JP2003049041A - 透明、耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
透明、耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物Info
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- JP2003049041A JP2003049041A JP2001239247A JP2001239247A JP2003049041A JP 2003049041 A JP2003049041 A JP 2003049041A JP 2001239247 A JP2001239247 A JP 2001239247A JP 2001239247 A JP2001239247 A JP 2001239247A JP 2003049041 A JP2003049041 A JP 2003049041A
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- monomer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】透明、耐熱性、耐衝撃性を有する芳香族ビニル
系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)平均粒子径500〜2000Åの
ジエン系ゴム粒子100重量部に対して酸含有共重合体
0.1〜15重量部を加えて凝集肥大させた平均粒径2
500〜20000Åのゴム粒子40〜95重量部にビ
ニル系単量体60〜5重量部(ゴムとの合計が100重
量部)を重合させてなるグラフト共重合体5〜40重量
%と(B)芳香族ビニル系単量体単位40〜99重量
%、、単独重合体のTgが120℃以上であるビニル系
単量体単位1〜40重量%及び(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体単位0〜59重量%(合計100重量%)
からなる重合体又は重合体混合物よりなる熱可塑性樹脂
組成物。
系樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)平均粒子径500〜2000Åの
ジエン系ゴム粒子100重量部に対して酸含有共重合体
0.1〜15重量部を加えて凝集肥大させた平均粒径2
500〜20000Åのゴム粒子40〜95重量部にビ
ニル系単量体60〜5重量部(ゴムとの合計が100重
量部)を重合させてなるグラフト共重合体5〜40重量
%と(B)芳香族ビニル系単量体単位40〜99重量
%、、単独重合体のTgが120℃以上であるビニル系
単量体単位1〜40重量%及び(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体単位0〜59重量%(合計100重量%)
からなる重合体又は重合体混合物よりなる熱可塑性樹脂
組成物。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明、耐熱性耐衝撃
性熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳し
くは、芳香族ビニル系樹脂の持つ透明性を損なうことな
く、耐熱性、耐衝撃強性を付与してなる、強度、透明
性、加工性バランスの優れた樹脂組成物に関するもので
ある。その成形体の強度、透明性が要求される分野での
使用が可能で、例えば照明カバー、各種透明容器、医療
用器具など、様々な用途に適する。
性熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、さらに詳し
くは、芳香族ビニル系樹脂の持つ透明性を損なうことな
く、耐熱性、耐衝撃強性を付与してなる、強度、透明
性、加工性バランスの優れた樹脂組成物に関するもので
ある。その成形体の強度、透明性が要求される分野での
使用が可能で、例えば照明カバー、各種透明容器、医療
用器具など、様々な用途に適する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の中でも、芳香族ビニル系
樹脂は用途の上でも大きな比率を占めている。また、こ
れらの耐熱性を改良する目的で種々の耐熱性モノマーを
共重合した耐熱性芳香族ビニル系樹脂が市販されてい
る。しかし、これら芳香族ビニル系樹脂は、強度面では
市場要求に対して十分でないのが一般的である。そのた
め、従来より、芳香族ビニル系樹脂に対しては、各種の
方法で耐衝撃強度を向上させる手段が講じられる。例え
ば特開昭52−8095、特公昭55−7849に見ら
れるようにゴムを樹脂構成のモノマーに溶解して塊状重
合、又は、懸濁重合させることにより耐衝撃性を上げる
方法が知られている。又、特開昭54−153884に
見られるように、アクリル酸ブチル、ブタジエンをゴム
成分とし、それらの存在下に共重合可能なビニル単量体
などを乳化重合させて得られるゴム含有多層構造体を用
いるもの、その他、特開昭55−157642、特開昭
56−70043に見られるようにスチレン−ブタジエ
ンブロック体に代表されるゴム成分を含んだブロック体
を芳香族系樹脂にブレンドする方法、更に、特開昭62
−074946、特開平04−320441等には、耐
熱成分を含有する芳香族ビニル系共重合体に対してゴム
含有多層構造体をブレンドする方法が開示されている。
しかし、前者のゴム存在下に芳香族ビニル系樹脂を製造
する方法は、溶解度の面からゴムの含有量に制約があ
り、そのため強度発現が十分ではない。又、後者の、従
来公知のゴム成分を配合添加する方法は、充分な耐衝撃
性を確保するためには添加量が他の品質を維持するに必
要な範囲を超えて多くならざるを得ず問題をきたす。つ
まり、強度が確保できるところまでゴム量を多くすると
本来の特徴である剛性、耐熱性、透明性の低下をきた
し、実用的には使用し辛いものになる。このように従
来、耐熱性芳香族ビニル系樹脂に対して、その特長を損
なうことなく十分な耐衝撃性を付与する効果的な方法は
見出されていないのが実状であった。
樹脂は用途の上でも大きな比率を占めている。また、こ
れらの耐熱性を改良する目的で種々の耐熱性モノマーを
共重合した耐熱性芳香族ビニル系樹脂が市販されてい
る。しかし、これら芳香族ビニル系樹脂は、強度面では
市場要求に対して十分でないのが一般的である。そのた
め、従来より、芳香族ビニル系樹脂に対しては、各種の
方法で耐衝撃強度を向上させる手段が講じられる。例え
ば特開昭52−8095、特公昭55−7849に見ら
れるようにゴムを樹脂構成のモノマーに溶解して塊状重
合、又は、懸濁重合させることにより耐衝撃性を上げる
方法が知られている。又、特開昭54−153884に
見られるように、アクリル酸ブチル、ブタジエンをゴム
成分とし、それらの存在下に共重合可能なビニル単量体
などを乳化重合させて得られるゴム含有多層構造体を用
いるもの、その他、特開昭55−157642、特開昭
56−70043に見られるようにスチレン−ブタジエ
ンブロック体に代表されるゴム成分を含んだブロック体
を芳香族系樹脂にブレンドする方法、更に、特開昭62
−074946、特開平04−320441等には、耐
熱成分を含有する芳香族ビニル系共重合体に対してゴム
含有多層構造体をブレンドする方法が開示されている。
しかし、前者のゴム存在下に芳香族ビニル系樹脂を製造
する方法は、溶解度の面からゴムの含有量に制約があ
り、そのため強度発現が十分ではない。又、後者の、従
来公知のゴム成分を配合添加する方法は、充分な耐衝撃
性を確保するためには添加量が他の品質を維持するに必
要な範囲を超えて多くならざるを得ず問題をきたす。つ
まり、強度が確保できるところまでゴム量を多くすると
本来の特徴である剛性、耐熱性、透明性の低下をきた
し、実用的には使用し辛いものになる。このように従
来、耐熱性芳香族ビニル系樹脂に対して、その特長を損
なうことなく十分な耐衝撃性を付与する効果的な方法は
見出されていないのが実状であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
状況から、耐熱性芳香族ビニル系樹脂の持つ剛性、耐熱
性、透明性を損なうことなく耐衝撃強度を付与してなる
耐熱性耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物を提供する。
状況から、耐熱性芳香族ビニル系樹脂の持つ剛性、耐熱
性、透明性を損なうことなく耐衝撃強度を付与してなる
耐熱性耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本特許は芳香族ビニル単
量体成分、耐熱性単量体成分を必須成分として含有する
耐熱性芳香族ビニル系熱可塑性重合体に対して、ラテッ
クス状ジエン系ゴム粒子を酸基含有共重合体のラテック
スでゴム粒子を肥大させた後、肥大化ゴム粒子の存在下
にビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体を
配合し、該耐熱性芳香族ビニル系樹脂の成形体の耐熱
性、透明性を著しく低下させることなく耐衝撃強度を改
良させるものである。
量体成分、耐熱性単量体成分を必須成分として含有する
耐熱性芳香族ビニル系熱可塑性重合体に対して、ラテッ
クス状ジエン系ゴム粒子を酸基含有共重合体のラテック
スでゴム粒子を肥大させた後、肥大化ゴム粒子の存在下
にビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体を
配合し、該耐熱性芳香族ビニル系樹脂の成形体の耐熱
性、透明性を著しく低下させることなく耐衝撃強度を改
良させるものである。
【0005】即ち、本発明は、(A)共役ジエン系単量
体50〜100重量%及び共役ジエン系単量体と共重合
可能なビニル系単量体50〜0重量%(合計100重量
%)を重合して得られる重量平均粒子径500〜200
0Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子100重量部(固
形分)に対して、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸又はクロトン酸5〜30重量%及び該不飽和酸と共重
合可能な単量体95〜70重量%からなる単量体混合物
(合計100重量%)を重合させ得られる酸基含有共重
合体ラテックス0.1〜15重量部(固形分)を加えて
肥大させて得られる重量平均粒径2500〜20000
Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子40〜95重量部の
存在下にビニル単量体60〜5重量部(ジエン系ゴム粒
子とビニル系単量体の合計が100重量部)を重合させ
て得られるグラフト共重合体5〜40重量部及び(B)
芳香族ビニル系単量体単位40〜99重量%、単独重合
体のTgが120℃以上であるビニル系単量体単位1〜
40重量%及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位
0〜59重量%(以上合計100重量%)からなる共重
合体、共重合体と単独重合体の混合物又は3種単独重合
体の混合物95〜60重量部{(A)と(B)合わせて
100重量部}からなる熱可塑性樹脂組成物(請求項
1)、酸基含有共重合体の重合で用いる共重合可能な単
量体が、アルキル基の炭素数1〜12のアルキルアクリ
レート5〜35重量%、アルキル基の炭素数1〜12の
アルキルメタクリレート20〜80重量%及びその他ビ
ニル系単量体0〜40重量%(合計95〜70重量%)
からなる単量体である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
物(請求項2)、ジエン系ゴム粒子が共役ジエン系単量
体とこれと共重合可能なビニル系単量体を共重合して得
られ、ジエン系単量体単位の含有量の異なるジエン系ゴ
ム層を有する2層以上のジエン系ゴム粒子である請求項
1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項3)、ラテ
ックス状酸基含有共重合体がその重合の際、単量体全量
の重合転化率5〜90重量%において不飽和酸単位がよ
り低含量になる組成比率で重合させ、その後、重合転化
率95重量%以上において不飽和酸単位がより高含有量
になるような組成比率で重合させたラテックス状酸基含
有共重合体である請求項1、2又は3記載の熱可塑性樹
脂組成物(請求項4)、単独重合体のTgが120℃以
上であるビニル系単量体が無水マレイン酸、マレイミド
誘導体、メタクリル酸又はα−メチルスチレンである請
求項1、2、3又は4記載の熱可塑性樹脂組成物(請求
項5)及びグラフト共重合体(A)と共重合体(B)の
屈折率の差が0.01以下である請求項1、2、3、4
又は5項記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項6)に関す
る。
体50〜100重量%及び共役ジエン系単量体と共重合
可能なビニル系単量体50〜0重量%(合計100重量
%)を重合して得られる重量平均粒子径500〜200
0Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子100重量部(固
形分)に対して、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸又はクロトン酸5〜30重量%及び該不飽和酸と共重
合可能な単量体95〜70重量%からなる単量体混合物
(合計100重量%)を重合させ得られる酸基含有共重
合体ラテックス0.1〜15重量部(固形分)を加えて
肥大させて得られる重量平均粒径2500〜20000
Åのラテックス状ジエン系ゴム粒子40〜95重量部の
存在下にビニル単量体60〜5重量部(ジエン系ゴム粒
子とビニル系単量体の合計が100重量部)を重合させ
て得られるグラフト共重合体5〜40重量部及び(B)
芳香族ビニル系単量体単位40〜99重量%、単独重合
体のTgが120℃以上であるビニル系単量体単位1〜
40重量%及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位
0〜59重量%(以上合計100重量%)からなる共重
合体、共重合体と単独重合体の混合物又は3種単独重合
体の混合物95〜60重量部{(A)と(B)合わせて
100重量部}からなる熱可塑性樹脂組成物(請求項
1)、酸基含有共重合体の重合で用いる共重合可能な単
量体が、アルキル基の炭素数1〜12のアルキルアクリ
レート5〜35重量%、アルキル基の炭素数1〜12の
アルキルメタクリレート20〜80重量%及びその他ビ
ニル系単量体0〜40重量%(合計95〜70重量%)
からなる単量体である請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
物(請求項2)、ジエン系ゴム粒子が共役ジエン系単量
体とこれと共重合可能なビニル系単量体を共重合して得
られ、ジエン系単量体単位の含有量の異なるジエン系ゴ
ム層を有する2層以上のジエン系ゴム粒子である請求項
1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項3)、ラテ
ックス状酸基含有共重合体がその重合の際、単量体全量
の重合転化率5〜90重量%において不飽和酸単位がよ
り低含量になる組成比率で重合させ、その後、重合転化
率95重量%以上において不飽和酸単位がより高含有量
になるような組成比率で重合させたラテックス状酸基含
有共重合体である請求項1、2又は3記載の熱可塑性樹
脂組成物(請求項4)、単独重合体のTgが120℃以
上であるビニル系単量体が無水マレイン酸、マレイミド
誘導体、メタクリル酸又はα−メチルスチレンである請
求項1、2、3又は4記載の熱可塑性樹脂組成物(請求
項5)及びグラフト共重合体(A)と共重合体(B)の
屈折率の差が0.01以下である請求項1、2、3、4
又は5項記載の熱可塑性樹脂組成物(請求項6)に関す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるジエン系ゴム
は共役ジエン系単量体50〜100重量%及び共重合可
能ビニル単量体0〜50重量%を重合させてえられる。
共役ジエン系単量体の代表的なものとしてブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等の各種ブタジエン置換体が
あげられる。又、共重合可能ビニル単量体としては、芳
香環を有するビニル単量体、例えばスチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等、又、メタクリル酸エス
テル化合物、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等、又、アクリル酸エステル化合物、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステ
ル等があげられる。特にアクリル酸4−ヒドロキシブチ
ルエステルはその重合体の屈折率が高く、共重合成分と
して用いた場合その共重合体の屈折率を高める役割をは
たす。シアン化ビニルとしては、例えばアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリルなどがあげられる。これらは
単独または2種以上組合せて使用することができる。成
形体の透明性が要求される分野では、該ジエン系ゴムの
存在下にビニル単量体を重合して得られるグラフト共重
合体の屈折率を対象としている芳香族ビニル系樹脂の屈
折率に合せる必要があるが、芳香族ビニル系樹脂の屈折
率が比較的高いために、使用されるジエン系ゴムとして
は屈折率の調整面から芳香環を有するビニル単量体を含
有するジエン系ゴムが有効であり、スチレン−ブタジエ
ン共重合体が実用的である。しかし、対象となる芳香族
系樹脂によっては屈折率が高く、使用するジエン系ゴム
の屈折率をマトリックスの値に調整しようとすると芳香
環を有するビニル単量体の比率が高くなり、共重合ゴム
のガラス転移温度が高くなってゴムとしての機能が低下
する場合がある。そのような場合には、ジエン系ゴムを
構成するジエン系単量体と共重合されるビニル系単量体
の重合に際し、ジエン系単量体からなる層、又は、高濃
度のジエン系成分を有する層を含有する様にジエン系ゴ
ムを多段で重合することが有利である。例えば、ジエン
系単量体と共重合される単量体を分離して重合し、先
ず、ジエン系単量体、又は、高濃度のジエン単量体を含
む系を重合し、その存在下に残りの単量体を重合してガ
ラス転移温度の低い層を有するゴムを調製し、その後に
酸基含有共重合体ラテックスで肥大させて肥大ジエン系
ゴム粒子を得る。又、前述の重合順序とは逆の順序で実
施する系も有効である。これら使用されるジエン系ゴム
は通常の乳化重合により得ることが有利であり粒子径は
500〜2000Åが実用的である。平均粒径が500
Å未満のものは通常の乳化重合では安定的に得ることが
難しいために現実的でなく、平均粒径が2000Åを越
えるものは、重合時間が長くかかるために生産性に大き
な問題を持つ。次に、このようなジエン系ゴムの製造の
際、架橋性単量体0〜10重量%を使用してもよい。好
ましくは0〜3重量%である。架橋性単量体は分子中に
2つ以上の重合性官能基を有する化合物で、例えばメタ
クリル酸アリル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル
等が挙げられる。また同様にジエン系ゴムの製造の際、
連鎖移動剤0〜10重量%を使用してもよい。好ましく
は0〜3重量%である。連鎖移動剤としては例えばn−
ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等の
メルカプタン類があげられる。これらはいずれも0〜1
0重量%の範囲で使用してもよいが、10重量%を超え
ると最終生成物の耐衝撃性が低下するために好ましくな
い。
は共役ジエン系単量体50〜100重量%及び共重合可
能ビニル単量体0〜50重量%を重合させてえられる。
共役ジエン系単量体の代表的なものとしてブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等の各種ブタジエン置換体が
あげられる。又、共重合可能ビニル単量体としては、芳
香環を有するビニル単量体、例えばスチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等、又、メタクリル酸エス
テル化合物、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等、又、アクリル酸エステル化合物、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステ
ル等があげられる。特にアクリル酸4−ヒドロキシブチ
ルエステルはその重合体の屈折率が高く、共重合成分と
して用いた場合その共重合体の屈折率を高める役割をは
たす。シアン化ビニルとしては、例えばアクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリルなどがあげられる。これらは
単独または2種以上組合せて使用することができる。成
形体の透明性が要求される分野では、該ジエン系ゴムの
存在下にビニル単量体を重合して得られるグラフト共重
合体の屈折率を対象としている芳香族ビニル系樹脂の屈
折率に合せる必要があるが、芳香族ビニル系樹脂の屈折
率が比較的高いために、使用されるジエン系ゴムとして
は屈折率の調整面から芳香環を有するビニル単量体を含
有するジエン系ゴムが有効であり、スチレン−ブタジエ
ン共重合体が実用的である。しかし、対象となる芳香族
系樹脂によっては屈折率が高く、使用するジエン系ゴム
の屈折率をマトリックスの値に調整しようとすると芳香
環を有するビニル単量体の比率が高くなり、共重合ゴム
のガラス転移温度が高くなってゴムとしての機能が低下
する場合がある。そのような場合には、ジエン系ゴムを
構成するジエン系単量体と共重合されるビニル系単量体
の重合に際し、ジエン系単量体からなる層、又は、高濃
度のジエン系成分を有する層を含有する様にジエン系ゴ
ムを多段で重合することが有利である。例えば、ジエン
系単量体と共重合される単量体を分離して重合し、先
ず、ジエン系単量体、又は、高濃度のジエン単量体を含
む系を重合し、その存在下に残りの単量体を重合してガ
ラス転移温度の低い層を有するゴムを調製し、その後に
酸基含有共重合体ラテックスで肥大させて肥大ジエン系
ゴム粒子を得る。又、前述の重合順序とは逆の順序で実
施する系も有効である。これら使用されるジエン系ゴム
は通常の乳化重合により得ることが有利であり粒子径は
500〜2000Åが実用的である。平均粒径が500
Å未満のものは通常の乳化重合では安定的に得ることが
難しいために現実的でなく、平均粒径が2000Åを越
えるものは、重合時間が長くかかるために生産性に大き
な問題を持つ。次に、このようなジエン系ゴムの製造の
際、架橋性単量体0〜10重量%を使用してもよい。好
ましくは0〜3重量%である。架橋性単量体は分子中に
2つ以上の重合性官能基を有する化合物で、例えばメタ
クリル酸アリル、ジビニルベンゼン、フタル酸ジアリル
等が挙げられる。また同様にジエン系ゴムの製造の際、
連鎖移動剤0〜10重量%を使用してもよい。好ましく
は0〜3重量%である。連鎖移動剤としては例えばn−
ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等の
メルカプタン類があげられる。これらはいずれも0〜1
0重量%の範囲で使用してもよいが、10重量%を超え
ると最終生成物の耐衝撃性が低下するために好ましくな
い。
【0007】ラテックス状の酸基含有共重合体の組成及
び肥大処理の方法については、特に限定するものではな
い。酸基含有共重合体ラテックスを用いる肥大法は、特
開昭56−166217、特開昭58−61102、特
開平8−59704、特開平8−157502等に報告
されている。しかし、本発明に有利な酸基含有共重合体
ラテックスによるゴム粒子の肥大法については鋭意検討
の結果、酸基含有共重合体としてはアクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸及びクロトン酸のうちから選ばれる
少なくとも1種の不飽和酸5〜30重量%、アルキル基
の炭素数が1〜12の少なくとも1種のアルキルアクリ
レート5〜35重量%、アルキル基の炭素数が1〜12
の少なくとも1種のアルキルメタクリレート20〜80
重量%およびこれらと共重合可能なビニル系不飽和結合
を有する単量体0〜40重量%からなる単量体混合物
(合わせて100重量%)を重合させてなるものが有利
である。即ち、使用される不飽和酸としては実用面から
はアクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物が好
ましく、不飽和酸の割合は5〜30重量%である。5%
未満では肥大能力が乏しく、30重量%を越えると凝塊
物の生成やラテックスの増粘が起こり、工業的な生産に
適さない。
び肥大処理の方法については、特に限定するものではな
い。酸基含有共重合体ラテックスを用いる肥大法は、特
開昭56−166217、特開昭58−61102、特
開平8−59704、特開平8−157502等に報告
されている。しかし、本発明に有利な酸基含有共重合体
ラテックスによるゴム粒子の肥大法については鋭意検討
の結果、酸基含有共重合体としてはアクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸及びクロトン酸のうちから選ばれる
少なくとも1種の不飽和酸5〜30重量%、アルキル基
の炭素数が1〜12の少なくとも1種のアルキルアクリ
レート5〜35重量%、アルキル基の炭素数が1〜12
の少なくとも1種のアルキルメタクリレート20〜80
重量%およびこれらと共重合可能なビニル系不飽和結合
を有する単量体0〜40重量%からなる単量体混合物
(合わせて100重量%)を重合させてなるものが有利
である。即ち、使用される不飽和酸としては実用面から
はアクリル酸、メタクリル酸またはこれらの混合物が好
ましく、不飽和酸の割合は5〜30重量%である。5%
未満では肥大能力が乏しく、30重量%を越えると凝塊
物の生成やラテックスの増粘が起こり、工業的な生産に
適さない。
【0008】また、使用されるアルキルアクリレートと
してはアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エス
テルがあり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。これ
らは単独または2種以上組み合わせて使用できる。アル
キルアクリレートの割合は5〜35重量%、好ましくは
8〜30重量%である。5重量%未満では肥大能力が低
下し、35重量%を越えると酸基含有共重合体ラテック
ス製造時の凝塊物が多くなる。又、使用されるアルキル
メタクリレートとしては、メタクリル酸と炭素数1〜1
2の直鎖あるいは側鎖を有するアルコールのエステルが
使用され、それらに、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等がある。特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ま
しい。これらは単独または2種以上組み合わせて使用で
きる。アルキルメタクリレートの割合は20〜80重量
%、好ましくは25〜75重量%であり、この範囲外で
は肥大能力が低下する傾向がある。
してはアルキル基の炭素数が1〜12のアクリル酸エス
テルがあり、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。
特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ましい。これ
らは単独または2種以上組み合わせて使用できる。アル
キルアクリレートの割合は5〜35重量%、好ましくは
8〜30重量%である。5重量%未満では肥大能力が低
下し、35重量%を越えると酸基含有共重合体ラテック
ス製造時の凝塊物が多くなる。又、使用されるアルキル
メタクリレートとしては、メタクリル酸と炭素数1〜1
2の直鎖あるいは側鎖を有するアルコールのエステルが
使用され、それらに、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル
等がある。特にアルキル基の炭素数1〜8のものが好ま
しい。これらは単独または2種以上組み合わせて使用で
きる。アルキルメタクリレートの割合は20〜80重量
%、好ましくは25〜75重量%であり、この範囲外で
は肥大能力が低下する傾向がある。
【0009】これらと共重合可能なビニル単量体として
は、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単
量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシ
アン化ビニル単量体、メタクリル酸アリル、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート等の分子内に2つ以上の
重合性官能基を有するような単量体があげられる。これ
らは1種または2種以上組み合わせて使用される。これ
ら共重合可能なビニル単量体の割合は0〜40重量%、
好ましくは0〜35重量%である。40重量%を越える
と肥大能力が低下する。
は、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単
量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシ
アン化ビニル単量体、メタクリル酸アリル、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート等の分子内に2つ以上の
重合性官能基を有するような単量体があげられる。これ
らは1種または2種以上組み合わせて使用される。これ
ら共重合可能なビニル単量体の割合は0〜40重量%、
好ましくは0〜35重量%である。40重量%を越える
と肥大能力が低下する。
【0010】また、必要に応じてn−ドデシルメルカプ
タンやt−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を0〜
3重量%の範囲で使用することができる。上記単量体混
合物(合わせて100重量%)により酸基含有共重合体
ラテックスを重合させて得るに際し、上記単量体混合物
全量の内、先ず、5〜90重量%、好ましくは10〜7
0重量%でかつ不飽和酸低含量の単量体混合物を重合さ
せたのち、単量体混合物の残部95〜10重量%、好ま
しくは90〜30%で、かつ不飽和酸高含量の単量体混
合物を重合させるのが好ましいが、前半部の重合体中の
不飽和酸の百分率aと後半部の不飽和酸の百分率bとの
比率a/bは5〜95%の範囲となるように重合させる
方法が肥大能力の点から好ましい。特に好ましくはa/
bは15〜85である。さらに不飽和酸高含量の部分を
重合させる場合、肥大能力の点から不飽和酸高含量層中
の不飽和酸量が10重量%以上が好ましく、特に15重
量%以上が好ましい。該比率が上記範囲外では、酸基含
有ラテックス製造時の凝塊物が著しく多くなり、その
上、最終生成物の耐衝撃強度が十分に発現されない。
尚、酸基含有共重合体ラテックスの粒子径は700〜2
000Åのものが良く、700Å未満では肥大能力が弱
く、2000Åを越えると肥大後のゴムの粒子径分布に
未肥大のものが多くなり品質低下をきたす。
タンやt−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を0〜
3重量%の範囲で使用することができる。上記単量体混
合物(合わせて100重量%)により酸基含有共重合体
ラテックスを重合させて得るに際し、上記単量体混合物
全量の内、先ず、5〜90重量%、好ましくは10〜7
0重量%でかつ不飽和酸低含量の単量体混合物を重合さ
せたのち、単量体混合物の残部95〜10重量%、好ま
しくは90〜30%で、かつ不飽和酸高含量の単量体混
合物を重合させるのが好ましいが、前半部の重合体中の
不飽和酸の百分率aと後半部の不飽和酸の百分率bとの
比率a/bは5〜95%の範囲となるように重合させる
方法が肥大能力の点から好ましい。特に好ましくはa/
bは15〜85である。さらに不飽和酸高含量の部分を
重合させる場合、肥大能力の点から不飽和酸高含量層中
の不飽和酸量が10重量%以上が好ましく、特に15重
量%以上が好ましい。該比率が上記範囲外では、酸基含
有ラテックス製造時の凝塊物が著しく多くなり、その
上、最終生成物の耐衝撃強度が十分に発現されない。
尚、酸基含有共重合体ラテックスの粒子径は700〜2
000Åのものが良く、700Å未満では肥大能力が弱
く、2000Åを越えると肥大後のゴムの粒子径分布に
未肥大のものが多くなり品質低下をきたす。
【0011】ジエン系ゴムを上記の酸基含有共重合体ラ
テックスにより重量平均粒径2500〜20000Åに
肥大させる場合、酸基含有共重合体ラテックスは0.1
〜15重量部(固形分量で)の範囲で使用される。0.
1重量部未満では未肥大のポリジエン系ゴム粒子の量が
多くなり、目的とする平均粒径に肥大させることが出来
ないので好ましくない。又、15重量部を越えると重量
平均粒径のコントロールが困難であり、また、最終生成
物の物性を低下させるため好ましくない。さらに未肥大
のジエン系ゴムの量が少なく、かつ肥大粒子の重量平均
粒径が比較的均一で安定的に得られるという点から0.
5〜5重量部の使用が実用的である。また、耐衝撃強度
付与効果を十分に保持するためには重量平均粒径250
0〜20000Å、更に3500〜9000Åにするこ
とが好ましい。重量平均粒径が2500Å未満では充分
な耐衝撃強度が得られない。また、重量平均粒径が20
000Åを越えると、重合中のラテックスの安定性が不
足する結果、重合スケールの増大、あるいは重合中のラ
テックスの凝集を来たし、工業生産に適さない。
テックスにより重量平均粒径2500〜20000Åに
肥大させる場合、酸基含有共重合体ラテックスは0.1
〜15重量部(固形分量で)の範囲で使用される。0.
1重量部未満では未肥大のポリジエン系ゴム粒子の量が
多くなり、目的とする平均粒径に肥大させることが出来
ないので好ましくない。又、15重量部を越えると重量
平均粒径のコントロールが困難であり、また、最終生成
物の物性を低下させるため好ましくない。さらに未肥大
のジエン系ゴムの量が少なく、かつ肥大粒子の重量平均
粒径が比較的均一で安定的に得られるという点から0.
5〜5重量部の使用が実用的である。また、耐衝撃強度
付与効果を十分に保持するためには重量平均粒径250
0〜20000Å、更に3500〜9000Åにするこ
とが好ましい。重量平均粒径が2500Å未満では充分
な耐衝撃強度が得られない。また、重量平均粒径が20
000Åを越えると、重合中のラテックスの安定性が不
足する結果、重合スケールの増大、あるいは重合中のラ
テックスの凝集を来たし、工業生産に適さない。
【0012】次に、この様にして得た肥大ジエン系ゴム
粒子を用いて目的とするゴム含有グラフト体を調製する
には、重量平均粒径2500〜20000Åの肥大ジエ
ン系ゴム粒子40〜95重量部の存在下に、ビニル単量
体60〜5重量部(ジエン系ゴム粒子と合せて100重
量部)を乳化重合させて得られる。重量平均粒径はマイ
クロトラック粒度分布計で測定される。ここで使用され
るビニル系単量体は各種モノマーの使用が可能である。
ここで透明性が要求される場合には、得られるグラフト
共重合体の屈折率と芳香族ビニル系樹脂の屈折率の差が
好ましくは0.01以内、更に好ましくは0.005以
内になるよう設定することが望ましい。差が0.01を
越える場合には実質的に不透明のものしか得られない。
勿論、ここでいう屈折率は実測値での比較であるが、処
方設定の目安としてはポリマーハンドブック等の文献に
よる屈折率の値から計算で推測して実施するのが便利で
ある。
粒子を用いて目的とするゴム含有グラフト体を調製する
には、重量平均粒径2500〜20000Åの肥大ジエ
ン系ゴム粒子40〜95重量部の存在下に、ビニル単量
体60〜5重量部(ジエン系ゴム粒子と合せて100重
量部)を乳化重合させて得られる。重量平均粒径はマイ
クロトラック粒度分布計で測定される。ここで使用され
るビニル系単量体は各種モノマーの使用が可能である。
ここで透明性が要求される場合には、得られるグラフト
共重合体の屈折率と芳香族ビニル系樹脂の屈折率の差が
好ましくは0.01以内、更に好ましくは0.005以
内になるよう設定することが望ましい。差が0.01を
越える場合には実質的に不透明のものしか得られない。
勿論、ここでいう屈折率は実測値での比較であるが、処
方設定の目安としてはポリマーハンドブック等の文献に
よる屈折率の値から計算で推測して実施するのが便利で
ある。
【0013】本発明で使用される共重合体、共重合体と
単独重合体の混合物または3種の単独重合体の混合物
(B)は、成分(B)全体として芳香族ビニル単量体単
位40〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量
体単位0〜59重量%、単独重合体を得た場合のガラス
転移温度(Tg)が120℃以上であるビニル重合性単
量体単位1〜40重量%からなる。これら3成分の共重
合体であっても、これらの内2成分の共重合体と残り1
成分の単独重合体との混合物であっても、それぞれ1成
分の単独重合体3種の混合物あるいはこれらの混合物出
合ってもよい。成分(B)全体として上記単量体単位の
範囲であることが重要である。その他共重合可能な単量
体単位を0〜20重量%含んでいてもよい。透明性が要
求される場合には、成分(B)の屈折率があまり高くな
ると、グラフト共重合体の屈折率を成分(B)の屈折率
に合わせるためにはジエン単量体の量を少なくせざるを
得なくなり、耐衝撃性の付与が難しくなる。従って、成
分(B)のより好ましい組成としては、全体の構成が、
芳香族ビニル単量体単位40〜80重量%、メタクリル
酸エステル単位55〜0重量%及び単独重合体のTgが
120℃以上であるビニル系単量体単位5〜30重量%
(合計100重量%)となるよう重合、或いはブレンド
等の手法により調製する事が望ましい。全体の構成中、
芳香族ビニル単量体単位の含有量が40重量%を下回る
と芳香族ビニル系樹脂としての特徴が損なわれ、剛性が
低下すると共に、コスト面でも不利になる。また、耐熱
性ビニル重合性単量体の量が5重量%未満では耐熱性が
不充分となる。また30重量%を越えると、耐衝撃性の
低下をきたし好ましくない。尚、これら構成成分は、全
体を共重合して単一の熱可塑性共重合体として用いても
良いし、各熱可塑性(共)重合体同士の相容性が物性上
問題とならない範囲で、組成、或いは重合度等の異なる
2種以上の熱可塑性(共)重合体のブレンド物を用いる
ことも何ら差し支えない。
単独重合体の混合物または3種の単独重合体の混合物
(B)は、成分(B)全体として芳香族ビニル単量体単
位40〜99重量%、(メタ)アクリル酸エステル単量
体単位0〜59重量%、単独重合体を得た場合のガラス
転移温度(Tg)が120℃以上であるビニル重合性単
量体単位1〜40重量%からなる。これら3成分の共重
合体であっても、これらの内2成分の共重合体と残り1
成分の単独重合体との混合物であっても、それぞれ1成
分の単独重合体3種の混合物あるいはこれらの混合物出
合ってもよい。成分(B)全体として上記単量体単位の
範囲であることが重要である。その他共重合可能な単量
体単位を0〜20重量%含んでいてもよい。透明性が要
求される場合には、成分(B)の屈折率があまり高くな
ると、グラフト共重合体の屈折率を成分(B)の屈折率
に合わせるためにはジエン単量体の量を少なくせざるを
得なくなり、耐衝撃性の付与が難しくなる。従って、成
分(B)のより好ましい組成としては、全体の構成が、
芳香族ビニル単量体単位40〜80重量%、メタクリル
酸エステル単位55〜0重量%及び単独重合体のTgが
120℃以上であるビニル系単量体単位5〜30重量%
(合計100重量%)となるよう重合、或いはブレンド
等の手法により調製する事が望ましい。全体の構成中、
芳香族ビニル単量体単位の含有量が40重量%を下回る
と芳香族ビニル系樹脂としての特徴が損なわれ、剛性が
低下すると共に、コスト面でも不利になる。また、耐熱
性ビニル重合性単量体の量が5重量%未満では耐熱性が
不充分となる。また30重量%を越えると、耐衝撃性の
低下をきたし好ましくない。尚、これら構成成分は、全
体を共重合して単一の熱可塑性共重合体として用いても
良いし、各熱可塑性(共)重合体同士の相容性が物性上
問題とならない範囲で、組成、或いは重合度等の異なる
2種以上の熱可塑性(共)重合体のブレンド物を用いる
ことも何ら差し支えない。
【0014】ここで、該熱可塑性重合体の主成分として
使用される、芳香族ビニル系単量体としては、代表的な
ものはスチレン、ビニルトルエン等がある。又、メタク
リル酸エステル単量体としては、例えばメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチル等が挙げられる。単独重合体のTgが
120℃以上であるビニル重合性単量体としては、例え
ば無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチ
ルマレイミド、メタクリル酸、α−メチルスチレン等が
挙げられる。それらと共重合可能なビニル単量体として
はアクリル酸エステル単量体があり、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル等がある。又、シアン化ビニル例えばアク
リロニトリル、メタアクリロニトリルなども場合により
使用される。尚、これらは単独または2つ以上組合せて
使用することができる。
使用される、芳香族ビニル系単量体としては、代表的な
ものはスチレン、ビニルトルエン等がある。又、メタク
リル酸エステル単量体としては、例えばメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メ
タクリル酸ブチル等が挙げられる。単独重合体のTgが
120℃以上であるビニル重合性単量体としては、例え
ば無水マレイン酸、N−フェニルマレイミド、N−メチ
ルマレイミド、メタクリル酸、α−メチルスチレン等が
挙げられる。それらと共重合可能なビニル単量体として
はアクリル酸エステル単量体があり、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アク
リル酸ブチル等がある。又、シアン化ビニル例えばアク
リロニトリル、メタアクリロニトリルなども場合により
使用される。尚、これらは単独または2つ以上組合せて
使用することができる。
【0015】次に、本発明が対象とする耐熱性耐衝撃性
樹脂組成物を製造するためには、前述のジエン系ゴム粒
子に酸基含有ラテックスを加えて肥大させて得た大粒径
ゴム粒子にビニル系単量体を乳化重合させて得られる酸
基含有共重合体ラテックス肥大グラフト共重合体5〜4
0重量部と耐熱性芳香族ビニル系重合体あるいは重合体
混合物である成分(B)95〜60重量部(合わせて1
00重量部)とを溶融混練して混合物を得る。その際、
各種安定剤や滑剤、顔料、充填剤などを1種あるいは2
種以上を組み合わせて、耐熱芳香族ビニル系樹脂の長所
を損なわない程度に使用することができる。このように
して得た溶融混練物を用いて押出成形や射出成形等によ
り成形品を製造できる。以下に本発明の組成物を実施例
をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
樹脂組成物を製造するためには、前述のジエン系ゴム粒
子に酸基含有ラテックスを加えて肥大させて得た大粒径
ゴム粒子にビニル系単量体を乳化重合させて得られる酸
基含有共重合体ラテックス肥大グラフト共重合体5〜4
0重量部と耐熱性芳香族ビニル系重合体あるいは重合体
混合物である成分(B)95〜60重量部(合わせて1
00重量部)とを溶融混練して混合物を得る。その際、
各種安定剤や滑剤、顔料、充填剤などを1種あるいは2
種以上を組み合わせて、耐熱芳香族ビニル系樹脂の長所
を損なわない程度に使用することができる。このように
して得た溶融混練物を用いて押出成形や射出成形等によ
り成形品を製造できる。以下に本発明の組成物を実施例
をあげて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0016】
【実施例】実施例1
(1)ブタジエン−スチレンゴムの重合
100リットル耐圧重合機中に、水200重量部、過硫
酸カリウム0.2重量部を入れ、攪拌し十分に窒素置換
を行なって酸素を除いた後、オレイン酸ナトリウム1重
量部、ロジン酸ナトリウム2重量部およびブタジエン6
0重量部、スチレン40重量部を系中に投入し、60℃
に昇温し重合を開始した。重合は12時間で終了した。
重合転化率は96%、ゴムラテックスの平均粒径は86
0Åであった。尚、平均粒子径の測定は以下の測定も含
めて日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計モデ
ル9230UPAを用いて行った。
酸カリウム0.2重量部を入れ、攪拌し十分に窒素置換
を行なって酸素を除いた後、オレイン酸ナトリウム1重
量部、ロジン酸ナトリウム2重量部およびブタジエン6
0重量部、スチレン40重量部を系中に投入し、60℃
に昇温し重合を開始した。重合は12時間で終了した。
重合転化率は96%、ゴムラテックスの平均粒径は86
0Åであった。尚、平均粒子径の測定は以下の測定も含
めて日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計モデ
ル9230UPAを用いて行った。
【0017】(2)酸基含有共重合体ラテックスの重合
8リットル重合機に、水200重量部、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウム0.5重量部を入れ、攪拌し窒素
を流しながら、70℃に昇温した。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.3重量部、硫酸第一鉄0.
0025重量部、エチレンジアミン四酢酸0.01重量
部を添加し、数分後にメタクリル酸ブチル2重量部、ア
クリル酸ブチル23重量部、メタクリル酸2重量部、t
−ドデシルメルカプタン0.125重量部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.025重量部の混合物を定量ポ
ンプを用い、20重量部/時の速度で連続的に滴下し
た。上記混合物追加後、さらにメタクリル酸ブチル58
重量部、アクリル酸ブチル2重量部、メタクリル酸13
重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部、クメ
ンハイドロパーオキサイド0.08重量部の混合物を同
様に20重量部/時で滴下し、滴下終了後1.5時間目
に重合を終了した。転化率は99.7%、平均粒径は1
050Å、固形分濃度は33%、pHは2.8であっ
た。
ホコハク酸ナトリウム0.5重量部を入れ、攪拌し窒素
を流しながら、70℃に昇温した。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.3重量部、硫酸第一鉄0.
0025重量部、エチレンジアミン四酢酸0.01重量
部を添加し、数分後にメタクリル酸ブチル2重量部、ア
クリル酸ブチル23重量部、メタクリル酸2重量部、t
−ドデシルメルカプタン0.125重量部、クメンハイ
ドロパーオキサイド0.025重量部の混合物を定量ポ
ンプを用い、20重量部/時の速度で連続的に滴下し
た。上記混合物追加後、さらにメタクリル酸ブチル58
重量部、アクリル酸ブチル2重量部、メタクリル酸13
重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部、クメ
ンハイドロパーオキサイド0.08重量部の混合物を同
様に20重量部/時で滴下し、滴下終了後1.5時間目
に重合を終了した。転化率は99.7%、平均粒径は1
050Å、固形分濃度は33%、pHは2.8であっ
た。
【0018】(3)肥大ゴムの調製
8リットル重合機中に、(1)で製造したブタジエン−
スチレンゴム100重量部(固形分)、水20重量部を
入れ、攪拌下で窒素を流しながら60℃まで昇温した。
水酸化ナトリウム0.1重量部、(2)において重合し
た酸基含有共重合体のラテックス3重量部(固形分)を
添加し、1時間攪拌を続け、ブタジエン−スチレンゴム
を肥大させた。水200重量部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.4重量部を入れ、さらに30分間
攪拌し肥大を終了させた。平均粒径6600Åのブタジ
エン系肥大ゴムが得られた。
スチレンゴム100重量部(固形分)、水20重量部を
入れ、攪拌下で窒素を流しながら60℃まで昇温した。
水酸化ナトリウム0.1重量部、(2)において重合し
た酸基含有共重合体のラテックス3重量部(固形分)を
添加し、1時間攪拌を続け、ブタジエン−スチレンゴム
を肥大させた。水200重量部、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム0.4重量部を入れ、さらに30分間
攪拌し肥大を終了させた。平均粒径6600Åのブタジ
エン系肥大ゴムが得られた。
【0019】(4)肥大ゴムのグラフト共重合
8リットル重合機中に(3)で得られたブタジエン−ス
チレン肥大ゴム70重量部(固形分)を仕込み窒素流
入、攪拌下で60℃まで昇温する。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.18重量部、硫酸第一鉄
0.001重量部、エチレンジアミン四酢酸0.004重
量部を添加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレ
ン17重量部、アクリル酸エチル2重量部よりなる単量
体の混合物30重量部にt−ブチルハイドロパーオキサ
イド0.2重量部を添加し、定量ポンプを用い、10重
量部/時の速度で連続的に重合機中に滴下した。単量体
混合物追加中にラテックスの安定性を保つ目的でジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム0.2重量部を1時間おき
に4回重合機中に加えた。単量体混合物追加終了後さら
に1時間攪拌し、重合を完了させた。重合転化率は96
%、ラテックスの平均粒径は7600Åであった。ラテ
ックスにジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート
(DLTP)、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール(BHT)を各0.5重量部を添加後、塩
化カルシウム5重量部を添加して塩析させ、90℃に加
熱処理後、脱水乾燥し、乾燥パウダーを得た。屈折率
(nD)は1.543であった。
チレン肥大ゴム70重量部(固形分)を仕込み窒素流
入、攪拌下で60℃まで昇温する。ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート0.18重量部、硫酸第一鉄
0.001重量部、エチレンジアミン四酢酸0.004重
量部を添加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレ
ン17重量部、アクリル酸エチル2重量部よりなる単量
体の混合物30重量部にt−ブチルハイドロパーオキサ
イド0.2重量部を添加し、定量ポンプを用い、10重
量部/時の速度で連続的に重合機中に滴下した。単量体
混合物追加中にラテックスの安定性を保つ目的でジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム0.2重量部を1時間おき
に4回重合機中に加えた。単量体混合物追加終了後さら
に1時間攪拌し、重合を完了させた。重合転化率は96
%、ラテックスの平均粒径は7600Åであった。ラテ
ックスにジラウリル−3,3'−チオジプロピオネート
(DLTP)、及び2,6−ジ−t−ブチル−4−メチ
ルフェノール(BHT)を各0.5重量部を添加後、塩
化カルシウム5重量部を添加して塩析させ、90℃に加
熱処理後、脱水乾燥し、乾燥パウダーを得た。屈折率
(nD)は1.543であった。
【0020】(5)耐熱性芳香族ビニル系共重合体の重
合 以下のようにスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸からなる芳香族ビニル系共重合体樹脂を懸濁重合に
より得た。100リットル重合機に水200重量部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、
リン酸カルシウム1重量部をいれ、十分な脱酸素の後8
5℃に昇温し、スチレン52重量部、メタクリル酸メチ
ル38重量部、メタクリル酸10重量部、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.8重量部を一括添加し、5時間攪拌し
反応を完了させた。重合転化率は97%であった。さら
に脱水乾燥し、芳香族ビニル系共重合体を得た。屈折率
は1.548であった。
合 以下のようにスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸からなる芳香族ビニル系共重合体樹脂を懸濁重合に
より得た。100リットル重合機に水200重量部、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02重量部、
リン酸カルシウム1重量部をいれ、十分な脱酸素の後8
5℃に昇温し、スチレン52重量部、メタクリル酸メチ
ル38重量部、メタクリル酸10重量部、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.8重量部を一括添加し、5時間攪拌し
反応を完了させた。重合転化率は97%であった。さら
に脱水乾燥し、芳香族ビニル系共重合体を得た。屈折率
は1.548であった。
【0021】(6)耐衝撃性芳香族ビニル系共重合体樹
脂組成物の製造 (5)で製造した耐熱性芳香族ビニル系共重合体75重
量%と、(4)で製造したグラフト共重合体25重量%
およびヒンダードフェノール系安定剤0. 1重量%を混
合し、日本製鋼所製TEX44SS型2軸押出機を用い
て溶融混練し、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物のペ
レットを作成した。さらに本ペレットを田辺プラスチッ
ク機械株式会社製VS−50型押出機にコートハンガー
タイプダイを装着して押出加工し、厚み0.4mmのシ
ートを成形した。また、本ペレットを三菱重工株式会社
製160MSP10型射出成形機を用いて、耐熱変形温
度(HDT)測定用ピースを成形した。
脂組成物の製造 (5)で製造した耐熱性芳香族ビニル系共重合体75重
量%と、(4)で製造したグラフト共重合体25重量%
およびヒンダードフェノール系安定剤0. 1重量%を混
合し、日本製鋼所製TEX44SS型2軸押出機を用い
て溶融混練し、耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂組成物のペ
レットを作成した。さらに本ペレットを田辺プラスチッ
ク機械株式会社製VS−50型押出機にコートハンガー
タイプダイを装着して押出加工し、厚み0.4mmのシ
ートを成形した。また、本ペレットを三菱重工株式会社
製160MSP10型射出成形機を用いて、耐熱変形温
度(HDT)測定用ピースを成形した。
【0022】(7)耐衝撃性芳香族ビニル系共重合体樹
脂組成物の物性評価 (6)で製造した耐衝撃芳香族ビニル系樹脂組成物シー
トを、耐衝撃性はJIS K−5400に準拠したデュ
ポン衝撃試験機を使用し、JIS K−7211に基づ
いて落錘衝撃試験を行い、半数破壊エネルギーを求め
た。また透明性はJISK−6714に準拠して、0.
4mm厚みにおける曇価を測定した。耐熱変形温度(H
DT)については、射出成形された測定用ピースを使用
し、JISK−7207Aの18.6kg荷重に準じて
測定した。これらの結果は表1に示す。
脂組成物の物性評価 (6)で製造した耐衝撃芳香族ビニル系樹脂組成物シー
トを、耐衝撃性はJIS K−5400に準拠したデュ
ポン衝撃試験機を使用し、JIS K−7211に基づ
いて落錘衝撃試験を行い、半数破壊エネルギーを求め
た。また透明性はJISK−6714に準拠して、0.
4mm厚みにおける曇価を測定した。耐熱変形温度(H
DT)については、射出成形された測定用ピースを使用
し、JISK−7207Aの18.6kg荷重に準じて
測定した。これらの結果は表1に示す。
【0023】実施例2
ブタジエン−スチレン系ゴムの調製においてブタジエン
60重量部を先に重合し、その存在下にスチレン40重
量部を重合して調製したブタジエン−スチレンゴムを用
いること以外は実施例1と同様にして実施した。得られ
た肥大ゴムの粒子径は6100Åであった。この肥大ゴ
ム粒子のラテックスを用い、その後は実施例1と同様に
樹脂組成物をつくり物性評価した。結果を表1に示す。
60重量部を先に重合し、その存在下にスチレン40重
量部を重合して調製したブタジエン−スチレンゴムを用
いること以外は実施例1と同様にして実施した。得られ
た肥大ゴムの粒子径は6100Åであった。この肥大ゴ
ム粒子のラテックスを用い、その後は実施例1と同様に
樹脂組成物をつくり物性評価した。結果を表1に示す。
【0024】実施例3
ブタジエン−スチレン系ゴムの調製において、ブタジエ
ン60重量部を先に重合し、その存在下にスチレン40
重量部を重合して調製したブタジエン−スチレンゴムを
用い、酸基含有共重合体ラテックス1.8重量部(固形
分)を使用すること以外は実施例1と同様に実施した。
得られた肥大ゴムの粒子径は9100Åであった。得ら
れた肥大ゴム粒子のラテックスを用いその後は実施例1
と同様にして樹脂組成物をつくり物性を評価した。結果
を表1に示す。
ン60重量部を先に重合し、その存在下にスチレン40
重量部を重合して調製したブタジエン−スチレンゴムを
用い、酸基含有共重合体ラテックス1.8重量部(固形
分)を使用すること以外は実施例1と同様に実施した。
得られた肥大ゴムの粒子径は9100Åであった。得ら
れた肥大ゴム粒子のラテックスを用いその後は実施例1
と同様にして樹脂組成物をつくり物性を評価した。結果
を表1に示す。
【0025】実施例4
芳香族ビニル系共重合体の重合において、単量体組成を
スチレン84重量部、メタクリル酸16重量部とした。
重合転化率は97%であった。更に、耐衝撃性芳香族ビ
ニル系共重合体樹脂組成物の製造において、この芳香族
ビニル系共重合体62重量部と、市販PMMA樹脂(ク
ラレ製パラペットG)38重量部の計100重量部から
なる熱可塑性樹脂ブレンド物を芳香族ビニル系重合体と
して使用した。この耐熱性芳香族ビニル系重合体の屈折
率は1.548であった。その他の条件は実施例1と同
様に実施した。結果を表1に示す。
スチレン84重量部、メタクリル酸16重量部とした。
重合転化率は97%であった。更に、耐衝撃性芳香族ビ
ニル系共重合体樹脂組成物の製造において、この芳香族
ビニル系共重合体62重量部と、市販PMMA樹脂(ク
ラレ製パラペットG)38重量部の計100重量部から
なる熱可塑性樹脂ブレンド物を芳香族ビニル系重合体と
して使用した。この耐熱性芳香族ビニル系重合体の屈折
率は1.548であった。その他の条件は実施例1と同
様に実施した。結果を表1に示す。
【0026】実施例5
実施例1の芳香族ビニル系共重合体の重合において、単
量体組成を、スチレン50重量部、メタクリル酸メチル
40重量部、α−メチルスチレン10重量部、とした事
以外は実施例1と同様に実施した。重合転化率は96%
であった。得られた共重合体の屈折率は1.546であ
った。以下実施例1と同様にして樹脂組成物をつくり物
性を評価した。結果を表1に示す。
量体組成を、スチレン50重量部、メタクリル酸メチル
40重量部、α−メチルスチレン10重量部、とした事
以外は実施例1と同様に実施した。重合転化率は96%
であった。得られた共重合体の屈折率は1.546であ
った。以下実施例1と同様にして樹脂組成物をつくり物
性を評価した。結果を表1に示す。
【0027】比較例1
実施例1の(1)で得られたブタジエン−スチレンゴム
70重量部の存在下に酸基含有共重合体ラテックスによ
る肥大を行わずに、その後このゴム粒子のラテックスを
用いメタクリル酸メチル12重量部、スチレン18重量
部を重合を行い、粒子径が1100Åのグラフト共重合
体を得た。その後は実施例1と同様に実施して物性評価
を行い結果を表2に示した。
70重量部の存在下に酸基含有共重合体ラテックスによ
る肥大を行わずに、その後このゴム粒子のラテックスを
用いメタクリル酸メチル12重量部、スチレン18重量
部を重合を行い、粒子径が1100Åのグラフト共重合
体を得た。その後は実施例1と同様に実施して物性評価
を行い結果を表2に示した。
【0028】比較例2
実施例1の(1)で得られたブタジエン−スチレンゴム
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重
量部、アクリル酸エチル2重量部を重合して粒子径18
00Åのグラフト共重合体を得た。その後、実施例1と
同様に実施した。結果を表2に示した。
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重
量部、アクリル酸エチル2重量部を重合して粒子径18
00Åのグラフト共重合体を得た。その後、実施例1と
同様に実施した。結果を表2に示した。
【0029】比較例3
酸基含有共重合体ラテックスによる肥大なしに実施例2
で使用したブタジエン−スチレンゴム70重量部の存在
下にメタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重量
部、アクリル酸エチル2重量部を重合してグラフト重合
体を得た。粒子径は1100Åであった。その後は実施
例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
で使用したブタジエン−スチレンゴム70重量部の存在
下にメタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重量
部、アクリル酸エチル2重量部を重合してグラフト重合
体を得た。粒子径は1100Åであった。その後は実施
例1と同様に実施した。結果を表2に示した。
【0030】比較例4
実施例2の(1)で得られたブタジエン−スチレンゴム
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重
量部、アクリル酸エチル2重量部を重合して粒子径17
00Åのグラフト共重合体を得た。その後は実施例1と
同様に実施した。結果を表2に示した。
70重量部の存在下に硫酸ナトリウム2.5重量部を添
加し、メタクリル酸メチル11重量部、スチレン17重
量部、アクリル酸エチル2重量部を重合して粒子径17
00Åのグラフト共重合体を得た。その後は実施例1と
同様に実施した。結果を表2に示した。
【0031】比較例5
耐熱性芳香族ビニル系共重合体の重合において、単量体
組成を、スチレン55重量部、メタクリル酸メチル45
重量部とした事以外は実施例1と同様にして実施した。
得られた共重合体の屈折率は1.546であった。評価
結果を表2に示した。
組成を、スチレン55重量部、メタクリル酸メチル45
重量部とした事以外は実施例1と同様にして実施した。
得られた共重合体の屈折率は1.546であった。評価
結果を表2に示した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明の耐衝撃性芳香族ビニル系樹脂は
芳香族ビニル系樹脂の耐熱性、透明性を保持しながら、
従来よりすぐれた耐衝撃性を有する成形品を与える。
芳香族ビニル系樹脂の耐熱性、透明性を保持しながら、
従来よりすぐれた耐衝撃性を有する成形品を与える。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A)共役ジエン系単量体50〜100
重量%及び共役ジエン系単量体と共重合可能なビニル系
単量体50〜0重量%(合計100重量%)を重合して
得られる重量平均粒子径500〜2000Åのラテック
ス状ジエン系ゴム粒子100重量部(固形分)に対し
て、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸又はクロト
ン酸5〜30重量%及び該不飽和酸と共重合可能な単量
体95〜70重量%からなる単量体混合物(合計100
重量%)を重合させ得られる酸基含有共重合体ラテック
ス0.1〜15重量部(固形分)を加えて肥大させて得
られる重量平均粒径2500〜20000Åのラテック
ス状ジエン系ゴム粒子40〜95重量部の存在下にビニ
ル単量体60〜5重量部(ジエン系ゴム粒子とビニル系
単量体の合計が100重量部)を重合させて得られるグ
ラフト共重合体5〜40重量部及び(B)芳香族ビニル
系単量体単位40〜99重量%、単独重合体のTgが1
20℃以上であるビニル系単量体単位1〜40重量%及
び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位0〜59重量
%(以上合計100重量%)からなる共重合体、共重合
体と単独重合体の混合物又は3種単独重合体の混合物9
5〜60重量部{(A)と(B)合わせて100重量
部}からなる熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 酸基含有共重合体の重合で用いる共重合
可能な単量体が、アルキル基の炭素数1〜12のアルキ
ルアクリレート5〜35重量%、アルキル基の炭素数1
〜12のアルキルメタクリレート20〜80重量%及び
その他ビニル系単量体0〜40重量%(合計95〜70
重量%)からなる単量体である請求項1記載の熱可塑性
樹脂組成物。 - 【請求項3】 ジエン系ゴム粒子が共役ジエン系単量体
とこれと共重合可能なビニル系単量体を共重合して得ら
れ、ジエン系単量体単位の含有量の異なるジエン系ゴム
層を有する2層以上のジエン系ゴム粒子である請求項1
又は2記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】 ラテックス状酸基含有共重合体がその重
合の際、単量体全量の重合転化率5〜90重量%におい
て不飽和酸単位がより低含有量になる組成比率で重合さ
せ、その後、重合転化率95重量%以上において不飽和
酸単位がより高含量になるような組成比率で重合させた
ラテックス状酸基含有共重合体である請求項1、2又は
3記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項5】 単独重合体のTgが120℃以上である
ビニル系単量体が無水マレイン酸、マレイミド誘導体、
メタクリル酸又はα−メチルスチレンである請求項1、
2、3又は4記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項6】 グラフト共重合体(A)と共重合体
(B)の屈折率の差が0.01以下である請求項1、
2、3、4又は5項記載の熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239247A JP2003049041A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | 透明、耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001239247A JP2003049041A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | 透明、耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003049041A true JP2003049041A (ja) | 2003-02-21 |
Family
ID=19070025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001239247A Pending JP2003049041A (ja) | 2001-08-07 | 2001-08-07 | 透明、耐衝撃性熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003049041A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12091483B2 (en) | 2019-09-24 | 2024-09-17 | Lg Chem, Ltd. | Method of preparing graft polymer |
-
2001
- 2001-08-07 JP JP2001239247A patent/JP2003049041A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12091483B2 (en) | 2019-09-24 | 2024-09-17 | Lg Chem, Ltd. | Method of preparing graft polymer |
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