JP2002211116A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002211116A
JP2002211116A JP2001010753A JP2001010753A JP2002211116A JP 2002211116 A JP2002211116 A JP 2002211116A JP 2001010753 A JP2001010753 A JP 2001010753A JP 2001010753 A JP2001010753 A JP 2001010753A JP 2002211116 A JP2002211116 A JP 2002211116A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひび割れ等がなく強固で良好なインク吸収性
を備え、その形成画像が高い耐光性、耐水性、耐ガス性
を有し、高温高湿環境下でも画像の経時ニジミを生ずる
ことのないインクジェット記録用シートを提供する。 【解決手段】 エチレン性二重結合若しくは三重結合を
有するポリアミン重合体、特に下記一般式(I)で表さ
れる単量体を有する重合体の高分子反応によって得られ
るポリアミン重合体を、少なくとも含むことを特徴とす
るインクジェット記録用シート。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク、油性
インク等の液状インクや、常温では固体であり、溶融液
状化させた後、印画に供する固体状インクを用いるイン
クジェット記録に適した被記録材料に関し、詳しくは、
インク受容性能に優れ、かつ画像部の経時でのニジミや
褪色の少ない記録シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発されている。これに伴い、
それぞれの情報システムに適した記録方法及び装置も開
発され、実用化されている。このような記録方法の中
で、インクジェット記録方法は、種々の記録材料に記録
できること、ハードが比較的安価であること、コンパク
トであること、さらに静粛性が高いこと等によって、オ
フィスではもちろん、いわゆるホームユースにおいても
広く用いられてきている。また、近年のインクジェット
プリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな
高画質記録物を得ることが可能となってきた。そして、
ハード(装置)の発展に伴い、インクジェット記録用の
記録シートも各種開発されてきている。
【0003】上記記録シートに要求される特性は一般的
に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大き
いこと)、(2)インクドットの径が適正で均一である
こと(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好である
こと、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度
が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、
(8)長期間保存しても画像にニジミや褪色が生じない
こと、(9)記録シートの白色度が高いこと、(10)
記録シートの保存性が良好なこと、(11)変形・寸法
安定性が良好であること(カールが十分に小さいこ
と)、(12)ハード走行性が良好であること等が挙げ
られる。さらに、いわゆる写真ライクな高画質記録物を
得るために用いられるフォト光沢紙の用途では、上記に
付け加えて、光沢性、表面の平滑性、銀塩写真に類似し
た印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】インクジェット記録に用いられる記録用シ
ートとしては、例えば、特開昭55−51583号公
報、同55−144172号公報、同55−15039
5号公報、同56−148582号公報、同56−14
8583号公報、同56−148584号公報、同56
−148585号公報、同57−14091号公報、同
57−38185号公報、同57−129778号公
報、同57−129979号公報、同60−21908
4号公報、同60−245588号公報等に記載されて
いる、シリカ等の顔料と水溶性バインダーとを、紙又は
プラスチックフイルム等の支持体上に塗布したものが知
られている。しかしながら、これら提案された記録シー
トにおいては、いずれも光沢性が非常に低く、フォト光
沢紙の用途としては不十分であった。
【0005】さらに、特開平4−223190号公報で
は、硼砂又は硼酸を0.1g/m2以上塗工してなる基
紙に、5〜20g/m2の合成シリカ、及びポリビニル
アルコール(PVA)からなる記録層が設けられたイン
クジェット記録用紙が提案されている。上記技術は、単
にバインダ含有量が少ない記録層の塗膜強度を向上させ
ることを目的としたものであり、光沢の点で劣るため、
フォト光沢紙の用途としては不十分であった。
【0006】また、光沢性を得るために各種水溶性ポリ
マーを用いた記録材料が提案されている。例えば、特開
昭58−89391号公報、同58−134784号公
報、同58−134786号公報、同60−44386
号公報、同60−132785号公報、同60−145
879号公報、同60−168651号公報、同60−
171143号公報等に記載の、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、又はゼラチン等を紙又はプ
ラスチックフイルム等の支持体上に塗布したものが知ら
れている。これらの記録シートも光沢性の点では優れる
がインク速乾性の点で劣るため、フォト光沢紙の用途と
しては不十分であった。
【0007】他方、特開平7−276789号公報、同
8−174992号公報、同11−115308号公
報、同11−192777号公報等では、上述のインク
ジェット記録用シートの要求特性、製造コストを満足す
るインクジェット記録用シートが提案されている。上記
特開平7−276789号公報では、無機顔料微粒子及
び水溶性樹脂によって形成され、高い空隙率を持った三
次元構造を有する色材受容層が、支持体上に設けられた
記録用シートが提案されている。この構成によれば、上
述のインク吸収性が向上し、印画時の混色ニジミが十分
に抑制され、解像度の高い画像を得ることができるとさ
れている。この色材受容層は、一般に、小粒径の粒子を
多量に含有させて形成できるが、層形成のバインダー量
を空隙が形成できるように少なくする必要があるため、
塗布層を急激に乾燥させるとひび割れが発生し、色材受
容層の透明性及び外観が損なわれるといった欠点があっ
た。
【0008】インク受容層のひび割れを防止する方法と
して、特開平9−109545号公報では、塗布液のバ
インダーの粘度を比較的高くする方法が提案されている
が、この方法では、作業性の低下や塗布ムラが発生する
等のおそれがあり、実用上有効であるレベルには至って
いない。また、特開平7−76161号公報、同10−
119423号公報では、無機粒子、ポリビニルアルコ
ール(PVA)、ホウ酸若しくはホウ酸塩からなる塗布
液を用いるひび割れ防止方法が開示されているが、この
方法の場合も、塗布液の粘度が上昇するため作業性の低
下が大きく、液の経時安定性にも問題があり、実用上有
効なレベルには至っていない。
【0009】上記特開平10−119423号公報、又
は同10−217601号公報等では、微細な無機顔料
粒子及び水溶性樹脂を含有し、高い空隙率を持つ色材受
容層が支持体上に設けられたインクジェット記録用シー
トが提案されている。上記各インクジェット記録用シー
トは、その構成からインク吸収性に優れ、高解像度の画
像を形成しうる高いインク受容性能を有し、かつ高光沢
を示す。しかしながら、光沢性と風合いの観点から、支
持体としてその両側の表面にポリエチレン等の樹脂コー
トが施された支持体を用いるため、色材受容層中に含ま
れる高沸点溶媒が蒸発せず、また該溶媒が支持体に吸収
されない。このため、色材受容層中にそのまま高沸点溶
媒が残存し、印画後、高温高湿環境下に長時間保存され
ると、色材受容層中で該溶媒が染料と共に拡散して、経
時による画像のニジミ(以下、「経時ニジミ」というこ
とがある。)を生ずるという問題があった。
【0010】また、インクジェット記録用シートには、
インク中の染料成分を固定化する目的でアミノ基やアン
モニウム塩を有する化合物、特にこれらを有する高分子
化合物を添加することが広くおこなわれている。例え
ば、特開昭60−83882号公報、同64−7528
1号公報、同59−20696号公報等に記載されるジ
アリルアンモニウム塩誘導体の(共)重合体、特開昭6
1−61887号公報、同61−72581号公報等に
記載されるアリルアミン塩共重合体、特開平6−340
163号公報、同4−288283号公報、同9−30
0810号公報、同8−318672号公報、同10−
272830号公報、特開昭63−115780号公報
等に記載のアンモニウム塩を有する(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド系(共)重合体、ビニルベ
ンジルアンモニウム塩(共)重合体等のビニル(共)重
合体、特開平10−44588号公報等に記載の変性ポ
リビニルアルコール(PVA)、特開平6−23426
8号公報、同11−277888等に記載のアミン・エ
ピクロルヒドリン重付加体、特開平10−119418
号公報等に記載のジハライド・ジアミン重付加体、特開
平11−58934号公報、同11−28860号公報
等に記載のポリアミジン、同12−71603号公報等
に記載のアリルアミン塩酸塩、アリルアミン、ジアリル
ジメチルアンモニウム塩等の重合体など多数の化合物が
用いられている。これらの化合物を用いることで染料の
固定化を図り、ニジミの防止がなされている。
【0011】しかしながら、これらの高い空隙率を持つ
色材受容層を有するインクジェット記録用シートは、イ
ンク吸収性、高光沢性といった長所を有し、経時ニジミ
も改良されつつあるが、印画された画像を印画直後にク
リヤーファイル等の中に保管したり、或は特に高湿条件
下に長時間に亙って保存したりした場合には、まだ画増
のニジミが発生するという問題点がある。この問題の中
には、従来から着目されている光による退色(以後、こ
れを耐光性と称する)のほかに、オゾンやNOx、SO
x等のガスによる退色(従来の画像堅牢性と区別するた
めに、以下これを耐ガス性と称する)という問題もあ
る。
【0012】画像の堅牢性を高めようとする試みは、各
種の方法が提案されている。例えば、特開平8−174
990号公報、特開平7−183242号公報、特開平
7−216502号公報、特開2000−154497
号公報に記載されているようなUV吸収剤を含む媒染剤
を用いる方法、或は特開2000−108500号公報
のように水溶性のUV吸収剤を用いる方法が知られてい
る。これらの方法は、耐光性の向上には確かに効果が認
められるが、耐ガス性の向上は認められない。
【0013】特開2000−226544号公報には、
一定値以上の一重項酸素クエンチ速度を有する化合物を
含む方法が記載されている。しかしながら、この場合も
耐光性の向上は可能であるが、耐ガス性に関しては十分
な効果が得られない。
【0014】上述のように、インクジェット記録用紙に
ついて、ひび割れ等の発生がなく強固で、かつ高い表面
光沢性を有すると共に、良好なインク吸収性を有し、高
解像度で高濃度な画像を形成でき、発色性が良好であ
り、画像部の耐光性、耐水性、耐ガス性に優れ、且つ高
温高湿度の環境下に長時間保存された場合でも、経時ニ
ジミが生じないインクジェット用記録用シートは未だ知
られていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、印画後、高温高湿度環境下
に長時間保存された場合でも、経時ニジミを生ずること
なく、安定に画像を保持し得るインクジェット記録用シ
ートを提供することにある。また、本発明は、ひび割れ
等の発生がなく、強固で、かつ高い表面光沢を有すると
供に、良好なインク吸収性を有し、高解像度で高濃度な
画像を形成でき、発色性が良好であり、画像部の耐光性
・耐水性に優れたインクジェット記録用シートを提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの問
題解決のために鋭意研究をおこなった結果、下記のイン
クジェット記録用シートを用いることで、これらの問題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明は、
【0017】<1>エチレン性二重結合若しくは三重結
合を有するポリアミン重合体を、少なくとも含むことを
特徴とするインクジェット記録用シート。 <2>上記<1>に記載の重合体が、下記一般式(I)で
表される単量体を有する重合体の高分子反応によって得
られるポリアミン重合体であるインクジェット記録用シ
ート。
【化2】 〔式(I)中のnは、0又は1である。〕 <3>支持体上に色材受容層を有するインクジェット記
録用シートであって、該色材受容層が、無機顔料微粒子
と水溶性樹脂と少なくとも上記<1>又は<2>に記載のポ
リアミン重合体とを、含むインクジェット記録用シー
ト。 <4>上記<3>に記載の色材受容層は、更に水溶性樹脂
を架橋し得る架橋剤を含むインクジェット記録用シー
ト。 <5>上記<4>に記載の架橋剤が、ホウ素化合物である
インクジェット記録用シート。 <6>上記<3>に記載の無機顔料微粒子が、平均一次粒
子径が20nm以下のシリカ微粒子、或は平均細孔半径
が10〜100Åの擬べーマイトであるインクジェット
記録用シート。 <7>上記<3>に記載の水溶性樹脂が、ポリビニルアル
コール又はその誘導体であるインクジェット記録用シー
ト。 <8>上記<3>に記載の色材受容層が、空隙率が50〜
80%の3次元網目構造を有するインクジェット記録用
シート。 <9>上記<3>に記載の無機顔料微粒子(x)と水溶性
樹脂(y)との質量含有比(x/y)が、1.5〜10
であるインクジェット記録用シート。 <10>上記<3>〜<9>のいずれかに記載の色材受容層
を形成する過程において、支持体上に無機顔料微粒子と
水溶性樹脂とを含有する第1の塗布液を付与し、(1)
該付与と同時、(2)該付与によって形成された塗布層
の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、
及び(3)該塗布層を乾燥して塗膜を形成した後、の内
少なくともいずれかの時点に、請求項1又は2に記載の
ポリアミン重合体を含む第2の塗布液を付与して得られ
るインクジェット記録用シート。 <11>上記<10>に記載の色材受容層の形成過程にお
いて、上記<4>又は<5>に記載の架橋剤が、前記第1の
塗布液又は前記第2の塗布液に予め添加されて付与され
るインクジェット記録用シート。 <12>上記<10>に記載の色材受容層の形成過程にお
いて、上記<4>又は<5>に記載の架橋剤が、第3の塗布
液に添加されて付与されるインクジェット記録用シー
ト。
【0018】
【発明の実施の形態】<インクジェット記録用シート>
本発明のインクジェット記録用シートは、エチレン性二
重結合若しくは三重結合を有するポリアミン重合体、又
は下記一般式(I)で表される単量体を有する重合体の
高分子反応によって得られるポリアミン重合体を、少な
くとも含んでなり、必要に応じて、支持体上の色材受容
層に、無機顔料微粒子や水溶性樹脂、更には架橋剤等を
含んでなる。
【0019】
【化3】 〔式(I)中のnは、0又は1である。〕
【0020】(二重結合若しくは三重結合を有するポリ
アミン重合体)本発明の上記ポリアミン重合体は、その
高分子内に多数のエチレン性二重結合若しくは三重結合
を有している。この様なエチレン性二重結合としては、
ビニル基、スチリル基、アリル基、プロペニル基等のア
ルケン基、ジエン結合、イミン結合、アクリロイル基、
メタクリロイル基等が挙げられる。又、三重結合として
は、プロパギル基等のアルキン基、ニトリル基等が挙げ
られる。
【0021】本発明においては、エチレン性二重結合若
しくは三重結合を有する前記ポリアミン重合体は、又、
前記一般式(I)で表される単量体を有する重合体の高
分子反応によっても、容易に得られる。この目的に適う
高分子反応としては、前記一般式(I)で表される単量
体を有する重合体中のアミノ基に対して、例えば、クロ
ロメチルスチレン等の二重結合を有するアルキルハライ
ドを反応させたり、或はアクリロニトリル等の三重結合
を有する化合物をマイケル付加反応で結合させる反応等
が利用できる。
【0022】本発明のエチレン性二重結合若しくは三重
結合を有する前記ポリアミン重合体中の、二重結合若し
くは三重結合単位の含有率は、1〜100モル%が好ま
しく、2〜70モル%がより好ましく、3〜50モル%
が特に好ましい。該ポリアミン重合体中の二重結合若し
くは三重結合単位の含有率が、1モル%未満では耐ガス
性の向上効果が不十分である恐れがある。
【0023】(一般式(I)で表される単量体を有する
重合体)本発明の上記一般式(I)で表される単量体を
有する重合体(以下、「本発明に係る重合体」という場
合がある。)としては、前記一般式(I)で表される単
量体のみから重合された単独重合体と、他種の単量体と
複合されて共重合された共重合体の二種類がある。製造
の適性からは、単独重合体の方が好ましい場合がある
が、本発明は特に単独重合体に限定されず、インクジェ
ット記録シ−トとしての性能を損ねない範囲で、式
(1)の単量体以外で共重合可能なモノマ−との共重合
体としてもよい。
【0024】このような共重合可能なモノマ−として
は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル[例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t
−ブチル、(メタ)アクリル酸へキシル、(メタ)アク
リル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等の(メタ)アクリル酸C1−18アルキル
エステル等]、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエス
テル[(メタ)アクリル酸シクロへキシル等]、(メ
タ)アクリル酸アリ−ルエステル[(メタ)アクリル酸
フェニル等]、アラルキルエステル[(メタ)アクリル
酸ベンジル等]、置換(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキンエチ
ルなど]、(メタ)アクリアミド類[例えば、(メタ)
アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド
等]、芳香族ビニル類[スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン等]、ビニルエステル類[酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等]、
アリルエステル類[酢酸アリル等]、ハロゲン含有単量
体[塩化ビニリデン、塩化ビニル等]、シアン化ビニル
[(メタ)アクリロニトリル等]、オレフィン類[エチ
レン、プロピレン等]などが挙げられる。これらの共重
合可能な単量体も、単独で又は二種以上組合せて使用で
きる。
【0025】エチレン性二重結合若しくは三重結合を有
する本発明の前記ポリアミン重合体は、及び、前記一般
式(I)で表される単量体を有する重合体の高分子反応
によって得られる本発明の前記ポリアミン重合体の分子
量としては、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で
測定した質量平均分子量として、1,000〜500,
000程度が好ましく、2,000〜400,000が
更に好ましい。分子量が1,000未満では耐水性が不
十分となる傾向があり、500,000以上とすると粘
度が高過ぎるため、製造工程での作業性が低下する場合
がある。
【0026】エチレン性二重結合若しくは三重結合を有
する本発明のポリアミン重合体は、及び、前記一般式
(I)で表される単量体を有する重合体の高分子反応に
よって得られる本発明のポリアミン重合体の例を、下記
に示す。本発明は、勿論これらに限定されるものではな
い。
【0027】
【化4】
【0028】又、インクジェット記録シ−トとしての性
能を悪化させない範囲で、必要に応じて公知の4級アン
モニウム塩又は3級アミンを有する重合体(いわゆる媒
染剤)や低分子化合物を、1種あるいは2種以上併用し
てもよい。上記媒染剤は、ポリマー媒染剤と非ポリマー
媒染剤とに大別することができる。これら化合物は特に
水不溶性である必要はなく、多くの場合,一般的な水溶
性の媒染剤を併用しても構わない。
【0029】好ましいポリマー媒染剤としては、ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリ
ロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルア
ンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリ
ルアミン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリ
アミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホ
ルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルア
ンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン
等を挙げることができる。これらの化合物は、分子量は
1000〜500000程度が好ましく、2000〜4
00000がさらに好ましい。分子量が1000未満で
は耐水性が不十分となる傾向があり、500000以上
では粘度が高くなり、ハンドリング適性が不良となる。
一方、非ポリマ−性の媒染剤としては、炭素原子数の総
和が12以上、好ましくは18以上の第4級アンモニウ
ム塩基を有する化合物を挙げることができる。
【0030】上記のような化合物は、例えばハロゲン化
メチルスチレン類と3級アミン化合物との反応によって
得られる4級アンモニウム塩化合物を、常法に従って有
機溶媒等の媒体中で重合させることによって得られる。
または、予めハロゲン化メチルスチレン類を重合させ、
得られた重合体に3級アミン化合物を反応させることに
よっても合成することができる。
【0031】具体的にハロゲン化メチルスチレン類とし
ては、クロロメチルスチレン(p体、m体、o体、並び
にこれらの任意の混合物)、ブロモメチルスチレン(p
体、m体、o体、並びにこれらの任意の混合物)、クロ
ロメチル−αメチルスチレン(p体、m体、o体、並び
にこれらの任意の混合物)等が挙げられる。
【0032】また、この場合に用いる3級アミン化合物
としては、炭素数の合計が15以上の整数であることが
重要である。さらには、炭素数の合計が18以上である
ことが好ましい。炭素数の合計が15未満であると、経
時ニジミの改善効果が不十分になる。
【0033】上記3級アミン化合物の具体例としては、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチ
ルアミン、トリイソオクチルアミン、トリフェニルアミ
ン、N−メチル−N−ジオクチルアミン、トリイソデシ
ルアミン、ジメチルオクタデシルアミン、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−N−ジオクチルアミン、N−(2−
メトキシエチル)−N−ジオクチルアミン、ジブチルベ
ンジルアミン等が挙げられる。
【0034】上記ハロゲン化メチルスチレン類と上記3
級アミン化合物の反応物としては、トリペンチル−p−
ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリペンチル
−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリヘ
キシル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
トリヘキシル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロラ
イド、トリヘキシル−p−ビニルベンジルアンモニウム
ブロマイド、トリヘキシル−m−ビニルベンジルアンモ
ニウムブロマイド、トリオクチル−p−ビニルベンジル
アンモニウムクロライド、トリオクチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムクロライド、トリイソオクチル−p
−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリイソオ
クチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N−メチル−N−ジオクチル−N−(p−ビニルベンジ
ル)アンモニウムクロライド、N−メチル−N−ジオク
チル−N−(m−ビニルベンジル)アンモニウムクロラ
イド等の単位が挙げられる。これらの式(1)で示され
る繰り返し単位は、単独で(ホモポリマ−として)用い
てもよく、2種以上の共重合体で(コポリマーとして)
用いてもよい。また、2種以上の重合体の混合物として
用いてもよい。
【0035】(色材受容層)本発明のインクジェット記
録用シートは、支持体上に、本発明に係るエチレン性二
重結合若しくは三重結合を有するポリアミン重合体を単
独で用いることもできるが、さらに無機顔料微粒子や水
溶性樹脂とを含む色材受容層を形成して用いることも好
ましい。本発明のインクジェット記録用シートのもう一
つの形態は、支持体上に、無機顔料微粒子と水溶性樹脂
と、少なくとも前記一般式(I)で表される単量体を有
する重合体の高分子反応によって得られるポリアミン重
合体とを、含む色材受容層を有することを特徴とする。
この場合、本発明に係るポリアミン重合体、又はこれと
公知の媒染剤との含有量としては、該色材受容層の全固
形分に対して0.5〜25.0質量%が好ましく、1.
0〜20.0質量%がより好ましい。上記含有量が0.
5質量%未満であると、十分な耐水性、経時ニジミの防
止効果が得られない場合がある。又、上記含有量が2
5.0質量%を超えると、インク吸収性の悪化を引き起
こす恐れがある。
【0036】(無機顔料微粒子)無機顔料微粒子として
は、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化
チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、
カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイ
ト、擬ベーマイト等を挙げることができる。中でも、シ
リカ微粒子と擬ベーマイトが特に好ましい。上記シリカ
微粒子は、比表面積が特に大きいので、インクの吸収
性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切
な粒子径まで分散をおこなえば色材受容層に透明性を付
与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特
徴がある。色材受容層が透明であることは、OHP等透
明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の
記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な
発色性を得る観点で重要である。
【0037】上記無機顔料微粒子の平均一次粒子径とし
ては、20nm以下が好ましく、10nm以下がさらに
好ましく、3〜10nmが特に好ましい。
【0038】上記シリカ微粒子は、その表面にシラノー
ル基を有し、該シラノール基による水素結合によって粒
子同士が付着しやすいため、上記のように平均一次粒子
径が10nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成す
ることができる。これにより、インク吸収特性を効果的
に向上させることができる。
【0039】また、シリカ微粒子は、その製造法によっ
て湿式法粒子と乾式法粒子とに大別される。上記湿式法
では、ケイ酸塩の酸分解によって活性シリカを生成し、
これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る
方法が主流である。一方、乾式法は、ハロゲン化珪素の
高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)や、ケ
イ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元
気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によっ
て無水シリカを得る方法が主流である。
【0040】これらの方法で得られる含水シリカ及び無
水シリカは、表面のシラノール基の密度、空孔の有無等
に相違があるため、それぞれ異なった性質を示す。特
に、無水シリカ(無水珪酸)は、空隙率が高い三次元構
造を形成しやすいため好ましい。この理由は明らかでは
ないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシ
ラノール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微
粒子が密に凝集(アグリゲート)しやすい。一方、無水
シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の
密度が2〜3個/nm2と少ないため、疎な軟凝集(フ
ロキュレート)となる。その結果、空隙率が高い構造に
なるものと推定される。従って、本発明においては、微
粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm
2であるシリカ(シリカ微粒子)を用いることが好まし
い。
【0041】本発明で好適に用いられる擬ベーマイト
は、ベーマイト(組成式AlOOH)結晶のコロイド状
凝集体であり、好ましくはバインダーを含有する。該ベ
ーマイトの細孔特性としては、その平均細孔半径がが1
0〜100Åであることがこのましく、その細孔容積が
0.5〜1.0cc/gの範囲にあることが好ましい。
擬ベーマイトの塗工量としては、5〜30g/m2の範
囲にあることが好ましい。この塗工量が5g/m2未満
の場合は、インクの吸収性能が低下する、或は基材の凹
凸の影響を受けて光沢が悪くなる恐れがあるので好まし
くない。一方、塗工量が30g/m2を越える場合は、
徒に擬ベーマイトの消費量を増やすだけで、擬ベーマイ
トの強度を低下させる恐れがあり好ましくない。
【0042】(水溶性樹脂)上記水溶性樹脂としては、
例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する
樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロ
ース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシ
エチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロ
ース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプ
ン;エーテル結合を有する樹脂であるポリエチレンオキ
サイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PP
O)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニル
エーテル(PVE);アミド基又はアミド結合を有する
樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニ
ルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性
基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、
マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類を挙げるこ
とができる。上記の中でも、特にポリビニルアルコール
類が好ましい。
【0043】上記水溶性樹脂の含有量としては、色材受
容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好まし
く、16〜33質量%がさらに好ましい。上記含有量
が、9質量%未満であると、膜強度が低下し、乾燥時に
ひび割れを生じやすくなることがあり、40質量%を超
えると、空隙が樹脂によって塞がれやすくなる結果、空
隙率が減少してインク吸収性が低下することがある。
【0044】色材受容層を主として構成する、上記無機
顔料微粒子と上記水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材で
もよいし、複数の素材の混合系であってもよい。
【0045】また、透明性の観点から、シリカ微粒子に
組合わせる樹脂の種類が重要となる。上記無水シリカを
用いる場合には、水溶性樹脂としては、ポリビニルアル
コール(PVA)が好ましく、中でも、鹸化度70〜9
9%のPVAがさらに好ましく、鹸化度70〜90%の
PVAが特に好ましい。
【0046】上記PVAは、その構造単位に水酸基を有
するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基
とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖
単位とする三次元網目構造を形成しやすくする。上記三
次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造
の色材受容層を形成しうると考えられる。インクジェッ
ト記録において、上述のようにして得た多孔質の色材受
容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、イ
ンクニジミのない真円性の良好なドットを形成すること
ができる。
【0047】(無機顔料微粒子と水溶性樹脂との含有
比)無機顔料微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と
水溶性樹脂(y)との質量含有比(x/y)は、色材受
容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、質量含有
比が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質
量当り)が大きくなる。具体的には、上記含有比(x/
y)としては、1.5〜10が好ましい。上記含有比
(x/y)が10を超える、即ち、含有比が大きくなり
過ぎると、膜強度が低下し、乾燥時にひび割れを生じや
すくなることがあり、1.5未満、即ち含有比が小さす
ぎると、空隙が樹脂によって塞がれやすくなる結果、空
隙率が減少してインク吸収性が低下することがある。
【0048】インクジェットプリンタの搬送系を通過す
る場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、
色材受容層には十分な膜強度を有していることが必要で
ある。さらにシート状に裁断加工する場合、色材受容層
の割れ、剥がれ等を防止する上でも色材受容層には十分
な膜強度を有していることが必要である。この場合、上
記含有比(x/y)としては5以下が好ましく、インク
ジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観
点からは、2以上であることが好ましい。
【0049】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とを含有比(x/y)2
〜5で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗
布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒
子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔
径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容
積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上
の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0050】(架橋剤)本発明のインクジェット記録用
シートは、上記色材受容層に、さらに上記水溶性樹脂を
架橋しうる架橋剤を併用することも好ましい。
【0051】上記架橋剤溶液の付与は、多孔質性の色材
受容層を形成する塗布液(色材受容層用塗布液)が塗布
されるのと同時に、あるいは色材受容層用塗布液を塗布
して形成された塗布層が減率乾燥速度を示すようになる
前に、おこなわれることが好ましい。この操作によっ
て、塗布層が乾燥する間に発生するひび割れの発生を効
果的に防止することができる。即ち、上記塗布液が塗布
されたと同時に、あるいは塗布層が減率乾燥速度を示す
ようになる前に架橋剤溶液が塗布層内に浸透し、塗布層
内の水溶性樹脂と速やかに反応し、水溶性樹脂をゲル化
(硬化)させることによって、塗布層の膜強度を即時に
大幅に向上させる。
【0052】上記水溶性樹脂を架橋しうる架橋剤として
は、色材受容層に用いられる水溶性樹脂との関係で好適
な物を適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速
である点から、ホウ素化合物が好ましく、例えば、硼
砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、In
BO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)
2、Co3(BO3)2、二ホウ酸塩(例えば、Mg2
25、Co225)、メタホウ酸塩(例えば、LiB
2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四ホウ酸
塩(例えば、Na247・10H2O)、五ホウ酸塩
(例えば、KB58・4H 2O、Ca2611・7H
2O、CsB55)、グリオキザール、メラミン・ホル
ムアルデヒド(例えば、メチロールメラミン、アルキル
化メチロールメラミン)、メチロール尿素、レゾール樹
脂、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂等を挙げること
ができる。中でも、速やかに架橋反応を起こす点で、硼
砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特に水溶性樹脂とし
てポリビニルアルコールと組合わせて使用することがさ
らに好ましい。
【0053】上記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場
合には、ゼラチンの硬膜剤として知られている、以下の
化合物を架橋剤として用いることができる。例えば、ホ
ルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒ
ド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタ
ンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル
尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,
5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジ
ン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルス
ルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノー
ル、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタ
ミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ
−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル
尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロ
ール化合物;
【0054】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
である。なお、上記架橋剤は、一種単独でも、2種以上
を組合わせてもよい。
【0055】上記架橋剤溶液は、架橋剤を水及び/又は
有機溶媒に溶解して調製される。架橋剤溶液中の架橋剤
の濃度としては、架橋剤溶液の質量に対して、0.05
〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に好ま
しい。架橋剤溶液を構成する溶媒としては、一般に水が
使用され、該水と混和性の有機溶媒を含む水系混合溶媒
であってもよい。上記有機溶媒としては、架橋剤が溶解
するものであれば任意に使用することができ、例えば、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、グ
リセリン等のアルコール;アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;
トルエン等の芳香族溶剤;テトラヒドロフラン等のエー
テル、及びジクロロメタン等のハロゲン化炭素系溶剤等
を挙げることができる。
【0056】(その他の添加剤)本発明のインクジェッ
ト記録用シートにはその他の必要に応じて、さらに下記
の成分等を含んでもよい。色材の劣化を抑制する目的
で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエ
ンチャー等を含んでいてもよい。上記紫外線吸収剤とし
ては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾト
リアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、
α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリア
ゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロ
ロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−
t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,
4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒン
ダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用で
き、具体的には少なくとも2位又は6位のうち1ヵ所以
上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好
ましい。
【0057】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−1053
7号公報、同58−111942号公報、同58−21
2844号公報、同59−19945号公報、同59−
46646号公報、同59−109055号公報、同6
3−53544号公報、特公昭36−10466号公
報、同42−26187号公報、同48−30492号
公報、同48−31255号公報、同48−41572
号公報、同48−54965号公報、同50−1072
6号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同
3,707,375号明細書、同3,754,919号
明細書、同4,220,711号明細書等に記載されて
いる。
【0058】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号公報、同54−53
24号公報等に記載されている。
【0059】上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0060】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号明細書、同第4980275号明細書等に記載
のものが挙げられる。
【0061】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0062】上記耐光性向上剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この耐光性向上剤は、水溶性化、分
散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に
含ませることもできる。上記耐光性向上剤の添加量とし
ては、色材受容層用塗布液の0.01〜10質量%が好
ましい。
【0063】また、無機顔料微粒子の分散性を高める目
的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等
を含んでいてもよい。さらに、塗布適性や表面品質を高
める目的で各種の界面活性剤を、表面の摩擦帯電や剥離
帯電を抑制する目的で、イオン導電性を持つ界面活性剤
や電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特
性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよ
い。
【0064】(支持体)支持体として使用できる材料と
しては、プラスチック等の透明材料を用いてもよいし、
紙等の不透明な材料を用いてもよい。本発明では、色材
受容層の透明性を生かす上で、支持体は透明支持体又は
高光沢の不透明支持体であることが好ましい。
【0065】上記透明支持体として使用できる材料とし
ては、透明でOHPあるいはバックライトディスプレイ
で使用される時の輻射熱に耐える性質を有する材料が好
ましい。このような材料としては、ポリエチレンテレフ
タレート等のポリエステル類、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、又はセルロースアセテートブチレー
ト等のセルロースエステル類、そしてポリスルホン、ポ
リフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、ポリアミド等を挙げることができる。これらの中で
ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンフタレー
トが好ましい。上記透明支持体の厚さについては、特に
制限はないが、50〜200μmのものが取り扱いやす
いため好ましい。
【0066】上記高光沢の不透明支持体としては、色材
受容層が設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有
するものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−81
42(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載
の方法に従って測定することによって求められる値であ
る。高光沢の不透明支持体の例としては、アート紙、コ
ート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用
されるバライタ紙等の高光沢の紙、ポリエチレンテレフ
タレー卜(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロ
ース、セルロースアセテート及びセルロースアセテート
ブチレート等のセルロースエステル類、あるいはポリス
ルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリ
カーボネート、又はポリアミド等のプラスチックフィル
ムに白色顔料等を含有させて不透明にした高光沢の(表
面カレンダー処理等をおこなってもよい)フイルム、あ
るいは上記各種紙、上記透明プラスチックフィルム又は
白色顔料等含有プラスチックフィルムの表面に、白色顔
料を含有するか、若しくは含有しないポリオレフィンの
被覆層が設けられた支持体を挙げることができる。さら
に、白色顔料含有発泡ポリエステルフイルム(例、ポリ
オレフィン微粒子を含有させ、延伸によって空隙を形成
した発泡PET)も挙げることができる。
【0067】また、銀塩写真用支持体として一般的に使
用されているポリオレフィンコート紙(表面に白色顔料
含有ポリオレフィン層が設けられた紙支持体等)、ある
いは金属蒸着層等が設けられた特殊紙等を、好適に使用
することができる。特に白色顔料含有ポリオレフィン層
が設けられた銀塩写真用紙支持体、白色顔料含有ポリオ
レフィン層が設けられたポリエステル(好ましくはPE
T)フィルム、白色顔料含有ポリエステルフィルムある
いは白色顔料含有発泡ポリエステルフィルムが好まし
い。上記不透明支持体の厚さは、特に制限はないが、5
0〜300μmのものが取り扱いやすく好ましい。さら
に、支持体としては、色材受容層との密着性を付与する
ため、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫
外線照射処理を施したものを使用してもよい。
【0068】<インクジェット記録用シートの作製方法
>インクジェット記録用シートの作製方法としては、支
持体上に本発明に係る重合体を含む水分散液、有機溶媒
溶液、あるいは水と有機溶媒の混合溶液等の形態で調液
した塗布液を塗布する方法が挙げられるが、これに限定
されるものでない。ただし、得られる塗布膜の光沢性等
の観点から、本発明に係る重合体は、溶解した溶液とし
て塗布することが特に好ましい。
【0069】(有機溶媒)上記塗布に用いることが可能
な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール
等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸
エチル、トルエン等が挙げられる。
【0070】(色材受容層の形成方法)つぎに、本発明
のもう一つの形態である、色材受容層に無機顔料微粒子
と水溶性樹脂と本発明に係る重合体とを含むインクジェ
ット記録用シートの作製について説明する。まず、色材
受容層の形成方法としては、例えば無機顔料微粒子と水
溶性樹脂との水性分散液(水以外に適宜有機溶媒を併用
してもよい。以下、「第1の塗布液」という場合があ
る。)を調液、塗布等し、該塗布等によって形成された
塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示
すようになる前に、本発明に係る重合体を含む水分散
液、有機溶媒溶液、あるいは水と有機溶媒との混合溶液
などの形態で調液した塗布液(以下、「第2の塗布液」
という場合がある。)を付与する方法が挙げられる。あ
るいは、第1の塗布液を調液し、塗布、乾燥させて塗膜
を形成させた後に第2の塗布液を塗布する方法も利用で
きる。
【0071】本発明において、無機顔料微粒子と水溶性
樹脂とを少なくとも含んでなる色材受容層用の上記第1
の塗布液は、例えば、以下のようにして調製できる。即
ち、平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中
に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿
式コロイドミル(例えば、クレアミックス(エム・テク
ニック(株)製))を用いて、例えば10000rpm
(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転
の条件で20分間(好ましくは10〜30分間)分散さ
せた後、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカ
の1/3程度の質量のPVAとなるように)を加え、さ
らに上記と同じ回転条件で分散をおこなうことによって
調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであ
り、これを下記塗布方法で支持体上に塗布形成すること
によって、三次元網目構造を有する多孔質性の色材受容
層を形成することができる。上記第1の塗布液には、必
要に応じて、さらに界面活性剤、pH調整剤、帯電防止
剤等を添加することもできる。
【0072】上記第1の塗布液を付与する方法として
は、(1)支持体上等に塗布する方法、(2)第1の塗
布液をスプレー等の方法によって噴霧する方法、(3)
第1の塗布液の液中に、支持体等を浸漬する方法等が挙
げられる。上記第1の塗布液の塗布は、例えば、エクス
トルージョンダイコータ、エアードクターコータ、ブレ
ッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、スクイズコ
ータ、リバースロールコータ、バーコータ等の公知の塗
布方法によっておこなうことができる。
【0073】上述の「塗布層が減率乾燥速度を示すよう
になる前」とは、通常、第1の塗布液を塗布した直後か
ら数分間を指し、この間においては、塗布された塗布層
中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象である
恒率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す時間につい
ては、化学工学便覧(p.707〜712、丸善(株)
発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0074】上述の通り、上記第1の塗布液の塗布後、
減率乾燥速度を示すようになるまでその塗布層は乾燥さ
れるが、該乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10
分間(好ましくは、0.5〜5分間)おこなわれる。こ
の乾燥時間としては、当然塗布量によって異なるが、上
記の範囲が適当である。
【0075】上記塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に、本発明に係る重合体を含む水分散液、有機溶媒
溶液、あるいは水と有機溶媒の混合溶液などの形態で調
液した塗布液(第2の塗布液)を付与する方法として
は、(1)第2の塗布液を塗布層上にさらに塗布する方
法、(2)第2の塗布液をスプレー等の方法によって噴
霧する方法、(3)第2の塗布液の液中に、該塗布層が
形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0076】上記方法(1)において、第2の塗布液を
塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコ
ータ、エクストルージョンダイコータ、エアードクター
コーター、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコー
タ、スクイズコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ等の公知の塗布方法を利用することができる。しか
し、エクストリュージョンダイコータ、カーテンフロー
コータ、バーコータ等のように、既に形成されている塗
布層にコータが直接接触しない方法を利用することが好
ましい。また、これらの塗布は、2種以上の塗布液を同
時に重層塗布してもよい。
【0077】上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エ
クストルージョンダイコータ、カーテンフローコータを
用いた塗布方法によっておこなうことができる。該同時
塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合
の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜1
0分間加熱することによっておこなわれ、好ましくは、
40〜100℃で0.5〜5分間加熱することによって
おこなわれる。例えば、架橋剤溶液に含有する架橋剤と
して硼砂やホウ酸を使用する場合は、60〜100℃で
5〜20分間加熱することが好ましい。
【0078】また少なくとも上記式(1)で示される単
位を有する、実質的に水不溶性かつ有機溶媒可溶性であ
る重合体(本発明に係る重合体)と、無機顔料微粒子と
を予め混合した後に、さらに水溶性樹脂を混合した塗布
液(水性の分散液、又は有機溶媒をさらに含んでいても
よい。以下、「第3の塗布液」という場合がある。)を
塗布することもできる。上記第3の塗布液を調製する方
法としては、本発明に係る重合体を、溶解可能な溶媒中
で無機顔料微粒子と公知の方法で混合分散し、得られた
溶液に水溶性樹脂又は水溶性樹脂水溶液を混合して得る
方法等を利用できる。第3の塗布液を付与する方法とし
ては、(1)第3の塗布液を支持体上に塗布する方法、
(2)第3の塗布液をスプレー等の方法によって噴霧す
る方法、(3)第3の塗布液の液中に、支持体を浸漬す
る方法等が挙げられる。また、第3の塗布液としては、
本発明に係る重合体と無機微粒子とを混合して得られた
分散液を、さらに水又は水性媒体(適当な分散剤を有し
ていてもよい)中に分散させて、必要に応じて有機溶媒
を除去して得られる塗布液に水溶性樹脂又は水溶性樹脂
水性溶液を混合して得られる塗布液や、水溶性樹脂水性
溶液中に本発明に係る重合体と無機顔料微粒子とを再分
散させて、必要に応じて有機溶媒を除去して得られる塗
布液等を用いることができる。
【0079】さらに、上述の第1、第2、及び第3の塗
布液のいずれかに架橋剤を添加して、該架橋剤を支持体
上等に塗布等することもできる。該架橋剤は、上記第
1、第2、及び第3の塗布液のうち2以上の塗布液に添
加されていてもよい。また、上述の第1、第2、及び第
3の塗布液とは別に、架橋剤を含む塗布液を調製し、塗
布工程のいずれかの段階で塗布等することもできる。
【0080】また、上述の塗布における各工程では、溶
媒として水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いる
ことができる。この塗布に用いることができる有機溶媒
としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、トルエン等が挙げられる。
【0081】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことによって、表面平滑性、光沢度、
透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。し
かしながら、上記カレンダー処理は、空隙率を低下させ
る要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低
下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を
設定しておこなう必要がある。
【0082】カレンダー処理をおこなう場合のロール温
度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100
℃がさらに好ましい。また、カレンダー処理時のロール
間の線圧としては、50〜400kg/cmが好まし
く、100〜200kg/cmがさらに好ましい。
【0083】上記色材受容層の層厚は、インクジェット
記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量を
もつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する
必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空
隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の
膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット
記録の場合には、色材受容層の層厚としては、10〜5
0μmが好ましい。
【0084】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがさらに好ましい。上記空隙率及び細孔
メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイ
ザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて
測定することができる。
【0085】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
さらに好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(H
GM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定するこ
とができる。
【0086】支持体上には、色材受容層と支持体との間
の接着性を高めたり、電気抵抗を調整する等の目的で、
下塗層を設けてもよい。なお、色材受容層は、支持体の
片面のみに設けてもよいし、カール等の変形を抑制する
等の目的で、支持体の両面に設けてもよい。OHP等で
用いる場合であって、色材受容層を支持体の片面のみに
設ける場合は、その反対側の表面、あるいはその両面
に、光透過性を高める目的で反射防止膜を設けることも
できる。
【0087】また、色材受容層が形成される側の支持体
の表面にホウ酸又はホウ素化合物が塗工され、該表面に
色材受容層を形成することによって、色材受容層の光沢
性、表面平滑性を確保し、かつ高温高湿環境下におけ
る、印画後の画像の経時ニジミを抑制することができ
る。しかも、色材受容層が無機顔料微粒子を含んで空隙
率50〜80%の三次元網目構造からなり、良好なイン
ク吸収性を示し高解像度で高濃度な画像が形成できると
共に、その形成画像が高い耐光性、耐水性を有するとい
った、優れたインク受容性能を確保することができる。
【0088】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。尚、本実施例中の「部」及び「%」は、全て
「質量部」及び「質量%」を表す。
【0089】[合成例1]ポリアリルアミン(分子量;
約5,000)の20%水溶液57.0部に、クロロメ
チルスチレン4.6部を加え、50℃で3時間加熱撹拌
した後、水を添加して濃度を調整することで、ポリアミ
ン重合体(1)の10%水溶液を得た。
【0090】[合成例2〜5]上記合成例1において、
クロロメチルスチレン4.6部を下記の表1に示す化合
物と部数に変更し、反応条件を表1に示す条件に変更し
た以外は、合成例1と同様に反応させ、水で濃度調製を
することで、ポリアミン重合体(2)〜(5)の10%水溶
液を得た。
【0091】
【表1】
【0092】[合成例6]ポリアリルアミン(分子量;
約5,000)の20%水溶液57.0部に、ソルビン
酸2.2部を加え、室温で5時間撹拌した後、水を添加
して濃度を調整することで、ポリアミン重合体(6)の1
0%水溶液を得た。
【0093】[合成例7]合成例1のポリアリルアミン
(分子量;約5,000)の20%水溶液57.0部
を、ポリアリルアミン(分子量;約10,000)の1
0%水溶液114.0部に変更した以外は、合成例1と
同様に反応させ、水で濃度調製をすることで、ポリアミ
ン重合体(7)の10%水溶液を得た。
【0094】[実施例1] (支持体の作製)LBKP100部からなる木材パルプ
を、ダブルディスクリファイナーによってカナディアン
フリーネス300mlまで叩解し、エポキシ化ベヘン酸
アミド05部、アニオンポリアクリルアミド1.0部、
ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.1部、カ
チオンポリアクリルアミド0.5部を、いずれもパルプ
に対する絶乾質量比で添加し、長網抄紙機によって坪量
170g/m2の原紙を抄造した。
【0095】上記原子の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増泊剤(Whit
ex BB、住友化学工業(株)製)を、0.04%添
加し、絶乾質量換算で0.5g/m2となるように上記
原子に含浸させ、乾燥した後、キャレンダー処理を施し
て密度1.05に調整された基体を得た。
【0096】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理をおこなった後、溶融押し出し機を用いて
高密度ポリエチレンを、厚さ19μmとなるようにコー
ティングし、マット面からなる樹脂層を形成した(以
下、樹脂層面を「裏面」という場合がある)。この裏面
側の樹脂層にコロナ放電処理を施した後、帯電防止剤と
して、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化
学工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、
日産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水
に分散させた分散液を、乾燥後の質量が0.2g/m2
となるように塗布した。
【0097】また、原紙のフェルト面(表面)側にコロ
ナ放電処理を施した後、アナターゼ型二酸化チタン10
質量%、微量の群青、及び蛍光増白剤0.01質量%
(対ポリエチレン)を含有したMFR(メルトフローレ
ート)が3.8の低密度ポリエチレンを、溶融押し出し
機を用いて、厚さ29μmとなるように溶融押し出し
し、光沢面からなる熱可塑性樹脂層を上記基紙上に形成
して(以下、この面を「表面」と呼ぶ場合がある。)、
これを支持体とした。
【0098】(色材受容層塗布液の調製)下記組成中の
(1)及び(2)を混合し、高速回転式コロイドミル
(クレアミックス、エム・テクニック(株)製)を用い
て、10000rpmの条件で20分間分散させた後、
下記(3)ポリビニルアルコール9%水溶液を加え、さ
らに上記と同一の条件で分散をおこない、色材受容層塗
布液を調製した。シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比
(PB比)は、3.5:1であった。
【0099】 (色材受容層塗布液の組成) (1)シリカ微粒子(無機顔料微粒子)アエロジル300 9.9部 (日本アエロジル(株)製、平均一次粒子径:7nm) (2)イオン交換水 73.1部 (3)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)PVA420の 9%水溶液 31.6部 ((株)クラレ製、鹸化度:81.8%、重合度:2000)
【0100】(本発明のインクジェット記録用シートの
作製)つぎに、上記から得られた色材受容層塗布液を、
上記支持体にエクストルージョンダイコーターを用いて
200ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風
乾燥機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の
固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、
この期間恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の
塗布液(ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液)に30
秒間浸漬して、上記塗布層上に20g/m2を付着させ
(ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液を付与する工
程)、その後、さらに80℃下で10分間乾燥させた
(乾燥工程)。これにより、乾燥膜厚32μmの色材受
容層を支持体上に形成し、本発明のインクジェット記録
用シートを作製した。
【0101】 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例1に示したポリアミン重合体(1)10%水溶液 7.1部
【0102】(評価方法) (1−1)インク吸収速度 インクジェットプリンタ(PM800C、セイコーエプ
ソン(株)製)を用いて、インクジェット記録用シート
に、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K
(黒)、B(青)、G(緑)及びR(赤)のベタ画像を
印字をし、その直後(約10秒後)、該画像上に紙を接
触押圧し、インクの紙への転写の有無を下記の基準に従
って評価した。 〔基準〕 AA:紙上へのインクの転写は全く認められなかった。
インク吸収速度が良好な事を示す。 CC:紙上へのインクの一部転写が認められた。
【0103】(1−2)ひび割れの発生 インクジェット記録用シートの表面に発生したひび割れ
の有無、及びその大きさを目視で観察し、下記の基準に
従って評価した。 〔基準〕 AA:表面にひび割れは全く認められなかった。 BB:1〜2mmの長さのひび割れが認められた。 CC:3mm以上の長さのひび割れが認められた。
【0104】(1−3)耐水性 上記(1−1)と同じプリンタを用いて、インクジェッ
ト記録用シート上に同じ印画パターンを形成させ、3時
間放置した後、水中に一分間浸して、インクの水中への
流出程度を目視で観察し、下記の基準に従って評価し
た。 〔基準〕 AA:染料の流出が全く認められなかった。 BB:染料の流出した部分が認められ、色濃度が低下し
た。 CC:染料がほぼ完全に水中に流出してしまった。
【0105】(1−4)経時ニジミ 上記(1−1)と同じプリンタ及びインクを用いて、イ
ンクジェット記録用シート上にマゼンタインクとブラッ
クインクとを隣り合わせにした格子状の線状パターン
(線幅0.28mm)を印画し、Xライト310TR
(Xライト社製)によってビジュアル濃度を測定した。
印画後3時間放置した後、40℃で相対湿度90%の恒
温恒湿槽に1日間保管した後、再度ビジュアル濃度を測
定し、それらの濃度差(ΔOD)によって、経時ニジミ
を評価した。この濃度差(ΔOD)の数値が小さいほ
ど、経時ニジミの発生は抑制されている。
【0106】(1−1)耐光性 上記(1−1)と同じプリンタ及びインクを用いて、イ
ンクジェット記録用シート上にY(黄)、M(マゼン
タ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G(緑)及
びR(赤)のベタ画像を印画し、各色濃度をXライト3
10TR(Xライト社製)で測定した。その後、印画し
た画像に対して、365nm以下の波長領域の紫外線を
カットするフイルムを通して、Xenon weath
er−omcter Ci65A(ATLAS社製)を
用いて、25℃で相対湿度32%の環境条件下で3.8
時間ランプを点灯し、その後ランプを消した状態で20
℃で相対湿度91%の環境条件下に1時間放置するサイ
クルを7日間行なう。再度、画像の各色濃度をXライト
310TR(Xライト社製)で測定し、各色の褪色を残
存率(試験前後での濃度変化率)で評価した。
【0107】(1−5)耐ガス性試験 上記(1−1)と同じプリンタ及びインクを用いて、イ
ンクジェット記録用シート上にY(黄)、M(マゼン
タ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G(緑)及
びR(赤)のベタ画像を印画し、各色濃度をXライト3
10TR(Xライト社製)で測定した。その後、印画サ
ンプルをオゾン濃度3ppmの雰囲気下で8時間経時さ
せた後、再度濃度を測定して、その濃度の残存率によっ
て評価した。この残存率が高いほど耐ガス性に優れてい
る。
【0108】[実施例2]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例2に示したポリアミン重合体(2)の10%水溶液 30.0部
【0109】[実施例3]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例3に示したポリアミン重合体(3)の10%水溶液 30.0部
【0110】[実施例4]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例4に示したポリアミン重合体(4)の10%水溶液 30.0部
【0111】[実施例5]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例5に示したポリアミン重合体(5)の10%水溶液 30.0部
【0112】[実施例6]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例6に示したポリアミン重合体(6)の10%水溶液 30.0部
【0113】[実施例7]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外
は、実施例1と同様にして塗布した。 <ポリアミン重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)合成例7に示したポリアミン重合体(7)の10%水溶液 30.0部
【0114】[比較例1]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外は、実施例1
と同様にして塗布した。 <重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 85.8部 (4)ポリアリルアミン(分子量5,000)の10%水溶液 30.0部
【0115】[比較例2]実施例1において、ポリアミ
ン重合体及び架橋剤含有溶液を、下記方法で調製された
重合体及び架橋剤含有溶液に変更した以外は、実施例1
と同様にして塗布した。 <重合体及び架橋剤含有溶液の組成> (1)硼酸(架橋剤) 1.8部 (2)界面活性剤F144Dの10%水溶液 2.4部 (大日本インキ化学工業(株)製) (3)イオン交換水 112.8部 (4)ジメチルアリルアミンの10%水溶液 3.0部
【0116】これらを評価した結果を、下記表2に示
す。なお、耐光性試験では、M(マゼンタ)以外のY
(黄)、C(シアン)、K(黒)の褪色は殆ど生じない
ので、マゼンタのみの残存率を示した。又、耐ガス試験
においては、C(シアン)の褪色が最も激しいので、シ
アンの残存率のみを示した。
【0117】
【表2】
【0118】表2から、本発明に係るポリアミンポリア
ミン重合体を用いた場合には、インク吸収速性、記録シ
ート表面のひび割れ、耐水性等の基本性能は保持したま
まで、経時ニジミや耐光性、耐ガス性を同時に満足する
水準まで向上することができることが判明した。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、ひび割れ等の発生がな
く、強固で、良好なインク吸収性を有し、高解像度で高
濃度な画像を形成でき、画像部の耐光性、耐水性、耐ガ
ス性に優れ、かつ高温高湿度環境下に長時間保存された
場合でも、経時ニジミを生ずることのないインクジェッ
ト記録用シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 瑞木 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA01 BA15 BA21 BA33 BA35 BA38 BA46

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性二重結合若しくは三重結合を
    有するポリアミン重合体を、少なくとも含むことを特徴
    とするインクジェット記録用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の重合体が、下記一般式
    (I)で表される単量体を有する重合体の高分子反応に
    よって得られるポリアミン重合体であるインクジェット
    記録用シート。 【化1】 〔式(I)中のnは、0又は1である。〕
  3. 【請求項3】 支持体上に色材受容層を有するインクジ
    ェット記録用シートであって、該色材受容層が、無機顔
    料微粒子と水溶性樹脂と少なくとも請求項1又は2に記
    載のポリアミン重合体とを、含むインクジェット記録用
    シート。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の色材受容層は、更に水
    溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むインクジェット記録
    用シート。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の架橋剤が、ホウ素化合
    物であるインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の無機顔料微粒子が、平
    均一次粒子径が20nm以下のシリカ微粒子、或は平均
    細孔半径が10〜100Åの擬べーマイトであるインク
    ジェット記録用シート。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の水溶性樹脂が、ポリビ
    ニルアルコール又はその誘導体であるインクジェット記
    録用シート。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載の色材受容層が、空隙率
    が50〜80%の3次元網目構造を有するインクジェッ
    ト記録用シート。
  9. 【請求項9】 請求項3に記載の無機顔料微粒子(x)
    と水溶性樹脂(y)との質量含有比(x/y)が、1.
    5〜10であるインクジェット記録用シート。
  10. 【請求項10】 請求項3〜9のいずれかに記載の色材
    受容層を形成する過程において、支持体上に無機顔料微
    粒子と水溶性樹脂とを含有する第1の塗布液を付与し、
    (1)該付与と同時、(2)該付与によって形成された
    塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示
    す前、及び(3)該塗布層を乾燥して塗膜を形成した
    後、の内少なくともいずれかの時点に、請求項1又は2
    に記載のポリアミン重合体を含む第2の塗布液を付与し
    て得られるインクジェット記録用シート。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の色材受容層の形成
    過程において、請求項4又は5に記載の架橋剤が、前記
    第1の塗布液又は前記第2の塗布液に予め添加されて付
    与されるインクジェット記録用シート。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の色材受容層の形成
    過程において、請求項4又は5に記載の架橋剤が、第3
    の塗布液に添加されて付与されるインクジェット記録用
    シート。
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