JP2002204916A - 排ガス浄化用フィルタ及び排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化用フィルタ及び排ガス浄化装置

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JP2002204916A
JP2002204916A JP2001002773A JP2001002773A JP2002204916A JP 2002204916 A JP2002204916 A JP 2002204916A JP 2001002773 A JP2001002773 A JP 2001002773A JP 2001002773 A JP2001002773 A JP 2001002773A JP 2002204916 A JP2002204916 A JP 2002204916A
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porous material
temperature
filter
gas purifying
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JP2001002773A
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Yoichiro Hamada
洋一郎 濱田
Hirokazu Matsumoto
浩和 松本
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Inax Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガスに含まれる煤塵、塩化水素、硫黄酸化
物、有機塩素化合物および窒素酸化物を高除去率で除去
する排ガス浄化用フィルタと、排ガス浄化用フィルタを
有するコンパクトかつエネルギー損失の低い排ガス浄化
装置を提供する。 【解決手段】 第1及び第2の多孔材44a,44bは
下端が閉止した形状の筒状であり、外周にはバグフィル
タ41が配置され、内周には第1の多孔材44aが配置
されている。その内周に第2の多孔材44bが配置さ
れ、その内周面には脱硝触媒層61が形成されている。
排ガスは、バグフィルタ41によって除塵、脱塩・脱
硫、有機塩素化合物の分解・除去がされた後、第1の多
孔材44aと第2の多孔材44bの間の空気導入用空室
62において高温空気との混合により脱硝にとっての最
適温度に昇温され、脱硝触媒層61において脱硝され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却炉等からの排
ガスを浄化するための排ガス浄化用フィルタと、この排
ガス浄化用フィルタを用いた排ガス浄化装置とに関す
る。詳しくは、セラミックフィルタ等の多孔材に脱硝触
媒等のガス浄化用触媒を備えさせて排ガスの濾過と脱硝
等の浄化処理とを行うようにした排ガス浄化用フィルタ
と、この排ガス浄化用フィルタを用いた排ガス浄化装置
とに関する。
【0002】
【従来の技術】焼却炉から排出される排ガスには、煤塵
成分のほか、窒素酸化物、硫黄酸化物、塩素化合物等が
含まれており、これらを除去してから排出するようにし
ている。
【0003】従来の焼却炉排ガスの浄化装置の一例を、
第5図に示す。焼却炉1から排出された排ガスは、減温
装置2によって150℃程度にまで冷却された後、排ガ
スに消石灰等の脱塩・脱硫剤が吹き込まれる。排ガス中
の塩化水素や硫黄酸化物はこの消石灰等と反応して塩化
カルシウムや硫酸カルシウムとなり、煤塵と一緒にバグ
フィルタ3で除去される。このとき、煤塵に付着したダ
イオキシン類もバグフィルタ3で除去される。その後、
排ガスは昇温装置4によって250〜350℃まで昇温
され、アンモニアなどの還元剤が添加された後に触媒反
応装置5に導入される。触媒反応装置5内において、還
元剤と脱硝触媒との作用によって排ガス中の窒素酸化物
やダイオキシン類が分解される。このようにして浄化さ
れた排ガスは煙突6を通じて大気に放出される。
【0004】この第5図の排ガス浄化装置にあっては、
ダイオキシンの再合成が極力抑制された条件のもとでの
脱塩・脱硫処理のための温度(約150℃)と脱硝処理
のための最適温度(五酸化バナジウム系の触媒を使用し
た場合、約350℃)との間に差があることから両処理
を個別に行う必要があり、そのため装置が複雑化、大型
化するという問題があった。また、脱硝触媒の劣化を防
止するために、脱硝の前に触媒にとって有害な塩化水
素、硫黄酸化物、煤塵およびダイオキシンを除去する必
要があり、このため、排ガスを一旦減温して脱塩・脱硫
した後に再度昇温させて脱硝する操作が必要となり、エ
ネルギー損失が大きくなるという欠点を有していた。
【0005】脱塩・脱硫処理と脱硝処理とを同時に行う
排ガス処理方法が、特開平4−200703号公報、特
公平4−36729号公報、特開平9−155123号
公報、特開平10−28826号公報および特開平5−
293335号公報に記載されている。
【0006】この特開平4−200703号公報では、
排ガスを集塵機内に導入し、集塵機に備えられた窒素酸
化物還元用触媒と有機塩素化合物酸化用触媒とを表面に
積層させた濾材に通して有機塩素化合物、窒素酸化物お
よび煤塵を同時に除去することにより、従来は集塵機の
下流に設けられていた有機塩素化合物除去用反応器を設
けることなく、集塵機で窒素酸化物と煤塵を同時に除去
する。
【0007】特公平4−36729号公報では、燃焼排
ガスにフッ化水素、塩化水素および硫黄酸化物除去のた
めのアルカリ性粉体を添加し、更に窒素酸化物除去のた
めのアンモニアなどの還元剤を添加する。次いで脱硝触
媒を保持したフィルターによって煤塵および上記有害物
質を除去した後、排ガスを大気放出する。
【0008】特開平9−155123号公報には、上記
特公平4−36729号公報の改良として、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオサゾール繊維製のバグフィルタを
用いることが記載されている。
【0009】特開平10−28826号公報には、高温
除塵装置内の濾材として触媒層を保持した多孔質焼結金
属を用いることにより、排ガス中の煤塵、窒素酸化物お
よびダイオキシン類を同時に除去する方法が記載されて
いる。
【0010】特開平5−293335号公報には、ごみ
焼却炉からの高温排ガスを前部熱媒ヒータの熱交換器に
通して熱媒を加熱した後、排ガス減温装置で減温し、消
石灰を添加する。次いで、バグフィルタ装置に導入して
煤塵、重金属、HCl、SO 、ダイオキシン、水銀等
を除去する。その後、排ガスを後部熱媒ヒータの熱交換
器に通し、前部熱媒ヒータで加熱された熱媒によって加
熱する。加熱された排ガスにアンモニア等を混合してN
を除去した後、大気放出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−200
703号公報の集塵機では、250℃の低温で処理して
いることから脱硝は不十分である。
【0012】特公平4−36729号公報の濾過式総合
反応集塵機では、排ガス処理温度に関する記載はない。
バグフィルタの耐熱温度は200℃程度であるため20
0℃以下で処理していると考えられるが、この温度では
脱硝は不十分である。
【0013】特開平9−155123号公報では、ダイ
オキシンの再合成を防止するために200〜280℃の
低温で処理しているところから、脱硝が不十分である。
【0014】特開平10−28826号公報の高温除塵
装置では、処理温度が300〜450℃であるため、デ
ノボ効果により、ダイオキシンが最も生成し易い温度域
での集塵処理となり、好ましくない。また、集塵装置の
後段に新たに脱塩・脱硫のための排ガス洗浄装置を設け
る必要があり、設備のコンパクト化という点で不十分で
ある。
【0015】特開平5−293335号公報では、脱硝
触媒入口での排ガス温度は230℃程度であり、脱硝効
果は不十分である。また、この排ガス処理システムは、
バグフィルタ集塵装置と触媒反応装置とを有する従来の
排ガス処理システムにおいてエネルギー効率向上のため
にさらに熱交換器を増設したものであり、エネルギー効
率は向上するものの、脱塩・脱硫と脱硝とは従来通り別
個の装置で行われている。
【0016】本発明の第1の目的は、煤塵除去、有機塩
素化合物除去、脱塩・脱硫および脱硝を効率良く行うこ
とが可能な排ガス浄化用フィルタを提供することにあ
る。
【0017】本発明の第2の目的は、コンパクトかつ熱
エネルギー損失の少ない排ガス浄化装置を提供すること
にある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明(請求項1)の排
ガス浄化用フィルタは、排ガスを濾過する第1の多孔材
と、該第1の多孔材を通過したガスをさらに濾過する第
2の多孔材と、該第1の多孔材と第2の多孔材との間に
形成された高温清浄ガスの導入用の空室と、該第2の多
孔材に設けられたガス浄化用触媒とを有するものであ
る。
【0019】この排ガス浄化用フィルタにあっては、排
ガスは第1の多孔材を透過して該空室に流入し、ここに
おいて高温清浄ガスと混合されて昇温する。昇温した排
ガスは、第2の多孔材を透過し、該第2の多孔材に設け
られたガス浄化用触媒の作用により浄化処理される。
【0020】従って、焼却炉等からの排ガスをダイオキ
シン除去に好適な200℃以下に減温して、脱塵、脱
塩、脱硫及び脱ダイオキシン処理した後、このフィルタ
に導入し、再度昇温させることができる。
【0021】上記空室に導入される高温清浄ガスとし
て、該焼却炉等の排ガスを熱源流体とする熱交換器によ
り加熱された空気を用いることにより、再昇温のための
加熱コストを著しく低廉なものとすることができる。
【0022】請求項2の排ガス浄化用フィルタは、請求
項1において、前記第1の多孔材及び第2の多孔材はい
ずれも筒状であり、該第1の多孔材は該第2の多孔材の
外周に同軸状に配置されていることを特徴とするもので
ある。
【0023】かかる排ガス浄化用フィルタは、第1の多
孔材及び第2の多孔材のいずれも筒状であり、集塵機に
設置し易い。
【0024】本発明(請求項3)の排ガス浄化用フィル
タは、外面側から中心の内孔に向って排ガスが通過する
筒状多孔材を有する排ガス浄化用フィルタであって、該
筒状多孔材には高温清浄ガスを排ガスに添加するための
高温清浄ガス注入用の通路状の空室が設けられており、
該筒状多孔材の該空室よりも中心側にガス浄化用触媒が
設けられていることを特徴とするものである。
【0025】かかる排ガス浄化用フィルタにおいては、
多孔材に流入してきた排ガスに通路状空室から高温清浄
ガスが添加され、昇温される。そして、該空室よりも中
心側に配置されたガス浄化用触媒の作用により浄化され
る。
【0026】従って、焼却炉等からの排ガスをダイオキ
シン除去に好適な200℃以下に減温して脱塵、脱塩、
脱硫及び脱ダイオキシン処理した後、このフィルタに導
入し、再度昇温させることができる。
【0027】上記空室に導入される高温清浄ガスとし
て、該焼却炉等の排ガスを熱源流体とする熱交換器によ
り加熱された空気を用いることにより、再昇温のための
加熱コストを著しく低廉なものとすることができる。
【0028】請求項4の排ガス浄化用フィルタは、請求
項1ないし3のいずれか1項において、多孔材に流入す
るガスを濾過するためのバグフィルタが設けられている
ことを特徴とするものである。
【0029】かかる排ガス浄化用フィルタにあっては、
排ガスはバグフィルタによって煤塵除去がされた後に多
孔材を通過することから、多孔材の目詰まりを防止する
ことができる。
【0030】本発明の請求項5の排ガス浄化装置は、焼
却炉からの排ガスを浄化する排ガス浄化装置において、
該焼却炉からの排ガスによって空気を加熱する熱交換器
と、該熱交換器からの排ガスを降温させる減温手段と、
該減温手段からの排ガスを処理する請求項4の排ガス浄
化用フィルタと、該熱交換器からの高温空気を該排ガス
浄化用フィルタの前記空室に導く手段とを備えたことを
特徴とするものである。
【0031】かかる排ガス浄化装置によると、焼却炉か
らの排ガスは、熱交換器内で空気を加熱した後、減温手
段によってダイオキシン除去に好適な200℃以下に減
温される。減温された排ガスは消石灰等の脱塩・脱硫剤
またはこの脱塩・脱硫剤と共に活性炭等のガス吸着剤が
添加された後バグフィルタを通り、排ガス浄化用フィル
タに導入される。
【0032】このバグフィルタによって、排ガス中の煤
塵が除去されると共に、塩化水素及び硫黄酸化物等と脱
塩・脱硫剤との反応生成物が除去される。また、有機塩
素化合物は、ガス吸着剤によって除去され、このガス吸
着剤もバグフィルタによって除去される。
【0033】バグフィルタを通過した排ガスは、多孔材
内部の空室において高温空気が混入される。この高温空
気は、前記熱交換器において排ガスとの熱交換により加
熱されたものである。高温空気の混入により昇温された
排ガスは、空室より内側に設けられた脱硝触媒等のガス
浄化用触媒を備えた多孔材を通過する。このとき、該触
媒の作用によりガスが浄化処理される。
【0034】かかる排ガス浄化装置にあっては、単一の
排ガス浄化用フィルタ内において、ダイオキシン除去に
好適な200℃以下に減温された後に、排ガスに高温空
気を導入し、排ガス温度を触媒作用にとっての最適温度
に昇温して有害物質の分解等の処理を行うことができ、
ダイオキシンの再合成が極力抑制された条件のもとで脱
塩・脱硫および有機塩素化合物、窒素酸化物等の有害物
質の除去をきわめて効率良く行うことができる。また、
新たに他の有害物質除去のための装置を設置する必要が
なく、排ガス浄化装置がコンパクト化される。さらに、
高温空気生成用の熱交換器の熱源として減温前の排ガス
が用いられていることから、エネルギー損失が低減され
る。
【0035】請求項6の排ガス浄化装置は、請求項5に
おいて、前記排ガス浄化用フィルタの前記触媒は脱硝触
媒であり、前記空室に導入される前記高温空気に脱硝用
還元剤を添加する手段を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0036】かかる排ガス浄化装置にあっては、単一の
排ガス浄化用フィルタによって脱塩・脱硫、有機塩素化
合物の除去および脱硝を行うことができるため、新たに
脱硝装置を設置する必要がなく、排ガス浄化装置のコン
パクト化が達成される。またダイオキシンの再合成が極
力抑制された条件のもとで脱塩・脱硫および有機塩素化
合物の除去が行われると共に、脱硝も最適温度において
かつ脱硝触媒と脱硝用還元剤の存在下で行われることか
ら、きわめて高効率の排ガス処理が可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0038】第1図は本発明の排ガス浄化装置の系統
図、第2図はこの排ガス浄化装置の集塵機内に設置され
ている排ガス浄化用フィルタの軸心線方向に沿う断面
図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図である。
【0039】第1図の通り、焼却炉21から排出された
高温排ガスは、煙道26を通って熱交換器22に送給さ
れる。空気配管30を介してこの熱交換器22に導入さ
れた空気が排ガスからの熱によって400〜900℃に
加熱される。
【0040】この熱交換器22としては、種々の形態の
ものを採用できるが、例えば伝熱管として高温耐熱性の
セラミックス製チューブを用いた熱交換器等が好適であ
る。なお、本実施の形態では熱交換器を設けているが、
ボイラーを併設するタイプの焼却炉の場合は、ボイラー
から回収される高温空気を用いてもよい。
【0041】熱交換器22を通過した排ガスは、煙道2
7を通って減温装置23に送給され、200℃以下特に
140〜180℃程度に減温される。減温された排ガス
は煙道28に接続されたガス吸着剤添加手段33および
脱塩・脱硫剤添加手段34によって活性炭等のガス吸着
剤および消石灰等の脱塩・脱硫剤が添加された後、集塵
機24に導入される。また、前記熱交換器22によって
加熱された高温空気が、ダクト31を通って集塵機24
に導入される。なお、このダクト31内の高温空気に対
し還元剤添加手段32によりアンモニアや尿素等の還元
剤が添加される。
【0042】集塵機24内には、本発明の排ガス浄化用
フィルタが設置されており、該フィルタによって煤塵除
去、脱塩・脱硫、有機塩素化合物の分解・除去および脱
硝が行われる。集塵機24内で浄化された排ガスは、煙
道29および煙突25を通って大気に放出される。
【0043】次に、この集塵機24内に設置された本発
明の実施の形態に係る排ガス浄化用フィルタについて第
2,3図を参照して説明する。
【0044】この排ガス浄化用フィルタは、第1の多孔
材44a、第2の多孔材44bおよびバグフィルタ41
を有している。第1の多孔材44a及び第2の多孔材4
4bは下端が閉止した筒状となっており、この第1の多
孔材44aの内側に同軸状に第2の多孔材44bが配置
されている。第2の多孔材44bも下端が閉止した筒状
のものであり、その内周面に脱硝触媒層61が形成され
ている。この筒状の第2の多孔材44bの内側の空間
は、清浄ガス導出用の空室63となっている。また、第
1の多孔材44aと第2の多孔材44bとの間の空間
は、高温清浄空気導入用の空室62となっている。
【0045】第1の多孔材44aの外周には同軸状にバ
グフィルタ41が配置されており、このバグフィルタ4
1は内周に設けられたリテーナ42によって筒状に保形
されている。
【0046】第1の多孔材44aおよび第2の多孔材4
4bの材質は特に限定されないが、排ガスの加熱用の高
温空気(400〜900℃程度)および排ガスの温度
(140〜180℃程度)に対する耐熱性があり、かつ
これらの温度差に耐え得る材質であることが好ましい。
例えば、セラミックスではコーディエライト、ムライ
ト、SiC、および各種セラミックスファイバー成形品
が好適であり、金属ではW,Mo,Ta等や合金、超硬
合金、サーメットなどの多孔質焼結金属等が好適であ
る。また、第1の多孔材44aおよび第2の多孔材44
bは、気孔率40〜50%、平均細孔径50〜1000
μm、排ガス風速0.5〜2m/minであり、圧力損
失が1〜100mmAg程度の低圧損であることが好ま
しい。
【0047】本発明では、触媒に見合った種々の温度で
の運転が可能であるため、脱硝触媒の種類は特に限定さ
れない。例えば、一般的な脱硝触媒である酸化チタン−
五酸化バナジウム系に酸化タングステン等の添加成分を
加えた触媒が用いられるが、その他の触媒も使用可能で
ある。
【0048】バグフィルタ41の材質は、排ガスの性状
(有害物質の種類、濃度、煤塵濃度等。)によって適宜
選定すればよく、例えばガラス繊維、ポリイミド繊維、
ナイロン(脂肪族ポリアミド系)、ポリエステルなどか
ら適宜選択されればよい。
【0049】かかる排ガス浄化用フィルタは、以下のよ
うにして集塵機24内に取り付けられる。先ず第1の多
孔材44aの開口端に蓋体46を当接し、第1の多孔材
44aと蓋体46とを固定部材45によって外側から固
定する。次にこの排ガス浄化用フィルタを集塵機24内
の浄化処理室天板54に設けられた開口54aに挿入
し、バグフィルタ41およびリテーナ42の端部のそれ
ぞれを、固定部材45によって浄化処理室天板54に固
定する。前記蓋体46は1本の清浄排ガス導出管48と
複数本(本実施の形態では2本)の空気導入管47を有
している。清浄排ガス導出管48は空気導入室天板55
の開口55aを貫通して清浄排ガス室53にまで延設さ
れている。空気導入管47は、空気導入室52を通って
集塵機24外部の前記ダクト31と連結されている。清
浄排ガス室53は前記煙道29に連通している。
【0050】このようにして取り付けられた排ガス浄化
用フィルタによって、排ガスは以下の通り浄化される。
先ず集塵機24内の浄化処理室51内に導入された排ガ
スは、バグフィルタ41を通過する。このとき、排ガス
中の煤塵がバグフィルタ41によって除去される。ま
た、塩化水素および硫黄酸化物は、添加手段34によっ
て排ガス中に添加された脱塩・脱硫剤と反応して微粒子
状の反応生成物を形成しているが、これらもバグフィル
タ41によって除去される。さらに、添加手段33によ
って排ガス中に添加されたガス吸着剤によって吸着され
た有機塩素化合物がガス吸着剤と共にバグフィルタ41
によって除去される。煙道28を流れる排ガスの温度は
ダイオキシン除去に好適な、ダイオキシンの再合成が極
力抑制される温度(本実施の形態では140〜180℃
例えば150℃)に調温されているので、ダイオキシン
が生成しにくい条件下で効率良く上記物質を除去、分解
することができる。
【0051】なお、バグフィルタ41の表面に付着した
物質を除去するために、バグフィルタ41とその内周の
第1の多孔材44aとの間に高圧エアー導入手段を設
け、一定時間間隔で高圧エアーを導入して洗浄すること
が好ましい。
【0052】上記バグフィルタ41を通過した排ガス
は、第1の多孔材44aを通り、空気導入用空室62に
おいて高温空気と混合される。このとき、混合後の排ガ
ス温度がその後の脱硝処理にとって最適な温度(本実施
の形態では250〜400℃例えば350℃)となるよ
うに、高温ガスの温度、流量、排ガスの流量が制御され
る。また、添加手段32からの還元剤の添加量も最適と
なるように制御される。
【0053】高温空気の添加により昇温された排ガス
は、第2の多孔材44bを通過して脱硝触媒層61に達
し、脱硝触媒と還元剤との作用によって脱硝される。ま
た、残存する有機塩素化合物も脱硝触媒の作用により分
解される。このとき、脱硝処理にとって最適な温度かつ
最適な還元剤の添加量の下で脱硝反応が行われるところ
から、きわめて効率良く脱硝することができる。
【0054】脱硝触媒層61を通過した排ガスは、清浄
排ガス導出空室63および清浄排ガス導出管48を通っ
て清浄排ガス室53内に送給され、この清浄排ガス室5
3を通って煙道29に送給される。
【0055】本実施の形態に係る排ガス浄化用フィルタ
によると、ダイオキシンの再合成が極力抑制された条件
のもとで効率良く煤塵除去がされると共に、脱塩・脱
硫、有機塩素化合物の分解・除去および脱硝を最適温度
で行うことができることから、きわめて高効率に上記排
ガス中の有害物質の処理ができる。また、本実施の形態
に係る排ガス浄化装置によると、除塵、脱塩・脱硫、有
機塩素化合物の除去および脱硝を単一の集塵機24で行
うため、排ガス浄化装置のコンパクト化が達成される。
さらに、高温空気用の熱源として、減温装置23で減温
する前の排ガスを使用することから、エネルギー損失が
少ない。
【0056】なお、本実施の形態では、脱硝触媒は第2
の多孔材44bの内周面に形成されているが、第2の多
孔材44b自体に脱硝触媒を混入させてもよい。例え
ば、セラミックス粒子と触媒粒子とを混合後、成形、焼
結させたものを第2の多孔材44bとしてもよい。この
場合、排ガスと触媒との接触面積が大きくなるため、脱
硝効率が向上する。
【0057】第4図(a),(b),(c)はそれぞれ
本発明の別の実施の形態に係る排ガス浄化用フィルタの
軸心線方向と垂直方向の断面図である。
【0058】第4図(a)の排ガス浄化用フィルタで
は、単一の多孔材44がバグフィルタ41の内周に配置
されている。この多孔材44は肉厚の厚い筒状となって
おり、内周面に脱硝触媒層61が形成されている。ま
た、この多孔材44には、軸心線と平行方向に複数の空
気導入用孔62aが設けられている。
【0059】このように構成された排ガス浄化用フィル
タにおいて、バグフィルタ61を通過してきた排ガスは
多孔材44内部で空気導入用孔62aから導入された高
温空気と混合される。高温空気との混合により適温に昇
温された排ガスは、多孔材44の内周面の脱硝触媒層6
1によって脱硝された後、清浄排ガス導出用の空室63
を通って排ガス浄化用フィルタから導出される。
【0060】かかる排ガス浄化用フィルタによると、多
孔材44が単一であることから構造がシンプルとなり、
多孔材の製造や集塵機24への取付けが容易となる。
【0061】なお、脱硝触媒は、多孔材自体に混入され
てもよい。この場合、排ガスと脱硝触媒との接触面積が
大きいため、効率的に脱硝を行うことができる。
【0062】なお、空気導入用孔62aの形状は断面円
形であるが、これに限らない。例えば、第4図(b)の
空気導入用孔62aや第4図(c)の空気導入用孔62
cのような偏平形状および配置であってもよい。第4図
(b)では空気導入用孔62が複数の同心円上に配列さ
れている。第4図(c)では空気導入用孔62cが一重
の同心円上に配列されている。第4図(b),(c)の
その他の構成は第4図(a)と同一である。
【0063】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、単
一の集塵機によってダイオキシンの再合成が極力抑制さ
れた条件のもとできわめて高効率に煤塵除去、脱塩・脱
硫、有機塩素化合物の分解・除去および脱硝を行うこと
ができる。また、単一の集塵機で上記有害物質の除去が
行われることから、排ガス浄化装置がコンパクト化され
る。さらに、高温空気生成用の熱交換器の熱源として減
温装置で減温する前の排ガスを使用することにより、エ
ネルギー損失の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス浄化装置の系統図である。
【図2】第1図の排ガス浄化装置の集塵機内部に設置さ
れている排ガス浄化用フィルタの断面図である。
【図3】第2図のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】本発明の別の実施の形態に係る排ガス浄化用フ
ィルタの断面図である。
【図5】従来の排ガス浄化装置の系統図である。
【符号の説明】
1,21 焼却炉 2,23 減温装置 3 バグフィルタ 4 昇温装置 5 触媒反応装置 6,25 煙突 22 熱交換器 24 集塵機 30 空気配管 31 ダクト 32 還元剤添加手段 33 ガス吸着剤添加手段 34 脱塩・脱硫剤添加手段 41 バグフィルタ 42 リテーナ 44 多孔材 44a 第1の多孔材 44b 第2の多孔材 47 空気導入管 48 清浄排ガス導出管 61 触媒層 62,62a,62b,62c 空気導入用空室 63 清浄排ガス導出用空室
フロントページの続き Fターム(参考) 4D019 AA01 BA02 BA05 BB06 BC07 BC12 BD01 CA03 4D048 AA06 AB02 BB05 CA07 CC41 CC54 CC61 CD01 CD05 DA03 DA06 4D058 JA02 JA04 KA01 KA08 KA11 MA15 TA01 TA06 UA01 UA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスを濾過する第1の多孔材と、 該第1の多孔材を通過したガスをさらに濾過する第2の
    多孔材と、 該第1の多孔材と第2の多孔材との間に形成された高温
    清浄ガスの導入用の空室と、 該第2の多孔材に設けられたガス浄化用触媒とを有する
    ガス浄化用フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1の多孔材及
    び第2の多孔材はいずれも筒状であり、該第1の多孔材
    は該第2の多孔材の外周に同軸状に配置されていること
    を特徴とする排ガス浄化用フィルタ。
  3. 【請求項3】 外面側から中心の内孔に向って排ガスが
    通過する筒状多孔材を有する排ガス浄化用フィルタであ
    って、 該筒状多孔材には高温清浄ガスを排ガスに添加するため
    の高温清浄ガス注入用の通路状の空室が設けられてお
    り、 該筒状多孔材の該空室よりも中心側にガス浄化用触媒が
    設けられていることを特徴とする排ガス浄化用フィル
    タ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、多孔材に流入するガスを濾過するためのバグフィル
    タが設けられていることを特徴とする排ガス浄化用フィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 焼却炉からの排ガスを浄化する排ガス浄
    化装置において、 該焼却炉からの排ガスによって空気を加熱する熱交換器
    と、 該熱交換器からの排ガスを降温させる減温手段と、 該減温手段からの排ガスを処理する請求項4の排ガス浄
    化用フィルタと、 該熱交換器からの高温空気を該排ガス浄化用フィルタの
    前記空室に導く手段とを備えたことを特徴とする排ガス
    浄化装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記排ガス浄化用フ
    ィルタの前記触媒は脱硝触媒であり、 前記空室に導入される前記高温空気に脱硝用還元剤を添
    加する手段を備えたことを特徴とする排ガス浄化装置。
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