JP2002200907A - タイヤ滑り止め装置 - Google Patents

タイヤ滑り止め装置

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JP2002200907A
JP2002200907A JP2001055459A JP2001055459A JP2002200907A JP 2002200907 A JP2002200907 A JP 2002200907A JP 2001055459 A JP2001055459 A JP 2001055459A JP 2001055459 A JP2001055459 A JP 2001055459A JP 2002200907 A JP2002200907 A JP 2002200907A
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Japan
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tire
slip
tightening
vehicle
members
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Application number
JP2001055459A
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English (en)
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Kiyoshi Sakuma
清 佐久間
Masahisa Furuyama
真久 古山
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Car Mate Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Car Mate Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤへの装着時に滑り止め部材と、連結材
との間の寸法差を吸収するとともに、部品点数と、組立
工数とを少なくすることができるタイヤ滑り止め装置を
提供する。 【解決手段】 滑り止めトレッド部54、脚部56、脚
部58、接続部60、内側締結部62、外側締結部64
と一体にて成形し、これらをタイヤを包むように連続し
て接続すれば、内側締結部62や外側締結部64とを取
り付ける部材が不要になり、更に前記部材によって双方
を取り付ける製作工程も無くすることができる。そして
タイヤ滑り止め装置50をタイヤ70に装着した際に、
生じる寸法差を接続部60の屈曲(首振り)によって吸
収することができるようにしたことから、前記寸法差を
吸収することができずに周方向の距離が短い連結材の方
に弛みが生じるのを防止することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雪時などに車両
のタイヤに装着するタイヤ滑り止め装置に係り、特に滑
り止め部材がゴムやプラスチックなどの非金属によって
形成してあるタイヤ滑り止め装置や、滑り止め部材に金
属材料を適用した、いわゆる金属チェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、タイヤの滑り止め装置として金属
製のチェーンが広く用いられてきた。しかし、金属製の
チェーンは、車両が走行するときに大きな騒音を生ずる
ばかりでなく、車両が振動して乗り心地がよくない。こ
のため、近年、非金属製のタイヤ滑り止め装置が開発さ
れている(例えば、特開平9−156333号公報)。
【0003】図23は、上記公報に記載されているタイ
ヤ滑り止め装置を示した平面図である。同図に示すよう
に、タイヤ滑り止め装置10は、タイヤトレッド面の周
方向に配置される複数の滑り止め部材12を有してい
る。これらの滑り止め部材12は、非金属である硬質の
プラスチックによって形成してあって、金属製の滑り止
めピン14が複数設けてある。そして、各滑り止め部材
12には、タイヤに装着した際に、車両の外側となる端
部と、車両の内側となる端部とのそれぞれに一対の脚部
16、脚部18が設けてある。
【0004】車両内側となる脚部18は、接続部となる
フック20と、固定具22とを介して内側連結材24に
取り付けられることにより、各滑り止め部材12が内側
連結材24によって連結されている。内側連結材24
は、比較的硬質の柔軟性のないプラスチック製チューブ
26と、このチューブ26を貫通した柔軟性のある金属
より線(ワイヤ)28から形成してあって、ワイヤ28
の両端に結合具30a、30bが設けてあり、結合具3
0a、30bを相互に結合することによりループを形成
するようになっている。
【0005】一方、タイヤへの装着時に車両外側となる
脚部16は、隣接する滑り止め部材12を相互に連結す
る外側連結材32(32a〜32h)にフック20を介
して接続してある。両端の滑り止め部材12を相互に接
続する外側連結材32a、32hと、中央の2つの滑り
止め部材12を相互に接続する外側連結材32d、32
eとは、連結フック34によって連結、切り離し自在と
なっている。また、各外側連結材32は、例えばポリウ
レタンエラストマなどの伸縮可能な弾性体によって形成
してあり、異なったサイズのタイヤに装着可能となって
いる。
【0006】そして、外側連結材32b、32c間と、
外側連結材32f、32g間には、締付けロック機構3
6が配設してある。この締付けロック機構36は、本体
部38の両側に「く」の字状の締付けアーム40を有し
ていて、本体部38を回転させることにより、締付けア
ーム40を本体部38側に引き寄せてロックし、外側連
結材32と金属製接続フック42と締付けロック機構3
6とによって形成されたループを縮径し、タイヤ滑り止
め装置10をタイヤの周面に固定できるようにしてい
る。
【0007】図24は、同タイヤ滑り止め装置をタイヤ
に装着した状態を示した外観図であり、同図(1)は正
面図を示し、同図(2)は背面図を示す。なお一般的に
知られている金属製のチェーンおよび非金属製の滑り止
め装置は、タイヤに装着する際、当該タイヤをある程度
回転させなければならない。しかし、ここに従来技術と
して挙げた特開平9−156333号公報に示すタイヤ
滑り止め装置10では、タイヤに装着する際、当該タイ
ヤを回転させることが全く必要なく(タイヤ全周の1/
4程タイヤを回すことも不要なのである)、更にタイヤ
への装着を僅かな力で容易に行うことができるのであ
る。
【0008】ここで図23に示したタイヤ滑り止め装置
10を、タイヤ44に装着する過程を説明する。まず説
明をする際に、タイヤ滑り止め装置10において、図2
3に示すように滑り止めピン14が突出する側、すなわ
ちタイヤ44に装着した際に、路面と接触する側をA面
(図23に表す側)と設定する。そしてタイヤ44に装
着した際にタイヤのトレッド面44Cと接触する側、す
なわちA面の反対面側をB面(図24を参照)と設定す
る。
【0009】そして展開されたタイヤ滑り止め装置10
をタイヤ44に装着するには、図23に示すように、ま
ずタイヤ44の内側44Aに、内側連結材24が近接す
るようタイヤ滑り止め装置10を地面(雪上面)に置
く。なお前述のように同装置10を地面に置く際には、
滑り止め部材12cと滑り止め部材12dとの間のワイ
ヤ28がタイヤ44に最も近接するようにすることと
し、さらにタイヤ44のトレッド面44Cと接触するB
面側を地面に接するようにし、A面側に形成された滑り
止めピン14を上方に向かって突出させた状態にしてお
く。
【0010】このようにタイヤ44の内側44Aに前記
姿勢でタイヤ滑り止め装置10を置いた後は、装着を行
う人が、ワイヤ28の両端に設けられた結合具30a、
30bをそれぞれ掴み、タイヤ44の内側44Aで、こ
れら結合具30a、30bを結合し、車軸44Dまわり
にワイヤ28によるループを形成する。
【0011】次いでワイヤ28によるループをタイヤ4
4の内側44Aで形成した後は、前記ワイヤ28に繋が
れる滑り止め部材12a〜12fをワイヤ28を中心と
してタイヤ44の外側44Bに引き出す(図中、矢印4
5の方向)。このようにワイヤ28を中心として滑り止
め部材12a〜12fをタイヤ44の外側44Bに引き
出せば、タイヤ44のトレッド面44Cに、タイヤ滑り
止め装置10におけるB面を接触させることができる。
【0012】そしてタイヤ44のトレッド面44Cに、
タイヤ滑り止め装置10におけるB面を接触させた状態
から、外側連結材32d、32eとの間を連結フック3
4によって連結し、次いで外側連結材32a、32hと
の間を連結フック34によって連結する。このように個
々の外側連結材32の間を連結フック34にて連結すれ
ば、タイヤ滑り止め装置10は、展開した状態からタイ
ヤ44を包み込む状態とすることができる。そして同装
置10がタイヤ44を包絡した後は、本体部38を回転
させ、締付けアーム40を本体部38側に引き寄せてロ
ックし、外側連結材32と金属製接続フック42と締付
けロック機構36とによって形成されたループを縮径
し、タイヤ滑り止め装置10をタイヤ44に密着させれ
ばよい。
【0013】以上のように本装置10では、その両端を
巻き上げるだけでタイヤ44への装着を行うことが可能
となり、このため装着時にタイヤ44を全く回転させる
必要が無く、容易且つ迅速にタイヤ44への装着を行う
ことができるのである。装着前のタイヤ滑り止め装置1
0は、滑り止め部材12や内外の連結材などが平面状に
なっている。しかしこれらの図に示すように、前記タイ
ヤ滑り止め装置10をタイヤ44に装着させようとする
と、タイヤ滑り止め装置10を構成する非金属の部材が
タイヤ44の表面に沿って変形したり、あるいは部材同
士の接続箇所が回動したりして、立体的な(三次元形状
を有した)タイヤ44を包み込むことができるようにな
っている。
【0014】特にタイヤ滑り止め装置10においては、
滑り止め部材12と、内部連結材24および外部連結材
32とは、フック20によって回動可能に接続されてお
り、タイヤ滑り止め装置10をタイヤ44に取り付ける
際に生じる、滑り止め部材12の周方向長さと、内外の
連結材24、32の周方向長さとの差を、フック20の
回動によって吸収できるようにしている(図中、矢印2
1を参照)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述したタイヤ
滑り止め装置10には、下記に示すような問題点があっ
た。すなわち従来のタイヤ滑り止め装置10において
は、滑り止め部材12と、内外連結材24、32との間
に取り付けられたフック20によって、双方に生じる寸
法差を吸収することができるものの、同構成では、滑り
止め部材12と、内側連結材24と、外側連結材32と
をそれぞれ別部品として製作し、その後これら部材をフ
ック20で接続する必要があった。このため従来のタイ
ヤ滑り止め装置10では、部品点数および組立工数が増
大してしまうという問題があった。
【0016】そしてフック20を廃止し、滑り止め部材
12と、内外連結材24、32とを長方形状に一体的に
形成しようとすると、双方の部材の寸法差を吸収するこ
とができず、周方向の距離が短い内外連結材24、32
の方に弛みが生じるといった新たな問題が発生する。
【0017】本発明は、上記従来の問題点に着目し、タ
イヤへの装着時に滑り止め部材と、連結材との間の寸法
差を吸収することができるとともに、部品点数と、組立
工数とを少なくすることができるタイヤ滑り止め装置を
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、滑り止め部材
と連結材との間にタイヤ装着時の寸法差を吸収すること
ができる部材を設け、これらを一体成形によって製作す
れば、タイヤへの装着時に弛みが発生することなく、部
品点数と、組立工数とを少なくすることができるという
知見に基づいてなされたものである。
【0019】すなわち本発明に係るタイヤ滑り止め装置
は、非金属製滑り止め部材を、滑り止めトレッド部と、
当該滑り止めトレッド部より引き出される接続部とで構
成し、前記非金属製滑り止め部材をタイヤの周方向に沿
って複数配置するとともに、前記接続部に連結するよう
前記タイヤの車両外側と車両内側とに連結材を設けたタ
イヤ滑り止め装置において、これら前記滑り止めトレッ
ド部と、前記接続部と、前記連結材とを変形可能な部材
にて一体成形し、装着時に生じる前記タイヤの周方向の
位置ずれを前記接続部の変形にて吸収するよう構成し
た。そして前記接続部は、当該接続部の厚み方向にスリ
ットを形成した形態からなり、当該スリットにて前記接
続部の変形抵抗を低減させることが好ましい。
【0020】また車両外側と車両内側とのいずれか片側
に設けられた連結材を一体成形で形成するようにしても
よい。そして前記車両外側における前記連結材の間の少
なくとも一箇所に複数の締め付け手段を連続配置するこ
とが望ましい。
【0021】なお滑り止めトレッド部をタイヤの周方向
に沿うよう形成し、前記タイヤの車両外側と車両内側と
に位置する前記滑り止めトレッド部の端部側にループ形
成をなすタイヤ固定用索を設け、前記車両外側における
前記タイヤ固定用索の少なくとも途中一箇所に複数の締
め付け手段を連続配置するよう構成した。
【0022】ここで前記締め付け手段は、揺動可能な本
体部と、この本体部における揺動中心点の外方に回転可
能に接続された一対のアームとから構成され、前記本体
部の揺動にて前記アームが前記揺動中心点まわりに思案
点を超えた際に、その位置を保持する回転防止ストッパ
を前記本体部に形成するよう構成した。
【0023】
【作用】上記構成によれば、滑り止めトレッド部と、接
続部と、連結材とを一体で成形することから、これらを
つなぎ止める部品が不要になり、本装置における部品点
数や製作工数の低減を図ることが可能になる。
【0024】そして本装置をタイヤに装着する際には、
平面状に形成された本装置を立体的なタイヤに取り付け
ることから、前記タイヤの周方向において、滑り止めト
レッド部と連結材との間に寸法差が生じることとなる。
しかしこれら部材の間には接続部が設けられているの
で、双方の間に寸法差による力が生じたとしても、前記
接続部が屈曲して、前記寸法差を吸収することができ
る。このため本装置をタイヤに取り付けた際に、前記タ
イヤの表面に本装置を密着させることができる。
【0025】なお接続部において、当該接続部の厚み方
向に深さ方向を一致させたスリットを形成すれば、前記
接続部は、本装置における平面方向の屈曲変形(首振
り)が容易になる。このため滑り止めトレッド部と連結
材との間に生じる寸法差を、一層確実に接続部にて吸収
させることができる。
【0026】そして車両外側と車両内側とのいずれか片
側の連結材と、接続部側とを一体成形によって形成すれ
ば、本装置の全体構造に応じて、より良い構造を選択す
ることが可能になる。なお車両外側における前記連結材
の間の少なくとも一箇所に複数の締め付け手段を連続配
置すれば、例えば単一の締め付け手段を設けたものと比
較して、同一の量だけを締め付ける場合には、1つの締
め付け手段あたり数分の1の力で締め付けることがで
き、作業者が非力な場合などでも確実に連結材の締め付
けをおこなうことができるのである。また連結材の締め
付け量を大きくしても、これら締め付け量は、複数の締
め付け手段によって等分されるため、1つの締め付け手
段を締め付けるのに僅かな力しか有しない。このため個
々の締め付け力を小さくできるとともに、全体としては
連結材の締め付け量を大きくすることができるので、本
装置を構成する滑り止め部材をタイヤの表面に一層密着
させることが可能になる。
【0027】また滑り止めトレッド部をタイヤの周方向
に沿うよう形成する。そしてタイヤの車両外側と車両内
側とに位置する滑り止めトレッド部の端部側にループ形
成をなすタイヤ固定用索を設けておく。そしてこのよう
に設けられたタイヤ固定用索を絞ることで、ループ径を
縮小させれば、滑り止めトレッドをタイヤの表面に密着
させることができる。ここでタイヤ固定索の途中に締め
付け手段を複数個だけ直列に配置しておけば、上述した
作用と同様、ループ径の縮小量を大きくしても、これら
縮小量は、複数の締め付け手段によって等分されるた
め、1つの締め付け手段を締め付けるのに僅かな力しか
有しない。このため個々の締め付け力を小さくできると
ともに、全体としてはループ径の縮小量を大きくするこ
とができるので、本装置を構成する滑り止め部材をタイ
ヤの表面に一層密着させることが可能になる。なお本発
明に用いられる材質は、ゴムやプラスチックなどの非金
属に限定されることもなく、金属材料を用いた、いわゆ
る金属チェーンに適用してもよい。また連続配置された
複数の締め付け手段は、連結材の間や、タイヤ固定用索
に、何カ所も存在してもよく、さらにその位置に限定さ
れないことはいうまでもない。
【0028】なお締め付け手段を、揺動可能な本体部
と、この本体部における揺動中心点の外方に回転可能に
接続されたく字状の一対のアームとから構成すれば、本
体部を揺動させると、この本体部の揺動に伴って揺動中
心点まわりに一対のアームも回転する。ここでアームの
揺動中心点まわりの回転が進み、前記アームの思案点を
通過すると、アームには連結材や、タイヤ固定用索から
加わる引っ張り力によって偶力が加わり始め、本体部の
回転が促進されるとともに、一対のアームが交差するこ
とでアーム先端同士の距離が狭まり、連結材や、タイヤ
固定用索を牽引し締め付けを行うことができる。なお本
体部には思案点を超えたアームの更なる回転を防止する
ためのストッパが設けられており、前記アームはこの回
転防止ストッパに当接することで、アーム先端同士の距
離を狭めた状態、すなわち連結材や、タイヤ固定用索を
締め付けた状態を保持させることができる。なお締め付
けを解除する場合は、締め付けた手順とは逆方向に本体
部を揺動させ、アームの思案点を超えさせるようにすれ
ばよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るタイヤ滑り止
め装置に好適な具体的実施の形態を図面を参照して詳細
に説明する。なお、従来技術において説明した部分に対
応する部分については、その説明を省略する。
【0030】また、本装置においても特開平9−156
333号公報に示された装置(従来の技術で説明済み)
と同様、その両端を巻き上げるだけでタイヤへの装着を
行うことが可能であり、このため装着時にタイヤを全く
回転させる必要が無く、容易且つ迅速にタイヤへの装着
を行うことができるものとなっている。
【0031】図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤ
滑り止め装置の展開図であり、図2は、タイヤ滑り止め
装置をタイヤに装着した状態を示す側面図であり、同図
(1)は車両外側から見た図、同図(2)は車両内側か
ら見た図である。また図3は、タイヤ滑り止め装置にお
ける要部拡大図であり、図4は、図3の背面図である。
【0032】これらの図に示すように、本実施の形態に
係るタイヤ滑り止め装置50は、非金属製滑り止め部材
となる複数の滑り止め部材52(52a〜52f)を有
しており、当該滑り止め部材52は、地面との接触をな
す滑り止めトレッド部54と、当該滑り止めトレッド部
54の四隅端部に設けられた一対の脚部56および脚部
58と、これら脚部56、58より引き出される接続部
60とで構成されている。また脚部56、58には、こ
れら一対の脚部の先端同士を接続するよう、内側締結部
62と外側締結部64とが設けられている。そして後述
するが、これら内側締結部60や外側締結部62を順次
接続していくことで連結材を構成するようにしている。
【0033】また図3(1)に示すように、金属製の滑
り止めピン53が複数設けられた滑り止めトレッド部5
4、脚部56、脚部58、接続部60、内側締結部6
2、外側締結部64は、一体成形にて製作されており、
滑り止めトレッド部54と、連結材を構成する内側締結
部62や外側締結部64とを取り付ける部材を別途必要
とすることもなく、更に前記部材によって双方を取り付
ける製作工程も無くすることが可能になっている。
【0034】また滑り止めトレッド部54と、連結材と
を結ぶ接続部60は、前述の通り一体成型にて形成され
るが、同図(2)に示すAA断面ように、この接続部6
0の厚み方向にスリット66を設けるようにすることが
望ましい。このようにスリット66を接続部60に構成
すれば、当該接続部60におけるタイヤ滑り止め装置5
0の平面方向(図中、矢印68を参照)の剛性を低下さ
せることができ、前記接続部60の屈曲抵抗(首振り抵
抗)を低減させることができる。このため図1に示すよ
うに展開されたタイヤ滑り止め装置50を、図2に示す
ように立体的なタイヤ70に装着させると、滑り止めト
レッド部54に生じるタイヤ周方向の寸法と、連結材側
に生じるタイヤ周方向の寸法との間に差が生じてしま
う。しかしタイヤ滑り止め装置50においては、このタ
イヤ70の取り付けの際に生じる寸法差を前記接続部6
0の屈曲(首振り)によって吸収することができるよう
になっており、前記寸法差を吸収することができずに周
方向の距離が短い連結材の方に弛みが生じるのを防止す
ることができる。
【0035】図5は、内側締結部同士を接続するための
各種フック形状を示した構造説明図であり、図6は、外
側締結部同士を接続するための各種締め付けロック機構
等を示した構造説明図である。ここで複数の滑り止め部
材52同士の接続は以下のように行われている。すなわ
ち内側締結部62同士の接続においては、滑り止め部材
52aと滑り止め部材52b、滑り止め部材52bと滑
り止め部材52c、滑り止め部材52dと滑り止め部材
52e、滑り止め部材52eと滑り止め部材52fとの
間は、裏フック72によって接続する。また滑り止め部
材52cと滑り止め部材52dとの間は裏フック74に
よって接続する。
【0036】さらに図1に示すように滑り止め部材52
fにおける内側締結部62の左側先端75には裏フック
76が取り付けられており、当該裏フック76を滑り止
め部材52aにおける内側締結部62の右側先端77に
設けられた連結穴と結合させることでループを形成する
ようにしている。すなわちBB断面となる図4(2)に
示すように、裏フック76の端部が挿入される前記連結
穴77Aは、前記右側端部77を前記裏フック76の厚
み分だけ段違いに成形した部分から構成されている。そ
してこの連結穴77Aに裏フック76の端部を挿入する
とともに、前記裏フック76の端部に設けられた凹部7
1(図5を参照)を連結穴77Aに形成された凸部77
Bに凹凸嵌合させることで、裏フック76の端部が連結
穴77Aから抜けるのを防止するようにしている。なお
前記凹部71は、裏フック74や裏フック76にも同様
に形成され、抜け止め防止をなすようにしている。
【0037】なおこの内側締結部62と裏フック72、
74、76とで構成するループはタイヤ滑り止め装置5
0をタイヤ70に装着すると、図2(2)に示すように
前記タイヤ70の側面に位置することとなる。ところで
内側締結部62の両側端部には、屈曲が容易な薄肉の部
分が形成されており、この薄肉の部分を利用して内側締
結部62を屈曲させて、タイヤ滑り止め装置50を6つ
折りに折りたたむことができるようになっている。
【0038】一方、複数の滑り止め部材52同士の接続
となる外側締結部64同士の接続においては、滑り止め
部材52aと滑り止め部材52b、滑り止め部材52b
と滑り止め部材52c、滑り止め部材52dと滑り止め
部材52e、滑り止め部材52eと滑り止め部材52f
との間は、締め付けロック機構78を構成する締め付け
アーム80に接続されており、前記締め付けロック機構
78によって連結されている。また滑り止め部材52c
と滑り止め部材52dとの間は、締め付けロック機構8
2を構成する締め付けアーム80、84に接続されてお
り、前記締め付けロック機構82によって連結されてい
る。
【0039】なお前記締め付けロック機構82は、裏フ
ック74とともに滑り止め部材52cと滑り止め部材5
2dとを連結するものとなっている。また締め付けロッ
ク機構82を構成する締め付けアーム84は、前記締め
付けアーム80よりも全長が長く設定されているととも
に、外側締結部64の端部に対して着脱が可能になって
いる。
【0040】そして本実施の形態では、締め付けアーム
80と外部締結部64との接続をかしめ以外の方法で達
成するようにしており、同方法では、通常の使用では外
れることが無い構造となっている。このため締め付けア
ーム80を外部締結部64に挿入し、その後かしめを行
うといった製作工程を削除することができるようになっ
ている。
【0041】さらに図1に示すように滑り止め部材52
fにおける外側締結部64の左側先端86には、図6
(3)に示すようなジョイントフック88が取り付けら
れており、当該ジョイントフック88の他端を、滑り止
め部材52aにおける外側締結部64の右側先端90に
設けられた連結穴と結合させることでループを形成する
ようにしている。
【0042】なおこの外側締結部64と締め付けロック
機構78、82およびジョイントフック88とで構成す
るループはタイヤ滑り止め装置50をタイヤ70に装着
すると、図2(1)に示すように前記タイヤ70の側面
に位置することとなる。そして各締め付けロック機構7
8、82を構成する本体部92を回動して締め付けアー
ム80、84を本体側に引き寄せてロックすることによ
り、タイヤ70の車両外側に形成されるループを縮径し
て、タイヤ滑り止め装置50を前記タイヤ70に固定で
きるようにしてある。
【0043】ここで締め付けロック機構78、82を構
成する本体部92の回動中心部には、前記本体部92を
回動させるためのハンドルを挿入させるための3つの穴
が空いているが、真ん中の穴は車載工具としてのドライ
バでも使用できるように、十字型をした嵌合溝を有して
おり、プラス型あるいはマイナス型のドライバに対応し
ており、万が一、前記ハンドルを紛失した場合でも、タ
イヤ70へのタイヤ滑り止め装置50の着脱を行える構
造になっている。
【0044】図7は、締め付けロック機構を稼働させる
ためのハンドルの構造を示す説明図であり、同図(1)
は上側面図であり、同図(2)は正面図であり、同図
(3)は下側面図である。これらの図に示すように、ハ
ンドル94は、本体部92に設けられた3つの穴に差し
込み挿入が可能な挿入用ピン96、98と、前記挿入用
ピン96を中心として挿入用ピン98を回転させる為の
把手100とで構成されている。また挿入用ピン96の
先端は、本体部92の回動中心となる穴に勘合し、これ
に回転力を伝達できるよう十字のビット102が形成さ
れている。
【0045】そしてこのようなハンドル94を用いるこ
ととすれば、挿入用ピン96、98を本体部92の3つ
の穴に差し込むとともに、把手100を挿入用ピン96
周りに回転させれば、その回転力が、挿入用ピン96の
先端に形成された十字ビットおよび一対の挿入用ピン9
8によって本体部92へと伝達され、当該本体部の回動
を容易に行わせることができるようになっている。
【0046】そして締め付けロック機構78、82は、
締め付けアーム80、84が前記締め付けロック機構7
8、82の締め付け回転面の対して垂直方向に、本体部
92上を回転するようになっている。このため、内側締
結部の両端部に形成された折りたたみ構造部分に対応し
て、外側の締結部においてもタイヤ滑り止め装置50を
6つに折りたたむことができる。そして内側締結部62
および外側締結部64は、異なったサイズのタイヤ70
にも装着が可能なようにその長さと断面形状が設定され
ている。
【0047】このように滑り止めトレッド部54、脚部
56、脚部58、接続部60、内側締結部62、外側締
結部64と一体にて成形し、これらを前記タイヤ70を
包むように連続して接続すれば、内側締結部62や外側
締結部64とを取り付ける部材が不要になり、更に前記
部材によって双方を取り付ける製作工程も無くすること
ができる。そしてタイヤ滑り止め装置50をタイヤ70
に装着した際に、生じる寸法差を接続部60の屈曲(首
振り)によって吸収することができるようにしたことか
ら、前記寸法差を吸収することができずに周方向の距離
が短い連結材の方に弛みが生じるのを防止することが可
能になる。
【0048】ところで本実施の形態では、滑り止めトレ
ッド部54の両側に形成される接続部60を一体成形す
ることとし、内側締結部62と外側締結部64との接続
を行うようにしたが、この形態に限定されることもな
く、例えば連結部との一体成形を内側または外側のいず
れか一方側としてもよい。このように接続部60によっ
て締結部との接続を片側に設定すれば、タイヤ形状や、
タイヤ周囲の形状あるいは、タイヤ滑り止め装置50の
条件に応じてより良い形態を選択することが可能にな
る。
【0049】また本実施の形態では、滑り止め部材の単
体構造が平面状であるとして説明を行うようにしたが、
この形態に限定されることもなく、前記滑り止め部材を
立体形状となるように成形を行うようにしてもよい。さ
らに上述したタイヤ滑り止め装置50では、締め付けロ
ック機構の数を5個としたが、この形態に限定されるこ
ともなく、前記締め付けロック機構の設置個数を変動さ
せてもよい。
【0050】図8は、本発明の実施の形態に係るタイヤ
滑り止め装置における第1応用例の展開図であり、図9
は、第1応用例となるタイヤ滑り止め装置をタイヤに装
着した状態を示す側面図であり、同図(1)は車両外側
から見た図、同図(2)は車両内側から見た図である。
また図10は、第1応用例となるタイヤ滑り止め装置に
おける要部拡大図であり、図11は、図10の背面図で
ある。
【0051】なお本発明の実施の形態に係るタイヤ滑り
止め装置50と同様の部材については、同装置50と同
様の番号を付与することとし、共通する部分について
は、その説明を省略する。これらの図に示されるように
タイヤ滑り止め装置50の第1応用例となるタイヤ滑り
止め装置104も、複数の滑り止め部材52a〜52f
を有している。そして複数の滑り止め部材52同士の接
続となる外側締結部64同士の接続においては、滑り止
め部材52bと滑り止め部材52c、滑り止め部材52
dと滑り止め部材52eとの間は、締め付けロック機構
78を構成する締め付けアーム80に接続されており、
前記締め付けロック機構78によって連結されている。
また滑り止め部材52cと滑り止め部材52d、滑り止
め部材52fと滑り止め部材52aとの間は、締め付け
ロック機構82を構成する締め付けアーム80、84に
接続されており、前記締め付けロック機構82によって
連結されている。また締め付けロック機構82を構成す
る締め付けアーム84は、前記締め付けアーム80より
も全長が長く設定されているとともに、外側締結部64
の端部に対して着脱が可能になっている。
【0052】そして滑り止め部材52aと滑り止め部材
52b、滑り止め部材52eと滑り止め部材52fとの
間は、ジョイントフック88が取り付けられており、当
該ジョイントフック88の他端を、隣接する外側締結部
に結合させることでループを形成するようにしている。
【0053】このように外側締結部64と締め付けロッ
ク機構78、82およびジョイントフック88とで構成
するループはタイヤ滑り止め装置50をタイヤ70に装
着すると、図9(1)に示すように前記ループは、前記
タイヤ70の側面に位置することとなる。そしてタイヤ
滑り止め装置50と同様、各締め付けロック機構78、
82を構成する本体部92を回動して締め付けアーム8
0、84を本体側に引き寄せてロックすることにより、
タイヤ70の車両外側に形成されるループを縮径して、
タイヤ滑り止め装置104を前記タイヤ70に固定でき
るようにしてある。ここでタイヤ滑り止め装置104で
は、同図に示すように締め付けロック機構78、82の
総数が4個となっており、このようにロック機構78、
82の総数をタイヤ滑り止め装置50に対して減らした
ので、締め付け工数が少なくなり、タイヤ70への装着
作業者の負担軽減を図ることができる。また比較的高価
な締め付けロック機構を削減できるので、大幅なコスト
ダウンを図ることが可能になる。
【0054】ところでタイヤ滑り止め装置104では、
タイヤ滑り止め装置50に比べ、脚部の形状が異なって
いる。図10および図11に示すようにタイヤ滑り止め
装置104における脚部106では、滑り止めトレッド
部54からの引き出し部分が脚部56に対して幅広に設
定されており、内側締結部62側に向かって緩やかに先
細になるよう形成されている。そして脚部106の長さ
も脚部56に対して長く設定されており(脚部106の
延長分だけ接続部60を短くする)、タイヤ70の側面
に密着する面積を広くとれるようにしている。
【0055】一方、脚部108についても同様に、滑り
止めトレッド部54側の根本が幅広に設定されており、
外側締結部64側に向かって細くなるよう形成されてい
る。そして脚部108の長さも脚部58に対して長く設
定され(脚部108の延長分だけ接続部60を短くす
る)、タイヤ70の側面に密着する面積を広くとれるよ
うにしている。
【0056】図12は、第1応用例となるタイヤ滑り止
め装置の変形例の展開図であり、図13は、変形例とな
るタイヤ滑り止め装置をタイヤに装着した状態を示す側
面図であり、同図(1)は車両外側から見た図、同図
(2)は車両内側から見た図である。なお同変形例に係
るタイヤ滑り止め装置110は、上述したタイヤ滑り止
め装置104と部材の配置場所のみが異なっているた
め、同装置104と同様の番号を付与することとし、共
通する部分については、その説明を省略する。
【0057】これらの図に示すように変形例となるタイ
ヤ滑り止め装置110では、滑り止め部材52aと滑り
止め部材52b、滑り止め部材52dと滑り止め部材5
2eとの間は、締め付けロック機構78を構成する締め
付けアーム80に接続されており、前記締め付けロック
機構78によって連結されている。また滑り止め部材5
2cと滑り止め部材52d、滑り止め部材52fと滑り
止め部材52aとの間は、締め付けロック機構82を構
成する締め付けアーム80、84に接続されており、前
記締め付けロック機構82によって連結されている。そ
して滑り止め部材52bと滑り止め部材52c、滑り止
め部材52eと滑り止め部材52fとの間は、ジョイン
トフック88が取り付けられており、当該ジョイントフ
ック88の他端を、隣接する外側締結部に結合させるこ
とでループを形成するようにしている。このように締め
付けロック機構の配置位置を変動させても、外輪締結部
64間を締め付けることができ、前記タイヤ滑り止め装
置104と同様、装着作業者の負担軽減と、締め付けロ
ック機構の削減によってコストダウンを達成することが
可能になる。そしてタイヤ滑り止め装置104やタイヤ
滑り止め装置110の形態に限定されることもなく、締
め付けロック機構は、任意の滑り止め部材の間に配置可
能であることはいうまでもない。
【0058】そして上述したタイヤ滑り止め装置104
や、タイヤ滑り止め装置110では、締め付けロック機
構の数を4個とし、任意の滑り止め部材の間に配置する
ようにしたが、この形態に限定されることもなく、前記
締め付けロック機構を任意の滑り止め部材の間に複数配
置するようにしてもよい。
【0059】図14は、本発明の実施の形態に係るタイ
ヤ滑り止め装置における第2応用例の展開図であり、図
15は、第2応用例となるタイヤ滑り止め装置をタイヤ
に装着した状態を示す側面図であり、同図(1)は車両
外側から見た図、同図(2)は車両内側から見た図であ
る。
【0060】なお本発明の実施の形態に係るタイヤ滑り
止め装置50と同様の部材については、同装置50と同
様の番号を付与することとし、共通する部分について
は、その説明を省略する。これらの図に示されるように
タイヤ滑り止め装置50の第2応用例となるタイヤ滑り
止め装置112も、複数の滑り止め部材52a〜52f
を有している。そして複数の滑り止め部材52同士の接
続となる外側締結部64同士の接続においては、滑り止
め部材52cと滑り止め部材52d、滑り止め部材52
fと滑り止め部材52aとの間は、締め付けロック機構
85を構成する締め付けアーム80に接続されており、
前記締め付けロック機構85によって連結されている。
【0061】また滑り止め部材52aと滑り止め部材5
2b、滑り止め部材52bと滑り止め部材52c、滑り
止め部材52dと滑り止め部材52e、滑り止め部材5
2eと滑り止め部材52fとの間は、ジョイントフック
88が取り付けられており、当該ジョイントフック88
の他端を、隣接する外側締結部に結合させることでルー
プを形成するようにしている。
【0062】このように外側締結部64と一対の締め付
けロック機構85、およびジョイントフック88とで構
成するループはタイヤ滑り止め装置112をタイヤ70
に装着すると、図15(1)に示すように前記ループ
は、前記タイヤ70の側面に位置することとなる。そし
てタイヤ滑り止め装置50と同様、各締め付けロック機
構85を構成する本体部92を回動して締め付けアーム
80と締め付けアーム81を本体側に引き寄せてロック
することにより、タイヤ70の車両外側に形成されるル
ープを縮径して、タイヤ滑り止め装置112を前記タイ
ヤ70に固定できるようにしてある。ここでタイヤ滑り
止め装置112では、同図に示すように本体部92の総
数が4個となっており、このように本体部92の総数を
タイヤ滑り止め装置50に対して減らしたので、タイヤ
滑り止め装置104やタイヤ滑り止め装置110と同
様、締め付け工数を少なくすることができ、タイヤ70
への装着作業者の負担軽減を図ることができる。また比
較的高価な締め付けロック機構を削減できるので、大幅
なコストダウンを図ることが可能になる。
【0063】またタイヤ滑り止め装置112では、一対
の本体部92を締め付けアーム81を介して直列に接続
し、これを締め付けロック機構85とするとともに、当
該締め付けロック機構85を滑り止め部材の間に複数配
置(本装置112では2個)するようにしたが、このよ
うに滑り止め部材の間に本体部92を複数接続させるこ
とで、本装置112をタイヤ70に対して一層密着させ
ることができる。
【0064】図16は、第2応用例となるタイヤ滑り止
め装置における締め付けロック機構の締め付け前後の状
態を示した説明図である。同図に示すように締め付けロ
ック機構82における締め付け移動距離は、本体部92
に取り付けられた一対の締め付けアーム80間の寸法
(図中、A寸法参照)を回転半径とした2Aとなる。こ
こで締め付けアーム80と締め付けアーム84の両端に
加わっている力が同じで、本体部92を揺動させるため
のハンドル94が同一である場合には、寸法Aと本体部
92を揺動させるために必要な力は比例し、寸法Aを大
きくしようとするとハンドル94に大きな力を加えなく
てはならない。
【0065】タイヤ滑り止め装置をタイヤ70に取り付
ける場合では、締め付け前後の距離の差が大きいほう
が、装着性が向上するので好ましいが、前述の通り寸法
Aを大きくすると締め付け作業者に大きな負荷がかか
る。そしてこの問題を解決するため、締め付けに用いる
把手を大きくし、回転モーメントを増大させる手段も考
えられるが、前記把手を大きくすると当該把手が地面に
当たり、締め付け作業が出来なくなるという新たな問題
が発生する。
【0066】これらの問題を解決するためにタイヤ滑り
止め装置112では、滑り止め部材の間に、本体部92
を締め付けアーム81を介して直列に接続した締め付け
ロック機構85を配置することとした。このように本体
部92を滑り止め部材の間に2連に配置すれば、同図に
示すように締め付け後の寸法は、
【数式1】 に示すように同一となる。しかし、締め付けロック機構
85の開放状態から締め付け状態に至るまでの移動距離
は、
【数式2】 となり、本体部92を一段だけ配置した場合と比較して
2倍になる。さらにこれら本体部92の締め付けに用い
るハンドル94は、他のタイヤ滑り止め装置に用いられ
るものと同一のものが使用でき、当該ハンドル94を回
転させる際、前記ハンドル94が地面に接触するのを防
止することが可能になる。なおハンドル94の回転に伴
って本体部92を揺動させると、当該本体部92に形成
された回転防止ストッパ122のストッパ面124に締
め付けアーム80と締め付けアーム81が接触するの
で、本体部92が必要以上に揺動するのを防止すること
ができる。ゆえに締め付けロック機構85では、締め付
けアーム80と締め付けアーム81が本体部92の揺動
中心点(ビット102の回転中心)まわりに思案点を超
えた位置で保持され、締め付け状態を保持することが可
能になっている。
【0067】そして2連に本体部92が接続された締め
付けロック機構85は、タイヤ滑り止め装置112の取
り付けの際に、外部締結部の接続に最も余裕が必要にな
るタイヤ接地部に配置されるロック機構部に適用するの
が効果的である(滑り止め部材52cと滑り止め部材5
2d、および滑り止め部材52fと滑り止め部材52a
の間)。なお上述した説明では、締め付けロック機構8
5における本体部92の接続を2連として説明したが、
この形態に限定されることもなく、前記本体部92の接
続を3連以上にしてもよい。
【0068】本タイヤ滑り止め装置112においては図
15に示すように、タイヤ70への装着時に締め付けロ
ック機構85や、ジョイントフック88がタイヤ70の
中心に対して対角になるよう配置することとしたが、複
数の本体部からなる締め付けロック機構やジョイントフ
ックの数や、配置場所は任意であってよく、さらに全て
の締め付け部分に締め付けロック機構を適用しなくても
よい。また複数の本体部からなる締め付けロック機構に
係る発明は、非金属からなるタイヤ滑り止め装置だけに
適用されるものではなく、金属チェーンにも適用できる
ことはいうまでもない。
【0069】図17は、第2応用例となるタイヤ滑り止
め装置の変形例の展開図であり、図18は、変形例とな
るタイヤ滑り止め装置をタイヤに装着した状態を示す側
面図であり、同図(1)は車両外側から見た図、同図
(2)は車両内側から見た図である。また図19は、第
2応用例となるタイヤ滑り止め装置における要部拡大図
であり、図20は、図19の背面図である。なお同変形
例に係るタイヤ滑り止め装置114は、上述したタイヤ
滑り止め装置112に対し、滑り止め部材の形状のみが
異なっているため、同装置112と同様の番号を付与す
ることとし、共通する部分については、その説明を省略
する。
【0070】これらの図に示すように変形例となるタイ
ヤ滑り止め装置114では、滑り止めトレッド部54の
中央部分から、内側締結部62に接続する脚部116
と、外側締結部64に接続する脚部118とが設けられ
ており、これら脚部116と脚部118の先端には内側
締結部62と外側締結部64との接続をなす接続部12
0が設けられている。なお接続部120には、接続部6
0と同様にスリット66が形成されており、このスリッ
ト66を形成したことでタイヤ滑り止め装置114をタ
イヤ70に装着する際に、前記タイヤ70の取り付けの
際に生じる寸法差を前記接続部120の屈曲(首振り)
によって吸収することが可能となる。そして周方向の距
離が短い連結材の方に弛みが生じるのを防止することが
できる。また新たに脚部116と脚部118とを設けた
ことから、タイヤ70に密着する面積が増加し、走行時
におけるタイヤ滑り止め装置114のタイヤ70からの
浮き上がりや、ばたつきを防止することが可能となり、
雪面に対する安定した走行を行うことができる。
【0071】図21および図22は、滑り止め部材の変
形例を示す要部拡大図である。これれらの図に示すよう
に、必ずしも滑り止めトレッド部54の両側から脚部1
16と脚部118を引き出す必要もなく、適用する車種
のタイヤ形状やその他種々の条件に応じて、脚部116
あるいは脚部118のどちらか一方を設けるようにして
もよい。このようにいずれか一方の脚部を設けるように
しても、タイヤ70との密着度合いを向上させることが
可能になる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、非
金属製滑り止め部材を、滑り止めトレッド部と、当該滑
り止めトレッド部より引き出される接続部とで構成し、
前記非金属製滑り止め部材をタイヤの周方向に沿って複
数配置するとともに、前記接続部に連結するよう前記タ
イヤの車両外側と車両内側とに連結材を設けたタイヤ滑
り止め装置において、これら前記滑り止めトレッド部
と、前記接続部と、前記連結材とを変形可能な部材にて
一体成形し、装着時に生じる前記タイヤの周方向の位置
ずれを前記接続部の変形にて吸収したことから、タイヤ
への装着時に滑り止め部材と、連結材との間の寸法差を
吸収することができるとともに、部品点数と、組立工数
とを少なくすることが達成でき、タイヤ滑り止め装置を
安価に提供することが可能になる。
【0073】また滑り止めトレッド部をタイヤの周方向
に沿うよう形成し、前記タイヤの車両外側と車両内側と
に位置する前記滑り止めトレッド部の端部側にループ形
成をなすタイヤ固定用索を設け、前記車両外側における
前記タイヤ固定用索の少なくとも途中一箇所に複数の締
め付け手段を連続配置したことから、個々の締め付け手
段の締め付け力を小さくできるとともに、全体としては
ループ径の縮小量を大きくすることができる。ゆえに本
装置を構成する滑り止め部材をタイヤの表面に一層密着
させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るタイヤ滑り止め装置
の展開図である。
【図2】タイヤ滑り止め装置をタイヤに装着した状態を
示す側面図である。
【図3】タイヤ滑り止め装置における要部拡大図であ
る。
【図4】図3の背面図である。
【図5】内側締結部同士を接続するための各種フック形
状を示した構造説明図である。
【図6】外側締結部同士を接続するための各種締め付け
ロック機構等を示した構造説明図である。
【図7】締め付けロック機構を稼働させるためのハンド
ルの構造を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るタイヤ滑り止め装置
における第1応用例の展開図である。
【図9】第1応用例となるタイヤ滑り止め装置をタイヤ
に装着した状態を示す側面図である。
【図10】第1応用例となるタイヤ滑り止め装置におけ
る要部拡大図である。
【図11】図10の背面図である。
【図12】第1応用例となるタイヤ滑り止め装置の変形
例の展開図である。
【図13】変形例となるタイヤ滑り止め装置をタイヤに
装着した状態を示す側面図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るタイヤ滑り止め装
置における第2応用例の展開図である。
【図15】第2応用例となるタイヤ滑り止め装置をタイ
ヤに装着した状態を示す側面図である。
【図16】第2応用例となるタイヤ滑り止め装置におけ
る締め付けロック機構の締め付け前後の状態を示した説
明図である。
【図17】第2応用例となるタイヤ滑り止め装置の変形
例の展開図である。
【図18】変形例となるタイヤ滑り止め装置をタイヤに
装着した状態を示す側面図である。
【図19】第2応用例となるタイヤ滑り止め装置におけ
る要部拡大図である。
【図20】図19の背面図である。
【図21】滑り止め部材の変形例を示す要部拡大図であ
る。
【図22】滑り止め部材の変形例を示す要部拡大図であ
る。
【図23】上記公報に記載されているタイヤ滑り止め装
置を示した平面図である。
【図24】同タイヤ滑り止め装置をタイヤに装着した状
態を示した外観図である。
【符号の説明】
10………タイヤ滑り止め装置、12a〜12f………
滑り止め部材、16………脚部、18………脚部、21
………矢印、22………固定具、26a〜26c………
チューブ(チューブ体)、28………ワイヤ、50……
…タイヤ滑り止め装置、52a〜52f………滑り止め
部材、53………滑り止めピン、54………滑り止めト
レッド部、56………脚部、58………脚部、60……
…接続部、62………内側締結部、64………外側締結
部、66………スリット、68………矢印、70………
タイヤ、72………裏フック、74………裏フック、7
5………左側先端、76………裏フック、77………右
側先端、78………締め付けロック機構、80………締
め付けアーム、81………締め付けアーム、82………
締め付けロック機構、84………締め付けアーム、85
………締め付けロック機構、86………左側先端、88
………ジョイントフック、90………右側先端、92…
……本体部、94………把手、96………挿入用ピン、
98………挿入用ピン、100………把手、102……
…ビット、104………タイヤ滑り止め装置、106…
……突起、108………突起、110………タイヤ滑り
止め装置、112………タイヤ滑り止め装置、114…
……タイヤ滑り止め装置、116………脚部、118…
……脚部、120………接続部、122………回転防止
ストッパ、124………ストッパ面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非金属製滑り止め部材を、滑り止めトレ
    ッド部と、当該滑り止めトレッド部より引き出される接
    続部とで構成し、前記非金属製滑り止め部材をタイヤの
    周方向に沿って複数配置するとともに、前記接続部に連
    結するよう前記タイヤの車両外側と車両内側とに連結材
    を設けたタイヤ滑り止め装置において、これら前記滑り
    止めトレッド部と、前記接続部と、前記連結材とを変形
    可能な部材にて一体成形し、装着時に生じる前記タイヤ
    の周方向の位置ずれを前記接続部の変形にて吸収したこ
    とを特徴とするタイヤ滑り止め装置。
  2. 【請求項2】 前記接続部は、当該接続部の厚み方向に
    スリットを形成した形態からなり、当該スリットにて前
    記接続部の変形抵抗を低減させたことを特徴とする請求
    項1に記載のタイヤ滑り止め装置。
  3. 【請求項3】 車両外側と車両内側とのいずれか片側に
    設けられた連結材を一体成形で形成したことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のタイヤ滑り止め装
    置。
  4. 【請求項4】 前記車両外側における前記連結材の間の
    少なくとも一箇所に複数の締め付け手段を連続配置した
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ滑り止め装
    置。
  5. 【請求項5】 滑り止めトレッド部をタイヤの周方向に
    沿うよう形成し、前記タイヤの車両外側と車両内側とに
    位置する前記滑り止めトレッド部の端部側にループ形成
    をなすタイヤ固定用索を設け、前記車両外側における前
    記タイヤ固定用索の少なくとも途中一箇所に複数の締め
    付け手段を連続配置したことを特徴とするタイヤ滑り止
    め装置。
  6. 【請求項6】 前記締め付け手段は、揺動可能な本体部
    と、この本体部における揺動中心点の外方に回転可能に
    接続された一対のアームとから構成され、前記本体部の
    揺動にて前記アームが前記揺動中心点まわりに思案点を
    超えた際に、その位置を保持する回転防止ストッパを前
    記本体部に形成したことを特徴とする請求項4または請
    求項5に記載のタイヤ滑り止め装置。
JP2001055459A 2000-10-27 2001-02-28 タイヤ滑り止め装置 Pending JP2002200907A (ja)

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