JP2002194917A - フレームの耐震構造 - Google Patents

フレームの耐震構造

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JP2002194917A
JP2002194917A JP2000392596A JP2000392596A JP2002194917A JP 2002194917 A JP2002194917 A JP 2002194917A JP 2000392596 A JP2000392596 A JP 2000392596A JP 2000392596 A JP2000392596 A JP 2000392596A JP 2002194917 A JP2002194917 A JP 2002194917A
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damper
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Mitsumasa Midorikawa
光正 緑川
Kenji Yoshimatsu
賢二 吉松
Kanji Fukushima
寛二 福島
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Building Research Institute
Kumagai Gumi Co Ltd
Original Assignee
Building Research Institute
Kumagai Gumi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地震によって、耐震壁を含む建物のフレーム
に曲げ変形と回転運動とが生じたときに耐震壁の脚部の
圧縮歪みが集中するコーナー部分が受ける力を低減する
こと。 【解決手段】 耐震壁からなる第1の垂直部材(14)
と、第1の垂直部材の両側にそれぞれ位置する、柱また
は耐震壁からなる2つの第2の垂直部材(16)とを有
するフレーム(10)の耐震構造である。耐震構造(1
2)は、第1の垂直部材に連なる第1の片持ち梁(2
0)および各第2の垂直部材に連なる第2の片持ち梁
(22)であって互いに上下に部分的に重なり合う第1
の片持ち梁および第2の片持ち梁と、第1および第2の
両片持ち梁(20,22)を相対移動可能に連結する速
度比例減衰型のダンパー(24)および各第2の垂直部
材と各第2の片持ち梁とを連結する履歴減衰型のダンパ
ー(26)であって各第2の垂直部材(16)に対する
各第2の片持ち梁(22)の折れ曲がりを許す履歴減衰
型のダンパーとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物におけるフレ
ームの耐震構造、特に、複数の階層にわたって上下に伸
びるいわゆる連層耐震壁とこの両側に位置する2つの柱
とを含むフレームの耐震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】地震のために建物が水平力を受けると
き、垂直状態にあるフレームの連層耐震壁およびその両
側の柱に曲げ変形が生じ、さらに、これらの各脚部のコ
ーナー部分近傍を中心とする回転運動が生じ、前記連層
耐震壁および両柱は傾斜する。
【0003】このとき、連層耐震壁と両柱とを接続する
梁を介して、両柱はそれぞれ上方向の軸力(引き抜き
力)および下方向の軸力(圧縮力)を受け、また、連層
耐震壁はその両側部においてそれぞれこれらの力と同一
大きさの下方向軸力および上方向軸力を受ける。したが
って、連層耐震壁に働く上下両方向の軸力は相殺され
る。
【0004】ところで、一般的に、耐震壁は柱と比べて
大きい幅寸法を有する。このため、連層耐震壁がその曲
げ変形および回転運動を伴って傾斜するとき、その脚部
のコーナー部分近傍に、柱に比べて大きな圧縮歪が生
じ、損傷を生じるおそれがある。
【0005】この間の事情は、各階層ごとに設けられる
耐震壁とその両側の柱とを含むフレーム、あるいは、連
層耐震壁とその両側に配置される他の耐震壁または柱と
を含むフレームについても同様である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、地震
によって、耐震壁を含む建物のフレームに曲げ変形と回
転運動とが生じたときに耐震壁の脚部の圧縮歪みが集中
するコーナー部分が受ける力を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、耐震壁からな
る第1の垂直部材と、該第1の垂直部材の両側に位置す
る、柱または耐震壁からなる2つの第2の垂直部材とを
有するフレームの耐震構造であって、前記第1の垂直部
材に連なる第1の片持ち梁および各第2の垂直部材に連
なる第2の片持ち梁であって互いに上下に部分的に重な
り合う第1の片持ち梁および第2の片持ち梁と、前記第
1の片持ち梁と前記第2の片持ち梁とを相対移動可能に
連結する速度比例減衰型のダンパーおよび各第2の垂直
部材と各第2の片持ち梁とを連結する履歴減衰型のダン
パーであって各第2の垂直部材に対する各第2の片持ち
梁の折れ曲がりを許す履歴減衰型のダンパーとを含む。
【0008】前記履歴減衰型のダンパーは、各第2の片
持ち梁内をその伸長方向へ伸びかつ該第2の片持ち梁に
対して伸縮可能である部分を有する超弾性合金製の複数
の線材、好ましくはプレストレス導入の線材からなり、
また、前記速度比例減衰型のダンパーは粘性ダンパーま
たは粘弾性ダンパーからなるものとすることができる。
【0009】
【発明の作用および効果】本発明によれば、地震のため
に建物が水平力を受けてそのフレームに変形が生じ、各
垂直部材に傾斜(曲げ変形および回転運動)が生じると
き、傾斜方向の側と反対の側である一方の第2の垂直部
材の側において、第1および第2の両片持ち梁が、粘弾
性ダンパーや粘弾性ダンパーのような速度比例減衰型ダ
ンパーによる連結の下、互いに離れる方向へ相対移動す
る。このため、第1および第2の両片持ち梁を介した、
第1の垂直部材および一方の第2の垂直部材の相互作用
に基づくこれらの軸力、すなわち第1の垂直部材の一方
の側部(前記傾斜方向の側と反対の側における側部)軸
力および第2の垂直部材の軸力の増大が防止される。
【0010】また、前記傾斜方向の側である他方の第2
の垂直部材の側においては、上位にある第1の片持ち梁
が下位にある第2の片持ち梁に突き当たりこれに押圧力
を及ぼす。この押圧力を受ける第2の片持ち梁は、超弾
性合金製の線材のような履歴減衰型のダンパーによる連
結の下、前記押圧力に抵抗しつつ前記他方の第2の垂直
部材に対して下方へ折れ曲がる。このため、第1および
第2の両片持ち梁を介した、第1の垂直部材および他方
の第2の垂直部材の相互作用に基づくこれらの軸力、す
なわち第1の垂直部材の他方の側部(前記傾斜方向の側
における側部)軸力および第2の垂直部材の軸力の増大
を図ることができる。
【0011】その結果、第1の垂直部材である耐震壁の
他方の側部に働く上方向軸力がその一方の側部に働く下
方向軸力を上回り、このため耐震壁は引き上げ力を受
け、該耐震壁の脚部の圧縮力が集中するコーナー部分が
受ける下方向力(圧縮力)が低減され、その損壊が防止
される。
【0012】フレームの傾斜時、履歴減衰型ダンパー
は、また、前記押圧力を受けて折れ曲がる第2の片持ち
梁に対して抵抗力を付与し、第1の垂直部材(耐震壁)
および他方の第2の垂直部材の軸力増大に寄与する。履
歴減衰型ダンパーとして前記超弾性合金製の線材を用い
る場合、これらの線材の一部が第2の片持ち梁が折れ曲
がるときに引き延ばされ、第1の片持ち梁はこのときの
引き延ばしに対する抵抗を受ける。また、このとき、履
歴減衰型ダンパーおよび速度比例減衰型ダンパーはそれ
ぞれの作動により地震エネルギの吸収に寄与する。
【0013】さらに、履歴減衰型ダンパーは、各垂直部
材が元の垂直状態に戻るとき、折れ曲がり状態にある第
2の片持ち梁に対してこれが元の水平状態に戻るように
作用する。履歴減衰型ダンパーがプレストレス導入の線
材からなるときは、該線材の履歴の開始点を変更し、履
歴による消費エネルギの増大を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、複数の階層を
有する建物のフレーム10と、これに適用された本発明
の耐震構造12とが概略的に示されている。
【0015】フレーム10は、床スラブ18により規定
された複数の階層にわたって上下に伸びる鉄筋コンクリ
ート製のいわゆる連層耐震壁(第1の垂直部材)14
と、該連層耐震壁の両側にこれと間隔をおいて配置され
た2つの柱(第2の垂直部材)16とを有する。
【0016】連層耐震壁14と各柱16とは、後述する
ように、本発明の耐震構造の一部をなす、第1の片持ち
梁20および第2の片持ち梁22とダンパー24,26
とを介して互いに接続されている。
【0017】本発明の耐震構造12が適用されるフレー
ムは、図示の例のほか、柱16の代わりに他の連層耐震
壁を有するもの、連層耐震壁14の代わりに各階層ごと
に設置される耐震壁を有するものであってもよい。ま
た、連層耐震壁14または各階層ごとの耐震壁は、図示
の例のような壁板のほか、例えば、単一の柱状部材や、
互いに間隔を置かれた2つの柱状部材とこれらの柱状部
材を互いに連結する、上下に互いに間隔をおいて配置さ
れた複数の連結部材とからなるものであってもよい。
【0018】耐震構造12は、連層耐震壁(以下、単に
「耐震壁」という。)14から水平に伸びる片持ち梁
(第1の片持ち梁)20および各柱16から水平に伸び
る片持ち梁(第2の片持ち梁)22であって互いに上下
に部分的に重なり合う第1の片持ち梁および第2の片持
ち梁と、第1および第2の両片持ち梁20,22を相互
に連結する速度比例減衰型のダンパー24と、各第2の
垂直部材16と各第2の片持ち梁22とを相互に連結す
る履歴減衰型のダンパー26(図2参照)とを含む。
【0019】したがって、耐震壁14と一方(図1で見
て左方)の柱16とが1組の構成部材(第1の片持ち梁
20,第2の片持ち梁22、速度比例減衰型のダンパー
24および履歴減衰型のダンパー26)により互いに接
続され、また、耐震壁14と他方(図1で見て右方)の
柱16とが他の1組の構成部材20〜26により互いに
接続されている。
【0020】2組の構成部材20〜26は、それぞれ、
任意の同一の高さ位置または任意の異なる高さ位置に配
置することができる。
【0021】好ましくは、より高い耐震効果を得るた
め、図示の例のように、4組以上の構成部材20〜26
を配置する。
【0022】第1および第2の両片持ち梁20,22
は、それぞれ、鉄筋コンクリート製のそれからなる。第
1の片持ち梁20は第2の片持ち梁22の上位に位置す
る。
【0023】速度比例減衰型のダンパー24は、第1お
よび第2の両片持ち梁20,22をこれらが相対移動可
能であるように連結している。連結箇所は任意に定める
ことができる。図示の例では両片持ち梁20,22の互
いに重なり合う先端部同士が互いに連結されている。
【0024】速度比例減衰型のダンパー24は、例えば
粘弾性ダンパー(図3参照)からなる。
【0025】粘弾性ダンパー24は、水平方向へ互いに
間隔をおいて配置された一対の平行な鋼板部材28と、
両鋼板部材28間にこれらと平行に配置された鋼板部材
30と、2つの鋼板部材28,30間にそれぞれ配置さ
れた軟らかいゴムのような剛性の低い板状の粘弾性体3
2とからなるサンドイッチ構造を有し、両粘弾性体32
はそれぞれ両鋼板部材28に接しかつ接着されており、
また、鋼板部材30の両面に接しかつ接着されている。
したがって、鋼板部材30は両粘弾性体32および両鋼
板部材28に対して相対的に移動可能である。
【0026】粘弾性ダンパー24は、両鋼板部材28に
おいて、第1の片持ち梁20の先端面に固定されてお
り、また、鋼板部材30において、第2の片持ち梁22
の先端部の頂面に固定されている。
【0027】他方、履歴減衰型のダンパー26は、例え
ば、超弾性合金製の複数の線材(以下「線材」とい
う。)からなる。線材26は、各第2の片持ち梁22内
をその伸長方向へ伸び、かつ、第2の片持ち梁22に対
して伸縮可能である部分を有する。
【0028】図示の例では、線材26が第2の片持ち梁
22の引張り側主筋である上端筋として用いられてい
る。各上端筋の一端部34は各柱16に埋め込まれかつ
固定され、その他端部36は固定金具38を介して第2
の片持ち梁22の先端部の端面に固定され、また、両端
部34,36間の中間部40は第2の片持ち梁22内に
埋め込まれその長手方向へ伸びるシース管(図示せず)
内を貫通している。したがって、この例では、中間部4
0が第2の片持ち梁22に対して伸縮可能な部分であ
る。
【0029】これに代えて、線材26の両端部34,3
6をそれぞれ柱16および第2の片持ち梁22に埋め込
みかつ固定し、中間部40を同様に第2の片持ち梁22
に埋め込まれた前記シース管に通すようにしてもよい。
中間部40のうち端部34に隣接する一部分のみを前記
シース管に通し、残りの大部分を第2の片持ち梁22に
埋設するようにしてもよい。前記シース管を用いる代わ
りに、線材26について、コンクリートとの付着を断っ
たいわゆるアンボンド処理を施すこともできる。
【0030】履歴減衰型のダンパー26として、前記超
弾性合金製の線材に代えて、例えば通常の鉄筋用鋼材か
らなる線材を用いることができる。
【0031】各垂直部材14,16は、地震によって建
物が一方向(例えば、図1で見て右方向)への水平力を
受けてフレーム10に変形が生じるとき、フレーム10
が規定する垂直面内において、曲げ変形をし、また、そ
の脚部のコーナー部分近傍を中心として時計方向へ回転
運動をし、傾斜する。
【0032】このとき、図4に示すように、傾斜方向と
反対の側である一方(左方)の柱16側では、第1およ
び第2の両片持ち梁20,22の重合部が互いに離れよ
うとし、これらの梁を連結している粘弾性ダンパー24
は、第2の片持ち梁22に固定された鋼板部材30が両
粘弾性体32間から突出するように移動してこれらの片
持ち梁20,22の相対移動を許す。
【0033】第1および第2の両片持ち梁20,22の
相対移動のため、これらの梁が一体であれば該梁を介し
て互いに及ぼし合うであろう耐震壁14および柱16の
相互作用と、該相互作用に基づく軸力の増大、すなわ
ち、耐震壁14の一方の側部(前記傾斜方向と反対の側
の側部)における下方向軸力42(図9参照)および柱
16の上方向軸力44増大とを防止することができる。
【0034】また、粘弾性ダンパー24においては、鋼
板部材30の移動時、両粘弾性体32の変形を伴い、こ
れにより、両鋼板部材28に対する鋼板部材30の移動
速度に比例した減衰力が生じる。したがって、両梁の連
結手段である粘弾性ダンパー24は、地震エネルギの吸
収に寄与する。粘弾性ダンパー24の減衰力は、前記サ
ンドイッチ構造における層数を増大することにより増す
ことができる。
【0035】また、図5に示すように、前記傾斜方向の
側である他方(右方)の柱16側においては、上方に位
置する第1の片持ち梁20の先端部がその下方に位置す
る第2の片持ち梁22の先端部に突き当たり、これに押
圧力を及ぼす。履歴減衰型のダンパー26である前記線
材の中間部40は前記押圧力に抵抗しつつ伸長され、こ
れにより、前記押圧力を受ける第2の片持ち梁22がそ
の基部端において他方の柱16に対して下方に折れ曲が
ることを許す。
【0036】第1の片持ち梁20と、その押圧力を受け
ながら折れ曲がり動作をする第2の片持ち梁22とを介
して、耐震壁14および他方の柱16は相互作用を及ぼ
し合う。この相互作用により、耐震壁14の他方の側部
(前記傾斜方向側の側部)における下方向の軸力46お
よび柱16の上方向の軸力48の増大が図られる(図9
参照)。
【0037】その結果、耐震壁14に働く上方向軸力4
6がこれに働く下方向軸力42を上回り、耐震壁14は
引き上げ力を受け、耐震壁14の脚部の圧縮力が集中す
るコーナー部分50(図9)が受ける下方向力(圧縮
力)が低減され、その損壊が防止される。
【0038】履歴減衰型ダンパーである線材26は、ま
た、第2の片持ち梁22の折れ曲がりに伴って引き延ば
されるときに地震エネルギを吸収する。また、このと
き、これらの片持ち梁20,22を連結している粘弾性
ダンパー24は、その鋼板部材30が両鋼板部材28に
対して回転運動を行うため、該回転運動に伴う地震エネ
ルギの吸収に寄与する。
【0039】線材26にプレストレスを導入しておくこ
とができる。これによれば、線材26の履歴の開始点を
変更し、履歴による消費エネルギの増大を図ること、す
なわち、わずかな伸長でより大きいエネルギを吸収する
ことができる。
【0040】前記傾斜方向の側においては、その後、傾
斜した耐震壁14および両柱16が元の垂直状態(図1
に示す状態)に戻るとき、第2の片持ち梁22は、線材
26の中間部40の収縮動作により、折れ曲がり状態か
ら水平状態へ戻される。
【0041】各第2の片持ち梁22の剛性の増大を図る
ため、図示の例のように、第2の片持ち梁22に、その
下端筋として、プレストレスが導入された複数のPC鋼
棒52(図2)を埋設しておくことが望ましい。
【0042】速度比例減衰型のダンパー24として、図
2、図4および図5に示す前記粘弾性ダンパーに代え
て、図6〜図8に示すような粘性ダンパーを用いること
ができる。
【0043】図6〜図8に示す例では、第1および第2
の片持ち梁20,22の互いに上下に重なり合う先端部
相互間に粘性ダンパー24の配置空間を確保するため、
両片持ち梁20,22がこれらの間により大きい上下方
向間隔が存するように配置され、また、第1の片持ち梁
20はこれから第2の片持ち梁22に向けて下方へ伸び
かつ該第2の片持ち梁22に接する垂直部54を有す
る。粘性ダンパー24は斜めに配置され、両片持ち梁2
0,22の前記相対移動を可能とすべく、その両端部が
第1および第2の両片持ち梁20,22の先端部にそれ
ぞれ枢着されている。
【0044】この例によれば、図7に示すように、地震
によるフレーム10の変形のために耐震壁14および両
柱16が傾くとき、一方(図6で見て左方)の柱16の
側において、粘性ダンパー24が、第1の片持ち梁20
の垂直部54が第2の片持ち梁22から離れることを許
す。このときに伸長動作する粘性ダンパ24は、前記粘
弾性ダンパーと同様、地震エネルギの吸収作用をもな
す。
【0045】また、図8に示すように、他方(右方)の
柱16の側において、第1の片持ち梁20がその垂直部
54において、第2の片持ち梁22の先端部を下方に向
けて押圧し、これにより、第2の片持ち梁22がその基
部端において折れ曲がる。このとき、他方の柱16の側
の粘性ダンパ24は枢動する。
【0046】この例による他の構成、作用および効果
は、図2〜5に示す例におけると同様であり、重複を避
けるため、その説明は省略する。
【0047】図示の例に代えて、粘性ダンパ24を垂直
部54と平行に配置することができる。この配置によれ
ば、他方の柱16の側において、粘性ダンパ24の圧縮
方向動作による地震エネルギの吸収を図ることができ
る。
【0048】なお、地震力を受けてフレームの耐震壁1
4および両柱16が逆向きに傾斜するときも、本発明の
耐震構造は前記したと同様の作用効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震構造が適用されたフレームの概略
図である。
【図2】耐震構造の一部の概略を示す拡大図である。
【図3】速度比例減衰型ダンパーの一例である粘弾性ダ
ンパーを概略的に示す拡大図である。
【図4】耐震構造の動作状態を示す、一方の第2の垂直
部材側の概略図である。
【図5】耐震構造の動作状態を示す、他方の第2の垂直
部材側の概略図である。
【図6】速度比例減衰型ダンパーの他の例である粘性ダ
ンパーを有する耐震構造の拡大図である。
【図7】粘性ダンパーを有する耐震構造の動作状態を示
す、一方の第2の垂直部材側の概略図である。
【図8】粘性ダンパーを有する耐震構造の動作状態を示
す、他方の第2の垂直部材側の概略図である。
【図9】垂直部材が傾斜したときの各垂直部材に作用す
る軸力の方向と大きさとを概略的に示す図である。
【符号の説明】
10 フレーム 12 耐震構造 14,16 第1の垂直部材(耐震壁)および第2の垂
直部材(柱) 20,22 第1の片持ち梁および第2の片持ち梁 24,26 速度比例減衰型のダンパーおよび履歴減衰
型のダンパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 7/12 F16F 7/12 15/02 15/02 Z (72)発明者 吉松 賢二 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 (72)発明者 福島 寛二 東京都新宿区津久戸町2番1号 株式会社 熊谷組東京本社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 EA01 FA01 FA02 FA03 FA24 GA12 GA63 HA06 HB02 HE01 HF16 LA01 LA10 LA11 3J048 AA06 AC05 AC06 BB04 BC09 BD08 DA04 EA38 3J066 AA01 AA21 BA03 BC05 BD10 BF09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐震壁からなる第1の垂直部材と、該第
    1の垂直部材の両側にそれぞれ位置する、柱または耐震
    壁からなる2つの第2の垂直部材とを有するフレームの
    耐震構造であって、前記第1の垂直部材に連なる第1の
    片持ち梁および各第2の垂直部材に連なる第2の片持ち
    梁であって互いに上下に部分的に重なり合う第1の片持
    ち梁および第2の片持ち梁と、前記第1の片持ち梁と前
    記第2の片持ち梁とを相対移動可能に連結する速度比例
    減衰型のダンパーおよび各第2の垂直部材と各第2の片
    持ち梁とを連結する履歴減衰型のダンパーであって各第
    2の垂直部材に対する各第2の片持ち梁の折れ曲がりを
    許す履歴減衰型のダンパーとを含む、フレームの耐震構
    造。
  2. 【請求項2】 前記履歴減衰型のダンパーは、各第2の
    片持ち梁内をその伸長方向へ伸びかつ該第2の片持ち梁
    に対して伸縮可能である部分を有する超弾性合金製の複
    数の線材からなる、請求項1に記載のフレームの耐震構
    造。
  3. 【請求項3】 前記線材にプレストレスが導入されてい
    る、請求項2に記載のフレームの耐震構造。
  4. 【請求項4】 前記速度比例減衰型のダンパーは粘性ダ
    ンパーからなる、請求項1ないし3のいずれか1つに記
    載のフレームの耐震構造。
  5. 【請求項5】 前記速度比例減衰型のダンパーは粘弾性
    ダンパーからなる、請求項1ないし3のいずれか1つに
    記載のフレームの耐震構造。
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