JP2791374B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP2791374B2
JP2791374B2 JP2059378A JP5937890A JP2791374B2 JP 2791374 B2 JP2791374 B2 JP 2791374B2 JP 2059378 A JP2059378 A JP 2059378A JP 5937890 A JP5937890 A JP 5937890A JP 2791374 B2 JP2791374 B2 JP 2791374B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、動力発生部が駆動から被駆動と変化するの
に伴って発生した変速判断に基づいて、シフトバルブを
切換えることにより被駆動状態で非空転となる変速段
(非空転段)から、これより高速側の変速段へ変速する
場合に用いる車両用自動変速機の変速制御装置に関す
る。
【従来の技術】
車両用自動変速機では変速ショック低減のために、摩
擦係合装置に係合させる代わりにワンウェイクラッチを
ロックさせることによって変速を達成するように構成す
ることがよく行われる。この場合、駆動方向が逆になる
コースト時には、このワンウェイクラッチが空転して車
両側からの動力がエンジン側に伝わらないという空転現
象(エンジンブレーキが効かないという現象)が起こ
る。 しかしながら、一般に低速段領域においては、コース
ト時にエンジンブレーキを効かせるという要請が比較的
少ないため、ドライブレンジにおいてはエンジンブレー
キに関する対処を行わず、運転者が必要とするときにの
み、即ち運転者がLレンジ、あるいは2レンジというエ
ンジンブレーキの効くシフトレンジを選択した場合にの
み該空転段においてコースト用摩擦係合装置を別途係合
させ、エンジンブレーキを効かせるようにしている。 ところが、高速段領域においては、アクセルを解放し
たときに適度なエンジンブレーキが効くようになってい
ないと運転がし難くなるため、ドライブレンジであって
もワンウェイクラッチの他にコースト用摩擦係合装置を
自動的に係合させるようにし、コースト時にエンジンブ
レーキが効くように構成してある(例えば特開昭58−84
248)。 本明細書では、便宜上コースト時にワンウェイクラッ
チが空転してエンジンブレーキが作用しない変速段を
「空転段」、エンジンブレーキが作用する変速段を「非
空転段」と称することにする。
【発明が解決しようとする課題】
車両用の自動変速機においては、例えばアクセルペダ
ルを解放したときのように、動力発生部(エンジン)が
駆動状態から被駆動状態へと変化するのに伴って、変速
(アップシフト)が行われることがよくある。 しかしながら、従来、このような駆動から被駆動へと
変化するのに伴ってアップシフトが行われる場合、それ
が前述したような非空転段からのアップシフトであった
場合には、空転段からのアップシフトの場合には実行で
きる「エンジンの自然低下を利用した変速制御」を行う
ことができないという問題があった。 即ち、駆動から被駆動へと変化するのに伴って行われ
るアップシフトが空転段からのアップシフトであった場
合には、該駆動から被駆動へと変化した瞬間からワンウ
ェイクラッチが空転を始め、その結果自動変速機の入力
軸の回転はエンジンのフリクションによって(車速とは
無関係に)自然に下っていく。そのため、該アップシフ
トの変速指令を意図的に遅らせることにより、エンジン
回転速度を変速後の同期回転速度近傍まで低下させ、こ
の時点で変速を実行させれば、イナーシャトルクの発生
しない円滑な変速が可能となる。従って、変速ショック
を小さくできる。 ところが、駆動から被駆動へと変化するのに伴ってア
ップシフトが行われる場合に、それが非空転段からのア
ップシフトであった場合には、自動変速機は空転状態と
ならない。そのため、たとえ変速指令を遅らせたとして
も、該自動変速機の入力軸回転速度(≒エンジン回転速
度)は車速に規定される回転速度に維持され、ほとんど
低下しない。従って、従来は非空転段からのアップシフ
トの場合は変速指令を遅らせることなく直ちに変速指令
を出していた。そのため、変速の開始と共にギヤ比相当
分だけエンジン回転速度が強制的に引下げられることに
なり、変速に伴うトルク変動が発生し、これが変速ショ
ックとなって感じられるという問題が発生していた。 本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたも
のであって、動力発生部が駆動から被駆動へと変化する
のに伴ってアップシフトされる場合に、たとえそのアッ
プシフトが非空転段からのアップシフトであったとして
も、簡易な構成で変速ショックの小さな変速を実行する
ことのできる車両用自動変速機の変速制御装置を提供す
ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1図にその要旨を示すように、動力発生
部が駆動から被駆動へと変化するのに伴って発生した変
速判断に基づいて、シフトバルブを切換えることにより
被駆動状態で非空転となる変速段から、これより高速側
の変速段へ変速する場合に用いる車両用自動変速機の変
速制御装置において、前記変速の過渡時に、前記シフト
バルブを、前記被駆動状態で非空転となる変速段と高速
側の変速段とを所定期間交互にシフトさせる手段を備え
たことにより、上記目的を達成したものである。
【作用】
本発明においては、動力発生部が駆動から被駆動へと
変化するのに伴って発生した変速判断に基づいて非空転
段からアップシフトされる場合には、該アップシフトの
過渡時に、シフトバルブを当該非空転段と変速先である
高速段との間で「所定期間」だけ交互にシフトさせるよ
うにしている。 「係合(油圧供給)」と「解放(油圧ドレン)」とで
は「解放」の方が短時間で達成されるため、このように
シフトバルブを操作すると2つの変速段のうち一方のみ
で係合される摩擦係合装置は結果として全てドレンされ
てしまい「ニュートラルの状態」が形成される。 この結果、このニュートラルの状態のときにエンジン
回転速度が車速とは関係なく自身のフリクションによっ
て低下できるため、実際に変速が実行されるとき(ギヤ
の切換えが行われるとき)にエンジンのイナーシャトル
クがほとんど発生せず、極めて円滑に変速を実行するこ
とができるようになる。 この趣旨から、シフトバルブを交互にシフトさせる前
記「所定期間」は、定性的には自動変速機の入力軸回転
速度(≒エンジン回転速度)が変速後の同期回転速度
(車速×ギヤ比)にまで低下してくる期間に設定され
る。 但し、本発明においては、この「所定期間」を具体的
にどのようにして設定するかについてはこれを限定する
ものではない。即ち、この所定期間を具体的に設定する
には、例えばタイマを用いてもよく、あるいは自動変速
機の入出力系の回転速度をモニタし、実際にエンジン回
転速度が低下して自動変速機の入力軸の回転速度が変速
後の同期回転速度にまで至ったことを確認した上で当該
ニュートラル状態を終了し、本来の変速を開始させるよ
うにしてもよい。 このようにしてニュートラル状態を所定時間だけ適切
に形成させることにより、変速に伴うエンジンのイナー
シャトルクをほとんど発生させることなく、極めて小さ
な変速ショックで変速を実現できるようになる。 しかも本発明ではこのニュートラル期間達成のために
シフトバルブを往復操作させるようにしているため、実
施に当って油圧調整のためのリニヤソレノイドやデュー
ティソレノイド等の高価な機器を全く必要とせず、従っ
てコストの上昇を伴わないという利点も得られる。
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明す
る。 第2図は本発明に係る車両用自動変速機の実施例を示
すスケルトン図である。 図において、ブロック1はエンジンであり、クランク
シャフト2を経て流体式トルクコンバータ3の入力回転
部材をなすポンプインペラ4を駆動するようになってい
る。流体式コンバータ3はこれ自体周知の形式のもので
あり、前記クランクシャフト2を介してエンジン1によ
って駆動されるポンプインペラ4、ワンウェイクラッチ
5を介してハウジング6に支持されたステータ7、及び
タービン8を含む。このタービン8は回転軸14によって
支持されている。回転軸14は流体式トルクコンバータ3
の出力軸として機能すると同時に、第1の歯車変速機構
12の入力軸としても機能するものである。 なお、10はロックアップクラッチであり、クランクシ
ャフト2を選択的に回転軸14に直結するようになってい
る。 前記第1の歯車変速機構12は減速比が1及びそれ以上
の複数の変速段を選択的に達成するアンダードライブ機
構である。 この歯車変速機構12は第1の遊星歯車機構15と第2の
遊星歯車機構16を含んでいる。第1の遊星歯車機構15は
サンギヤ17、プラネタリピニオン18、リングギヤ19、前
記プラネタリピニオン18を回転可能に支持するキャリヤ
20を含んでいる。入力軸14とリングギヤ19の間にはクラ
ッチC1が組込まれている。又、入力軸14とサンギヤ17あ
るいは該サンギヤ17と接続された軸27との間にはクラッ
チC2が組込まれている。更に、サンギヤ17あるいは軸27
とハウジング26との間にはブレーキB1が設けられてい
る。 第2の遊星歯車機構16は、サンギヤ30、プラネタリピ
ニオン31、リングギヤ32及び前記プラネタリピニオン31
を回転可能に支持受するキャリヤ33を含んでいる。サン
ギヤ30は軸27と接続されている。軸27とハウジング26と
の間には、ワンウェイクラッチF1とブレーキB2が直列に
組込まれている。又、キャリヤ33とハウジング26の間に
はワンウェイクラッチF2とブレーキB1が並列に組込まれ
ている。 第1の遊星歯車機構15のキャリヤ20と第2の遊星歯車
機構16のリングギヤ32とが、軸40によって支持されてお
り、且つこの軸40に接続されている。軸40は、第1の遊
星歯車機構12の出力軸としても機能している。又この軸
40にはカウンタドライブギヤ53が装着されている。 アンダードライブ機構として構成された第2の歯車変
速機構13は、遊星歯車機構41を有する。該遊星歯車機構
41はサンギヤ42、プラネタリピニオン43、リングギヤ44
及び該プラネタリピニオン43を回転可能に支持するキャ
リヤ45を含んでいる。サンギヤ42あるいはこれを支持す
るサンギヤ軸47とキャリヤ45との間にはクラッチC3が組
込まれており、これら2つの回転要素を互いに選択的に
連結するようになっている。サンギヤ42あるいはこれを
支持するサンギヤ軸47とハウジング26の間にはブレーキ
B4が組込まれ、サンギヤ42の回転を選択的に制動するよ
うになっている。更にサンギヤ42あるいはこれを支持す
るサンギヤ軸47とハウジング26の間にはワンウェイクラ
ッチF3が組込まれており、ブレーキ49が係合されていな
いときでもエンジンの運転状態によってはサンギヤ42の
回転を制動するようになっている。 サンギヤ軸47は中空軸として形成されており、この中
空部を同心に貫通してカウンター軸55が設けられてい
る。カウンタ軸55の一端にはカウンタドライブギヤ53と
カウンタドリブンギヤ54とがスプライン56によりトルク
伝達可能に噛合されている。又、カウンタ軸55にはリン
グギヤ44がスプライン57によりトルク伝達可能に接続さ
れている。キャリヤ45にはその一部にてリングギヤ44の
外周の周りを軸線方向に延在するトルク伝達部材58が接
続されている。このトルク伝達部材58を経て、キャリヤ
45はカウンタ軸55上にラジアルスラスト軸受59によって
これに対して回転可能に装着されたデフドライブギヤ60
に、トルク伝達関係に接続されている。カウンタ軸55は
トルクコンバータ3と第1の歯車変速機構12とに共通の
中心軸線に対し平行に配置されている。カウンタ軸55上
にこれと同心に配置されたカウンタドリブンギヤ54、第
2の歯車変速機構13、及びデフドライブギヤ60も又、ト
ルクコンバータ3と第1の歯車変速機構12とに共通の中
心軸線に対し平行に配置された中心軸線に沿って配列さ
れている。 デフドライブギヤ60には差動歯車機構61のデフドリブ
ンギヤ62が噛合されている。差動歯車機構61はこれ自体
周知の形式のものであり、2対の傘歯車63、64、65、66
を含むものである。このうち1対の傘歯車65及び66がデ
フドリブンギヤ62と接続されており、他方の対の傘歯車
63及び64が1対の前車軸67及び68とそれぞれ接続されて
いる。 カウンタ軸55は一端にてカウンタドリブンギヤ54のボ
ス部69を介してボールベアリング70により支持されてお
り、又他端にてローラベアリング71により支持されてい
る。 この自動変速機は上述したようなギヤトレイン部を備
え、第3図に示されるような各摩擦係合装置の係合、あ
るいは解放等を選択的に行うことにより、変速が実行さ
れる。なお、第3図において、Eは対応するクラッチ、
あるいはブレーキが係合していることを示している。
(E)は対応するワンウェイクラッチがエンジンドライ
ブ状態(駆動状態)においてのみ係合し、エンジンブレ
ーキ状態(被駆動状態)においては係合しないことを示
している。更に、eは対応するワンウェイクラッチがエ
ンジンドライブ状態において係合しているが、その係合
はこれと並列に組込まれたクラッチあるいはブレーキに
よって動力の伝達が保証されていることから必ずしも必
要とされないことを示している。 なお、上記ギヤトレインのハード構成自体について
は、特に従来のものとは異らない。 このギヤトレインにおいては、第1速段及び第2促段
が空転段、第3速段及び第4速段が非空転段となってい
る。そのため、このギヤトレインではエンジンが駆動状
態から被駆動状態に変化することに伴って第3速段から
第4速段へのアップシフトが実行されるときに本発明が
適用できることになる。 第3図の係合線図から明らかなように、変速前の変速
段(第3速段)においては、クラッチC1、C2、ブレーキ
B4が作用している。駆動時はブレーキB4並びにそれと並
列に配列したワンウェイクラッチF3によって駆動力を伝
達する。被駆動時は、ブレーキB4が係合状態にあるた
め、車輪側とエンジン側は連結された状態(非空転状
態)となり、エンジンブレーキが作用するようになって
いる。 一方、変速後の変速段(第4速段)においては、この
第3速段の状態からブレーキB4が解放され、代りにクラ
ッチC3が係合される。このブレーキB4の解放及びクラッ
チC3の係合は、3−4シフトバルブの切換えによって行
われる。 第4図に示されるように、3−4シフトバルブ80はソ
レノイドS2によつて切換えられる。即ち、第3速段のと
きは、ソレノイドS2がオン(解放状態)とされ、ポート
81の油圧がドレンされるため、3−4シフトバルブ80の
スプール87が図中右に動く。その結果ブレーキB4へのラ
イン圧供給回路(ポート82−83)が連通し該ブレーキB4
が係合状態とされる。又、同時にクラッチC3のドレン回
路(ポート84−85)が連通し、クラッチC3は解放状態と
される(第4図下半分)。 この状態から第4速段にするには、ソレノイドS2がオ
フ(閉鎖状態)とされる。その結果、3−4シフトバル
ブ80のポート81に油圧が作用し、スプール87が図中左側
に移動する(第4図上半分)。その結果、クラッチC3
のライン圧供給回路(ポート82−84)が連通し該クラッ
チC3が係合される。又、同時にブレーキB4のドレン回路
(ポート83−86)が開いて該ブレーキB4が解放される。 なお、クラッチC1、c2については、図示せぬ他のシフ
トバルブによって第3速段、第4速段の双方で係合が維
持されている。 このように、第3速段と第4速段との切換えは、ソレ
ノイドS2のオン−オフによって3−4シフトバルブ80の
スプール87の位置が切換わり、これによってブレーキB4
及びクラッチC3の供給回路あるいはドレン回路が開閉さ
れることによって行われる。即ち、ソレノイドS2をオン
−オフさせることにより、第3速段の状態と第4速段の
状態とを任意に形成することができる。 この構成により、第3速段から第4速段へのアップシ
フトの際に、一時的に第3速段の状態と第4速段の状態
との切換えを交互に繰返すことにより、ブレーキB4及び
クラッチC3の双方を解放状態とすることができる。即
ち、3−4シフトバルブ80を切換えることによって第3
速段と第4速段の間を往復させた場合、該3−4シフト
バルブ80が第4速段の状態とされることによってブレー
キB4は直ちに解放されるがクラッチC3は直ちには係合さ
れない。又、この直後に第3速段の状態に戻されても当
該ブレーキB4の係合は直ちには行われない。その結果、
この繰返しによってクラッチC3が解放状態とされたまま
ブレーキB4もまた解放状態とされるものである。このた
め、自動変速機はニュートラルの状態とされ、空転状態
が実現される。 第5図に上記自動変速機において実行される制御フロ
ーを示す。 まず、ステップ302において第3速段から第4速段へ
の変速判断があったと判定されると、ステップ304に進
んで入力系の駆動→被駆動の変化があったか否かが判定
される。もし、駆動→被駆動の変化がなかった場合に
は、通常の駆動状態における第3速段から第4速段への
変速であると考えられるため速やかに当該変速指令が出
される(ステップ302)。 駆動→被駆動の変化を検出する方法としては、例えば
出力軸トルクを検出し該出力軸トルクの正→負の変化で
判定する方法、スロットル開度を検出し該スロットル開
度の所定値以上→以下の変化で判定する方法、あるい
は、スロットル開度が全閉の状態でオンとなるアイドル
接点スイッチの状態を検出し該アイドル接点スイッチの
オン→オフの変化で判定する方法等が挙げられる。 ステップ304で駆動→被駆動の変化があったと判定さ
れた場合には、ステップ306に進んで第3速段状態、即
ち非空転状態(エンジンブレーキが効く状態)からニュ
ートラル状態を形成するような指示が出される。具体的
には、前述したようにソレノイドS2を操作することによ
り、3−4シフトバルブ80のスプール87を往復させ、ブ
レーキB4及びクラッチC3とも解放させる。これにより、
ニュートラルの状態が形成される。 その後、ステップ308に進んで入力系の被駆動→駆動
の再変化があるか否かが判定される。被駆動→駆動の再
変化があった場合には、その時点で直ちにこの被駆動→
駆動の再変化に伴った変速判断に基づいて変速が処理さ
れる(ステップ32)。 このステップ308→322の手順は、一度、駆動→被駆動
の変化に伴って変速判断が発生したとしても、本制御の
実行途中に再び被駆動→駆動の変化があった場合には、
それ以上ニュートラル状態を続ける必要性がないため、
当該被駆動→駆動の再変化に伴う変速判断に基づいて直
ちに変速を実行させるようにしたものである。 この被駆動→駆動の変化の判定は、前述したような出
力軸トルク、スロットル開度、あるいはアイドル接点の
検出値の変化を判定するもののほかに、エンジン回転度
の変化率(時間微分)を検出し該変化率の所定値以下→
以上の変化で判定する方法も採用できる。 ステップ308において被駆動→駆動の再変化がなかっ
たと判定された場合には、ステップ310に進んで入力系
と出力系の回転が同期したか否かが判定される。 この判定は、具体的には出力軸回転速度N0に第4速段
のギヤ比ρを乗じた値N0×ρ(実際にはこの値より
少し大きい値)にまで入力軸の回転速度が低下してきた
か否かを判断することによって行う。 なお、この入力系と出力系の同期の判定は変速の種
類、あるいはスロットル開度、車速等に依存させたタイ
マによって行うようにしてもよい。 ステップ310において入力系と出力系の回転が同期し
たと判定されると、ステップ312に進んでステップ306に
おけるニュートラル状態から第4速段への切換え指令、
具体的にはソレノイドS2のオフ指令が出され、第4速段
が達成される。 第6図に前記フローチャートが実行されたときの変速
特性を示す。 図中ステップS1はエンジンが駆動から被駆動へと変化
した時点を示し、それと同時に変速判断が発生している
時点を示している。 従来は、この変速判断に基づいて変速が開始された。
ところが、変速判断があった直後では入力軸の回転速度
が出力軸回転速度と同期していないため、この変速の開
始によって自動変速機の入力軸回転速度が強制的に引下
げられ、エンジンを含む入力系のイナーシャにより駆動
側に正のトルクが発生し、これが変速ショックとなって
顕われていた。 これに対し、本発明では、時点S1において駆動→被駆
動に伴った変速判断が発生すると、まずソレノイドS2
T1だけオフ(第4速段側)とされる。その時点S2から後
はT2だけ(第3速段側)及びT3だけオフ(第4速段側)
が繰返され、結果としてブレーキB4及びクラッチC3の双
方が解放状態となって自動変速機がニュートラルの状態
とされる。この結果、入力軸の回転が出力軸の回転と切
離されるため、出力軸のトルクが零になると共に入力軸
の回転速度がエンジンのフリクションによって徐々に低
下し、やがて第4速段における同期回転速度、即ち車速
(出力軸回転速度)N0に第4速段のギヤ比ρ乗じた値
N0×ρの若干前にまで低下してくる。この時点S3を第
5図のステップ310によって検出し、この時点S3でニュ
ートラル状態から第4速段への切換え(ソレノイドS2
オフ)を行うものである。 この結果、第4速段が達成されるステップS4の時点で
は自動変速機の入力軸回転速度は既に同期回転速度にま
で低下しているため、ニュートラルの状態から第4速段
への移行にはエンジンのイナーシャトルクの吸収等の問
題が全く発生しない。従って単なる自動変速機内のギヤ
の切換えのみですみ、摩擦係合装置(クラッチC3)の耐
久性低下が抑えられると共に変速ショックもほとんど発
生しない。 なお、この特性図からも明らかなように、第3速段か
ら第4速段への変速は、エンジン回転速度の自然低下を
待つため結果として従来よりも長い時間かけて行われる
ことになる。しかしながら、動力発生部の駆動→被駆動
の変化に伴う変速の場合、変速時間が伸びることによる
不具合は特にないと考えてよい。 この実施例によれば、ニュートラル状態をシフトバル
ブの切換えによって達成しているため、例えば強制的に
空転状態を作るためのソレノイドを追加したり、あるい
は油圧をコントロールするためのデューティソレノイド
やリニヤソレノイド等の高価な機器を追加したりする必
要がない。そのため、従来のハード構成のまま容易にニ
ュートラル状態を作ることができるようになる。
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、動力発生部が駆
動から被駆動へと変化するのに伴って発生した変速判断
に基づいて被駆動状態で非空転となる変速段からアップ
シフトする際に、ニュートラル状態を利用してエンジン
のフリクションによる回転速度低下を利用するようにし
たため、従来のように変速によってエンジンの回転速度
が強制的に下げられ、その結果イナーシャトルクの発生
によって大きな変速ショックが発生したりするようなこ
とがなくなるという優れた効果が得られる。 しかも、本発明ではこのニュートラル状態をシフトバ
ルブの切換えによって達成するようにしているため、該
ニュートラル状態を作るためのソレノイド、特にデュー
ティソレノイドやリニヤソレノイド等の高価な機器を別
途追加したりする必要がなく、低コストで容易に上記効
果を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の要旨を示すブロック図、 第2図は、本発明の実施例が適用された車両用自動変速
機の全体スケルトン図、 第3図は、上記自動変速機の摩擦係合装置の係合状態を
示す線図、 第4図は、ニュートラル状態を形成するための3−4シ
フトバルブの作用を説明するための部分油圧回路図、 第5図は、上記自動変速機で実行される制御フローを示
す流れ図、 第6図は、上記実施例における変速過渡特性線図であ
る。 C1〜C3……クラッチ、 B1〜B4……ブレーキ、 F1〜F3……ワンウェイクラッチ、 1……エンジン、 10……トルクコンバータ、 12……第1歯車変速機、 13……第2歯車変速機、 S2……ソレノイドバルブ、 80……3−4シフトバルブ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力発生部が駆動から被駆動へと変化する
    のに伴って発生した変速判断に基づいて、シフトバルブ
    を切換えることにより被駆動状態で非空転となる変速段
    から、これより高速側の変速段へ変速する場合に用いる
    車両用自動変速機の変速制御装置において、 前記変速の過渡時に、前記シフトバルブを、前記被駆動
    状態で非空転となる変速段と高速側の変速段とを所定期
    間交互にシフトさせる手段を備えたことを特徴とする車
    両用自動変速機の変速制御装置。
JP2059378A 1990-03-09 1990-03-09 車両用自動変速機の変速制御装置 Expired - Lifetime JP2791374B2 (ja)

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