JPH11123318A - 窒素酸化物を含むガスの浄化装置 - Google Patents

窒素酸化物を含むガスの浄化装置

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JPH11123318A
JPH11123318A JP10128006A JP12800698A JPH11123318A JP H11123318 A JPH11123318 A JP H11123318A JP 10128006 A JP10128006 A JP 10128006A JP 12800698 A JP12800698 A JP 12800698A JP H11123318 A JPH11123318 A JP H11123318A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SCR 装置のランニングコストを十分低減する
ことができる窒素酸化物を含むガスの浄化装置を提供す
ること。 【解決手段】 窒素酸化物を含むガスを浄化するため
に、ガスは熱交換器(1) で予備加熱されバーナー(41)に
より再加熱され還元剤との混合した後、窒素酸化物を還
元するために還元触媒(60)に供給される一方、熱交換器
(1) は、触媒(60)を通過した脱窒素化ホットガスによっ
て加熱される。使用した熱交換器(1) は、セラミック製
蓄熱充填材(8,9) で満たされた少なくとも2つの蓄熱室
(6,7) を備えており、浄化されるガスは各蓄熱室(6,7)
の蓄熱充填材(8,9) によって交互に予備加熱されるが、
この蓄熱充填材(8,9) は、他の蓄熱室(7,6) に反して触
媒を通過したホットガスによって前段階で加熱されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物を含む
ガスを浄化する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】還元剤の付加による窒素酸化物の浄化
は、選択的触媒脱窒素化法あるいは還元法あるいはSCR
法として知られている。ガス中に含まれる窒素酸化物NO
X (主に一酸化窒素と二酸化窒素) は、還元剤とともに
触媒作用により窒素と水に分解される。還元剤としてア
ンモニアNH3 を使用する場合、次の化学反応が起こる。
【0003】
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【0004】触媒の使用により、170 〜450 ℃、NH3/NO
比0.5 〜1の条件下でNOX の還元が可能となる。アンモ
ニアは、ガスまたは水溶液として使用される。尿素、酢
酸アンモニウムあるいは炭化水素類などの他の還元剤を
使用することも可能である。還元剤は、未処理ガスが触
媒層に供給される前に注入される。最も頻繁に使用され
るSCR 触媒は、主成分(担体) として二酸化チタンが含
まれている。その他の成分は、五酸化バナジウム及びタ
ングステン化合物とモリブデン化合物である。例えば、
JP76-68907はTiO2担体上に活性物質としてV 及びNb化合
物を担持した触媒について記述されている。DE3 821 48
0 中に記述されている触媒は、TiO2,V,Mo,W 及びZnから
なる。DE 26 17 744は、更にSnを追加することを特徴と
している。
【0005】一方、酸化物担体上のFe(EP 0 667 181 A
1) 、例えばCe(WO/17949)、Cu(DE 4413 359)、Ag及びPt
(EP 0 682 975 A1) などゼオライト担体上の各種活性成
分、あるいは例えばスピネルZnAl2O4(EP 0 676 232 A1)
などシンプルな金属酸化物など、その他の触媒成分も記
述されている。ダイオキシンあるいはフラン減少もまた
SCR 触媒により進行されえる(WO91/04780)。
【0006】更に、燃焼装置からの未処理エアには、触
媒上で三酸化硫黄に酸化される二酸化硫黄(SO2) がしば
しば含まれており、硫酸水素アンモニウムあるいは硫酸
アンモニウムによる腐食あるいはクロッギングを引き起
こす。このため、NOx 浄化触媒開発における一つの焦点
は、SO2 の酸化を抑制させることである。SCR 装置は、
いわゆる"high-dust" 回路の形成においてガス浄化シス
テム中に挿入されるか、あるいはフィルタ及び脱硫装置
の後段に設置される。
【0007】"high-dust" 回路の場合において、SCR 装
置はタンクに直接接続される。このアセンブリの利点
は、簡単な構造と熱ロスの少なさにある。しかしなが
ら、スモークガスの損害を与える付加成分、特にダスト
の濃度レベルが、触媒寿命に極めて重大な影響を与え
る。このように難易度は、ガス燃料からオイル燃料を経
て石炭燃料の順に増加する。SCR 装置が、ダストを除去
するフィルタ装置及び脱硫装置の後段に配置される場
合、未処理ガスは脱硫装置において冷却される。冷却さ
れた未処理ガスは、脱窒素化のために再び加熱されなけ
ればならないので、このアセンブリは多くのエネルギを
必要とする。
【0008】この熱エネルギの少なくとも一部を回収す
るために、通常触媒を通過し脱窒素化されたホットガス
が、浄化される未処理ガスを予備加熱するスチール熱交
換器が利用されている。しかしながらこのようなチュー
ブ式熱交換器は、未処理ガス流により高い圧力損失を与
えられる。そのため、装置運転のために相応の能力を有
するファンを使用しなければならない。更に、このよう
な熱交換器の熱交換率が不十分であるため、既設設備で
は相応の高いエネルギコストが必要となっている。更
に、この種の熱交換器は清掃が難しく、またスチール製
であるために腐食の問題に曝されている。
【0009】EP-A 0 472 605は、セラミック製蓄熱充填
材で満たされた二つの蓄熱層においてガスが交互に加熱
冷却される、有機炭素化合物を含むガスの浄化のための
蓄熱燃焼装置について述べられている。蓄熱充填材によ
り加熱されたガスは、燃焼室内において有機炭素化合物
の燃焼熱によって更に加熱され、ヒータにより再加熱さ
れる。蓄熱充填材は、プリズム形蓄熱体から構成されて
おり、ガスの流れ方向にプリズムの主要な軸をあせて配
置されている。また、プリズムの主要な軸に平行且つ直
線的な連続した複数のチャンネルを持っていて、プリズ
ム両端面にその孔が開いている。押出し成形された蓄熱
体は、複数の層に配置されている。
【0010】EP-A 0 472 605は、各蓄熱室のいくつかの
蓄熱充填材を同様のチャンネルを備えた還元触媒体に置
換することが可能であるとも記述している。蓄熱燃焼装
置において、蓄熱充填材は800 ℃を越える温度と極端な
熱衝撃に曝される。しかしながら、特に金属酸化物から
なる還元触媒は低い温度耐性、及び、特に低い耐温度衝
撃性を有している。ガス入口側の温度は比較的低温度な
ので、蓄熱燃焼装置の蓄熱室に配置可能かどうかガス入
口側部分に触媒を配置することにより、問題を解決する
ための試みが実施されてきた。しかしながら、触媒は短
期間後置換されなければならない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の問題点を解決して、SCR 装置のランニングコスト
を十分低減することができる窒素酸化物を含むガスの浄
化装置を提供することを目的として完成されたものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の窒素酸化物を含むガスの浄化装置
は、各蓄熱室の一端に未処理ガスの供給ダクト及び蓄熱
室により冷却される脱窒素化ガスの排気ダクトを接続
し、また各蓄熱室の他端に各蓄熱室により予備加熱され
た未処理ガスの排気ダクトあるいは脱窒素化ホットガス
の供給ダクトを接続しているとともに、2つのメイン遮
断装置を備えており、これら各メイン遮断装置は、上部
壁、下部壁及び各部屋を各々2つの小部屋に仕切る仕切
壁が上部壁及び下部壁間に設けられた部屋から構成され
ていて、各小部屋には、上部壁と下部壁に各1 個開閉可
能な開孔があり、各小部屋の2個一対の開孔を開閉する
ためにダンパーディスクを操作するコントロールユニッ
トが設けられており、前記メイン遮断装置の小部屋は蓄
熱室と未処理ガスの供給ダクトを接続しているととも
に、他方の小部屋は他の蓄熱室と冷却された脱窒素化ガ
スの排気ダクトを接続しており、一方、他のメイン遮断
装置の小部屋は蓄熱室と予備加熱された未処理ガスの排
気ダクトを接続しているとともに、他方の小部屋は他の
蓄熱室と脱窒素化ホットガスの供給ダクトを接続してい
る窒素酸化物を含むガスの浄化装置であって、窒素酸化
物を含む未処理ガスは、予備加熱するために蓄熱体を充
填した2つの蓄熱室に交互に供給されてバーナーにより
再加熱され、還元剤と混合された後、窒素酸化物を還元
するために還元触媒に供給される一方、触媒を通過し脱
窒素化されたガスは、反対に他の蓄熱室の蓄熱体を加熱
し、更に、未処理ガスを蓄熱室に供給し脱窒素化したガ
スを他の蓄熱室に交互に供給するために、各蓄熱室の一
端は未処理ガスの吸引ダクトと冷却された脱硝済みガス
の排気ダクトと交互に接続され、各蓄熱室の他端は予備
加熱された未処理ガスの排気ダクトと脱窒素化ホットガ
スの供給ダクトと交互に接続されていることを特徴とす
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を示す。本発明装置において、浄
化されるガスを還元触媒を通過し脱窒素化したホットガ
スにより予備加熱するために使用される熱交換器は、セ
ラミック製蓄熱充填材により満たされた少なくとも2つ
の蓄熱室を有する装置である。触媒を通過し脱窒素化し
たホットガスは、各蓄熱室の蓄熱充填材を加熱するため
に、各蓄熱室に対して交互に供給される。ある蓄熱室
が、その蓄熱充填材を加熱するために脱窒素化したホッ
トガスを供給されるのに対して、熱交換器の他方の蓄熱
室は先に蓄熱充填材が加熱されており、予備加熱するた
めに浄化される未処理ガスが供給される。
【0014】セラミック製蓄熱充填材は、押し出し成形
されたセラミック製のプリズム形蓄熱体であって、ガス
の流れ方向に沿って引き延ばされた、複数のガスチャン
ネリングを有することが望ましい。このような装置は、
例えば90%あるいはそれ以上の高い熱交換率を低圧力損
失で達成することが可能である。更に、セラミック製蓄
熱体は、耐腐食性に非常に優れている。
【0015】蓄熱体は、長さ0.2m〜0.6mであって、且つ
直径は0.1m〜0.3mであることが望ましい。チャンネルの
径は、2mm〜8mmであることが望ましく、チャンネル間
の壁の厚さは、0.5mm 〜1.5mm であることが望ましい。
蓄熱体の比表面積は、例えば500 〜1,000m2/m3が可能で
ある。この蓄熱体は、例えばポーセライン、ムライトあ
るいはコージェライトから製造される。
【0016】蓄熱体は、一般に複数層配置される。層間
距離は、5〜50mmであることが望ましい。このため、セ
ラミック脚として形成される層間ピースを使用する。蓄
熱体をスチールバスケット中に配置することも可能であ
る。蓄熱室の内側を十分に利用するため、蓄熱層の内壁
と蓄熱充填材の間には、同時に断熱材としてもはたらく
シールが備えられており、該シールは例えばセラミック
ファイバーあるいはセラミックタイルから構成されてい
る。
【0017】本発明装置は、同時に未処理ガスから特に
フラン類及びダイオキシン類など、有機性不純物を除去
するために使用されることも可能である。この目的のた
めに還元触媒は、未処理ガスの流れ方向に対して酸化触
媒の前段に配置される。還元剤が、還元触媒上で消費さ
れるので、必要な酸化環境は、酸化触媒のエリアに存在
する。この還元触媒は、最初に述べた方法において製造
され、また酸化触媒も同様に製造される。本発明装置に
おいて使用される還元剤は、アンモニアが望ましく、例
えば尿素の分解や水酸化アンモニウムの蒸発によっても
形成され得る。
【0018】SCR 装置における問題は、アンモニアスリ
ップと呼ばれる。即ち、触媒上で変化されなかった微量
のアンモニアが、そのまま装置を通過することである。
合法的な規則は、排出したガス中に僅かな量のアンモニ
アだけが含まれるかもしれないことを条件として要求す
る。本発明の装置は、このようなアンモニアスリップな
しに高い脱窒素化率を達成する。この目的のために、バ
ーナーにより再加熱された未処理ガスの分流は、本発明
に従って分岐され、予備混合室中にて還元試薬と混合さ
れることが望ましい。予備希釈された還元剤は、その後
メイン混合室中にてメイン未処理ガス流と混合される。
還元剤を予備希釈するために使用される未処理ガス分流
は、未処理ガス総流量の2〜20 vol%、特に5〜10 vol
%であることが望ましい。
【0019】還元剤と混合するための未処理ガス分流
は、最大温度(350〜500 ℃) を持つようにバーナーのフ
レームエリアより分流される。この目的のために、バー
ナーのフレームエリアから予備混合室に接続された枝ダ
クトが与えられている。未処理ガスの分流が高い圧力で
予備混合室に供給されるように、この枝ダクト中にファ
ンが設置されている。
【0020】予備混合室は、テーパー状端を備えたシリ
ンダーからなることが望ましい。未処理ガスの分流はシ
リンダーに対して接線方向から供給され、一方、還元剤
は中間あるいは軸エリアに注入されることが望ましい。
予備希釈された還元剤は、その後テーパー状端を経てメ
イン混合室に流れる。未処理ガスの分流を接線方向から
供給することは、予備混合室の内壁上にホット未処理ガ
ス層を形成し、還元剤の均一な渦巻きを引き起こす要因
となる。もし還元剤が、水溶液として加えられた場合、
同時に液体の滴が予備混合室の内壁上に堆積することを
防ぐ。
【0021】未処理ガスの分流を、望ましくは少なくと
も15m/sec の高速度で予備混合室に供給するために、未
処理ガス分流用枝ダクトにファンが設置されている。溶
液の方が加圧されたアンモニアガスよりも取扱が容易で
あるので、還元剤としては、気体アンモニアよりも水酸
化アンモニウムあるいは尿素水溶液が望ましい。水酸化
アンモニウムあるいは尿素水溶液が使用されるとき、予
備混合室中の水は、例えば400 ℃のホット未処理ガスに
より直ちに蒸発される。同時に尿素はアンモニアに分解
される。この方法により、高均一なアンモニア/未処理
ガスの混合ガスが予備混合室中で形成される。
【0022】予備希釈されたアンモニアは、その後メイ
ン混合室に供給される。この目的のために、メインガス
流の流れ方向に沿って配置されたパイプからなる熊手状
散布管がメイン混合室中に設置されている。パイプに
は、希釈されたアンモニアガスがメイン未処理ガス流の
流れ方向に対して垂直に注入されるように、少なくとも
全長の一部円周上にノズルが与えられている。予備希釈
アンモニアがメインガス流に供給される速度は、少なく
とも30m/sec 、好ましくは40〜60m/sec である。
【0023】この目的のために、予備希釈されたアンモ
ニアは、少なくとも20mbの加圧により熊手状散布管に供
給される。この加圧は、バーナーと予備混合室を接続す
る枝ダクト中に設置された前述のファンによって与えら
れえる。この方法において、メイン混合室中にて、アン
モニアと窒素酸化物を含む未処理ガスの均一な混合が達
成され、アンモニアスリップを防止する。
【0024】アンモニアスリップを防止するための更な
る手段、即ち、還元触媒上においてアンモニアを完全に
消費するための手段として、アンモニアは化学当量で供
給されるのが望ましい。即ち、NH3/NOX モル比は1以下
が望ましく、通常は少なくとも0.5 である。
【0025】未処理ガスは、蓄熱器において約250 〜40
0 ℃に予備加熱される。バーナーは、更に例えば10〜50
℃再加熱することが可能であって、未処理ガスの分流が
分岐されるバーナーのフレームエリアにおける温度は、
バーナーの外部温度と比較して約50〜150 ℃高くなる。
バーナーによる再加熱は、処理ガスを触媒によって脱窒
素化するために必要な温度を与えるだけではない。例え
ば、煙突を通過して大気に放出するまで、温度勾配を類
似にし、且つ装置内におけるガス流速を類似に保つ。
【0026】以下に、本発明を図面とともに詳細に説明
する。図1に示すように、窒素酸化物を含むガスを浄化
するための装置は、蓄熱式熱交換器1、メイン混合室2
及びSCR 反応装置3を備えている。窒素酸化物を含む未
処理ガスは、排出源4からダクト5を経て熱交換器1に
流れる。この目的のために、ファン(図示せず)は、ダ
クト5中に設置されている。
【0027】図4に示すように、熱交換器1は、蓄熱充
填材8、9が配置された2つの蓄熱室6、7からなる。
蓄熱充填材8、9は、上述のように複数のガスチャンネ
ルが配列された立方形あるいはプリズム形蓄熱体からな
る。2つのメイン遮断装置11、11' は2つの蓄熱室
6、7の間のスペース10に設置される。図6に示すよ
うに、各メイン遮断装置11、11' は、上部壁13、
下部壁14及び上下部壁13、14間に配置された仕切
壁15を備えた部屋12から構成される。
【0028】仕切壁15は、斜めに配置されており、部
屋12を2つの小部屋16、17に分割している。各小
部屋16、17は、その上部壁13及び下部壁14上に
ダンパーディスク18、19により閉じられる孔20、
21;22、23を有する。それ故各小部屋16、17
は、各小部屋16、17に割り当てられたダンパーディ
スク18、19により開閉される両壁面に2つの孔2
0、21;22、23を有している。各ダンパーディス
ク18、19は、この目的のために空圧あるいは油圧ピ
ストン/シリンダーユニットとして形成されるコントロ
ールユニット24a、24bに固定されている。
【0029】メイン遮断装置11の上下壁13、14
は、それぞれ予備室25、26に接続されている。上部
メイン遮断装置11' も、同様に形成されている。それ
故、対応する部品には同じ参照番号を付与して' をつけ
てある。下部メイン遮断装置11の予備室26に未処理
ガス吸引ダクト5が接続されている。浄化される未処理
ガスは、予備室26から開孔20を通過してメイン遮断
装置11の小部屋16に流れ、そこから矢印28に示さ
れるように、蓄熱室7の分散室30に流れる。更にサポ
ートグリッド30' を通過し、前段階でSCR 反応装置3
より排出された脱窒素化ホットガスにより加熱されたセ
ラミック製蓄熱充填材9を通過する。
【0030】蓄熱充填材9より排出された、例えば300
℃に予備加熱された未処理ガスは、矢印38に示される
ように、蓄熱充填材9上部のスペース34を通過し小部
屋16' に流れ、そこから更に開孔21' を経て上部メ
イン遮断装置11' の予備室25' に流れる。脱窒素化
ホットガスは、SCR 反応装置3からダクト32(図1参
照)を経て、上部メイン遮断装置11' の予備室26'
に供給される。そこから更に矢印35に示されるように
開孔22' を経て、他の蓄熱室6における蓄熱充填材8
上部のスペース33に流れる。
【0031】蓄熱充填材8を通過するときに脱窒素化ホ
ットガスは、その熱を蓄熱充填材8に放出し、矢印37
に示されるように、冷却されたガスとしてスペース29
から小部屋17(図6参照)を経た後、開孔23を通過
し下部メイン遮断装置11の上部予備室25に流れる。
なお、図1に示されるように、ダクト36は予備室25
と煙突を接続している。
【0032】蓄熱室7の蓄熱充填材9が、その熱を浄化
される窒素酸化物を含むガスに放出したとき、浄化され
るガスは、その間に脱窒素化ホットガスにより加熱され
ていた蓄熱室6の蓄熱充填材8に供給される。一方、脱
窒素化ホットガスは、蓄熱充填材9を再加熱するために
蓄熱室7に供給される。この目的のため、孔22を開
け、孔23を閉じるためにダンパーディスク19をコン
トロールユニット24aにより操作する。そして、孔2
1を開け、孔20を閉じるためにダンパーディスク18
をコントロールユニット24bにより操作する。更に、
孔23' を開け、孔22' を閉じるためにダンパーディ
スク19'をコントロールユニット24a' により操作
する。そして、孔20' を開け、孔21' を閉じるため
にダンパーディスク18' をコントロールユニット24
b'により操作する。
【0033】これにより浄化されるガスは2つの蓄熱室
6、7に交互に供給され、脱窒素化されたホットガス
は、逆に他の蓄熱室7、6を通過する。実施されている
交互ガス供給を可能にするために、蓄熱室6、7の一端
は、未処理ガス吸引ダクト5及び蓄熱充填材8、9を通
過した冷却済みガス用の排気ダクト36と交互に接続さ
れている。一方、蓄熱室6、7の他端は、予備加熱され
た未処理ガスの排気ダクト40あるいは脱窒素化ホット
ガス用の供給ダクト32と交互に接続されている。
【0034】蓄熱充填材8、9は、蓄熱室6、7の壁3
9とシール材62によりシールされているとともに、同
時に断熱されている。予備加熱された未処理ガス用の排
気ダクト40(図1参照)は、上部メイン遮断装置1
1' の予備室25' とメイン混合室2のフロントエリア
に配置されたバーナー41間に接続されている。バーナ
ー41は、例えば300 ℃に予備加熱された未処理ガスを
例えば更に20〜30℃再加熱する。未処理ガス総流量の例
えば5〜10%が、約400 ℃に加熱されているバーナー4
1のフレームゾーン42より枝ダクト43を経て分流さ
れる。この目的のために、枝ダクト中にファン44が設
置される。この分岐された加熱未処理ガス分流は予備混
合室45に流れるとともに、この予備混合室45内でパ
イプ46を経て注入される還元剤と混合される。なお、
この予備混合室45は、図2に示すように、シリンダー
47とテーパー状下端48からなる。
【0035】加熱された未処理ガス分流は、ダクト43
を経て側面接線方向からシリンダー47に供給される。
一方、例えば尿素水溶液などの還元剤は、パイプ46か
らテーパー状端48の反対側面50上の中央軸エリアよ
り注入される。螺旋状の矢印55により示されるよう
に、未処理ガス分流を接線方向からの供給することによ
り、予備混合室45中に渦巻きが形成され、シリンダー
壁47上にホットガス層を導く。高速なホットガス層
は、尿素水溶液中の水を直ちに蒸発させ、尿素をアンモ
ニアに分解する。同時にホットガスとアンモニアを十分
混合する。
【0036】テーパー状端48から、未処理ガス分流に
より予備希釈されたアンモニアがパイプ51を経てメイ
ン混合室2に供給される。パイプ51に接続された熊手
状散布管52は、メイン混合室2中のバーナー41の後
段に配置されている。熊手状散布管52は、図3に示す
ように、矢印56によるメインガス流の向きに対して横
切り、バーナー方向に引き延ばされた複数のパイプ53
からなる。パイプ53には、例えば20mbに加圧された希
釈アンモニアを、例えば約60m/sec の流速で、矢印62
で示されるメイン未処理ガス流の流れ方向57に対して
約90度の角度で供給するよう、全長にわたり両面にノズ
ル57が配置されている。
【0037】予備混合室45とメイン混合室2による2
段階混合は、還元剤と浄化されるガスを十分均一に混合
する。更に、混合状態を高めるためにクロスプレートあ
るいは類似した邪魔板からなる静的ミキサー58が、ガ
スを渦巻くために熊手状散布管52の後段に配置されて
いる。SCR 反応装置3は、メイン混合室2の後段に配置
されており、処理ガス中に含まれるNOX を注入したアン
モニアにより窒素と水に還元処理する還元触媒の層60
を含んでいる。
【0038】ガスは、その後、同じ触媒であるが酸化触
媒として作用する触媒層61を通過する。層61におい
て、特にダイオキシン類及びフラン類などの有機化合物
が酸化される。還元剤の供給量は、吸引ダクト5中にお
けるNOX 濃度と吸引風量を連続的に測定し、NOX 濃度と
吸引風量からアンモニアの必要な量を算出することによ
り可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明はSCR 装置のランニングコストを十分低減することが
できるものである。よって本発明は従来の問題点を一掃
した窒素酸化物を含むガスの浄化装置として、産業の発
展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す全体概略図である。
【図2】予備混合室を示す断面図である。
【図3】メイン混合室を示す断面図である。
【図4】蓄熱式熱交換器を示す横断面図である。
【図5】蓄熱式熱交換器を示す縦断面図である。
【図6】メイン遮断装置の透視状態をを示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
5 未処理ガスの供給ダクト 6 蓄熱室 7 蓄熱室 8 蓄熱充填材 9 蓄熱充填材 11 メイン遮断装置 12 部屋 13 上部壁 14 下部壁 15 仕切壁 16 小部屋 17 小部屋 18 ダンパーディスク 19 ダンパーディスク 20 開孔 21 開孔 22 開孔 23 開孔 24a コントロールユニット 24b コントロールユニット 32 脱窒素化ホットガスの供給ダクト 36 脱窒素化ホットガスの排気ダクト 60 還元触媒 61 酸化触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スカドラー ヨハネ オーストリア国 A−8042グラーツ市 シ ュミードルシュトラーセ10 ケミッシュ サーミシェ プロセステクニック社内 (72)発明者 タルハマー ヘイモ オーストリア国 A−8042グラーツ市 シ ュミードルシュトラーセ10 ケミッシュ サーミシェ プロセステクニック社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各蓄熱室(6,7) の一端に未処理ガスの供
    給ダクト(5) 及び蓄熱室(6,7) により冷却される脱窒素
    化ガスの排気ダクト(36)を接続し、また各蓄熱室(6,7)
    の他端に各蓄熱室(6,7) により予備加熱された未処理ガ
    スの排気ダクト(40)あるいは脱窒素化ホットガスの供給
    ダクト(32)を接続しているとともに、2つのメイン遮断
    装置(11,11')を備えており、これら各メイン遮断装置(1
    1,11')は、上部壁(13,13')、下部壁(14,14')及び各部屋
    (12,12')を各々2つの小部屋(16,16',17,17') に仕切る
    仕切壁(15,15')が上部壁(13,13')及び下部壁(14,14')間
    に設けられた部屋(12,12')から構成されていて、各小部
    屋(16,16',17,17') には、上部壁(13,13')と下部壁(14,
    14')に各1 個開閉可能な開孔(20,20',21,21',22,22',2
    3,23') があり、各小部屋(16,16',17,17') の2個一対
    の開孔(20,20',21,21',22,22',23,23') を開閉するため
    にダンパーディスク(18,18',19,19') を操作するコント
    ロールユニット(24a,24a',24b,24b') が設けられてお
    り、前記メイン遮断装置(11)の小部屋(16,17) は蓄熱室
    (6,7) と未処理ガスの供給ダクト(5) を接続していると
    ともに、他方の小部屋(17,16) は他の蓄熱室(7,6) と冷
    却された脱窒素化ガスの排気ダクト(36)を接続してお
    り、一方、他のメイン遮断装置(11') の小部屋(16',1
    7') は蓄熱室(6,7) と予備加熱された未処理ガスの排気
    ダクト(40)を接続しているとともに、他方の小部屋(1
    7',16') は他の蓄熱室(7,6) と脱窒素化ホットガスの供
    給ダクト(32)を接続している窒素酸化物を含むガスの浄
    化装置であって、窒素酸化物を含む未処理ガスは、予備
    加熱するために蓄熱体を充填した2つの蓄熱室に交互に
    供給されてバーナーにより再加熱され、還元剤と混合さ
    れた後、窒素酸化物を還元するために還元触媒に供給さ
    れる一方、触媒を通過し脱窒素化されたガスは、反対に
    他の蓄熱室の蓄熱体を加熱し、更に、未処理ガスを蓄熱
    室に供給し脱窒素化したガスを他の蓄熱室に交互に供給
    するために、各蓄熱室の一端は未処理ガスの吸引ダクト
    と冷却された脱硝済みガスの排気ダクトと交互に接続さ
    れ、各蓄熱室の他端は予備加熱された未処理ガスの排気
    ダクトと脱窒素化ホットガスの供給ダクトと交互に接続
    されていることを特徴とする窒素酸化物を含むガスの浄
    化装置。
  2. 【請求項2】 メイン遮断装置(11,11')が、2つの蓄熱
    室(6,7) 間のスペース(10)に配置されている請求項1記
    載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  3. 【請求項3】 未処理ガス分流用の枝ダクト(43)が、バ
    ーナーのフレームゾーン(42)から還元剤が供給される予
    備混合室(45)に接続されている請求項1または2記載の
    窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  4. 【請求項4】 枝ダクト(43)にファン(44)を備えた請求
    項3記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  5. 【請求項5】 予備混合室(45)が、テーパー状端(48)を
    有したシリンダー(47)からなり、未処理ガスの分流が該
    シリンダー(47)に対して接線方向から供給されるととも
    に、還元剤がシリンダー(47)の中央軸部分より供給さ
    れ、テーパー状端(48)が、未処理ガスの分流により予備
    希釈された還元剤をメイン未処理ガス流に供給するため
    のダクト(51)と接続されている請求項3記載の窒素酸化
    物を含むガスの浄化装置。
  6. 【請求項6】 未処理ガス分流により予備希釈された還
    元剤が、メイン未処理ガス流と混合されるメイン混合室
    (2) を備えている請求項1または2または3または4ま
    たは5記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  7. 【請求項7】 メイン未処理ガスの流れ方向(56)に沿っ
    て配置されたパイプ(53)からなる熊手状散布管(52)をメ
    イン混合室(2) に設けるとともに、このパイプ(53)には
    予備希釈した還元剤をメイン未処理ガス流の流れ方向(5
    6)に対して垂直に供給するようパイプ(53)の長手方向に
    ノズル(57)が設けられている請求項6記載の窒素酸化物
    を含むガスの浄化装置。
  8. 【請求項8】 触媒が、還元触媒(60)及びダイオキシ
    ン、フラン類を酸化するための酸化触媒(61)の両方から
    なる請求項1記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  9. 【請求項9】 全未処理ガス量の2〜20vol %を全未処
    理ガスから枝ダクト(43)に分流する請求項3記載の窒素
    酸化物を含むガスの浄化装置。
  10. 【請求項10】 還元剤が、尿素水溶液あるいは水酸化
    アンモニウムあるいはアンモニアガスからなる請求項1
    記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  11. 【請求項11】 予備加熱された未処理ガスが、バーナ
    ーにより更に10〜50℃昇温加熱される請求項1または2
    または3または4または5または6または7または8ま
    たは9または10に記載の窒素酸化物を含むガスの浄化
    装置。
  12. 【請求項12】 未処理ガス分流が分岐されるバーナー
    (41)のフレームゾーン(42)の温度が、350 〜500 ℃であ
    る請求項11記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  13. 【請求項13】 蓄熱充填材(8,9) が、ガスの流れ方向
    に沿って配置される多数のガスチャンネルを有するよう
    に成形されたセラミック蓄熱体からなる請求項1に記載
    の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  14. 【請求項14】 蓄熱体が、セラミックピースにより5
    〜50mmの間隔をもって積み重ねられている請求項13記
    載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
  15. 【請求項15】 蓄熱充填材(8,9) と蓄熱室(6,7) の内
    壁(39)間に、断熱シール(62)を備えた請求項13または
    14記載の窒素酸化物を含むガスの浄化装置。
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