JP2002201206A - オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

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JP2002201206A
JP2002201206A JP2001000113A JP2001000113A JP2002201206A JP 2002201206 A JP2002201206 A JP 2002201206A JP 2001000113 A JP2001000113 A JP 2001000113A JP 2001000113 A JP2001000113 A JP 2001000113A JP 2002201206 A JP2002201206 A JP 2002201206A
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catalyst
atom
polymerization
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Masao Tanabiki
正雄 田靡
Hideo Nagashima
英夫 永島
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 工業的に有用なポリオレフィンを効率よく製
造する。 【解決手段】 (A)下記一般式(1)で表わされる周
期表第3族〜11族遷移金属化合物、(B)活性化助触
媒、および必要に応じて(C)有機金属化合物を構成成
分とする触媒の存在下、オレフィンを重合することを特
徴とするオレフィンの重合方法。 (Mは周期表第3族〜11族遷移金属原子を示し、R
〜Rは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、置換
シリル基または周期表第15族,16族の原子を含む置
換基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素
基またはハロゲンを示し、Lはπ電子、周期表第14
族,15族,16族の原子を配位原子とする配位結合性
化合物を示す。XとLは結合を有していてもよい。aは
1〜6の整数、bは0〜6の整数、cは0〜5の整数を
それぞれ示し、a,bおよびcがそれぞれ2以上の場
合、aの括弧内の化合物、XおよびLは各々互いに同じ
でも異なってもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の構造を有す
る遷移金属化合物と活性化助触媒からなる触媒をオレフ
ィン存在下で用いることを特徴とするポリオレフィンの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オレフィン重合用触媒として、シ
クロペンタジエニル環を配位子として有する錯体とアル
ミノキサンを組み合わせたメタロセン触媒が、高い活
性、狭い分子量分布、構造制御が可能等の理由で注目さ
れている。例えば、特開平58−19309号公報など
がある。また、最近、2座配位型のジイミンキレート型
パラジウムおよびニッケル錯体を触媒成分として用いる
ことで、これまでのメタロセン触媒で製造できるポリオ
レフィンとは構造の異なる、数多くの分岐の入った構造
を有するポリオレフィンを製造できることが報告されて
いる。例えば、WO96/23010号などがある。ま
た、各種の配位性化合物、酸およびゼロ価ニッケル化合
物を混合させることで得られる生成物をオレフィンの重
合触媒として用いる重合方法が、特表平11−5086
35号に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的に価値のあるポリオレフィンを効率よく製造すること
が可能なオレフィン重合用触媒を提供すること、並びに
それを用いたポリオレフィンの製造方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するため、鋭意検討の結果、特定の構造を有する化
合物と遷移金属化合物との反応により得られる遷移金属
錯体をオレフィン重合用触媒の構成成分として用い、こ
れを特定の活性化助触媒と組み合わせることで、工業的
に価値のあるポリオレフィンを効率よく製造できること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、(A)下記一般式
(1)
【0006】
【化2】 (Mは周期表第3族〜11族遷移金属原子を示し、R1
〜R3は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、置換
シリル基または周期表第15族,16族の原子を含む置
換基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素
基またはハロゲンを示し、Lはπ電子、周期表第14
族,15族,16族の原子を配位原子とする配位結合性
化合物を示す。XとLは結合を有していてもよい。aは
1〜6の整数、bは0〜6の整数、cは0〜5の整数を
それぞれ示し、a,bおよびcがそれぞれ2以上の場
合、aの括弧内の化合物、XおよびLは各々互いに同じ
でも異なってもよい。)で示される構造を有する周期表
第3族〜11族遷移金属化合物および(B)活性化助触
媒を構成成分とするオレフィン重合用触媒、並びに
(A)一般式(1)で示される周期表第3族〜11族遷
移金属化合物、(B)活性化助触媒および(C)有機金
属化合物を構成成分とするオレフィン重合用触媒、さら
に上記オレフィン重合用触媒の存在下、オレフィンを重
合することを特徴とするオレフィンの重合方法に関する
ものである。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。ただし、
説明の中で具体例を挙げるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0008】本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分
として用いる(A)遷移金属化合物は、下記一般式
(1)に示すような構造を有することを特徴とする。
【0009】
【化3】 一般式(1)中、Mは周期表第3族〜11族の遷移金属
原子を示す。具体的には、チタン、ジルコニウム、ハフ
ニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリ
ブデン、タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルテ
ニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウ
ム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金等が挙げ
られる。好ましくはニッケル、パラジウムである。
【0010】本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分
である一般式(1)で示される化合物のR1〜R3は水素
原子、炭素数1〜20の炭化水素基、置換シリル基また
は周期表第15族,16族の原子を含む置換基を示す。
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル
基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブ
チル基、ベンジル基、シクロへキシル基、フェニル基、
2−メチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、
2−tert−ブチルフェニル基、2−ビフェニル基、
2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピル
フェニル基、2−トリメチルシリルフェニル基、1−ナ
フチル基、9−アントラセニル基、2−トリフルオロメ
チルフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,6
−ジクロロフェニル基等を挙げることができ、置換シリ
ル基の具体例としては、トリメチルシリル基、ジメチル
フェニルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル
基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基
等を挙げることができる。周期表第15族,16族の原
子を含む置換基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジフェニルア
ミノ基、ジベンジルアミノ基、ジメチルホスフィノ基、
2−ジメチルアミノフェニル基、2−ジメチルホスフィ
ノフェニル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキ
シ基、フェノキシ基、チオメチル基、2−メトキシフェ
ニル基、2−チオメチルフェニル基、p−トルエンスル
ホニルメチル基等を挙げることができる。R1およびR2
としては、置換シリル基であることが特に好ましい。
【0011】一般式(1)中のXは水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基またはハロゲンを示す。炭素数1〜
20の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル
基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ベ
ンジル基、アリル基、フェニル基等を好適なものとして
挙げることができる。ハロゲンの例としては、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素である。
【0012】一般式(1)中のLはπ電子、周期表第1
4族,15族,16族の原子を配位原子とする配位結合
性化合物を示す。具体的には、1,5−シクロオクタジ
エン等のジエン類、フェニルイソシアニド、(2,6−
ジメチルフェニル)イソシアニド、(2,6−ジイソプ
ロピルフェニル)イソシアニド、(2−メチルフェニ
ル)イソシアニド、(2−イソプロピルフェニル)イソ
シアニド、(2−エチル−6−イソプロピルフェニル)
イソシアニド、(2−ビフェニル)イソシアニド、
(2,4−ターフェニル)イソシアニド、{2,4−ジ
−(1−ナフチル)}イソシアニド、(9−アントラセ
ニル)イソシアニド、(2−トリメチルシリルフェニ
ル)イソシアニド、(4−メチルフェニル)イソシアニ
ド、(2,6−ジクロロフェニル)イソシアニド、
(2,6−ジブロモフェニル)イソシアニド、(2,6
−ジニトロフェニル)イソシアニド、(2−トリフルオ
ロメチルフェニル)イソシアニド等のアリール基を有す
るイソシアニド類、tert−ブチルイソシアニド、イ
ソプロピルイソシアニド、ブチルイソシアニド等の脂肪
族基を有するイソシアニド類、トリメチルシリルイソシ
アニド、トリフェニルシリルイソシアニド、tert−
ブチルジメチルシリルイソシアニド等のシリル基を有す
るイソシアニド類、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等のアミン
類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、
トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホ
スフィン類、トリエチルホスファイト、トリフェニルホ
スフィンオキサイド、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジメチルスルフィド等を挙げることができる。
特に、アリール基を有するイソシアニド類であること
が、重合活性の向上の点において好ましい。
【0013】XとLは結合を有していてもよく、例え
ば、π−アリル基を挙げることができる。
【0014】一般式(1)中のaは1〜6の整数、bは
0〜6の整数、cは0〜5の整数をそれぞれ示し、a,
bおよびcがそれぞれ2以上の場合、aの括弧内の化合
物、XおよびLは各々互いに同じでも異なってもよい。
なお、一般式(1)で示される化合物は、Xがハロゲン
で、cが0の場合、ハロゲンを架橋とするダイマー構造
となることもできる。
【0015】本発明のオレフィン重合用触媒である一般
式(1)で示される化合物は、対応するイミン化合物と
周期表第3族〜11族の遷移金属化合物との反応により
合成できる。イミン化合物と周期表第3族〜11族の遷
移金属化合物との反応によって生成した一般式(1)で
示される化合物は、精製単離した後、重合触媒として使
用できることは言うまでもないが、単離することなくi
n−situで重合反応に供することもできる。一般式
(1)で示される遷移金属化合物を合成する方法とし
て、既存の錯体合成反応で用いる方法をそのまま用いる
ことが可能である。例えば、WO96/23010号お
よびJ.Am.Chem.Soc.,1999年,12
1巻,8728頁.に記載されている方法を用いること
ができる。
【0016】本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分
である一般式(1)で示される遷移金属化合物の配位子
である下記一般式(2)
【0017】
【化4】 (R1〜R3は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、
置換シリル基または周期表第15族,16族の原子を含
む置換基を示す。)で示されるイミン化合物は、J.A
m.Chem.Soc.1991年,113巻,889
9−8908頁.あるいはJ.Am.Chem.So
c.1999年,121巻,8728−8740頁.に
記載の方法等により合成することができる。
【0018】本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分
である一般式(1)で示される遷移金属化合物の具体的
な例としては、次のような遷移金属錯体を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
【化5】
【化6】
【化7】 本発明において、(B)活性化助触媒とは、一般式
(1)で示される周期表第3族〜11族遷移金属化合物
(A)と作用もしくは反応することにより、オレフィン
を重合することが可能な重合活性種を形成し得る化合物
を示している。活性化助触媒は、重合活性種を形成した
後、生成した重合活性種に対して弱く配位または相互作
用するものの、該活性種と直接反応しない化合物を提供
する化合物である。
【0020】活性化助触媒(B)は、炭化水素溶媒に溶
解させて用いる種類と、懸濁させて用いる種類に分類で
きる。本発明においてはそのどちらも使用できる。本発
明で用いられる炭化水素溶媒に溶解させて用いる活性化
助触媒(B)としては、近年、均一系オレフィン重合触
媒系の助触媒成分として多く用いられているアルキルア
ルミノキサン、非配位性のアニオンを有するイオン化イ
オン性化合物、特開平8−198908号に記載されて
いるカルボン酸化合物、特開平8−198909号に記
載されているフェノール化合物、特開平9−11091
8号に記載されているジカルボン酸化合物等が挙げられ
る。
【0021】本発明で用いられる活性化助触媒(B)が
アルミノキサンである場合、その構造は下記一般式
(3)および/または(4)
【0022】
【化8】 (式中、R4は各々同一でも異なっていてもよく、水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、tert−ブ
チル基などの炭素数1〜20の炭化水素基である。ま
た、qは2〜60の整数である。)で表される化合物で
あることが望ましい。なお、アルミノキサンには少量の
有機金属化合物が含まれていてもよい。
【0023】本発明で用いられる活性化助触媒(B)が
非配位性のアニオンを有するイオン化イオン性化合物で
ある場合、その構造は下記一般式(5)で表されるプロ
トン酸、一般式(6)で表されるイオン化イオン性化合
物、一般式(7)で表されるルイス酸または一般式
(8)で表されるルイス酸性化合物のいずれかの構造を
有する化合物であることが望ましい。
【0024】[HL1][B(Ar)4] (5) [AL2 m][B(Ar)4] (6) [D][B(Ar)4] (7) B(Ar)3 (8) (ここで、Hはプロトンであり、Bはホウ素原子または
アルミニウム原子である。L1はルイス塩基、L2はルイ
ス塩基またはシクロペンタジエニル基である。Aはリチ
ウム、ナトリウム、鉄または銀から選ばれる金属の陽イ
オンであり、Dはカルボニウムカチオンまたはトロピリ
ウムカチオンである。Arは炭素数6〜20のハロゲン
置換アリール基である。mは0〜2の整数である。) 一般式(5)で表されるプロトン酸の具体例として、ジ
エチルオキソニウムテトラキス{3,5−ビス(トリフ
ルオロメチル)フェニル}ボレート、ジエチルオキソニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、テトラメチレンオキソニウムテトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,
N−ジメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)ボレート、トリN−ブチルアンモニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジエチル
オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ア
ルミネート、ジメチルオキソニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)アルミネート、テトラメチレンオキ
ソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミ
ネート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)アルミネート、N,N−ジメチルアニリニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、ト
リ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)アルミネート等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0025】一般式(6)で表されるイオン化イオン性
化合物としては、具体的にはナトリウムテトラキス
{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ボレ
ート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)
ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)アルミネート等のリチウム塩、またはそのエーテル
錯体、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)アルミネート等のフェロセニウム塩、
シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレー
ト、シルバーテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ア
ルミネート等の銀塩等を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。
【0026】一般式(7)で表されるルイス酸として
は、具体的にはトリチルテトラキス{3,5−ビス(ト
リフルオロメチル)フェニル}ボレート、トリチルテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリチル
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、
トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)アルミネート等を挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。
【0027】一般式(8)で表されるルイス酸性化合物
の具体的な例として、トリス{3,5−ビス(トリフル
オロメチル)フェニル}ボラン、トリス(ペンタフルオ
ロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラ
フルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−
テトラフェニルフェニル)ボラン、トリス(3,4,5
−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(パー
フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリ
フルオロフェニル)アルミニウム等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0028】本発明において、炭化水素溶媒に懸濁させ
て用いる活性化助触媒(B)としては、特開平5−30
1917号、特開平7−224106号、特開平10−
139807号、特開平10−204114号、特開平
10−231312号、特開平10−231313号、
特開平10−182715号、特開平11−1509号
等に記載されている粘土化合物、特願平10−5658
5号に記載されている電子移動を伴うトポタクティック
な還元反応生成物、特開平8−48713号に記載され
ているスルフォン酸塩化合物、特開平8−157518
号に記載されているアルミナ化合物、特開平8−291
202号に記載されている無機酸化物、イオン交換樹脂
等に一般式(5)、(6)、(7)が化学的に固定化さ
れてなる固体成分を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。
【0029】本発明で用いられる活性化助触媒(B)が
粘土化合物である場合、その粘土化合物はカチオン交換
能を有するものが用いられる。また、本発明において用
いられる粘土化合物は、予め酸、アルカリによる処理、
塩類処理および有機化合物、無機化合物処理による複合
体生成などの化学処理を行うことが好ましい。
【0030】粘土化合物としては、天然に存在するカオ
リナイト、ディッカイト、ハロイサイト等のカオリン鉱
物;モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、
サポナイト、テニオライト、ソーコナイト等のスメクタ
イト族;白雲母、パラゴナイト、イライト等の雲母族;
バーミキュライト族;マーガライト、クリントナイト等
の脆雲母族;ドンバサイト、クッケアイト、クリノクロ
ア等の縁泥石族;セピオライト・パリゴルスカイトなど
や人工合成された粘土化合物を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0031】化学処理に用いられる酸としては塩酸、硫
酸、硝酸、酢酸等のブレンステッド酸が例示され、アル
カリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化カルシウムが好ましく用いられる。塩類処理において
用いられる化合物としては、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化リチウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニ
ウム、塩化鉄、塩化アンモニウム等のイオン性ハロゲン
化物;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウ
ム、硫酸アンモニウム等の硫酸塩;炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;リン酸ナトリ
ウム、リン酸カリウム、リン酸アルミニウム、リン酸ア
ンモニウム等のリン酸塩などの無機塩、および酢酸ナト
リウム、酢酸カリウム、シュウ酸カリウム、クエン酸ナ
トリウム、酒石酸ナトリウム等の有機酸塩などを挙げる
ことができる。
【0032】粘土化合物の有機複合体生成に用いられる
有機化合物としては、オニウム塩やトリチルクロライ
ド、トロピリウムブロマイド等の炭素カチオンを生成す
るような化合物、フェロセニウム塩等の金属錯体カチオ
ンを生成する錯体化合物が例示される。無機複合体生成
に用いられる無機化合物としては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化ジルコニウム、水酸化クロム等の水酸化物陽
イオンを生成する金属水酸化物等を挙げることができ
る。
【0033】本発明において用いられる粘土化合物のう
ち特に好ましくは、粘土化合物中に存在する交換性カチ
オンである金属イオンを特定の有機カチオン成分と交換
した粘土化合物−有機イオン複合体である変性粘土化合
物である。この変性粘土化合物に導入される有機カチオ
ンとして、具体的にはメチルアンモニウム、エチルアン
モニウム、ブチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウ
ム、デシルアンモニウム、ドデシルアンモニウム、ジア
ミルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N−
ジメチルドデシルアンモニウム、N,N−ジメチルオク
タデシルアンモニウム、N,N−ジオクタデシルメチル
アンモニウム、N,N−ジオレイルメチルアンモニウム
等の脂肪族アンモニウムカチオン、アニリニウム、N−
メチルアニリニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、
N−エチルアニリニウム、N,N−ジエチルアニリニウ
ム、ベンジルアンモニウム、トルイジニウム、ジベンジ
ルアンモニウム、トリベンジルアンモニウム、N,N,
2,4,6−ペンタメチルアニリニウム等の芳香族アン
モニウムカチオン等のアンモニウムイオン、あるいはジ
メチルオキソニウム、ジエチルオキソニウム等のオキソ
ニウムイオンなどが例示されるが、これらに限定される
ものではない。
【0034】本発明で用いられる活性化助触媒(B)が
電子移動を伴うトポタクティックな還元反応生成物であ
る場合、その反応生成物は一般式(9) Er+ (k/r)(L3h[Q]k- (9) [式中、[Q]はホスト化合物であり、kは還元量であ
り、Er+はr価のゲストカチオンであり、L3はルイス
塩基であり、hはルイス塩基量である。]で表される化
合物を例示することができる。
【0035】ここで、[Q]としては、3次元構造を有
するホスト化合物、2次元構造を有するホスト化合物、
1次元構造を有するホスト化合物および分子性固体であ
るホスト化合物を例示することができる。
【0036】3次元構造を有するホスト化合物として
は、八硫化六モリブデン、五酸化二バナジウム、三酸化
タングステン、二酸化チタン、二酸化バナジウム、二酸
化クロム、二酸化マンガン、二酸化タングステン、二酸
化ルテニウム、二酸化オスミウム、二酸化イリジウムを
例示することができる。
【0037】2次元構造を有するホスト化合物として
は、二硫化チタン、二硫化ジルコニウム、二硫化ハフニ
ウム、二硫化バナジウム、二硫化ニオブ、二硫化タンタ
ル、二硫化クロム、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン、二硫化レニウム、二硫化白金、二硫化スズ、二硫
化鉛、三硫化リンマグネシウム、三硫化リンマンガン、
タンタルスルフィドカーバイド、三酸化モリブデン、五
酸化バナジウムゲル、グラファイト、ポリアセンを例示
することができる。
【0038】1次元構造を有するホスト化合物として
は、三硫化チタン、三セレン化ニオブを例示することが
できる。
【0039】分子性固体であるホスト化合物としては、
テトラシアノキノジメタン、テトラチオフルバレンを例
示することができる。
【0040】さらに、[Q]としては、上記ホスト化合
物を複数混合して用いることもできる。
【0041】kは特に限定はないが、高い触媒活性でオ
レフィン重合体を製造することを目的に、好ましくは0
<k≦3の範囲を用いることができる。さらに好ましく
は0<k≦2の範囲を用いることができる。
【0042】L3としては、Er+に配位可能なルイス塩
基またはシクロペンタジエニル基を用いることができ、
ルイス塩基としては、水、アミン化合物、窒素を含む複
素環化合物、エチルエーテルもしくはn−ブチルエーテ
ル等のエーテル類、ホルムアミド、N−メチルホルムア
ミドもしくはN−メチルアセトアミド等のアミド類、メ
チルアルコールもしくはエチルアルコール等のアルコー
ル類、1,2−ブタンジオールもしくは1,3−ブタン
ジオール等のジオール類を例示することができるが、こ
れらに限定されるものではない。これら2種以上を混合
して用いることもできる。
【0043】hは0≦h≦10の範囲を用いることがで
きる。
【0044】Er+としては、周期表第1族〜14族の原
子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子を含む
カチオンを用いることができ、rは0<r≦10の範囲
を用いることができるが、高い触媒活性でオレフィン重
合体を製造することを目的に、好ましくは、一般式(1
0)または(11) (R526NH+ (10) [式中、(R526Nはアミン化合物であり、R5は各
々独立して水素原子または炭素数1〜30の脂肪族炭化
水素基であり、R6は水素原子、炭素数1〜30の脂肪
族炭化水素基または炭素数6〜50の芳香族炭化水素基
である。] (R7+ (11) [式中、(R7+は炭素数1〜50のカルボニウムカチ
オンまたはトロピリウムカチオンである。]で表される
カチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種のカチ
オンを用いることができる。
【0045】(R526Nで表されるアミン化合物と
しては、メチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロ
ピルアミン、n−ブチルアミン、tert−ブチルアミ
ン、アリルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、
N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルド
デシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、
N,N−ジオクタデシルメチルアミン、トリヘキシルア
ミン、トリイソオクチルアミン、トリドデシルアミン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の脂肪族アミ
ン、アニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリ
ン、N−アリルアニリン、o−トルイジン、p−トルイ
ジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチル−o−ト
ルイジン、N−メチル−m−トルイジン、N−エチル−
o−トルイジン等の芳香族アミンを例示することができ
る。
【0046】一般式(11)で表されるカチオンとして
は、トリフェニルメチルカチオン、トロピリウムカチオ
ンを例示することができる。
【0047】本発明のオレフィン重合用触媒の構成成分
であり、遷移金属化合物および活性化助触媒と共に用い
られる(C)有機金属化合物は、具体的にはメチルリチ
ウム、n−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム化合
物、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウ
ムクロライド、イソプロピルマグネシウムクロライド、
ベンジルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウム
ブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、イソプロ
ピルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムブ
ロマイドなどのグリニャール試薬、ジメチルマグネシウ
ムなどのジアルキルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエ
チル亜鉛などのジアルキル亜鉛、トリメチルボラン、ト
リエチルボランなどのアルキルボラン、トリメチルアル
ミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げるこ
とができる。好ましい有機金属化合物としては、下記一
般式(12)で表される有機アルミニウム化合物を挙げ
ることができる。
【0048】(R83Al (12) (式中、R8は互いに同じでも異なっていてもよく、水
素原子、アミド基、アルコキシ基、炭化水素基を示し、
そのうち少なくとも1つは炭化水素基である。)特に好
ましい化合物として、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムを
挙げることができる。
【0049】本発明における(A)成分と(B)成分、
および(C)成分の比に制限はないが、(B)成分が一
般式(3)および/または(4)で表される化合物であ
る場合、(A)成分と(B)成分の金属原子当たりのモ
ル比は(A成分):(B成分)=100:1〜1:10
00000の範囲にあり、特に1:1〜1:10000
0の範囲であることが好ましく、(A)成分と(C)成
分の金属原子当たりのモル比が(A成分):(C成分)
=100:1〜1:100000にあり、特に1:1〜
1:10000の範囲であることが好ましい。(B)成
分が一般式(5)、(6)、(7)または(8)で表さ
れる化合物である場合、(A)成分と(B)成分の金属
原子当たりのモル比は(A成分):(B成分)=10:
1〜1:1000の範囲にあり、特に3:1〜1:10
0の範囲であることが好ましく、(A)成分と(C)成
分の金属原子当たりのモル比が(A成分):(C成分)
=100:1〜1:100000にあり、特に1:1〜
1:10000の範囲であることが好ましい。(B)成
分が変性粘土化合物である場合、(A)成分と(B)成
分の重量比は(A成分):(B成分)=10:1〜1:
10000の範囲にあり、特に3:1〜1:10000
の範囲であることが好ましく、(A)成分と(C)成分
の金属原子当たりのモル比が(A成分):(C成分)=
100:1〜1:100000にあり、特に1:1〜
1:10000の範囲であることが好ましい。
【0050】(A)成分、(B)成分、(C)成分から
なるオレフィン重合用触媒を調製する方法に関して制限
はなく、調製の方法として、各成分に関して不活性な溶
媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混
合する方法などを挙げることができる。また、これらの
成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理
を行う温度、処理時間も制限はない。また、各成分を2
種以上用いてオレフィン重合用触媒を調製することも可
能である。
【0051】本発明においては、(A)一般式(1)で
示される遷移金属化合物および(B)活性化助触媒から
なるオレフィン重合用触媒を微粒子固体に担持して用い
ることもできる。この際に用いられる微粒子固体は無機
担体あるいは有機担体であり、具体的にはSiO2、A
23、ZrO、B23、CaO、ZnO、MgC
2、CaCl2およびこれらを組み合わせたもの、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ
スチレンなどのポリオレフィン、およびこれらのポリオ
レフィンとポリメタクリル酸エチル、ポリエステル、ポ
リイミドなどの極性ポリマーとの混合物、あるいは共重
合組成を有しているものなどが挙げられる。微粒子固体
の形状に制限はないが、粒子径が5〜200μm、細孔
径が20〜100オングストロームであることが好まし
い。
【0052】本発明における触媒は、通常の重合方法、
すなわちスラリー重合、気相重合、高圧重合、溶液重
合、塊状重合のいずれにも使用できる。本発明において
重合とは単独重合のみならず共重合も意味し、これら重
合により得られるポリオレフィンは、単独重合体のみな
らず共重合体も含む意味で用いられる。
【0053】本発明におけるオレフィンの重合は、気相
でも液相でも行うことができ、特に気相にて行う場合に
は、粒子形状の整ったオレフィン重合体を効率よく安定
的に生産することができる。また、重合を液相で行う場
合、用いる溶媒は、一般に用いられている有機溶媒であ
ればいずれでもよく、具体的にはベンゼン、トルエン、
キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げら
れ、プロピレン、1−ブテン、1−オクテン、1−ヘキ
センなどのオレフィンそれ自身を溶媒として用いること
もできる。
【0054】本発明において重合に供されるオレフィン
は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オ
レフィン、スチレン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、シクロペンタ
ジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチ
ル−1,6−オクタジエン等の共役および非共役ジエ
ン、シクロブテン等の環状オレフィン、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、
無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテ
ン−2,3−ジカルボン酸などのα,β−不飽和カルボ
ン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの
金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イ
ソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イ
ソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カ
プリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル、ア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコ
ン酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルな
どの不飽和グリシジル等を挙げることができる。さら
に、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エ
チレンと1−ヘキセン、エチレンと1−オクテン、エチ
レンとプロピレンとスチレン、エチレンと1−ヘキセン
とスチレン、エチレンとプロピレンとエチリデンノルボ
ルネン、エチレンと上述の含酸素極性基を有するオレフ
ィンのように、2種以上の成分を混合して重合すること
もできる。
【0055】本発明の方法を用いてポリオレフィンを製
造する上で、重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー
濃度などの重合条件について特に制限はないが、重合温
度は−100〜300℃、重合時間は10秒〜20時
間、重合圧力は常圧〜3000kg/cm2Gの範囲で
行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて
分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ
式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可
能であり、重合条件を変えて2段以上に分けて行うこと
も可能である。また、重合終了後に得られるポリオレフ
ィンは、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収さ
れ、乾燥して得ることができる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。重合は100mlステンレス製耐圧容器中
で、スターラーチップ攪拌下で行った。反応に用いた溶
媒は、すべて予め公知の方法により精製、乾燥または脱
酸素を行った。ポリマー物性は、示差走査熱量測定(D
SC)により融点(Tm)を、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)測定(カラム温度:140
℃、溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン)により分
子量分布(Mw/Mn)を求めた。
【0057】実施例1 (錯体1の調製)
【0058】
【化9】 窒素雰囲気下、100mlのシュレンク管に、ジブロモ
[2,2,4,4−テトラメチル−3−(2,6−ジメ
チルフェニルイミノ)−2,4−ジシラペンタン]ニッ
ケル(II) 0.050g(100μmol)を分取
し、乾燥トルエン(45.8ml)に溶解させ、2,6
−ジメチルフェニルイソシアニドの0.1mol/lト
ルエン溶液 1ml(100μmol)を加え、1時間
攪拌した。
【0059】(重合評価)上記錯体溶液に、メチルアル
ミノキサンのトルエン溶液(東ソーファインテック
(株)製 PMAO−S,3.13mol/lトルエン
溶液)3.2ml(10mmol)を加え、30分間攪
拌した。
【0060】窒素雰囲気下、100mlのステンレス製
オートクレーブに、前述の触媒溶液全量を導入した。次
に、オートクレーブにエチレンを導入し、エチレン分圧
が0.8MPaとなるように設定し、室温で重合を開始
した。60分間重合を行い、未反応のエチレンを脱圧除
去し、メタノール5mlを加え、重合を停止した。オー
トクレーブの内容物を塩酸/メタノール溶液300ml
中に加え、ポリマーを析出させた。その後、ポリマーを
ろ別、メタノール洗浄、真空乾燥を行った。ポリマーの
収量は0.364gであった。ポリマーの物性値は、T
m=123.1℃、Mw=280000、Mw/Mn=
2.4であった。
【0061】実施例2 (錯体2の調製)
【0062】
【化10】 窒素雰囲気下、100mlのシュレンク管に、ジブロモ
[2,2,4,4−テトラメチル−3−(2−イソプロ
ピルフェニルイミノ)−2,4−ジシラペンタン]ニッ
ケル(II) 0.051g(100μmol)を分取
し、乾燥トルエン(45.8ml)に溶解させ、2,6
−ジメチルフェニルイソシアニドの0.1mol/lト
ルエン溶液 1ml(100μmol)を加え、1時間
攪拌した。
【0063】(重合評価)上記錯体溶液に、メチルアル
ミノキサンのトルエン溶液(東ソーファインテック
(株)製 PMAO−S,3.13mol/lトルエン
溶液) 3.2ml(10mmol)を加え、30分間
攪拌した。
【0064】窒素雰囲気下、100mlのステンレス製
オートクレーブに、前述の触媒溶液全量を導入した。次
に、オートクレーブにエチレンを導入し、エチレン分圧
が0.8MPaとなるように設定し、室温で重合を開始
した。60分間重合を行い、未反応のエチレンを脱圧除
去し、メタノール5mlを加え、重合を停止した。オー
トクレーブの内容物を塩酸/メタノール溶液300ml
中に加え、ポリマーを析出させた。その後、ポリマーを
ろ別、メタノール洗浄、真空乾燥を行った。ポリマーの
収量は0.610gであった。ポリマーの物性値は、T
m=120.4℃、Mw=270000、Mw/Mn=
2.6であった。
【0065】
【発明の効果】本発明の遷移金属化合物を主触媒とした
オレフィン重合用触媒は、オレフィン重合に対して極め
て有効であり、本触媒をオレフィン重合用触媒として用
いることで、工業的に有用なポリオレフィンを効率よく
製造することが可能である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC00A AC01A AC08A AC18A AC26A AC31A AC37A AC41A AC42A AC44A AC45A AC46A AC47A AC48A AC49A AC50A BA00A BA01B BA02B BB00A BB00B BB01B BB02B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC13B BC15B BC25B CA14C CA16C CA24C CA27C CA28C CA29C CA30B CA30C CA47B CA47C CB08C CB09C CB70B CB70C CB85B CB85C EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB16 EB17 EB18 EB24 EB25 FA06 GA01 GA06 GA19 4J128 AA01 AB00 AB01 AC00 AC01 AC08 AC18 AC26 AC31 AC37 AC41 AC42 AC44 AC45 AC46 AC47 AC48 AC49 AC50 AD00 AE00 BA00A BA01B BA02B BB00A BB00B BB01B BB02B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC13B BC15B BC25B CA14C CA16C CA24C CA27C CA28C CA29C CA30B CA30C CA47B CA47C CB08C CB09C CB70B CB70C CB85B CB85C EB02 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EB16 EB17 EB18 EB24 EB25 FA06 GA01 GA06 GA19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)下記一般式(1) 【化1】 (Mは周期表第3族〜11族遷移金属原子を示し、R1
    〜R3は水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、置換
    シリル基または周期表第15族,16族の原子を含む置
    換基を示し、Xは水素原子、炭素数1〜20の炭化水素
    基またはハロゲンを示し、Lはπ電子、周期表第14
    族,15族,16族の原子を配位原子とする配位結合性
    化合物を示す。XとLは結合を有していてもよい。aは
    1〜6の整数、bは0〜6の整数、cは0〜5の整数を
    それぞれ示し、a,bおよびcがそれぞれ2以上の場
    合、aの括弧内の化合物、XおよびLは各々互いに同じ
    でも異なってもよい。)で示される構造を有する周期表
    第3族〜11族遷移金属化合物および(B)活性化助触
    媒を構成成分とすることを特徴とするオレフィン重合用
    触媒。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、R1およびR2が置
    換シリル基であることを特徴とする請求項1に記載のオ
    レフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】(A)請求項1乃至2に記載の遷移金属化
    合物、(B)活性化助触媒および(C)有機金属化合物
    を構成成分とすることを特徴とするオレフィン重合用触
    媒。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3に記載のオレフィン重合用
    触媒の存在下、オレフィンを重合することを特徴とする
    オレフィンの重合方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3に記載のオレフィン重合用
    触媒の存在下、エチレンと含酸素極性基を有するオレフ
    ィンの2種以上の成分を用いて重合することを特徴とす
    るオレフィンの重合方法。
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