JP2002205982A - 芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩およびその製造方法 - Google Patents
芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩およびその製造方法Info
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Abstract
ルホン酸の塩及びその製造方法の提供。 (式中、Ar1、Ar2は芳香族基) 【解決手段】式Dの芳香族ジカルボン酸ジアリールエス
テルスルホン酸の塩1当量に対し、芳香族ジアミン2モ
ル以上を仕込み、反応を行う。 (式中、R1は炭素数6〜15の芳香族基)
Description
ジアリールアミドスルホン酸塩及びその製造法に関す
る。さらに詳しくは、染料、高分子重合体等の製造中間
体あるいは高分子重合体の改質剤として有用である新規
な芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩及
びその製造方法に関するものである。
ルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩は染料、高分子
重合体等の製造中間体及び高分子重合体改質剤として有
用であるにもかかわらずこれまでにその合成が報告され
ていなかった。
ミドスルホン酸塩の製造方法としては次のような方法が
考えられる。すなわち、1)芳香族ジカルボン酸スルホ
ン酸塩とジアミン類を直接アミド化する方法、2)芳香
族ジカルボン酸クロライドスルホン酸塩とジアミン類を
塩基性化合物および溶媒の存在下で反応させる方法、
3)芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステルスルホン酸
塩とアミンのエステル交換反応による方法、4)芳香族
ジカルボン酸ジアリールアミドをスルホン酸塩化する方
法等がある。
料で芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩
を製造できる可能性があるが、原料となる芳香族ジカル
ボン酸スルホン酸塩は、反応性、溶解性が対応する芳香
族ジカルボン酸より低いために反応温度を290℃以上
にする必要があり、ジアミン類の常圧下での沸点を超え
てしまう。従って高圧に耐える反応容器が必要となり、
工業的に連続的に大量に製造するには困難であった。ま
た高温で反応させると分解反応などの副反応を起こしや
すい。
イドスルホン酸塩を使用するので、原料となる芳香族ジ
カルボン酸クロライドスルホン酸塩の製造が困難であ
る。該芳香族ジカルボン酸クロライドスルホン酸塩が得
られたとしても、それに続く反応で反応溶媒を用いるこ
とからコスト的にも不利となる。
ホン酸塩は比較的安価で使用可能であるが、アミンとの
反応が遅いため1)の方法と同様に目的物を高収率、高
純度で得ることはできない。
有する芳香族基よりもアミノ基のほうがスルホン酸基と
反応しやすく目的とする生成物は得られない。
挑み、芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸
塩の製造方法について鋭意検討した結果、特定の前駆体
とジアミンとの反応により、目的とする化合物を高収率
で製造できることを見出し本発明に到達した。
課題を解決するものであり、以下のとおりである。 1.下記式(A) M(n)Xn (A) [上記式においてM(n)はn価の金属イオン、4級アンモ
ニウムイオンまたは4級ホスホニウムイオンからなる群
より選ばれる1種のイオン種をあらわし、Xは下記式
(B)
3官能性芳香族基を、Ar2は炭素数6〜20の2官能
性芳香族基をあらわす。]をあらわす。]で示される芳香
族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩。 2.該M(n)が1価の金属イオン、4級アンモニウムイ
オンまたは4級ホスホニウムイオンである1.記載の芳
香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩。 3.該M(n)がアルカリ金属イオンである2.記載の芳
香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩。 4.下記式(C) M(n)Yn (C) [上記式においてM(n)は上記式(A)の定義と同じであ
り、Yは下記式(D)
義と同じであり、R1は炭素数6〜15の芳香族基をあ
らわす。]をあらわす。]であらわされる芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルスルホン酸塩1当量に対し下記
式(E)
義と同じである。]であらわされる芳香族ジアミン2モ
ル以上を仕込み、反応を行うことを特徴とする上記一般
式(A)で示されるジカルボン酸ジアリールアミドスル
ホン酸塩の製造法。
ニウムイオンまたは4級ホスホニウムイオンからなる群
より選ばれる1種のイオン種をあらわし、Xは下記式
(B)
3官能性芳香族基を、Ar2は炭素数6〜20の2官能
性芳香族基をあらわす。]をあらわす。]であらわされる
芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩およ
びその製造方法である。
の3官能性芳香族であり具体的にはフェニル基、ナフタ
レン基、ビフェニレン基、ジフェニルエーテル基、ジフ
ェニルスルフィド基、ジフェニルスルホン基、ジフェニ
ルケトン基或いはこれらの水素原子のうち1つ又は複数
がそれぞれ独立にフッ素、塩素、臭素などのハロゲン
基;メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の
炭素数1〜6のアルキル基;シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基等で
置換されていても良い。これらの中でも好ましくはフェ
ニル基、ナフタレン基、ビフェニレン基である。またA
r2は炭素数6〜20の2官能性芳香族基であり具体的
にはフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基或い
はこれらの水素原子のうち1つ又は複数がそれぞれ独立
にフッ素、塩素、臭素などのハロゲン基;メチル基、エ
チル基、プロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のア
ルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭
素数5〜10のシクロアルキル基等で置換されていても
良い。これらの中でもフェニレン基好ましく挙げられ
る。
ウムイオン、またはホスホニウムイオンをあらわす。具
体的にはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム、鉄、ニッケ
ル、クロム、銅等の金属イオン、テトラメチルアンモニ
ウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラ
ブチルアンモニウムイオン等の4級アンモニウムイオ
ン、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホ
スホニウムイオン、テトラブチルホスホニウムイオン等
の4級ホスホニウムイオンを例示することが出来る。M
(n)が2価の金属イオンの時には、金属イオン1分子に
対して上記式(B)であらわされるアニオン種が2分子
結合している。この場合には該芳香族ジカルボン酸ジア
リールアミドスルホン酸塩1モルが1/2当量に相当す
る。n>3の時も同様である。これらのなかで、M(n)
は好ましくは1価の金属イオン、アンモニウムイオン、
またはホスホニウムイオンであり、より好ましくはアル
カリ金属イオンが挙げられる。これらのうちリチウム、
ナトリウム、カリウムのイオンがもっとも好ましい。式
(A)に示される芳香族ジカルボン酸ジアリールエステ
ルスルホン酸塩の具体例として5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸ジフェニル、5−カリウムスルホイソフタル
酸ジフェニル等を挙げることが出来る。
り、Yは下記式(D)
義と同じであり、R1は炭素数6〜15の芳香族基をあ
らわす。]をあらわす。]で示される芳香族ジカルボン酸
ジアリールエステルスルホン酸塩のAr1とM(n)につい
ては上記式(A)および(B)と同じものをあらわして
いる。置換基R1は炭素数6〜15の芳香族基であり、
具体的にはフェニル、ナフチル基が望ましい。
ステルスルホン酸塩の製造法は特に制限はないが例えば
特開平7−89928号公報に記載される、エステル交
換触媒の存在下、芳香族ジカルボン酸ジアルキルエステ
ルスルホン酸塩1当量と、それに対し2から3倍当量の
ジアリールカーボネートとを250〜320℃で加熱溶
融させるという製造方法が最も好ましく利用できる。
義と同じである。]で示される芳香族ジアミンの置換基
Ar2は上記式(B)と同じものをあらわしている。具
体的には炭素数6から20の2官能性芳香族基でありフ
ェニレン、ナフチレン、ビフェニレン基等が挙げられ
る。芳香族ジアミン(E)は具体的にはm-フェニレンジ
アミン,p-フェニレンジアミン,4,4'-ジアミノジフェニ
ルエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルフィド、4,
4'-ジアミノジフェニルスルホン、4,4'-ジアミノ-2,2'-
ジメチルジフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタ
ン、4,4'-ジアミノジフェニルエタン、4,4'-ジアミノベ
ンゾフェノン、1,5-ジアミノナフタリン等が挙げられ
る。これらのうちm-フェニレンジアミンが望ましいがこ
れに限定されるものではない。
香族ジカルボン酸ジアリールエステルスルホン酸塩1当
量に対し上記式(E)で示されるジアミンは2モル以上
の過剰量を仕込むのが好ましい。
族ジカルボン酸ジアリールエステルスルホン酸塩と上記
式(E)で示される芳香族ジアミンとを反応させるので
あるが、両方の化合物を加熱溶融させて反応させること
が好ましい。反応の際、必要に応じて反応条件で1-メチ
ル2-ピロリドン、1-シクロヘキシル2-ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジフェニルスルホン等の安定な溶媒
を用いても良い。芳香族ジカルボン酸ジアリールエステ
ルスルホン酸塩は、反応に先立って、乾燥しておくこと
が望ましい。これは、スルホン酸塩が吸湿しやすいた
め、吸湿した水分によってフェニルエステルの分解を防
ぐためである。また、反応時には酸化防止剤等の各種添
加剤を併用することも好ましい。
は、200℃から300℃が好ましく、240℃から2
80℃がさらに好ましい。200℃より温度が低いと反
応が進まず、300℃より温度が高いと反応させるジア
ミンの沸点以上になる、あるいは分解などの副反応が起
こりやすくなるためである。反応時間は温度条件にもよ
るが、通常は1時間から数十時間である。
行うことが出来るが、通常は常圧下または減圧下で行
う。好ましくは、精製するモノヒドロキシ化合物を留去
しつつ、常圧下で反応を行い、ほぼ反応が終了した時点
で減圧下とし、未反応のジアミンを留去するのが好まし
い。
が、精製することがより好ましい。精製方法としては、
特に制限はなく従来の方法が使用できるが、再沈殿か再
結晶が好ましい。再沈殿溶媒としてジクロロメタン、ク
ロロホルム等が有効であるがこれに限定されるものでは
ない。再沈殿の方法の一例としては得られた粗生成物を
メタノール,NMP等に溶解させその溶液をジクロロメ
タン、クロロホルム等の貧溶媒に加えるというものであ
る。
アミドスルホン酸塩は縮合系高分子の単量体、添加剤と
して、また合成中間体として有用である。例えば縮合系
高分子成型物の染色性改善などに有効である。本発明に
より、これまでにその有効性が明らかでありながら報告
例のなかった芳香族ジカルボン酸ジアリールジアミドス
ルホン酸塩を、安価な原料を使用し、通常のエステル交
換反応装置による製造を可能にしたことからその工業的
意義はきわめて大きい。
発明は実施例のみに限定されるものではない。
タル酸ジフェニル2.1重量部、m-フェニレンジアミン
2.16重量部を攪拌装置及び流出系を有する反応器に
仕込み、容器内を窒素置換した後常圧下280℃まで加
熱し、4時間反応させた。その後6.67kPa(50
mmHg)まで減圧し未反応のm-フェニレンジアミン及
びフェノールを留去させ2.19重量部の粗生成物を得
た。得られた生成物を200重量部のメタノールに溶解
させ2000重量部のクロロホルムにて再沈殿させ精製
した。得られた化合物の収量は1.65重量部、収率7
4%、融点は366〜368℃であり、1H−NMR、
IRスペクトルをそれぞれ図に示す。
アリールアミドスルホン酸塩の製造には有効な方法であ
ることがわかる。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記式(A) M(n)Xn (A) [上記式においてM(n)はn価の金属イオン、4級アンモ
ニウムイオンまたは4級ホスホニウムイオンからなる群
より選ばれる1種のイオン種をあらわし、Xは下記式
(B) 【化1】 [上記式においてAr1は炭素数6〜20の3官能性芳香
族基を、Ar2は炭素数6〜20の2官能性芳香族基を
あらわす。]をあらわす。]で示される芳香族ジカルボン
酸ジアリールアミドスルホン酸塩。 - 【請求項2】 該M(n)が1価の金属イオン、4級アン
モニウムイオンまたは4級ホスホニウムイオンである請
求項1記載の芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスル
ホン酸塩。 - 【請求項3】 該M(n)がアルカリ金属イオンである請
求項2記載の芳香族ジカルボン酸ジアリールアミドスル
ホン酸塩。 - 【請求項4】 下記式(C) M(n)Yn (C) [上記式においてM(n)は上記式(A)の定義と同じであ
り、Yは下記式(D) 【化2】 [上記式においてAr1は上記式(B)の定義と同じであ
り、R1は炭素数6〜15の芳香族基をあらわす。]をあ
らわす。]であらわされる芳香族ジカルボン酸ジアリー
ルエステルスルホン酸塩1当量に対し下記式(E) 【化3】 [上記式においてAr2は上記式(B)の定義と同じであ
る。]であらわされる芳香族ジアミン2モル以上を仕込
み、反応を行うことを特徴とする上記一般式(A)で示
されるジカルボン酸ジアリールアミドスルホン酸塩の製
造法。
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