JP2002207361A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP2002207361A
JP2002207361A JP2001000932A JP2001000932A JP2002207361A JP 2002207361 A JP2002207361 A JP 2002207361A JP 2001000932 A JP2001000932 A JP 2001000932A JP 2001000932 A JP2001000932 A JP 2001000932A JP 2002207361 A JP2002207361 A JP 2002207361A
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elastic layer
carrier
toner carrier
image
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JP2001000932A
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English (en)
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Ryuji Inoue
龍次 井上
Yoshiko Yaoi
嘉子 矢追
Minoru Wada
実 和田
Ichiro Izumi
一郎 出水
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー担持体の表面に規制部材を圧接させて
現像領域に搬送されるトナーの量を規制する際に、トナ
ーが割れて微粉が発生したり、トナーがトナー担持体の
表面に付着するのを抑制し、形成される画像に濃度ムラ
が発生するのを防止すると共に、現像領域に搬送される
トナーが適切に規制されて帯電され、良好な画像が安定
して得られるようにする。 【解決手段】 トナーtを表面に保持して像担持体1と
対向する現像領域に搬送するトナー担持体11と、このト
ナー担持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるト
ナーの量を規制する規制部材14とを有する現像装置にお
いて、上記のトナー担持体として、導電性基体11a の表
面にゴム硬度が70度以下で、厚みが7〜50μmの範
囲になった弾性層11b を設けたものを用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機やプリン
ター等の画像形成装置において、像担持体に形成された
潜像を現像するのに使用する現像装置に係り、特に、ト
ナーをトナー担持体の表面に保持させて像担持体と対向
する現像領域に搬送する途中において、このトナー担持
体の表面に規制部材を圧接させて現像領域に搬送される
トナーの量を規制するようにした現像装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来より、複写機やプリンター等の画像
形成装置においては、像担持体に形成された潜像を現像
するのに様々な現像装置が使用されていた。
【0003】そして、このような現像装置としては、現
像剤にキャリアとトナーとを含む2成分現像方式の現像
装置の他に、キャリアを使用しない1成分現像方式の現
像装置が知られていた。
【0004】ここで、このような1成分現像方式の現像
装置においては、トナー担持体によって像担持体と対向
する現像領域に適当量のトナーが安定して搬送されるよ
うにするため、一般に、トナーをトナー担持体の表面に
保持させて像担持体と対向する現像領域に搬送する途中
において、このトナー担持体の表面にバネ弾性やゴム弾
性を持つ規制部材を圧接させ、この規制部材によりトナ
ー担持体の表面に保持されて現像領域に搬送されるトナ
ーの量を規制すると共に、このトナーを摩擦帯電させる
ようにしたものが知られていた。
【0005】また、上記のトナー担持体として、従来に
おいては、一般に金属製のローラや、この金属製のロー
ラの表面に弾性層を設けたものが使用されていた。
【0006】しかし、金属製のローラからなるトナー担
持体の表面に規制部材を圧接させて現像領域に搬送され
るトナーの量を規制するようにした場合、この規制部材
による圧接力によってトナーに多大な負荷が加わり、こ
れによってトナー担持体の表面におけるトナーが割れて
微粉が発生し、特に、高速で画像形成を行うために現像
速度を速くした場合には、トナーの割れが激しくなって
微粉が多く発生し、この微粉が次第に増加してトナー担
持体の表面等に融着し、形成される画像に濃度むら等が
発生するという問題があった。
【0007】また、上記のように金属製のローラの表面
に弾性層を設けた従来のトナー担持体においては、上記
のように規制部材の圧接によってトナーが割れるのを防
止するため、金属製のローラの表面に設ける弾性層の厚
みを厚くしていた。
【0008】しかし、このように金属製のローラの表面
に設ける弾性層を厚くした場合、トナー担持体の成形精
度が悪くなるという問題があり、特に、トナー担持体の
耐久性を高めると共に高速で現像を行うようにするた
め、現像領域において、トナー担持体を像担持体と所要
間隔を介して対向させ、トナー担持体を像担持体に接触
させないようにして現像を行うようにした場合には、ト
ナー担持体と像担持体との間隔が変動して安定した現像
が行えなくなり、形成される画像に濃度むらやリークに
よるノイズが発生する等の問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、トナーを
トナー担持体の表面に保持させて像担持体と対向する現
像領域に搬送する途中において、このトナー担持体の表
面に規制部材を圧接させて現像領域に搬送されるトナー
の量を規制するようにした現像装置における上記のよう
な様々な問題を解決することを課題とするものである。
【0010】すなわち、この発明においては、上記のよ
うな現像装置において、トナー担持体の表面に規制部材
を圧接させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制す
るにあたり、トナー担持体の表面に弾性層を設けて、規
制部材の圧接によりトナーが割れるのを抑制すると共
に、このように弾性層を設けた場合において、トナー担
持体の成形精度が悪くなるのを抑制し、特に、現像領域
において、トナー担持体を像担持体と所要間隔を介して
対向させ、トナー担持体を像担持体に接触させないよう
にして現像を行うようにした場合において、安定した現
像が行えて、良好な画像が長期にわたって安定して得ら
れるようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明における現像装
置においては、上記のような課題を解決するため、トナ
ーを表面に保持して像担持体と対向する現像領域に搬送
するトナー担持体と、このトナー担持体の表面に圧接さ
せて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する規制部
材とを有する現像装置において、上記のトナー担持体と
して、導電性基体の表面にゴム硬度が70度以下で、厚
みが7〜50μmの範囲になった弾性層を設けたものを
用いるようにしたのである。なお、上記のゴム硬度は、
JISK6301に従って測定した値である。
【0012】ここで、この発明における現像装置のよう
に、導電性基体の表面にゴム硬度が70度以下で、厚み
が7〜50μmの範囲になった弾性層を設けたトナー担
持体を用いると、トナー担持体の表面に規制部材を圧接
させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する場合
に、トナー担持体に形成された弾性層が適切に変形し
て、トナーに加わる負荷が低減され、トナーが割れて微
粉が発生するのが抑制されるようになる。
【0013】また、この発明における現像装置において
は、導電性基体の表面に設ける弾性層の厚みを50μm
以下にしているため、厚い弾性層を設ける場合のよう
に、トナー担持体の成形精度が低下するということがな
く、特に、現像領域において、トナー担持体を像担持体
と所要間隔を介して対向させ、トナー担持体を像担持体
に接触させないようにして現像を行う場合に、トナー担
持体と像担持体との間隔が変動するのが抑制されて、安
定した現像が行えるようになる。
【0014】また、この発明の現像装置において、トナ
ー担持体の表面に圧接させる規制部材の圧接力を30N
/m以下にしたり、平均円形度が0.940以上のトナ
ーを用いると、トナー担持体の表面に規制部材を圧接さ
せて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する際に、
トナーが割れて微粉が発生するのが一層抑制されるよう
になる。
【0015】ここで、トナーの平均円形度については、
フロー式粒子像解析装置(シスメック社製:FPIA−
2000)を用い、水分散系で粒子の投影像の周囲長
と、このトナー粒子の投影面積に等しい円の周囲長とを
求めて、下記の式によって円形度を算出し、これに基づ
いて平均円形度を求めた。
【0016】円形度=トナー粒子の投影面積に等しい円
の周囲長/トナー粒子の投影像の周囲長
【0017】また、この発明の現像装置において、上記
のように弾性層を設けたトナー担持体の表面における表
面粗さが小さいと、トナー担持体の表面に保持されて搬
送されるトナーの量が少なくなって、十分な画像濃度を
有する画像が得られなくなる一方、トナー担持体の表面
における表面粗さが大きいと、トナー担持体の表面に保
持されて搬送されるトナーの量が多くなって、トナーの
帯電が適切に行えなくなり、形成される画像にかぶりが
発生しやすくなるため、上記のように弾性層を設けたト
ナー担持体の表面における算術平均粗さRaを0.5〜
2.0μmの範囲にすることが好ましい。
【0018】さらに、この発明の現像装置において、ト
ナーとして負帯電性のトナーを用いるようにした場合に
おいて、上記のトナー担持体の表面の仕事関数を4.3
0〜5.00eVの範囲にすると、この負帯電性のトナ
ーがより適切に帯電されるようになる。
【0019】ここで、この発明における現像装置におい
て、トナー担持体の表面に設ける弾性層に用いる弾性材
料としては、例えば、ポリスチレン系、ポリオレフィン
系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル
系、ポリブタジエン系、ポリアミド系等の各種の熱可塑
性エラストマー等を使用することができ、また、天然ゴ
ム、シス−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンゴ
ム、シス−ポリブタジエン、クロロプレンゴム、ブチル
ゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、アク
リルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の各種の加
硫ゴム等を使用することもできる。特に、負帯電性のト
ナーを用いる場合には、トナーが適切に帯電されるよう
に、この弾性層に、ポリウレタン系エラストマー、ポリ
アミド系エラストマー、ニトリルゴム、ウレタンゴムを
用いることが好ましい。
【0020】さらに、トナー担持体の表面に設ける弾性
層に、導電性付与剤や、荷電性付与剤や、粗さを付与す
る材料等を添加させることも可能である。
【0021】ここで、導電性付与剤としては、例えば、
ケッチェンブラック,アセチレンブラック,ファーネス
ブラック等のカーボンブラックや、金属酸化物の微粒子
や、イオン性の導電剤等を単独又は複数組み合わせて用
いることができる。
【0022】また、荷電性付与剤としては、例えば、ニ
グロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、カリック
スアレン系染料、第4級アンモニウム塩化合物、イミダ
ゾール化合物等を単独又は複数組み合わせて使用するこ
とができる。
【0023】さらに、粗さを付与する材料としては、例
えば、各種の樹脂微粒子、金属酸化物粒子、シリカ、各
種のフィラー等を単独又は複数組み合わせて使用するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態に係る
現像装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。
【0025】この実施形態における現像装置において
は、図1に示すように、トナー担持体11として、ロー
ラ状になった金属製の導電性基体11aの外周に、ゴム
硬度が70度以下で、厚みが7〜50μmの範囲になっ
た弾性層11bが設けられたものを使用し、このトナー
担持体11を像担持体1と所要間隔dを介して対向する
ように装置本体10に設けている。
【0026】ここで、上記のようにトナー担持体11を
像担持体1と所要間隔dを介して対向するように設ける
にあたっては、図2に示すように、トナー担持体11に
おける上記の導電性基体11aの軸方向両端部の外周に
弾性層11bを設けないようにし、この導電性基体11
aの軸方向両端部の外周にスペーサ部材12を設け、こ
のスペーサ部材12を像担持体1の外周面に当接させ
て、トナー担持体11と像担持体1との間隔dを調整す
るようにしている。
【0027】そして、上記のトナー担持体11を回転さ
せると共に、装置本体10内に設けられたトナー送り部
材13を回転させて、このトナー送り部材13により装
置本体10内に収容されたトナーtを回転するトナー担
持体11の表面に供給するようにしている。
【0028】また、このようにトナー担持体11の表面
に供給されたトナーtをトナー担持体11により像担持
体1と対向する現像領域に搬送させる途中において、装
置本体10内に設けられた規制部材14をこのトナー担
持体11の表面に圧接させると共に、この規制部材14
に規制バイアス電源15からトナーtを帯電させる極性
の電圧を印加し、トナー担持体11によって現像領域に
搬送されるトナーtの量を規制すると共に、このトナー
担持体11の表面におけるトナーtを所定の極性に帯電
させるようにしている。
【0029】そして、このように搬送量が規制されて適
切に帯電されたトナーtを上記のように回転するトナー
担持体11によって像担持体1と対向する現像領域に搬
送させると共に、このトナー担持体11に対して現像バ
イアス電源16から直流電圧と交流電圧とが重畳された
現像バイアス電圧を印加し、トナー担持体11と像担持
体1との間に交番電界を作用させて、トナー担持体11
により搬送されてきたトナーtをトナー担持体11と像
担持体1との間で飛翔させ、像担持体1に形成された静
電潜像にトナーtを供給して現像を行うようにしてい
る。
【0030】ここで、この実施形態の現像装置において
は、上記のようにトナー担持体11における導電性基体
11aの外周に設ける弾性層11bの厚みを50μm以
下にしているため、弾性層11bの厚みにむら等が生じ
てトナー担持体11と像担持体1との間隔dが変動する
のが抑制され、トナー担持体11と像担持体1との間に
安定した電界が作用して、安定した現像が行えるように
なる。
【0031】また、この実施形態における現像装置にお
いては、上記のようにトナー担持体11に設ける弾性層
11bのゴム硬度を70度以下にすると共にその厚みを
7μm以上にしているため、上記のように規制部材14
をこのトナー担持体11の表面に圧接させて現像領域に
搬送されるトナーtの量を規制する場合に、この弾性層
11bによってトナーtに作用する負荷が軽減され、ト
ナーtが割れてトナーtの微粉が発生するのが少なくな
り、トナー担持体11の表面等にトナーtの微粉が融着
して形成される画像に濃度むら等が発生するのが抑制さ
れる。
【0032】なお、この実施形態における現像装置にお
いては、上記のように現像領域においてトナー担持体1
1が像担持体1と所要間隔dを介して対向するように
し、この現像領域にトナー担持体11によって搬送され
てきたトナーtをトナー担持体11と像担持体1との間
で飛翔させ、像担持体1に形成された静電潜像にトナー
tを供給して現像を行うようにしているが、図3に示す
ように、現像領域においてトナー担持体11を像担持体
1と接触するように設け、このトナー担持体11の表面
に保持されたトナーtを現像領域において像担持体1に
接触させて、像担持体1に形成された静電潜像を現像す
ることも可能である。
【0033】次に、上記の実施形態に示す現像装置にお
いて、トナー担持体11の表面に設ける弾性層11bの
種類等を変更させた実験を行い、この発明の条件を満た
す弾性層11bを設けたトナー担持体11を用いた実施
例の現像装置においては、トナーtの割れ等が減少し、
形成される画像に濃度むらやかぶりが発生するのが抑制
され、安定した画像形成が行えるようになることを明ら
かにする。
【0034】(実施例1)実施例1においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、ゴ
ム硬度が15度のスチレン系熱可塑性エラストマーを2
00重量部、荷電制御剤であるニグロシンを10重量
部、導電剤であるアセチレンブラックを15重量部の割
合にして混練した後、この混練物を1000重量部のト
ルエンに溶解させて弾性層用の塗液を調製した。
【0035】そして、この弾性層用の塗液中にローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aを浸漬さ
せ、この導電性基体11aを2.4mm/sの速度で引
き上げて、この導電性基体11aの外周面に弾性層用の
塗液を塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmにな
った弾性層11bを形成した。なお、この弾性層11b
のゴム硬度は18度であった。
【0036】(実施例2)実施例2においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、ゴ
ム硬度が15度のスチレン系熱可塑性エラストマーを1
00重量部、ゴム硬度が61度のスチレン系熱可塑性エ
ラストマーを100重量部、荷電制御剤であるニグロシ
ンを10重量部、導電剤であるアセチレンブラックを2
0重量部の割合にして混練した後、この混練物を100
0重量部のトルエンに溶解させて弾性層用の塗液を調製
した。
【0037】そして、この弾性層用の塗液中にローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aを浸漬さ
せ、この導電性基体11aを2.4mm/sの速度で引
き上げて、この導電性基体11aの外周面に弾性層用の
塗液を塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmにな
った弾性層11bを形成した。なお、この弾性層11b
のゴム硬度は44度であった。
【0038】(実施例3)実施例3においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、ゴ
ム硬度が61度のスチレン系熱可塑性エラストマーを2
00重量部、荷電制御剤であるニグロシンを10重量
部、導電剤であるアセチレンブラックを20重量部の割
合にして混練した後、この混練物を1000重量部のト
ルエンに溶解させて弾性層用の塗液を調製した。
【0039】そして、この弾性層用の塗液中にローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aを浸漬さ
せ、この導電性基体11aを2.4mm/sの速度で引
き上げて、この導電性基体11aの外周面に弾性層用の
塗液を塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmにな
った弾性層11bを形成した。なお、この弾性層11b
のゴム硬度は68度であった。
【0040】(比較例1)比較例1においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、ゴ
ム硬度が61度のスチレン系熱可塑性エラストマーを7
0重量部、ゴム硬度が95度のブタジエン系熱可塑性エ
ラストマーを130重量部、荷電制御剤であるニグロシ
ンを10重量部、導電剤であるケッチェンブラックを2
重量部の割合にして混練した後、この混練物を1000
重量部のトルエンに溶解させて弾性層用の塗液を調製し
た。
【0041】そして、この弾性層用の塗液中にローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aを浸漬さ
せ、この導電性基体11aを2.4mm/sの速度で引
き上げて、この導電性基体11aの外周面に弾性層用の
塗液を塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmにな
った弾性層11bを形成した。なお、この弾性層11b
のゴム硬度は85度であった。
【0042】(比較例2)比較例2においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、ゴ
ム硬度が95度のブタジエン系熱可塑性エラストマーを
200重量部、荷電制御剤であるニクロシンを10重量
部、導電剤であるケッチェンブラックを2重量部の割合
にして混練した後、この混練物を1000重量部のトル
エンに溶解させて弾性層用の塗液を調製した。
【0043】そして、この弾性層用の塗液中にローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aを浸漬さ
せ、この導電性基体11aを2.4mm/sの速度で引
き上げて、この導電性基体11aの外周面に弾性層用の
塗液を塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmにな
った弾性層11bを形成した。なお、この弾性層11b
のゴム硬度は96度であった。
【0044】また、トナーtとしては、下記のようにし
て製造した負帯電性のトナーT1を用いるようにした。
【0045】ここで、負帯電性のトナーT1を製造する
にあたっては、ポリエステル樹脂(花王社製:タフトン
NE−1110)を100重量部、カーボンブラック
(キャボット社製:モーガルL)を8重量部、荷電制御
剤(オリエント化学社製:ボントロンS−34)を3重
量部、離型剤(三洋化成工業社製:ビスコールTS−2
00)を2.5重量部の割合にし、これらをヘンシェル
ミキサーにより2800rpmで3分間混合した後、2
軸混練押出機を用いて混練して冷却した後、この混練物
を粗粉砕し、ジェット粉砕機(日本ニューマチック社
製:IDS)によって微粉砕した後、DS分級機(日本
ニューマチック社製)で分級してトナー粒子を得た。そ
して、このトナー粒子に対して、疎水性シリカ(キャボ
ット社製:キャボジルTS−500)を0.8重量%の
割合で添加させ、これらをヘンシェルミキサーにより回
転数2500rpmで90秒間混合させて、体積平均粒
径が8.5μm、平均円形度が0.938になった負帯
電性のトナーT1を得た。
【0046】そして、上記の実施例1〜3及び比較例
1,2において作製した各トナー担持体11の表面に上
記のようにして製造した負帯電性のトナーT1を保持さ
せて、各トナー担持体11を240mm/sの周速度で
回転させると共に、各トナー担持体11の表面にSUS
製の規制部材14を50N/mの線圧で圧接させ、この
状態で各トナー担持体11をそれぞれ250回転させ
た。
【0047】そして、上記のように規制部材14を圧接
させて各トナー担持体11を回転させる前と、250回
転後とにおいて、それぞれ各トナー担持体11の表面に
保持されたトナーT1中に含まれる粒径が5.0μm以
下の微粉トナーの割合を調べ、250回転後における微
粉トナーの増加率(%)を調べ、その結果を下記の表1
に示した。
【0048】
【表1】
【0049】この結果から明らかなように、トナー担持
体11の表面に設ける弾性層11bのゴム硬度を70度
以下した実施例1〜3のものにおいては、トナー担持体
11の表面に設ける弾性層11bのゴム硬度が70度を
越える比較例1,2のものに比べて、微粉トナーの増加
率が著しく低下していた。
【0050】(実施例4)実施例4においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例1において、上記の弾性層用の塗液中から導
電性基体11aを引き上げる速度を1.6mm/sに
し、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、
導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成した。
なお、この弾性層11bのゴム硬度は18度で、厚みは
20μmであった。
【0051】(実施例5)実施例5においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例1における弾性層用の塗液の調製において、
前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解させる
ようにし、それ以外は、上記の実施例1の場合と同様に
して、導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成
した。なお、この弾性層11bのゴム硬度は18度で、
厚みは11μmであった。
【0052】(比較例3)比較例3においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例1における弾性層用の塗液の調製において、
前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解させる
ようにすると共に、この弾性層用の塗液中から導電性基
体11aを引き上げる速度を1.0mm/sにし、それ
以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、導電性基
体11aの外周面に弾性層11bを形成した。なお、こ
の弾性層11bのゴム硬度は18度で、厚みは4μmで
あった。
【0053】(実施例6)実施例6においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例2において、上記の弾性層用の塗液中から導
電性基体11aを引き上げる速度を1.4mm/sに
し、それ以外は、上記の実施例2の場合と同様にして、
導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成した。
なお、この弾性層11bのゴム硬度は44度で、厚みは
17μmであった。
【0054】(実施例7)実施例7においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例2における弾性層用の塗液の調製において、
前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解させる
ようにし、それ以外は、上記の実施例2の場合と同様に
して、導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成
した。なお、この弾性層11bのゴム硬度は44度で、
厚みは10μmであった。
【0055】(比較例4)比較例4においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例2における弾性層用の塗液の調製において、
前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解させる
ようにすると共に、この弾性層用の塗液中から導電性基
体11aを引き上げる速度を1.0mm/sにし、それ
以外は、上記の実施例1の場合と同様にして、導電性基
体11aの外周面に弾性層11bを形成した。なお、こ
の弾性層11bのゴム硬度は44度で、厚みは3μmで
あった。
【0056】(実施例8)実施例8においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例3において、上記の弾性層用の塗液中から導
電性基体11aを引き上げる速度を1.4mm/sに
し、それ以外は、上記の実施例3の場合と同様にして、
導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成した。
なお、この弾性層11bのゴム硬度は68度で、厚みは
18μmであった。
【0057】(実施例9)実施例9においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例3における弾性層用の塗液の調製において、
前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解させる
ようにし、それ以外は、上記の実施例3の場合と同様に
して、導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成
した。なお、この弾性層11bのゴム硬度は68度で、
厚みは7μmであった。
【0058】(比較例5)比較例5においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の比較例2において、上記の弾性層用の塗液中から導
電性基体11aを引き上げる速度を1.6mm/sに
し、それ以外は、上記の比較例2の場合と同様にして、
導電性基体11aの外周面に弾性層11bを形成した。
なお、この弾性層11bのゴム硬度は96度で、厚みは
20μmであった。
【0059】(比較例6)比較例6においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の比較例2において、弾性層用の塗液を調製するにあ
たり、前記の混練物を2000重量部のトルエンに溶解
させるようにし、それ以外は、上記の比較例2の場合と
同様にして、導電性基体11aの外周面に弾性層11b
を形成した。なお、この弾性層11bのゴム硬度は96
度で、厚みは8μmであった。
【0060】(比較例7)比較例7においては、トナー
担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあたり、上
記の実施例2に示す条件で、導電性基体11aの外周面
に弾性層用の塗液を塗布する操作を2回行って、導電性
基体11aの外周面に弾性層11bを形成した。なお、
この弾性層11bのゴム硬度は44度で、厚みは58μ
mであった。
【0061】そして、実施例4〜9及び比較例3〜7の
各現像装置において、上記のように作製した各トナー担
持体11を使用すると共に、前記の負帯電性のトナーT
1を使用し、SUS製の規制部材14を50N/mの線
圧で各トナー担持体11の表面に圧接させるようにし
た。
【0062】そして、実施例4〜9及び比較例3〜7の
各現像装置を市販のプリンタ(エプソン社製:LP−3
000C)に搭載して、20枚/分の速度でA4サイズ
の記録紙にそれぞれ1万枚の印字を行い、得られた画像
における筋状の濃度むらを調べ、筋状の濃度むらが発生
しなかった場合を○、筋状の濃度むらが発生した場合を
×で、下記の表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】この結果から明らかなように、トナー担持
体11の表面に設ける弾性層11bのゴム硬度を70度
以下にすると共にこの弾性層11bの厚みを7μm以上
にした実施例4〜9のものにおいては、1万枚の印字を
行った場合においても、筋状の濃度むらのない良好な画
像が得られた。
【0065】これに対して、トナー担持体11の表面に
設ける弾性層11bのゴム硬度が70度以下であって
も、この弾性層11bの厚みを7μm未満になった比較
例3,4のものや、トナー担持体11の表面に設ける弾
性層11bのゴム硬度が70度を越える比較例5,6の
ものにおいては、1万枚の印字を行っている間に、微粉
トナーがトナー担持体11や規制部材14に固着し、得
られた画像に筋状の濃度むらが発生しており、また弾性
層11bの厚みは58μmになった比較例7のものにお
いても濃度むらが発生していた。
【0066】(実施例10)実施例10においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部の割合で混合させて弾性層用の
塗液を調製し、この弾性層用の塗液をローラ状になった
アルミニウム製の導電性基体11aの外周面に塗布し、
これを乾燥させて、厚みが28μmになった弾性層11
bを形成した。なお、この弾性層11bのゴム硬度は5
0度であり、またその表面における算術平均粗さRaは
0.38μmになっていた。
【0067】(実施例11)実施例11においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を2.3重量部の割合
で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用の
塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体1
1aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが27
μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾性
層11bのゴム硬度は50度であり、またその表面にお
ける算術平均粗さRaは0.54μmになっていた。
【0068】(実施例12)実施例12においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を4.6重量部の割合
で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用の
塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体1
1aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが32
μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾性
層11bのゴム硬度は53度であり、またその表面にお
ける算術平均粗さRaは0.86μmになっていた。
【0069】(実施例13)実施例13においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を5.9重量部の割合
で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用の
塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体1
1aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが30
μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾性
層11bのゴム硬度は52度であり、またその表面にお
ける算術平均粗さRaは1.35μmになっていた。
【0070】(実施例14)実施例14においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を7.3重量部の割合
で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用の
塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体1
1aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが34
μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾性
層11bのゴム硬度は55度であり、またその表面にお
ける算術平均粗さRaは1.88μmになっていた。
【0071】(実施例15)実施例15においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを5重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を10.5重量部の割
合で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用
の塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体
11aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが3
2μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾
性層11bのゴム硬度は54度であり、またその表面に
おける算術平均粗さRaは2.10μmになっていた。
【0072】そして、実施例10〜15の各現像装置に
おいては、上記のように作製した各トナー担持体11を
使用すると共に、前記の負帯電性のトナーT1を使用
し、SUS製の規制部材14を30N/mの線圧で各ト
ナー担持体11の表面に圧接させるようにした。
【0073】そして、実施例10〜15の各現像装置
を、トナー担持体11の周速を像担持体1の周速の1.
5倍にした市販のプリンタ(エプソン社製:LP−30
00C)に搭載して、20枚/分の速度でA4サイズの
記録紙に画像を印字し、得られた画像における画像濃度
とかぶりの評価を行い、その結果を下記の表3に示し
た。
【0074】ここで、画像濃度については、得られた画
像における画像濃度が1.2以上の場合を○、1.2未
満の場合を×で示した。
【0075】また、かぶりについては、得られた画像に
かぶりが発生しなかった場合を○、かぶりが発生した場
合を×で示した。
【0076】
【表3】
【0077】この結果から明らかなように、トナー担持
体11の表面に設けられた弾性層11bの算術平均粗さ
Raが0.5〜2.0μmの範囲になった実施例11〜
14のものにおいては、十分な画像濃度を有すると共
に、かぶりのない良好な画像が得られた。これに対し
て、トナー担持体11の表面に設けられた弾性層11b
の算術平均粗さRaが0.38μmになった実施例10
のものにおいては、このトナー担持体11によりトナー
が十分に搬送されなくて画像濃度が低下しており、また
トナー担持体11の表面に設けられた弾性層11bの算
術平均粗さRaが2.10μmになった実施例15のも
のにおいては、このトナー担持体11によって搬送され
るトナーの量が多くなり過ぎて、トナーが適切に帯電さ
れなくなり、画像にかぶりが発生していた。
【0078】(実施例16)実施例16においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてケッチ
ェンブラックを2重量部、粗さを付与する材料としてエ
ポスターMA1010(商品名)を4.6重量部の割合
で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層用の
塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基体1
1aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが30
μmになった弾性層11bを形成した。なお、この弾性
層11bにおけるゴム硬度は53度であり、また仕事関
数は4.23eVになっていた。
【0079】(実施例17)実施例17においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌエスシー社
製:ヨドソール)を100重量部、導電剤としてアセチ
レンブラックを2.5重量部、粗さを付与する材料とし
てエポスターMA1010(商品名)を4.6重量部の
割合で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この弾性層
用の塗液をローラ状になったアルミニウム製の導電性基
体11aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、厚みが
30μmになった弾性層11bを形成した。なお、この
弾性層11bにおけるゴム硬度は53度であり、また仕
事関数は4.38eVになっていた。
【0080】(実施例18)実施例18においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、カルボキシル基を含有する市販のアクリロニトリル
・ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン社製:ニボール1
072J)を100重量部、導電剤としてケッチェンブ
ラックを20重量部、亜鉛華を5重量部、粗さを付与す
る材料としてエポスターMA1010(商品名)を4.
6重量部の割合にしたものをトルエンに溶解或いは分散
させて弾性層用の塗液を調製した。
【0081】そして、この弾性層用の塗液をローラ状に
なったアルミニウム製の導電性基体11aの外周面に塗
布し、これを乾燥させて、厚みが30μmになった弾性
層11bを形成した。なお、この弾性層11bにおける
ゴム硬度は48度であり、また仕事関数は4.65eV
になっていた。
【0082】(実施例19)実施例19においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、カルボキシル基を含有する市販のアクリロニトリル
・ブタジエン共重合ゴム(日本ゼオン社製:ニボール1
072J)を100重量部、導電剤としてアセチレンブ
ラックを25重量部、亜鉛華を5重量部、粗さを付与す
る材料としてエポスターMA1010(商品名)を4.
6重量部の割合にしたものをトルエンに溶解或いは分散
させて弾性層用の塗液を調製した。
【0083】そして、この弾性層用の塗液をローラ状に
なったアルミニウム製の導電性基体11aの外周面に塗
布し、これを乾燥させて、厚みが30μmになった弾性
層11bを形成した。なお、この弾性層11bにおける
ゴム硬度は49度であり、また仕事関数は4.80eV
になっていた。
【0084】(実施例20)実施例20においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販のアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム
(日本ゼオン社製:ニボールDN207)を100重量
部、導電剤としてアセチレンブラックを25重量部、亜
鉛華を5重量部、粗さを付与する材料としてエポスター
MA1010(商品名)を4.6重量部の割合にしたも
のをトルエンに溶解或いは分散させて弾性層用の塗液を
調製した。
【0085】そして、この弾性層用の塗液をローラ状に
なったアルミニウム製の導電性基体11aの外周面に塗
布し、これを乾燥させて、厚みが30μmになった弾性
層11bを形成した。なお、この弾性層11bにおける
ゴム硬度は49度であり、また仕事関数は5.01eV
になっていた。
【0086】(実施例21)実施例21においては、ト
ナー担持体11の表面に弾性層11bを設けるにあた
り、市販の導電性シリコーンゴムコーティング剤(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製:DY)をローラ状
になったアルミニウム製の導電性基体11aの外周面に
塗布し、これを乾燥させて、厚みが30μmになった弾
性層11bを形成した。なお、この弾性層11bにおけ
るゴム硬度は55度であり、また仕事関数は5.17e
Vになっていた。
【0087】そして、実施例16〜21の各現像装置に
おいては、上記のように作製した各トナー担持体11を
使用すると共に、前記の負帯電性のトナーT1を使用
し、SUS製の規制部材14を30N/mの線圧で各ト
ナー担持体11の表面に圧接させるようにした。
【0088】そして、実施例16〜21の各現像装置
を、市販のプリンタ(エプソン社製:LP−3000
C)に搭載して、20枚/分の速度でA4サイズの記録
紙にそれぞれ1万枚の印字を行い、各トナー担持体11
の表面に対するトナーのフィルミング及び得られた画像
におけるかぶりを調べ、その結果を下記の表4に示し
た。
【0089】ここで、トナー担持体11の表面に対する
トナーのフィルミングについては、フィルミングが発生
していなかった場合を○、フィルミングが発生していた
場合を×で示した。
【0090】また、かぶりについては、得られた画像に
かぶりが発生しなかった場合を○、かぶりが発生した場
合を×で示した。
【0091】
【表4】
【0092】この結果から明らかなように、トナー担持
体11の表面に設けられた弾性層11bの仕事関数が
4.30〜5.00eVの範囲になった実施例17〜1
9のものにおいては、トナー担持体11の表面にトナー
がフィルミングされるのが防止されると共に、かぶりの
ない良好な画像が得られた。これに対して、トナー担持
体11の表面に設けられた弾性層11bの仕事関数が
4.30eV未満になった実施例16のものにおいて
は、このトナー担持体11の表面にトナーがフィルミン
グされるようになり、またトナー担持体11の表面に設
けられた弾性層11bの仕事関数が5.00eVを越え
る実施例20,21のものにおいては、トナーが適切に
帯電されなくなって、画像にかぶりが発生した。
【0093】(実施例22〜24)実施例22〜24に
おいては、トナー担持体11の表面に弾性層11bを設
けるにあたり、市販のウレタンエマルジョン(日本エヌ
エスシー社製:ヨドソール)を100重量部、導電剤と
してケッチェンブラックを5重量部、粗さを付与する材
料としてエポスターMA1010(商品名)を4.6重
量部の割合で混合させて弾性層用の塗液を調製し、この
弾性層用の塗液をローラ状になったアルミニウム製の導
電性基体11aの外周面に塗布し、これを乾燥させて、
厚みが30μmになった弾性層11bを形成した。な
お、この弾性層11bのゴム硬度は53度であった。]
【0094】一方、トナーtとして、実施例22におい
ては、体積平均粒径が8.5μm、平均円形度が0.9
38になった前記の負帯電性のトナーT1を用いるよう
にした。
【0095】また、実施例23においては、前記の負帯
電性のトナーT1の製造において、前記のジェット粉砕
機に代えてイノマイザー(ホソカワミクロン社製:IN
M−30型)を用いると共に、DS分級機に代えてロー
タ型分級機(ホソカワミクロン社製:100ATP)を
用いるようにし、それ以外は、前記の負帯電性のトナー
T1の場合と同様にして製造し、体積平均粒径が8.5
μm、平均円形度が0.953になった負帯電性のトナ
ーT2を用いるようにした。
【0096】また、実施例24においては、前記の負帯
電性のトナーT1の製造において得たトナートナー粒子
に対してハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製
作所製:HS−3型)を用いて6000rpmで5分間
処理させる操作を追加し、それ以外は、前記の負帯電性
のトナーT1の場合と同様にして製造し、体積平均粒径
が8.5μm、平均円形度が0.963になった負帯電
性のトナーT3を用いるようにした。
【0097】そして、実施例22〜24の各現像装置に
おいて、上記のトナー担持体11の表面にSUS製の規
制部材14を圧接させるにあたり、下記の表5に示すよ
うに、規制部材14の線圧を10〜50N/mの範囲で
変更し、それぞれ市販のプリンタ(エプソン社製:LP
−3000C)に搭載して、30枚/分の速度でA4サ
イズの記録紙にそれぞれ5千枚の印字を行い、得られた
画像におけるかぶりを調べ、かぶりが発生しなかった場
合を○、かぶりが発生した場合を×で表5に示した。
【0098】
【表5】
【0099】この結果から明らかなように、平均円形度
が0.940以上になった負帯電性のトナーT2,T3
を用いた実施例23,24のものにおいては、トナー担
持体11の表面に規制部材14を50N/mの高い線圧
で圧接させて、多くの画像を形成した場合にも、かぶり
のない良好な画像が得られた。これに対して、平均円形
度が0.938になった負帯電性のトナーT1を用いた
実施例22のものにおいては、トナー担持体11の表面
に圧接させる規制部材14の線圧を40N/m以上にす
ると、多くの画像を形成した場合に、画像にかぶりが発
生するようになったが、トナー担持体11の表面に圧接
させる規制部材14の線圧を30N/m以下にすると、
かぶりのない良好な画像が得られた。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明における
現像装置においては、トナーを表面に保持して像担持体
と対向する現像領域に搬送するトナー担持体として、導
電性基体の表面にゴム硬度が70度以下で、厚みが7〜
50μmの範囲になった弾性層を設けたものを用いるよ
うにしため、このトナー担持体の表面に規制部材を圧接
させて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する場合
に、トナー担持体に形成された弾性層が適切に変形し
て、トナーに加わる負荷が低減され、トナーが割れて微
粉が発生するのが抑制されるようになると共に、トナー
担持体の成形精度が低下するということもなかった。
【0101】この結果、この発明における現像装置を用
いると、かぶりや筋状の濃度むら等が発生するのが抑制
されて良好な画像が得られるようになり、現像領域にお
いてトナー担持体を像担持体と所要間隔を介するように
対向させて現像を行う場合においても、安定した現像が
行えて、長期にわたって良好な画像が安定して得られる
ようになった。
【0102】また、この発明の現像装置において、トナ
ー担持体の表面に圧接させる規制部材の圧接力を30N
/m以下にしたり、平均円形度が0.940以上のトナ
ーを用いると、トナー担持体の表面に規制部材を圧接さ
せて現像領域に搬送されるトナーの量を規制する際に、
トナーが割れて微粉が発生するのが一層抑制されるよう
になった。
【0103】また、この発明の現像装置において、上記
のように弾性層を設けたトナー担持体の表面における算
術平均粗さRaを0.5〜2μmの範囲にすると、この
トナー担持体の表面に適切な量のトナーが保持され、こ
のトナーが規制部材により適切に帯電されて現像領域に
導かれるようになり、十分な画像濃度を有すると共にか
ぶりの発生のない良好な画像が得られるようになった。
【0104】さらに、この発明の現像装置において、ト
ナーに負帯電性のトナーを用いた場合において、上記の
トナー担持体の表面の仕事関数を4.30〜5.00e
Vの範囲にすると、この負帯電性のトナーがより適切に
帯電されるようになり、よりかぶりの発生の少ない良好
な画像が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る現像装置の概略説
明図である。
【図2】同実施形態における現像装置において、現像領
域でトナー担持体を像担持体と所要間隔を介して対向す
るように設ける状態を示した断面説明図である。
【図3】同実施形態における現像装置において、現像領
域でトナー担持体を像担持体と接触させるようにした状
態を示した概略説明図である。
【符号の説明】
1 像担持体 11 トナー担持体 11a 導電性基体 11b トナー担持体の弾性層 14 規制部材 t トナー d 現像領域でのトナー担持体と像担持体との間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/097 G03G 9/08 346 (72)発明者 和田 実 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 出水 一郎 大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪 国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA15 DA02 2H077 AD06 AD13 AD17 AD23 AE02 BA07 FA01 FA22 FA25 FA26 FA29 3J103 AA02 AA12 AA85 BA41 BA43 FA18 GA57 GA58 GA60 HA04 HA12 HA53

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナーを表面に保持して像担持体と対向
    する現像領域に搬送するトナー担持体と、このトナー担
    持体の表面に圧接させて現像領域に搬送されるトナーの
    量を規制する規制部材とを有する現像装置において、上
    記のトナー担持体として、導電性基体の表面にゴム硬度
    が70度以下で、厚みが7〜50μmの範囲になった弾
    性層を設けたものを用いたことを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した現像装置において、
    上記の現像領域でトナー担持体と像担持体とが所要間隔
    を介して対向していることを特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載した現像装置にお
    いて、上記のトナー担持体の表面に圧接させる規制部材
    の圧接力を30N/m以下にしたことを特徴とする現像
    装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載した現
    像装置において、上記のトナーとして、平均円形度が
    0.940以上のトナーを用いたことを特徴とする現像
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項に記載した現
    像装置において、上記のトナー担持体の表面の算術平均
    粗さRaが0.5〜2.0μmの範囲であることを特徴
    とする現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載した現
    像装置において、上記のトナーとして負帯電性トナーを
    用いると共に、上記のトナー担持体の表面の仕事関数を
    4.30〜5.00eVの範囲にしたことを特徴とする
    現像装置。
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