の方向に移動するときと同様に、他端部102
fが回転する当接部7であるカラー14に当接して摺動
する。他端部102fのカラー14に当接した面には穴
部40が設けられ、この穴部40にグリースが充填され
ているので、同様に他端部102fの摺動に伴ってカラ
ー14と他端部102fとの間に少しずつグリースが介
在し、これらの摩擦を低減し円滑に摺動することができ
る。その後、プランジャ5が元の位置方向へ移動するこ
とにより、図示しない電動機通電スイッチをオフ状態に
し、電動機への通電を遮断して電動機の駆動を停止させ
る。
【0030】このように構成された電動機装置は、シフ
トレバー102の他端部102fが軸方向移動体3の当
接部7に当接して摺動する際、常にこれら他端部102
f及び当接部7の間にグリースが介在し摩擦を低減して
いるので、円滑な動作を実現でき、他端部102f及び
当接部7の摩耗を抑えることができる。また、穴部40
に充填されたグリースは毛管現象による保持機能により
流れ出ることはないので、長期間に渡って円滑な動作を
保つことができ、他端部102f及び当接部7の摩耗を
抑えることができる。さらに、他端部102fが当接部
7を押圧する方向に穴部40が設けられているので、万
が一他端部102fが当接部7に当接する面が摩耗した
ときでも、グリースによる滑動効果が損なわれることな
く、常に穴部40が当接部7に当接し安定的に他端部1
02fは円滑な摺動を行うことができる。
【0031】なお、他端部102fと当接部7との間の
摩擦を低減させるグリースは、液体で滑動作用のあるオ
イル等であってもよい。
【0032】また、穴部40には滑動作用のある固体滑
動剤であるモリブデンやカーボン等を粉状あるいは固形
状にして充填してもよく、このときにはモリブデンやカ
ーボン等が直接当接部7に当接することにより、あるい
は他端部102fが当接部7を摺動して当接部7に付着
したモリブデンやカーボン等が他端部102fに当接す
ることにより、他端部102f及び当接部7の摩耗を低
減する。
【0033】実施の形態2.実施の形態2に係る始動電
動機装置は、シフトレバー102の他端部102fが軸
方向移動体3の当接部7に当接する面に滑動性部材(例
えば、ポリアミド等)が被覆されており、他の構成及び
動作は実施の形態1と同様である。
【0034】この構成によれば、他端部102fに被覆
された滑動性部材(例えば、ポリアミド等)が直接当接
部7に当接するので、他端部102fが当接部7を摺動
するときに発生する摩擦が低減され、さらに穴部40に
充填されたグリース等の液体滑動剤あるいはモリブデン
等の固体滑動剤がこの滑動性部材(例えば、ポリアミド
等)と当接部7との間の摩擦をより一層低減し、この滑
動性部材(例えば、ポリアミド等)及び当接部7の摩耗
を低減する。
【0035】なお、他端部102fに滑動性部材が被覆
されていれば他端部102fの摺動は円滑に行え、摩耗
も小さくなるので、シフトレバー102の他端部102
fにグリースやモリブデン等が充填された穴部40が設
けられていなくてもよい。
【0036】また、滑動性部材(例えば、ポリアミド
等)は、当接部7側に被覆、即ちカラー14及びオーバ
ランニングクラッチ13の側面の他端部102fが当接
して摺動する部分に被覆されてもよいし、他端部102
f及び当接部7の両方に被覆されてもよい。従って、他
端部102fのカラー14側及びカラー14の摺動面の
どちらか一方と他端部102fのオーバランニングクラ
ッチ13側及びオーバランニングクラッチ13の摺動面
のどちらか一方とが滑動性部材(例えば、ポリアミド
等)で被覆されていれば、他端部102fは円滑に摺動
し他端部102f及び当接部7の摩耗が低減するのでよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、この発明
によれば、電磁コイルにより往復移動可能なプランジャ
を有する電磁部と、前記プランジャに一端部が係止し、
前記プランジャの往復移動により回動するシフトレバー
と、前記シフトレバーの他端部が当接される当接部及び
機関のリングギアに噛合するとともに前記シフトレバー
からの押圧力により軸線方向に往復移動するピニオンを
有する軸方向移動体と、前記軸方向移動体に連結されて
おり、前記軸方向移動体に前記機関の始動の駆動力を与
える電動機とを備えた始動電動機装置であって、前記他
端部及び前記当接部の少なくとも一方に前記他端部と前
記当接部との間の摩擦を低減する滑動手段が設けられた
ので、前記他端部及び前記当接部の摩耗を低減して、こ
の摩耗による動作の不具合を除去でき、長寿命で信頼性
の高い始動電動機装置を得ることができる。
【0038】また、前記滑動手段は、前記他端部に設け
られた穴部に充填された滑動材であるので、前記滑動材
が前記他端部及び前記当接部の間に介在して前記他端部
と前記当接部との間の摩擦を低減する始動電動機装置を
得ることができる。
【0039】また、前記穴部は、前記他端部が前記当接
部を押圧する方向に延びて形成されたので、万が一前記
他端部が前記当接部との摩擦により摩耗したときでも、
前記他端部及び前記当接部の間の摩擦を低減する効果を
維持する始動電動機装置を得ることができる。
【0040】また、前記滑動材は、液体滑動剤であるの
で、前記穴部に毛管現象により保持され、前記他端部及
び前記当接部の間の摩擦低減の効果を維持する始動電動
機装置を得ることができる。
【0041】また、前記液体滑動剤は、グリースである
ので、入手が容易で、長期に渡って前記他端部及び前記
当接部の間の摩擦低減の効果を維持する始動電動機装置
を得ることができる。
【0042】また、前記滑動材は、固体滑動剤であるの
で、前記穴部に充填固着され、直接前記当接部に当接し
て前記他端部及び前記当接部の間の摩擦を低減し、この
摩擦低減効果を維持する始動電動機装置を得ることがで
きる。
【0043】また、前記固体滑動剤は、モリブデンであ
るので、入手が容易で、前記他端部及び前記当接部の間
の摩擦を低減する効果が大きい始動電動機装置を得るこ
とができる。
【0044】また、前記滑動手段は、前記他端部及び前
記当接部が互いに当接する面の少なくとも一方に被覆さ
れた滑動性部材であるので、製作が容易で、しかも前記
滑動性部材が前記他端部及び前記当接部の間に常に介在
し、前記他端部と前記当接部との間の摩擦を低減する始
動電動機装置を得ることができる。
【0045】また、前記滑動性部材は、ポリアミドであ
るので、入手が容易で、前記他端部及び前記当接部の間
の摩擦を低減し、かつ、摩耗を低減する始動電動機装置
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る始動電動機装
置の要部断面図である。
【図2】 図1のシフトレバーの形状を示す図であり、
図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。
【図3】 従来の始動電動機装置の要部断面図である。
【図4】 図3のシフトレバーの斜視図である。
【符号の説明】
1 電磁部、2,102 シフトレバー、3 軸方向移
動体、4 電動機、5プランジャ、6 ピニオン、7
当接部、8 電磁コイル、2f、102f他端部(シフ
トレバー)、30 リングギア(機関側)、40 穴
部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルにより往復移動可能なプラン
    ジャを有する電磁部と、前記プランジャに一端部が係止
    し、前記プランジャの往復移動により回動するシフトレ
    バーと、前記シフトレバーの他端部が当接される当接部
    及び機関のリングギアに噛合するとともに前記シフトレ
    バーからの押圧力により軸線方向に往復移動するピニオ
    ンを有する軸方向移動体と、前記軸方向移動体に連結さ
    れており、前記軸方向移動体に前記機関の始動の駆動力
    を与える電動機とを備えた始動電動機装置であって、 前記他端部及び前記当接部の少なくとも一方に前記他端
    部と前記当接部との間の摩擦を低減する滑動手段が設け
    られたことを特徴とする始動電動機装置。
  2. 【請求項2】 前記滑動手段は、前記他端部に設けられ
    た穴部に充填された滑動材であることを特徴とする請求
    項1に記載の始動電動機装置。
  3. 【請求項3】 前記穴部は、前記他端部が前記当接部を
    押圧する方向に延びて形成されたことを特徴とする請求
    項2に記載の始動電動機装置。
  4. 【請求項4】 前記滑動材は、液体滑動剤であることを
    特徴とする請求項2又は請求項3に記載の始動電動機装
    置。
  5. 【請求項5】 前記液体滑動剤は、グリースであること
    を特徴とする請求項4に記載の始動電動機装置。
  6. 【請求項6】 前記滑動材は、固体滑動剤であることを
    特徴とする請求項2又は請求項3に記載の始動電動機装
    置。
  7. 【請求項7】 前記固体滑動剤は、モリブデンであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の始動電動機装置。
  8. 【請求項8】 前記滑動手段は、前記他端部及び前記当
    接部が互いに当接する面の少なくとも一方に被覆された
    滑動性部材であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    7の何れかに記載の始動電動機装置。
  9. 【請求項9】 前記滑動性部材は、ポリアミドであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の始動電動機装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7654163B2 (en) 2005-09-26 2010-02-02 Denso Corporation Starter for vehicle engine
US7980150B2 (en) 2006-11-01 2011-07-19 Denso Corporation Engine starter having shift lever with lubricant-blocking wall

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