JP2002201447A - 磁性体含有接着シート及び磁性体含有接着シートの製造方法 - Google Patents

磁性体含有接着シート及び磁性体含有接着シートの製造方法

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JP2002201447A
JP2002201447A JP2000399433A JP2000399433A JP2002201447A JP 2002201447 A JP2002201447 A JP 2002201447A JP 2000399433 A JP2000399433 A JP 2000399433A JP 2000399433 A JP2000399433 A JP 2000399433A JP 2002201447 A JP2002201447 A JP 2002201447A
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adhesive sheet
varnish
adhesive
sheet
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Hiroshi Inoue
弘 井上
Seiji Saida
誠二 齋田
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Toyo Kagaku Co Ltd
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Toyo Kagaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁性体を接着性樹脂に配合してなる組成物
をシート状に成型して得られる磁性体含有接着シート及
び該磁性体含有接着シートの製造方法の提供。 【解決手段】 シラン系又はチタン系カップリング剤で
処理された粉末状の前記軟磁性体が、接着シートに含有
された磁性体含有接着シート1、及び軟磁性体粉末をシ
ラン系又はチタン系カップリング剤を用いて処理するカ
ップリング処理工程P1と、接着性樹脂をワニス化する
磁性体配合用ワニス製造工程P2と、前期カップリング
処理工程P1でカップリング処理された軟磁性体Mを、
前記磁性体配合用ワニス製造工程P5で調整されたワニ
スWに混合分散させる磁性体混合分散工程P3と、磁性
体配合ワニスW'をシート状に加工するシート化工程P4
と、前記シート化工程P4で得られたシートを乾燥する
乾燥工程P5と、から構成された磁性体含有接着シート
1の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟磁性体と接着性
樹脂から構成された磁性体含有接着シート及び該磁性体
含有接着シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やモバイル機器を代表と
する電気製品の小型薄肉化、軽量化に対する要求に伴っ
て、使用される半導体素子や磁性部品、基板等の小型薄
肉化並びに高集積化が強く求められ始めている。
【0003】これらの要求に対応する技術として、半導
体チップを始めとする実装部品の製造に使用する機能性
接着剤、更には機能性接着シートに対する期待は大き
い。
【0004】例えば、機能性接着剤の例としては、特開
平06−215927号公報、特開平08−12023
4号公報、特開平08−148325号公報に、軟磁性
フェライト粉末を配合した接着剤が開示され、この接着
剤を磁性部品の組立に使用する技術が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年電気・電
子部品に求められている小型化、薄肉化に対する要求は
磁性部品についても例外ではないため、構成部品に加え
て、接合等の加工組立精度と品質安定性が厳しく要求さ
れているところ、磁性体を含有する接着剤では接着層の
厚みの精度を確保することができないという問題があっ
た。
【0006】また、接着剤では、接着層に気泡が残り易
く、その部分が磁気的な空隙となって磁気特性の低下や
ばらつきが発生し、磁性部品の品質安定性に問題を発生
させてしまう。更に、接着剤では、接着面への均一塗布
が難しく、接合時に接着面以外へのはみ出しも発生して
しまうため、ふき取り作業やクリーニング工程等が必要
となる等、加工組立精度、品質並びに製造工程において
技術的課題があった。
【0007】この技術的課題を解決するために、接着剤
をシート化するという技術が想定されるが、金属化合物
である磁性体は有機材料に対して分散性が悪いため、凝
集物が残りやすいことから、磁性体を含有する接着剤を
シート状に成膜することが困難であった。
【0008】また、接着剤シートに筋状の傷や凹凸が残
った場合には、接着信頼性に悪影響を与え、コーター等
の製造装置に傷を付けたり、部品の摩耗を引き起こす等
の問題も予測される。更には、磁性体の比重が大きいこ
とから、製造装置の滞留部において沈降分離し易く、接
着シート中に磁性体を安定配合することが困難であっ
た。
【0009】そこで、本発明は、均一に磁性体粉末が分
散して磁性体配合量のバラツキの無い磁性体含有接着シ
ート及び該磁性体含有接着シートの製造方法を提供する
こと、更に詳細には、多層基板の接着層として使用する
と基板自体の電磁波遮蔽効果が期待でき、また、半導体
チップ用接着シートとして使用することにより、電磁波
遮蔽効果と同時に放熱効果が期待できる等、電気・電子
分野において広く利用又は応用が可能な磁性体含有接着
シート及び該磁性体含有接着シートの製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記目的を達成するた
めに、本発明に係る磁性体含有接着シートでは、以下の
手段を採用する。
【0011】まず、本発明では、軟磁性体と接着性樹脂
からなる接着シートであって、シラン系又はチタン系カ
ップリング剤で処理した前記軟磁性体を、接着シート中
に含有させた磁性体含有接着シートを提供する。
【0012】シラン系又はチタンカップリング処理を行
う理由は、一般的に無機酸化物からなる磁性体粉末は接
着剤等の有機物に対して分散性が悪く、通常の手段では
凝集物が残り易く、かつ接着剤配合物中で沈降分離し易
いことから、磁性体粉末の分散性を良くして、凝集物の
発生を防ぐと共に接着剤配合物中の沈降を防ぐことがで
きるからである。
【0013】ここで、接着シート中に配合される軟磁性
体は、体積平均粒子径(以下平均粒径という)で0.1
〜20μmの磁性体粉末を用いるのが好ましい。この平
均粒径が好ましいのは、0.1μmより小さい場合は、
粉砕にかかるコストが高くなるため工業的に不利となる
一方、20μmを越える場合は、製造過程の滞留部で磁
性体粉末がワニスから沈降分離し易くなり安定製造がで
きなくなるという製造工程上の問題が発生するととも
に、接着シート中に磁気的な空隙が発生し易くなるの
で、磁性部品に使用した場合には、磁気特性が不安定に
なってしまうからである。
【0014】即ち、平均粒径0.1〜20μm範囲内の
磁性体粉末を限定的に用いることは、安定製造の確保と
磁気特性が安定な磁性体含有接着シートを提供できると
いう技術的意義を有している。なお、磁性体の分散をよ
り均一にし、製造装置の滞留部において、ワニスからの
沈降分離を防ぐために、磁性体粉末の平均粒子径は0.
1〜15μmの範囲が特に好ましい。磁性体粉末自体の
製造方法や形状に関しては、特に制限は無く、製造の難
易度や使用目的、接着性樹脂への分散性並びにコスト等
から判断し、最適なものを選択すればよい。
【0015】軟磁性体の配合量は、接着シートのワニス
中の全固形分に対して20〜60体積%配合するのが好
ましい。これは、20体積%より少ない場合は、目的と
する磁束漏洩防止効果が発現しない一方、60体積%を
越えると配合材料の流動性が著しく低下し、シート化す
ること自体が難しくなってしまうからである。また、6
0体積%を越えると、本来の機能である接着性が低下す
ると同時に、得られた接着シートの柔軟性が損なわれて
しまうので、取扱いが難しくなるからである。
【0016】即ち、接着シートに対し軟磁性体を20〜
60体積%配合するという手段は、磁性体含有接着体の
製造工程においてシート化を容易にするとともに、接着
性と柔軟性が確保された磁性体含有接着シートを提供で
きるという技術的意義を有している。
【0017】次に、本発明に係る磁性体含有接着シート
を構成する軟磁性体としては、Ni・Zn系やMn・Z
n系を代表とする軟磁性フェライトを使用することが可
能である。透磁率や絶縁抵抗値から、目的や用途により
適宜選択することができるが、とりわけ、絶縁性を要求
されるケースの多い電気・電子分野での利用を考慮する
と、Ni・Zn系フェライトを選択するのがより好まし
い。
【0018】続いて、本発明に係る磁性体含有接着シー
トを構成する接着性樹脂としては、エポキシ系、ポリイ
ミド系、ポリイミドアミド系、アクリル系、ウレタン
系、シリコーン系、フェノール系、ブチラール系、ある
いは熱可塑性エラストマーの中から選択した樹脂を、単
独あるいは複数組み合わせて使用できる。
【0019】但し、選択に当たっては、シート形成能や
磁性体分散能等のシート化に必要な条件や、接着シート
の強度、剛性、脆性等の観点から評価され得る取扱い
性、接着力、耐熱性等の耐久性、接着面の凹凸に対応し
て密着するために必要な接着シートの柔軟性や流動性を
満足させることが必要になるため、平均分子量、分子量
分布、官能基の種類と量、ガラス転移温度、耐熱性、対
薬品性等の接着樹脂特性を吟味して選択する必要があ
る。
【0020】この点を考慮して、接着性樹脂には、既に
半導体素子や多層基板等で実績のあるエポキシ系あるい
はポリイミド系、ポリイミドアミド系樹脂を選択するの
が好ましい。
【0021】ここで、本発明に係る磁性体含有接着シー
トを構成する接着性樹脂に、エポキシ系樹脂を選択して
用いた場合には、シラン系又はチタン系カップリング剤
として、エポキシ基を含有するものを選択的に採用する
ことが望ましい。
【0022】エポキシ系樹脂は、硬化剤との組み合わせ
により多様な特性を発現できるという点等により、接着
性樹脂として好適である。接着性樹脂にエポキシ系樹脂
を用いた場合には、相溶性や磁性体粉末の分散力、エポ
キシ樹脂系ワニスに配合した場合の粘度安定性からエポ
キシ基を含有するカップリング剤を採用することが好ま
しい。
【0023】本発明に係る磁性体含有接着シートで採用
されるシラン系又はチタン系カップリング剤は、磁性体
に対して0.2〜3.0重量%配合するのが好ましい。
0.2重量%より少ないと、目的としている磁性体粉末
の分散性が改善されない一方、3.0重量%を越えると
分散性改良効果が頭打ちとなるためである。
【0024】磁性体の粒度分布変化に伴う表面積変化の
影響を受けず、より安定した分散性を確保するために
は、磁性体に対して0.4〜3.0重量%配合すること
が、とくに好ましい。
【0025】カップリング剤の処理方法には、乾式法と
湿式法がある。処理量や処理装置等の点からいずれの方
法も適宜選択することができるが、粉体粒子表面を均一
にカップリング処理でき、磁性体粉末の凝集が無いこと
から、接着シートの製造には湿式法が適している。ここ
に、乾式法とは、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサ
ー等の混合機に磁性体粉末を投入し、撹拌しながら所定
量のカップリング剤単独又は適当な溶剤に希釈した物を
噴霧した後、加熱して磁性体粉末と結合させる方法であ
る。一方湿式法とは、アルコール等の分散媒に所定量の
カップリング剤を均一に混合した中へ磁性体粉末を加え
て均一なスラリーにした後、デカンテーション他の方法
で余剰の溶液を分離して乾燥する方法である。
【0026】なお、本発明に係る磁性体含有接着シート
には、安定剤、分散剤、着色剤、チクソトロピー性付与
剤、可塑剤、難燃剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、溶剤等
公知の添加剤を配合することができる。また、シートの
剛性改良や硬化収縮率低減、熱伝導性改良導電性付与等
の種々の目的で、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル
等の金属や合金、化合物、あるいは酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、酸化珪素、窒化ホウ素、窒化珪素、
炭化珪素等を始めとするセラミックス粉末、カーボンブ
ラック、ダイヤモンド等の微粉末を併用して使用するこ
とができる。
【0027】本発明に係る磁性体含有接着シートの厚み
については特に制限は無いが、磁性体粉末の粒度分布や
乾燥条件を含む製造条件の面から、10μm〜2mmの
範囲が好ましい。
【0028】続いて、本発明に係る磁性体含有接着シー
トの製造方法の手段について説明する。本製造方法で
は、以下の(1)〜(5)の各工程からなる手段を採用
する。
【0029】(1)軟磁性体粉末をシラン系又はチタン
系カップリング剤を用いて行うカップリング処理工程。 (2)接着性樹脂をワニス化する磁性体配合用ワニス製
造工程。 (3)前期カップリング処理工程でカップリング処理さ
れた軟磁性体を、前記磁性体配合用ワニス製造工程で調
整されたワニスに混合分散させる磁性体混合分散工程。 (4)磁性体配合ワニスをシート状に加工するシート化
工程。 (5)前記シート化工程で得られたシートを乾燥する乾
燥工程。
【0030】まず、上記(1)のカップリング処理工程
においては、シラン系又はチタン系カップリング剤を用
いることによって、磁性体粉末の分散性を良くして凝集
物の発生を防ぐとともに、接着剤配合物中の沈降を防ぐ
ことができる。カップリング剤は、品種が多い中で、接
着性樹脂との相溶性や反応性、価格等から適宜選択でき
るチタン系、シラン系が好ましい。
【0031】磁性体粉末の分散性を向上させたカップリ
ング処理工程によって、コーターを用いて工業的に磁性
体含有接着シートを製造する場合において、凝集物が原
因で発生する筋状の傷がシートに形成されるのを防止で
き、また、安定的に均一な品質の接着シートを成膜、製
造することができる。そして、タンクやパン、配管等、
接着剤配合物が滞留する部分で発生しやすい磁性体粉末
の沈降分離を防止できる。
【0032】上記(2)の磁性体配合用ワニス製造工程
では、ワニス化する接着性樹脂として、シート形成能や
磁性体分散能等を考慮して、エポキシ系、ポリイミド
系、ポリイミドアミド系、アクリル系、ウレタン系、シ
リコーン系、フェノール系、ブチラール系、あるいは熱
可塑性エラストマーの中から選択した樹脂を、単独ある
いは複数組み合わせて使用することが望ましい。
【0033】次に、上記(3)の磁性体混合分散工程に
おいて完全に脱泡処理を行わないとシート表面に窪みや
穴が発生して、シート品質を低下させてしまう。また、
シート中に気泡が残っていると、目的とする磁気特性低
下防止効果が発現しない等の問題が発生してしまうこと
から、本発明では、磁性体混合分散工程中において、ワ
ニスに混入する気泡を脱泡処理するように工夫した。
【0034】磁性体混合分散工程で磁性体の混合分散に
用いられる混合機としては、磁性体粉末の分散力に優れ
ているだけでなく、分散中にワニスに混入する気泡を確
実に脱泡処理できる必要があるので、自転と公転を組み
合わせて、混合と脱泡を同時に行うことができる構成の
混合機や減圧脱泡装置の付いた混合機を用いることが好
ましい。
【0035】次に、上記(4)のシート化工程は、コー
ターを用いて、シリコンあるいはフッ素処理等の離型処
理を行ったポリエチレンテレフタレートフィルム(以
下、「PETフィルム」と略す)やフッ素フィルム等の
上に、接着シート層を形成する工程である。
【0036】このシート化工程で使用されるコーター
は、コンマコーター、ファウンテンダイコーター、グラ
ビアコーター、リバースコーター、ナイフコーター、エ
アナイフコーター、リップコーター、マイヤバーコータ
ー等のコーターがあるが、磁性体含有接着シートを安定
的に製造する観点から、塗工時において、溶剤の蒸発に
よる濃度変化や皮張りが少ないファウンテインダイコー
ターやリップコーターがとくに好ましい。
【0037】上記(5)の乾燥工程に関しては、特に制
限は無く、通常の方法で乾燥を行うことができるが、乾
燥工程後に、更に加熱して接着性樹脂を高分子量化する
Bステージ化工程も採用できる。Bステージ化工程を採
用することによって、シート強度を改良され、得られる
磁性体含有接着シートの剛性を高めることができるの
で、打ち抜き加工等の加工性やシートの取扱い性を向上
させることができる。
【0038】また、シート化工程では、磁性体粉末を配
合した接着剤ワニスの粘度を1〜100Pa・sとする
ことが好ましい。
【0039】これは、1Pa・sより小さい粘度ではカ
ップリング処理により分散性を改良した磁性体粉末を使
用しても磁性体粉末の沈降分離を避けられない一方、1
00Pa・sを越えるとシート化する際に筋が入り、う
まくシート化が出来ないからである。なお、より安定的
にシート化するためには、1〜20Pa・sが特に好ま
しい。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態
を、添付した図面、実施例及び比較例に基づき、具体的
に説明する。
【0041】図1は、本発明に係る磁性体含有接着シー
トのフィルムに塗工されたときの状態を簡易に示す図で
ある。磁性体含有接着シート1は、軟磁性体を接着性樹
脂に配合してなる組成物をシート状に成型して得られた
接着シート層2が、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム3上に塗工された形態をなしている。
【0042】磁性体含有接着シート1の接着シート層の
厚みは特に制限は無いが、磁性体粉末の粒度分布や乾燥
条件を含む製造条件の面から、10μm〜2mmの範囲
が好適である。
【0043】なお、本発明に係る磁性体含有接着シート
1の最終製品形態は、PETフィルム3でサンドイッチ
して、ロール状に巻き取った形態又は枚様形態等が考え
られる。
【0044】図2は、本発明に係る磁性体含有接着シー
ト1の製造工程Pを簡略に示す図である。この図に基づ
いて、本発明に係る磁性体含有接着シート1の製造方法
の好適な実施形態について、簡潔に説明する。
【0045】まず、カップリング処理工程P1は、シラ
ン系又はチタン系カップリング剤と所定の体積平均粒子
径範囲内の軟磁性体粉末とを、均一に撹拌加熱混合する
工程である。なお、カップリング処理は、磁性体粉末M
の分散性を良くして、凝集物の発生を防ぐとともに、接
着剤配合物中で磁性体粉末Mの沈降を防ぐことを主目的
として行われる。
【0046】ここで、本願発明者らは、カップリング処
理する軟磁性体粉末の体積平均粒子径を、粉砕コストと
ワニス中での軟磁性体粉末の沈降分離を防止するという
2点から評価した。評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1において、◎は大変良好、○は良好、
×は不適を表している。この表1の結果から、軟磁性体
粉末の体積平均粒子径は、0.1〜20μmが望ましい
ことが明らかである。特に、ワニスからの沈降分離を確
実に防止できる点で、軟磁性体粉末の体積平均粒子径
は、0.1〜15μmの範囲が望ましいことが明らかに
なった。
【0049】次に、本発明に係る磁性体含有接着シート
1で採用されるシラン系又はチタン系カップリング剤の
軟磁性体に対する配合量を、分散性改良効果の点から確
認した。この結果を次の表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2において、○は分散性改良効果が良
好、△は分散性改良効果が頭打ち、×は分散性が改善さ
れない、ことをそれぞれ示している。上記表2に示され
た結果から、カップリング剤は、軟磁性体に対して0.
2〜3.0重量%配合するのが好ましいことが明らかに
なった。0.2重量%より少ないと、目的としている磁
性体粉末の分散性が改善されない一方、3.0重量%を
越えると分散性改良効果が頭打ちとなるためである。
【0052】磁性体配合用ワニス製造工程P2は、接着
性樹脂を溶剤に溶解してワニス化する工程である。
【0053】磁性体混合分散工程P3は、工程P1でカッ
プリング処理された軟磁性体粉末Mを、磁性体配合用ワ
ニス製造工程P2で調整されたワニスWに混合分散する
工程であって、ワニスW中の全固形分に対して軟磁性体
粉末Mを所定体積%含有させる工程である。
【0054】ここで、本願発明者は、ワニスWに対する
軟磁性体粉末Mの好適な含有体積%を、シート化の容易
性、磁束漏洩防止効果、シートの接着性・柔軟性の観点
から確認する実験を行った。その結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】この表3から、ワニスWの全固形分に対し
て、カップリング処理された軟磁性体粉末Mを20〜6
0体積%含有させることが好適であることが明らかにな
った。なお、表2において、○は良好、×は不適を表し
ている。
【0057】続くシート化工程P4は、軟磁性体粉末M
が配合されたW'を、シリコン離型処理された所定厚み
のPETフィルム3上へアプリケーターを用いて塗工す
ることにより、接着シート層2を形成する工程である。
【0058】ここで、本願発明者は、シート化工程P4
において、工程上好ましい磁性体粉末配合ワニスの粘度
について調べた。その結果を、次の表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】この表3に示すように、1Pa・sより小
さい粘度ではカップリング処理により分散性が改良され
た磁性体粉末を使用しても磁性体粉末の沈降分離を避け
られない一方、100Pa・sを越えるとシート化する
際にシートに筋が入り、シート化を安定的に行うことが
出来ないことがわかった。従って、シート化工程P4
おいて好適な磁性体粉末配合ワニスの粘度は、1〜10
0Pa・s、とりわけ、1〜20Pa・sが特に好適で
あることがわかった。
【0061】乾燥工程P5は、接着シート層2を所定温
度に設定された乾燥機内で、所定時間乾燥する工程であ
る。以下、実施例について説明する。
【0062】
【実施例】実施例1。 エポキシ等量が175であるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(東都化成:YD−8125)30重量部、エポ
キシ等量が200であるO−クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(東都化成:YDCN−704)50重量
部、重量平均分子量が50,000であるフェノキシ樹
脂(東都化成:YP−50S)100重量部をトルエン
/MEK(1/1)混合溶媒に溶解し35重量%の溶液
を得た。硬化剤はジシアンジアミドを選定した。硬化剤
の配合量はエポキシ等量から求めた本エポキシ系樹脂溶
液のエポキシ基量と、ジシアンジアミドのアミン価が化
学量論的に等しくなる様計量して配合し磁性体配合用ワ
ニスを作成した。次に、平均粒子径11.2μmのNi
・Zn系フェライト粉末にγ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン系(東芝シリコーン:TSL835
0)のエタノール溶液を、該シラン系カップリング剤が
Ni・Zn系フェライト粉末に対して2重量%となるよ
うに添加し、ヘンシェルミキサーを用いて均一に撹拌加
熱混合した。上記手順でカップリング処理を行ったNi
・Zn系フェライト粉末を上記磁性体配合用ワニスに全
固形分に対して55体積%となるよう計量配合し磁性体
配合ワニスを作成した。上記磁性体配合ワニスをシリコ
ン離型処理した厚さ50μmのPETフィルム上へアプ
リケーターを用いて乾燥後の厚みが50μmになるよう
塗工し、80℃に設定したオーブンで5分間乾燥して、
目的の磁性体含有接着シートを得た。
【0063】実施例2。 実施例1に示した方法でエポキシ系ワニスとカップリン
グ処理したNi・Zn系フェライトを作成し、ワニス中
の全固形分に対して25体積%となるよう配合して磁性
体配合ワニスを作成した。次に、アプリケーターにより
シリコン離型処理した厚みが50μmのPETフィルム
上に乾燥後の厚みが50μmになるよう様塗工し、80
℃の乾燥機で5分間乾燥して、目的の磁性体含有接着シ
ートを作成した。
【0064】実施例3。 エポキシ等量175であるビスフェノールF型エポキシ
樹脂(大日本インキ化学工業:EXA830LPV)2
5重量部とエポキシ等量200であるO−クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(東都化成:YDCN−70
4)30重量部をトルエン/MEK(1/1)混合溶媒
に溶解し30重量%の溶液を作成した。次に、実施例1
と同様硬化剤としてジシアンジアミドを選定し、エポキ
シ等量から計算して求めた本エポキシ系樹脂溶液のエポ
キシ基量とジシアンジアミドのアミン基量が化学量論的
に等しくなるよう配合してエポキシ系ワニスを作成し
た。そして、固形分30重量%であるアクリル系粘着剤
溶液(日本合成:コーポニールN−2574)とメラミ
ン系硬化剤(N−3525)を重量部で100/5とな
る様配合した溶液を作成し、先に作成したエポキシ系ワ
ニスと等量混合し磁性体配合用ワニスを作成した。実施
例1で使用したNi・Zn系フェライト粉末を、粉砕分
級して平均粒子径0.5μmのフェライト粉末を作成
し、実施例1に記載した方法でシラン系カップリング処
理を行った。このシラン系カップリング処理したNi・
Zn系フェライト粉末を先に作成した磁性体配合用ワニ
スに、全固形分に対して35体積部となるよう配合し
た。本配合品を実施例1と同様の方法で塗工・乾燥し
て、厚さ50μmの磁性体含有接着シートを作成した。
【0065】実施例4。 平均粒系10.6μmであるMn・Zn系フェライトに
カップリング剤としてγ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン系(東芝シリコーン:TSL8331)を使用す
る以外は実施例1と同様の方法でカップリング処理を行
った。ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を主成分と
するポリイミド樹脂(宇部興産:ユピタイトUP A−
N221)の30重量%THF溶液に上記カップリング
処理した磁性体粉末を全固形分に対して40体積部とな
るよう加え、均一混合と脱泡を行ってイミド系磁性体含
有ワニスを作成した。本磁性体含有ワニスを実施例1と
同様に離型処理を行った厚さ50μmのPETフィルム
上に塗工し、90℃に設定したオーブンで5分間乾燥し
て、厚さ50μmの磁性体含有接着シートを作成した。
【0066】実施例5。 エポキシ等量930であるビスフェノールA型ポキシ樹
脂(旭チバ:6064)20重量部とエポキシ等量21
5のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本イン
キ化学工業:N−670−EXP−S)20重量部、及
び分子量50,000のフェノキシ樹脂(東都化成:Y
P−50S)100重量部をトルエン/MEK(1/
1)の混合溶媒に溶解し30重量%の溶液を作成した。
次にOH等量が103であるノボラック型フェノールホ
ルムアルデヒド樹脂(大日本インキ化学工業:TD−2
131)を同じくトルエン/MEK(1/1)混合溶液
に溶解し、30重量%の溶液を作成した。先に作成した
エポキシ系樹脂溶液に、本エポキシ系樹脂溶液中のエポ
キシ基量と化学量論的にOH基量が等しくなる様ノボラ
ック型フェノールホルムアルデヒド樹脂溶液を配合し、
均一に混合・脱泡して磁性体配合用ワニスを作成した。
次に、実施例1と同様の方法でβ−(3,4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン系(信越化学
工業:KBM303)を3重量%配合した平均粒子径1
3.7μmのNi・Zn系フェライト粉末を作成し、上
記エポキシ系樹脂溶液に全固形分に対して45体積%に
なるよう配合して磁性体配合ワニスを作成した。本ワニ
スは、実施例1と同様の手順で厚み50μmのPETフ
ィルム上に塗工し、厚さ50μmの磁性体含有接着シー
トを得た。
【0067】実施例6。 実施例1と同様の方法でγ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン系(信越化学工業:KBM502)
を平均粒子径が6.1μmであるMn・Zn系フェライ
ト粉末に0.4重量部配合した磁性体粉末を作成した以
外は実施例5と同様の方法で、厚さ50μmの磁性体含
有接着シートを作成した。
【0068】実施例7。 カップリング剤として、味の素ファインテクノ株式会社
製チタネート系カップリング剤KR41Bを用いた以外
は、実施例6と同様の方法で、厚さ50μmの磁性体含
有接着シートを作成した。
【0069】比較例1。 カップリング処理を行っていない平均粒子径が11.2
μmであるNi・Zn系フェライト粉末を実施例1で作
成したエポキシ系磁性体配合用ワニスに全固形分に対し
て50体積%となるよう配合した以外は実施例1と同様
の方法で厚さ50μmの磁性体配合接着シートを作成し
た。
【0070】比較例2。 カップリング剤を配合したNi・Zn系フェライトの配
合量をワニス中の全固形分に対し65体積%となるよう
配合した以外は実施例3と同様の方法で厚さ30μmの
接着シートの作成を試みたが、磁性体配合ワニスの流動
性が著しく低下しシート化出来なかった。
【0071】比較例3。 エポキシ等量168であるビスフェノールA型エポキシ
樹脂(大日本インキ化学工業:EXA850CRP)3
0重量部、エポキシ等量215のクレゾールノボラック
型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業:N−670−
EXP−S)80重量部と重量平均分子量50,000
であるフェノキシ樹脂(東都化成:YP−50S)10
0重量部をトルエン/MEK(1/1)混合溶媒に溶解
し30重量%の溶液を作成した。次にOH等量118で
ある変性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂
(大日本インキ化学工業:VH−4150)のトルエン
/MEK(1/1)混合溶媒に溶解し30重量%溶液を
作成した。先に作成したエポキシ系樹脂溶液中のエポキ
シ基量と化学量論的にOH基量が等しくなる様計量した
変性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂溶液
を加えて磁性体配合用ワニスを作成した。次に、平均粒
子径30μmのNi・Zn系フェライト粉末を実施例1
と同様の方法でシランカップリング処理を行い、磁性体
配合用ワニスへ全固形分に対して40体積部となるよう
に加えて磁性体配合ワニスを作成した。本ワニスは実施
例1と同様の方法で、乾燥後の厚さが50μmとなるよ
うに塗工し、80℃に設定した乾燥機で5分間乾燥して
磁性体含有接着シートを作成した。
【0072】比較例4。 カップリング剤をNi・Zn系フェライトに対して0.
1重量%配合した以外は実施例5と同様の方法で、厚さ
50μmの磁性体含有接着シートを作成した。
【0073】比較例5。 カップリング剤としてN−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルメチルジメトキシシラン系(信越化学工業:
KBM602)を使用した以外は実施例1と同様の方法
で磁性体配合ワニスを作成したが、時間と共に磁性体配
合ワニスが増粘したためシート化出来なかった。
【0074】比較例6。 エポキシ等量が168であるビスフェノールA型エポキ
シ樹脂(大日本インキ化学工業:EXA850CRP)
100重量部にエポキシ基量とアミン基量が化学量論的
に等しくなる様ジシアンジアミドを配合しワニスを作成
した。次に実施例1で使用したシランカップリング処理
した平均粒子径11.2μmのNi・Zn系フェライト
粉末を全固形分に対し45体積%となるように加え、均
一混合と脱泡を行い磁性体配合接着剤を作成した。
【0075】比較例7。 シラン系カップリング処理を行ったNi・Zn系フェラ
イトを配合しないこと以外は実施例1に示した方法と同
じ手順で、磁性体を含有しない厚さ50μmの接着シー
トを作成した。
【0076】上記各実施例並びに各比較例で得られた接
着シートは、それぞれ以下に示す評価方法で評価した。
【0077】シート外観について。 各実施例及び比較例で得られた磁性体含有接着シートの
外観を目視で観察し、磁性体粉末の分散不良が原因であ
る表面の凹凸や筋を確認した。比較例6の磁性体配合接
着剤に関しては、該接着剤を指に付け、指触により磁性
粉体の分散状態を確認した。
【0078】剥離強度(接着力)について。 接着力の評価は、接着面の平滑性や平行度及び清浄性等
の影響を避け出来るだけ正確に評価するため、銅箔に対
する接着力を測定した。具体的には、各接着シートを厚
み2mmのアルミ板と厚み35μの銅箔に挟み、減圧下
で10MPaの荷重を掛け170℃で30分間熱プレス
を行った。次に、エッチング処理を行い、幅10mmの
銅箔を残した剥離強度測定用の試験体を作成した。剥離
強度はJIS・C−6471に準拠して測定した。
【0079】磁束の漏れ防止効果(インダクタンス増加
率)について。 磁束の漏れ防止効果を評価するため、各実施例並びに比
較例で作成した接着シート使用して磁性体を接着し、そ
のインダクタンスを測定した。具体的には、外径31m
m、内径19mm、厚み8mmの市販トロイダルコアを
直径方向で分割したものを準備した。本トロイダルコア
の断面と同一形状に切り出した比較例4を除く各実施例
並びに比較例で作成した接着フィルムをセットし、分割
したトロイダルコアを加重20Nで加圧しながら170
℃で60分間加熱し接着した。比較例6に付いては、得
られた磁性体配合接着剤が流動性を持っているため、デ
イスペンサーを使用して接着面に定量塗布して接着し
た。即ち、分割した一方のトロイダルコア断面2箇所に
比較例6で作成した接着剤組成物を1.5μl塗布し
た。次に分割したもう一方のトロイダルコアの断面を合
わせ5Nの力で加圧しながら170℃で60分間加熱し
硬化接着させた。得られたトロイダルコアに被覆線を1
0回捲き、JIS・C−5321に準拠した方法でイン
ダクタンスを計測した。尚、測定結果は比較例5で作成
した磁性体を含まない接着シートを用いたトロイダルコ
アのインダクタンス測定値に対するインダクタの増加率
に再計算して比較検討した。
【0080】次の表5に、シート外観、銅箔に対する接
着強度、インダクタンス増加率の評価結果を示す。
【0081】
【表5】
【0082】各実施例で得られた磁性体配合接着シート
はそれぞれ銅箔に対する接着力も実用レベルに達してい
るばかりでなく、本発明の目的である磁束の漏れを防止
し磁気特性低下を防ぐ効果があることが確認された。
【0083】尚、接着面をマイクロスコープで確認した
ところ、各実施例で得られた接着シートを用いたトロイ
ダルコアでは接着層の厚みは均一であり接着層のはみ出
しは見られなかった。
【0084】しかし、比較例1で得られた磁性体配合量
が少ない接着シートは磁性体を含まない比較例7と同
様、磁束漏洩防止効果が殆ど見られなかった。
【0085】また、比較例3の結果から、平均粒径が3
0μmと粗い磁性体粉末を使用した物は磁束漏洩防止効
果が低下することを確認した。
【0086】比較例6では、磁束漏洩防止効果は認めら
れたものの流動性のある接着剤組成物を使用したため、
トロイダルコアの接着面に接着剤のはみ出しが観測され
た。又、マイクロスコープにより接着層を観察した結
果、接着層の厚さが均一でないことが確認できた。
【0087】
【発明の効果】本発明によって奏される主な効果は、次
の通りである。
【0088】本発明に係る磁性体含有接着シートは、接
着層の厚みが均一で、気泡の混入の無い接着シート層を
簡便に形成できる構成であって、磁性部品の磁束漏洩防
止効果に優れている。磁性体粉末を接着性樹脂組成物に
配合し、シート状に成型した接着シートを磁性体の接着
に使用することにより、磁束の漏洩を防ぎ磁気特性の低
下を防ぐことができるだけでなく、磁気特性の安定化を
図ることができる。
【0089】本発明に係る磁性体含有接着シートを多層
基板の接着層として使用することによって、基板自体の
電磁波遮蔽効果を期待することができ、また、半導体チ
ップ用接着シートとして使用することによって、電磁波
遮蔽効果と同時に放熱効果が期待できる。即ち、本発明
に係る磁性体含有接着シートは、電気・電子分野におい
て広く利用又は応用が可能である。
【0090】本発明に係る磁性体含有接着シートの製造
方法によれば、磁性体粉末の分散性を改善して凝集物の
発生を防ぐことができるとともに、接着剤配合物中の沈
降を防ぐことができる。また、凝集物が原因で発生する
筋状の傷がシートに形成されるのを確実に防止でき、ま
た、安定的に均一な品質の接着シートを成膜、製造する
ことができる。更に、タンクやパン、配管等、接着剤配
合物が滞留する部分で発生しやすい磁性体粉末の沈降分
離を確実に防止できる。磁性体混合分散工程でワニスに
混入する気泡を脱泡処理するように工夫したので、シー
ト表面に窪みや穴が発生し、シート品質を低下させてし
まうことがなく、目的とする磁気特性低下防止効果を確
実に発現させることができる。シート化工程では、磁性
体粉末の沈降分離を確実に回避して、所望の品質の磁性
体含有接着シートを安定的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁性体含有接着シート(1)のP
ETフィルム(3)に塗工されたときの状態を簡易に示
す図
【図2】本発明に係る磁性体含有接着シート(1)の製
造工程(P)を簡易に表す図
【符号の説明】
1 磁性体含有接着シート 2 接着シート層 3 PETフィルム P1 カップリング処理工程、 P2 磁性体配合用ワニス製造工程 P3 磁性体混合分散工程 P4 シート化工程 P5 乾燥工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 9/00 H05K 9/00 H Fターム(参考) 4J004 AA08 AA10 AA11 AA12 AA13 AA14 AA18 BA02 FA10 GA01 4J040 DD071 DF041 EB031 EC001 EF001 EH031 EK031 HA076 HB07 HD35 JA02 JA09 KA03 KA07 KA16 KA33 LA01 LA09 QA03 QA09 5E321 AA17 BB51 GG11 GH03 GH10 5F047 BA21 BA54 BB03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟磁性体と接着性樹脂から構成された接
    着シートであって、 シラン系又はチタン系カップリング剤で処理された粉末
    状の前記軟磁性体が、接着シート中に含有されたことを
    特徴とする磁性体含有接着シート。
  2. 【請求項2】 前記軟磁性体は、シラン系又はチタン系
    カップリング剤で処理された体積平均粒子径0.1〜2
    0μmの磁性体粉末であって、この磁性体粉末が、前記
    接着性樹脂から得られたワニスの全固形分に対して20
    〜60体積%含有されたことを特徴とする請求項1記載
    の磁性体含有接着シート。
  3. 【請求項3】 前記軟磁性体は、Ni・Zn系フェライ
    トであることを特徴とする請求項1又は2記載の磁性体
    含有接着シート。
  4. 【請求項4】 前記接着性樹脂は、エポキシ系、ポリイ
    ミド系、ポリイミドアミド系、アクリル系、ウレタン
    系、シリコン系、フェノール系、ブチラール系あるいは
    熱可塑性エラストマーの中から選択されることを特徴と
    する請求項1から3のいずれかに記載の磁性体含有接着
    シート。
  5. 【請求項5】 前記接着性樹脂は、エポキシ系樹脂であ
    って、前記シラン系又はチタン系カップリング剤は、エ
    ポキシ基を含有することを特徴とする請求項1から4の
    いずれかに記載の磁性体含有接着シート。
  6. 【請求項6】 前記シラン系又はチタン系カップリング
    剤は、前記軟磁性体に対して0.2〜3.0重量%配合
    されたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記
    載の磁性体含有接着シート。
  7. 【請求項7】 軟磁性体粉末をシラン系又はチタン系カ
    ップリング剤を用いて処理するカップリング処理工程
    と、 接着性樹脂をワニス化する磁性体配合用ワニス製造工程
    と、 前期カップリング処理工程でカップリング処理された軟
    磁性体を、前記磁性体配合用ワニス製造工程で調整され
    たワニスに混合分散させる磁性体混合分散工程と、 磁性体配合ワニスをシート状に加工するシート化工程
    と、 前記シート化工程で得られたシートを乾燥する乾燥工程
    と、から構成されたことを特徴とする磁性体含有接着シ
    ートの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シート化工程において、ファウンテ
    ンダイコーター又はリップコーターを使用することを特
    徴とする請求項7記載の磁性体含有接着シートの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記磁性体混合分散工程において、ワニ
    スに混入する気泡を脱泡処理することを特徴とする請求
    項7又は8記載の磁性体含有接着シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記シート化工程では、磁性体粉末を
    配合した接着剤ワニスの粘度が1〜100Pa・sとさ
    れたことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載
    の磁性体含有接着シートの製造方法。
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