JP2002212375A - 透明且つ耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹脂組成物 - Google Patents
透明且つ耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹脂組成物Info
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- JP2002212375A JP2002212375A JP2001005234A JP2001005234A JP2002212375A JP 2002212375 A JP2002212375 A JP 2002212375A JP 2001005234 A JP2001005234 A JP 2001005234A JP 2001005234 A JP2001005234 A JP 2001005234A JP 2002212375 A JP2002212375 A JP 2002212375A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 透明、耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹
脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)(a1)ジエン単量体50〜100部、
(a2)ビニル単量体50〜0部、(a3)その他0〜3部を重
合してなる粒子径500〜3000Åのゴム粒子100
部に対して酸含有共重合体0.1〜15重量部を加えて
凝集肥大させた粒径3500〜20000Åのゴム粒子
40〜85部に(a4)ビニル単量体60〜15部(ゴムと
の合計が100部)を重合させてなるグラフト体5〜4
0%と、(B)(b1)芳香族ビニル30〜100部及び(b2)
メタクリレート70〜0部及び(b3)その他0〜20部を
重合せしめてなるゴム含有アクリル芳香族系樹脂95〜
60重量%よりなる組成物。
脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)(a1)ジエン単量体50〜100部、
(a2)ビニル単量体50〜0部、(a3)その他0〜3部を重
合してなる粒子径500〜3000Åのゴム粒子100
部に対して酸含有共重合体0.1〜15重量部を加えて
凝集肥大させた粒径3500〜20000Åのゴム粒子
40〜85部に(a4)ビニル単量体60〜15部(ゴムと
の合計が100部)を重合させてなるグラフト体5〜4
0%と、(B)(b1)芳香族ビニル30〜100部及び(b2)
メタクリレート70〜0部及び(b3)その他0〜20部を
重合せしめてなるゴム含有アクリル芳香族系樹脂95〜
60重量%よりなる組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゴム含有アクリル芳
香族系樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しく
は、アクリル芳香族系樹脂の持つ、透明性を損なうこと
なく、耐衝撃強性を付与してなる、強度、透明性、加工
性バランスの優れた樹脂組成物に関するものである。利
用分野としては、強度、透明性が要求される分野での使
用が可能である。例えば、照明カバー、各種透明容器、
医療用器具など、様々な用途に適する。
香族系樹脂組成物に関するものであり、さらに詳しく
は、アクリル芳香族系樹脂の持つ、透明性を損なうこと
なく、耐衝撃強性を付与してなる、強度、透明性、加工
性バランスの優れた樹脂組成物に関するものである。利
用分野としては、強度、透明性が要求される分野での使
用が可能である。例えば、照明カバー、各種透明容器、
医療用器具など、様々な用途に適する。
【0002】
【従来の技術】アクリル芳香族系樹脂としては、各種組
成のものが市販されている。しかし、強度面では市場要
求に対して十分でないのが一般的である。その為、各種
の方法で耐衝撃強度を向上させる手段が講じられる。例
えば特開昭52−8095、特公昭55−7849、に
見られる様にゴムを樹脂構成のモノマーに溶解して塊状
重合、又は、懸濁重合させることにより耐衝撃性を上げ
る方法が取られる場合があるが、その際、ゴムのモノマ
ーに対する溶解度に限度があることよりゴム量に制約が
あり、その為、強度発現が十分ではない。又特公平5−
74617はゴム含有アクリル芳香族系重合体と衝撃強
度強化剤としてのグラフト共重合体との組成物を開示し
ているが、グラフト共重合体のゴムが通常の酸肥大で粒
径肥大したものであり、粒径があまり大きくならず組成
物の衝撃強度にも限界がある。そこで、基材樹脂の長所
を損なう事なく、耐衝撃強度を付与することができれば
さらに多用途に使用される事が期待される。そこで、鋭
意検討の結果、本発明に至ったのである。
成のものが市販されている。しかし、強度面では市場要
求に対して十分でないのが一般的である。その為、各種
の方法で耐衝撃強度を向上させる手段が講じられる。例
えば特開昭52−8095、特公昭55−7849、に
見られる様にゴムを樹脂構成のモノマーに溶解して塊状
重合、又は、懸濁重合させることにより耐衝撃性を上げ
る方法が取られる場合があるが、その際、ゴムのモノマ
ーに対する溶解度に限度があることよりゴム量に制約が
あり、その為、強度発現が十分ではない。又特公平5−
74617はゴム含有アクリル芳香族系重合体と衝撃強
度強化剤としてのグラフト共重合体との組成物を開示し
ているが、グラフト共重合体のゴムが通常の酸肥大で粒
径肥大したものであり、粒径があまり大きくならず組成
物の衝撃強度にも限界がある。そこで、基材樹脂の長所
を損なう事なく、耐衝撃強度を付与することができれば
さらに多用途に使用される事が期待される。そこで、鋭
意検討の結果、本発明に至ったのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な状
況から、アクリル芳香族系樹脂の持つ剛性、透明性を損
なうことなく耐衝撃強度を付与してなる耐衝撃性アクリ
ル芳香族系樹脂組成物を提供する事を目的とする。
況から、アクリル芳香族系樹脂の持つ剛性、透明性を損
なうことなく耐衝撃強度を付与してなる耐衝撃性アクリ
ル芳香族系樹脂組成物を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(A)
(a1)共役ジエン系単量体50〜100重量%、(a2)共役
ジエン系単量体と共重合可能ビニル系単量体50〜0重
量%、(a3)架橋性単量体0〜3重量%および(a4)連鎖移
動剤0〜3重量%を乳化重合して得られる平均粒子径5
00〜3000Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子10
0重量部(固形分)に対して、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸又はクロトン酸5〜25重量%、アルキ
ル基の炭素数1〜12のアルキルアクリレート5〜30
重量%、アルキル基の炭素数1〜12のアルキルメタク
リレート20〜80重量%、及びこれらと共重合可能な
ビニル系不飽和結合を有する単量体0〜40重量%から
なる単量体混合物(合わせて100重量%)を重合させ
てなる酸基含有重合体のラテックス0.1〜15重量部
(固形分)を加えて凝集肥大させて得られる平均粒径3
500〜20000Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子
40〜85重量部の存在下に(a5)ビニル単量体60〜1
5重量部(ジエン系ゴム粒子とビニル系単量体の合計が
100重量部)を重合させて得られるグラフト共重合体
5〜40重量%と、(B)ジエン系ゴム、又は、アクリ
ル系ゴム1〜15重量部の存在下に(b1)芳香族ビニル単
量体30〜100重量部、(b2)メタクリル酸エステル7
0〜0重量部及び(b3)それらと共重合可能なビニル系単
量体0〜20重量部[(b1)、(b2)及び(b3)の合計100
重量部]を重合して得られるゴム含有アクリル芳香族系
重合体95〜60重量%よりなる樹脂組成物(請求項
1)、ジエン系ゴムが共役ジエン系単量体とこれと共重
合可能なビニル系単量体を共重合して得られ、ジエン系
ゴムを構成するジエン単量体と共重合されるビニル系単
量体を重合せしめるに際し、ジエン単量体、又は、高濃
度のジエン単量体を含有する層を有するジエン系ゴム粒
子である請求項1記載の樹脂組成物(請求項2)、ラテ
ックス状酸基含有共重合体がその重合の際、酸基含有ラ
テックス調製に使用する単量体全量の重合転化率5〜9
0重量%において不飽和酸を後段よりも低含量になる様
な組成比率で重合させ、その後、重合転化率95〜10
重量%において不飽和酸を前段よりも高含量になるよう
な組成比率で重合させて調製したものであ請求項1又は
2記載の樹脂組成物(請求項3)、およびグラフト共重
合体(A)とゴム含有アクリル・芳香族系重合体(B)
の屈折率の差が0.003以下である請求項1、2又は
3項記載の樹脂組成物(請求項4)に関する。
(a1)共役ジエン系単量体50〜100重量%、(a2)共役
ジエン系単量体と共重合可能ビニル系単量体50〜0重
量%、(a3)架橋性単量体0〜3重量%および(a4)連鎖移
動剤0〜3重量%を乳化重合して得られる平均粒子径5
00〜3000Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子10
0重量部(固形分)に対して、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸又はクロトン酸5〜25重量%、アルキ
ル基の炭素数1〜12のアルキルアクリレート5〜30
重量%、アルキル基の炭素数1〜12のアルキルメタク
リレート20〜80重量%、及びこれらと共重合可能な
ビニル系不飽和結合を有する単量体0〜40重量%から
なる単量体混合物(合わせて100重量%)を重合させ
てなる酸基含有重合体のラテックス0.1〜15重量部
(固形分)を加えて凝集肥大させて得られる平均粒径3
500〜20000Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子
40〜85重量部の存在下に(a5)ビニル単量体60〜1
5重量部(ジエン系ゴム粒子とビニル系単量体の合計が
100重量部)を重合させて得られるグラフト共重合体
5〜40重量%と、(B)ジエン系ゴム、又は、アクリ
ル系ゴム1〜15重量部の存在下に(b1)芳香族ビニル単
量体30〜100重量部、(b2)メタクリル酸エステル7
0〜0重量部及び(b3)それらと共重合可能なビニル系単
量体0〜20重量部[(b1)、(b2)及び(b3)の合計100
重量部]を重合して得られるゴム含有アクリル芳香族系
重合体95〜60重量%よりなる樹脂組成物(請求項
1)、ジエン系ゴムが共役ジエン系単量体とこれと共重
合可能なビニル系単量体を共重合して得られ、ジエン系
ゴムを構成するジエン単量体と共重合されるビニル系単
量体を重合せしめるに際し、ジエン単量体、又は、高濃
度のジエン単量体を含有する層を有するジエン系ゴム粒
子である請求項1記載の樹脂組成物(請求項2)、ラテ
ックス状酸基含有共重合体がその重合の際、酸基含有ラ
テックス調製に使用する単量体全量の重合転化率5〜9
0重量%において不飽和酸を後段よりも低含量になる様
な組成比率で重合させ、その後、重合転化率95〜10
重量%において不飽和酸を前段よりも高含量になるよう
な組成比率で重合させて調製したものであ請求項1又は
2記載の樹脂組成物(請求項3)、およびグラフト共重
合体(A)とゴム含有アクリル・芳香族系重合体(B)
の屈折率の差が0.003以下である請求項1、2又は
3項記載の樹脂組成物(請求項4)に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細な説明を記
す。本発明に使用されるジエン系ゴムとしては共役ジエ
ン系単量体50〜100重量%、共重合可能ビニル単量
体0〜50重量%、架橋性単量体0〜3重量%および連
鎖移動剤0〜3重量%を加えて共重合させたものであ
る。共役ジエン系単量体の代表的なものはブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等の各種ブタジエン置換体が
ある。又、共重合可能ビニル単量体としては、芳香環を
有するビニル単量体、例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、αーメチルスチレン等があり、又、メタクリル酸エ
ステル化合物、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等、又、アクリル酸エステル単量体、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル等、又、シアン化ビニルも有効であり、例
えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙
げられる。これらは単独または2つ以上組合せて使用す
ることができる。透明性が要求される分野では、該ジエ
ン系ゴムの存在下にビニル単量体を重合して得られるグ
ラフト共重合体の屈折率が対象としているゴム含有アク
リル芳香族系樹脂の屈折率に合せる必要があるが、対象
となるアクリル芳香族系樹脂によっては屈折率が高くて
使用するジエン系ゴムの屈折率をマトリックスの値に調
整しようとすると、例えば屈折率の高い芳香環を有する
ビニル単量体の使用が必要になるが、それら単量体の含
有比率が高くなり、ジエン系ゴムのガラス転移温度が高
くなってゴムとしての機能が低下する場合がある。その
様な場合には、ジエン系ゴムの調製に於いてゴムを構成
するジエン系単量体と共重合されるビニル単量体の重合
に際し、高濃度のジエン系成分を有する層を含有する様
にジエン系ゴムを多段で重合する事が有利である。例え
ば、ジエン系単量体と共重合される単量体を分離して重
合し、先ず、ジエン系単量体又は高濃度のジエン単量体
を含む系を重合し、その存在下に残りの単量体を重合し
てガラス転移点の低い層を有するゴムを調製し、その後
に酸基含有共重合体ラテックスで肥大させて肥大ジエン
系ゴム粒子を得るのである。又、前述の重合順序とは逆
の順序で実施する系も有効である。これら使用されるジ
エン系ゴムは通常の乳化重合により得る事が有利であり
粒子径は500〜3000Åが実用的である。平均粒径
が500Å以下のものは通常の乳化重合では安定的に得
ることが難しいために現実的でなく、平均粒径が300
0Å以上のものは、重合時間が長くかかる為に生産性に
大きな問題を持つ。次に、この様なジエン系ゴムの調製
に使用可能な架橋性単量体としては分子中に2つ以上の
重合性官能基を有する化合物例えばメタクリル酸アリ
ル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル等が挙げられ
る。また使用可能な連鎖移動剤としてはnードデシルメ
ルカプタン、tードデシルメルカプタン等が挙げられ
る。これらは必要に応じて使用されるが、いずれも0〜
3重量部で使用されることが望ましく、3重量部を超え
ると最終生成物の耐衝撃性が低下するためにふさわしく
ない。
す。本発明に使用されるジエン系ゴムとしては共役ジエ
ン系単量体50〜100重量%、共重合可能ビニル単量
体0〜50重量%、架橋性単量体0〜3重量%および連
鎖移動剤0〜3重量%を加えて共重合させたものであ
る。共役ジエン系単量体の代表的なものはブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等の各種ブタジエン置換体が
ある。又、共重合可能ビニル単量体としては、芳香環を
有するビニル単量体、例えばスチレン、ビニルトルエ
ン、αーメチルスチレン等があり、又、メタクリル酸エ
ステル化合物、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等、又、アクリル酸エステル単量体、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル等、又、シアン化ビニルも有効であり、例
えばアクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどが挙
げられる。これらは単独または2つ以上組合せて使用す
ることができる。透明性が要求される分野では、該ジエ
ン系ゴムの存在下にビニル単量体を重合して得られるグ
ラフト共重合体の屈折率が対象としているゴム含有アク
リル芳香族系樹脂の屈折率に合せる必要があるが、対象
となるアクリル芳香族系樹脂によっては屈折率が高くて
使用するジエン系ゴムの屈折率をマトリックスの値に調
整しようとすると、例えば屈折率の高い芳香環を有する
ビニル単量体の使用が必要になるが、それら単量体の含
有比率が高くなり、ジエン系ゴムのガラス転移温度が高
くなってゴムとしての機能が低下する場合がある。その
様な場合には、ジエン系ゴムの調製に於いてゴムを構成
するジエン系単量体と共重合されるビニル単量体の重合
に際し、高濃度のジエン系成分を有する層を含有する様
にジエン系ゴムを多段で重合する事が有利である。例え
ば、ジエン系単量体と共重合される単量体を分離して重
合し、先ず、ジエン系単量体又は高濃度のジエン単量体
を含む系を重合し、その存在下に残りの単量体を重合し
てガラス転移点の低い層を有するゴムを調製し、その後
に酸基含有共重合体ラテックスで肥大させて肥大ジエン
系ゴム粒子を得るのである。又、前述の重合順序とは逆
の順序で実施する系も有効である。これら使用されるジ
エン系ゴムは通常の乳化重合により得る事が有利であり
粒子径は500〜3000Åが実用的である。平均粒径
が500Å以下のものは通常の乳化重合では安定的に得
ることが難しいために現実的でなく、平均粒径が300
0Å以上のものは、重合時間が長くかかる為に生産性に
大きな問題を持つ。次に、この様なジエン系ゴムの調製
に使用可能な架橋性単量体としては分子中に2つ以上の
重合性官能基を有する化合物例えばメタクリル酸アリ
ル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル等が挙げられ
る。また使用可能な連鎖移動剤としてはnードデシルメ
ルカプタン、tードデシルメルカプタン等が挙げられ
る。これらは必要に応じて使用されるが、いずれも0〜
3重量部で使用されることが望ましく、3重量部を超え
ると最終生成物の耐衝撃性が低下するためにふさわしく
ない。
【0006】酸基含有共重合体ラテックスを用いる肥大
法に付いては、特開昭56−166217、特開昭58
−61102、特開平8−59704、特開平8−15
7502等報告されている。しかし鋭意検討の結果、酸
基含有共重合体としはアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸のうちから選ばれる少なくとも1種
の不飽和酸5〜25重量%、アルキル基の炭素数が1〜
12の少なくとも1種のアルキルアクリレート5〜30
重量%、アルキル基の炭素数が1〜12の少なくとも1
種のアルキルメタクリレート20〜80重量%、および
これらと共重合可能なビニル系不飽和結合を有する単量
体0〜40重量%からなる単量体混合物(合わせて10
0重量%)を重合させてなるものが有利である。即ち、
使用される不飽和酸としては実用面からはアクリル酸、
メタクリル酸またはそれらの混合物が好ましく、不飽和
酸の割合は5〜25重量%である。5%未満では肥大能力
が乏しく、25重量%以上では凝塊物の生成やラテック
スの増粘が起こり、工業的な生産に適さない。
法に付いては、特開昭56−166217、特開昭58
−61102、特開平8−59704、特開平8−15
7502等報告されている。しかし鋭意検討の結果、酸
基含有共重合体としはアクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、クロトン酸のうちから選ばれる少なくとも1種
の不飽和酸5〜25重量%、アルキル基の炭素数が1〜
12の少なくとも1種のアルキルアクリレート5〜30
重量%、アルキル基の炭素数が1〜12の少なくとも1
種のアルキルメタクリレート20〜80重量%、および
これらと共重合可能なビニル系不飽和結合を有する単量
体0〜40重量%からなる単量体混合物(合わせて10
0重量%)を重合させてなるものが有利である。即ち、
使用される不飽和酸としては実用面からはアクリル酸、
メタクリル酸またはそれらの混合物が好ましく、不飽和
酸の割合は5〜25重量%である。5%未満では肥大能力
が乏しく、25重量%以上では凝塊物の生成やラテック
スの増粘が起こり、工業的な生産に適さない。
【0007】又、使用されるアルキルアクリレートとし
てはアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステ
ルがあり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。特
にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。これら
は単独または2種以上組み合わせて使用できる。アルキ
ルアクリレートの割合は5〜30重量%、好ましくは8
〜28重量%である。5%未満では肥大能力が低下し、
30重量%以上では酸基含有共重合体ラテックス製造時
の凝塊物が多くなる。又、使用されるアルキルメタクリ
レートとしては、メタクリル酸と炭素数1〜12の直鎖
あるいは側鎖を有するアルコールのエステルが使用さ
れ、それらに、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等があ
る。特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。
これらは単独または2種以上組み合わせて使用できる。
アルキルメタクリレートの割合は20〜80重量%、好
ましくは25〜75重量%であり、この範囲外では肥大
能力が低下する。
てはアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エステ
ルがあり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。特
にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。これら
は単独または2種以上組み合わせて使用できる。アルキ
ルアクリレートの割合は5〜30重量%、好ましくは8
〜28重量%である。5%未満では肥大能力が低下し、
30重量%以上では酸基含有共重合体ラテックス製造時
の凝塊物が多くなる。又、使用されるアルキルメタクリ
レートとしては、メタクリル酸と炭素数1〜12の直鎖
あるいは側鎖を有するアルコールのエステルが使用さ
れ、それらに、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等があ
る。特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。
これらは単独または2種以上組み合わせて使用できる。
アルキルメタクリレートの割合は20〜80重量%、好
ましくは25〜75重量%であり、この範囲外では肥大
能力が低下する。
【0008】これらと共重合可能なビニル単量体として
は、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族ビニル単
量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシ
アン化ビニル単量体、メタクリル酸アリル、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート等の分子内に2つ以上の
重合性官能基を有するような単量体があげられる。これ
らは1種または2種以上組み合わせて使用される。これ
ら共重合可能なビニル単量体の割合は0〜40重量%、
好ましくは0〜35重量%である。40重量%以上では
肥大能力が低下する。
は、スチレン、αーメチルスチレン等の芳香族ビニル単
量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシ
アン化ビニル単量体、メタクリル酸アリル、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート等の分子内に2つ以上の
重合性官能基を有するような単量体があげられる。これ
らは1種または2種以上組み合わせて使用される。これ
ら共重合可能なビニル単量体の割合は0〜40重量%、
好ましくは0〜35重量%である。40重量%以上では
肥大能力が低下する。
【0009】また必要に応じてnードデシルメルカプタ
ンやtードデシルメルカプタン等の連鎖移動剤0〜3重
量%を使用することができる。上記単量体混合物(あわ
せて100重量%)により酸基含有共重合体ラテックス
を重合させるに際し、上記単量体混合物全量の内、先
ず、5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%でか
つ不飽和酸低含量の単量体混合物を重合させたのち、単
量体混合物の残部95〜10重量%、好ましくは90〜
30%で、かつ不飽和酸高含量の単量体混合物を重合さ
せるのが好ましいが、前半部の重合体中の不飽和酸の百
分率aと後半部の不飽和酸の百分率bとの比率a/bは
5〜95%の範囲となるように重合させる方法が肥大能
力の点から好ましい。特に好ましくはa/bは15〜8
5である。さらに不飽和酸高含量の部分を重合させる場
合、肥大能力の点から不飽和酸高含量層中の不飽和酸量
が10重量%以上が好ましく、特に15重量%以上が好
ましい。該比率が上記範囲外では、酸基含有共重合体ラ
テックス製造時の凝塊物が著しく多くなり、その上、最
終生成物の耐衝撃強度が十分に発現されない。尚、酸基
含有共重合体ラテックスの粒子径は700〜2000Å
のものが良く、700Å以下では肥大能力が弱く、20
00Å以上では肥大後のゴムの粒子径分布に未肥大のも
のが多くなり品質低下を来たす。
ンやtードデシルメルカプタン等の連鎖移動剤0〜3重
量%を使用することができる。上記単量体混合物(あわ
せて100重量%)により酸基含有共重合体ラテックス
を重合させるに際し、上記単量体混合物全量の内、先
ず、5〜90重量%、好ましくは10〜70重量%でか
つ不飽和酸低含量の単量体混合物を重合させたのち、単
量体混合物の残部95〜10重量%、好ましくは90〜
30%で、かつ不飽和酸高含量の単量体混合物を重合さ
せるのが好ましいが、前半部の重合体中の不飽和酸の百
分率aと後半部の不飽和酸の百分率bとの比率a/bは
5〜95%の範囲となるように重合させる方法が肥大能
力の点から好ましい。特に好ましくはa/bは15〜8
5である。さらに不飽和酸高含量の部分を重合させる場
合、肥大能力の点から不飽和酸高含量層中の不飽和酸量
が10重量%以上が好ましく、特に15重量%以上が好
ましい。該比率が上記範囲外では、酸基含有共重合体ラ
テックス製造時の凝塊物が著しく多くなり、その上、最
終生成物の耐衝撃強度が十分に発現されない。尚、酸基
含有共重合体ラテックスの粒子径は700〜2000Å
のものが良く、700Å以下では肥大能力が弱く、20
00Å以上では肥大後のゴムの粒子径分布に未肥大のも
のが多くなり品質低下を来たす。
【0010】次に、ジエン系ゴムを上記の酸基含有共重
合体ラテックスにより平均粒径3500〜20000Å
に肥大させる場合、酸基含有共重合体ラテックスは0.
1〜15重量部(固形分量で)使用される。0.1重量
部以下では未肥大のジエン系ゴムの量が多くなり、目的
とする平均粒径に肥大させることが出来ないので不適当
であり、又、15重量部を越えると平均粒径のコントロ
ールが困難であり、また、最終生成物の物性を低下させ
る為にふさわしくない。さらに未肥大のジエン系ゴムの
量が少なく、かつ肥大粒子の平均粒径が比較的均一で安
定的に得られるという点から0.5〜5重量部の使用が
実用的である。また、耐衝撃強度付与効果を十分に保持
する為には平均粒径3500〜20000Å、更に好ま
しくは3500〜9000Åにすることが好ましい。
合体ラテックスにより平均粒径3500〜20000Å
に肥大させる場合、酸基含有共重合体ラテックスは0.
1〜15重量部(固形分量で)使用される。0.1重量
部以下では未肥大のジエン系ゴムの量が多くなり、目的
とする平均粒径に肥大させることが出来ないので不適当
であり、又、15重量部を越えると平均粒径のコントロ
ールが困難であり、また、最終生成物の物性を低下させ
る為にふさわしくない。さらに未肥大のジエン系ゴムの
量が少なく、かつ肥大粒子の平均粒径が比較的均一で安
定的に得られるという点から0.5〜5重量部の使用が
実用的である。また、耐衝撃強度付与効果を十分に保持
する為には平均粒径3500〜20000Å、更に好ま
しくは3500〜9000Åにすることが好ましい。
【0011】次に、この様にして得た凝集肥大ジエン系
ゴムを用いて目的とするゴム含有グラフト体を調製する
には、平均粒径3500〜20000Åの肥大ジエン系
ゴム40〜85重量部の存在下にビニル単量体60〜1
5重量部(ジエン系ゴム粒子と合せて100重量部)を
乳化重合させて得られる。ここで使用されるグラフト用
のビニル単量体は各種モノマーの使用が可能である。こ
こで透明性が要求される場合には、得られるグラフト体
の屈折率と対象とするゴム含有アクリル芳香族系樹脂の
屈折率の差が0.003以内、好ましくは0.0004
以内になる様に設定する事が好ましい。0.003を越
えて差がある場合には実質的に不透明のものしか得られ
ない。屈折率は次の如く測定される。すなわち試料10
0gをロール温度180℃で5分間混練して約1mmの
厚みのシートを作成する。温度23±2℃、湿度50±
5%の恒温室にて24時間以上放置した後、アタゴ社
製、アッベ屈折計2T D線で測定する。次に本発明で
使用されるアクリル芳香族系樹脂としては芳香環を有す
るビニル単量体30〜100重量部、及び、メタクリル
酸エステル70〜0重量部、共重合可能なビニル単量体
0〜20重量部を合計100重量部になる様に共重合せ
しめてなる樹脂のことである。
ゴムを用いて目的とするゴム含有グラフト体を調製する
には、平均粒径3500〜20000Åの肥大ジエン系
ゴム40〜85重量部の存在下にビニル単量体60〜1
5重量部(ジエン系ゴム粒子と合せて100重量部)を
乳化重合させて得られる。ここで使用されるグラフト用
のビニル単量体は各種モノマーの使用が可能である。こ
こで透明性が要求される場合には、得られるグラフト体
の屈折率と対象とするゴム含有アクリル芳香族系樹脂の
屈折率の差が0.003以内、好ましくは0.0004
以内になる様に設定する事が好ましい。0.003を越
えて差がある場合には実質的に不透明のものしか得られ
ない。屈折率は次の如く測定される。すなわち試料10
0gをロール温度180℃で5分間混練して約1mmの
厚みのシートを作成する。温度23±2℃、湿度50±
5%の恒温室にて24時間以上放置した後、アタゴ社
製、アッベ屈折計2T D線で測定する。次に本発明で
使用されるアクリル芳香族系樹脂としては芳香環を有す
るビニル単量体30〜100重量部、及び、メタクリル
酸エステル70〜0重量部、共重合可能なビニル単量体
0〜20重量部を合計100重量部になる様に共重合せ
しめてなる樹脂のことである。
【0012】ここで、アクリル芳香族系樹脂の主成分と
して使用される芳香環を有するビニル単量体としは代表
的なものはスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチ
レンがあり、又、メタクリル酸エステル単量体として
は、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げら
れる。それらと共重合可能なビニル単量体としてはアク
リル酸エステル単量体があり、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル等がある。又、シアン化ビニル例えばアクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリルなども場合により使用
される。尚、これらは単独または2つ以上組合せて使用
することができる。又、アクリル・芳香族系樹脂を得る
際に溶解して使用されるゴム成分については特に限定す
るものではないが前述の様に屈折率の面から組成を選ぶ
事が望ましい。
して使用される芳香環を有するビニル単量体としは代表
的なものはスチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチ
レンがあり、又、メタクリル酸エステル単量体として
は、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙げら
れる。それらと共重合可能なビニル単量体としてはアク
リル酸エステル単量体があり、例えばアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル等がある。又、シアン化ビニル例えばアクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリルなども場合により使用
される。尚、これらは単独または2つ以上組合せて使用
することができる。又、アクリル・芳香族系樹脂を得る
際に溶解して使用されるゴム成分については特に限定す
るものではないが前述の様に屈折率の面から組成を選ぶ
事が望ましい。
【0013】次に、本発明が対象とする耐衝撃性アクリ
ル芳香族系樹脂組成物を製造するためには、前述の酸基
含有共重合体ラテックス肥大グラフト共重合体5〜40
重量%とゴム含有アクリル芳香族系樹脂95〜60重量
%とを溶融混練して混合物を得る。その際、各種安定剤
や滑剤、顔料、充填剤などを1種あるいは2種以上を組
み合わせて、芳香族系樹脂の長所を損なわない程度に使
用する事ができる。この様にして得た溶融混練物を用い
て押出成形や射出成形等により成形品を製造できる。以
下に本発明の組成物を実施例をあげて説明するが本発明
はこれらに限定されるものではない。
ル芳香族系樹脂組成物を製造するためには、前述の酸基
含有共重合体ラテックス肥大グラフト共重合体5〜40
重量%とゴム含有アクリル芳香族系樹脂95〜60重量
%とを溶融混練して混合物を得る。その際、各種安定剤
や滑剤、顔料、充填剤などを1種あるいは2種以上を組
み合わせて、芳香族系樹脂の長所を損なわない程度に使
用する事ができる。この様にして得た溶融混練物を用い
て押出成形や射出成形等により成形品を製造できる。以
下に本発明の組成物を実施例をあげて説明するが本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0014】
【実施例】実施例1 (1)ブタジエン・スチレンゴムの重合 100リットル耐圧重合機中に、水200重量部、過硫
酸カリウム0.2重量部を入れ、攪拌し十分に窒素置換
を行なって酸素を除いた後、オレイン酸ナトリウム1重
量部、ロジン酸ナトリウム2重量部およびブタジエン7
5重量部、スチレン25重量部を系中に投入し、60℃
に昇温し重合を開始した。重合は12時間で終了した。
重合転化率は96%、ゴムラテックスの平均粒径は86
0Åであった。尚、平均粒子径の測定は以下の測定も含
めて日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計モデル
9230UPAを用いて行った。 (2)酸基含有共重合体ラテックスの重合 8リットル重合機に、水200重量部、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム0.5重量部を入れ、攪拌し窒素
を流しながら、70℃に昇温した。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.3重量部、硫酸第一鉄0.
0025重量部、エチレンジアミン四酢酸0.01重量
部を添加し、数分後にメタクリル酸ブチル2重量部、ア
クリル酸ブチル23重量部、メタクリル酸2部、tード
デシルメルカプタン0.125重量部、クメンハイドロ
パーオキサイド0.025重量部の混合物を定量ポンプ
を用い、20重量部/時の速度で連続的に滴下した。上
記混合物追加後、さらにメタクリル酸ブチル58重量
部、アクリル酸ブチル2重量部、メタクリル酸13重量
部、tードデシルメルカプタン0.3重量部、クメンハ
イドロパーオキサイド0.08重量部の混合物を同様に
20重量部/時で滴下し、滴下終了後1.5時間目に重
合を終了した。転化率は99.7%、平均粒径は105
0Å、固形分濃度は33%、PHは2.8であった。 (3)肥大ゴムの調製 8リットル重合機中に、(1)で製造したブタジエン・
スチレンゴム100重量部(固形分)、水20重量部を
入れ、攪拌下で窒素を流しながら60℃まで昇温した。
水酸化ナトリウム0.1重量部、(2)において重合し
た酸基含有共重合体のラテックス3重量部(固形分)を
添加し、1時間攪拌を続け、ブタジエン・スチレンゴム
を肥大させた。水200部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.4重量部を入れ、さらに30分間攪拌
し肥大を終了させる。平均粒径6600Åのブタジエン
系肥大ゴムが得られた。 (4)肥大ゴムのグラフト共重合 8リットル重合機中に(3)で得られたブタジエン・ス
チレン肥大ゴム70重量部(固形分)を仕込み窒素流
入、攪拌下で60℃まで昇温する。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.18重量部、硫酸第一鉄
0.001重量部、エチレンジアミン四酢酸0.004重
量部を添加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレ
ン12重量部よりなる単量体の混合物30重量部にtー
ブチルハイドロパーオキサイド0.2重量部を添加し、
定量ポンプを用い、10重量部/時の速度で連続的に重
合機中に滴下した。単量体混合物追加中にラテックスの
安定性を保つ目的でジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム0.2重量部を1時間おきに4回重合機中に加えた。
単量体混合物追加終了後さらに1時間攪拌し、重合を完
了させた。重合転化率は96%、ラテックスの平均粒径
は7600Åであった。ラテックスにジラウリル−3,
3‘−チオジプロピオネート(DLTP)、及び2,6
―ジ―t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を
各0.5重量部を添加後、塩化カルシウム5重量部を添
加して塩析させ、90℃に加熱処理後、脱水乾燥し、乾
燥パウダーを得た。屈折率は1.531であった。 (5)ゴム含有アクリル芳香族系樹脂の重合 以下のようにスチレン、メタクリル酸メチルからなるゴ
ム含有アクリル芳香族系樹脂を懸濁重合により得た。1
00リットル重合機に水200重量部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、リン酸カルシ
ウム1重量部をいれ、十分な脱酸の後85℃に昇温し、
スチレン40重量部、メタクリル酸メチル60重量部に
SBR(Bd/St=75/25のもの)5重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.8重量部を一括添加し、5
時間攪拌し反応を完了させた。さらに脱水乾燥し、ゴム
含有アクリル芳香族樹脂を得た。屈折率は1.533で
あった。 (6)耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物の製造 (5)で製造したアクリル芳香族系樹脂80重量%と、
(4)で製造したグラフト共重合体20重量%およびヒ
ンダードフェノール系安定剤0. 1重量%を混合し、田
端機械(株)製HW−40−28押出機を用いて溶融混
練し、耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物のペレット
を作成した。さらに本ペレットを三菱重工(株)製16
0MSP10型射出成形機を用いて、透明性測定用の1
50mm×100mm×3mmの板とアイゾット衝撃強
度測定用ピースを成形した。 (7)耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物の物性評価 (6)で製造した耐衝撃アクリル芳香族系樹脂組成物の
成形品を、耐衝撃性はASTM D-256に従いアイゾット
衝撃強度を、また透明性はJIS K 6714に従い曇
価を測定した。これら結果は表1に示す。
酸カリウム0.2重量部を入れ、攪拌し十分に窒素置換
を行なって酸素を除いた後、オレイン酸ナトリウム1重
量部、ロジン酸ナトリウム2重量部およびブタジエン7
5重量部、スチレン25重量部を系中に投入し、60℃
に昇温し重合を開始した。重合は12時間で終了した。
重合転化率は96%、ゴムラテックスの平均粒径は86
0Åであった。尚、平均粒子径の測定は以下の測定も含
めて日機装(株)製マイクロトラック粒度分析計モデル
9230UPAを用いて行った。 (2)酸基含有共重合体ラテックスの重合 8リットル重合機に、水200重量部、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム0.5重量部を入れ、攪拌し窒素
を流しながら、70℃に昇温した。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.3重量部、硫酸第一鉄0.
0025重量部、エチレンジアミン四酢酸0.01重量
部を添加し、数分後にメタクリル酸ブチル2重量部、ア
クリル酸ブチル23重量部、メタクリル酸2部、tード
デシルメルカプタン0.125重量部、クメンハイドロ
パーオキサイド0.025重量部の混合物を定量ポンプ
を用い、20重量部/時の速度で連続的に滴下した。上
記混合物追加後、さらにメタクリル酸ブチル58重量
部、アクリル酸ブチル2重量部、メタクリル酸13重量
部、tードデシルメルカプタン0.3重量部、クメンハ
イドロパーオキサイド0.08重量部の混合物を同様に
20重量部/時で滴下し、滴下終了後1.5時間目に重
合を終了した。転化率は99.7%、平均粒径は105
0Å、固形分濃度は33%、PHは2.8であった。 (3)肥大ゴムの調製 8リットル重合機中に、(1)で製造したブタジエン・
スチレンゴム100重量部(固形分)、水20重量部を
入れ、攪拌下で窒素を流しながら60℃まで昇温した。
水酸化ナトリウム0.1重量部、(2)において重合し
た酸基含有共重合体のラテックス3重量部(固形分)を
添加し、1時間攪拌を続け、ブタジエン・スチレンゴム
を肥大させた。水200部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.4重量部を入れ、さらに30分間攪拌
し肥大を終了させる。平均粒径6600Åのブタジエン
系肥大ゴムが得られた。 (4)肥大ゴムのグラフト共重合 8リットル重合機中に(3)で得られたブタジエン・ス
チレン肥大ゴム70重量部(固形分)を仕込み窒素流
入、攪拌下で60℃まで昇温する。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.18重量部、硫酸第一鉄
0.001重量部、エチレンジアミン四酢酸0.004重
量部を添加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレ
ン12重量部よりなる単量体の混合物30重量部にtー
ブチルハイドロパーオキサイド0.2重量部を添加し、
定量ポンプを用い、10重量部/時の速度で連続的に重
合機中に滴下した。単量体混合物追加中にラテックスの
安定性を保つ目的でジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム0.2重量部を1時間おきに4回重合機中に加えた。
単量体混合物追加終了後さらに1時間攪拌し、重合を完
了させた。重合転化率は96%、ラテックスの平均粒径
は7600Åであった。ラテックスにジラウリル−3,
3‘−チオジプロピオネート(DLTP)、及び2,6
―ジ―t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を
各0.5重量部を添加後、塩化カルシウム5重量部を添
加して塩析させ、90℃に加熱処理後、脱水乾燥し、乾
燥パウダーを得た。屈折率は1.531であった。 (5)ゴム含有アクリル芳香族系樹脂の重合 以下のようにスチレン、メタクリル酸メチルからなるゴ
ム含有アクリル芳香族系樹脂を懸濁重合により得た。1
00リットル重合機に水200重量部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、リン酸カルシ
ウム1重量部をいれ、十分な脱酸の後85℃に昇温し、
スチレン40重量部、メタクリル酸メチル60重量部に
SBR(Bd/St=75/25のもの)5重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.8重量部を一括添加し、5
時間攪拌し反応を完了させた。さらに脱水乾燥し、ゴム
含有アクリル芳香族樹脂を得た。屈折率は1.533で
あった。 (6)耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物の製造 (5)で製造したアクリル芳香族系樹脂80重量%と、
(4)で製造したグラフト共重合体20重量%およびヒ
ンダードフェノール系安定剤0. 1重量%を混合し、田
端機械(株)製HW−40−28押出機を用いて溶融混
練し、耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物のペレット
を作成した。さらに本ペレットを三菱重工(株)製16
0MSP10型射出成形機を用いて、透明性測定用の1
50mm×100mm×3mmの板とアイゾット衝撃強
度測定用ピースを成形した。 (7)耐衝撃性アクリル芳香族系樹脂組成物の物性評価 (6)で製造した耐衝撃アクリル芳香族系樹脂組成物の
成形品を、耐衝撃性はASTM D-256に従いアイゾット
衝撃強度を、また透明性はJIS K 6714に従い曇
価を測定した。これら結果は表1に示す。
【0015】実施例2 ブタジエン・スチレン系ゴムの調製においてブタジエン
75重量部を先に重合し、その存在下にスチレン25重
量部を重合して調製したブタジエン・スチレンゴムを用
いる事以外は実施例1と同様にして実施した。得られた
肥大ゴムの粒子径は6100Åであった。実施例1と同
様に物性評価した結果を実施例2として表1に示す。グ
ラフト重合体の屈折率は1.532であった。
75重量部を先に重合し、その存在下にスチレン25重
量部を重合して調製したブタジエン・スチレンゴムを用
いる事以外は実施例1と同様にして実施した。得られた
肥大ゴムの粒子径は6100Åであった。実施例1と同
様に物性評価した結果を実施例2として表1に示す。グ
ラフト重合体の屈折率は1.532であった。
【0016】実施例3 ブタジエン・スチレン系ゴム調製においてブタジエン7
5重量部を先に重合し、その存在下にスチレン25重量
部を重合して調製したブタジエン・スチレンゴムを用
い、酸基含有共重合体ラテックス1.8重量部(固形
分)を使用する事以外は実施例1と同様にして実施し
た。得られた肥大ゴムの粒子径は9100Åであった。
実施例3として表1に示す。グラフト重合体の屈折率は
1.531であった。
5重量部を先に重合し、その存在下にスチレン25重量
部を重合して調製したブタジエン・スチレンゴムを用
い、酸基含有共重合体ラテックス1.8重量部(固形
分)を使用する事以外は実施例1と同様にして実施し
た。得られた肥大ゴムの粒子径は9100Åであった。
実施例3として表1に示す。グラフト重合体の屈折率は
1.531であった。
【0017】比較例1 実施例1の(1)で得られたブタジエン・スチレンゴム
70重量部の存在下に酸基含有共重合体ラテックスによ
る肥大なしにメタクリル酸メチル18重量部、スチレン
12重量部を重合し、粒子径が1100Åのグラフト体
を得た。その後、実施例1と同様に実施して比較例1と
した。
70重量部の存在下に酸基含有共重合体ラテックスによ
る肥大なしにメタクリル酸メチル18重量部、スチレン
12重量部を重合し、粒子径が1100Åのグラフト体
を得た。その後、実施例1と同様に実施して比較例1と
した。
【0018】比較例2 実施例1の(1)で得られたブタジエン・スチレンゴム
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重
量部を重合して粒子径1800Åのグラフト共重合体を
得た。その後、実施例1と同様に実施して比較例2とし
た。
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重
量部を重合して粒子径1800Åのグラフト共重合体を
得た。その後、実施例1と同様に実施して比較例2とし
た。
【0019】比較例3 酸基含有共重合体ラテックスによる肥大なしに実施例2
で使用したブタジエン・スチレンゴム70重量部の存在
下にメタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重量
部を重合してグラフト重合体を得た。粒子径は1100
Åであった。その後は実施例1と同様に実施して比較例
3とした。
で使用したブタジエン・スチレンゴム70重量部の存在
下にメタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重量
部を重合してグラフト重合体を得た。粒子径は1100
Åであった。その後は実施例1と同様に実施して比較例
3とした。
【0020】比較例4 実施例2の(1)で得られたブタジエン・スチレンゴム
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重
量部を重合して粒子径1900Åのグラフト共重合体を
得た。その後は実施例1と同様に実施して比較例4とし
た。
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル18重量部、スチレン12重
量部を重合して粒子径1900Åのグラフト共重合体を
得た。その後は実施例1と同様に実施して比較例4とし
た。
【0021】比較例5 実施例1で得たゴム含有アクリル芳香族系樹脂を肥大ゴ
ムグラフト体を添加せずにそのまま使用して実施例1と
同様に測定した。
ムグラフト体を添加せずにそのまま使用して実施例1と
同様に測定した。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明の酸基含有共重合体ラテックスに
よる肥大ゴムを用いてのグラフト重合体を使用したアク
リル芳香族樹脂組成物はアクリル芳香族系樹脂の耐熱
性、透明性を保持しながら、従来よりすぐれた耐衝撃性
を有する成形品を与える。
よる肥大ゴムを用いてのグラフト重合体を使用したアク
リル芳香族樹脂組成物はアクリル芳香族系樹脂の耐熱
性、透明性を保持しながら、従来よりすぐれた耐衝撃性
を有する成形品を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BN111 BN121 BN141 BN142 GG01 GQ01 GR01 4J026 AA17 AA18 AA40 AA42 AA43 AA45 AA46 AA49 AA68 AA69 AA71 AC18 AC36 BA05 BA06 BA27 BA31 CA08 DA04 DB03 DB04 DB15 FA03 GA09
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)(a1)共役ジエン系単量体50〜1
00重量%、(a2)共役ジエン系単量体と共重合可能ビニ
ル系単量体50〜0重量%、(a3)架橋性単量体0〜3重
量%および(a4)連鎖移動剤0〜3重量%を乳化重合して
得られる平均粒子径500〜3000Åのラテックス状
ジエン系ゴム粒子100重量部(固形分)に対して、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又はクロトン酸5
〜25重量%、アルキル基の炭素数1〜12のアルキル
アクリレート5〜30重量%、アルキル基の炭素数1〜
12のアルキルメタクリレート20〜80重量%、及び
これらと共重合可能なビニル系不飽和結合を有する単量
体0〜40重量%からなる単量体混合物(合わせて10
0重量%)を重合させてなる酸基含有重合体のラテック
ス0.1〜15重量部(固形分)を加えて凝集肥大させ
て得られる平均粒径3500〜20000Åのラテック
ス状ジエン系ゴム粒子40〜85重量部(固形分)の存
在下に(a5)ビニル単量体60〜15重量部(ジエン系ゴ
ム粒子とビニル系単量体の合計が100重量部)を重合
させて得られるグラフト共重合体5〜40重量%と、
(B)ジエン系ゴム、又は、アクリル系ゴム1〜15重
量部の存在下に(b1)芳香族ビニル単量体30〜100重
量部、(b2)メタクリル酸エステル70〜0重量部及び(b
3)それらと共重合可能なビニル系単量体0〜20重量部
[(b1)、(b2)及び(b3)の合計100重量部]を重合して
得られるゴム含有アクリル芳香族系重合体95〜60重
量%よりなる樹脂組成物。 - 【請求項2】 ジエン系ゴムが共役ジエン系単量体とこ
れと共重合可能なビニル系単量体を共重合して得られ、
ジエン系ゴムを構成するジエン単量体と共重合されるビ
ニル系単量体を重合せしめるに際し、ジエン単量体、又
は、高濃度のジエン単量体を含有する層を有するジエン
系ゴム粒子である請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】 ラテックス状酸基含有共重合体がその重
合の際、酸基含有ラテックス調製に使用する単量体全量
の重合転化率5〜90重量%において不飽和酸を後段よ
りも低含量になる様な組成比率で重合させ、その後、重
合転化率95〜10重量%において不飽和酸を前段より
も高含量になるような組成比率で重合させて調製したも
のであ請求項1又は2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】 グラフト共重合体(A)とゴム含有アク
リル・芳香族系重合体(B)の屈折率の差が0.003
以下である請求項1、2又は3項記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001005234A JP2002212375A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 透明且つ耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹脂組成物 |
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JP2001005234A JP2002212375A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 透明且つ耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹脂組成物 |
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ID=18873301
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JP2001005234A Pending JP2002212375A (ja) | 2001-01-12 | 2001-01-12 | 透明且つ耐衝撃性を有するアクリル芳香族系樹脂組成物 |
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JP (1) | JP2002212375A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022085913A1 (ko) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | (주) 엘지화학 | 비닐시안 화합물-공액디엔 고무-방향족 비닐 화합물 그라프트 공중합체의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물의 제조방법 |
-
2001
- 2001-01-12 JP JP2001005234A patent/JP2002212375A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022085913A1 (ko) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | (주) 엘지화학 | 비닐시안 화합물-공액디엔 고무-방향족 비닐 화합물 그라프트 공중합체의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물의 제조방법 |
CN115279807A (zh) * | 2020-10-23 | 2022-11-01 | 株式会社Lg化学 | 制备乙烯基氰化合物-共轭二烯橡胶-芳香族乙烯基化合物接枝共聚物的方法和制备包含其的热塑性树脂组合物的方法 |
CN115279807B (zh) * | 2020-10-23 | 2024-01-30 | 株式会社Lg化学 | 制备乙烯基氰化合物-共轭二烯橡胶-芳香族乙烯基化合物接枝共聚物的方法和制备包含其的热塑性树脂组合物的方法 |
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