JP2002195394A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JP2002195394A JP2000402776A JP2000402776A JP2002195394A JP 2002195394 A JP2002195394 A JP 2002195394A JP 2000402776 A JP2000402776 A JP 2000402776A JP 2000402776 A JP2000402776 A JP 2000402776A JP 2002195394 A JP2002195394 A JP 2002195394A
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Kinzo Akita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジンの駆動状態に合わせて、適宜な時点で
エンジンブレーキ用ブレーキの係合を指令することの出
来る、自動変速機の制御装置の提供。 【解決手段】運転者のダウンシフト要求を検出した場合
に、対応する摩擦係合要素を解放する指令を出力する制
御手段を設け、エンジンの状態がパワーオン状態の場合
に、目標変速段のギヤ比が成立するか否かを判定する判
定手段(ステップS4)を設け、ギヤ比が成立する場
合、又はパワーオン状態ではない場合に、エンジンブレ
ーキ用ブレーキを係合する指令を出力する制御手段(ス
テップS3)を設ける。ダウンシフト動作に際して、解
放側摩擦係合要素を解放する指令と、ブレーキの係合指
令を、独立した形で出力することが出来、従来のよう
に、ブレーキの係合動作の実行を遅らせるためのタイマ
ー等を設ける必要が無く、適宜な時点でブレーキの係合
を指令することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダウンシフト時
に、エンジンのパワーオン/オフを判断して、ワンウェ
イクラッチに併設されたエンジンブレーキ用ブレーキの
係合を制御する、自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダウンシフト変速は、高変速段を
構成する摩擦係合要素の解放と、低変速段を構成する摩
擦係合要素の係合がワンセットで指令されていたため、
ダウンシフト変速において、ワンウェイクラッチに併設
されたエンジンブレーキ用のブレーキはエンジンのパワ
ーオン/オフなどの走行状態に無関係に係合を行ってい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低車速で弱パ
ワーオンの状態、即ち、エンジンが車輪を駆動している
状態で、ダウンシフトを行ない、ワンウェイクラッチに
併設されたエンジンブレーキ用ブレーキを係合させる
と、前述の摩擦係合要素の解放と係合がワンセットで指
令される場合、変速後のギヤ比が成立していない状態で
ブレーキが係合する場合がある。すると、ブレーキの係
合中に、エンジン側の駆動(パワーオン)/非駆動(パ
ワーオフ)状態をまたぐことになり、ガタショックが生
じる。
【0004】そこで、エンジンのパワーオン/オフをス
ロットル開度や入力トルクにより判断し、エンジンがパ
ワーオンの場合には、既に出力されているブレーキの係
合指令の実行を、ギヤ比が成立するまで一定時間待つ制
御が考えられる。
【0005】しかし、スロットル開度や入力トルクによ
り判断する制御では、その検出精度に問題があり、スロ
ットル開度が0、又は入力トルクが0を境にパワーオン
/オフを判断するようにしても、実際には外れている場
合がある。従って、実際にはパワーオンであるのにパワ
ーオフであると判断してしまうと、タイマによるタイム
アップ時までにギヤ比が成立しなくなり、ガタショック
の発生を十分に防止することが出来ない。また、実際に
は、パワーオフであるのにパワーオンであると判断して
しまうと直ちにブレーキを係合してもよいにも係わら
ず、既に出力済みの係合指令の実行を制限するタイマ制
御が有効となっているので、パワーオン時のギヤ比が成
立するのを待つこととなり、不合理が生じる。
【0006】本発明は、上記した事情に鑑み、エンジン
の駆動状態を精度良く検出し、適宜な時点でエンジンブ
レーキ用ブレーキの係合を開始することの出来る、自動
変速機の制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、エン
ジンからの回転がトルクコンバータを介して入力される
入力軸(3)、車軸(14a、14b)に接続される出
力軸(6)、前記入力軸と出力軸との間に配置された複
数の変速要素(S1、S2、CR、CR3、R1〜R
4、P1〜P4など)、それら複数の変速要素を係止、
係止解除自在に設けられたワンウェイクラッチ(F1〜
F2)及び摩擦係合要素(C1〜C3、B1〜B3)を
有し、前記摩擦係合要素を操作することにより、前記ワ
ンウェイクラッチが関与する変速段(例えば、1速)へ
のダウンシフト変速動作を行うことが出来る自動変速機
(1)において、運転者のダウンシフト要求を検出する
ダウンシフト要求検出手段(21、エンジンブレーキ制
御プログラムECPのステップS1)を設け、前記ダウ
ンシフト要求検出手段が、運転者のダウンシフト要求を
検出した場合に、該ダウンシフト要求に対応した摩擦係
合要素を解放する指令を出力する解放側摩擦係合要素制
御手段(21a)を設け、前記エンジンの回転数を検出
するエンジン回転数検出手段(22)を設け、前記自動
変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段
(25)を設け、前記エンジン回転数検出手段と入力軸
回転数検出手段からの信号を基に、エンジンの駆動状態
を検出するエンジン状態判定手段を設け、該エンジン状
態判定手段により検出されるエンジン駆動状態に応じて
前記エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)を係合する指
令を出力する、エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段を
設けて構成される。
【0007】請求項2の発明は、前記エンジン状態判定
手段は、前記エンジン回転数と入力軸回転数との差を検
出し、当該差が所定値以上のときにパワーオン状態で有
ると判定することを特徴として構成される。
【0008】請求項3の発明は、前記ダウンシフトによ
る目標変速段のギヤ比の成立状態を判定するギヤ比成立
状態判定手段を設け、前記エンジンブレーキ用ブレーキ
制御手段は、前記エンジン状態判定手段により検出され
るエンジン駆動状態と前記ギヤ比成立状態判定手段から
のギヤ比成立状態に応じて前記エンジンブレーキ用ブレ
ーキを係合する指令を出力することを特徴として構成さ
れる。
【0009】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記ギヤ比成立状態判定手段は、前記エンジン状態
判定手段が前記エンジンがパワーオン状態と判定した場
合に、前記ダウンシフトによる目標変速段のギヤ比の成
立状態を判定し、エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段
は、前記ギヤ比成立状態判定手段がダウンシフトによる
目標変速段のギヤ比が成立すると判定した場合、又は、
前記エンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン
状態ではないと判定した場合に、前記エンジンブレーキ
用ブレーキを係合する指令を出力することを特徴として
構成される。
【0010】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記エンジン状態判定手段は、前記ギヤ比成立状態
判定手段が、目標変速段のギヤ比が成立しないものと判
定した場合に、再度、前記エンジンの状態がパワーオン
状態で有るか否かを判定することを特徴として構成され
る。
【0011】請求項6の発明は、前記エンジンブレーキ
用ブレーキ(B3)は、前記ワンウェイクラッチ(F
2)が設けられた前記変速要素(R2)に併設されて構
成される。
【0012】請求項7の発明は、前記ワンウェイクラッ
チが関与する変速段へのダウンシフト変速動作は、1速
へのダウンシフト動作であることを特徴として構成され
る。
【0013】請求項8の発明は、請求項3の発明におい
て、前記ギヤ比成立状態判定手段は、入力軸回転数から
目標変速段のギヤ比が成立したものと判定した時点で、
目標変速段のギヤ比が成立すると判定することを特徴と
して構成される。
【0014】請求項9の発明は、請求項3の発明におい
て、前記ギヤ比成立状態判定手段は、入力軸回転数か
ら、所定時間後に目標変速段のギヤ比が成立するものと
判定した時点で、目標変速段のギヤ比が成立すると判定
することを特徴として構成される。
【0015】請求項10発明は、請求項9の発明におい
て、前記所定時間は、エンジンブレーキ用ブレーキを駆
動する摩擦係合要素のファストフィルに要する時間で構
成される。
【0016】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ダウンシフト
動作に際して、解放側摩擦係合要素を解放する指令の出
力と、エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)の係合指令
を、独立した形で出力することが出来るので、従来のよ
うに、エンジンブレーキ用ブレーキの係合動作の実行を
遅らせるためのタイマー等を設ける必要が無く、エンジ
ンの駆動状態に合わせて、適宜な時点でエンジンブレー
キ用ブレーキの係合を指令することが出来る。
【0017】従って、摩擦係合要素の解放と係合がワン
セットで指令される従来の場合に比して、変速後のギヤ
比が成立していない状態でブレーキが係合することが確
実に回避され、ガタショックのないダウンシフト動作が
可能となる。
【0018】また、エンジン回転数と入力軸回転数から
エンジンの駆動状態を検出するので、エンジンの駆動状
態を精度よく検出することが出来、適宜なタイミングで
ブレーキの係合を行うことが出来る。
【0019】請求項2の発明によれば、パワーオン状態
を、エンジン回転数と入力軸回転数の差から精度よく検
出することが出来る。
【0020】請求項3及び4の発明によれば、エンジン
ブレーキ用ブレーキの制御を、エンジン状態判定手段に
より検出されるエンジン駆動状態と前記ギヤ比成立状態
判定手段からのギヤ比成立状態に応じて行うことが出
来、パワーオン/オフ状態のいずれにも的確な制御が可
能となる。
【0021】請求項5の発明によると、エンジン状態判
定手段は、ギヤ比成立判定手段が、目標変速段のギヤ比
が成立していないものと判定した場合に、再度、前記エ
ンジンの状態がパワーオン状態で有るか否かを判定する
ことから、ダウンシフト要求時にはスロットルが踏まれ
ており、パワーオン状態であったが、その後、運転者が
スロットルを戻して、パワーオフとなった場合には、エ
ンジン状態判定手段が再度、エンジンの状態がパワーオ
ン状態で有るか否かを判定する。これにより、直ちにパ
ワーオフが判定され、エンジンブレーキ用ブレーキの係
合動作にはいることが出来、従来のように、エンジンブ
レーキ用ブレーキの係合の実行を制限する、タイマー制
御が有効となったまま、パワーオフにもかかわらずパワ
ーオン時におけるギヤ比が成立するのを待つ不合理がな
くなり、合理的な制御が可能となる。
【0022】請求項6の発明によると、ワンウェイクラ
ッチ(F2)の空転をエンジンブレーキ用ブレーキ(B
3)により防止することが出来、エンジンブレーキを確
実に作用させることが出来る。
【0023】請求項7の発明によると、エンジンブレー
キ用ブレーキ(B3)の係合タイミング不良に起因する
ガタショックが最も大きくなる1速のダウンシフト動作
で、円滑なエンジンブレーキ用ブレーキ(B3)の係合
が可能となる。
【0024】請求項8の発明によると、実際の入力軸回
転数(Nc1)が目標ギヤ比に達した時点で、ギヤ比が
成立するものと判定するので、確実にギヤ比の成立を確
認した形で、エンジンブレーキ用ブレーキの制御に入る
ことが出来る。
【0025】請求項9の発明によると、所定時間後に目
標変速段のギヤ比が成立するものと判定した時点で、目
標変速段のギヤ比が成立すると判定することで、実際に
ギヤ比が成立するまでの時間を利用して、エンジンブレ
ーキ用ブレーキに対するファストフィルなどの予備的な
制御を行うことが出来、実際にギヤ比が成立した時点
で、エンジンブレーキ用ブレーキに対する迅速な係合動
作が可能となる。
【0026】請求項10の発明によると、当該所定時間
を利用して、エンジンブレーキ用ブレーキを駆動する摩
擦係合要素のファストフィルを過不足無く行うことが出
来る。
【0027】なお、括弧内の番号等は、図面における対
応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述
は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0029】図1は、本発明が適用される自動変速機の
一例を示すスケルトン図、図2は、図1の自動変速機に
おける摩擦係合要素の作動を示す図、図3は本発明に係
わる電子制御部を示すブロック図、図4は摩擦係合要素
の油圧サーボを駆動するための油圧回路の一例を示す
図、図5は、エンジンブレーキ制御プログラムの一例を
示すフローチャート、図6はダウンシフト時の、摩擦係
合要素の駆動状態及び駆動指令の出力状態を示すタイム
チャートの一例、図7はダウンシフト時にパワーオンか
らオフに変化した場合の、摩擦係合要素の駆動状態及び
駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一例。
【0030】5速自動変速機1は、図1に示すように、
トルクコンバータ4、3速主変速機構2、3速副変速機
構5及びディファレンシャル8を備えており、かつこれ
ら各部は互に接合して一体に構成されるケースに収納さ
れている。そして、トルクコンバータ4は、ロックアッ
プクラッチ4aを備えており、エンジンクランクシャフ
ト13から、トルクコンバータ内の油流を介して又はロ
ックアップクラッチによる機械的接続を介して主変速機
構2の入力軸3に入力する。そして、一体ケースにはク
ランクシャフトと整列して配置されている第1軸3(具
体的には入力軸)及び該第1軸3と平行に第2軸6(カ
ウンタ紬)及び第3軸(左右車軸)14a,14bが回
転自在に支持されており、また該ケースの外側にバルブ
ボディが配設されている。
【0031】主変速機構2は、シンプルプラネタリギヤ
7とダブルピニオンプラネタリギヤ9からなるプラネタ
リギヤユニット15を有しており、シンプルプラネタリ
ギヤ7はサンギヤSl、リングギヤRl、及びこれらギ
ヤに噛合するピニオンPlを支持したキャリヤCRから
なり、またダブルピニオンプラネタリギヤ9は上記サン
ギヤSlと異なる歯数からなるサンギヤS2、リングギ
ヤR2、並びにサンギヤS2に噛合するピニオンP2及
びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を前記シンプ
ルプラネタリギヤ7のピニオンPlと共に支持する共通
キャリヤCRからなる。
【0032】そして、エンジンクランクシャフト13か
らトルクコンバータ4を介して連動している入力軸3
は、第1の(フォワード)クラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のリングギヤRlに連結し得ると共
に、第2の(ダイレクト)クラッチC2を介してシンプ
ルプラネタリギヤ7のサンギヤSlに連結し得る。ま
た、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のサンギヤS2
は、第1のブレーキBlにて直接係止し得ると共に、第
1のワンウェイクラッチFlを介して第2のブレーキB
2にて係止し得る。更に、ダブルピニオンプラネタリギ
ヤ9のリングギヤR2は、第3のブレーキB3及び第2
のワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共
通キャリヤCRが、主変速機構2の出力部材となるカウ
ンタドライブギヤ18に連結している。
【0033】一方、副変速機構5は、第2軸を構成する
カウンタ軸6の軸線方向リヤ側に向って、出力ギヤ1
6、第1のシンプルプラネタリギヤ10及び第2のシン
プルプラネタリギヤ11が軸線方向に並んで配置されて
おり、またカウンタ軸6はベアリングを介して一体ケー
スに回転自在に支持されている。前記第1及び第2のシ
ンプルプラネタリギヤ10,11は、シンプソンタイプ
からなる。
【0034】また、第1のシンプルプラネタリギヤ10
は、そのリングギヤR3が前記カウンタドライブギヤ1
8に噛合するカウンタドリブンギヤ17に連結してお
り、そのサンギヤS3がカウンタ軸6に回転自在に支持
されているスリーブ軸12に固定されている。そして、
ピニオンP3はカウンタ軸6に一体に連結されたフラン
ジからなるキャリヤCR3に支持されており、また該ピ
ニオンP3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイ
レクトクラッチC3のインナハブに連結している。ま
た、第2のシンプルプラネタリギヤ11は、そのサンギ
ヤS4が前記スリーブ軸12に形成されて前記第1のシ
ンプルプラネタリギヤのサンギヤS3に連結されてお
り、そのリングギヤR4は、カウンタ軸6に連結されて
いる。
【0035】そして、UDダイレクトクラッチC3は、
前記第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3と
前記連結されたサンギヤS3,S4との間に介在してお
り、かつ該連結されたサンギヤS3,S4は、バンドブ
レーキからなる第4のプレーキB4にて係止し得る。更
に、第2のシンプルプラネタリギヤのピニオンP4を支
持するキャリヤCR4は、第5のブレーキB5にて係止
し得る。
【0036】ついで、図1及び図2に沿って、本5速自
動変速機の機構部分の作用について説明する。
【0037】D(ドライブ)レンジにおける1速(1S
T)状態では、フォワードクラッチClが接続し、かつ
第5のブレーキB5及び第2のワンウェイクラッチF2
が係止して、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギ
ヤR2及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のキャリ
ヤCR4が停止状態に保持される。この状態では、入力
軸3の回転は、フォワードクラッチClを介してシンプ
ルプラネタリギヤのリングギヤRlに伝達され、かつダ
ブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2は停止状
態にあるので、両サンギヤSl、S2を逆方向に空転さ
せながら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転され
る。即ち、主変速機構2は、1速状態にあり、該減速回
転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5にお
ける第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3に
伝達される。該副変速機構5は、第5のブレーキB5に
より第2のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR4が
停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2の減速回
転は、該副変速機構5により更に減速されて、出力ギヤ
16から出力する。
【0038】2速(2ND)状態では、フォワードクラ
ッチClに加えて、第2のブレーキB2(及び第1のブ
レーキBl)が作動し、更に、第2のワンウェイクラッ
チF2から第1のワンウェイクラッチFlに作動が切換
わり、かつ第5のブレーキB5が係止状態に維持されて
いる。この状態では、サンギヤS2が第2のブレーキB
2及び第1のワンウェイクラッチFlにより停止され、
従って入力軸3からフォワードクラッチClを介して伝
達されたシンプルプラネタリギヤのリングギヤRlの回
転は、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2
を正方向に空転させながらキャリヤCRを正方向に減速
回転する。更に、該減速回転は、カウンタギヤ18,1
7を介して副変速機構5に伝達される。即ち、主変速機
構2は2速状態となり、副変速機構5は、第5のブレー
キB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1
速状態が組合されて、自動変速機1全体で2速が得られ
る。なおこの際、第1のブレーキBlも作動状態となる
が、コーストダウンにより2速になる場合、該第1のブ
レーキBlは解放される。
【0039】3速(3RD)状態では、フォワードクラ
ッチCl、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイク
ラッチFl並びに第1のブレーキBlはそのまま係合状
態に保持され、第5のブレーキB5の係止が解放される
と共に第4のブレーキB4が係合する。即ち、主変速機
構2はそのままの状態が保持されて、上述した2速時の
回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に
伝えられ、そして副変速機構5では、第1のシンプルプ
ラネタリギヤのリングギヤR3からの回転がそのサンギ
ヤS3及びサンギヤS4の固定により2速回転としてキ
ャリヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と
副変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得ら
れる。
【0040】4速(4TH)状態では、主変速機構2
は、フォワードクラッチCl、第2のブレーキB2及び
第1のワンウェイクラッチFl並びに第1のブレーキB
lが係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変
速機構5は、第4のブレーキB4を解放すると共にUD
ダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、第
1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3とサンギ
ヤS3,S4が連結して、プラネクリギヤ10,11が
一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構2の
2速と副変速機構5の直結(3速)が組合されて、自動
変速機全体で、4速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0041】5速(5TH)状態では、フォワードクラ
ッチCl及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力
軸3の回転がシンプルプラネタリギヤのリングギヤRl
及びサンギヤSlに共に伝達されて、主変速機構2は、
ギヤユニットが一体回転する直結回転となる。この際、
第1のブレーキBlが解放されかつ第2のブレーキB2
は係合状態に保持されるが第1のワンウェイクラッチF
lが空転することにより、サンギヤS2は空転する。ま
た、副変速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係
合した直結回転となっており、従って主変速機構2の3
速(直結)と副変速機構5の3速(直結)が組合され
て、自動変速機全体で、5速回転が出力ギヤ16から出
力する。
【0042】更に、本自動変速機は、加速等のダウンシ
フト時に作動する中間変速段、即ち3速ロー及び4速ロ
ーがある。
【0043】3速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続し(第2ブレーキB
2が係合状態にあるがワンウェイクラッチFlによりオ
ーバランする)、主変速機構2はプラネタリギヤユニッ
ト15を直結した3速状態にある。一方、第5のブレー
キB5が係止して副変速機構5は1速状態にあり、従っ
て主変速機構2の3速状態と副変速機構5の1速状態が
組合されて、自動変速機1全体で、前述した2速と3速
との問のギヤ比となる変速段が得られる。
【0044】4速ロー状態は、フォワードクラッチCl
及びダイレクトクラッチC2が接続して、主変速機構2
は、上記3速ロー状態と同様に3速(直結)状態にあ
る。一方、副変速機構5は、第4のブレーキB4が係合
して、第1のシンプルプラネタリギヤ10のサンギヤS
3及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のサンギヤS
4が固定され、2速状態にある。従って、主変速機構2
の3速状態と副変速機構5の2速状態が組合されて、自
動変速機1全体で、前述した3速と4速との間のギヤ比
となる変速段が得られる。
【0045】なお、図2において点線の丸印は、コース
ト時エンジンブレーキの作動状態を示す。即ち、1速
時、第3のブレーキB3が作動して第2のワンウェイク
ラッチF2のオーバランによるリングギヤR2の回転を
阻止する。また、2速時、3速時及び4速時、第1のブ
レーキB1が作動して第1のワンウェイクラッチFlの
オーバランによるサンギヤSlの回転を阻止する。
【0046】また、R(リバース)レンジにあっては、
ダイレクトクラッチC2及び第3のブレーキB3が係合
すると共に、第5のブレーキB5が係合する。この状態
では、入力軸3の回転はダイレクトクラッチC2を介し
てサンギヤSlに伝達され、かつ第3のブレーキB3に
よりダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2が
停止状態にあるので、シンプルプラネタリギヤのリング
ギヤRlを逆転方向に空転させながらキャリヤCRも逆
転し、該逆転が、カウンタギヤ18,17を介して副変
速機構5に伝達される。副変速機構5は、第5のブレー
キB5に基づき第2のシンプルプラネクリギヤのキャリ
ヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持さ
れる。従って、主変速機構2の逆転と副変速機構5の1
速回転が組合されて、出力軸16から逆転減速回転が出
力する。
【0047】図3は、電気制御系を示すブロック図であ
り、21は、マイクロコンピュータ(マイコン)からな
る制御部(ECU)で、エンジン回転センサ22、ドラ
イバのアクセルペダル踏み量を検出するスロットル開度
センサ23、トランスミッション(自動変速機構)の入
力軸回転数(=タービン回転数)を検出するセンサ2
5、車速(=自動変速機出力軸回転数)センサ26及び
シフトセンサ27からの各信号が入力しており、また油
圧回路のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUに出
力している。前記制御部21は、変速制御部21eを構
成する解放側油圧を制御する解放側制御手段21aと、
係合側油圧を制御する係合側制御手段21bとを有し、
更に、エンジン状態判定手段21cとを備えている。
【0048】図4は、油圧回路の概略を示す図であり、
前記2個のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUを
有すると共に、自動変速機構のプラネタリギヤユニット
の伝達経路を切換えて、例えば前進5速、後進1速の変
速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチ及びブレ
ーキ)を断接作動する複数の油圧サーボ29、30を有
している。また、前記リニアソレノイドバルブSLS及
びSLUの入力ポートal,a2にはソレノイドモジュ
レータ圧が供給されており、これらリニアソレノイドバ
ルブの出力ポートbl・b2からの制御油圧がそれぞれ
プレッシャコントロールバルブ31,32の制御油室3
1a,32aに供給されている。プレッシャコントロー
ルバルブ31,32は、ライン圧がそれぞれ入力ポート
31b,32bに供給されており、前記制御油圧にて調
圧された出力ポート31c,32cからの調圧油圧が、
それぞれシフトバルブ33,35を介して適宜各油圧サ
ーボ29,30に供給される。
【0049】なお、本油圧回路は、一方の摩擦係合要素
を解放すると共に他方の摩擦係合要素を係合する、いわ
ゆるクラッチツークラッチによる変速に係る基本概念を
示すものであり、各油圧サーボ29,30及びシフトバ
ルブ33,35は、象徴的に示すものであって、実際に
は、自動変速機構に対応して油圧サーボは多数備えられ
ているが、具体的には、3→2変速に際して第4のブレ
ーキB4用油圧サーボ及び第5のブレーキB5用油圧サ
ーボ、4→3変速に際しての第3のクラッチC3用油圧
サーボ及び第4のブレーキB4用油圧サーボであり、ま
た、これら油圧サーボヘの油圧を切換えるシフトバルブ
も多数備えている。また、油圧サーボ30に示すように
油圧サーボは、シリンダ36にオイルシール37により
油密状に嵌合するピストン39を有しており、該ピスト
ン39は、油圧室40に作用するプレッシャコントロー
ルバルブ32からの調圧油圧に基づき、戻しスプリング
41に抗して移動し、外側摩擦プレート42及び内側摩
擦材43を接触する。該摩擦プレート及び摩擦材は、ク
ラッチで示してあるが、ブレーキにも同様に対応するこ
とは勿論である。
【0050】いま、2速から1速にダウンシフトが行わ
れた場合、制御部21は、シフトセンサ27からの信号
で、運転者がシフトレバーを操作したことを認識する。
すると、制御部21は、図5に示すエンジンブレーキ制
御プログラムECPのステップS1で、当該シフトレバ
ーの操作が、エンジンブレーキを必要とする1速へのダ
ウンシフトであるか否かを、エンジン回転センサ22、
スロットル開度センサ23、入力軸回転数センサ25、
車速センサ26などの信号から判定する。
【0051】ステップS1で、シフトレバーの操作が、
エンジンブレーキを必要とする1速へのダウンシフトで
あると判定された場合には、制御部21は、エンジンブ
レーキ制御プログラムのステップS2に入り、実際に変
速を行う際に目標とするギヤ段、即ち実変速目標ギヤ段
を、エンジンブレーキを伴わない1速に設定し、開放側
制御手段21aを介してブレーキB2の解放動作を指令
する。次に、制御部は、ステップS3に入り、エンジン
状態判定手段21cを介して現在のエンジン状態が、エ
ンジンが車輪を駆動するパワーオン状態であるか否かを
判定する。
【0052】パワーオンか否かの判定は、エンジン回転
数Ne−入力軸回転数Nc1の差が、1回転以上の場合
にパワーオンと判定するが、入力軸回転数Nc1は、入
力軸回転数センサ25から求める。
【0053】ステップS3で、エンジン状態がパワーオ
ンでない、即ちパワーオフと判定された場合には、エン
ジンが車輪側から駆動される被駆動状態となっているの
で、制御部21は、車両状態がエンジンブレーキを作用
させるに適した状態になっているものと判断して、ステ
ップS5に入り、実変速目標ギヤ段を、それまでのエン
ジンブレーキを伴わない1速から、エンジンブレーキ付
きの1速に変更し、ステップS2でのB2ブレーキの解
放に加えて、係合側制御手段21bを介してB3ブレー
キを係合させてワンウェイクラッチF2が空転すること
を防止し、エンジンブレーキが適正に作動するように制
御する。
【0054】ステップS3で、エンジン状態がパワーオ
ンと判定された場合には、いまだエンジンが車輪を駆動
している状態となっており、車両はエンジンブレーキを
作動させるに適した状態になっていないものと判定し、
ステップS2での解放側の摩擦係合要素であるブレーキ
B2の解放のみを継続する。即ち、制御部21は、エン
ジンがパワーオン状態となっている以上、ダウンシフト
は通常の2速から1速へのダウンシフト制御で十分であ
ると判断し、当該ダウンシフトに必要な解放側のブレー
キB2のみの解放を継続する。
【0055】これにより、車両は、通常の2速から1速
へのダウンシフト動作が行われると共に、入力軸回転数
Nc1は、B2ブレーキの解放により、その回転数が図
6に示すように、徐々に上昇して行く。この際、実変速
目標ギヤ段はエンジンブレーキを伴わない1速であるこ
とから、エンジンブレーキ用ブレーキB3に対する係合
指令は出力されず、ブレーキB3は何ら係合動作に入る
ことはない。従って、将来エンジンがパワーオフとなっ
た場合でもガタショックが生じることはない。
【0056】制御部21は、ブレーキB2の解放を指令
する一方で、エンジンブレーキ制御プログラムのステッ
プS4に入り、ブレーキB2の解放に伴い入力軸回転数
Nc1が増加して、1速の目標ギヤ比が成立することを
予想し、その際に必要なエンジンブレーキ用ブレーキB
3の係合の準備動作に入る。
【0057】即ち、パワーオン状態が維持されている場
合には、図6に示すように、入力軸回転数Nc1はエン
ジン回転と共に上昇してゆき、所定の時間後の時点T1
で目標ギヤ比が成立し、ワンウェイクラッチF2が作動
するので、この時点でエンジンブレーキ用ブレーキB3
を係合させるために、時点T1の所定時間前から、エン
ジンブレーキ用ブレーキB3に対するファストフィルを
行い、ガタ詰め動作を行っておく。
【0058】制御部は、 Nc1+(TSA*ΔNc1)≧Nout*変速後(1速)のギヤ比 ……(1 ) Nc1:現在の入力軸回転数 TSA:エンジンブレーキ用ブレーキB3のファストフ
ィルに要する時間 ΔNc1:現在の入力軸加速度 Nout:現在の出力軸回転数 により、現時点で、エンジンブレーキ用ブレーキB3に
ファストフィルを行った場合に、ファストフィルが終了
までの間に、入力軸回転数Nc1が目標ギヤ比を上回
り、目標ギヤ比が成立するか否かを判定する。即ち、所
定時間TSA後における目標ギヤ比の成立の可否を判定
する。
【0059】(1)式が、成立しない、即ち、現時点
で、エンジンブレーキ用ブレーキB3にファストフィル
を行っても、ファストフィルが終了するまでの間に、入
力軸回転数Nc1が目標ギヤ比に達せず、目標ギヤ比が
成立しない場合には、ギヤ比の成立に際したエンジンブ
レーキ用ブレーキB3の係合準備を行うのは時期尚早で
あると判断して、ステップS3に戻り、再びパワーオン
/オフ判定を行う。
【0060】ステップS4で(1)式が、成立する、即
ち、現時点で、エンジンブレーキ用ブレーキB3にファ
ストフィルを行った場合、ファストフィルが終了するま
での間に、入力軸回転数Nc1が目標ギヤ比に達し、目
標ギヤ段が成立する場合には、ステップS5に入り、制
御部21は実変速目標ギヤ段をエンジンブレーキ付きの
1速に設定して、係合側制御手段21bを介してエンジ
ンブレーキ用ブレーキB3を係合するエンジンブレーキ
用ブレーキ係合指令を出力する。
【0061】すると、エンジンブレーキ用ブレーキB3
は、図6に示すように、目標ギヤ比が成立する時点T1
の時間TSA前で、係合指令により係合動作を開始し、
油圧PTSAが対応する油圧サーボに供給され、直ちに
ファストフィルが行われる。ファストフィルには、時間
TSAを要するので、ファストフィルによるエンジンブ
レーキ用ブレーキB3がガタ詰めが完了した時点で、時
点T1となり、油圧サーボに供給される油圧は、待機圧
に低下され、エンジンブレーキ用ブレーキB3は、
いつでも実際の係合動作にはいることの出来る待機状態
に入る。
【0062】前記待機圧Pは係合動作に入る前の圧
(ピストンストローク圧)であるので、前記待機圧P
で保持している間まで早出しすることが考えられる。し
かし、待機圧Pのばらつきにより係合動作が開始され
てしまう圧に設定されている場合も考慮して、時間TS
A部分のみ早出ししている。
【0063】なお、この時点T1で、目標ギヤ比は成立
しているので、係合側制御手段21Bは、ファストフィ
ルに継続して、直ちに係合動作に入ることが出来る。こ
れにより、ギヤ比が成立した後に、エンジンブレーキ用
ブレーキB3のガタ詰めを行って、ブレーキB3の係合
が遅れ、ギヤ比の成立後にスロットルが戻されて、パワ
ーオフとなり、ワンウエイクラッチF2が空転した状態
でエンジンブレーキ用ブレーキB3が係合し、ショック
を生じてしまう事態の発生を未然に防止することが出来
る。
【0064】なお、目標ギヤ比が成立した時点で、ブレ
ーキB3を係合させることにより、ワンウェイクラッチ
F2が作動して係止された状態のリングギヤR2を、更
に係止するだけなので、エンジン状態がその後、パワー
オンからパワーオフに変化しても何らショックが生じる
ことはない。
【0065】また、エンジンブレーキ用ブレーキB3の
係合指令は、タイマーによらず、入力軸回転数Nc1の
目標ギヤ比が成立したか否かで出力されるので、入力軸
回転数Nc1が確実に1速状態になった時点でブレーキ
B3が係合されることとなり、確実な制御が可能とな
る。
【0066】このように、ダウンシフトに際して、図6
に示すように、制御部21からの変速指令を、図中破線
で示すように、高速段側の摩擦係合要素B2の解放指令
をまず先行して出力し、その後入力軸回転数Nc1の目
標ギヤ比が成立する(予測も含む)時点T1又はT2で
エンジンブレーキ用ブレーキB3係合指令を出力するこ
とにより、実線で示すように、摩擦係合要素の解放指令
とブレーキの係合指令をワンセットで出力した従来のよ
うに、ブレーキの係合指令の実行を遅延させるタイマー
などの遅延制御を用いる必要がなく、簡単かつ確実にエ
ンジンブレーキ用ブレーキB3を係合させることが可能
となる。
【0067】一方、図5のステップS4からステップS
3に戻った場合には、既に述べたように、再度パワーオ
ン/オフ判定を行なう。例えば、ステップS2で解放側
ブレーキB2が解放されたのち、ステップS4でのエン
ジンブレーキ用ブレーキB3のファストフィルが行われ
る前に、図7に示すように、ある時点T3でスロットル
が戻されてエンジン回転数Neが減少し、時点T4でエ
ンジンがパワーオフとなったものと、エンジン回転セン
サ22、スロットル開度センサ23等の出力から、ステ
ップS3で判定された場合には、既に述べたように、そ
の時点で、エンジンは車輪側から駆動された状態となっ
ているので、ステップS5に入り、直ちに実変速目標ギ
ヤ段を、エンジンブレーキ付きの1速に変更し、ブレー
キB3の係合指令を出力し、B3ブレーキを係合させて
ワンウェイクラッチF2が空転することを防止し、エン
ジンブレーキが適正に作動するように制御する。
【0068】上述の実施例は、ダウンシフト動作が2速
から1速へのダウンシフト動作の場合について述べた
が、ダウンシフト動作はこれに限らず、ワンウェイクラ
ッチが作動する変速段へのダウンシフト動作であればど
のようなダウンシフト動作であってもよい。
【0069】また、本発明は、ダウンシフトに際したエ
ンジンブレーキ用ブレーキB3の係合指令を、ダウンシ
フトに際した開放側の摩擦係合要素の解放指令とは独立
して、目標ギヤ比の成立状態またはエンジンのパワーオ
ン/オフ状態に応じて出力させる点を要旨とするもので
あり、エンジンブレーキ用ブレーキB3のファストフィ
ルを必ずしも、目標ギヤ比の成立前に前もって行う必要
はなく、ギヤ比が成立した図6の時点T1から、ファス
トフィルを開始するように構成することも当然可能であ
る。この場合、エンジンブレーキ制御プログラムECP
のステップS4では、その時点で目標ギヤ比が成立する
か否かを判定することとなる。
【0070】更に、上述の実施例では、パワーオン/オ
フなどのエンジンの駆動状態を、エンジン回転数と入力
軸回転数との差で検出判定しているが、エンジンの駆動
状態は、エンジン回転数と入力軸回転数との比により判
定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用される自動変速機の一例
を示すスケルトン図。
【図2】図2は、図1の自動変速機における摩擦係合要
素の作動を示す図。
【図3】図3は本発明に係わる電子制御部を示すブロッ
ク図。
【図4】図4は摩擦係合要素の油圧サーボを駆動するた
めの油圧回路の一例を示す図。
【図5】図5は、エンジンブレーキ制御プログラムの一
例を示すフローチャート。
【図6】図6はダウンシフト時の、摩擦係合要素の駆動
状態及び駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一
例を示す図。
【図7】図7はダウンシフト時にパワーオンからオフに
変化した場合の、摩擦係合要素の駆動状態及び駆動指令
の出力状態を示すタイムチャートの一例を示す図。
【符号の説明】
1……自動変速機 3……入力軸 6……出力軸 21……制御部(ダウンシフト要求検出手段、ギヤ比成
立状態判定手段) 21a……開放側制御手段(解放側摩擦係合要素制御手
段) 21b……係合側制御手段(エンジンブレーキ用ブレー
キ制御手段) 21c……エンジン状態判定手段 S1、S2……サンギヤ(変速要素) CR、CR3……キャリヤ(変速要素) R1〜R4……リングギヤ(変速要素) P1〜P4……ピニオン(変速要素) B3……ブレーキ(エンジンブレーキ用ブレーキ) F2……ワンウェイクラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16H 63:12 F16H 63:12 (72)発明者 野村 誠和 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 秋田 欽三 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J552 MA02 MA12 NA01 NB01 PA03 PA33 RA07 RA09 RA27 RB18 SA05 SA08 SB06 SB10 VA32W VA33W VA37Z VA74W VA74Y VB01Z VC01W VC03Z VD02Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンからの回転がトルクコンバータ
    を介して入力される入力軸、車軸に接続される出力軸、
    前記入力軸と出力軸との間に配置された複数の変速要
    素、それら複数の変速要素を係止、係止解除自在に設け
    られたワンウェイクラッチ及び摩擦係合要素を有し、前
    記摩擦係合要素を操作することにより、前記ワンウェイ
    クラッチが関与する変速段へのダウンシフト変速動作を
    行うことが出来る自動変速機において、 運転者のダウンシフト要求を検出するダウンシフト要求
    検出手段を設け、 前記ダウンシフト要求検出手段が、運転者のダウンシフ
    ト要求を検出した場合に、該ダウンシフト要求に対応し
    た摩擦係合要素を解放する指令を出力する解放側摩擦係
    合要素制御手段を設け、 前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手
    段を設け、 前記自動変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数
    検出手段を設け、 前記エンジン回転数検出手段と入力軸回転数検出手段か
    らの信号を基に、エンジンの駆動状態を検出するエンジ
    ン状態判定手段を設け、 該エンジン状態判定手段により検出されるエンジン駆動
    状態に応じて前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合す
    る指令を出力する、エンジンブレーキ用ブレーキ制御手
    段を設けて構成した、自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジン状態判定手段は、前記エン
    ジン回転数と入力軸回転数との差を検出し、当該差が所
    定値以上のときにパワーオン状態で有ると判定すること
    を特徴とする、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記ダウンシフトによる目標変速段のギ
    ヤ比の成立状態を判定するギヤ比成立状態判定手段を設
    け、 前記エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段は、前記エン
    ジン状態判定手段により検出されるエンジン駆動状態と
    前記ギヤ比成立状態判定手段からのギヤ比成立状態に応
    じて前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合する指令を
    出力することを特徴とする、請求項1記載の自動変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ギヤ比成立状態判定手段は、前記エ
    ンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン状態と
    判定した場合に、前記ダウンシフトによる目標変速段の
    ギヤ比の成立状態を判定し、 エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段は、前記ギヤ比成
    立状態判定手段がダウンシフトによる目標変速段のギヤ
    比が成立すると判定した場合、又は、前記エンジン状態
    判定手段が前記エンジンがパワーオン状態ではないと判
    定した場合に、前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合
    する指令を出力することを特徴とする、請求項3記載の
    自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記エンジン状態判定手段は、前記ギヤ
    比成立状態判定手段が、目標変速段のギヤ比が成立しな
    いものと判定した場合に、再度、前記エンジンの状態が
    パワーオン状態で有るか否かを判定することを特徴とす
    る、請求項4記載の自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記エンジンブレーキ用ブレーキは、前
    記ワンウェイクラッチが設けられた前記変速要素に併設
    されている、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記ワンウェイクラッチ関与する変速段
    へのダウンシフト変速動作は、1速へのダウンシフト動
    作であることを特徴とする、請求項1記載記載の自動変
    速機の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記ギヤ比成立状態判定手段は、入力軸
    回転数から目標変速段のギヤ比が成立したものと判定し
    た時点で、目標変速段のギヤ比が成立すると判定するこ
    とを特徴とする、請求項3記載の自動変速機の制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記ギヤ比成立状態判定手段は、入力軸
    回転数から、所定時間後に目標変速段のギヤ比が成立す
    るものと判定した時点で、目標変速段のギヤ比が成立す
    ると判定することを特徴とする、請求項3記載の自動変
    速機の制御装置。
  10. 【請求項10】 前記所定時間は、エンジンブレーキ用
    ブレーキを駆動する摩擦係合要素のファストフィルに要
    する時間である、請求項9記載の自動変速機の制御装
    置。
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