JP4003395B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダウンシフト時に、エンジンのパワーオン/オフを判断して、ワンウェイクラッチに併設されたエンジンブレーキ用ブレーキの係合を制御する、自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダウンシフト変速は、高変速段を構成する摩擦係合要素の解放と、低変速段を構成する摩擦係合要素の係合がワンセットで指令されていたため、ダウンシフト変速において、ワンウェイクラッチに併設されたエンジンブレーキ用のブレーキはエンジンのパワーオン/オフなどの走行状態に無関係に係合を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、低車速で弱パワーオンの状態、即ち、エンジンが車輪を駆動している状態で、ダウンシフトを行ない、ワンウェイクラッチに併設されたエンジンブレーキ用ブレーキを係合させると、前述の摩擦係合要素の解放と係合がワンセットで指令される場合、変速後のギヤ比が成立していない状態でブレーキが係合する場合がある。すると、ブレーキの係合中に、エンジン側の駆動(パワーオン)/非駆動(パワーオフ)状態をまたぐことになり、ガタショックが生じる。
【0004】
そこで、エンジンのパワーオン/オフをスロットル開度や入力トルクにより判断し、エンジンがパワーオンの場合には、既に出力されているブレーキの係合指令の実行を、ギヤ比が成立するまで一定時間待つ制御が考えられる。
【0005】
しかし、スロットル開度や入力トルクにより判断する制御では、その検出精度に問題があり、スロットル開度が0、又は入力トルクが0を境にパワーオン/オフを判断するようにしても、実際には外れている場合がある。従って、実際にはパワーオンであるのにパワーオフであると判断してしまうと、タイマによるタイムアップ時までにギヤ比が成立しなくなり、ガタショックの発生を十分に防止することが出来ない。また、実際には、パワーオフであるのにパワーオンであると判断してしまうと直ちにブレーキを係合してもよいにも係わらず、既に出力済みの係合指令の実行を制限するタイマ制御が有効となっているので、パワーオン時のギヤ比が成立するのを待つこととなり、不合理が生じる。
【0006】
本発明は、上記した事情に鑑み、エンジンの駆動状態を精度良く検出し、適宜な時点でエンジンブレーキ用ブレーキの係合を開始することの出来る、自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、エンジンからの回転がトルクコンバータを介して入力される入力軸(3)、車軸(14a、14b)に接続される出力軸(6)、前記入力軸と出力軸との間に配置された複数の変速要素(S1、S2、CR、CR3、R1〜R4、P1〜P4など)、それら複数の変速要素を係止、係止解除自在に設けられたワンウェイクラッチ(F1〜F2)及び摩擦係合要素(C1〜C3、B1〜B3)を有し、前記摩擦係合要素を操作することにより、前記ワンウェイクラッチが関与する変速段(例えば、1速)へのダウンシフト変速動作を行うことが出来る自動変速機(1)の制御装置において、
運転者のダウンシフト要求を検出するダウンシフト要求検出手段(21、エンジンブレーキ制御プログラムECPのステップS1)を設け、
前記ダウンシフト要求検出手段が、運転者のダウンシフト要求を検出した場合に、該ダウンシフト要求に対応した摩擦係合要素を解放する指令を出力する解放側摩擦係合要素制御手段(21a)を設け、
前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段(22)を設け、
前記自動変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段(25)を設け、
前記エンジン回転数検出手段と入力軸回転数検出手段からの信号を基に、エンジンの駆動状態を検出するエンジン状態判定手段を設け、
前記入力軸回転数から、エンジンブレーキ用ブレーキのファストフィルに要する時間までの間に前記入力軸回転数が目標変速段のギヤ比に達すると判定した時点で、目標変速段のギヤ比が成立すると判定するギヤ比成立状態判定手段を設け、
該エンジン状態判定手段により検出されるエンジン駆動状態と前記ギヤ比成立状態判定手段からのギヤ比成立状態に応じて前記エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)を係合する指令を出力する、エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段を設けて構成される。
【0007】
請求項2の発明は、前記エンジン状態判定手段は、前記エンジン回転数と入力軸回転数との差を検出し、当該差が所定値以上のときにパワーオン状態で有ると判定することを特徴として構成される。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記ギヤ比成立状態判定手段は、前記エンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン状態と判定した場合に、前記ダウンシフトによる目標変速段のギヤ比の成立状態を判定し、
エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段は、前記ギヤ比成立状態判定手段がダウンシフトによる目標変速段のギヤ比が成立すると判定した場合、又は、前記エンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン状態ではないと判定した場合に、前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合する指令を出力することを特徴として構成される。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記エンジン状態判定手段は、前記ギヤ比成立状態判定手段が、目標変速段のギヤ比が成立しないものと判定した場合に、再度、前記エンジンの状態がパワーオン状態で有るか否かを判定することを特徴として構成される。
【0011】
請求項5の発明は、前記エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)は、前記ワンウェイクラッチ(F2)が設けられた前記変速要素(R2)に併設されて構成される。
【0012】
請求項6の発明は、前記ワンウェイクラッチが関与する変速段へのダウンシフト変速動作は、1速へのダウンシフト動作であることを特徴として構成される。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ダウンシフト動作に際して、解放側摩擦係合要素を解放する指令の出力と、エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)の係合指令を、独立した形で出力することが出来るので、従来のように、エンジンブレーキ用ブレーキの係合動作の実行を遅らせるためのタイマー等を設ける必要が無く、エンジンの駆動状態に合わせて、適宜な時点でエンジンブレーキ用ブレーキの係合を指令することが出来る。
【0017】
従って、摩擦係合要素の解放と係合がワンセットで指令される従来の場合に比して、変速後のギヤ比が成立していない状態でブレーキが係合することが確実に回避され、ガタショックのないダウンシフト動作が可能となる。
【0018】
また、エンジン回転数と入力軸回転数からエンジンの駆動状態を検出するので、エンジンの駆動状態を精度よく検出することが出来、適宜なタイミングでブレーキの係合を行うことが出来る。
さらに、ファストフィルに要する時間までの間に入力軸回転数が目標変速段のギヤ比が達するものと判定した時点で、目標変速段のギヤ比が成立すると判定することで、実際にギヤ比が成立するまでの時間を利用して、エンジンブレーキ用ブレーキに対するファストフィル制御を行うことが出来、実際にギヤ比が成立した時点で、エンジンブレーキ用ブレーキに対する迅速な係合動作が可能となる。
【0019】
請求項2の発明によれば、パワーオン状態を、エンジン回転数と入力軸回転数の差から精度よく検出することが出来る。
【0020】
請求項3の発明によれば、エンジンブレーキ用ブレーキの制御を、エンジン状態判定手段により検出されるエンジン駆動状態と前記ギヤ比成立状態判定手段からのギヤ比成立状態に応じて行うことが出来、パワーオン/オフ状態のいずれにも的確な制御が可能となる。
【0021】
請求項4の発明によると、エンジン状態判定手段は、ギヤ比成立判定手段が、目標変速段のギヤ比が成立していないものと判定した場合に、再度、前記エンジンの状態がパワーオン状態で有るか否かを判定することから、ダウンシフト要求時にはスロットルが踏まれており、パワーオン状態であったが、その後、運転者がスロットルを戻して、パワーオフとなった場合には、エンジン状態判定手段が再度、エンジンの状態がパワーオン状態で有るか否かを判定する。これにより、直ちにパワーオフが判定され、エンジンブレーキ用ブレーキの係合動作にはいることが出来、従来のように、エンジンブレーキ用ブレーキの係合の実行を制限する、タイマー制御が有効となったまま、パワーオフにもかかわらずパワーオン時におけるギヤ比が成立するのを待つ不合理がなくなり、合理的な制御が可能となる。
【0022】
請求項5の発明によると、ワンウェイクラッチ(F2)の空転をエンジンブレーキ用ブレーキ(B3)により防止することが出来、エンジンブレーキを確実に作用させることが出来る。
【0023】
請求項6の発明によると、エンジンブレーキ用ブレーキ(B3)の係合タイミング不良に起因するガタショックが最も大きくなる1速のダウンシフト動作で、円滑なエンジンブレーキ用ブレーキ(B3)の係合が可能となる。
【0027】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0029】
図1は、本発明が適用される自動変速機の一例を示すスケルトン図、図2は、図1の自動変速機における摩擦係合要素の作動を示す図、図3は本発明に係わる電子制御部を示すブロック図、図4は摩擦係合要素の油圧サーボを駆動するための油圧回路の一例を示す図、図5は、エンジンブレーキ制御プログラムの一例を示すフローチャート、図6はダウンシフト時の、摩擦係合要素の駆動状態及び駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一例、図7はダウンシフト時にパワーオンからオフに変化した場合の、摩擦係合要素の駆動状態及び駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一例。
【0030】
5速自動変速機1は、図1に示すように、トルクコンバータ4、3速主変速機構2、3速副変速機構5及びディファレンシャル8を備えており、かつこれら各部は互に接合して一体に構成されるケースに収納されている。そして、トルクコンバータ4は、ロックアップクラッチ4aを備えており、エンジンクランクシャフト13から、トルクコンバータ内の油流を介して又はロックアップクラッチによる機械的接続を介して主変速機構2の入力軸3に入力する。そして、一体ケースにはクランクシャフトと整列して配置されている第1軸3(具体的には入力軸)及び該第1軸3と平行に第2軸6(カウンタ紬)及び第3軸(左右車軸)14a,14bが回転自在に支持されており、また該ケースの外側にバルブボディが配設されている。
【0031】
主変速機構2は、シンプルプラネタリギヤ7とダブルピニオンプラネタリギヤ9からなるプラネタリギヤユニット15を有しており、シンプルプラネタリギヤ7はサンギヤSl、リングギヤRl、及びこれらギヤに噛合するピニオンPlを支持したキャリヤCRからなり、またダブルピニオンプラネタリギヤ9は上記サンギヤSlと異なる歯数からなるサンギヤS2、リングギヤR2、並びにサンギヤS2に噛合するピニオンP2及びリングギヤR2に噛合するピニオンP3を前記シンプルプラネタリギヤ7のピニオンPlと共に支持する共通キャリヤCRからなる。
【0032】
そして、エンジンクランクシャフト13からトルクコンバータ4を介して連動している入力軸3は、第1の(フォワード)クラッチClを介してシンプルプラネタリギヤ7のリングギヤRlに連結し得ると共に、第2の(ダイレクト)クラッチC2を介してシンプルプラネタリギヤ7のサンギヤSlに連結し得る。また、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のサンギヤS2は、第1のブレーキBlにて直接係止し得ると共に、第1のワンウェイクラッチFlを介して第2のブレーキB2にて係止し得る。更に、ダブルピニオンプラネタリギヤ9のリングギヤR2は、第3のブレーキB3及び第2のワンウェイクラッチF2にて係止し得る。そして、共通キャリヤCRが、主変速機構2の出力部材となるカウンタドライブギヤ18に連結している。
【0033】
一方、副変速機構5は、第2軸を構成するカウンタ軸6の軸線方向リヤ側に向って、出力ギヤ16、第1のシンプルプラネタリギヤ10及び第2のシンプルプラネタリギヤ11が軸線方向に並んで配置されており、またカウンタ軸6はベアリングを介して一体ケースに回転自在に支持されている。前記第1及び第2のシンプルプラネタリギヤ10,11は、シンプソンタイプからなる。
【0034】
また、第1のシンプルプラネタリギヤ10は、そのリングギヤR3が前記カウンタドライブギヤ18に噛合するカウンタドリブンギヤ17に連結しており、そのサンギヤS3がカウンタ軸6に回転自在に支持されているスリーブ軸12に固定されている。そして、ピニオンP3はカウンタ軸6に一体に連結されたフランジからなるキャリヤCR3に支持されており、また該ピニオンP3の他端を支持するキャリヤCR3はUDダイレクトクラッチC3のインナハブに連結している。また、第2のシンプルプラネタリギヤ11は、そのサンギヤS4が前記スリーブ軸12に形成されて前記第1のシンプルプラネタリギヤのサンギヤS3に連結されており、そのリングギヤR4は、カウンタ軸6に連結されている。
【0035】
そして、UDダイレクトクラッチC3は、前記第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3と前記連結されたサンギヤS3,S4との間に介在しており、かつ該連結されたサンギヤS3,S4は、バンドブレーキからなる第4のプレーキB4にて係止し得る。更に、第2のシンプルプラネタリギヤのピニオンP4を支持するキャリヤCR4は、第5のブレーキB5にて係止し得る。
【0036】
ついで、図1及び図2に沿って、本5速自動変速機の機構部分の作用について説明する。
【0037】
D(ドライブ)レンジにおける1速(1ST)状態では、フォワードクラッチClが接続し、かつ第5のブレーキB5及び第2のワンウェイクラッチF2が係止して、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のキャリヤCR4が停止状態に保持される。この状態では、入力軸3の回転は、フォワードクラッチClを介してシンプルプラネタリギヤのリングギヤRlに伝達され、かつダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2は停止状態にあるので、両サンギヤSl、S2を逆方向に空転させながら共通キャリヤCRが正方向に大幅減速回転される。即ち、主変速機構2は、1速状態にあり、該減速回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5における第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3に伝達される。該副変速機構5は、第5のブレーキB5により第2のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR4が停止され、1速状態にあり、前記主変速機構2の減速回転は、該副変速機構5により更に減速されて、出力ギヤ16から出力する。
【0038】
2速(2ND)状態では、フォワードクラッチClに加えて、第2のブレーキB2(及び第1のブレーキBl)が作動し、更に、第2のワンウェイクラッチF2から第1のワンウェイクラッチFlに作動が切換わり、かつ第5のブレーキB5が係止状態に維持されている。この状態では、サンギヤS2が第2のブレーキB2及び第1のワンウェイクラッチFlにより停止され、従って入力軸3からフォワードクラッチClを介して伝達されたシンプルプラネタリギヤのリングギヤRlの回転は、ダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2を正方向に空転させながらキャリヤCRを正方向に減速回転する。更に、該減速回転は、カウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に伝達される。即ち、主変速機構2は2速状態となり、副変速機構5は、第5のブレーキB5の係合により1速状態にあり、この2速状態と1速状態が組合されて、自動変速機1全体で2速が得られる。なおこの際、第1のブレーキBlも作動状態となるが、コーストダウンにより2速になる場合、該第1のブレーキBlは解放される。
【0039】
3速(3RD)状態では、フォワードクラッチCl、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイクラッチFl並びに第1のブレーキBlはそのまま係合状態に保持され、第5のブレーキB5の係止が解放されると共に第4のブレーキB4が係合する。即ち、主変速機構2はそのままの状態が保持されて、上述した2速時の回転がカウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に伝えられ、そして副変速機構5では、第1のシンプルプラネタリギヤのリングギヤR3からの回転がそのサンギヤS3及びサンギヤS4の固定により2速回転としてキャリヤCR3から出力し、従って主変速機構2の2速と副変速機構5の2速で、自動変速機1全体で3速が得られる。
【0040】
4速(4TH)状態では、主変速機構2は、フォワードクラッチCl、第2のブレーキB2及び第1のワンウェイクラッチFl並びに第1のブレーキBlが係合した上述2速及び3速状態と同じであり、副変速機構5は、第4のブレーキB4を解放すると共にUDダイレクトクラッチC3が係合する。この状態では、第1のシンプルプラネタリギヤのキャリヤCR3とサンギヤS3,S4が連結して、プラネクリギヤ10,11が一体回転する直結回転となる。従って、主変速機構2の2速と副変速機構5の直結(3速)が組合されて、自動変速機全体で、4速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0041】
5速(5TH)状態では、フォワードクラッチCl及びダイレクトクラッチC2が係合して、入力軸3の回転がシンプルプラネタリギヤのリングギヤRl及びサンギヤSlに共に伝達されて、主変速機構2は、ギヤユニットが一体回転する直結回転となる。この際、第1のブレーキBlが解放されかつ第2のブレーキB2は係合状態に保持されるが第1のワンウェイクラッチFlが空転することにより、サンギヤS2は空転する。また、副変速機構5は、UDダイレクトクラッチC3が係合した直結回転となっており、従って主変速機構2の3速(直結)と副変速機構5の3速(直結)が組合されて、自動変速機全体で、5速回転が出力ギヤ16から出力する。
【0042】
更に、本自動変速機は、加速等のダウンシフト時に作動する中間変速段、即ち3速ロー及び4速ローがある。
【0043】
3速ロー状態は、フォワードクラッチCl及びダイレクトクラッチC2が接続し(第2ブレーキB2が係合状態にあるがワンウェイクラッチFlによりオーバランする)、主変速機構2はプラネタリギヤユニット15を直結した3速状態にある。一方、第5のブレーキB5が係止して副変速機構5は1速状態にあり、従って主変速機構2の3速状態と副変速機構5の1速状態が組合されて、自動変速機1全体で、前述した2速と3速との問のギヤ比となる変速段が得られる。
【0044】
4速ロー状態は、フォワードクラッチCl及びダイレクトクラッチC2が接続して、主変速機構2は、上記3速ロー状態と同様に3速(直結)状態にある。一方、副変速機構5は、第4のブレーキB4が係合して、第1のシンプルプラネタリギヤ10のサンギヤS3及び第2のシンプルプラネタリギヤ11のサンギヤS4が固定され、2速状態にある。従って、主変速機構2の3速状態と副変速機構5の2速状態が組合されて、自動変速機1全体で、前述した3速と4速との間のギヤ比となる変速段が得られる。
【0045】
なお、図2において点線の丸印は、コースト時エンジンブレーキの作動状態を示す。即ち、1速時、第3のブレーキB3が作動して第2のワンウェイクラッチF2のオーバランによるリングギヤR2の回転を阻止する。また、2速時、3速時及び4速時、第1のブレーキB1が作動して第1のワンウェイクラッチFlのオーバランによるサンギヤSlの回転を阻止する。
【0046】
また、R(リバース)レンジにあっては、ダイレクトクラッチC2及び第3のブレーキB3が係合すると共に、第5のブレーキB5が係合する。この状態では、入力軸3の回転はダイレクトクラッチC2を介してサンギヤSlに伝達され、かつ第3のブレーキB3によりダブルピニオンプラネタリギヤのリングギヤR2が停止状態にあるので、シンプルプラネタリギヤのリングギヤRlを逆転方向に空転させながらキャリヤCRも逆転し、該逆転が、カウンタギヤ18,17を介して副変速機構5に伝達される。副変速機構5は、第5のブレーキB5に基づき第2のシンプルプラネクリギヤのキャリヤCR4が逆回転方向にも停止され、1速状態に保持される。従って、主変速機構2の逆転と副変速機構5の1速回転が組合されて、出力軸16から逆転減速回転が出力する。
【0047】
図3は、電気制御系を示すブロック図であり、21は、マイクロコンピュータ(マイコン)からなる制御部(ECU)で、エンジン回転センサ22、ドライバのアクセルペダル踏み量を検出するスロットル開度センサ23、トランスミッション(自動変速機構)の入力軸回転数(=タービン回転数)を検出するセンサ25、車速(=自動変速機出力軸回転数)センサ26及びシフトセンサ27からの各信号が入力しており、また油圧回路のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUに出力している。前記制御部21は、変速制御部21eを構成する解放側油圧を制御する解放側制御手段21aと、係合側油圧を制御する係合側制御手段21bとを有し、更に、エンジン状態判定手段21cとを備えている。
【0048】
図4は、油圧回路の概略を示す図であり、前記2個のリニアソレノイドバルブSLS及びSLUを有すると共に、自動変速機構のプラネタリギヤユニットの伝達経路を切換えて、例えば前進5速、後進1速の変速段を達成する複数の摩擦係合要素(クラッチ及びブレーキ)を断接作動する複数の油圧サーボ29、30を有している。また、前記リニアソレノイドバルブSLS及びSLUの入力ポートal,a2にはソレノイドモジュレータ圧が供給されており、これらリニアソレノイドバルブの出力ポートbl・b2からの制御油圧がそれぞれプレッシャコントロールバルブ31,32の制御油室31a,32aに供給されている。プレッシャコントロールバルブ31,32は、ライン圧がそれぞれ入力ポート31b,32bに供給されており、前記制御油圧にて調圧された出力ポート31c,32cからの調圧油圧が、それぞれシフトバルブ33,35を介して適宜各油圧サーボ29,30に供給される。
【0049】
なお、本油圧回路は、一方の摩擦係合要素を解放すると共に他方の摩擦係合要素を係合する、いわゆるクラッチツークラッチによる変速に係る基本概念を示すものであり、各油圧サーボ29,30及びシフトバルブ33,35は、象徴的に示すものであって、実際には、自動変速機構に対応して油圧サーボは多数備えられているが、具体的には、3→2変速に際して第4のブレーキB4用油圧サーボ及び第5のブレーキB5用油圧サーボ、4→3変速に際しての第3のクラッチC3用油圧サーボ及び第4のブレーキB4用油圧サーボであり、また、これら油圧サーボヘの油圧を切換えるシフトバルブも多数備えている。また、油圧サーボ30に示すように油圧サーボは、シリンダ36にオイルシール37により油密状に嵌合するピストン39を有しており、該ピストン39は、油圧室40に作用するプレッシャコントロールバルブ32からの調圧油圧に基づき、戻しスプリング41に抗して移動し、外側摩擦プレート42及び内側摩擦材43を接触する。該摩擦プレート及び摩擦材は、クラッチで示してあるが、ブレーキにも同様に対応することは勿論である。
【0050】
いま、2速から1速にダウンシフトが行われた場合、制御部21は、シフトセンサ27からの信号で、運転者がシフトレバーを操作したことを認識する。すると、制御部21は、図5に示すエンジンブレーキ制御プログラムECPのステップS1で、当該シフトレバーの操作が、エンジンブレーキを必要とする1速へのダウンシフトであるか否かを、エンジン回転センサ22、スロットル開度センサ23、入力軸回転数センサ25、車速センサ26などの信号から判定する。
【0051】
ステップS1で、シフトレバーの操作が、エンジンブレーキを必要とする1速へのダウンシフトであると判定された場合には、制御部21は、エンジンブレーキ制御プログラムのステップS2に入り、実際に変速を行う際に目標とするギヤ段、即ち実変速目標ギヤ段を、エンジンブレーキを伴わない1速に設定し、開放側制御手段21aを介してブレーキB2の解放動作を指令する。次に、制御部は、ステップS3に入り、エンジン状態判定手段21cを介して現在のエンジン状態が、エンジンが車輪を駆動するパワーオン状態であるか否かを判定する。
【0052】
パワーオンか否かの判定は、エンジン回転数Ne−入力軸回転数Nc1の差が、1回転以上の場合にパワーオンと判定するが、入力軸回転数Nc1は、入力軸回転数センサ25から求める。
【0053】
ステップS3で、エンジン状態がパワーオンでない、即ちパワーオフと判定された場合には、エンジンが車輪側から駆動される被駆動状態となっているので、制御部21は、車両状態がエンジンブレーキを作用させるに適した状態になっているものと判断して、ステップS5に入り、実変速目標ギヤ段を、それまでのエンジンブレーキを伴わない1速から、エンジンブレーキ付きの1速に変更し、ステップS2でのB2ブレーキの解放に加えて、係合側制御手段21bを介してB3ブレーキを係合させてワンウェイクラッチF2が空転することを防止し、エンジンブレーキが適正に作動するように制御する。
【0054】
ステップS3で、エンジン状態がパワーオンと判定された場合には、いまだエンジンが車輪を駆動している状態となっており、車両はエンジンブレーキを作動させるに適した状態になっていないものと判定し、ステップS2での解放側の摩擦係合要素であるブレーキB2の解放のみを継続する。即ち、制御部21は、エンジンがパワーオン状態となっている以上、ダウンシフトは通常の2速から1速へのダウンシフト制御で十分であると判断し、当該ダウンシフトに必要な解放側のブレーキB2のみの解放を継続する。
【0055】
これにより、車両は、通常の2速から1速へのダウンシフト動作が行われると共に、入力軸回転数Nc1は、B2ブレーキの解放により、その回転数が図6に示すように、徐々に上昇して行く。この際、実変速目標ギヤ段はエンジンブレーキを伴わない1速であることから、エンジンブレーキ用ブレーキB3に対する係合指令は出力されず、ブレーキB3は何ら係合動作に入ることはない。従って、将来エンジンがパワーオフとなった場合でもガタショックが生じることはない。
【0056】
制御部21は、ブレーキB2の解放を指令する一方で、エンジンブレーキ制御プログラムのステップS4に入り、ブレーキB2の解放に伴い入力軸回転数Nc1が増加して、1速の目標ギヤ比が成立することを予想し、その際に必要なエンジンブレーキ用ブレーキB3の係合の準備動作に入る。
【0057】
即ち、パワーオン状態が維持されている場合には、図6に示すように、入力軸回転数Nc1はエンジン回転と共に上昇してゆき、所定の時間後の時点T1で目標ギヤ比が成立し、ワンウェイクラッチF2が作動するので、この時点でエンジンブレーキ用ブレーキB3を係合させるために、時点T1の所定時間前から、エンジンブレーキ用ブレーキB3に対するファストフィルを行い、ガタ詰め動作を行っておく。
【0058】
制御部は、
Nc1+(TSA*ΔNc1)≧Nout*変速後(1速)のギヤ比 ……(1)
Nc1:現在の入力軸回転数
TSA:エンジンブレーキ用ブレーキB3のファストフィルに要す る時間
ΔNc1:現在の入力軸加速度
Nout:現在の出力軸回転数
により、現時点で、エンジンブレーキ用ブレーキB3にファストフィルを行った場合に、ファストフィルが終了までの間に、入力軸回転数Nc1が目標ギヤ比を上回り、目標ギヤ比が成立するか否かを判定する。即ち、所定時間TSA後における目標ギヤ比の成立の可否を判定する。
【0059】
(1)式が、成立しない、即ち、現時点で、エンジンブレーキ用ブレーキB3にファストフィルを行っても、ファストフィルが終了するまでの間に、入力軸回転数Nc1が目標ギヤ比に達せず、目標ギヤ比が成立しない場合には、ギヤ比の成立に際したエンジンブレーキ用ブレーキB3の係合準備を行うのは時期尚早であると判断して、ステップS3に戻り、再びパワーオン/オフ判定を行う。
【0060】
ステップS4で(1)式が、成立する、即ち、現時点で、エンジンブレーキ用ブレーキB3にファストフィルを行った場合、ファストフィルが終了するまでの間に、入力軸回転数Nc1が目標ギヤ比に達し、目標ギヤ段が成立する場合には、ステップS5に入り、制御部21は実変速目標ギヤ段をエンジンブレーキ付きの1速に設定して、係合側制御手段21bを介してエンジンブレーキ用ブレーキB3を係合するエンジンブレーキ用ブレーキ係合指令を出力する。
【0061】
すると、エンジンブレーキ用ブレーキB3は、図6に示すように、目標ギヤ比が成立する時点T1の時間TSA前で、係合指令により係合動作を開始し、油圧PTSAが対応する油圧サーボに供給され、直ちにファストフィルが行われる。ファストフィルには、時間TSAを要するので、ファストフィルによるエンジンブレーキ用ブレーキB3がガタ詰めが完了した時点で、時点T1となり、油圧サーボに供給される油圧は、待機圧PWに低下され、エンジンブレーキ用ブレーキB3は、いつでも実際の係合動作にはいることの出来る待機状態に入る。
【0062】
前記待機圧PWは係合動作に入る前の圧(ピストンストローク圧)であるので、前記待機圧PWで保持している間まで早出しすることが考えられる。しかし、待機圧PWのばらつきにより係合動作が開始されてしまう圧に設定されている場合も考慮して、時間TSA部分のみ早出ししている。
【0063】
なお、この時点T1で、目標ギヤ比は成立しているので、係合側制御手段21Bは、ファストフィルに継続して、直ちに係合動作に入ることが出来る。これにより、ギヤ比が成立した後に、エンジンブレーキ用ブレーキB3のガタ詰めを行って、ブレーキB3の係合が遅れ、ギヤ比の成立後にスロットルが戻されて、パワーオフとなり、ワンウエイクラッチF2が空転した状態でエンジンブレーキ用ブレーキB3が係合し、ショックを生じてしまう事態の発生を未然に防止することが出来る。
【0064】
なお、目標ギヤ比が成立した時点で、ブレーキB3を係合させることにより、ワンウェイクラッチF2が作動して係止された状態のリングギヤR2を、更に係止するだけなので、エンジン状態がその後、パワーオンからパワーオフに変化しても何らショックが生じることはない。
【0065】
また、エンジンブレーキ用ブレーキB3の係合指令は、タイマーによらず、入力軸回転数Nc1の目標ギヤ比が成立したか否かで出力されるので、入力軸回転数Nc1が確実に1速状態になった時点でブレーキB3が係合されることとなり、確実な制御が可能となる。
【0066】
このように、ダウンシフトに際して、図6に示すように、制御部21からの変速指令を、図中破線で示すように、高速段側の摩擦係合要素B2の解放指令をまず先行して出力し、その後入力軸回転数Nc1の目標ギヤ比が成立する(予測も含む)時点T1又はT2でエンジンブレーキ用ブレーキB3係合指令を出力することにより、実線で示すように、摩擦係合要素の解放指令とブレーキの係合指令をワンセットで出力した従来のように、ブレーキの係合指令の実行を遅延させるタイマーなどの遅延制御を用いる必要がなく、簡単かつ確実にエンジンブレーキ用ブレーキB3を係合させることが可能となる。
【0067】
一方、図5のステップS4からステップS3に戻った場合には、既に述べたように、再度パワーオン/オフ判定を行なう。例えば、ステップS2で解放側ブレーキB2が解放されたのち、ステップS4でのエンジンブレーキ用ブレーキB3のファストフィルが行われる前に、図7に示すように、ある時点T3でスロットルが戻されてエンジン回転数Neが減少し、時点T4でエンジンがパワーオフとなったものと、エンジン回転センサ22、スロットル開度センサ23等の出力から、ステップS3で判定された場合には、既に述べたように、その時点で、エンジンは車輪側から駆動された状態となっているので、ステップS5に入り、直ちに実変速目標ギヤ段を、エンジンブレーキ付きの1速に変更し、ブレーキB3の係合指令を出力し、B3ブレーキを係合させてワンウェイクラッチF2が空転することを防止し、エンジンブレーキが適正に作動するように制御する。
【0068】
上述の実施例は、ダウンシフト動作が2速から1速へのダウンシフト動作の場合について述べたが、ダウンシフト動作はこれに限らず、ワンウェイクラッチが作動する変速段へのダウンシフト動作であればどのようなダウンシフト動作であってもよい。
【0069】
また、本発明は、ダウンシフトに際したエンジンブレーキ用ブレーキB3の係合指令を、ダウンシフトに際した開放側の摩擦係合要素の解放指令とは独立して、目標ギヤ比の成立状態またはエンジンのパワーオン/オフ状態に応じて出力させる点を要旨とするものであり、エンジンブレーキ用ブレーキB3のファストフィルを必ずしも、目標ギヤ比の成立前に前もって行う必要はなく、ギヤ比が成立した図6の時点T1から、ファストフィルを開始するように構成することも当然可能である。この場合、エンジンブレーキ制御プログラムECPのステップS4では、その時点で目標ギヤ比が成立するか否かを判定することとなる。
【0070】
更に、上述の実施例では、パワーオン/オフなどのエンジンの駆動状態を、エンジン回転数と入力軸回転数との差で検出判定しているが、エンジンの駆動状態は、エンジン回転数と入力軸回転数との比により判定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明が適用される自動変速機の一例を示すスケルトン図。
【図2】図2は、図1の自動変速機における摩擦係合要素の作動を示す図。
【図3】図3は本発明に係わる電子制御部を示すブロック図。
【図4】図4は摩擦係合要素の油圧サーボを駆動するための油圧回路の一例を示す図。
【図5】図5は、エンジンブレーキ制御プログラムの一例を示すフローチャート。
【図6】図6はダウンシフト時の、摩擦係合要素の駆動状態及び駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一例を示す図。
【図7】図7はダウンシフト時にパワーオンからオフに変化した場合の、摩擦係合要素の駆動状態及び駆動指令の出力状態を示すタイムチャートの一例を示す図。
【符号の説明】
1……自動変速機
3……入力軸
6……出力軸
21……制御部(ダウンシフト要求検出手段、ギヤ比成立状態判定手段)
21a……開放側制御手段(解放側摩擦係合要素制御手段)
21b……係合側制御手段(エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段)
21c……エンジン状態判定手段
S1、S2……サンギヤ(変速要素)
CR、CR3……キャリヤ(変速要素)
R1〜R4……リングギヤ(変速要素)
P1〜P4……ピニオン(変速要素)
B3……ブレーキ(エンジンブレーキ用ブレーキ)
F2……ワンウェイクラッチ
Claims (6)
- エンジンからの回転がトルクコンバータを介して入力される入力軸、車軸に接続される出力軸、前記入力軸と出力軸との間に配置された複数の変速要素、それら複数の変速要素を係止、係止解除自在に設けられたワンウェイクラッチ及び摩擦係合要素を有し、前記摩擦係合要素を操作することにより、前記ワンウェイクラッチが関与する変速段へのダウンシフト変速動作を行うことが出来る自動変速機の制御装置において、
運転者のダウンシフト要求を検出するダウンシフト要求検出手段を設け、
前記ダウンシフト要求検出手段が、運転者のダウンシフト要求を検出した場合に、該ダウンシフト要求に対応した摩擦係合要素を解放する指令を出力する解放側摩擦係合要素制御手段を設け、
前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段を設け、
前記自動変速機の入力軸回転数を検出する入力軸回転数検出手段を設け、
前記エンジン回転数検出手段と入力軸回転数検出手段からの信号を基に、エンジンの駆動状態を検出するエンジン状態判定手段を設け、
前記入力軸回転数から、エンジンブレーキ用ブレーキのファストフィルに要する時間までの間に前記入力軸回転数が目標変速段のギヤ比に達すると判定した時点で、目標変速段のギヤ比が成立すると判定するギヤ比成立状態判定手段を設け、
該エンジン状態判定手段により検出されるエンジン駆動状態と前記ギヤ比成立状態判定手段からのギヤ比成立状態に応じて前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合する指令を出力する、エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段を設けて構成した、自動変速機の制御装置。 - 前記エンジン状態判定手段は、前記エンジン回転数と入力軸回転数との差を検出し、当該差が所定値以上のときにパワーオン状態で有ると判定することを特徴とする、請求項1記載の自動変速機の制御装置。
- 前記ギヤ比成立状態判定手段は、前記エンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン状態と判定した場合に、前記ダウンシフトによる目標変速段のギヤ比の成立状態を判定し、
エンジンブレーキ用ブレーキ制御手段は、前記ギヤ比成立状態判定手段がダウンシフトによる目標変速段のギヤ比が成立すると判定した場合、又は、前記エンジン状態判定手段が前記エンジンがパワーオン状態ではないと判定した場合に、前記エンジンブレーキ用ブレーキを係合する指令を出力することを特徴とする、請求項1または2記載の自動変速機の制御装置。 - 前記エンジン状態判定手段は、前記ギヤ比成立状態判定手段が、目標変速段のギヤ比が成立しないものと判定した場合に、再度、前記エンジンの状態がパワーオン状態で有るか否かを判定することを特徴とする、請求項3記載の自動変速機の制御装置。
- 前記エンジンブレーキ用ブレーキは、前記ワンウェイクラッチが設けられた前記変速要素に併設されている、請求項1ないし4のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
- 前記ワンウェイクラッチが関与する変速段へのダウンシフト変速動作は、1速へのダウンシフト動作であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
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