JP4581983B2 - 排ガス処理方法 - Google Patents
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また直引系排気管路を流れる排ガスは温度が高いために、そこにダイオキシン類が含まれていても一部のダイオキシン類が固化することなく第1バグ集塵機を通過してしまい、従って第1バグ集塵機にてダイオキシン類を十分に捕集することができなかった場合でも、かかる直引系排気管路からの排ガスを建屋系排気管路の排ガスに合流させ、温度低下させることによって排ガス中のダイオキシン類を固化させることができ、第1バグ集塵機を通過したダイオキシン類を建屋系排気管路の第2バグ集塵機にて良好に捕集できるといった効果が得られる。
この場合においてダイオキシン類等有害物質の除去効率を上げるためには活性炭の吹込み量を多くする必要がある。
しかしながらこの場合活性炭の使用量が多くなって、活性炭に要する所要コストが増加してしまう。
しかしながらこの場合においても設備増強に伴うコスト増は避けられない。
即ち本発明では、排ガス中に吹き込んだ粉粒状の活性炭を単に排ガス管路内で排ガスと混合して排ガス浄化を行うだけでなく、逆洗時にバグフィルタのダスト付着側とは反対側の表面に活性炭層を積層形成して、排ガスがバグフィルタを通過する際に活性炭層を通過させて、活性炭層の吸着作用により排ガス浄化を行う。
かかる本発明によれば、濾過作用時においてダストが取り除かれた後の排ガスが活性炭層を通過することとなるため、活性炭層による浄化効率を高めることができる。
バグフィルタに付着したダストはそれ自身が濾材として働き、排ガスがバグフィルタを通過する際(順方向に通過する際)に排ガス中のダストを濾過する働きをなすが、バグフィルタへのダストの付着量は次第に多くなってくるため、定期的に逆洗をして過剰量をバグフィルタから除去することが必要となる。
本発明ではその際に同時に活性炭がバグフィルタのダスト側とは反対側の表面に自動的に付着させられて活性炭層を形成する。従って本発明によれば活性炭層形成のための特別の工程を特に必要としないのである。
しかるに本発明では第1バグ集塵機のバグフィルタに活性炭層を形成しておくため、排ガス中のダイオキシン類が固化する前の状態であっても活性炭層を通過する際にこれを良好に吸着除去することができる。
しかるに本発明によればダイオキシン類の前駆体も第1バグ集塵機のバグフィルタを通過する際に、そこに形成された活性炭層にて吸着除去されるため、その後のダイオキシン類の再生成が防止される。
更に直引系排気管路を流れて建屋系排気管路に合流した排ガスは、そこで温度低下するために未固化のダイオキシン類が固化して建屋系排気管路の第2バグ集塵機に活性炭とともに捕集される。
この第2バグ集塵機のバグフィルタに捕集された活性炭は、引き続いてこれを通過する排ガスに対する吸着作用も行い、排ガス浄化に寄与する。
図1において、10は電気炉としてのアーク炉で電極棒12が備えられている。
14は電気炉10の排ガスを直接吸引して排出する直引系吸引管路で、18は電気炉10の上方に設けられた建屋フードとしての天井フードであり、16はこの天井フード18から電気炉10の上方空間の排ガスを吸引して排出する建屋系排気管路である。
直引系排気管路14には、電気炉10の側から順に燃焼塔20,冷却塔22,第1バグ集塵機24,後述する活性炭吹込み装置42から吹き込まれた活性炭と排ガスとを混合するための混合塔26及び送風機48と30とが設けられている。
一方、建屋系排気管路16には送風機34に続いて第2バグ集塵機36が設けられている。
これに続く冷却塔22は、冷却水を通水するラジエータを内蔵し、燃焼塔20からの排ガスの温度を後続工程の第1バグ集塵機24のバグフィルタ62の耐熱温度である250℃以下に冷却する。
冷却塔22から流出した排ガスは続いて第1バグ集塵機24に通されて、その第1バグ集塵機24に備えられたバグフィルタ62の濾過作用で排ガス中のダストが捕集され集塵される。
この活性炭吹込装置42は、直引系排気管路14内に粉粒状の活性炭を吹き込むもので、活性炭を貯溜するホッパ44と送風機45とを備えている。
この活性炭吹込装置42では、送風機45からの送風によってホッパ44内に収容されている粉粒状の活性炭を吹込口46から直引系排気管路14内に吹き込んで排ガス中に混合させる。
尚この混合塔26には、上記と同様の活性炭吹込装置42が付設されている。
この混合塔26に付設された活性炭吹込装置42は、直引系排気管路14に直接接続された活性炭吹込装置42と異なって、ホッパ44内部に貯溜した粉粒状の活性炭を直接混合塔26のハウジング25内に吹き込み、これを混合塔26内で排ガスと混合させる。
尚、40は各チャンバ54の底部からのダストを搬出するコンベヤである。
図示のようにこの第1バグ集塵機24は、排ガスの流入口56及び流出口58を備えたチャンバ54と、その内部に吊設されてチャンバ内を流入口56側の空間と流出口58側の空間とに区画するバグフィルタ62とを有する濾過ユニット52を複数連(図示では2連)有しており、それら濾過ユニット52のそれぞれが直引系排気管路14に並列接続されている。
ここでバグフィルタ62は濾布を袋状に縫製して成るもので、その内部を流入口56に連通させる状態でチャンバ54内に配設されている。
尚各チャンバ54の流入口56は、連絡管路70にて互いに連絡されている。
更に各チャンバ52の底部には、バグフィルタ62から払い落とされたダストを排出する排出口60が設けられている。
これら排出口60から排出されたダストは、図1のコンベヤ40にて搬出除去される。
そして排ガスがバグフィルタ62を通過することによって、排ガス中のダストが各バグフィルタ62の内面に付着して堆積し、バグフィルタ62の内面に図2(B)に示しているようにダスト72の層を形成する。
このダスト72の層は濾材として働き、排ガス中のダストをバグフィルタとともに濾過作用にて排ガスから除去する。
尚図2(B)において、矢印はバグフィルタ62による濾過作用時の順方向の流れの向きを表している。
また今一方の分岐口に、第1バグ集塵機24の下流部において直引系排気管路14から分岐して延び出した逆洗用管路68、詳しくは逆洗用管路68におけるチャンバ54への流入側管路68aが接続されている。
そしてその分岐部には、各チャンバ54の流出口58を流出側管路14bと逆洗用管路68における流入側管路68aとの一方に連通させ、他方との連通を遮断するダンパ76が設けられている。
即ちこの連絡管路70もまた逆洗用管路68の一部を成し、流入側管路14aの一部と逆洗用管路68の一部とを兼用している。
(C)において矢印はその逆洗時の、濾過作用時とは逆方向の流れの向きを表している。
この実施形態では逆洗用管路68、詳しくはチャンバ54への流入側管路68aと流出側管路としての連絡管路70及び切替手段としてのダンパ76にて逆洗装置66が構成されている。
この活性炭吹込装置43においても、ホッパ44と送風機45とを有しており、ホッパ44内に貯溜した粉粒状の活性炭を送風機45の送風作用により、吹込口46から直引系排気管路14内の取出口78の上流部に吹き出し、排ガス中に混合させる。
そしてバグフィルタ62内面へのダスト72の付着量が過剰となったところで、複数ある(この実施形態では2個)濾過ユニット52の何れかについて逆洗を行い(他の濾過ユニット52については通常通りの濾過作用を行わせる)余剰のダストをバグフィルタ62から除去する。
また本実施形態では、バグフィルタ62のダスト付着側と反対側の面に活性炭層74を形成するものであることから、濾過作用時においてダスト72が取り除かれた後の排ガスが活性炭層74を通過することとなり、活性炭層74による浄化効率を高めることができる。
更にダイオキシン類の前駆体もまた、排ガスが活性炭層74を通過する際にこれを吸着除去することができ、前駆体が第1バグ集塵機24を通過して、その後にダイオキシン類を再生成することを良好に防止することができる。
更に直引系排気管路14を流れて建屋系排気管路16に合流した排ガスは、そこで温度低下するために未固化のダイオキシン類が固化して建屋系排気管路16の第2バグ集塵機36に活性炭とともに捕集される。
この第2バグ集塵機36のバグフィルタ62に捕集された活性炭は、引き続いてこれを通過する排ガスに対する吸着作用も行い、排ガス浄化に寄与する。
例えば本発明では取出口78より下流側に設けた活性炭吹込装置42を場合によって省略したり、あるいは更に追加することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
18 天井フード(建屋フード)
14 直引系排気管路
16 建屋系排気管路
24 第1バグ集塵機
36 第2バグ集塵機
42、43 活性炭吹込装置
52 濾過ユニット
54 チャンバ
56 流入口
58 流出口
62 バグフィルタ
66 逆洗装置
68 逆洗用管路
74 活性炭層
76 ダンパ(切替手段)
78 取出口
Claims (2)
- 電気炉操業に際して発生する排ガスを、(イ)排ガスの流入口及び流出口を有するチャンバと、(ロ)該チャンバ内において該流入口側の空間と該流出口側の空間とを区画するバグフィルタとを有する複数の濾過ユニットのそれぞれを排気管路に並列接続して成るバグ集塵機に通して、該バグフィルタの濾過作用により該排ガス中のダストを捕集する排ガス処理方法であって、
前記バグ集塵機より下流側の前記排気管路内の排ガスの一部を取り出して前記チャンバに導き、該チャンバ内を前記濾過作用時とは逆方向に通過させて逆洗を行わせる逆洗用管路と、該排ガスの流れを前記濾過作用時の順方向の流れと該逆洗作用時の逆方向の流れとに切り替える切替手段とを有する逆洗装置を設けるとともに、該バグ集塵機の下流部であって且つ前記逆洗用管路への排ガスの取出口より上流部において前記排気管路内に粉粒状の活性炭を吹き込む活性炭吹込装置を設け、吹き込んだ活性炭と排ガスとを混合して排ガスを浄化するとともに、前記逆洗時に該活性炭を前記バグフィルタの前記ダストの付着側とは反対側の表面に付着させて活性炭層を形成せしめ、前記濾過作用時において排ガスを該活性炭層を通過させて浄化を行うことを特徴とする排ガスの処理方法。 - 請求項1において、前記電気炉の排ガスを直接吸引して排出する直引系排気管路に第1バグ集塵機を設けるとともに、該電気炉の上方の建屋フードから該電気炉の上方空間の排ガスを吸引して排出する建屋系排気管路に第2バグ集塵機を設けて、該第1バグ集塵機を通過した直引系排気管路からの排ガスを該第2バグ集塵機の上流側で前記建屋系排気管路に合流させ、該直引系排気管路からの排ガスを該建屋系排気管路の排ガスへの合流により温度低下させるとともに、該直引系排気管路からの排ガス中に混合した前記活性炭を前記第2バグ集塵機にて捕集することを特徴とする排ガス処理方法。
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