JP2002197827A - ディスクカートリッジ及びライナの貼着方法 - Google Patents

ディスクカートリッジ及びライナの貼着方法

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JP2002197827A
JP2002197827A JP2000395854A JP2000395854A JP2002197827A JP 2002197827 A JP2002197827 A JP 2002197827A JP 2000395854 A JP2000395854 A JP 2000395854A JP 2000395854 A JP2000395854 A JP 2000395854A JP 2002197827 A JP2002197827 A JP 2002197827A
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liner
disk
cartridge
magnetic disk
recording medium
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JP2000395854A
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Takehiko Fukushima
剛彦 福島
Kenichi Kano
賢一 鹿野
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不織布の柔軟性を維持してライナの塵埃捕捉性
能を向上させる。 【解決手段】中心部にクランプ部が設けられたディスク
状記録媒体5と、上下一対のハーフ2,3とからなり、
ディスク状記録媒体5を回転可能に収納すると共に、デ
ィスク状記録媒体5の信号記録領域の一部を内外周に亘
って外方に臨ませる記録再生用開口部26,27と、何
れか一方の面にクランプ部を外方に臨ませる中央開口部
25とが設けられるカートリッジ本体4と、一方の面側
に感熱接着層57が設けられ、感熱接着層57によりカ
ートリッジ本体4の少なくとも一方の面に配設されるラ
イナ49,61とを備え、ライナ49,61は、内周か
ら外周に亘ってディスク状記録媒体5の回転方向に湾曲
して形成された略線状の押圧溝53,65が設けられ、
押圧溝53,65と交差するようにディスク状記録媒体
5の周回り方向に略線状に設けられた接着溝54,66
でカートリッジ本体4の少なくとも一方の面に接着され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状記録媒
体を収納したカートリッジ本体の内面に、ディスク状記
録媒体を保護するためのライナを配設したディスクカー
トリッジ及びこのライナの貼着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気ディスクをカートリッジ本体
内に回転可能に収納するディスクカートリッジは、カー
トリッジ本体内に侵入した塵埃により磁気ディスクが汚
損することを防止するため、ライナがカートリッジ本体
内の磁気ディスクと対向する面に取り付けられている。
【0003】ライナが取り付けられるディスクカートリ
ッジ201は、図24に示すように、上下一対のハーフ
202,203を突き合わせ結合したカートリッジ本体
204を備え、このカートリッジ本体204内に情報信
号が記録される磁気ディスク205が回転可能に収納さ
れてなる。磁気ディスク205は、中央部にセンタ穴2
06が穿設され、センタ穴206の外周側に信号記録領
域が形成されている。このような磁気ディスク205に
は、センタ穴206を閉塞するようにして金属板等の磁
性材料からなるハブ207が取り付けられている。
【0004】カートリッジ本体204を構成する上下ハ
ーフ202,203は、相対向する内面に磁気ディスク
205の水平方向の収納位置を規制する位置規制壁21
1,211が設けられている。位置規制壁211,21
1は、上下ハーフ202,203の周囲に立設された立
ち上がり周壁202a,203aに内接するように設け
られ、上下ハーフ202,203とが互いに付き合わさ
れてカートリッジ本体204を構成したとき、その内部
に、磁気ディスク205を回転可能に収納するディスク
収納部212を構成する。
【0005】また、下ハーフ203の中央部には、ハブ
207を外方に臨ませる中央開口部214が形成されて
いる。また、上下ハーフ202,203には、中央部か
ら、記録又は再生装置への挿入端となる前面に亘って磁
気ディスク205の一部を内外周に亘って外方に臨ませ
る記録又は再生用の開口部215,216が設けられて
いる。そして、開口部215,216は、カートリッジ
本体204の前面部に沿って移動可能に組み付けられる
シャッタ218により閉塞される。シャッタ218は、
記録再生装置に装填されたときに限って記録又は再生用
の開口部215,216を開放する。したがって、ディ
スクカートリッジ201は、カートリッジ本体204が
記録再生装置に装填されない非使用時に、ディスク収納
部212内に塵埃等が侵入することを防止することがで
きる。
【0006】上下ハーフ202,203の相対向する内
面に形成されているディスク収納部212には、磁気デ
ィスク205が回転可能に収納され、収納された磁気デ
ィスク205を保護するとともに、収納された磁気ディ
スク205のディスク表面に付着した塵埃、指紋等の異
物を払拭するためのライナ220が配設されている。
【0007】このライナ220は、磁気ディスク205
の外径よりやや大きく不織布を略円形に打ち抜いて形成
されている。また、ライナ220は、カートリッジ本体
204を構成する上ハーフ202と下ハーフ203に設
けられた記録又は再生用の開口部215,216に対応
して、記録又は再生用の開口部215,216より外形
がやや大きくなるように切欠部221と、下ハーフ20
3の中央部に設けられた中央開口部214に対応して、
中央開口部214より外形がやや大きくなるように開口
部222とが連続して形成されている。また、ライナ2
20は、上下ハーフ202,203への取付側に感熱接
着層224が全面に亘って形成されている。
【0008】このようなライナ220は、図25に示す
取付装置225により、感熱接着層224を溶融するこ
とにより、上下ハーフ202,203の内面に形成され
たディスク収納部212に熱溶着される。この取付装置
225は、図25に示すように、ライナ220の感熱接
着層224を溶融する略円柱状の溶着ヘッド226を有
する。この溶着ヘッド226は、図25に示すように、
先端部にライナ220を上下ハーフ202,203のデ
ィスク収納部212に溶着させる溶着部227が形成さ
れている。この溶着部227は、ライナの全面を覆う大
きさに形成され、ヒータ228によりライナ220の感
熱接着層224が溶融される温度に加熱される。
【0009】そして、取付装置225は、図26に示す
ように、ディスク収納部212内に配設されたライナ2
20に溶着ヘッド226を熱圧着することにより、ディ
スク収納部212側に配設されている感熱接着層を溶融
させ、ライナ220を上下ハーフ202,203の内面
に全面に亘り溶着させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ライナ220
は、高温に維持された溶着ヘッド226の溶着部227
に、全面に亘って当接されるため、不織布からなるライ
ナ220のシート表面が溶着ヘッド226により加熱さ
れることにより、先細形状に形成された繊維を焼いてし
まい、繊維先端が球状に固化して、不織布の柔軟性を失
ってしまう。このように繊維が固化されたライナ220
は、磁気ディスク205に摺接すると磁気ディスク20
5の表面を傷つけてしまうことがある。
【0011】また、ライナ220は、溶着ヘッド226
により熱圧着されるため、塵埃等を捕捉する不織布繊維
間の空間が減少され、磁気ディスク205に附着した塵
埃等の捕捉能力が劣化してしまう。これにより、磁気デ
ィスク205上に塵埃等が付着し、磁気ディスク205
の記録再生機能に障害をもたらす場合があった。
【0012】また、ライナ220に附着した塵埃等によ
り磁気ディスク205の表面が汚損される場合があり、
磁気ディスク205の記録再生機能に障害をもたらすこ
とがあった。
【0013】そこで、本発明は、ライナに設けられた押
圧溝及び接着溝を形成することにより、ライナとディス
ク収納部とが熱圧着される面積を抑え、不織布の柔軟性
を維持してライナの塵埃捕捉性能を向上させるととも
に、ライナに附着した塵埃等をライナ表面より移動さ
せ、ディスク状記録媒体を汚損することを防止するディ
スクカートリッジ及びライナの貼着方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明にに係るディスクカートリッジは、中心
部にディスク回転操作部にクランプされるクランプ部が
設けられたディスク状記録媒体と、上下一対のハーフと
からなり、上記ディスク状記録媒体を回転可能に収納す
ると共に、上記ディスク状記録媒体の信号記録領域の一
部を内外周に亘って外方に臨ませる記録再生用開口部
と、何れか一方の面に上記クランプ部を外方に臨ませる
中央開口部とが設けられるカートリッジ本体と、一方の
面側に感熱接着層が設けられ、この感熱接着層により上
記カートリッジ本体の少なくとも一方の面に配設される
ライナとを備え、上記ライナは、内周から外周に亘って
上記ディスク状記録媒体の回転方向に湾曲して形成され
た略線状の押圧溝が設けられ、この押圧溝と交差するよ
うに上記ディスク状記録媒体の周回り方向に略線状に設
けられた接着溝で上記カートリッジ本体の少なくとも一
方の面に接着されている。
【0015】また、本発明に係るライナの貼着方法は、
ライナ本体の一方の面側に感熱接着層が設けられたライ
ナ原反より打ち抜かれたライナを、押圧部材によって上
記ライナ本体側から押圧することで内周から外周に亘っ
てディスク状記録媒体の回転方向に湾曲した略線状の押
圧溝を形成する工程と、上記カートリッジ本体を構成す
る上下ハーフの少なくとも一方のハーフの内面に、上記
押圧溝が形成された上記感熱接着層を対向させて配置
し、上記押圧溝と交差し上記ライナの周回り方向に略線
状に上記感熱接着層を溶融し、上記ライナを上記ハーフ
内面に接着する工程とを有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用されたディス
クカートリッジについて図面を参照して説明する。この
ディスクカートリッジ1は、図1乃至図3に示すよう
に、合成樹脂を射出成形する等して略矩形状に形成され
た上下一対のハーフ2,3を突き合わせ結合したカート
リッジ本体4を備え、このカートリッジ本体4内に、情
報信号が記録される記録媒体となる磁気ディスク5が収
納されてなる。ここで、カートリッジ本体4を構成する
上下ハーフ2,3は、アクリルニトリルブチルスチレン
(ABS)樹脂等の合成樹脂材料を射出成形して形成さ
れている。
【0017】カートリッジ本体4に回転可能に収納され
る磁気ディスク5は、図3に示すように、可撓性を有す
る薄い合成樹脂製のフィルムの両面に磁性層を被着した
直径がほぼ3.5インチのディスク本体6を備える。デ
ィスク本体6の中心部には、図4に示すように、中心孔
7が穿設され、この中心孔7に嵌合するように、センタ
コア8が取り付けられている。センタコア8は、金属板
等の磁性材料により形成され、磁気ディスク5をディス
ク記録再生装置側に配設されたディスク回転操作機構に
装着されたときに、ディスク回転操作機構側に設けられ
るマグネットによって磁気吸引され、磁気ディスク5を
ディスク回転操作機構にクランプさせる。すなわち、セ
ンタコア8は、磁気ディスク5のディスク回転操作機構
へのクランプ部を構成する。
【0018】センタコア8は、図4に示すように、中心
部に扁平な筒状をなす膨出部9が形成され、膨出部9の
上端側にディスク本体6への取付け部となるフランジ部
10が一体に形成されている。膨出部9の底部9aに
は、ディスク回転操作機構を構成するスピンドル軸が挿
通するスピンドル軸挿通孔11と、ディスク回転操作機
構側に設けられる駆動ピンが係合する駆動ピン挿通孔1
2が穿設されている。スピンドル軸挿通孔11及び駆動
ピン挿通孔12の周囲には、立上がり壁11a,12a
が形成されている。これら立上がり壁11a,12a
は、スピンドル軸及び駆動ピンの周面を広い面で支持
し、スピンドル軸挿通孔11及び駆動ピン挿通孔12と
スピンドル軸及び駆動ピンとを安定した状態で確実に係
合させる。
【0019】膨出部9の底部9aには、ディスク回転操
作機構のディスクテーブルにディスク載置部13が形成
されている。ディスク載置部13は、膨出部9の底部9
aに窪みを設けることにより構成され、ディスクテーブ
ルに嵌合するように載置され、磁気ディスク5のディス
クテーブルに対する装着位置のずれを防止している。
【0020】以上のようなセンタコア8は、膨出部9を
ディスク本体6の中心孔7に嵌合され、フランジ部10
をディスク本体6の一方の面側に載置して配設され、フ
ランジ部10とディスク本体6間を接着剤14により接
合してディスク本体6に取り付けられている。なお、こ
こで用いられる磁気ディスク5は、100メガバイト以
上の記録容量を有し、ディスク回転操作機構に装着さ
れ、3000rpm以上の回転速度で回転される。
【0021】以上のような磁気ディスク5を回転可能に
収納するカートリッジ本体4は、図1乃至図3に示すよ
うに、合成樹脂を射出成形して略矩形状に形成された上
下一対のハーフ2,3を突き合わせ結合して構成される
ものである。このカートリッジ本体4を構成する上下ハ
ーフ2,3の外周囲には、図5及び図6に示すように、
互いに突き合わせ結合されてカートリッジ本体4の前面
壁15、背面壁16及び相対向する側面壁17,18を
構成する立上がり壁19,20が形成されている。
【0022】上下ハーフ2,3の相対向する内面側に
は、図5及び図6に示すように、磁気ディスク5を回転
可能に収納するためのディスク収納部21を区画するた
めの仕切壁22を構成する仕切壁構成壁23,24が立
ち上がり形成されている。これら仕切壁構成壁23,2
4は、略矩形状をなす上ハーフ2及び下ハーフ3の立上
がり壁19,20に内接するような略円弧状に形成さ
れ、互いに突き合わされることにより図7に示すように
仕切壁22を構成し、この仕切壁22により囲まれた領
域をディスク収納部21としている。ディスク収納部2
1を構成する仕切壁22は、略矩形状をなす上ハーフ2
及び下ハーフ3の立上がり壁19,20に内接するよう
な略円弧状に形成されるので、ディスク収納部21に収
納される磁気ディスク5の外周囲のほぼ全周を囲んでい
る。
【0023】カートリッジ本体4の下面側を構成する下
ハーフ3の中央部には、図2及び図3に示すように、カ
ートリッジ本体4に収納された磁気ディスク5に取り付
けられたセンタコア8の膨出部9を外方に臨ませる略円
形の中央開口部25が形成されている。この中央開口部
25は、下ハーフ3のみに設けられ、上ハーフ2により
構成されるカートリッジ本体2の上面側の中央部は、図
1及び図3に示すように、閉塞されている。
【0024】カートリッジ本体4の上面側を構成する上
ハーフ2及びカートリッジ本体4の下面側を構成する下
ハーフ3の相対向する位置には、図1乃至図3に示すよ
うに、カートリッジ本体4に収納した磁気ディスク5の
信号記録領域の少なくとも一部を径方向に亘って外方に
臨ませる第1及び第2の記録再生用開口部26,27が
形成されている。これら第1及び第2の記録再生用開口
部26,27は、カートリッジ本体4の左右方向の中央
部に位置して、中央開口部25の近傍位置からカートリ
ッジ本体4の前面壁15の近傍位置に亘って略矩形状に
形成されている。すなわち、第1及び第2の記録再生用
開口部26,27は、図5及び図6に示すように、第1
及び第2の記録再生用開口部26,27を介してカート
リッジ本体4内に進入する情報信号の記録再生手段を構
成する磁気ヘッドがカートリッジ本体4に収納された磁
気ディスク5の外周側まで走査できるように、ディスク
収納部21から前面壁15側に突出するように前面壁1
5に近接した位置まで形成されている。
【0025】カートリッジ本体4には、図1及び図2に
示すように、第1及び第2の記録再生用開口部26,2
7を開閉するシャッタ部材28が移動可能に取り付けら
れている。シャッタ部材28は、ステンレス等の薄い金
属板を打ち抜き折り曲げて形成されている。このシャッ
タ部材28は、図3に示すように、カートリッジ本体4
の上面側に形成した第1の記録再生用開口部26を開閉
する第1のシャッタ部29と、カートリッジ本体4の下
面側に形成した第2の記録再生用開口部27を開閉する
第2のシャッタ部30と、第1のシャッタ部29と第2
のシャッタ部30が互いにほぼ平行となるように連結す
る連結部31とを備える。
【0026】連結部31は、シャッタ部材28をカート
リッジ本体4に取り付けたとき、カートリッジ本体4の
前面壁15方向に延長するように第1及び第2のシャッ
タ部29,30に突出して形成され、この突出された部
分に第1及び第2のカートリッジ保持部32,33が設
けられている。これらカートリッジ保持部32,33
は、図1及び図2に示すように、連結部31の第1及び
第2のシャッタ部29,30が連結される相対向する側
縁側に第1及び第2のシャッタ部29,30の延長方向
に突出する突片を形成することにより、カートリッジ本
体4の前面壁15側に嵌合するように断面略コ字状に形
成される。第1及び第2のカートリッジ保持部32,3
3を構成する第2のシャッタ部30側に突出した突片部
分には、カートリッジ本体4の下面側に前面壁15に沿
って第2の記録再生用開口部27の両側に形成された移
動ガイド溝34,35に係合する一対の係合片36,3
7が折り返し形成されている。
【0027】以上のようなシャッタ部材28は、図1及
び図2に示すように、第1及び第2のシャッタ部29,
30をそれぞれ第1及び第2の記録再生用開口部26,
27上に延在するように前面壁15側からカートリッジ
本体4に挿入するとともに、第1及び第2のカートリッ
ジ保持部32,33をカートリッジ本体4の前面壁15
側に嵌合させ、一対の係合片36,37を移動ガイド溝
34,35に係合させてカートリッジ本体4に取り付け
られる。以上のようにカートリッジ本体4に取り付けら
れたシャッタ部材28は、係合片36,37が移動ガイ
ド溝34,35にガイドされ、第1及び第2のシャッタ
部29,30が第1及び第2の記録再生用開口部26,
27を閉塞した位置と第1及び第2の記録再生用開口部
26,27を開放した位置とに亘って図1及び図2中矢
印A方向及び矢印B方向に移動操作される。
【0028】カートリッジ本体4の上下面には、図1及
び図2に示すように、第1及び第2の記録再生用開口部
26,27の周縁からカートリッジ本体4の一方の側面
壁18側に亘って凹状をなすシャッタ移動凹部38,3
9が形成されている。また、カートリッジ本体4の前面
側にも、シャッタ部材28の移動範囲に亘って、連結部
31の厚さ分に相当する移動凹部40が形成されてい
る。シャッタ部材28は、第1及び第2のシャッタ部2
9,30をシャッタ移動凹部38,39内に延在させ、
連結部31を移動凹部40内に位置させることにより、
カートリッジ本体4の周面から突出することなく面一と
なされて取り付けられる。
【0029】カートリッジ本体4に取り付けられたシャ
ッタ部材28は、カートリッジ本体4内に配設された付
勢部材である捻りコイルバネ43により、第1及び第2
の記録再生用開口部26,27を閉塞する図1及び図2
中矢印B方向に付勢されている。捻りコイルバネ43
は、図3に示すように、シャッタ部材28が第1及び第
2の記録再生用開口部26,27を開放したときに位置
するカートリッジ本体4の一方のコーナ部に配設されて
いる。この捻りコイルバネ43は、一端をカートリッジ
本体4に係止させ、他端をシャッタ部材28の第1のカ
ートリッジ保持部32に設けられたバネ係止部に係止さ
せて、カートリッジ本体4内に配設されることにより、
シャッタ部材28を第1及び第2の記録再生用開口部2
6,27を閉塞する図1及び図2中矢印B方向に付勢し
ている。
【0030】カートリッジ本体4を構成する上ハーフ2
の内面側の中央部には、図7に示すように、磁気ディス
ク5の移動を規制するディスク規制リブ45が突設され
ている。このディスク規制リブ45は、磁気ディスク5
に設けられたセンタコア8の膨出部9に進入し得る外形
を有する円形に形成され、膨出部9に進入することによ
り磁気ディスク5の平面方向の移動を規制し、磁気ディ
スク5の外周側が仕切壁22に当接することにより変形
されることを防止し、可撓性を有する磁気ディスク5の
保護を図っている。
【0031】また、ディスク規制リブ45は、磁気ディ
スク5が上ハーフ2側に移動されたとき、センタコア8
の膨出部9の底部9aに当接し、ディスク本体6の上面
側に位置するセンタコア8のフランジ部10が上ハーフ
2の内面に接触することを防止し、金属製のセンタコア
8により合成樹脂製の上ハーフ2が切削され削り粉が発
生することを防止している。
【0032】なお、ディスク規制リブ45の外周囲に
は、図7に示すように、ディスク規制リブ45により磁
気ディスク5が支持されたとき、センタコア8のフラン
ジ部10が入り込む環状凹部46が形成されている。デ
ィスク規制リブ45の外周囲は、環状凹部46が形成さ
れることで、カートリッジ本体4の厚さを薄くしながら
フランジ部10の上ハーフ2の内面への接触を防止して
いる。また、下ハーフ3に形成された中央開口部25の
内面側の周縁には、図7に示すように、傾斜面25aが
形成されている。この傾斜面25aは、肉厚となるセン
タコア8のフランジ部10を逃がすためのものである。
【0033】上ハーフ2の内側には、図8に示すよう
に、環状凹部46を囲むように仕切壁構成壁23ととも
にライナ取付部47を構成するリング状のリブ48が突
設されている。仕切壁構成壁23とリブ48とにより囲
まれた領域は、平坦な面に形成されたライナ取付部47
となされる。
【0034】このライナ取付部47には、図5に示すよ
うに、カートリッジ本体4に収納される磁気ディスク5
のクリーニングを行うとともに、磁気ディスク5の保護
を図るライナ49が配設されている。このライナ49
は、図11に示すように、レーヨン(商品名)の如きセ
ルロースからなる繊維を主体とする不織布からなる通気
性を有するライナ本体52の一方の面側に感熱接着層5
7を積層するように設けられてなる。感熱接着層57
は、通気性を有するライナ本体52の通気を遮断すると
ともに、ライナ49を上ハーフ2の内面に接合するため
のものであって、感熱接着性を有するエチレンビニルア
セテートやポリエチレンテレフタレート(PET)等の
高分子材料をライナ本体52の一方の面側に塗布するこ
とにより形成される。また、感熱接着層57は、感熱接
着性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)製
のフィルムをライナ本体52の一方の面側に接合されて
いる。
【0035】そして、ライナ49は、図5に示すよう
に、磁気ディスク5を構成するディスク本体6の主面を
覆う大きさの略リング状に打ち抜かれ、カートリッジ本
体4に形成された中央開口部25に対応した円形開口部
50と、記録再生用開口部26に対応して円形開口部5
0より連続して形成される切欠部51とを有している。
また、ライナ49は、内周から外周に行くに従い磁気デ
ィスク5の回転方向に湾曲し、捕捉した塵埃等を送り出
す送出溝となる押圧溝53と、磁気ディスク5の周回り
方向に複数形成され上記押圧溝53と交差する略線状の
溝を構成する接着溝54とを有している。そしてライナ
49は、これら押圧溝53と接着溝54とが交差するこ
とにより格子状に形成され、磁気ディスク5の表面に付
着した塵埃等を捕捉する主面部55が形成されている。
【0036】塵埃等を送り出す押圧溝53は、カートリ
ッジ本体4のディスク側が凹部となる溝が、ライナ49
の中央から外周方向に向かって放射状に形成されてな
る。そして、押圧溝53は、ライナ49の全周に亘り一
定の間隔を隔てて複数形成されている。この押圧溝53
は、ライナ49の円形開口部50から外周に亘って、磁
気ディスク5の回転方向に湾曲する幅0.2mmの略円
弧状の溝が、後述する押圧ホーンに熱圧着されることに
よりパターン付けされてなる。
【0037】この押圧溝53は、ライナ49の主面部5
5によって捕捉された塵埃等を、磁気ディスク5の回転
に伴って発生するエア流によってライナ49の外周方向
に送り出し、主面部55に付着した塵埃等で磁気ディス
ク5が汚損されることを防止する。
【0038】なお、この押圧溝はライナ49の中央から
外周方向に向って略直線状に形成してもよく、また、ラ
イナ49の中央から外周方向に亘って一本の渦巻状に形
成してもよい。
【0039】ライナ49の周回り方向に向かって複数形
成され、押圧溝53と交差する接着溝54は、ライナ4
9の円形開口部50を中心に一定間隔を隔てて同心円状
に複数形成されている。この接着溝54は、カートリッ
ジ本体4のディスク側が凹部となるように形成されてお
り、後述する溶着ヘッドをライナ本体52側より熱圧着
し、ライナ49の他方側に設けられている感熱接着層5
7を溶融させることによりライナ49をライナ取付部4
7に貼着させる際に形成される。すなわち、接着溝54
は、後述する溶着ヘッドがライナ取付部47に配設され
たライナ49をライナ本体52側より熱圧着することに
より、ライナ49にパターン付けされる。これにより、
ライナ49は、接着溝54が形成されるとともに、感熱
接着層57が溶融され、ライナ取付部47に貼着され
る。
【0040】この接着溝54と、この接着溝54と交差
している押圧溝53とは、磁気ディスク5が回転駆動さ
れることによりディスク収納部21内に生ずるエア流に
よって、捕捉した塵埃等をライナ49の外周方向に送り
出す。これにより、ライナ4は、捕捉した塵埃等が附着
して磁気ディスク5が汚損されることを防止する。
【0041】磁気ディスク5の塵埃等を捕捉する主面部
55は、押圧溝53及び接着溝54が交差することによ
りライナ49の全面に亘って格子状に形成されている。
この主面部55は、熱圧着によるパターン付けがなされ
ていないため、不織布が持つ柔軟性を損なうことなく、
磁気ディスク5の表面に付着した塵埃等を確実に捕捉す
ることができる。
【0042】さらに、ライナ49,61は、接着溝5
4,66のみ熱圧着されているため、図9(A)に示す
ように、柔軟性を維持し、塵埃等を捕捉する主面部5
5,67を広く設けることができる。また、ライナ4
9,61に接着溝54,66をパターン付けする後述す
る溶着ヘッドの溶着突起の先端を細くすることにより、
図9(B)に示すように、より接着溝54,66を細く
し、主面部55,67を広く設けることができる。
【0043】また、ライナ49は、図5に示すように、
切欠部51を挟んで磁気ディスク5の回転方向上流側
に、切欠部51と略平行に縦状接着部56が形成されて
いる。この縦状接着部56は、ライナ49をライナ取付
部47に取り付ける溶着ヘッドに設けられた突起がライ
ナ本体52側に熱圧着されることにより、パターン付け
される。また、ライナ49は、溶着ヘッドに設けられた
突起が熱圧着されることによりライナ49の感熱接着層
57が溶融され、切欠部51と略平行にライナ取付部4
7に接着される。この縦状接着部56は、切欠部51を
挟んで磁気ディスク5の回転方向上流側のライナ49が
ライナ取付部47より遊離し、磁気ディスク5の回転を
阻害することを防止するためのものであり、接着溝54
よりも間隔を密にして形成される。したがって、縦状接
着部56は、より確実にライナ49をライナ取付部47
に取り付けることができる。
【0044】下ハーフ3の仕切壁構成壁24により囲ま
れた領域も、図10に示すように、平坦な面に形成され
たライナ取付部60となされている。ライナ取付部60
には、図6に示すように、カートリッジ本体4に収納さ
れる磁気ディスク5のクリーニングを行うとともに磁気
ディスク5の保護を図るライナ61が配設されている。
このライナ61も、ライナ49と同様に、一面に感熱接
着層が接合された不織布からなるライナ本体を磁気ディ
スク5を構成するディスク本体6の主面を覆うような大
きさのリング状に打ち抜くことにより形成され、カート
リッジ本体4に形成された中央開口部25に対応した円
形開口部62と、記録再生用開口部26に対応して円形
開口部62より連続して形成される切欠部63とを有す
る。また、ライナ61は、カートリッジ本体4のディス
ク側が凹部となるように、内周から外周に行くに従い磁
気ディスク5の回転方向に湾曲し、捕捉した塵埃等を送
り出す押圧溝65と同心円状に形成され上記押圧溝65
と交差する接着溝66とを有する。そして、ライナ61
は、これら押圧溝65と接着溝66とが交差することに
より格子状に形成され、磁気ディスク5の表面に付着し
た塵埃等を捕捉する主面部67が形成されている。ま
た、切欠部63を挟んで磁気ディスク5の回転方向上流
側に縦状接着部68が形成されている。
【0045】これらライナ49とライナ61は、ライナ
取付部47,60に貼着されると、記録再生用開口部2
6,27を挟んで磁気ディスク5の回転方向下流側が非
接着領域69,70となり、接着溝54,66が形成さ
れた領域がディスク取付部47,60の接着領域71,
72となる。
【0046】接着領域71,72は、感熱接着層57が
ライナ取付部47,60に接着されることにより形成さ
れ、非接着領域69,70は、ライナ49,61の切欠
部51,63を挟んだ下流側端部に設けられている。す
なわち、ライナ49,61の切欠部51、63を挟ん
で、磁気ディスク5が第1及び第2の記録再生用開口部
26,27に向かう図5及び図6中矢印R方向に回転
駆動されたときライナ49,61の下流側に位置する端
部は、ライナ取付部47,60に接着されず、遊離可能
とされている。したがって、非接着領域69,70は、
磁気ディスク5に摺接され、磁気ディスク5に附着した
塵埃等を捕捉することができる。また、非接着領域6
9,70は、上下ハーフ2,3が突き合わせ結合された
とき、相対向する位置に設けられるため、磁気ディスク
5を挟むようにして摺接する。
【0047】このように、非接着領域69,70は、ラ
イナ取付部47,60から遊離して撓み変形してカート
リッジ本体4内で回転駆動される磁気ディスク5の主面
に接触して磁気ディスク5のクリーニングを行う部分と
される。したがって、非接着領域69,70は、少なく
とも磁気ディスク5が回転駆動されたとき、上下ハーフ
2,3の内面から遊離して撓み変形して回転駆動される
磁気ディスク5の主面に接触し得る長さを有するように
設けられる。
【0048】すなわち、非接着領域69,70は、ライ
ナ取付部47,60の中心Oと非接着領域69,70の
径方向の両側縁とがなす中心角θが15゜〜45゜の範
囲に設定されるように形成される。これは、中心角θが
15゜未満の場合、非接着領域69,70の面積が小さ
すぎ、ライナ49,61を磁気ディスク5のクリーニン
グを行うことができる程度に上下ハーフ2,3の内面か
ら遊離させ撓み変形、すなわち浮上させることができな
いためである。中心角θが45゜より大きい場合には、
上ハーフ2側のライナ49の非接着領域69が、非接着
領域69の自重により、上ハーフ2の内面より遊離し撓
み変形して磁気ディスク5に接触した際、非接着領域6
9の自重が大きくなりすぎ、磁気ディスク5の回転の安
定性が損なわれ、精度の高い情報信号の読み出し及び書
き込みができなくなるためである。
【0049】以上のように構成することにより、ライナ
49,61は、磁気ディスク5が回転されていないとき
及び低速回転時にはライナ49,61の非接着領域6
9,70が磁気ディスク5の表面に接触し、ディスク表
面に付着した塵埃等を捕捉することができる。
【0050】なお、ライナ49を構成するシート49と
ライナ61の非接着領域69,70以外の領域は、図5
及び図6に示すように、上下ハーフ2,3のライナ取付
部47,60への接着領域71,72とされる。
【0051】次いで、このような構成を有するライナ4
9,61を、ディスク収納部21のライナ取付部47、
60に溶着させる溶着装置について説明する。
【0052】溶着装置90は、図12に示すように、ラ
イナ49,61のライナ本体52に内周から外周に亘っ
て磁気ディスク5の回転方向に向かう円弧状の押圧溝5
3を形成する押圧ホーン91と、感熱接着層を同心円状
に溶融させライナ49,61をライナ取付部47,60
に溶着させる溶着ヘッド92を有する。
【0053】この押圧ホーン91は、図13(A)及び
(B)に示すように、先端部にライナ49に円弧状の押
圧溝53を熱プレスにより形成する押圧部93が形成さ
れている。押圧ホーン91は、熱伝導性の優れた金属な
どにより形成され、内部に図示しないヒータが埋設され
ている。ヒータは、押圧ホーン91の押圧部93をライ
ナ49の感熱接着層57を溶融する程度まで加熱するた
めのものである。
【0054】なお、押圧ホーン91には、押圧部93の
温度を測定し、押圧部93の加熱温度を制御するために
用いられる図示しない熱電対が設けられている。
【0055】押圧ホーン91の押圧部93が形成された
先端面側は、ライナ49よりやや大きい外径を有する略
円形に形成され、ライナ49の円形開口部50及び切欠
部51に対応して開口部94及び切欠部95が設けられ
ている。また、押圧部93の開口部94及び切欠部95
が形成されている以外の部分には、開口部94の周囲よ
り外周に亘って、磁気ディスク5の回転方向に向かう円
弧状の押圧突起96が形成されている。押圧突起96
は、押圧部93の開口部94の周囲より一定間隔を隔て
て、複数形成されている。この押圧突起96は、図13
(B)に示すように、先端部が尖形状に形成されてい
る。そして、押圧突起96は、加熱された先端部をライ
ナ49のライナ本体52側より押圧することにより、ラ
イナ表面に円弧状の押圧溝53を形成する。
【0056】また、押圧部93には、押圧突起96の間
隙に、押圧突起96間に発生する高温空気の滞留を防止
するエアー噴出孔97が設けられている。このエアー噴
出孔97からエアーを噴出することにより、押圧部93
が過剰に熱せられることが防止され、ライナ49の押圧
溝53が形成される箇所以外の部分が熱による損傷を受
けることが防止される。
【0057】なお、溶着装置90は、この押圧部93と
対称形状の押圧部を有する他の押圧ホーンを備え、これ
により、下ハーフ3に配設されるライナ61は、ライナ
49と対称に押圧溝65が形成される。
【0058】ライナ49,61の感熱接着層57を同心
円状に加熱し、上下ハーフ2,3のライナ取付部47,
60に圧着する溶着ヘッド92は、図14(A)及び
(B)に示すように、先端部にライナ49を上下ハーフ
2,3のライナ取付部47に溶着させる溶着部98が形
成されている。溶着ヘッド92は、熱伝導性の優れた金
属などにより形成され、内部に図示しないヒータが埋設
されている。ヒータは、溶着ヘッド92の溶着部98を
ライナ49の感熱接着層57を溶融する程度まで加熱す
るためのものである。また、溶着ヘッド92には、溶着
ヘッド92の温度を測定し、溶着ヘッド92の加熱温度
を制御するために用いられる図示しない熱電対が設けら
れている。
【0059】溶着ヘッド92の溶着部98が形成された
先端面側は、ライナ49よりやや大きい外径を有する略
円形に形成され、ライナ49の円形開口部50及び切欠
部51に対応して開口部101及び切欠部102が設け
られている。また、溶着部98は、開口部101及び切
欠部102が形成されている以外の部分に、開口部10
1を中心として同心円状に一定間隔を隔てて複数の略円
形の溶着突起104が形成されている。溶着突起104
は、図14(B)に示すように、先端部が尖形状に形成
されている。また、溶着突起104は、ライナ本体52
に非接着領域69を設けるため、切欠部102を挟んで
磁気ディスク5の回転方向の下流側には形成されていな
い。
【0060】また、溶着部98は、切欠部102を挟ん
で磁気ディスク5の回転方向の上流側に、切欠部102
と略平行な突起103が開口部101から外周に亘って
複数形成されている。この突起103は、磁気ディスク
5の回転方向上流側に融着されるライナ49がライナ取
付部47から遊離することを防止するため、溶着突起1
04よりも溶着面積を広く設けるためのものであり、溶
着突起104と略同じ高さに形成されている。
【0061】このような、溶着突起104は、加熱され
た先端部をライナ取付部47に配設されたライナ49に
押圧することにより、ライナ49の感熱接着層57を加
熱、溶融させる。これにより、ライナ49は、押圧溝5
3と交差する接着溝54が形成されるとともに、ライナ
取付部47に溶着される。
【0062】また、溶着部98には、溶着突起104の
間隙に、溶着突起104間に発生する高温空気の滞留を
防止するエアー噴出孔105が設けられている。このエ
アー噴出孔105からエアーを噴出することにより、溶
着部98が過剰に熱せられることなく、ライナ49の接
着溝54が形成される箇所以外の部分が熱による損傷を
受けることが防止される。すなわち、ライナ49の加熱
溶着される面積を低減させることができ、不織布からな
るライナ49の持つ柔軟性を熱により損なうことなく、
塵埃等の捕捉機能を確保することができる。また、ライ
ナ49は、切欠部102を挟んで磁気ディスク5の回転
方向の上流側に、突起104により縦状に感熱接着層5
7を溶融させ、ライナ49の一端が磁気ディスク5の回
転方向に対向して遊離し、磁気ディスク5の安定した回
転を阻害すること防止する。
【0063】なお、溶着装置90は、この溶着部98と
対称形状の溶着部を有する他の溶着ヘッドを備える。こ
れにより、ライナ61は、接着溝66とともに、ライナ
49と相対向して非接着領域70及び縦状接着部68が
形成され、下ハーフ3に取り付けられる。
【0064】次いで溶着装置90によってライナ49,
61をライナ取付部47,60内に取り付ける工程につ
いて説明する。先ず、ライナ49,61が一方の面に感
熱接着層が接合されたライナの原反を打ち抜くことによ
り略リング状に形成される。次いで、ライナ49,61
は、図示しない押圧台に配設され、ヒータにより加熱さ
れた押圧ホーン91の押圧部93によって、ライナ本体
52側より押圧される。これにより、ライナ49,61
は、円形開口部50,62の周囲から外周に亘って略円
弧状の押圧溝53,65が形成される。
【0065】押圧溝53,65が形成されたライナ4
9,60は、射出成形等により形成された上下ハーフ
2,3のライナ取付部47,60内に配設され、ヒータ
により加熱された溶着ヘッド92に、ライナ本体52側
より押圧される。これにより、ライナ49,61は、突
起103及び溶着突起104により縦状接着部56,6
8及び接着溝54,66がパターン付けされるととも
に、突起103及び溶着突起104に押圧される感熱接
着層57が溶融され、ライナ取付部47,60に貼着さ
れる。
【0066】ところで、ディスクカートリッジ1は、仕
切壁22により囲まれた空間であるディスク収納部21
内のエアをカートリッジ本体4の外方に排気するための
排気口110と、この排気口110に連通する排気通路
111が形成されている。排気口110は、図15に示
すように、カートリッジ本体4の前面壁15の一部を切
り欠いて形成され、シャッタ部材28が図1及び図2に
示すように、第1及び第2の記録再生用開口部26,2
7を閉塞する位置にあるとき、シャッタ部材28の一部
で覆われ、シャッタ部材28が図15に示すように、第
1及び第2の記録再生用開口部26,27を開放する位
置に移動されたとき開放される位置に設けられる。
【0067】すなわち、排気口110は、シャッタ部材
28が図1及び図2に示すように第1及び第2の記録再
生用開口部26,27を閉塞する位置にあるとき、第1
及び第2のシャッタ部29,30の側方に突出された第
2のカートリッジ保持部33により覆われる位置であっ
て、シャッタ部材28を第1及び第2の記録再生用開口
部26,27を閉塞する方向に付勢する捻りコイルバネ
43が配設される側とシャッタ部材28を挟んで対向す
る側に設けられる。
【0068】排気口110は、図5及び図6に示すよう
に、カートリッジ本体4の前面壁15を構成する上下ハ
ーフ2,3の立上がり壁19,20の一部に相対向して
切欠き凹部110a,110bを形成し、立上がり壁1
9,20が突き合わされることにより形成される。
【0069】排気口110は、シャッタ部材28が図1
及び図2に示すように第1及び第2の記録再生用開口部
26,27を閉塞する位置にあるとき、シャッタ部材2
8の一部で覆われる位置に設けられているので、ディス
クカートリッジ1の保管時等のディスク記録再生装置に
装着されない状態にあるとき、排気口110を介してカ
ートリッジ本体4内に塵挨等の異物が進入することが防
止される。
【0070】また、ディスク収納部21と排気口110
との間を連通させ、ディスク収納部21内のエアを排気
口110に導く排気通路111は、図5及び図6に示す
ように、ディスク収納部21を区画する仕切壁22を構
成する仕切壁構成壁23,24の一部に切欠部23a,
24aを設けることにより形成される。
【0071】仕切壁22から排気口110に至る排気通
路111の一側には、図5及び図6に示すように、ディ
スク収納部21から排気口110に流通するエアをガイ
ドするエアガイド壁112が設けられている。
【0072】ところで、カートリッジ本体4に収納され
た磁気ディスク5は、ディスク記録再生装置側の回転操
作機構にクランプされて、図5及び図6中矢印R1方向
に回転駆動されると、磁気ディスク5の回転に伴ってデ
ィスク収納部21内に中央開口部25側から外周側に向
かって磁気ディスク5の回転方向と同方向に向かうスパ
イラル状のエア流が発生する。
【0073】そこで、エアガイド壁112は、ディスク
収納部21内のエアを確実に排気口110に導くよう
に、エア流と対向する排気通路111の一側に設けられ
る。エアガイド壁112は、エア流と対向する位置に設
けられることで、ディスク収納部21の中央部から外周
側に向かってスパイラル状に流れるエアは、エアガイド
壁112に衝突し、このエアガイド壁112にガイドさ
れて排気口110に向かいこの排気口110を介してカ
ートリッジ本体4の外部に排気される。
【0074】また、カートリッジ本体4の下面側には、
図2に示すように、ディスク記録再生装置側のディスク
カートリッジ1の装着位置を位置決めする位置決めピン
が係合する第1及び第2の位置決め基準穴114,11
5が設けられている。これら位置決め基準穴114,1
15は、前面壁15側であって、シャッタ部材28が移
動する方向の両側に位置して設けられ、第1の位置決め
基準穴114は、断面形状を円形となす位置決めピンに
対する係合位置を補正し得るようにシャッタ部材28の
移動方向を長径とした長穴として形成されている。
【0075】また、カートリッジ本体4の下面側であっ
て、背面壁16側の一方のコーナ部には、図2に示すよ
うに、誤記録防止部材116が移動可能に取り付けられ
ている。誤記録防止部材116は、カートリッジ本体4
に穿設された誤記録防止穴117を開閉することによ
り、磁気ディスク5への情報信号の記録を可能にする状
態と、情報信号の記録を阻止する状態とを選択する。
【0076】さらに、カートリッジ本体4の下面側であ
って、背面壁16側の他方のコーナ部及び第2の基準穴
115の近傍には、図2に示すように、ディスクカート
リッジ1に収納した磁気ディスク5の記録容量を示す第
1及び第2の記録容量識別穴118,119が設けられ
ている。
【0077】更にまた、カートリッジ本体4の前面壁1
5側の上面側の他方のコーナ部には、図1に示すよう
に、ディスクカートリッジ1の磁気ディスク5とは記録
容量を異にする磁気ディスクを収納したディスクカート
リッジを用いるディスク記録再生装置への装着を禁止す
る装着規制部120が設けられている。装着規制部12
0は、カートリッジ本体4の前面壁15側を開放した凹
状部として形成されている。
【0078】なお、カートリッジ本体4を構成する上下
ハーフ2,3の内面側の各コーナ部には、図5及び図6
に示すように、互いに突き合わされて係合される係合用
突起121,122が設けられ、これら上下ハーフ2,
3は、係合用突起121,122が突き合わされるとと
もに立上がり壁19,20を突き合わせ、これら突き合
わされた係合用突起121,122間及び立上がり壁1
9,20間を超音波等を用いて溶着することによりカー
トリッジ本体4を構成する。
【0079】以上のように構成されたディスクカートリ
ッジ1は、ディスクカートリッジ1を記録媒体に用いる
ディスク記録再生装置に装着されると、第1及び第2の
位置決め基準穴114,115をディスク記録再生装置
側に設けられた位置決めピン124,125に係合させ
て水平方向の位置決めが図られ、図示しない高さ位置決
めピンによりカートリッジ本体4の背面壁16側のコー
ナ部が支持されることで装着高さの位置決めが図られ
る。
【0080】ディスクカートリッジ1は、ディスク記録
再生装置に装着されると、図16に示すように、カート
リッジ本体4の下面側に設けられた中央開口部25より
臨まされたセンタコア8がディスク記録再生装置側に設
けられた回転操作機構126を構成するディスクテーブ
ル127上に載置されるとともに、スピンドル軸挿通孔
11に回転操作機構126側のスピンドル軸128が挿
通し、更に、駆動ピン129が駆動ピン挿通孔12に挿
通する。
【0081】このとき、センタコア8は、膨出部9の底
部9aに設けられたディスク載置部13をディスクテー
ブル127に嵌合させるようにディスクテーブル127
上に載置されるとともに、ディスクテーブル127側に
配設されたマグネット130により磁気吸引され、磁気
ディスク5がディスクテーブル127と一体的に回転可
能な状態になる。また、磁気ディスク5は、センタコア
8に設けられたディスク載置部13を介してディスクテ
ーブル127に載置されるので、ディスクテーブル12
7に対する装着位置のずれを防止して容易にスピンドル
軸挿通孔11をスピンドル軸128に挿通させることが
でき、また、駆動ピン129が駆動ピン挿通孔12に挿
通されるようにディスクテーブル127に対する装着位
置のずれを規制することもできる。
【0082】磁気ディスク5がディスクテーブル127
と一体的に回転可能となされた状態で回転操作機構12
6を構成する図示しないスピンドルモータが駆動される
と、磁気ディスク5は、スピンドル軸128を中心とし
てディスクテーブル127の回転に同期して回転駆動さ
れる。
【0083】なお、ディスクカートリッジ1は、ディス
ク記録再生装置に装着されるとき、ディスク記録再生装
置側に設けられたシャッタ解放機構によりシャッタ部材
28が捻りコイルバネ43の付勢力に抗して図1及び図
2中矢印A方向に移動され、第1及び第2の記録再生用
開口部26,27を開放する。このとき、カートリッジ
本体4を構成する前面壁15に設けられた排気口110
も、図15に示すように、開放される。
【0084】ところで、ディスクカートリッジ1がディ
スク記録再生装置に水平方向及び高さ方向に位置決めが
図られて装着され、スピンドル軸挿通孔11にスピンド
ル軸128が挿通されるとともに、駆動ピン挿通孔12
に駆動ピン129が係合され、磁気ディスク5がディス
クテーブル127と一体に同期して回転可能な状態とさ
れてディスクテーブル127に載置されると、磁気ディ
スク5は、図16に示すように、カートリッジ本体4を
構成する下ハーフ3側から浮上され、カートリッジ本体
4の厚さ方向の略中間位置に位置される。このとき、上
ハーフ2側に配設されたライナ49の非接着領域69
は、図17に示すように、自重により接着領域71と非
接着領域69との境界線に沿って下ハーフ3側に向かっ
て撓み、カートリッジ本体4の厚さ方向の略中間に位置
される磁気ディスク5の一方向の主面に接触する。
【0085】ここで、回転操作機構126に位置決めが
されて装着された磁気ディスク5が少なくとも3000
rpm以上の回転速度、例えば3000rpmから36
00rpm以上の回転速度で回転駆動されると、ディス
ク収納部21内に磁気ディスク5の回転方向に向かって
スパイラル状に流れるエアが発生する。このエア流は、
カートリッジ本体4内の中央部から外周側に向かうよう
なスパイラル状の流れとなり、カートリッジ本体4の下
面側に設けられた中央開口部25から図16中矢印S方
向にエアを吸収するように作用する。中央開口部25か
らエアが吸収されると、カートリッジ本体4の下面を構
成する下ハーフ3と磁気ディスク5との間の領域を加圧
状態とするスパイラル状のエア流が発生する。
【0086】磁気ディスク5が回転駆動されたとき、カ
ートリッジ本体4に設けられた中央開口部25から吸引
されたエアは、下ハーフ3の内面と下ハーフ3側に配設
されたライナ61の非接着領域70との間に流入する。
このとき、非接着領域70の下ハーフ3の内面と対向す
る側の面には、非通気性の感熱接着層57が設けられて
いるので、下ハーフ3の内面とライナ61の非接着領域
70との間に流入したエアは、ライナ61を通気し、ラ
イナ61と磁気ディスク5との間に流入することが規制
されるので、下ハーフ3の内面とライナ61の非接着領
域70との間に、図18に示すように、非接着領域70
を撓ませる圧力P0を発生させ、この圧力P0をライナ6
1と磁気ディスク5との間の圧力P1より大きくする。
この圧力P0と圧力P1との圧力差により、ライナ61の
非接着領域70は、図18及び図19に示すように、接
着領域72と非接着領域70との境界線に沿って撓み変
形されて磁気ディスク5の他方の面に接触する。
【0087】また、磁気ディスク5は、下ハーフ3側に
配設されたライナ61の非接着領域70が浮上されるこ
とにより、下ハーフ3側のライナ61と磁気ディスク5
との間の圧力P1も加圧され、上ハーフ2側に浮上する
ような力を受けて回転される。一方、上ハーフ2側に配
設されたライナ49の非接着領域69は、図17及び図
19に示すように、自重により磁気ディスク5側に撓み
変形されているので、上ハーフ2側に浮上するような力
を受けて回転する磁気ディスク5の主面に接触する。こ
れにより、ライナ49,61は、主面部55,67で磁
気ディスク5の表面に附着した塵埃等を捕捉し、磁気デ
ィスク5のクリーニングを行うことができる。
【0088】さらに、ディスク収納部21の中央部から
外周側に向かってスパイラル状に流れるエア流によっ
て、図20に示すように、押圧溝53,65及び接着溝
54,66に沿って塵埃を外周方向に除去することがで
きる。すなわち、図20(A)に示すように、ライナ4
9,61の円形開口部50,62近傍に捕捉された塵埃
は、磁気ディスク5の回転に伴ってカートリッジ本体4
内に生じるエア流によって、図20(B)に示すよう
に、押圧溝53,65及び接着溝54,66に沿ってラ
イナ49,61の外周側に拡散される。そして、さらに
磁気ディスク5の回転を続けてることにより、図20
(C)に示すように、ライナ49,61に捕捉された塵
埃は、エア流と同一方向に湾曲する押圧溝53,65に
沿ってライナ49,61の外周方向に除去される。した
がって、ライナ49,61の主面部55,67で捕捉し
た塵埃等が再び磁気ディスク5に附着することを防止す
ることができる。また、ディスク収納部21内に侵入し
た塵埃等は、エア流とともに排気口110から排出され
る。
【0089】以上のように、本発明が適用されたディス
クカートリッジ1は、磁気ディスク5が回転駆動される
とき、磁気ディスク5の両主面にライナ49,61の非
接着領域69,70が接触するので、磁気ディスク5の
クリーニングを行うことができる。このとき、ライナ4
9,61は、従来のディスクカートリッジの如く全面に
亘って熱圧着されているものではなく、接着溝54,6
6に沿って熱圧着されているものであるため、不織布か
らなるライナ49,61の主面部55,67は柔軟性を
損なうことがない。したがって、ライナ49,61は、
ライナ本体52に設けられた主面部55,67により、
磁気ディスク5に附着した塵埃等をより確実に捕捉する
とともに、擦過傷のような傷を付けてしまうことも防止
することができる。
【0090】また、このようなディスクカートリッジ1
によれば、ライナ取付部47,60に溶着されているラ
イナ49,61は、磁気ディスク5の回転開始時や回転
停止時等の低速回転されている時には、ライナ49,6
1の非接着領域69,70により、磁気ディスク5に附
着した塵埃等を除去することができる。
【0091】また、ライナ49,61には押圧溝53,
65及び接着溝54,66が格子状に形成されているた
め、磁気ディスク5が高速回転されているときには、主
面部55,67により捕捉された塵埃等が、磁気ディス
ク5の回転により発生するカートリッジ本体4内の中央
部から外周側に向かうようなスパイラル状のエア流によ
って回転方向に湾曲するする円弧状の押圧溝53,65
に沿って外周方向に移動する。したがって、主面部5
5,67に附着した塵埃等により磁気ディスク5を汚損
することを防止することができる。
【0092】さらに、カートリッジ本体4内に吸収され
るエアは、磁気ディスク5が回転駆動されることにより
エア流となって排気口110から排気される。このと
き、ライナ49,61によりクリーニングされる磁気デ
ィスク5から発生する塵挨等の異物もエア流とともに排
気口110から排出され、カートリッジ本体4内に残留
することが防止されるので、磁気ディスク5及び磁気ヘ
ッドの損傷を確実に防止することができる。
【0093】なお、以上、ディスクカートリッジ1に接
着されるライナ49,61の一端部に非接着領域69,
70が形成された場合について説明したが、本発明が適
用されたディスクカートリッジは、次のように形成して
もよい。なお、上記ディスクカートリッジ1と同一の部
材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
【0094】図21及び図22に示すように、このディ
スクカートリッジ140は、カートリッジ本体4を構成
する上下ハーフ2,3内に、磁気ディスク5のクリーニ
ングを行うとともに磁気ディスク5の保護を図るライナ
142,152が配設されている。
【0095】上下ハーフ2,3のライナ取付部47,6
0に配設されるライナ142,152は、一面に感熱接
着層が接合された不織布からなるライナ本体を磁気ディ
スク5を構成するディスク本体6の主面を覆う大きさの
略リング状に打ち抜くことにより形成され、カートリッ
ジ本体4に形成された中央開口部25に対応した円形開
口部144,154と、記録再生用開口部26,27に
対応して円形開口部144,154より連続して形成さ
れる切欠部145,155とを有する。
【0096】また、ライナ142,152は、カートリ
ッジ本体4のディスク側が凹部となるように、内周から
外周に亘って磁気ディスク5の回転方向に湾曲し、捕捉
した塵埃等を送り出す送出溝となる押圧溝146,15
6と、磁気ディスク5の周回り方向に複数形成され上記
押圧溝146,156と交差する略線状の溝を構成する
接着溝147,157とを有する。そしてライナ14
2,152は、これら押圧溝146,156と接着溝1
47,157とが交差することにより格子状に形成さ
れ、磁気ディスク5の表面に付着した塵埃等を捕捉する
主面部148,158を形成する。
【0097】さらに、ライナ142,152は、上下ハ
ーフ2,3の記録再生用開口部26,27を挟んで磁気
ディスク5の回転方向上流側及び下流側を、縦状に感熱
接着層57を溶融させて縦状接着部149,159が形
成されている。この縦状接着部149,159は、ライ
ナ142,152がライナ取付部47、60より遊離
し、磁気ディスク5の回転を阻害することを防止するた
めのものであり、接着溝147,157よりも間隔を密
にして複数形成されている。したがって、ライナ14
2,152は、ライナ取付部47,60から遊離し磁気
ディスク5の回転を阻害することを防止することができ
る。
【0098】このようなライナ142,152は、図1
3に示すような押圧ホーンによって熱圧着されることに
より、ライナ本体52に円形開口部144,154から
外周に亘って磁気ディスク5の回転方向に湾曲する円弧
状の押圧溝146,156が形成される。次いで、ライ
ナ142,152は、上下ハーフ2,3に配設された
後、図23に示す溶着ヘッド160によって熱圧着され
ることにより、ライナ取付部47,60に取り付けられ
る。
【0099】ライナ142,152を上下ハーフ2,3
に取り付ける溶着ヘッド160は、ライナ142,15
2の周回り方向に略線状に感熱接着層57を溶融する溶
着部162が形成されている。溶着ヘッド160は、熱
伝導性の優れた金属などにより形成され、内部に図示し
ないヒータが埋設されている。ヒータは、溶着ヘッド1
60の溶着部162をライナ142,152の感熱接着
層57を溶融する程度まで加熱するためのものである。
また、溶着ヘッド162には、溶着ヘッド160の温度
を測定し、溶着ヘッド162の加熱温度を制御するため
に用いられる図示しない熱電対が設けられている。
【0100】溶着ヘッド160の溶着部162が形成さ
れた先端面側は、ライナ142,152よりやや大きい
外径を有する略円形に形成され、ライナ142,152
の円形開口部144,154及び切欠部145,155
に対応して開口部163及び切欠部164が設けられて
いる。また、溶着部162は、開口部163及び切欠部
164が形成されている以外の部分に、開口部163を
中心として同心円状に一定間隔を隔てて複数の略円形の
溶着突起161が形成されている。溶着突起161は、
溶着部162の溶着突起161と同様に、先端部が尖形
状に形成されている。
【0101】また、溶着部162は、切欠部164を挟
んで磁気ディスク5の回転方向の上流側及び下流側に、
切欠部164と略平行な突起165が開口部163から
外周に亘って複数形成されている。この突起165は、
磁気ディスク5の回転方向上流側及び下流側に融着され
るライナ142,152がライナ取付部47,60から
遊離することを防止するため、溶着突起161よりも溶
着面積を広く設けるためのものであり、溶着突起161
と略同じ高さに形成されている。
【0102】このような、溶着突起161は、加熱され
た先端部をライナ取付部47,60に配設されたライナ
142,152に押圧することにより、ライナ142,
152の感熱接着層57を加熱、溶融させる。これによ
り、ライナ142,152は、押圧溝146,156と
交差する略線状の接着溝147,157が形成されると
ともに、ライナ取付部47,60に溶着される。
【0103】また、溶着部162には、溶着突起161
の間隙に、溶着突起161間に発生する高温空気の滞留
を防止するエアー噴出孔166が設けられている。この
エアー噴出孔166からエアーを噴出することにより、
溶着部162が過剰に熱せられることなく、ライナ14
2,152の接着溝147,157が形成される箇所以
外の部分が熱による損傷を受けることが防止される。す
なわち、ライナ142,152の加熱溶着される面積を
低減させることができ、不織布からなるライナ142,
152の持つ柔軟性を熱により損なうことなく、塵埃等
の捕捉機能を確保することができる。
【0104】ライナ取付部47,60に配設されたライ
ナ142,152は、上述した溶着ヘッド160の溶着
突起161及び突起165に熱圧着されることにより、
感熱接着層57が溶融されてライナ取付部47,60に
取り付けられるとともに、ライナ142,152の周回
り方向に複数の接着溝147,157が形成され、切欠
部145,155を挟んで磁気ディスク5の回転方向上
流側及び下流側に複数の縦状接着部149が形成され
る。
【0105】このようなディスクカートリッジ140に
よれば、ライナ142,152の切欠部145,155
を挟んだ両端部がライナ取付部47,60に確実に接着
されているため、ライナの両端部がライナ取付部47,
60より遊離することが無く、ライナ142,152の
自重により磁気ディスク5の安定した回転を阻害するこ
とを防止することができる。
【0106】また、このようなディスクカートリッジ1
40によれば、ライナ取付部47,60に溶着されてい
るライナ142,152は、押圧溝146,156及び
接着溝147,157が格子状に形成されているため、
磁気ディスク5が高速回転されているときには、主面部
148,158により捕捉された塵埃等が、磁気ディス
ク5の回転により発生するカートリッジ本体4内の中央
部から外周側に向かうようなスパイラル状のエア流によ
って回転方向に湾曲するする円弧状の押圧溝146,1
56に沿って外周方向に移動する。したがって、主面部
148,158に附着した塵埃等により磁気ディスク5
を汚損することを防止することができる。
【0107】さらに、カートリッジ本体4内に吸収され
るエアは、磁気ディスク5が回転駆動されることにより
エア流となって排気口110から排気される。このと
き、ライナ142,152によりクリーニングされる磁
気ディスク5から発生する塵挨等の異物もエア流ととも
に排気口110から排出され、カートリッジ本体4内に
残留することが防止されるので、磁気ディスク5及び磁
気ヘッドの損傷を確実に防止することができる。
【0108】なお、上述したディスクカートリッジ1、
140においては、カートリッジ本体4内のエアを排気
するための排気口110を設けているが、この排気口
は、必ずしも設ける必要がない。また、磁気ディスク5
のようにディスク本体6の中心孔7にセンタコア8が取
り付けられていないディスク状記録媒体にあっては、デ
ィスク本体の中心部に形成した中心孔及びこの中心孔の
周縁が回転操作機構へのクランプ部として用いられる。
【0109】さらに、上述したディスクカートリッジ
1、140は、磁気ディスク5を収納した例を説明した
が、本発明は可撓性を有するディスクを収納したディス
クカートリッジに限定されることなく、剛性を有するデ
ィスク基板を用いた光ディスクや光磁気ディスク等のデ
ィスク状記録媒体を収納したディスクカートリッジに広
く適用することができる。
【0110】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るディスクカ
ートリッジによれば、不織布からなるライナを上下ハー
フに溶着させる際に、熱圧着させる面積を少なくするこ
とができるため、ライナを構成する不織布が加熱されて
柔軟性を損ない、ディスク状記録媒体に付着した塵埃等
を捕捉する機能が低下することを防止することができ
る。また、ライナ本体は、塵埃等を捕捉する主面部の面
積を広く形成することができる。
【0111】また、ライナの熱圧着させる面積を少なく
抑えることで、ライナを構成する不織布繊維の損傷を防
止でき、不織布繊維の脱落を減少させることができる。
【0112】更に、ディスク状記録媒体の回転方向にシ
フトする略円弧状の押圧溝と、接着溝が形成されている
ため、ディスク状記録媒体が高速回転されることにより
発生するエア流により、ライナに附着した塵埃等がこれ
ら押圧溝と、接着溝に沿って移動される。これにより、
ライナが捕捉した塵埃等がライナの外方に移動され、捕
捉した塵埃等によりディスク状記録媒体を汚損すること
を防止することができる。
【0113】また、ライナを構成する不織布繊維の脱落
が防止され、より多くの塵埃を捕捉することができるこ
とにより、ディスク状記録媒体の記録、再生時の書き込
みエラーや読み取りエラー等を減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたディスクカートリッジを上
面側からみた斜視図である。
【図2】上記ディスクカートリッジを下側からみた斜視
図である。
【図3】上記ディスクカートリッジの分解斜視図であ
る。
【図4】上記ディスクカートリッジに収納された磁気デ
ィスクの断面図である。
【図5】上記ディスクカートリッジを構成する上ハーフ
の内面を示す平面図である。
【図6】上記ディスクカートリッジを構成する下ハーフ
の内面を示す平面図である。
【図7】上記ディスクカートリッジの断面図である。
【図8】ライナが配設される前の上ハーフの内面を示す
平面図である。
【図9】ライナが取り付けられたカートリッジを示す断
面図である。
【図10】ライナが配設される前の下ハーフの内面を示
す平面図である。
【図11】上記ディスクカートリッジに用いられるライ
ナを示す断面図である。
【図12】本発明に係る溶着装置を示す図である。
【図13】本発明に係る溶着装置の押圧ホーンを示す図
である。
【図14】本発明に係る用着機構の溶着ヘッドを示す図
である。
【図15】カートリッジ本体に設けた排気口を開放した
状態を示す上記ディスクカートリッジの斜視図である。
【図16】上記ディスクカートリッジをディスク記録再
生装置に装着し、磁気ディスクを回転駆動する状態を示
す断面図である。
【図17】上記ディスクカートリッジをディスク記録再
生装置に装着し、上ハーフ側のライナの非接着領域が撓
んだ状態を示す断面図である。
【図18】カートリッジ本体内に配設されたライナが撓
み変形されて磁気ディスクに接触した状態を模式的に示
す断面図である。
【図19】磁気ディスクが回転駆動され、下ハーフ側の
ライナの非接着領域が撓んで磁気ディスクに接触した状
態を示す断面図である。
【図20】ライナに附着した塵埃がエア流によってディ
スクカートリッジの外周方向に移動する様子を示す図で
ある。
【図21】本発明の他の実施例に係る上ハーフを示す平
面図である。
【図22】本発明の他の実施例に係る下ハーフを示す平
面図である。
【図23】本発明の他の実施例に適用されるライナを上
下ハーフに溶着させる溶着ヘッドを示す平面図である。
【図24】従来のディスクカートリッジを示す分解斜視
図である。
【図25】従来の溶着ヘッドを示す斜視図である。
【図26】従来のライナを取り付けたディスクカートリ
ッジを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクカートリッジ、2 上ハーフ、3 下ハー
フ、4 カートリッジ本体、5 磁気ディスク、8 セ
ンタコア、21 ディスク収納部、25 中央開口部、
26 第1の記録再生用開口部、27 第2の記録再生
用開口部、28シャッタ部材、47 ライナ取付け部、
49 ライナ、52 ライナ本体、53押圧溝、54
接着溝、55 主面部、57 感熱接着層、60 ライ
ナ取付け部、61 ライナ、65 押圧溝、66 接着
溝、67 主面部、69,70非接着領域、71,72
接着領域、90 溶着装置、91 溶着ホーン、92
溶着ヘッド、96 押圧突起、98 溶着部、104
溶着突起、110排気口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部にディスク回転操作部にクランプ
    されるクランプ部が設けられたディスク状記録媒体と、 上下一対のハーフとからなり、上記ディスク状記録媒体
    を回転可能に収納すると共に、上記ディスク状記録媒体
    の信号記録領域の一部を内外周に亘って外方に臨ませる
    記録再生用開口部と、何れか一方の面に上記クランプ部
    を外方に臨ませる中央開口部とが設けられるカートリッ
    ジ本体と、 一方の面側に感熱接着層が設けられ、この感熱接着層に
    より上記カートリッジ本体の少なくとも一方の面に配設
    されるライナとを備え、 上記ライナは、内周から外周に亘って上記ディスク状記
    録媒体の回転方向に湾曲して形成された略線状の押圧溝
    が設けられ、この押圧溝と交差するように上記ディスク
    状記録媒体の周回り方向に略線状に設けられた接着溝で
    上記カートリッジ本体の少なくとも一方の面に接着され
    ているディスクカートリッジ。
  2. 【請求項2】上記押圧溝は、放射状又は渦巻き状に形成
    されている請求項1記載のディスクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 上記ライナは、上記記録再生用開口部の
    上記ディスク状記録媒体の回転方向上流側において、非
    接着領域を有することを特徴とする請求項1記載のディ
    スクカートリッジ。
  4. 【請求項4】 ライナ本体の一方の面側に感熱接着層が
    設けられたライナ原反より打ち抜かれたライナを、押圧
    部材によって上記ライナ本体側から押圧することで内周
    から外周に亘ってディスク状記録媒体の回転方向に湾曲
    した略線状の押圧溝を形成する工程と、 上記カートリッジ本体を構成する上下ハーフの少なくと
    も一方のハーフの内面に、上記ライナの感熱接着層を対
    向させて配置し、上記押圧溝と交差し上記ライナの周回
    り方向に略線状に上記感熱接着層を溶融し、上記ライナ
    を上記ハーフ内面に接着する工程とを有するライナ貼着
    方法。
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