JP2004203874A - アミノジカルボン酸のω−ベンジルエステルの製造方法、このエステルのアルカンスルホネートの製造方法および得られたアルカンスルホネート - Google Patents

アミノジカルボン酸のω−ベンジルエステルの製造方法、このエステルのアルカンスルホネートの製造方法および得られたアルカンスルホネート Download PDF

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Abstract

【課題】アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルとこのエステルのアルカンスルホネートの製造方法と、この新規アルカンスルホネートを提供する。アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルおよび中間体のアルカンスルホネートが十分な収率と高い純度で得られる。
【解決手段】アミノジカルボン酸1モル当たり少なくとも1モルのアルカンスルホン酸の存在下(必要な場合にはさらに溶媒の存在下)でアミノジカルボン酸を[化1]のベンジルアルコール誘導体と反応させる:
【化1】
Figure 2004203874

(置換基R1は水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子、nは1、2または3)
【選択図】なし

Description

本発明はアミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルの製造方法と、このエステルのアルカンスルホネートの製造方法と、得られたエステルのアルカンスルホネート自体とに関するものである。
アミノ二酸のω-ベンジルエステルおよびそのスルホネート、特にアスパラギン酸およびグルタミン酸またはその誘導体からのものは医薬および農薬の製品として極めて有用な化合物である。
これらの化合物の製造方法は既に公知で、一般には酸の存在下でアミノ二酸とベンジルアルコールまたはその誘導体とを反応させて得られる。
しかし、公知の方法はいずれも完全に満足のいくものではなく、大抵は収率が低く、エステルが多数の不純物を含むため、精製処理をしないと使用できない。また、大抵の場合、αジエステルまたはエステルができる。さらに、多くの場合、ラセミ化が起り、所望のLまたはD誘導体が得られない。
濃硫酸の使用が試みられたがうまくいかない。酸を濃縮すると制御不可能な高い発熱反応が起きる。また、ベンジルアルコールポリマーが生じることも知られている。酸を希釈すると反応が平衡し、エステル化には有利になる。硫酸の代わりに塩酸を用いると主成分として塩化ベンジルができる。
下記文献には、他の酸、例えばベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸を用いることが記載されている。
D.W. Clayton達、journal J.Chem.Soc., 1956,p.374
この反応は一般に大過剰のベンジルアルコールまたはその誘導体を用いて高温で行われる。しかし、過剰なベンジルアルコールを用い、過酷な操作条件を用いるため、多くの副反応、特にジエステルが生じ、ラセミ化が起こる。
従って、簡単な操作で工業的規模で経済的に十分な収率で、優れた光学純度のアミノ二酸のω-ベンジルエステルを製造するという課題が依然として存在している。発明が解決しようとする課題はこの課題を解決することにある。
本発明方法では、アミノジカルボン酸1モル当たり少なくとも1モルのアルカンスルホン酸の存在下で、必要に応じてさらに溶媒の存在下で、アミノジカルボン酸を[化3]の化学式(I)のベンジルアルコール誘導体と反応させる:
Figure 2004203874
(ここで、置換基R1は水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1、2または3である)
本発明ではアミノ二酸のω-ベンジルエステルと、このエステルの中間体としてのアルカンスルホネートとが簡単な方法で、十分な収率で、高い化学的および光学的純度で得られる。この純度は一般に99%以上である。
出発化合物として重要なアミノジカルボン酸はペプチド分野で用いられるアミノジカルボン酸である。2つのカルボキシ基とアミノ基とが結合する基(ラジカル)は種々の基にすることができ、特に脂肪族基、環式脂肪族基、アリール基、アリール脂肪族基、複素環式基またはこれら複数の基からなる基にすることができる。この基は未置換でも置換されていてもよく、一般にはアミノ酸で置換置換されている。この置換基は必要に応じて保護しておく。
アミノジカルボン酸は天然物でも合成物でもよく、自然界に存在するか、合成で得られる。特に、このアミノジカルボン酸は2つのカルボン酸基が同一の炭素原子と結合していないか、下記の基に対して対称に分子と結合していないアミノジカルボン酸である:
Figure 2004203874
アミノジカルボン酸のアミノ基はアミノ基に対する一般的な保護基、例えばペプチド化学で用いられる保護基によって保護できる(ただし、保護基は酸性反応条件下で除去できる必要がある)。保護基の例としてはt-ブチルオキシカルボニル(BOC)基が挙げられる。
特に、アミノジカルボン酸はα位の炭素以外の炭素上に位置する別のカルボキシ基を有する天然のまたは天然でない種々の形のα-アミノカルボン酸である。例としては特に、アスパラギン酸、グルタミン酸およびこれらの酸の誘導体が挙げられる。
このアミノジカルボン酸を光学的に活性なDまたはLの形でエステル化すると、大抵の場合、ほとんどラセミ化を起こさずに対応するDまたはLのω-ベンジルエステルが十分な収率で得られる。このエステル化は主としてω位のカルボキシ基で起こる。
ω-ベンジルエステルのラセミ体は対応するラセミ体のアミノジカルボン酸から得ることもできる。
アミノジカルボン酸と反応させるベンジルアルコール誘導体は[化5]の化学式(I)の誘導体である :
Figure 2004203874
(ここで、R1およびnは上記の意味を有する)
nが1以上のときは置換基R1は同一でも異なっていてもよい。nは1または2であるのが好ましい。R1がハロゲン原子を表す場合、ハロゲン原子は塩素または臭素であるのが好ましい。
ベンジルアルコール誘導体の例としては特に一つまたは複数のアルキル基で置換されたベンジルアルコール、例えば4-メチルベンジルアルコール、2,4-ジメチルベンジルアルコール、アルコキシ基で置換されたベンジルアルコール、例えば4-メトキシベンジルアルコール、または、ハロゲン原子で置換されたベンジルアルコール、例えば3-クロロベンジルアルコール、2-ブロモベンジルアルコールが挙げられる。
エステル化はベンジルアルコールで行うのが好ましい。
用いるベンジルアルコールまたはその誘導体の量は、アミノジカルボン酸1モル当たり少なくとも1モル、好ましくは1.2〜3モルである。
従来技術の教えとは逆に、本発明では小過剰のベンジルアルコールまたはその誘導体と反応させることが好ましいということを見出した。そうすることによって副反応と望ましくない副生成物の発生が避けられる。
しかし、媒体は依然として攪拌可能でなければならない。媒体のより良い攪拌を可能にするために必要に応じて溶媒を添加する。
エステル化を起こすためには媒体中に酸が存在していなければならない。従来方法で用いられる酸は満足のいくものではない。本出願人は、驚くべきことにアルカンスルホン酸を用いると、本発明方法によってω-ベンジルエステルが十分な収率と優れた光学純度で得られるということを見出した。
アルカンスルホン酸の例としてはC1〜C4アルカンスルホン酸、特にメタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはプロパンスルホン酸が挙げられる。メタンスルホン酸を用いるのが好ましい。
アスパラギン酸またはグルタミン酸と、ベンジルアルコールと、メタンスルホン酸とからの反応は以下で表される:
Figure 2004203874
アルカンスルホン酸の添加量はアミン官能基を中和するのに必要なアミノジカルボン酸1モル当たり少なくとも1モルである。このスルホン酸は過剰量、特にアミノジカルボン酸1モル当たり1.01〜2モル、好ましくは1.05〜1.2モルの量で用いるのが好ましい。あるいは、1モルのアルカンスルホン酸を添加し、さらに、別の酸、例えば硫酸の添加で過剰量すなわち0.01〜1モルの酸を導入することもできる。
反応混合物の各成分は媒体の攪拌状態に応じて任意の順序で導入できる。最初にアミノジカルボン酸とアルカンスルホン酸とを溶媒の存在下で混合し、次に、この媒体中にベンジルアルコール誘導体を加えることができる。また、アミノジカルボン酸、ベンジルアルコールまたはその誘導体、必要に応じてさらに溶媒を混合し、次にアルカンスルホン酸を徐々に添加するのが好ましい場合もある。
使用可能な溶媒としてはハロゲン化された、または、されていない芳香族または脂肪族の炭化水素溶媒、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン、ジクロロメタンまたはクロロホルムが挙げられる。
アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを溶かさない溶媒が特に適している。また、水と一緒に良好な共沸混合物を形成する溶媒も有利である。トルエンを用いるのが好ましい。
溶媒が存在するときの溶媒の容積(リットル表記)は一般に用いるアミノジカルボン酸の重量(kg表記)の0.5〜10倍である。
反応温度はエステル化すべきアミノジカルボン酸の形式に応じて変わるが、過度の高温でない温度、特に80℃以下の温度が維持されるように選択すると結果が著しく向上するということを見出した。特に、グルタミン酸を用いたときには30〜50℃、アスパラギン酸を用いたときには30〜80℃の温度を維持する。
反応時間は温度およびエステル化すべきアミノジカルボン酸に応じて変わるが、一般には1〜24時間である。
反応によってアミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホン酸塩が生成する。
このω-ベンジルエステルのアルカンスルホン酸の塩を完全に結晶化させてから遊離エステルの形で回収操作をすると、本発明の収率およびω-ベンジルエステルの純度がさらに向上することがわかっている。
そのために、溶媒を用いたときには溶媒/水共沸混合物を蒸留するのが好ましい。この蒸留は一般に反応の進行とともに連続して行う。この蒸留は反応媒体の温度を上記範囲内、特に80℃以下の温度に維持するために、必要に応じて減圧下で行う。
必要な場合には、ω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートの結晶化を確実に完了させるために媒体を冷却する。得られたアルカンスルホネートは例えば濾過で分離できる。このアルカンスルホネートをアルカンスルホネートが溶けない有機溶媒、例えば反応で用いた溶媒、特にトルエンで洗浄して不純物を完全に除去することもできる。
溶媒を全く用いないか、媒体中に存在する溶媒が少量のときは、アルカンスルホネートを直接結晶化させるのが好ましい。一般には媒体を冷却する。必要に応じてさらに他の周知な技術、例えば種結晶を添加することもできる。媒体は極めて緩やかに冷却するのが好ましい。従って、数時間必要となることもある。
本発明の別の対象は、アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネート塩にある。これは新規化合物である。
この塩を構成する各部分すなわちベンジル基、アミノジカルボン酸基、アルカンスルホン酸基は特に化学式(I)のベンジルアルコールまたはその誘導体、上記アミノジカルボン酸およびアルカンスルホン酸からのものである。この塩は光学活性な形、例えばDまたはLか、ラセミ型にすることができる。
特に、ベンジル基はベンジルアルコールからくる。アミノジカルボン酸基はα位の炭素以外の炭素と結合した別のカルボキシ基を有するα-アミノカルボン酸から来る。アルカンスルホン酸基はC1〜C4アルカンスルホン酸、特にメタンスルホン酸からくる。
この塩は[化7]の化学式(II)で表すことができる:
Figure 2004203874
〔ここで、R1およびnは化学式(I)で定義したものであり、Aはα位の炭素とω位のカルボキシ基とに結合したα−アミノカルボン酸の分子の一部であり、R2はアルカンスルホン酸のアルカン基を表す〕
1が水素原子で、R2がC1〜C4アルカン基、特にCH3基であるのが好ましい。
この塩の例としては特にγ-ベンジルグルタメートメタンスルホネートおよびβ-ベンジルアスパルテートメタンスルホネート、特にLまたはD型のものが挙げられる。
これらの塩は本発明方法によって上記の通り優れた化学的および光学的純度で得られる。
ω-ベンジルエステルをアルカンスルホン塩ではなく遊離した形で回収したいときには、ω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを、必要に応じて水に溶かした後に、有機または無機の塩基、例えばアンモニア水溶液、水酸化アルカリ金属水溶液または炭酸アルカリ金属水溶液、例えば水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウム水溶液と接触させる。アンモニア水溶液を用いるのが好ましい。
塩基は特に、媒体のpHを所望エステルの等電点にして、この等電点に維持するのに十分な量だけ添加する。特に、アスパラギン酸またはグルタミン酸の場合には媒体のpHを6〜7にし、この値を維持するのに十分な量だけ添加する。
pHが等電点の値まで上昇すると遊離エステルが沈殿する。遊離したエステルは従来法、例えば濾過で容易に回収できる。
遊離エステルの純度は下記の方法で不純物を除去することによってさらに向上することがわかっている。すなわち、ω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを好ましくは緩やかに結晶化した後に、単離せずに水に溶かし、上記の塩基処理をする。一般に、水は媒体を溶かすのに十分な量だて媒体に添加する。含まれるアミノジカルボン酸またはω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートの重量(kg)の2〜3倍の容積(リットル)の水を添加するのが好ましい。必要に応じて有機相を静置分離で除去する。水と一緒にまたは水の後に有機または無機の塩基、好ましくはアンモニア水溶液を添加してpHが等電点に達するようにし、上述の通りに操作を行う。
好ましい変形例では、遊離エステルの濾過および洗浄の一連の操作が容易になる。すなわち、pHが等電点に達した後に、媒体を好ましくは50〜70℃の温度に加熱することによって不純物をよりよく除去することができる。続いてエステルを例えば冷却して沈殿させる。
さらに高い純度を得るために、ベンジルアルコールまたはその誘導体の溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノールまたはイソプロパノール、エステルまたはケトンを、遊離すべきエステルを含む媒体中に一般には用いたアミノ酸の重量(kg)の1〜10倍の容積(リットル)、特に3〜5倍容積の量で添加することができる。この溶媒は水と一緒か水の導入後に必要に応じて塩基と一緒に添加するのが好ましい。
本発明で得られるω-ベンジルエステルの収率は従来技術に比べて著しく向上する。本発明エステルの化学的および光学的純度は優れており、99%以上である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
実施例1
γ-ベンジルグルタメートの製造
1kg(6.79モル、1当量)のL-グルタミン酸、1.1kg(10.17モル、1.5当量)のベンジルアルコールおよび1リットルのトルエンを5.2リットル容の反応器中に導入し、混合物を攪拌する。続いて、混合物の温度を45℃に維持しながら0.784kg(8.15モル、1.2当量)のメタンスルホン酸を徐々に導入する。この温度で混合物の攪拌をさらに2時間続けた後、混合物を30〜32℃に冷却し、この30〜32℃の温度で4時間攪拌を続ける。
続いて、2リットルの水を添加し、有機相と水相を静置分離する。回収した水相を別の反応器に移す。この相に3リットルのエタノールを加えた後、0.8リットルの22°Bアンモニア水を添加してpHを6.5〜7にする。混合物を続いて60℃に加熱し、この温度で2時間攪拌し、生成物の結晶形を向上させる。
混合物を5〜10℃の温度に冷却する。結晶性固体が沈殿する。この結晶性固体を濾過分離し、1リットルのエタノールで2回洗浄し、さらに1リットルの水で3回洗浄する。
湿潤生成物を回収し、減圧乾燥する。1.25kg(収率77%)のγ-ベンジルL-グルタメートが得られる。この特徴は以下の通り:
[α]D 20: +19°(c=1、酢酸中)
融点(M.p.): 167.5℃
HPLCによる純度: 99.7%
粒径: 95.5μm(90%の粒子)
出発材料としてD-グルタミン酸を用いて同様に行うと、γ-ベンジルD-グルタメートが得られる。この特徴は以下の通り:
[α]D 20: −19.5°(c=1、酢酸中)
HPLCによる純度: 99%
実施例2
γ-ベンジルL-グルメートメタンスルホネートおよびγ-ベンジルL-グルタメートの製造
1620mlのトルエン、294g(2モル、1当量)のL-グルタミン酸および648g(6モル、3当量)のベンジルアルコールを攪拌機を備えた3リットル容の反応器中に導入し、混合物を30〜35℃の温度に加熱する。
混合物の温度を30〜35℃に維持しながら240g(2.5モル、1.25当量)の99%メタンスルホン酸を徐々に導入する。トルエン/水共沸混合物を38〜47mbarの圧力下で30〜35℃で4時間半かけて蒸留分離する。
この媒体を15℃に冷却する。γ-ベンジルL-グルタメートメタンスルホネートが沈殿する。これを濾過分離し、トルエンで数回洗浄する。653gのγ-ベンジルL-グルタメートメタンスルホネートが白色結晶性粉末の形で得られる。この粉末の乾燥状態での特性は以下の通り:
融点: 123.1℃
1H NMR(200MHz、d6-DMSO):下記化学式の1〜9の位置にあるプロトンを示す:
Figure 2004203874
得られた湿潤γ-ベンジルL-グルタメートメタンスルホネートを、1.8リットルの水を入れた反応器に再導入してさらに蒸留して残りのトルエンを除去する。続いて325mlの10%w/wアンモニア水溶液を加え、媒体のpHを6.1±0.2にする。媒体の温度は13〜15℃にする。このpHで混合物の攪拌を2時間続ける。
沈殿物を濾過分離し、水で数回洗浄する。45℃のオーブンで乾燥する。382.8g(収率81%)のγ-ベンジルL-グルタメートが白色粉末の形で回収される。この特性は以下の通り:
[α]D 20: +20.8°(c=1、酢酸中)
HPLCで測定した純度: 99.9%
TLC分析によるL-グルタミン酸の比率: <0.1%
粒径: 222.7μm(90%の粒子)
実施例3
β-ベンジルL-アスパルテートの製造
100g(0.75モル、1当量)のL-アスパラギン酸および162g(1.5モル、2当量)のベンジルアルコールを1リットル容の反応器中に導入し、混合物を攪拌する。続いて、86.4g(0.9モル、1.2当量)のメタンスルホン酸を徐々に導入し、温度が上昇するに任せる。次に、加熱して温度を60℃にし、混合物の攪拌を12時間続けた後、混合物を40℃に冷却する。
続いて200mlmp水を加えた後、300mlのエタノールを加える。その後、95mlの22°Bアンモニア水溶液を加えて6.5〜7のpHでエステルを沈殿させる。
混合物を続いて60℃に加熱し、この温度で2時間攪拌し、生成物の結晶形を向上させる。
この混合物を5〜10℃の温度に冷却する。結晶性沈殿物を濾過分離し、100mlのエタノールで2回洗浄し、さらに100mlの水で3回洗浄する。
湿潤生成物を回収し、減圧乾燥する。108g(収率64%)のβ-ベンジルL-アスパルテートが得られる。この特性は以下の通り:
外観: 白色粉末
融点: 212℃
[α]D 20: +27.6°(HCL 1N中で1%で読取り)
HPLCで測定した純度: >99.9%
D-アスパラギン酸を用いて同様に調製するとβ-ベンジルD-アスパルテートが得られる。
実施例4
β-ベンジルL-アスパルテートの製造
532g(4モル)のL-アスパラギン酸、665mlの1,2-ジクロロエタン(DCE)、665mlのシクロヘキサンおよび318mlの98%w/wメタンスルホン酸(MSA)を188.5mlの水(すなわち4.8モルのMSA)で希釈したものを4リットル容の反応器中に導入する。この媒体に827ml(8モル)のベンジルアルコールを添加する。
この媒体を約76℃に加熱し、水/DCE/シクロヘキサン三成分共沸混合物を蒸留分離する。135mlの水が蒸留除去されたときにβ-ベンジルL-アスパルテートメタンスルホネートの沈殿が観察される。蒸留は10時間続ける。媒体の温度は約77℃になる。蒸留除去した水の総量は270mlである。
この媒体を約10℃に冷却し、濾過し、沈殿物を530mlのDCE/シクロヘキサン(50/50)混合物で2回洗浄する。
沈殿物を乾燥すると861gの白色固体のβ-ベンジルL-アスパルテートメタンスルホネートが得られる(収率66%)。この固体を3倍量の水に溶かし、次に30%w/w水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを7±0.2に調整する。沈殿物を濾過分離し、水で洗浄し、次に減圧下のオーブン(45℃/20mmHg)中で乾燥させる。この第2段階での収率はベンジルアスパルテートメタンスルホネートに対して89%である。
HPLCで測定したβ-ベンジルアスパルテートの純度は100%である。

Claims (22)

  1. アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルの製造方法において、
    1モルのアミノジカルボン酸に対して少なくとも1モルのアルカンスルホン酸を存在させた状態下で、必要な場合にはさらに溶媒の存在下で、
    アミノジカルボン酸を[化1]の化学式(I)のベンジルアルコール誘導体と反応させることを特徴とする方法:
    Figure 2004203874
    (ここで、置換基R1は水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1、2または3である)
  2. アミノジカルボン酸がα位以外の炭素に結合した別のカルボキシ基をさらに有するα-アミノカルボン酸である請求項1に記載の方法。
  3. アミノジカルボン酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸である請求項2に記載の方法。
  4. 化学式(I)のアルコールがベンジルアルコールである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 反応温度を80℃以下にする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 化学式(I)のベンジルアルコールまたはその誘導体を、アミノジカルボン酸1モル当たり1.2〜3モルの範囲で使用す請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. アルカンスルホン酸がメタンスルホン酸である請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. アミノジカルボン酸1モル当たりアルカンスルホン酸を1.01〜2モルの範囲の量で使用する請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 反応溶媒をハロゲン化され、またはされていない脂肪族または芳香族の炭化水素の中から選択する請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 得られたアミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを有機または無機の塩基と接触させて遊離したアミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルを得る請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 所望エステルの等電点に達するのに十分な量の塩基を用いる請求項10に記載の方法。
  12. 塩基がアンモニアの水溶液である請求項10または11に記載の方法。
  13. アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを結晶化させた後に遊離したアミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルに変換する請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 溶媒/水共沸混合物を80℃以下の温度で蒸留分離する請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを単離させた後に塩基と接触させる請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを媒体から単離せずにエステルを分離する請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 遊離エステルに変換すべきω-ベンジルエステルのアルカンスルホネートを水に溶かす請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 分離すべきエステルを含む媒体中にベンジルアルコール誘導体の溶媒を加える請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 等電点のpHに達した後に媒体を加熱する請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. アミノジカルボン酸のω-ベンジルエステルのアルカンスルホネート。
  21. [化2]の化学式(II) で表される請求項20に記載のアルカンスルホネート:
    Figure 2004203874
    (ここで、置換基R1は水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4アルコキシ基またはハロゲン原子を表し、互いに同一でも異なっていてもよく、nは1、2または3であり、Aはα位の炭素とω位のカルボキシ基と結合したα-アミノカルボン酸の分子の一部であり、R2はアルカンスルホン酸のアルカン残基を表す)
  22. γ-ベンジルグルタメートメタンスルホネートまたはβ-ベンジルアスパルテートメタンスルホネートである請求項1〜21のいずれか一項にアルカンスルホネート。
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