JP2002212266A - 真空用熱硬化性樹脂組成物とその製造方法およびこれを用いた真空用機器 - Google Patents
真空用熱硬化性樹脂組成物とその製造方法およびこれを用いた真空用機器Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 真空下でもキャンを施す必要がなく有機系ガ
スの放出量が小さい熱硬化性樹脂組成物およびこれを用
いた真空用機器を得る。 【解決手段】 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、主剤を
エポキシ樹脂とし、これに硬化剤または触媒の少なくと
もーつを配合したもので、組成物中の分子量400以下
の低分子有機物の含有量を10,000ppm以下、好
ましくは1,000ppm以下の構成としている。低分
子有機物を除去するため、組成物を加熱処理若しくは減
圧処理を行うか、特定の重付加型硬化剤を用いるか、特
定の触媒を用いるか、またはこれらを組み合わせる方法
を用いている。重付加型の硬化剤としては、第一アミン
若しくは第二アミン、酸無水物、フェノールノボラック
またはポリメルカプタンであり、触媒としては、イミダ
ゾール若しくはカチオン重合型のものである。
スの放出量が小さい熱硬化性樹脂組成物およびこれを用
いた真空用機器を得る。 【解決手段】 本発明の熱硬化性樹脂組成物は、主剤を
エポキシ樹脂とし、これに硬化剤または触媒の少なくと
もーつを配合したもので、組成物中の分子量400以下
の低分子有機物の含有量を10,000ppm以下、好
ましくは1,000ppm以下の構成としている。低分
子有機物を除去するため、組成物を加熱処理若しくは減
圧処理を行うか、特定の重付加型硬化剤を用いるか、特
定の触媒を用いるか、またはこれらを組み合わせる方法
を用いている。重付加型の硬化剤としては、第一アミン
若しくは第二アミン、酸無水物、フェノールノボラック
またはポリメルカプタンであり、触媒としては、イミダ
ゾール若しくはカチオン重合型のものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空下で使用され
るエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂およびその熱硬化性
樹脂を用いた真空用機器に関する。
るエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂およびその熱硬化性
樹脂を用いた真空用機器に関する。
【0002】
【従来の技術】真空用機器では、電子回路の基板や電磁
コイルのモールド材、電気絶縁部材などに、エポキシ樹
脂組成物などの熱硬化性樹脂が使用されている。真空下
におけるこれら熱硬化性樹脂からの放出ガスは、低真空
領域では水が主成分であるが、高真空領域では有機系ガ
スも放出され、真空装置および真空雰囲気を汚染すると
いった問題があった。この有機系ガスによる汚染が引き
起こす問題点として、例えば、スパッタや化学的気相蒸
着によって生成した膜に、有機物が不純物として混入し
て膜の物性が変化したり、半導体製造でのイオン注入の
工程でウエハ上に形成された炭化水素の膜がその後のエ
ッチング工程などで不良を引き起こしたりすることなど
が挙げられる。これらの対策の一例として、真空領域で
使用される真空用機器において、熱硬化性樹脂組成物を
使用した部品には金属製のキャンを施したものがある。
図13は従来のキャンを施した電磁コイルを示す側断面
図である。1はステータコア、2はコイル、3は熱硬化
性樹脂組成物からなるモールド、4はステータハウジン
グ、5は金属製のキャンである。金属製のキャン5によ
り熱硬化性樹脂組成物からなるモールド3と真空雰囲気
とを隔離し、有機系ガスによる汚染問題を防止してい
る。
コイルのモールド材、電気絶縁部材などに、エポキシ樹
脂組成物などの熱硬化性樹脂が使用されている。真空下
におけるこれら熱硬化性樹脂からの放出ガスは、低真空
領域では水が主成分であるが、高真空領域では有機系ガ
スも放出され、真空装置および真空雰囲気を汚染すると
いった問題があった。この有機系ガスによる汚染が引き
起こす問題点として、例えば、スパッタや化学的気相蒸
着によって生成した膜に、有機物が不純物として混入し
て膜の物性が変化したり、半導体製造でのイオン注入の
工程でウエハ上に形成された炭化水素の膜がその後のエ
ッチング工程などで不良を引き起こしたりすることなど
が挙げられる。これらの対策の一例として、真空領域で
使用される真空用機器において、熱硬化性樹脂組成物を
使用した部品には金属製のキャンを施したものがある。
図13は従来のキャンを施した電磁コイルを示す側断面
図である。1はステータコア、2はコイル、3は熱硬化
性樹脂組成物からなるモールド、4はステータハウジン
グ、5は金属製のキャンである。金属製のキャン5によ
り熱硬化性樹脂組成物からなるモールド3と真空雰囲気
とを隔離し、有機系ガスによる汚染問題を防止してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、真空用機器に
金属製のキャンを施した場合、形状自由度が制限され、
小型・軽量化が妨げられるとともにコストアップとな
り、電磁コイルに適用した場合は磁気特性に悪影響を及
ぼしていた。そこで、本発明は真空下でもキャンを施す
必要がなく有機系ガスの放出量が小さい熱硬化性樹脂組
成物およびこれを用いた真空用機器を提供することを目
的とする。
金属製のキャンを施した場合、形状自由度が制限され、
小型・軽量化が妨げられるとともにコストアップとな
り、電磁コイルに適用した場合は磁気特性に悪影響を及
ぼしていた。そこで、本発明は真空下でもキャンを施す
必要がなく有機系ガスの放出量が小さい熱硬化性樹脂組
成物およびこれを用いた真空用機器を提供することを目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、本発明は、主剤と、硬化剤または触媒の少なくとも
一つを配合した熱硬化性樹脂組成物において、前記組成
物中の分子量400以下の低分子有機物の含有量が1
0,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以
下とした構成の真空用熱硬化性樹脂組成物である。この
ため、前記主剤をエポキシ樹脂とし、加熱処理若しくは
減圧処理を行うか、特定の重付加型硬化剤を用いるか、
特定の触媒を用いるか、またはこれらを組み合わせるこ
とにより、低分子有機物を除去するものである。加熱処
理若しくは減圧処理を行う場合は、組成物の状態を、硬
化前の成分単体若しくは混合体、または硬化後の硬化物
のいずれかにしてもよい。また、加熱処理における温度
を250℃以下とし、前記減圧処理における圧力Pを前
記温度Tでの前記低分子有機物の蒸気圧以下、好ましく
は次式に示す圧力とする log10P<8.125−2000/(T−73.1
5) P:減圧処理における圧力[Pa]、T:加熱処理にお
ける温度[K] また、前記温度Tが前記硬化物のガラス転移温度以上の
温度としてもよい。特定の重付加型硬化剤を用いる場合
は、硬化剤として第一アミン若しくは第二アミンであ
り、その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ樹脂の
エポキシ基に対して0.5〜1.4、好ましくは0.7
〜1.2としたものである。また、硬化剤は酸無水物で
あり、その酸無水物基の化学量論比が、前記エポキシ樹
脂のエポキシ基に対して0.5〜1.4、好ましくは
0.7〜1.2としたものである。また、硬化剤はフェ
ノールノボラックであり、そのフェノール性水酸基の化
学量論比が、前記エポキシ樹脂のエポキシ基に対して
0.5〜1.2、好ましくは0.5〜1.0としたもの
である。また、硬化剤はフェノールノボラックであり、
そのフェノール性水酸基の化学量論比が前記エポキシ樹
脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好ましくは
0.6〜1.1であり、かつ、前記触媒として塩基性触
媒を用いたものである。また、硬化剤はポリメルカプタ
ンであり、その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ
樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.0、好ましくは
0.6〜0.9としたものである。特定の触媒を用いる
場合は、触媒としてイミダゾール若しくはカチオン重合
型のものとしている。
め、本発明は、主剤と、硬化剤または触媒の少なくとも
一つを配合した熱硬化性樹脂組成物において、前記組成
物中の分子量400以下の低分子有機物の含有量が1
0,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以
下とした構成の真空用熱硬化性樹脂組成物である。この
ため、前記主剤をエポキシ樹脂とし、加熱処理若しくは
減圧処理を行うか、特定の重付加型硬化剤を用いるか、
特定の触媒を用いるか、またはこれらを組み合わせるこ
とにより、低分子有機物を除去するものである。加熱処
理若しくは減圧処理を行う場合は、組成物の状態を、硬
化前の成分単体若しくは混合体、または硬化後の硬化物
のいずれかにしてもよい。また、加熱処理における温度
を250℃以下とし、前記減圧処理における圧力Pを前
記温度Tでの前記低分子有機物の蒸気圧以下、好ましく
は次式に示す圧力とする log10P<8.125−2000/(T−73.1
5) P:減圧処理における圧力[Pa]、T:加熱処理にお
ける温度[K] また、前記温度Tが前記硬化物のガラス転移温度以上の
温度としてもよい。特定の重付加型硬化剤を用いる場合
は、硬化剤として第一アミン若しくは第二アミンであ
り、その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ樹脂の
エポキシ基に対して0.5〜1.4、好ましくは0.7
〜1.2としたものである。また、硬化剤は酸無水物で
あり、その酸無水物基の化学量論比が、前記エポキシ樹
脂のエポキシ基に対して0.5〜1.4、好ましくは
0.7〜1.2としたものである。また、硬化剤はフェ
ノールノボラックであり、そのフェノール性水酸基の化
学量論比が、前記エポキシ樹脂のエポキシ基に対して
0.5〜1.2、好ましくは0.5〜1.0としたもの
である。また、硬化剤はフェノールノボラックであり、
そのフェノール性水酸基の化学量論比が前記エポキシ樹
脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好ましくは
0.6〜1.1であり、かつ、前記触媒として塩基性触
媒を用いたものである。また、硬化剤はポリメルカプタ
ンであり、その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ
樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.0、好ましくは
0.6〜0.9としたものである。特定の触媒を用いる
場合は、触媒としてイミダゾール若しくはカチオン重合
型のものとしている。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を説明する。有
機系ガスの放出源について鋭意検討した結果、熱硬化性
樹脂組成物の硬化物中に存在する低分子有機物の含有量
の減少とともに、真空下における有機系ガスの放出量も
減少することを見出した。この低分子有機物は、分子量
が400以下であり、原料である主剤、硬化剤、触媒の
中の不純物や原料を希釈した溶剤などの非反応性成分
と、硬化反応で高分子鎖に取り込まれていない未反応原
料と、硬化反応の副生物との3つに大別される。非反応
性成分の中の不純物は、原料を合成・精製する際に副生
または残留したものと考えられる。また、非反応性成分
の中の溶剤は、例えば含浸・モールド材では、クラック
防止のために分子量の大きい高粘度エポキシ樹脂を用い
る場合に、低粘度化のために添加した非反応性有機溶剤
が、プリプレグやコーティング材では、固形の原料を用
いる場合に、溶解するために添加した非反応性有機溶剤
が残留したものと考えられる。未反応原料は、硬化温
度、硬化時間の不足で硬化反応が不完全なため残留した
ものと、重付加型硬化剤を用いた配合でエポキシ樹脂と
硬化剤のいずれかが過剰に配合された場合の余剰分とが
考えられる。硬化反応の副生物は、触媒が活性化したと
きに触媒分子の一部が解離したものが考えられる。従っ
て、硬化物中に存在するこれらの低分子有機物の含有量
を低減させることにより、有機系ガス放出が抑制される
と考えられる。
機系ガスの放出源について鋭意検討した結果、熱硬化性
樹脂組成物の硬化物中に存在する低分子有機物の含有量
の減少とともに、真空下における有機系ガスの放出量も
減少することを見出した。この低分子有機物は、分子量
が400以下であり、原料である主剤、硬化剤、触媒の
中の不純物や原料を希釈した溶剤などの非反応性成分
と、硬化反応で高分子鎖に取り込まれていない未反応原
料と、硬化反応の副生物との3つに大別される。非反応
性成分の中の不純物は、原料を合成・精製する際に副生
または残留したものと考えられる。また、非反応性成分
の中の溶剤は、例えば含浸・モールド材では、クラック
防止のために分子量の大きい高粘度エポキシ樹脂を用い
る場合に、低粘度化のために添加した非反応性有機溶剤
が、プリプレグやコーティング材では、固形の原料を用
いる場合に、溶解するために添加した非反応性有機溶剤
が残留したものと考えられる。未反応原料は、硬化温
度、硬化時間の不足で硬化反応が不完全なため残留した
ものと、重付加型硬化剤を用いた配合でエポキシ樹脂と
硬化剤のいずれかが過剰に配合された場合の余剰分とが
考えられる。硬化反応の副生物は、触媒が活性化したと
きに触媒分子の一部が解離したものが考えられる。従っ
て、硬化物中に存在するこれらの低分子有機物の含有量
を低減させることにより、有機系ガス放出が抑制される
と考えられる。
【0006】(実施形態1)本発明の第1の実施形態
は、非反応性成分を原料の調合前に除去する処理を行い
有機系ガスの放出を抑制する例である。原料(主剤、硬
化剤、触媒)中の不純物や原料を希釈した溶剤などの非
反応性成分は、一般に、エポキシ樹脂や硬化剤よりも蒸
気圧が高いため、原料を加熱若しくは減圧処理すること
で除去できると考えられる。加熱温度は高いほど低分子
有機物は除去されやすい。減圧処理の圧力は低いほど低
分子有機物が除去されやすく、低分子有機物の蒸気圧以
下に減圧することで、その効果がいっそう高まる。ま
た、真空用機器に吸着、吸収された水分を、加熱・減圧
処理、つまりべーキングにて除去する場合は、真空用機
器に用いた熱硬化性樹脂硬化物からの有機系ガスの放出
を抑制する必要がある。この用途に対しては、蒸気圧が
水より高い低分子有機物をあらかじめ除去することが望
まれ、原料の減圧処理の圧力は水の蒸気圧以下とする必
要が有る。原料中に混入した不純物などのように物質が
特定出来ない場合は、式(1)に示した圧力以下とす
る。 log10P<8.125−2000/(T−73.15):(1) ただし、Pは減圧処理における圧力[Pa]、Tは加熱
処理における温度[K]である。この式は、物質の温度
と蒸気圧との関係を表すAntoine式の形を取り、
さまざまな低分子有機物の温度と蒸気圧との関係から見
出したものである。
は、非反応性成分を原料の調合前に除去する処理を行い
有機系ガスの放出を抑制する例である。原料(主剤、硬
化剤、触媒)中の不純物や原料を希釈した溶剤などの非
反応性成分は、一般に、エポキシ樹脂や硬化剤よりも蒸
気圧が高いため、原料を加熱若しくは減圧処理すること
で除去できると考えられる。加熱温度は高いほど低分子
有機物は除去されやすい。減圧処理の圧力は低いほど低
分子有機物が除去されやすく、低分子有機物の蒸気圧以
下に減圧することで、その効果がいっそう高まる。ま
た、真空用機器に吸着、吸収された水分を、加熱・減圧
処理、つまりべーキングにて除去する場合は、真空用機
器に用いた熱硬化性樹脂硬化物からの有機系ガスの放出
を抑制する必要がある。この用途に対しては、蒸気圧が
水より高い低分子有機物をあらかじめ除去することが望
まれ、原料の減圧処理の圧力は水の蒸気圧以下とする必
要が有る。原料中に混入した不純物などのように物質が
特定出来ない場合は、式(1)に示した圧力以下とす
る。 log10P<8.125−2000/(T−73.15):(1) ただし、Pは減圧処理における圧力[Pa]、Tは加熱
処理における温度[K]である。この式は、物質の温度
と蒸気圧との関係を表すAntoine式の形を取り、
さまざまな低分子有機物の温度と蒸気圧との関係から見
出したものである。
【0007】(実施例1)本発明の第1の実施形態に係
る実施例について述べる。本実施例は原料の調合前に非
反応性成分を除去する処理を行い、有機系ガスの放出を
抑制した例である。試料とその作製方法および評価方法
はつぎのようにした。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表1に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:4,4‘ジアミノジフェニルメタン(DD
M)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MeTHP
A) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂について低分子有機物の除
去処理を行った後、硬化剤や触媒などと調合して硬化さ
せた。樹脂の硬化方式として、エポキシ樹脂に硬化剤を
単独添加したもの(試料No.1〜6)、硬化剤と触媒
を併用添加したもの(試料NO.7〜12)および触媒
を単独添加したもの(試料No.13〜18)のミ種類
とし、硬化条件は全て150℃、5時間とした。なお、
比較のための試料(No.1〜3,7〜9,13〜1
5)については低分子有機物の除去処理は行っていな
い。たとえば、試料No.3、9、15は、エポキシ樹
脂100重量部に対して非反応性成分としてトルエンを
10重量部添加して、トルエンの除去処理をせずに硬化
させた。 (3)低分子有機物の除去処理方法 低分子有機物の除去処理(以下、単に除去処理と略す場
合がある)は、つぎの3条件とした。処理時間はいずれ
も5分間とした。なお、大気圧は101300Paであ
る。 ・20°C×3000Pa(試料No.4、10、1
6) ・100°C×100Pa(試料No.5、11、1
7) ・250°C×100Pa(試料No.6、12、1
8) なお、20℃での圧力3,000Paは、20℃でのト
ルエンの蒸気圧よりも高い圧力であり、100℃におけ
る圧力100Paは、100℃におけるトルエンの蒸気
圧よりも低く、式(1)にて求めた100℃での圧力よ
り高い圧力であり、250℃における圧力100Pa
は、式(1)にて求めた250℃での圧力よりも低い圧
力である。また、減圧処理時の温度が高すぎると原料が
熱分解し、分解生成物がガス放出種となることが懸念さ
れるため、実施例での最高温度は250℃とした。 (4)評価方法 硬化物の評価は、低分子有機物含有量および真空下にお
ける有機系ガスの放出量により行った。低分子有機物含
有量は、粉砕した硬化物よりアセトンにてソックスレー
法で抽出し、分子量400以下の抽出物の量を測定し
た。また、真空下における有機系ガス放出量は4重極質
量分析計にて測定した。評価結果は、つぎのマークで表
示した。低分子有機物含有量は100ppm以下を◎
印、101〜1,000ppmを〇印、1,001〜1
0,000ppmを△印、10,001ppm以上を×
印とした。有機系ガスの放出量は、1×10-12A以下
を〇印、1.1×10-12〜1×10-11Aを△印、1.
1×10-11A以上を×印とした。つぎに、低分子有機
物含有量と有機系ガス放出量の測定結果を表1および図
1に示す。
る実施例について述べる。本実施例は原料の調合前に非
反応性成分を除去する処理を行い、有機系ガスの放出を
抑制した例である。試料とその作製方法および評価方法
はつぎのようにした。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表1に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:4,4‘ジアミノジフェニルメタン(DD
M)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MeTHP
A) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂について低分子有機物の除
去処理を行った後、硬化剤や触媒などと調合して硬化さ
せた。樹脂の硬化方式として、エポキシ樹脂に硬化剤を
単独添加したもの(試料No.1〜6)、硬化剤と触媒
を併用添加したもの(試料NO.7〜12)および触媒
を単独添加したもの(試料No.13〜18)のミ種類
とし、硬化条件は全て150℃、5時間とした。なお、
比較のための試料(No.1〜3,7〜9,13〜1
5)については低分子有機物の除去処理は行っていな
い。たとえば、試料No.3、9、15は、エポキシ樹
脂100重量部に対して非反応性成分としてトルエンを
10重量部添加して、トルエンの除去処理をせずに硬化
させた。 (3)低分子有機物の除去処理方法 低分子有機物の除去処理(以下、単に除去処理と略す場
合がある)は、つぎの3条件とした。処理時間はいずれ
も5分間とした。なお、大気圧は101300Paであ
る。 ・20°C×3000Pa(試料No.4、10、1
6) ・100°C×100Pa(試料No.5、11、1
7) ・250°C×100Pa(試料No.6、12、1
8) なお、20℃での圧力3,000Paは、20℃でのト
ルエンの蒸気圧よりも高い圧力であり、100℃におけ
る圧力100Paは、100℃におけるトルエンの蒸気
圧よりも低く、式(1)にて求めた100℃での圧力よ
り高い圧力であり、250℃における圧力100Pa
は、式(1)にて求めた250℃での圧力よりも低い圧
力である。また、減圧処理時の温度が高すぎると原料が
熱分解し、分解生成物がガス放出種となることが懸念さ
れるため、実施例での最高温度は250℃とした。 (4)評価方法 硬化物の評価は、低分子有機物含有量および真空下にお
ける有機系ガスの放出量により行った。低分子有機物含
有量は、粉砕した硬化物よりアセトンにてソックスレー
法で抽出し、分子量400以下の抽出物の量を測定し
た。また、真空下における有機系ガス放出量は4重極質
量分析計にて測定した。評価結果は、つぎのマークで表
示した。低分子有機物含有量は100ppm以下を◎
印、101〜1,000ppmを〇印、1,001〜1
0,000ppmを△印、10,001ppm以上を×
印とした。有機系ガスの放出量は、1×10-12A以下
を〇印、1.1×10-12〜1×10-11Aを△印、1.
1×10-11A以上を×印とした。つぎに、低分子有機
物含有量と有機系ガス放出量の測定結果を表1および図
1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】試料No.1、7、13は、低分子有機物
の含有量が10,000ppm以上で、有機系ガスの放
出量を表すイオン電流も10-11A以上と大きく、有機
系ガスの放出量が多いことが分かった。一方、試料N
o.2、8、14の低分子有機物の含有量は1,000
ppm以下で、有機系ガスは検出されなかった。トルエ
ンを添加した試料の内、除去処理をせずに硬化させた試
料No.3、9、15は、低分子有機物の含有量は1
0,000ppm以上で、有機系ガスのイオン電流が1
0-11A以上であり有機系ガスの放出が多かった。これ
に対し、「20℃、3,000Pa」にて処理した試料
No.4、10、16では低分子有機物の含有量と有機
系ガスのイオン電流は1桁小さくなり、「100℃、1
00Pa」にて処理した試料No.5、11、17と
「250℃、100Pa」にて処理した試料No.6、
12、18の低分子有機物の含有量は1,000ppm
以下であり、有機系ガスは検出されなかった。従って、
添加した有機溶剤などを除去するためには、加熱温度で
の有機溶剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処理を、原料中に
混入した不純物など成分が明らかでない非反応性成分を
除去するためには、加熱温度での式(1)で示した圧力
以下で加熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑
制できることがわかった。また、いずれの硬化方式でも
加熱・減圧処理の効果が有ることがわかった。以上の結
果、エポキシ樹脂原料の加熱処理若しくは減圧処理によ
って、有機系ガス放出量を低減させ、有機系ガスのイオ
ン電流が10-11A以下と、有機系ガスの放出量が少な
く高真空用途に適用可能な熱硬化性樹脂組成物を得るこ
とができた。なお、これらの処理は、試料No.1,
7,13のようなガス放出種を多く含むエポキシ樹脂に
対しても有効であることは言うまでもない。
の含有量が10,000ppm以上で、有機系ガスの放
出量を表すイオン電流も10-11A以上と大きく、有機
系ガスの放出量が多いことが分かった。一方、試料N
o.2、8、14の低分子有機物の含有量は1,000
ppm以下で、有機系ガスは検出されなかった。トルエ
ンを添加した試料の内、除去処理をせずに硬化させた試
料No.3、9、15は、低分子有機物の含有量は1
0,000ppm以上で、有機系ガスのイオン電流が1
0-11A以上であり有機系ガスの放出が多かった。これ
に対し、「20℃、3,000Pa」にて処理した試料
No.4、10、16では低分子有機物の含有量と有機
系ガスのイオン電流は1桁小さくなり、「100℃、1
00Pa」にて処理した試料No.5、11、17と
「250℃、100Pa」にて処理した試料No.6、
12、18の低分子有機物の含有量は1,000ppm
以下であり、有機系ガスは検出されなかった。従って、
添加した有機溶剤などを除去するためには、加熱温度で
の有機溶剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処理を、原料中に
混入した不純物など成分が明らかでない非反応性成分を
除去するためには、加熱温度での式(1)で示した圧力
以下で加熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑
制できることがわかった。また、いずれの硬化方式でも
加熱・減圧処理の効果が有ることがわかった。以上の結
果、エポキシ樹脂原料の加熱処理若しくは減圧処理によ
って、有機系ガス放出量を低減させ、有機系ガスのイオ
ン電流が10-11A以下と、有機系ガスの放出量が少な
く高真空用途に適用可能な熱硬化性樹脂組成物を得るこ
とができた。なお、これらの処理は、試料No.1,
7,13のようなガス放出種を多く含むエポキシ樹脂に
対しても有効であることは言うまでもない。
【0010】(実施形態2)本発明の第2の実施形態
は、第1の実施形態と同じく非反応性成分を除去する例
である。本実施形態は、原料を混合した後に加熱・減圧
処理を行って非反応性成分を除去し、有機系ガスの放出
を抑制するものである。
は、第1の実施形態と同じく非反応性成分を除去する例
である。本実施形態は、原料を混合した後に加熱・減圧
処理を行って非反応性成分を除去し、有機系ガスの放出
を抑制するものである。
【0011】(実施例2)本発明の第2の実施形態に係
る実施例を以下に述べる。本実施例は原料の調合後に非
反応性成分を除去する処理を行い、有機系ガスの放出を
抑制した例である。試料の作製方法はつぎのようにし
た。なお、硬化物の評価方法および評価結果の表示は実
施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表2に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は480 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:メタフェニレンジアミン(MPD)、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHHPA) ・溶剤:メチルエチルケトン(MEK) ・触媒:2メチルイミダゾール(2MZ) (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂を硬化剤や触媒と調合した
後、低分子有機物の除去処理を行って硬化させた。樹脂
の硬化方式として、実施例1と同様にエポキシ樹脂に硬
化剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加した
ものおよび触媒を単独添加したものの三種類とし、硬化
条件は全て150℃、5時間とした。なお、比較のため
の試料(No.19〜20,24〜25,29〜30)
については低分子有機物の除去処理は行っていない。た
とえば、試料No.20、25、30はエポキシ樹脂1
00重量部に対して非反応性成分としてトルエンを25
重量部添加し、MPDや2MZなどの固形の硬化剤や触
媒に対しては同重量部のメチルエチルケトンを添加して
混合後、トルエンやメチルエチルケトンの除去処理をせ
ずに硬化させたものである。 (3)低分子有機物の除去処理方法 低分子有機物の除去処理は、実施例1と同様つぎの3条
件とした。 ・20°C×3000Pa(試料No.21、26、3
1) ・100°C×100Pa(試料No.22、27、3
2) ・250°C×100Pa(試料No.23、28、3
3) つぎに、低分子有機物含有量と有機系ガス放出量を測定
した。その結果を表2および図2に示す。
る実施例を以下に述べる。本実施例は原料の調合後に非
反応性成分を除去する処理を行い、有機系ガスの放出を
抑制した例である。試料の作製方法はつぎのようにし
た。なお、硬化物の評価方法および評価結果の表示は実
施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表2に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は480 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:メタフェニレンジアミン(MPD)、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHHPA) ・溶剤:メチルエチルケトン(MEK) ・触媒:2メチルイミダゾール(2MZ) (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂を硬化剤や触媒と調合した
後、低分子有機物の除去処理を行って硬化させた。樹脂
の硬化方式として、実施例1と同様にエポキシ樹脂に硬
化剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加した
ものおよび触媒を単独添加したものの三種類とし、硬化
条件は全て150℃、5時間とした。なお、比較のため
の試料(No.19〜20,24〜25,29〜30)
については低分子有機物の除去処理は行っていない。た
とえば、試料No.20、25、30はエポキシ樹脂1
00重量部に対して非反応性成分としてトルエンを25
重量部添加し、MPDや2MZなどの固形の硬化剤や触
媒に対しては同重量部のメチルエチルケトンを添加して
混合後、トルエンやメチルエチルケトンの除去処理をせ
ずに硬化させたものである。 (3)低分子有機物の除去処理方法 低分子有機物の除去処理は、実施例1と同様つぎの3条
件とした。 ・20°C×3000Pa(試料No.21、26、3
1) ・100°C×100Pa(試料No.22、27、3
2) ・250°C×100Pa(試料No.23、28、3
3) つぎに、低分子有機物含有量と有機系ガス放出量を測定
した。その結果を表2および図2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】試料No.19、24、29の低分子有機
物の含有量は1,000ppm以下で、有機系ガスは検
出されなかった。トルエンやメチルエチルケトンを添加
し、除去処理をせずに硬化させた試料(No.20、2
5、30)では、低分子有機物の含有量は10,000
ppm以上で、有機系ガスのイオン電流が10-11A以
上であり有機系ガス放出が多かった。これに対し、「2
0℃、3,000Pa」にて処理した試料No.21、
26、31は、低分子有機物の含有量や有機系ガスのイ
オン電流が1桁小さくなり、「100℃、100Pa」
にて処理した試料No.22、27、32と「250
℃、100Pa」にて処理した試料No.23、28、
33は、低分子有機物の含有量は1,000ppm以下
で、有機系ガスは検出されなかった。従って、添加した
有機溶剤などを除去するためには、加熱温度での有機溶
剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処理を、原料中に混入した
不純物など成分が明らかでない非反応性成分を除去する
ためには、加熱温度での式(1)で示した圧力以下で加
熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑制できる
ことがわかった。また、いずれの硬化方式でも加熱・減
圧処理の効果が有ることがわかった。以上の結果、エポ
キシ樹脂と硬化剤若しくは触媒との混合物を加熱処理若
しくは減圧処理によって、有機系ガス放出量を低減さ
せ、有機系ガスのイオン電流が10-11A以下と、有機
系ガスの放出量が少なく高真空用途に適用可能な熱硬化
性樹脂組成物を得ることができた。なお、これらの処理
は、実施例1の試料No.1、7、13のようなガス放
出種を多く含むエポキシ樹脂に対しても有効であること
は言うまでもない。
物の含有量は1,000ppm以下で、有機系ガスは検
出されなかった。トルエンやメチルエチルケトンを添加
し、除去処理をせずに硬化させた試料(No.20、2
5、30)では、低分子有機物の含有量は10,000
ppm以上で、有機系ガスのイオン電流が10-11A以
上であり有機系ガス放出が多かった。これに対し、「2
0℃、3,000Pa」にて処理した試料No.21、
26、31は、低分子有機物の含有量や有機系ガスのイ
オン電流が1桁小さくなり、「100℃、100Pa」
にて処理した試料No.22、27、32と「250
℃、100Pa」にて処理した試料No.23、28、
33は、低分子有機物の含有量は1,000ppm以下
で、有機系ガスは検出されなかった。従って、添加した
有機溶剤などを除去するためには、加熱温度での有機溶
剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処理を、原料中に混入した
不純物など成分が明らかでない非反応性成分を除去する
ためには、加熱温度での式(1)で示した圧力以下で加
熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑制できる
ことがわかった。また、いずれの硬化方式でも加熱・減
圧処理の効果が有ることがわかった。以上の結果、エポ
キシ樹脂と硬化剤若しくは触媒との混合物を加熱処理若
しくは減圧処理によって、有機系ガス放出量を低減さ
せ、有機系ガスのイオン電流が10-11A以下と、有機
系ガスの放出量が少なく高真空用途に適用可能な熱硬化
性樹脂組成物を得ることができた。なお、これらの処理
は、実施例1の試料No.1、7、13のようなガス放
出種を多く含むエポキシ樹脂に対しても有効であること
は言うまでもない。
【0014】(実施形態3)本発明の第3の実施形態
は、原料を混合し硬化させた後の硬化物に含まれる低分
子有機物(非反応性不純物、非反応性有機溶剤、未反応
原料、反応副生物など)を除去処理する例である。硬化
物に含まれる低分子有機物(非反応性不純物、非反応性
有機溶剤、未反応原料、反応副生物など)は加熱・減圧
処理を行うことで除去することができると考えられる。
加熱温度が高いほど、低分子有機物の硬化物中の拡散移
動と表面での蒸発が加速される。減圧処理の圧力は低い
ほど、硬化物の表面での低分子有機物は蒸発しやすく、
低分子有機物の蒸気圧以下にすることで、蒸発速度がい
っそう高まるため、加熱・減圧処理の条件については、
本発明の第2の実施形態と同様である。さらに、加熱温
度を硬化物のガラス転移温度よりも高くすることで、硬
化物がゴム状となって、低分子有機物が硬化物内部から
表面へ拡散移動する速度が高まり、低分子有機物の除去
速度を高めることが出来ると考えられる。
は、原料を混合し硬化させた後の硬化物に含まれる低分
子有機物(非反応性不純物、非反応性有機溶剤、未反応
原料、反応副生物など)を除去処理する例である。硬化
物に含まれる低分子有機物(非反応性不純物、非反応性
有機溶剤、未反応原料、反応副生物など)は加熱・減圧
処理を行うことで除去することができると考えられる。
加熱温度が高いほど、低分子有機物の硬化物中の拡散移
動と表面での蒸発が加速される。減圧処理の圧力は低い
ほど、硬化物の表面での低分子有機物は蒸発しやすく、
低分子有機物の蒸気圧以下にすることで、蒸発速度がい
っそう高まるため、加熱・減圧処理の条件については、
本発明の第2の実施形態と同様である。さらに、加熱温
度を硬化物のガラス転移温度よりも高くすることで、硬
化物がゴム状となって、低分子有機物が硬化物内部から
表面へ拡散移動する速度が高まり、低分子有機物の除去
速度を高めることが出来ると考えられる。
【0015】(実施例3)本発明の第3の実施形態に係
る実施例を以下に述べる。本実施例は硬化させた後の硬
化物に含まれる低分子有機物(非反応性不純物、非反応
性有機溶剤、未反応原料、反応副生物など)を除去処理
した例である。試料の作製方法はつぎのようにした。な
お、硬化物の評価方法および評価結果の表示は実施例1
と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表3に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:4,4‘ジアミノジフェニルメタン(DD
M)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MeTHP
A)、トリエチレンテトラアミン(TETA) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) No.34〜51は、加熱温度および減圧処理圧力によ
る低分子有機物の拡散速度の影響を調べるため、No.
52〜56は、樹脂の硬化物のガラス転移温度近傍にお
ける低分子有機物の拡散速度の影響を調べるために用い
た。なお、比較の試料としてNo.35、41、47、
52を加えた。これは、非反応性成分としてトルエンを
10重量部添加して、トルエンの除去処理をせずに硬化
させたものである。 (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂を硬化剤や触媒と調合した
後、低分子有機物の除去処理を行って硬化させた。樹脂
の硬化方式として、実施例1と同様にエポキシ樹脂に硬
化剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加した
ものおよび触媒を単独添加したものとし、硬化条件はN
o.34〜51を150℃、5時間とし、No.52〜
66を60℃、5時間とした。試料No.36、42、
48は、通常の大気圧における加熱処理の効果を調べ
た。 (3)低分子有機物の除去処理方法 硬化物中の低分子有機物の除去処理は、No.34〜5
1のグループについては実施例1と同様の3条件に大気
圧の1条件を加え4条件とし、No.52〜56のグル
ープについては減圧処理の圧力を100Paとし、加熱
処理温度を硬化物のガラス転移温度前後で変えた。処理
時間はいずれも50時間とした。No.34〜51のグ
ループはつぎのとおりとした。 ・20°C×3000Pa:No.37、43、49 ・100°C×100Pa:No.38、44、50
[100℃における圧力100Paは、100℃におけ
るトルエンの蒸気圧より低く、式(1)にて求めた10
0℃での圧力よりも高い圧力である。] ・250°C×100Pa:No.39、45、51
[250℃における圧力100Paは、式(1)で求め
た250℃での圧力より低い圧力である。] ・150°C×101300Pa(大気圧):No.3
6、42、48 減圧処理時の温度は、高すぎると硬化物が熱分解し、分
解生成物がガス放出種となることが懸念されるため、最
高温度は250℃とした。試料No.53〜56は、処
理圧力を100Paで一定とし、加熱温度を硬化物のカ
ラス転移温度前後である60℃〜120℃まで変化させ
た。つぎに、低分子有機物含有量と有機系ガス放出量を
測定した。その結果を表3および図3に示す。
る実施例を以下に述べる。本実施例は硬化させた後の硬
化物に含まれる低分子有機物(非反応性不純物、非反応
性有機溶剤、未反応原料、反応副生物など)を除去処理
した例である。試料の作製方法はつぎのようにした。な
お、硬化物の評価方法および評価結果の表示は実施例1
と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表3に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・硬化剤:4,4‘ジアミノジフェニルメタン(DD
M)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MeTHP
A)、トリエチレンテトラアミン(TETA) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) No.34〜51は、加熱温度および減圧処理圧力によ
る低分子有機物の拡散速度の影響を調べるため、No.
52〜56は、樹脂の硬化物のガラス転移温度近傍にお
ける低分子有機物の拡散速度の影響を調べるために用い
た。なお、比較の試料としてNo.35、41、47、
52を加えた。これは、非反応性成分としてトルエンを
10重量部添加して、トルエンの除去処理をせずに硬化
させたものである。 (2)試料の作製方法 試料の作製は、エポキシ樹脂を硬化剤や触媒と調合した
後、低分子有機物の除去処理を行って硬化させた。樹脂
の硬化方式として、実施例1と同様にエポキシ樹脂に硬
化剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加した
ものおよび触媒を単独添加したものとし、硬化条件はN
o.34〜51を150℃、5時間とし、No.52〜
66を60℃、5時間とした。試料No.36、42、
48は、通常の大気圧における加熱処理の効果を調べ
た。 (3)低分子有機物の除去処理方法 硬化物中の低分子有機物の除去処理は、No.34〜5
1のグループについては実施例1と同様の3条件に大気
圧の1条件を加え4条件とし、No.52〜56のグル
ープについては減圧処理の圧力を100Paとし、加熱
処理温度を硬化物のガラス転移温度前後で変えた。処理
時間はいずれも50時間とした。No.34〜51のグ
ループはつぎのとおりとした。 ・20°C×3000Pa:No.37、43、49 ・100°C×100Pa:No.38、44、50
[100℃における圧力100Paは、100℃におけ
るトルエンの蒸気圧より低く、式(1)にて求めた10
0℃での圧力よりも高い圧力である。] ・250°C×100Pa:No.39、45、51
[250℃における圧力100Paは、式(1)で求め
た250℃での圧力より低い圧力である。] ・150°C×101300Pa(大気圧):No.3
6、42、48 減圧処理時の温度は、高すぎると硬化物が熱分解し、分
解生成物がガス放出種となることが懸念されるため、最
高温度は250℃とした。試料No.53〜56は、処
理圧力を100Paで一定とし、加熱温度を硬化物のカ
ラス転移温度前後である60℃〜120℃まで変化させ
た。つぎに、低分子有機物含有量と有機系ガス放出量を
測定した。その結果を表3および図3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】図3より分かるように、34、40、46
の低分子有機物の含有量は1,000ppm以下で有機
系ガスは検出されなかった。トルエンの除去処理を行っ
ていない試料No.35、41、47は、低分子有機物
の含有量が10,000ppm以上、有機系ガスのイオ
ン電流が10-11A以上であり有機系ガス放出が多かっ
た。これに対し、大気圧(101,300Pa)で15
0℃にて処理した試料No.36、42、48と、「2
0℃、3,000Pa」にて処理した試料No.37、
43、49は、低分子有機物の含有量と有機系ガスのイ
オン電流が1桁小さくなった。また、「100℃、10
0Pa」にて処理した試料No.38、44、50の低
分子有機物含有量は、試料No.34、40、46と同
等であり有機系ガスは検出されず、「250℃、100
Pa」にて処理した試料No.39、45、51は、低
分子有機物の含有量が少なかったNo.34、40、4
6よりもさらに低分子有機物含有量が1桁少なく、有機
系ガスは検出されなかった。従って、非反応性成分、未
反応原料、反応副生物の除去によって有機系ガスの放出
を抑制でき、添加した有機溶剤などを除去するために
は、加熱温度での有機溶剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処
理を、原料中に混入した不純物、未反応原料、硬化反応
の副生物など成分が明らかでない非反応性成分を除去す
るためには、加熱温度での式(1)で示した圧力以下で
加熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑制でき
ることがわかった。また、いずれの硬化方式でも加熱・
減圧処理の効果が有ることがわかった。図4より、硬化
物のガラス転移温度(90℃)以下の温度で加熱・減圧
処理を行った試料No.53、54の有機系ガス放出
は、加熱・減圧処理を行わない試料No.52との差が
小さいが、ガラス転移温度以上の温度で加熱・減圧処理
を行った試料No.55,56の有機系ガス放出は、加
熱・減圧処理を行わない試料No.52に対して1桁以
上の低下が見られた。よって、硬化物の加熱処理温度が
硬化物のガラス転移温度以上では、低分子有機物の除去
効果が大きく、有機系ガス放出の抑制効果が高くなり、
ガラス転移温度以下では効果が小さくなることがわかっ
た。以上の結果、エポキシ樹脂硬化物の加熱処理若しく
は減圧処理によって、有機系ガス放出量を低減させ、有
機系ガスのイオン電流が10-11A以下と、高真空用途
に適用可能な有機系ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組
成物を得ることができた。なお、これらの処理は、試料
No.1、7、13のような有機系ガス放出種を多く含
むエポキシ樹脂に対しても有効である。
の低分子有機物の含有量は1,000ppm以下で有機
系ガスは検出されなかった。トルエンの除去処理を行っ
ていない試料No.35、41、47は、低分子有機物
の含有量が10,000ppm以上、有機系ガスのイオ
ン電流が10-11A以上であり有機系ガス放出が多かっ
た。これに対し、大気圧(101,300Pa)で15
0℃にて処理した試料No.36、42、48と、「2
0℃、3,000Pa」にて処理した試料No.37、
43、49は、低分子有機物の含有量と有機系ガスのイ
オン電流が1桁小さくなった。また、「100℃、10
0Pa」にて処理した試料No.38、44、50の低
分子有機物含有量は、試料No.34、40、46と同
等であり有機系ガスは検出されず、「250℃、100
Pa」にて処理した試料No.39、45、51は、低
分子有機物の含有量が少なかったNo.34、40、4
6よりもさらに低分子有機物含有量が1桁少なく、有機
系ガスは検出されなかった。従って、非反応性成分、未
反応原料、反応副生物の除去によって有機系ガスの放出
を抑制でき、添加した有機溶剤などを除去するために
は、加熱温度での有機溶剤の蒸気圧以下で加熱・減圧処
理を、原料中に混入した不純物、未反応原料、硬化反応
の副生物など成分が明らかでない非反応性成分を除去す
るためには、加熱温度での式(1)で示した圧力以下で
加熱・減圧処理を行えば、有機系ガスの放出を抑制でき
ることがわかった。また、いずれの硬化方式でも加熱・
減圧処理の効果が有ることがわかった。図4より、硬化
物のガラス転移温度(90℃)以下の温度で加熱・減圧
処理を行った試料No.53、54の有機系ガス放出
は、加熱・減圧処理を行わない試料No.52との差が
小さいが、ガラス転移温度以上の温度で加熱・減圧処理
を行った試料No.55,56の有機系ガス放出は、加
熱・減圧処理を行わない試料No.52に対して1桁以
上の低下が見られた。よって、硬化物の加熱処理温度が
硬化物のガラス転移温度以上では、低分子有機物の除去
効果が大きく、有機系ガス放出の抑制効果が高くなり、
ガラス転移温度以下では効果が小さくなることがわかっ
た。以上の結果、エポキシ樹脂硬化物の加熱処理若しく
は減圧処理によって、有機系ガス放出量を低減させ、有
機系ガスのイオン電流が10-11A以下と、高真空用途
に適用可能な有機系ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組
成物を得ることができた。なお、これらの処理は、試料
No.1、7、13のような有機系ガス放出種を多く含
むエポキシ樹脂に対しても有効である。
【0018】(実施形態4)本発明の第4の実施形態
は、重付加型硬化剤を用いて反応させ硬化物中の未反応
のエポキシ樹脂や硬化剤を残留させないようにして、有
機系ガス放出をなくす例である。重付加型硬化剤を用い
たエポキシ樹脂組成物では、硬化物中に末反応のエポキ
シ樹脂や硬化剤が残留してガス放出種となる。これを防
止するためには、硬化時にエポキシ樹脂と硬化剤とが最
低でもオリゴマーまで、つまりガス化しない程度の分子
量になるまで反応させることが必要である。エポキシ樹
脂と硬化剤とが過不足無く硬化反応する場合の化学量論
比は理論的には1、つまりエポキシ樹脂中のエポキシ基
と、硬化剤中の硬化反応をする官能基とが同数である
が、実際にはエポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせによっ
て、エポキシ樹脂の自己架橋反応などが生じるため、過
不足無く硬化反応する場合の化学量論比は必ずしも1で
はない。つまり、有機系ガスを放出しない化学量論比の
範囲があり、その範囲を実験的に見出した。
は、重付加型硬化剤を用いて反応させ硬化物中の未反応
のエポキシ樹脂や硬化剤を残留させないようにして、有
機系ガス放出をなくす例である。重付加型硬化剤を用い
たエポキシ樹脂組成物では、硬化物中に末反応のエポキ
シ樹脂や硬化剤が残留してガス放出種となる。これを防
止するためには、硬化時にエポキシ樹脂と硬化剤とが最
低でもオリゴマーまで、つまりガス化しない程度の分子
量になるまで反応させることが必要である。エポキシ樹
脂と硬化剤とが過不足無く硬化反応する場合の化学量論
比は理論的には1、つまりエポキシ樹脂中のエポキシ基
と、硬化剤中の硬化反応をする官能基とが同数である
が、実際にはエポキシ樹脂と硬化剤の組み合わせによっ
て、エポキシ樹脂の自己架橋反応などが生じるため、過
不足無く硬化反応する場合の化学量論比は必ずしも1で
はない。つまり、有機系ガスを放出しない化学量論比の
範囲があり、その範囲を実験的に見出した。
【0019】(実施例4)本発明の第4の実施形態に係
る実施例を以下に述べる。本実施例は、硬化剤に重付加
型のものを用いて反応させ硬化物中の未反応のエポキシ
樹脂や硬化剤を残留させないようにした例である。硬化
させた後の硬化物に含まれる低分子有機物(非反応性不
純物、非反応性有機溶剤、未反応原料、反応副生物な
ど)を除去処理をする例である。試料の作製方法はつぎ
のようにした。なお、硬化物の評価方法および評価結果
の表示は実施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表4に示す配合比とし
硬化物を作製した。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・重付加型硬化剤:アミン型硬化剤の4−4‘ジアミノ
ジフェニルスルフォン(DDS)、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸(MeTHPA)、フェノールノボラック
型硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤 ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) (2)試料の作製方法 試料は、エポキシ樹脂を硬化剤、触媒と調合硬化させて
作製した。樹脂の硬化方式として、エポキシ樹脂に硬化
剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加したも
のおよび触媒を単独添加したものとした。硬化条件は全
て150℃、5時間とした。つぎに、低分子有機物含有
量と有機系ガス放出量を測定した。その結果を表4およ
び図5〜9に示す。
る実施例を以下に述べる。本実施例は、硬化剤に重付加
型のものを用いて反応させ硬化物中の未反応のエポキシ
樹脂や硬化剤を残留させないようにした例である。硬化
させた後の硬化物に含まれる低分子有機物(非反応性不
純物、非反応性有機溶剤、未反応原料、反応副生物な
ど)を除去処理をする例である。試料の作製方法はつぎ
のようにした。なお、硬化物の評価方法および評価結果
の表示は実施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表4に示す配合比とし
硬化物を作製した。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールA型(BPA型)、エ
ポキシ当量は190 ・希釈剤:トルエン ・重付加型硬化剤:アミン型硬化剤の4−4‘ジアミノ
ジフェニルスルフォン(DDS)、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸(MeTHPA)、フェノールノボラック
型硬化剤、ポリメルカプタン型硬化剤 ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4MZ) (2)試料の作製方法 試料は、エポキシ樹脂を硬化剤、触媒と調合硬化させて
作製した。樹脂の硬化方式として、エポキシ樹脂に硬化
剤を単独添加したもの、硬化剤と触媒を併用添加したも
のおよび触媒を単独添加したものとした。硬化条件は全
て150℃、5時間とした。つぎに、低分子有機物含有
量と有機系ガス放出量を測定した。その結果を表4およ
び図5〜9に示す。
【0020】
【表4】
【0021】アミン型硬化剤を添加したNo.57〜6
2については、図5に示すとおり、化学量論比が0.5
〜1.4の間では低分子有機物の含有量が10,000
ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-11
A以下と有機系ガス放出が少ない。また、0.7〜1.
2の間では低分子有機物の含有量が1,000ppm以
下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以下と
ほとんど検出されなかった。触媒を添加した酸無水物型
硬化剤(No.63〜68)については、図6に示すと
おり、化学量論比が0.5〜1.4の間では低分子有機
物の含有量が10,000ppm以下であり、有機系ガ
スのイオン電流が10-11A以下と有機系ガス放出が少
なく、また、0.7〜1.2の間では低分子有機物の含
有量が1,000ppm以下であり、有機系ガスのイオ
ン電流が10-12A以下とほとんど検出されなかった。
フェノールノボラック型硬化剤を添加したNo.69〜
74については、図7に示すとおり、化学量論比が0.
5〜1.2の間では低分子有機物の含有量が10,00
0ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10
-11A以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.7〜
1.0の間では低分子有機物の含有量が1,000pp
m以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以
下とほとんど検出されなかった。触媒を添加したフェノ
ールノボラック型硬化剤を添加したNo.75〜80に
ついては、図8に示すとおり、化学量論比が0.5〜
1.2の間では低分子有機物の含有量が10,000p
pm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-1 1A
以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.8〜1.1
の間では低分子有機物の含有量が1,000ppm以下
であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以下とほ
とんど検出されなかった。ポリメルカプタン型硬化剤を
添加したNo.81〜86およびNo.87〜92(触
媒併用)については、図9に示すとおり、化学量論比が
0.5〜1.0の間では低分子有機物の含有量が10,
000ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が1
0-11A以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.6
〜0.9の間では低分子有機物の含有量が1,000p
pm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A
以下とほとんど検出されなかった。よって、本実施形態
においても、重付加型硬化剤を用いて、硬化剤の種類に
よってエポキシ基と硬化剤との硬化反応の化学量論比を
調整することで、従来よりも有機系ガス放出量が少ない
熱硬化性樹脂組成物を得ることができた。
2については、図5に示すとおり、化学量論比が0.5
〜1.4の間では低分子有機物の含有量が10,000
ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-11
A以下と有機系ガス放出が少ない。また、0.7〜1.
2の間では低分子有機物の含有量が1,000ppm以
下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以下と
ほとんど検出されなかった。触媒を添加した酸無水物型
硬化剤(No.63〜68)については、図6に示すと
おり、化学量論比が0.5〜1.4の間では低分子有機
物の含有量が10,000ppm以下であり、有機系ガ
スのイオン電流が10-11A以下と有機系ガス放出が少
なく、また、0.7〜1.2の間では低分子有機物の含
有量が1,000ppm以下であり、有機系ガスのイオ
ン電流が10-12A以下とほとんど検出されなかった。
フェノールノボラック型硬化剤を添加したNo.69〜
74については、図7に示すとおり、化学量論比が0.
5〜1.2の間では低分子有機物の含有量が10,00
0ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10
-11A以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.7〜
1.0の間では低分子有機物の含有量が1,000pp
m以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以
下とほとんど検出されなかった。触媒を添加したフェノ
ールノボラック型硬化剤を添加したNo.75〜80に
ついては、図8に示すとおり、化学量論比が0.5〜
1.2の間では低分子有機物の含有量が10,000p
pm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-1 1A
以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.8〜1.1
の間では低分子有機物の含有量が1,000ppm以下
であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A以下とほ
とんど検出されなかった。ポリメルカプタン型硬化剤を
添加したNo.81〜86およびNo.87〜92(触
媒併用)については、図9に示すとおり、化学量論比が
0.5〜1.0の間では低分子有機物の含有量が10,
000ppm以下であり、有機系ガスのイオン電流が1
0-11A以下と有機系ガス放出が少なく、また、0.6
〜0.9の間では低分子有機物の含有量が1,000p
pm以下であり、有機系ガスのイオン電流が10-12A
以下とほとんど検出されなかった。よって、本実施形態
においても、重付加型硬化剤を用いて、硬化剤の種類に
よってエポキシ基と硬化剤との硬化反応の化学量論比を
調整することで、従来よりも有機系ガス放出量が少ない
熱硬化性樹脂組成物を得ることができた。
【0022】(実施形態5)本発明の第5の実施形態
は、触媒添加によってエポキシ樹脂を自己架橋させ未反
応エポキシ樹脂・硬化剤の残留を防止する例である。重
付加型硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物では、主剤と
硬化剤との配合比や硬化条件によっては硬化物中に未反
応原料が残留しガス放出種となる。また、硬化反応の副
生物が生じる反応メカニズムでは、その副生物がガス放
出種となる。よって、触媒によってエポキシ樹脂を自己
架橋させることで、エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論
比に関係なく未反応エポキシ樹脂・硬化剤の残留を防止
することができる。
は、触媒添加によってエポキシ樹脂を自己架橋させ未反
応エポキシ樹脂・硬化剤の残留を防止する例である。重
付加型硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物では、主剤と
硬化剤との配合比や硬化条件によっては硬化物中に未反
応原料が残留しガス放出種となる。また、硬化反応の副
生物が生じる反応メカニズムでは、その副生物がガス放
出種となる。よって、触媒によってエポキシ樹脂を自己
架橋させることで、エポキシ樹脂と硬化剤との化学量論
比に関係なく未反応エポキシ樹脂・硬化剤の残留を防止
することができる。
【0023】(実施例5)本発明の第5の実施形態に係
る実施例を以下に述べる。本実施形態は触媒の添加によ
ってエポキシ樹脂を自己架橋させ未反応エポキシ樹脂・
硬化剤の残留をなくした例である。試料の作製方法はつ
ぎのようにした。なお、硬化物の評価方法および評価結
果の表示は実施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表5に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールF型(BPF型)、エ
ポキシ当量は172 ・硬化剤:無水メチルナジック酸(MNA) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4M
Z)、2メチルイミダゾール(2MZ)、3フッ化ホウ
素モノエチルアミン錯体(BF3・MEA)、3フッ化
ホウ素アニリン錯体(BF3・アニリン)、ベンジルジ
メチルアミン(BDMA)、2,4,6トリス(ジアミ
ノメチル)フェノール(DMP−30) (2)試料の作製方法 試料No.93と94はイミダゾール化合物触媒を用い
た例で、試料No.93は2エチル4メチルイミダゾー
ルを用いた例であり、試料No.94は2メチルイミダ
ゾールを用いた例である。試料No.95と96はカチ
オン重合型触媒を用いた例で、試料No.95は3フッ
化ホウ素モノエチルアミン錯体を用いた例であり、試料
No.96は3フッ化ホウ素アニリン錯体を用いた例で
ある。また、硬化反応にて副生物を生じる例として、試
料No.97はベンジルジメチルアミンを触媒として無
水メチルナジック酸を、試料No.98は2,4,6ト
リス(ジアミノメチル)フェノールを触媒として、無水
メチルナジック酸を配合した。硬化条件は全て150
℃、5時間とした。つぎに、低分子有機物含有量と有機
系ガス放出量を測定した。その結果を表5および図10
に示す。
る実施例を以下に述べる。本実施形態は触媒の添加によ
ってエポキシ樹脂を自己架橋させ未反応エポキシ樹脂・
硬化剤の残留をなくした例である。試料の作製方法はつ
ぎのようにした。なお、硬化物の評価方法および評価結
果の表示は実施例1と同様である。 (1)試料 試料はつぎの原料を組み合わせ、表5に示す配合比とし
た。 ・エポキシ樹脂:ビスフェノールF型(BPF型)、エ
ポキシ当量は172 ・硬化剤:無水メチルナジック酸(MNA) ・触媒:2エチル4メチルイミダゾール(2E4M
Z)、2メチルイミダゾール(2MZ)、3フッ化ホウ
素モノエチルアミン錯体(BF3・MEA)、3フッ化
ホウ素アニリン錯体(BF3・アニリン)、ベンジルジ
メチルアミン(BDMA)、2,4,6トリス(ジアミ
ノメチル)フェノール(DMP−30) (2)試料の作製方法 試料No.93と94はイミダゾール化合物触媒を用い
た例で、試料No.93は2エチル4メチルイミダゾー
ルを用いた例であり、試料No.94は2メチルイミダ
ゾールを用いた例である。試料No.95と96はカチ
オン重合型触媒を用いた例で、試料No.95は3フッ
化ホウ素モノエチルアミン錯体を用いた例であり、試料
No.96は3フッ化ホウ素アニリン錯体を用いた例で
ある。また、硬化反応にて副生物を生じる例として、試
料No.97はベンジルジメチルアミンを触媒として無
水メチルナジック酸を、試料No.98は2,4,6ト
リス(ジアミノメチル)フェノールを触媒として、無水
メチルナジック酸を配合した。硬化条件は全て150
℃、5時間とした。つぎに、低分子有機物含有量と有機
系ガス放出量を測定した。その結果を表5および図10
に示す。
【0024】
【表5】
【0025】イミダゾール化合物触媒を用いた試料N
o.93、94およびカチオン重合型触媒を用いた試料
No.95、96は、低分子有機物の含有量が1,00
0ppm以下であり、有機系ガスは検出されなかった。
一方、副生物を生じる触媒を用いた試料No.97、9
8は低分子有機物の含有量が10,000ppm以下で
あり、有機系ガスはイオン電流が10-11以下ではある
が検出された。よって、本実施形態においてもイミダゾ
ール化合物触媒若しくはカチオン重合型触媒によってエ
ポキシ樹脂を自己重合させることで、従来よりも有機系
ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組成物を得ることがで
きた。
o.93、94およびカチオン重合型触媒を用いた試料
No.95、96は、低分子有機物の含有量が1,00
0ppm以下であり、有機系ガスは検出されなかった。
一方、副生物を生じる触媒を用いた試料No.97、9
8は低分子有機物の含有量が10,000ppm以下で
あり、有機系ガスはイオン電流が10-11以下ではある
が検出された。よって、本実施形態においてもイミダゾ
ール化合物触媒若しくはカチオン重合型触媒によってエ
ポキシ樹脂を自己重合させることで、従来よりも有機系
ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組成物を得ることがで
きた。
【0026】これまで述べた実施例1から5の低分子有
機物含有量およびガス放出量のデータについて整理した
結果を図11に示す。図11は、低分子有機物含有量と
ガス放出量との関係を示す図である。これから分かるよ
うに、低分子有機物含有量の減少とともに有機系ガスの
放出量も減少し、低分子有機物の含有量が10,000
ppm以下では有機系ガスの放出量は極めて少なくな
り、低分子有機物の含有量が1,000ppm以下では
有機系ガスの放出は検出されないことを見出した。これ
により、実施例1から5の方法を用いれば、放出ガスの
少ない優れた真空用機器を得られることが分かる。
機物含有量およびガス放出量のデータについて整理した
結果を図11に示す。図11は、低分子有機物含有量と
ガス放出量との関係を示す図である。これから分かるよ
うに、低分子有機物含有量の減少とともに有機系ガスの
放出量も減少し、低分子有機物の含有量が10,000
ppm以下では有機系ガスの放出量は極めて少なくな
り、低分子有機物の含有量が1,000ppm以下では
有機系ガスの放出は検出されないことを見出した。これ
により、実施例1から5の方法を用いれば、放出ガスの
少ない優れた真空用機器を得られることが分かる。
【0027】(実施形態6)本発明の第6の実施形態は
真空用機器への適用例である。従来の熱硬化性樹脂組成
物を用いた真空用機器は、真空下で機器から放出される
有機系ガスは熱硬化性樹脂組成物部分からの放出が支配
的であった。ここで、第1〜第5の実施形態にて見出し
た有機系ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組成物にて置
き換えた場合、真空機器からの有機系ガス放出量は、熱
硬化性樹脂組成物単体での有機系ガス放出量に比例して
少なくなる。
真空用機器への適用例である。従来の熱硬化性樹脂組成
物を用いた真空用機器は、真空下で機器から放出される
有機系ガスは熱硬化性樹脂組成物部分からの放出が支配
的であった。ここで、第1〜第5の実施形態にて見出し
た有機系ガス放出量が少ない熱硬化性樹脂組成物にて置
き換えた場合、真空機器からの有機系ガス放出量は、熱
硬化性樹脂組成物単体での有機系ガス放出量に比例して
少なくなる。
【0028】(実施例6)本発明の第6の実施形態に係
る実施例を以下に述べる。真空用機器として図12に示
す構造の電磁コイルを用いた。モールド3に用いる熱硬
化性樹脂組成物の配合、加熱・減圧処理条件を変えて、
第1の実施形態と同様に有機系ガス放出量を測定した。
図12において、1はステータコア、2はコイル、3は
熱硬化性樹脂組成物からなるモールド、4はステータハ
ウジングである。これらについては、本実施例の電磁コ
イルは、図13に示す従来の電磁コイルと同じである
が、キャン5は本実施例の電磁コイルには取付けられて
いない。モールド3は、実施例としてつぎの6種類を用
いた。すなわち、原料から非反応性成分を除去した試料
No.6、原料の混合状態で非反応性成分を除去した試
料No.28、硬化物から低分子有機物を除去した試料
No.51および48、重付加型硬化剤を最適配合比で
配合した試料No.59、触媒を用いた試料No.93
である。なお、比較例として不純物の多い試料No.1
および低分子有機物含有量の多いNo.3を選定した。
モールド3の作製は全てその試料と同じ条件で作製し
た。これらの電磁コイルの有機系ガス放出量を測定した
結果、本実施例として用いたNo.6、No.28、N
o.48および51、No.59、No.93の6種類
をモールド3として用いた電磁コイルからは有機系ガス
は検出されなかった。これに対して、比較例に用いた不
純物の多い試料No.1および低分子有機物含有量の多
いNo.3をモールド3として用いた電磁コイルは、多
量の有機系ガスが検出された。このように、本発明の真
空用熱硬化性樹脂組成物を用いた真空用機器からは有機
系ガスが放出されないため、従来の、高真空下での有機
系ガスに起因した問題点は解決された。また、本発明の
真空用機器はコイルがモールドされた電磁コイルに限ら
ず、例えば真空用ロボットアームなどの構造部材、真空
チャンバー、真空用機器のハウジングなど、有機系ガス
放出による問題のために金属材料を使用していた部材
や、樹脂モールドやコーティングされた真空用電気機器
の基板、真空用電気機器を構成する絶縁材・接着剤な
ど、有機系ガス放出による問題のために高真空雰囲気か
ら隔離されていた真空用機器においても、本発明の熱硬
化性樹脂組成物にて構成することで有機系ガス放出が根
本原因となって生じる問題の解決に有効である。なお、
本発明はエポキシ樹脂組成物に限らず、不飽和ポリエス
テル樹脂組成物、シリコン樹脂組成物、ポリウレタン樹
脂組成物、ビニルエステル樹脂組成物、アルキド樹脂組
成物などの熱硬化性樹脂組成物に有効である。
る実施例を以下に述べる。真空用機器として図12に示
す構造の電磁コイルを用いた。モールド3に用いる熱硬
化性樹脂組成物の配合、加熱・減圧処理条件を変えて、
第1の実施形態と同様に有機系ガス放出量を測定した。
図12において、1はステータコア、2はコイル、3は
熱硬化性樹脂組成物からなるモールド、4はステータハ
ウジングである。これらについては、本実施例の電磁コ
イルは、図13に示す従来の電磁コイルと同じである
が、キャン5は本実施例の電磁コイルには取付けられて
いない。モールド3は、実施例としてつぎの6種類を用
いた。すなわち、原料から非反応性成分を除去した試料
No.6、原料の混合状態で非反応性成分を除去した試
料No.28、硬化物から低分子有機物を除去した試料
No.51および48、重付加型硬化剤を最適配合比で
配合した試料No.59、触媒を用いた試料No.93
である。なお、比較例として不純物の多い試料No.1
および低分子有機物含有量の多いNo.3を選定した。
モールド3の作製は全てその試料と同じ条件で作製し
た。これらの電磁コイルの有機系ガス放出量を測定した
結果、本実施例として用いたNo.6、No.28、N
o.48および51、No.59、No.93の6種類
をモールド3として用いた電磁コイルからは有機系ガス
は検出されなかった。これに対して、比較例に用いた不
純物の多い試料No.1および低分子有機物含有量の多
いNo.3をモールド3として用いた電磁コイルは、多
量の有機系ガスが検出された。このように、本発明の真
空用熱硬化性樹脂組成物を用いた真空用機器からは有機
系ガスが放出されないため、従来の、高真空下での有機
系ガスに起因した問題点は解決された。また、本発明の
真空用機器はコイルがモールドされた電磁コイルに限ら
ず、例えば真空用ロボットアームなどの構造部材、真空
チャンバー、真空用機器のハウジングなど、有機系ガス
放出による問題のために金属材料を使用していた部材
や、樹脂モールドやコーティングされた真空用電気機器
の基板、真空用電気機器を構成する絶縁材・接着剤な
ど、有機系ガス放出による問題のために高真空雰囲気か
ら隔離されていた真空用機器においても、本発明の熱硬
化性樹脂組成物にて構成することで有機系ガス放出が根
本原因となって生じる問題の解決に有効である。なお、
本発明はエポキシ樹脂組成物に限らず、不飽和ポリエス
テル樹脂組成物、シリコン樹脂組成物、ポリウレタン樹
脂組成物、ビニルエステル樹脂組成物、アルキド樹脂組
成物などの熱硬化性樹脂組成物に有効である。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によればつぎ
の効果がある。 (1)エポキシ樹脂と硬化剤若しくは触媒を、混合前若
しくは混合後に加熱処理若しくは減圧処理し、その温度
Tは250℃以下であり、圧力Pは温度Tでの低分子有
機物の蒸気圧以下とすることで、エポキシ樹脂、硬化剤
若しくは触媒、あるいはそれらの混合物に含まれる非反
応性有機物を除去できる。 (2)硬化物を加熱処理若しくは減圧処理し、その温度
Tは250℃以下、硬化物のガラス転移温度以上であ
り、圧力Pは温度Tでの低分子有機物の蒸気圧以下とす
ることで、硬化物に含まれる低分子有機物を除去でき
る。 (3)硬化物を加熱処理し、その温度Tは硬化物のガラ
ス転移温度以上とすることで、硬化物に含まれる低分子
有機物を除去できる。 (硬化剤は重付加型とし、エポキシ樹脂のエポキシ基に
対する化学量論比は、第一アミン型若しくは第二アミン
型硬化剤では活性水素との化学量論比が0.5〜1.
4、酸無水物硬化剤では酸無水物基との化学量論比が
0.5〜1.4、フェノールノボラック硬化剤ではフェ
ノール性水酸基との化学量論比が0.5〜1.2、フェ
ノールノボラック硬化剤と塩基性触媒との併用ではフェ
ノール性水酸基との化学量論比が0.5〜1.2、ポリ
メルカプタン硬化剤では活性水素との化学量論比が0.
5〜1.0とすることで、エポキシ樹脂と硬化剤とを少
なくともオリゴマーまで反応させ、未反応物を残さな
い。 (5)触媒はイミダゾール若しくはカチオン重合型と
し、エポキシ樹脂を自己架橋させることで、エポキシ樹
脂や硬化剤の配合比に関係なく未反応エポキシ樹脂・硬
化剤の残留を防止できる。 この(1)から(5)の作用により、熱硬化樹脂組成物
に含まれる、分子量400以下の低分子有機物の含有量
が熱硬化性樹脂組成物全体の重量に対して10000p
pm以下となり、真空下における熱硬化性樹脂組成物か
らの有機系ガスの放出が少なくなるとともに、これを用
いた真空用機器からの有機系ガスの放出が少なくなると
いう効果がある。
の効果がある。 (1)エポキシ樹脂と硬化剤若しくは触媒を、混合前若
しくは混合後に加熱処理若しくは減圧処理し、その温度
Tは250℃以下であり、圧力Pは温度Tでの低分子有
機物の蒸気圧以下とすることで、エポキシ樹脂、硬化剤
若しくは触媒、あるいはそれらの混合物に含まれる非反
応性有機物を除去できる。 (2)硬化物を加熱処理若しくは減圧処理し、その温度
Tは250℃以下、硬化物のガラス転移温度以上であ
り、圧力Pは温度Tでの低分子有機物の蒸気圧以下とす
ることで、硬化物に含まれる低分子有機物を除去でき
る。 (3)硬化物を加熱処理し、その温度Tは硬化物のガラ
ス転移温度以上とすることで、硬化物に含まれる低分子
有機物を除去できる。 (硬化剤は重付加型とし、エポキシ樹脂のエポキシ基に
対する化学量論比は、第一アミン型若しくは第二アミン
型硬化剤では活性水素との化学量論比が0.5〜1.
4、酸無水物硬化剤では酸無水物基との化学量論比が
0.5〜1.4、フェノールノボラック硬化剤ではフェ
ノール性水酸基との化学量論比が0.5〜1.2、フェ
ノールノボラック硬化剤と塩基性触媒との併用ではフェ
ノール性水酸基との化学量論比が0.5〜1.2、ポリ
メルカプタン硬化剤では活性水素との化学量論比が0.
5〜1.0とすることで、エポキシ樹脂と硬化剤とを少
なくともオリゴマーまで反応させ、未反応物を残さな
い。 (5)触媒はイミダゾール若しくはカチオン重合型と
し、エポキシ樹脂を自己架橋させることで、エポキシ樹
脂や硬化剤の配合比に関係なく未反応エポキシ樹脂・硬
化剤の残留を防止できる。 この(1)から(5)の作用により、熱硬化樹脂組成物
に含まれる、分子量400以下の低分子有機物の含有量
が熱硬化性樹脂組成物全体の重量に対して10000p
pm以下となり、真空下における熱硬化性樹脂組成物か
らの有機系ガスの放出が少なくなるとともに、これを用
いた真空用機器からの有機系ガスの放出が少なくなると
いう効果がある。
【図1】本発明の第1の実施形態の効果を示すグラフで
ある。
ある。
【図2】本発明の第2の実施形態の効果を示すグラフで
ある。
ある。
【図3】本発明の第3の実施形態において、加熱・減圧
処理条件がガス放出量に及ぼす効果を示すグラフであ
る。
処理条件がガス放出量に及ぼす効果を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の第3の実施形態における加熱温度と硬
化物のガラス転移温度との関係がガス放出量に及ぼす効
果を示すグラフである。
化物のガラス転移温度との関係がガス放出量に及ぼす効
果を示すグラフである。
【図5】本発明の第4の実施形態において、アミン型硬
化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を示すグラフであ
る。
化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を示すグラフであ
る。
【図6】本発明の第4の実施形態において、触媒添加時
の酸無水物型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を
示すグラフである。
の酸無水物型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を
示すグラフである。
【図7】本発明の第4の実施形態において、フェノール
ノボラック型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を
示すグラフである。
ノボラック型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を
示すグラフである。
【図8】本発明の第4の実施形態において、触媒添加時
のフェノールノボラック型硬化剤配合比のガス放出量に
及ぼす効果を示すグラフである。
のフェノールノボラック型硬化剤配合比のガス放出量に
及ぼす効果を示すグラフである。
【図9】本発明の第4の実施形態において、ポリメルカ
プタン型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を示す
グラフである。
プタン型硬化剤配合比のガス放出量に及ぼす効果を示す
グラフである。
【図10】本発明の第5の実施形態の効果を示すグラフ
である。
である。
【図11】本発明の第1から第5の実施形態の効果をま
とめたグラフである。
とめたグラフである。
【図12】本発明の第6の実施形態を示す真空用電磁コ
イルの側断面図である。
イルの側断面図である。
【図13】従来の真空用電磁コイルの構造を示す側断面
図である。
図である。
1 ステータコア 2 コイル 3 モールド 4 ステータハウジング 5 キャン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AA02 AD01 AD08 BA01 DA01 DA04 DB15 DC02 DC03 DC04 DC40 DC41 DD02 FB07 JA05 JA07
Claims (22)
- 【請求項1】 主剤と、硬化剤または触媒の少なくとも
一つを配合した熱硬化性樹脂組成物において、前記組成
物中の分子量400以下の低分子有機物の含有量が1
0,000ppm以下、好ましくは1,000ppm以
下であることを特徴とする真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】 前記主剤がエポキシ樹脂であることを特
徴とする請求項1記載の真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記低分子有機物を加熱処理若しくは減
圧処理により除去したものであることを特徴とする請求
項2記載の真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項4】 前記硬化剤が重付加型であることを特徴
とする請求項2または3記載の真空用熱硬化性樹脂組成
物。 - 【請求項5】 前記硬化剤は第一アミン若しくは第二ア
ミンであり、その活性水素の化学量論比が、前記エポキ
シ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.4、好ましく
は0.7〜1.2であることを特徴とする請求項4記載
の真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記硬化剤は酸無水物であり、その酸無
水物基の化学量論比が、前記エポキシ樹脂のエポキシ基
に対して0.5〜1.4、好ましくは0.7〜1.2で
あることを特徴とする請求項4記載の真空用熱硬化性樹
脂組成物。 - 【請求項7】 前記硬化剤はフェノールノボラックであ
り、そのフェノール性水酸基の化学量論比が、前記エポ
キシ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好まし
くは0.5〜1.0であることを特徴とする請求項4記
載の真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項8】 前記硬化剤はフェノールノボラックであ
り、そのフェノール性水酸基の化学量論比が前記エポキ
シ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好ましく
は0.6〜1.1であり、かつ、前記触媒として塩基性
触媒を用いたことを特徴とする請求項4記載の真空用熱
硬化性樹脂組成物。 - 【請求項9】 前記硬化剤はボリメルカプタンであり、
その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ樹脂のエポ
キシ基に対して0.5〜1.0、好ましくは0.6〜
0.9であることを特徴とする請求項4記載の真空用熱
硬化性樹脂組成物。 - 【請求項10】 前記触媒はイミダゾール若しくはカチ
オン重合型であることを特徴とする請求項2から9のい
ずれか1項に記載の真空用熱硬化性樹脂組成物。 - 【請求項11】 請求項1から10のいずれか1項に記
載の真空用熱硬化性樹脂組成物を用いた真空用機器。 - 【請求項12】 エポキシ樹脂に硬化剤または触媒の少
なくとも一方を配合して硬化させる熱硬化性樹脂組成物
の製造方法において、前記組成物を加熱処理若しくは減
圧処理を行い、分子量が400以下の低分子有機物を組
成物全体の重量に対して10,000ppm以下、好ま
しくは1,000ppm以下にすることを特徴とする真
空用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項13】 前記加熱処理若しくは減圧処理を行う
際の組成物の状態を、硬化前の成分単体若しくは混合
体、または硬化後の硬化物のいずれかとしたことを特徴
とする請求項12記載の真空用熱硬化性樹脂組成物の製
造方法。 - 【請求項14】 前記加熱処理における温度を250℃
以下とし、前記減圧処理における圧力Pを前記温度Tで
の前記低分子有機物の蒸気圧以下、好ましくは次式に示
す圧力とすることを特徴とする請求項13記載の真空用
熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 log10P<8.125−2000/(T−73.1
5) P:減圧処理における圧力[Pa]、T:加熱処理にお
ける温度[K] - 【請求項15】 前記温度Tが前記硬化物のガラス転移
温度以上の温度であることを特徴とする請求項14記載
の真空用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項16】 エポキシ樹脂に硬化剤または触媒の少
なくとも一方を配合して硬化させる熱硬化性樹脂組成物
の製造方法において、前記硬化剤を重付加型として、分
子量が400以下の低分子有機物を、組成物全体の重量
に対して10,000ppm以下、好ましくは1,00
0ppm以下にすることを特徴とする真空用熱硬化性樹
脂組成物の製造方法。 - 【請求項17】 前記硬化剤は第一アミン若しくは第二
アミンであり、その活性水素の化学量論比が、前記エポ
キシ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.4、好まし
くは0.7〜1.2であることを特徴とする請求項16
記載の真空用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項18】 前記硬化剤は酸無水物であり、その酸
無水物基の化学量論比が、前記エポキシ樹脂のエポキシ
基に対して0.5〜1.4、好ましくは0.7〜1.2
であることを特徴とする請求項16記載の真空用熱硬化
性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項19】 前記硬化剤はフェノールノボラックで
あり、そのフェノール性水酸基の化学量論比が、前記エ
ポキシ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好ま
しくは0.5〜1.0であることを特徴とする請求項1
6記載の真空用熱硬化性樹脂組成物の製造方法の製造方
法。 - 【請求項20】 前記硬化剤はフェノールノボラックで
あり、そのフェノール性水酸基の化学量論比が前記エポ
キシ樹脂のエポキシ基に対して0.5〜1.2、好まし
くは0.6〜1.1であり、かつ、前記触媒として塩基
性触媒を用いたことを特徴とする請求項16記載の真空
用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項21】 前記硬化剤はポリメルカプタンであ
り、その活性水素の化学量論比が、前記エポキシ樹脂の
エポキシ基に対して0.5〜1.0、好ましくは0.6
〜0.9であることを特徴とする請求項16記載の真空
用熱硬化性樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項22】 前記触媒はイミダゾール若しくはカチ
オン重合型であることを特徴とする請求項12から21
のいずれか一項に記載の真空用熱硬化性樹脂組成物の製
造方法。
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