JP2002212270A - エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂用硬化剤、及びエポキシ樹脂組成物

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JP2002212270A JP2001047382A JP2001047382A JP2002212270A JP 2002212270 A JP2002212270 A JP 2002212270A JP 2001047382 A JP2001047382 A JP 2001047382A JP 2001047382 A JP2001047382 A JP 2001047382A JP 2002212270 A JP2002212270 A JP 2002212270A
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pitches
heavy oils
phenol
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Atsuto Hayakawa
淳人 早川
Yasuyuki Murata
保幸 村田
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Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低溶融粘度で低吸湿性、低応力性に優れた、
硬化物を与えるエポキシ樹脂用硬化剤、これを用いた組
成物及び半導体封止用組成物を提供する。 【解決手段】 (a)重質油類またはピッチ類と、フェ
ノール類およびアルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下
に重縮合させて得られた変性フェノール樹脂 30〜9
9重量部、(b)下記一般式(I)で表されるチオジフ
ェノール化合物を1〜70重量部、一般式(I) 【化1】 (式中、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換のフ
ェニル基、置換又は無置換のアラルキル基又はアルコキ
シ基であり、pは、互いに同一であっても異なっていて
もよく、0〜3の整数である。)(c)(a)成分およ
び(b)以外の構造の多価フェノール化合物0〜100
重量部、からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化
剤とこれを用いた組成物及び半導体封止用組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低溶融粘度であ
り、かつ低吸湿性及び低応力性に優れ、さらに成形性に
優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂用硬化剤及びその硬
化剤を用いたエポキシ樹脂組成物及び半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた硬化物性や
取り扱いの容易さから、巾広い用途で使用されている。
また、エポキシ樹脂には、様々な種類の硬化剤が使用で
き、その硬化剤の選択により硬化物性が大きく変わるた
め、各用途の目的に応じて使い分けられている。近年、
高分子材料の使用条件が苛酷になるにしたがって、高分
子材料に対して要求される諸特性は厳しくなってきた。
エポキシ樹脂用硬化剤が使用される用途においても、一
般に用いられている各種の硬化剤では、要求特性を充分
に満足できなくなってきた。例えば、ノボラック型フェ
ノール樹脂を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物は、半導
体封止用に用いられているが、この分野でも、要求性能
は、厳しくなっている。すなわち、半導体装置の高集積
化のため、半導体素子の大型化とパッケージの小型化、
薄型化が進み、また実装方式も表面実装へと移行してい
る。この場合、実装時には半導体装置全体がハンダの溶
融温度近くの高温にさらされるため、パッケージが吸湿
した水分の急激な膨張により、パッケージ全体に大きな
応力がかかり、クラックが入ることが問題となってい
る。耐ハンダクラック性の良好な封止材用のエポキシ樹
脂と硬化剤には、低吸湿性と低応力性、すなわち低弾性
率が要求される。また、溶融シリカ粉末のような無機充
填材を高充填することにより、低吸湿性及び低応力性、
すなわち熱膨張率を改良することも広く行なわれている
が、無機充填材を高充填すると成型時の流動性が損なわ
れるため、封止材用のエポキシ樹脂と硬化剤には、低溶
融粘度であることも要求されてきた。現在主として用い
られているクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェ
ノールノボラック樹脂硬化剤の組み合わせでは、低吸湿
性、低応力性すなわち低弾性率及び低溶融粘度とも充分
なものとは言えなくなってきた。最近これらの問題を解
決するために、硬化剤として、ジシクロペンタジエンフ
ェノール樹脂またはアラルキルフェノール樹脂のような
フェノール核間にバルキーな炭化水素基を導入したフェ
ノール樹脂を用いることにより、低吸湿性および低応力
性を改良することも行なわれているが、これらのフェノ
ール樹脂は溶融粘度が充分低いとは言えず、無機充填材
を高充填することはできない。溶融粘度を下げるために
これらの樹脂の平均分子量を下げると、硬化性が低下す
るため成形性が悪化し、その結果生産性が低下する。硬
化性を向上させるために硬化促進剤の添加量を増やすこ
ともできるが、この場合封止材としての保存安定性が悪
化し実用的でない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低溶融粘度
であり、かつ低応力性及び低吸耐性に優れ、さらに成形
性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂用硬化剤を提供
すること、またその硬化剤を用いた、低溶融粘度であ
り、かつ低吸湿性及び低応力性に優れ、さらに成形性に
優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物及び半導体封
止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために種々研究を重ねた結果、エポキシ樹
脂用硬化剤として、重質油類またはピッチ類とフェノー
ル類およびアルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下に重
縮合させて得られた変性フェノール樹脂とチオジフェノ
ール化合物を併用することによりその目的を達成できた
のである。本発明は、 「1. (a)重質油類またはピッチ類と、フェノール
類およびアルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下に重縮
合させて得られた変性フェノール樹脂 30〜99重量
部 (b)下記一般式(I)で表されるチオジフェノール化
合物を1〜70重量部一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1は互いに同一であっても異な
っていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基、置換又
は無置換のフェニル基、置換又は無置換のアラルキル基
又はアルコキシ基であり、pは、互いに同一であっても
異なっていてもよく、0〜3の整数である。) (c)(a)成分および(b)以外の構造の多価フェノ
ール化合物0〜100重量部 からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤。 2. (a)成分の変性フェノール樹脂が、重質油類ま
たはピッチ類と、平均分子量から算出した前記重質油類
またはピッチ類1モルに対して、0.3〜10モルのフ
ェノール類、0.2〜9モルのアルデヒド化合物、およ
び0.01〜3モルの酸触媒とを混合した後、昇温し、
重縮合反応させて得られた変性フェノール樹脂であるこ
とを特徴とする、1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化
剤。 3. 重質油類またはピッチ類として、芳香族炭化水素
分率fa値が0.40〜0.95、芳香環水素量Ha値
が20〜80%である重質油類またはピッチ類を用いる
ことを特徴とする、1項または2項に記載されたエポキ
シ樹脂用硬化剤。 4. 重質油類が留出開始温度170℃以上である、3
項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。 5. (a)の変性フェノール樹脂が水酸基当量130
〜200g/eq.である、1項ないし4項のいずれか
1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。 6. (b)チオジフェノール化合物として、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロ
キシ−3−メチルフェニル)スルフィド及びビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフィドか
ら選ばれた少なくとも1種類のチオジフェノールを使用
することを特徴とする、1項ないし5項のいずれか1項
に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。 7. エポキシ樹脂、および1項ないし6項のいずれか
1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分とし
て配合してなるエポキシ樹脂組成物。 8. ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、テルペンジフェノール及びク
レゾールノボラック樹脂から選ばれた少なくとも1種類
のフェノール化合物と、エピハロヒドリンとから製造さ
れるエポキシ樹脂、および1項ないし6項のいずれか1
項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分として
なる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 9. エポキシ樹脂、1項ないし6項のいずれか1項に
記載されたエポキシ樹脂用硬化剤、および無機充填材と
して、破砕型および/又は球状の、溶融および/又は結
晶シリカ粉末を組成物の80〜95重量%必須成分とし
て配合してなる、請求項7または8に記載された半導体
封止用エポキシ樹脂組成物。 10. 1項ないし6項のいずれか1項に記載された硬
化剤を全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1モルに対し、
硬化剤中のエポキシ基と反応する基が0.5〜2.0モ
ルとなる量配合した、7項ないし9項のいずれか1項に
記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成物。」 に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の
各成分の使用割合は、(a)重質油類またはピッチ類と
フェノール類およびアルデヒド化合物とを、酸触媒の存
在下に重縮合させて得られた変性フェノール樹脂30〜
99重量部に対して、(b)チオジフェノール化合物1
〜70重量部、(c)(a)成分及び(b)成分以外の
構造の多価フェノール化合物0〜100重量部である。
これら本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の各成分は、あら
かじめ混合して混合硬化剤を調製して使用してもよい
し、エポキシ樹脂組成物の製造時に各種の成分を混合す
る際にエポキシ樹脂用硬化剤の各成分をそれぞれ別々に
添加して同時に混合してもよい。(a)重質油類または
ピッチ類と、フェノール類及びアルデヒド化合物とを、
酸触媒の存在下に重縮合させて得られた変性フェノール
樹脂が30重量部より少ないと低吸湿性や低応力性が不
充分となる。(b)チオジフェノール化合物が1重量部
より少ないと硬化性が低下するので、充分な成形性が得
られない。70重量部より多いと低吸湿性が不充分とな
る。上記の諸特性のバランスより(a)成分と(b)成
分の使用割合は(a)30〜99重量部に対して、
(b)1〜70重量部であり、好ましくは(a)40〜
95重量部に対して、(b)5〜60重量部であり、よ
り好ましくは(a)45〜90重量部に対して、(b)
10〜55重量部である。(c)(a)、(b)以外の
構造の多価フェノール化合物を100重量部より多く用
いると本発明の効果が充分に発揮されなくなる。本発明
の(a)重質油類またはピッチ類と、フェノール類及び
アルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下に重縮合させて
得られた変性フェノール樹脂の原料である重質油類また
はピッチ類には、石油系及び石炭系のいずれかの原料油
を用いることができる。石油系重質油類およびピッチ類
としては、原油の蒸留残油、水添分解残油、接触分解残
油、接触改質残油、ナフサまたはLPGの熱分解残油及
びこれらの残油の減圧蒸留物、溶剤抽出によるエキスト
ラクトあるいは熱処理物、石油精製過程における熱分解
及び接触分解等の分解工程で得られる特定の留出油また
は残渣油およびナフサ等の接触改質における残渣油およ
びこれ等の残油の減圧蒸留物等を例示できる。石炭系重
質油類及びピッチ類としては、石炭乾留におけるコール
タールを蒸留して得られる特定の分留成分及び石炭液化
における重質油等を例示できる。
【0008】重質油類およびピッチ類では、芳香族炭化
水素分率fa値および芳香環水素量Ha値の適当なもの
を選んで使用することが好ましい。例えば、石油系重質
油類またはピッチ類は、0.40〜0.95、好ましく
は0.5〜0.8のfa値と、20〜80%、好ましく
は25〜60%のHa値とを有することが望ましい。な
お、fa値およびHa値は、各々重質油類およびピッチ
類の13C−NMR測定によるデータ、およびH−N
MRによるデータから、下記式に基づいて算出される。 fa値=(油またはピッチ中の芳香族炭素数)/(油ま
たはピッチ中の全炭素数) Ha値=(油またはピッチ中の芳香環水素数)/(油ま
たはピッチ中の全水素数)×100(%) 原料の重質油類およびピッチ類のfa値が0.4より小
さくなると、芳香族分が少なくなるため、得られる変性
フェノール樹脂の特性、特に低吸湿性が不充分となる。
また、原料のfa値が0.95より大きい重質油類およ
びピッチ類の場合には、芳香族炭素とアルデヒド化合物
との重縮合反応性が低く、得られる変性フェノールの取
扱性が悪化したり、期待される特性が充分に発揮されな
【0009】原料の重質油類およびピッチ類のHa値が
20%より小さくなると、アルデヒド化合物と反応する
芳香環水素分が少なくなり、重縮合反応性が低下するた
め、得られる変性フェノール樹脂の取扱性が悪化した
り、期待される特性が充分に発揮されない。Ha値が8
0%より大きい重質油類およびピッチ類を原料とした場
合には、変性フェノール樹脂の強度が不充分となる。こ
のような重質油類およびピッチ類としては、石油精製過
程における熱分解および接触分解及び接触改質等の分解
または改質工程で得られる留出油または残渣油を用いる
ことが、原料の安定供給等の観点から、特に好ましい。
分解または改質工程において、得られた接触分解物、熱
分解物および接触改質物は、様々な沸点を有するととも
に、種々の化合物組成を有する留分に別れるが、このう
ち本発明で好適に用いられる留出油または残渣油は、上
述の芳香族炭化水素分率fa値および芳香環水素量Ha
値を有するとともに、沸点の下限値(留出開始温度)が
170℃以上、好ましくは180℃以上、さらに好まし
くは190℃以上である。
【0010】本発明において、石炭系重質油類およびピ
ッチ類として用いられる分留成分は、上記沸点を有する
限りいずれかのコールタールを蒸留したものであっても
よいが、所望の蒸留成分の含有量が多いという観点か
ら、特にコークス炉タール等の高温タールが好適であ
る。このようなコールタールを蒸留すると、様々な分留
成分を得ることができ、例えばコークス製造時に得られ
るコークス炉タールを蒸留した場合、タール軽油(沸点
約94〜178℃)、カルボン油(石炭酸油:沸点約1
68〜200℃)、ナフタリン油(中油)および吸収油
(沸点約202〜223℃)、重油(沸点約218〜3
14℃)、アントラセン油(沸点約296〜360℃)
およびピッチ(残さ:沸点約450℃以上)等が分留成
分として得られる。このうち、沸点が200℃を越える
分留成分は、ナフタリン油、吸収油、重油、アントラセ
ン油およびピッチである。本発明で用いる石炭系重質油
類またはピッチ類としては、上述の沸点を有するこのよ
うな分留成分を、単独で用いても二種類以上組み合わせ
て用いてもよい。また、これ等の分留成分の混合物から
特定成分を分離・回収し、混合したものであってもよ
く、例えばナフタリン油以上の沸点を有する留分の混合
物で、ナフタリン、アントラセン、タール酸類およびタ
ール塩基等を分離・回収して得られるクレオソート油を
用いることもできる。なお、沸点が200℃以下の分留
成分を用いた場合、原料油中に含まれる縮合多環芳香族
成分の量が少なく、アルデヒド化合物との重縮合反応性
が低下する。
【0011】本発明では、石炭系重質油類またはピッチ
類として、石炭液化に伴って生産される重質油を用いる
こともでき、この重質油は、単独で用いても、上述のコ
ールタール分留成分の一種以上と混合して用いてもよ
い。なお、本発明では、石炭系重質油類またはピッチ類
は、これをそのまま用いてよいが、フェノール類、カル
ボン酸類等の酸性化合物、およびカルバゾール類、ピリ
ジン類、アニリン類、キノリン類、等の塩基性化合物が
含まれている可能性があり、これ等を除去することが望
ましい。以上説明した石油、石炭系重質油類およびピッ
チ類は、石油化学工業において一般的な工程で安定して
生産される製品であり、したがってこれを使用すること
で原料の低コストでの供給を図ることが可能となる。
【0012】目的の性状である(a)変性フェノール樹
脂を得るための、原料として用いられるフェノール類と
しては、1分子中に1個以上のフェノール性水酸基を持
っていれば制約はなく、例えばフェノール、クレゾー
ル、キシレノール、レゾルシン、メチルレゾルシン、ハ
イドロキノン、メチルハイドロキノン、ジメチルハイド
ロキノン、ジブチルハイドロキノン、カテコール、フェ
ニルフェノール、ビニルフェノール、ノニルフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビフェノ
ール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタ
レン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、およびテルペ
ンフェノール等を挙げることができ、この中から選ばれ
た少なくとも1種類のフェノール化合物を用いる。好ま
しくは、フェノール、クレゾール、またはキシレノール
である。(a)変性フェノール樹脂に用いられるアルデ
ヒド化合物には、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、
トリオキサン等が挙げられる。それ等のアルデヒド化合
物の中では、ホルムアルデヒドまたはその誘導体が好ま
しい。また酸触媒としては、シュウ酸、パラトルエンス
ルホン酸(PTS)、キシレンスルホン酸、およびギ酸
等の有機酸、塩酸および硫酸等の無機酸を挙げることが
できる。この中で好ましくはシュウ酸、パラトルエンス
ルホン酸(PTS)である。
【0013】(a)変性フェノール樹脂の原料の好まし
い各使用量は、重質油類またはピッチ類と、平均分子量
から算出した前記重質油類またはピッチ類1モルに対し
て、0.3〜10モルのフェノール類、0.2〜9モル
のアルデヒド化合物、および0.01〜3.0モルの酸
触媒である。ここで、重質油類またはピッチ類の平均分
子量は蒸気圧浸透法分子量測定装置を用いて測定した。
【0014】本発明で用いる(a)変性フェノール樹脂
の製造は、特定量の重質油類またはピッチ類、フェノー
ル類、アルデヒド化合物および酸触媒を反応器に仕込
み、加熱撹拌しながら反応温度まで昇温して重縮合させ
ることにより行われる。反応条件は、原料の種類や目的
とする樹脂の特性等に応じて制御されることは当然であ
るが、本発明で用いる変性フェノール樹脂は例えば次の
ようにして製造することができる。先ず、特定量の原料
および酸触媒を反応器に入れ、重縮合反応が進行しない
温度、例えば50℃以下、好ましくは40〜50℃の温
度に保ちながら撹拌して均一に混合させる。次に、得ら
れた化合物を、50〜200℃、好ましくは80〜18
0℃まで徐々に昇温し、15分間〜8時間、好ましくは
30分間〜6時間重縮合反応させる。なお、重縮合原料
等の混合は、重縮合反応が進行しないうちに均一な混合
物が得られればよいので、重縮合反応温度まで徐々に昇
温している間に行ってもよい。反応混合物中には未反応
成分、低分子成分、酸触媒等が残存しているので、適
宜、精製処理してこれらを除去することが好ましい。
【0015】精製方法としては、例えば、水蒸気蒸留、
不活性ガスの吹き込み、減圧蒸留等による未反応成分、
低分子成分の除去、水、アルカリ溶液処理、加水分解等
による酸触媒の除去、静置分離による未反応成分等の除
去、有機溶媒や水を用いた抽出、再結晶、デカンテーシ
ョン等による未反応成分、低分子成分、酸触媒の除去や
目的とする変性フェノール樹脂の分離等が可能であり、
これ等の処理を単独で或いは適宜、組み合わせて実施す
ることが好ましい。本発明で使用する(a)変性フェノ
ール樹脂は、原料の組成や反応温度等の反応条件を制御
することによって、生成する変性フェノール樹脂の水酸
基当量の値を130〜200g/eq程度にすることが
本発明の効果や、樹脂の取り扱いの点で好ましい。
【0016】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の成分であ
る(b)チオジフェノール化合物は、前記一般式(I)
で表されるような構造であれば制約はなく例えば、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(2−ヒ
ドロキシフェニル)スルフィド、2−ヒドロキシフェニ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルフィド、ビス(4−
ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルフ
ィド、ビス(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−ter
t−ブチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチル−5−tert−ブチルフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert
−ブチルフェニル)スルフィド等があげられるが、入手
のしやすさと硬化物性から、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)スルフィド及びビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)スルフィドが好ましく、より好
ましくはビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドで
ある。
【0017】また本発明のエポキシ樹脂用硬化剤には、
特性の微調整のために、(c)(a)成分および(b)
以外の構造の多価フェノール化合物を混合使用すること
ができる。他の多価フェノール化合物としては、例え
ば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック
樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、フェノールジ
シクロペンタジエン樹脂、フェノールアラルキル樹脂な
どの種々のフェノール樹脂類や、種々のフェノール類
と、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどの種
々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノー
ル樹脂などの各種のフェノール樹脂類などがあげられ
る。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂と本発明のエポキシ樹脂用硬化剤を必須成分として
配合してなるエポキシ樹脂組成物であるが、このエポキ
シ樹脂に特別な指定はなく、一般のエポキシ樹脂を使用
することができる。その使用するエポキシ樹脂として
は、たとえば、ビスフェノールF、ビスフェノールA
D、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、テルペンジフェノール、ハイ
ドロキノン、メチルハイドロキノン、ジブチルハイドロ
キノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビスフェノー
ルS、チオジフェノール、ジヒドロキシジフェニルエー
テル、ジヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック
樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック樹脂、フェノールジシクロペンタジエン樹脂、
テルペンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、
ナフトールノボラック樹脂などの種々のフェノール類
や、種々のフェノール類と、ヒドロキシベンズアルデヒ
ド、クロトンアルデヒド、グリオキザールなどの種々の
アルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹
脂等の各種のフェノール化合物や、重質油類またはピッ
チ類とホルムアルデヒド重合物とフェノール類とを酸触
媒の存在下に重縮合させた変性フェノール樹脂と、エピ
ハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂やジアミノ
ジフェニルメタン、アミノフェノール、キシレンジアミ
ン等の種々のアミン化合物と、エピハロヒドリンとから
製造されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタル
酸、ダイマー酸などの種々のカルボン酸類と、エピハロ
ヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂などが挙げられ
る。
【0019】また本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組
成物には、エポキシ樹脂としてビフェノール、テトラメ
チルビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、テル
ペンジフェノール及びクレゾールノボラック樹脂から選
ばれた少なくとも1種類のフェノール化合物とエピハロ
ヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂を使用すること
が好ましい。使用されるエポキシ樹脂用硬化剤の使用量
は、全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1モルに対し
て、全硬化剤中のエポキシと反応する基が0.5〜2.
0モルになる量が好ましく、より好ましくは、0.7〜
1.2モルである。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物には、他の一
般のエポキシ樹脂組成物と同様に、各種添加剤を配合す
ることができる。それら各種添加剤としては例えば、硬
化促進剤、無機充填材、カップリング剤、難燃剤、可塑
剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて適
宜に配合することができる。その硬化促進剤としては例
えば、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス
(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエ
チル)ホスフィン等のホスフィン化合物、テトラフェニ
ルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブ
チルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリ
シアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の
ホスホニウム塩、2−メチルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2
−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリア
ジン、2,4−ジシアノ−6−[2−ウンデシルイミダ
ゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン等のイミダ
ゾール類、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾ
リウムトリメリテート、2−メチルイミダゾリウムイソ
シアヌレート、2−エチル−4−メチルイミダゾリウム
テトラフェニルボレート、2−エチル−1,4−ジメチ
ルイミダゾリウムテトラフェニルボレート等のイミダゾ
リウム塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、テトラメチ
ルブチルグアニジン、N−メチルピペラジン、2−ジメ
チルアミノ−1−ピロリン等のアミン類、トリエチルア
ンモニウムテトラフェニルボレート等のアンモニウム
塩、1,5−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウン
デセン、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−
ノネン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)−オク
タン等のジアザビシクロ化合物、それらジアザビシクロ
化合物のテトラフェニルボレート、フェノール塩、フェ
ノールノボラック塩、2−エチルヘキサン酸塩等が挙げ
られる。それ等の硬化促進剤となる化合物の中では、ホ
スフィン化合物、イミダゾール化合物、ジアザビシクロ
化合物、及びそれらの塩が好ましい。その充填材として
は、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、ア
ルミナ、炭酸カルシウムなどがあげられる。また、本発
明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物には、無機充填材
として、破砕型および/又は球状の、溶融および/又は
結晶シリカ粉末充填剤を組成物全体の80〜95重量%
配合することが好ましい。その難燃剤としては、臭素化
エポキシ樹脂、臭素化フェノール樹脂等のハロゲン系難
燃剤、三酸化アンチモン等のアンチモン化合物、リン酸
エステル類、ホスフィン類等のリン系難燃剤、メラミン
誘導体等の窒素系難燃剤及び水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム等の無機系難燃剤等があげられる。しか
しながら、最近では特性の悪化や環境保護の観点から、
上記難燃剤を配合しないことが望まれている。本発明の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は難燃性に優
れるため、これらの難燃剤を配合する必要がないか、少
量にすることができる。本発明のエポキシ樹脂用硬化剤
は、低溶融粘度であり、かつ低吸湿性及び低応力性に優
れ、さらに成形性に優れた硬化物を与える。さらに、そ
の硬化剤を用いた本発明のエポキシ樹脂組成物は低溶融
粘度であり、かつ低吸湿性及び低応力性に優れ、さらに
成形性に優れた硬化物を与えるので、接着、注型、封
止、積層、塗装等の用途に有利に使用でき、特に半導体
封止の用途に有用である。
【0021】
【実施例】以下に、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の各
成分の製造例、本発明のエポキシ樹脂用硬化剤の実施
例、さらに本発明のエポキシ樹脂組成物の実施例及び比
較例をあげる。エポキシ樹脂用硬化剤に用いる(a)成
分の重質油類またはピッチ類と、フェノール類及びアル
デヒド化合物とを、酸触媒の存在下に重縮合させて得ら
れた変性
【0022】フェノール樹脂の製造例1および2 表1に示す原料油100g、フェノール83g、パラホ
ルムアルデヒド10.2g及びシュウ酸0.6gを1L
ガラス製反応容器に仕込み、250〜350rpmの速
度で撹拌させながら、20分かけて100℃まで昇温す
る。同温度で100分間撹拌しながら反応を継続させて
重縮合反応生成物を得た。上記反応生成物を静置して9
5℃まで温度を低下させ、上層に分離した未反応原料油
分をデカンテーションにより除去して粗変性フェノール
樹脂を得た。得られた粗変性フェノール樹脂を、190
℃でフェノールの留出がなくなるまで減圧蒸留を行った
後、さらに同温度で窒素を吹き込むことによりシュウ酸
を熱分解除去すると共に未反応フェノールを除去した。
このようにして得られた粗変性フェノール樹脂にヘビー
ナフサ100mlを加え、約100℃で30分間撹拌
し、樹脂中に残存する未反応原料油を抽出した。その
後、デカンテーションにより未反応油を含むヘビーナフ
サ層を除去した。上記のヘビーナフサを用いた一連の未
反応油抽出除去操作を同条件でさらに3回行った。抽出
操作終了後、極少量残存するヘビーナフサを減圧蒸留に
より除去して、精製変性フェノール樹脂を得た。この変
性フェノール樹脂の150℃における溶融粘度、軟化
点、水酸基当量、数平均分子量を表1に示す。また、製
造法は例1と同様で、フェノール使用量、パラホルムア
ルデヒドおよびシュウ酸の添加量を変更した系を表1の
製造例2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】エポキシ樹脂用硬化剤の実施例1〜5 (a)重質油類またはピッチ類と、フェノール類及びア
ルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下に重縮合させて得
られた変性フェノール樹脂として、上記製造例1及び2
のフェノール樹脂、(b)チオジフェノール化合物及び
(c)(a)成分及び(b)成分以外に構造の多価フェ
ノール化合物として一般的なフェノールノボラック樹脂
及びフェノールアラルキル樹脂を表2に示したように、
溶融混合し、各エポキシ樹脂用硬化剤を製造した。これ
らのエポキシ樹脂用硬化剤の溶融粘度、水酸基当量及び
軟化点を表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】(註) *1:群栄化学社 商品名 レジトップPSM426
1、水酸基当量:103g/eq、軟化点:85℃ *2:明和化成社 商品名 MEH−7800S、水酸
基当量:175g/eq、軟化点:74℃
【0027】エポキシ樹脂組成物実施例6〜10及び比
較例1〜3 表3に示したように、エポキシ樹脂として、テトラメチ
ルビフェノールから誘導されたエポキシ樹脂又はオルソ
クレゾールノボラック樹脂から誘導されたエポキシ樹
脂、エポキシ樹脂用硬化剤として実施例1〜5で製造し
た各エポキシ樹脂用硬化剤、一般的なフェノールノボラ
ック樹脂またはフェノールアラルキル樹脂、臭素化エポ
キシ樹脂としてテトラブロモビスフェノールAから誘導
されたエポキシ樹脂、無機充填剤としてシリカ粉末、硬
化促進剤としてトリフェニルホスフィンを用い、さらに
難燃助剤として三酸化アンチモン、カップリング剤とし
てエポキシシラン、離型剤としてカルナバワックスをそ
れぞれ用いて、各エポキシ樹脂組成物を配合した。次い
で、各配合物をミシングロールを用いて70〜120℃
の温度で5分間溶融混練した。得られた各溶融混合物は
薄板状に取り出し冷却した後、粉砕して各成形材料を得
た。これらの各成形材料を用い低温トランスファー成形
機で金型温度175℃、成形時間180秒で成形して、
各試験片を得、180℃で8時間ポストキュアさせた。
また、各成形材料の成形性を調べるために脱型熱時硬度
を、各成形材料の流動性を調べるためにスパイラルフロ
ーを、それぞれ測定し、またポストキュア後の各試験片
の吸湿率、弾性率、及び難燃性を試験した結果を表3に
示した。さらに各成形材料により封止された模擬半導体
装置の耐ハンダクラック性を試験した結果を表3に示し
た。これにより、実施例6〜10の各成形材料は、比較
例1〜3の成形材料と比較して成形性(高脱型熱時硬
度)、流動性(即ち高スパイラルフロー)、耐湿性(即
ち低吸湿性)、低応力性(即ち低弾性率)のバランスに
優れ、さらに耐ハンダクラック性に優れていた。実施例
6〜10の各成形材料は有害なハロゲン系の難燃剤を含
まず難燃性に優れていた。
【0028】
【表3】
【0029】(註) 配合割合は重量部である。 *1:A;テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン社商品名 エピコートXY4
000H、エポキシ当量:192(g/eq.)) *2:B;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(ジャ
パンエポキシレジン社商品名 エピコート180S6
2、エポキシ当量:210(g/eq.)) *3:C;フェノールアラルキル樹脂(明和化成社 商
品名 MEH−7800S、水酸基当量:175(g/
eq)、軟化点:74℃) *4:D;フェノールノボラック樹脂(群栄化学社商品
名 レジトップPSM4261、水酸基当量:103
(g/eq.)、軟化点:85℃) *5:臭素化エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社
商品名 エピコート5050、エポキシ当量:385
(g/eq.)、臭素含量:48%) *6:球状溶融シリカ粉末(日本アエロジル社商品名
ELSIL BF100) *7:エポキシシラン(信越化学工業社製商品名 KB
M−403) *8:Shore Dにて測定 *9:85℃ 85%RH 300時間後の吸湿率 *10:240℃にて測定 *11:80℃、QFP16個を85℃、85%RHに
おいて300時間吸湿後、260℃ハンダ浴に10秒間
浸漬し、クラックの発生した個数を求めた。 *12:UL94
【0030】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂用硬化剤及びエポ
キシ樹脂組成物は、低溶融粘度であり、かつ低吸湿及び
低応力性に優れ、さらに成形性に優れた硬化物を与える
ので、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の用途に有利に
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J033 FA01 FA02 FA08 4J036 AC01 AC05 AD04 AD07 AD08 AD15 AD20 AD21 AE05 AE07 AF05 AF06 AF08 AF27 AF33 AF35 AF36 AG05 AG06 AH02 AH07 DA05 DA06 DB05 DD02 FA05 FB07 FB08 JA07 4M109 AA01 EA03 EB02 EB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)重質油類またはピッチ類と、フェ
    ノール類およびアルデヒド化合物とを、酸触媒の存在下
    に重縮合させて得られた変性フェノール樹脂30〜99
    重量部 (b)下記一般式(I)で表されるチオジフェノール化
    合物を1〜70重量部一般式(I) 【化1】 (式中、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、炭素数1〜12のアルキル基、置換又は無置換のフ
    ェニル基、置換又は無置換のアラルキル基又はアルコキ
    シ基であり、pは、互いに同一であっても異なっていて
    もよく、0〜3の整数である。) (c)(a)成分および(b)以外の構造の多価フェノ
    ール化合物0〜100重量部 からなることを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤。
  2. 【請求項2】 (a)成分の変性フェノール樹脂が、重
    質油類またはピッチ類と、平均分子量から算出した前記
    重質油類またはピッチ類1モルに対して、0.3〜10
    モルのフェノール類、0.2〜9モルのアルデヒド化合
    物、および0.01〜3モルの酸触媒とを混合した後、
    昇温し、重縮合反応させて得られた変性フェノール樹脂
    であることを特徴とする、請求項1に記載されたエポキ
    シ樹脂用硬化剤。
  3. 【請求項3】 重質油類またはピッチ類として、芳香族
    炭化水素分率fa値が0.40〜0.95、芳香環水素
    量Ha値が20〜80%である重質油類またはピッチ類
    を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載さ
    れたエポキシ樹脂用硬化剤。
  4. 【請求項4】 重質油類が留出開始温度170℃以上で
    ある、請求項3に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。
  5. 【請求項5】 (a)の変性フェノール樹脂が水酸基当
    量130〜200g/eq.である、請求項1ないし4
    のいずれか1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。
  6. 【請求項6】 (b)チオジフェノール化合物として、
    ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4
    −ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド及びビ
    ス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スル
    フィドから選ばれた少なくとも1種類のチオジフェノー
    ルを使用することを特徴とする、請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂、および請求項1ないし6
    のいずれか1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤を必
    須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ビフェノール、テトラメチルビフェノー
    ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4
    −ヒドロキシフェニル)プロパン、テルペンジフェノー
    ル及びクレゾールノボラック樹脂から選ばれた少なくと
    も1種類のフェノール化合物と、エピハロヒドリンとか
    ら製造されるエポキシ樹脂、および請求項1ないし6の
    いずれか1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤を必須
    成分としてなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂、請求項1ないし6のいず
    れか1項に記載されたエポキシ樹脂用硬化剤、および無
    機充填材として、破砕型および/又は球状の、溶融およ
    び/又は結晶シリカ粉末を組成物の80〜95重量%必
    須成分として配合してなる、請求項7または8に記載さ
    れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし6のいずれか1項に記
    載された硬化剤を全エポキシ樹脂成分のエポキシ基1モ
    ルに対し、硬化剤中のエポキシ基と反応する基が0.5
    〜2.0モルとなる量配合した、請求項7ないし9のい
    ずれか1項に記載された半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
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WO2008114766A1 (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Tohto Kasei Co., Ltd. 新規多価ヒドロキシ化合物、該化合物の製造方法、該化合物を用いたエポキシ樹脂並びにエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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WO2008114766A1 (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Tohto Kasei Co., Ltd. 新規多価ヒドロキシ化合物、該化合物の製造方法、該化合物を用いたエポキシ樹脂並びにエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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