JP2002194589A - アルミニウム材の化成処理方法 - Google Patents

アルミニウム材の化成処理方法

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JP2002194589A
JP2002194589A JP2000389158A JP2000389158A JP2002194589A JP 2002194589 A JP2002194589 A JP 2002194589A JP 2000389158 A JP2000389158 A JP 2000389158A JP 2000389158 A JP2000389158 A JP 2000389158A JP 2002194589 A JP2002194589 A JP 2002194589A
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Koji Shiraki
浩司 白木
Kiyoshi Tada
清志 多田
Keiko Watanabe
圭子 渡辺
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム材の表面にTi系の化成皮膜を形
成する場合に、皮膜の割れや剥がれを生じることなく、
高付着量(厚膜)の化成皮膜を形成することができるア
ルミニウム材の化成処理方法を提供する。 【解決手段】Ti系化成処理液を用いてアルミニウム材
を化成処理し、その表面にTi系皮膜を形成する。その
際、前記化成処理中にカソード電解処理を実施する。カ
ソード電解処理における電圧は1〜20Vに設定するの
が良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばアルミニ
ウム製の電子写真用感光体ドラムの下地皮膜の形成に用
いられるアルミニウム材の化成処理方法に関する。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウム及びその合金を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】電子写真感光体は、アルミニウム基体上
に感光層を形成したものであるが、基体表面に凹凸等の
機械的欠陥や化学的な不純物が存在すると感光層に乱れ
が生じて画像欠陥が発生しやすくなる。そのため、従来
よりアルミニウム基体表面にアルマイト皮膜、ベーマイ
ト皮膜、化成皮膜等の下地皮膜を形成するのが一般的で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの下地処理のう
ち、Ti系の化成皮膜は、Ti付着量が20mg/m2
未満では下地皮膜として皮膜量が十分とはいえず、前述
の画像欠陥の発生を完全に防ぐことができない。そのた
め、Ti付着量が20mg/m2以上確保されること
で、下地皮膜としての機能を実現しうるものであるが、
以下の理由により、皮膜の付着量従ってTi付着量を一
定以上大きくすることができないという問題があった。
【0005】すなわち、化成処理反応は処理液に含まれ
るフッ素等のイオンとアルミニウム材が反応してアルミ
ニウムの溶解反応(アノード反応)と処理液に含まれる
水素イオンの還元反応(カソード反応)とが起こり、材
料近傍で局部電池を形成する。その結果、アルミニウム
材近傍でpHが上昇し、pHがある臨界点に達すると不
溶性のTi塩がアルミニウム材の表面に沈殿、析出して
化成皮膜が形成される。よって、アルミニウム材表面が
化成皮膜で被覆されるにつれてアルミニウム素地と化成
処理液との反応が起こりにくくなる。つまり、皮膜付着
量は処理時間に対して直線的に増加せず、処理時間の経
過に伴い付着量の増加が鈍化する。このため、処理時間
を長くしても高付着量の皮膜が得られないものであっ
た。
【0006】なお、処理時間を長くする以外にも、処理
温度、pH、液組成などを調整することで、付着量をあ
る程度は増加させることはできるが、上記と同じ理由に
より付着量の増大には限界がある。
【0007】また、処理時間を長くすることは、皮膜の
割れや剥がれが生じ易くなるという欠点をも派生するも
のであった。
【0008】このような欠点は、アルミニウム製の電子
写真用感光体基体の表面にTi系化成皮膜を形成する場
合だけに生じるものではなく、アルミニウム材の表面に
Ti系化成皮膜を形成する必要のあるすべての場合にお
いて生じるものであった。
【0009】この発明は、このような技術的背景に鑑み
てなされたものであって、アルミニウム材の表面にTi
系の化成皮膜を形成する場合に、皮膜の割れや剥がれを
生じることなく、高付着量(厚膜)の化成皮膜を形成す
ることができるアルミニウム材の化成処理方法の提供を
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述したように、化成処
理時間が長くなるにつれ化成処理反応が進まなくなる原
因は、アルミニウム材が化成皮膜で覆われるにつれてア
ルミニウムの溶解とそれに伴う水素発生が起こらなくな
るためである。つまり、水素発生に伴うアルミニウム材
近傍のpH上昇が起こらず、皮膜成分の沈殿、析出が起
こらないためである。
【0011】そこで、本発明では、化成処理にカソード
電解処理を加えることで、前記課題を解決し得たもので
ある。
【0012】すなわちこの発明は、Ti系化成処理液を
用いてアルミニウム材を化成処理し、その表面にTi系
皮膜を形成するに際し、前記化成処理中にカソード電解
処理を実施することを特徴とするアルミニウム材の化成
処理方法にある。
【0013】前記アルミニウム材の種類は特に限定され
ることはなく、JIS A3003を始め、各種のもの
を用いればよい。
【0014】Ti系化成処理液の種類も、Tiを含有す
る化成皮膜が形成されるものであれば特に限定されるこ
とはなく、例えばフィチン酸−Ti系、リン酸−Ti
系、タンニン酸−Ti系等の処理液を用いうるが、特に
好適なものとして、フィチン酸−Ti系の化成処理液を
挙げることができる。
【0015】フィチン酸は下記構造式(I)で示される
有機リン酸であり、水溶液中でフッ化チタン酸(H2
iF6)によって加水分解されて、フィチン酸−Ti系
化合物を形成する。
【0016】
【化1】
【0017】化成処理は、フィチン酸およびフッ化チタ
ン酸を所定濃度の水溶液とし、さらにアンモニアでpH
調整した処理液中に浸漬することにより行い、アルミ基
体表面にフィチン酸−Ti系化成皮膜を生成付着させ
て、これを下地層とする。浸漬後は、一般的な化成処理
と同様に乾燥等を行う。好ましい化成処理条件は下記の
とおりである。
【0018】フィチン酸濃度:0.1〜1.0% フッ化チタン酸(H2TiF6):濃度:0.1〜0.6
% pH :3〜5 化成温度 :20〜50℃ 浸漬時間 :0.5〜5分 前記カソード電解処理は、化成処理液中においてアルミ
ニウム材を陰極として行う電解処理である。このカソー
ド電解処理により、アルミニウム材の表面で化成処理液
中の水素イオンの還元反応が起こって水素発生が促進さ
れ、アルミニウム材近傍のpHが上昇して皮膜成分の沈
殿析出が生じ、皮膜付着量ひいてはTi付着量を大きく
することができる。
【0019】前記カソード電解処理において、処理電圧
は1〜20Vに設定するのがよい。1V未満では水素イ
オンの還元反応に乏しいものとなり、皮膜付着量を大き
くすることが困難になる。また、20Vを越えても皮膜
付着量の増大効果が飽和するばかりか、エネルギの無駄
となる。特に好ましい電解電圧は2〜10Vである。
【0020】化成処理の初期では、アルミニウムの溶解
とそれに伴う水素発生は十分に行われているから、水素
発生を促進するカソード電解処理を実施する必要はな
い。化成処理が進行して、化成処理の途中の皮膜生成速
度が遅くなった段階で、カソード電解処理を実施すれば
良い。具体的には、化成処理の開始後30秒以後、好ま
しくは60秒以後にカソード電解処理を実施するのが好
適である。勿論、化成処理の開始時点からカソード電解
処理を実施しても良い。
【0021】
【実施例】(実施例1)JIS A3003からなるア
ルミニウム円筒管を用い、該アルミニウム材を非浸食タ
イプの脱脂剤で脱脂洗浄したのち、化成処理した。化成
処理液は、フィチン酸−Ti系の化成処理液であるパー
カーライジング社製CT3753液の6%希釈水溶液
に、アンモニアを添加してpH3.8に調節したものを
使用した。この化成処理液中のフィチン酸濃度は0.2
%、フッ化チタン酸(H2TiF6)濃度は0.3%とな
っている。そして、化成処理液を42℃に保ち、前記ア
ルミニウム材を浸漬して化成処理を行った。
【0022】この化成処理の開始と同時に、前記化成処
理液中でカソード電解処理を継続して行った。アノード
電極にはカーボンを用い、電圧3Vの定電圧電解により
行った。
【0023】そして、処理時間とTi付着量、皮膜の割
れ、剥がれの関係を調べた。その結果を後掲の表1に示
す。また、処理時間とTi付着量との関係を図1のグラ
フに示す。 (実施例2)カソード電解処理を、化成処理の開始後9
0秒経過した時点から開始した以外は、上記実施例1と
同一の条件で化成処理及びカソード電解処理を行った。
そのときの処理時間とTi付着量、皮膜の割れ、剥がれ
の関係を表1に示す。 (比較例)カソード電解処理を行うことなく、実施例1
と同一の条件で化成処理のみを行った。そのときの処理
時間とTi付着量、皮膜の割れ、剥がれの関係を表1に
示す。また、処理時間とTi付着量との関係を図1のグ
ラフに示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1及び図1からわかるように、化成処理
のみでは、処理時間が長くなるにつれてTi付着量が増
加しなくなり、30mg/m2 が限界である。しかも、
処理時間が長くなると、皮膜の割れや剥がれも生じるこ
とがわかる。
【0026】これに対して、実施例1では、処理時間に
対してTi付着量は直線的に増加し付着量が増大するこ
とがわかる。また、化成処理の途中からカソード電解処
理を行った実施例2も、実施例1と同じく処理時間に対
してTi付着量は直線的に増加し付着量が増大すること
がわかる。ただし、実施例2の方が、化成処理の当初か
らカソード電解処理を行う実施例1よりも、電解時間を
短くできる利点がある。 (実施例3)カソード電解処理を、化成処理の開始後9
0秒経過した時点から開始するとともに、カソード電解
処理における電解電圧を1〜20Vの範囲で変化させた
以外は、上記実施例1と同一の条件で化成処理及びカソ
ード電解処理を行った。そのときの処理時間とTi付着
量、皮膜の割れ、剥がれの関係を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2からわかるように、電解電圧を1〜2
0Vに設定することにより、Ti付着量を増大できるこ
とがわかる。特に3V以上に設定した場合には付着量が
大きく増加し、電圧が大きくなるほど付着量が増えるこ
とがわかる。また、10Vと20Vでは付着量に大きな
差がなく、従って電圧は20V以下特に10V以下で良
く、20Vを越えて電圧を大きくしても電気代や電源設
備などの点から実用的ではない。
【0029】
【発明の効果】この発明によれば、Ti系化成処理液を
用いてアルミニウム材を化成処理し、その表面にTi系
皮膜を形成するに際し、前記化成処理中にカソード電解
処理を実施するから、Ti付着量で30mg/m2以上
という、化成処理のみでは得られなかった高付着量のT
i系化成皮膜を得ることができる。しかも、化成処理の
みを行う場合よりも処理時間を短縮できるから、化成皮
膜の割れや剥がれを生じる危険性を低減することができ
る。
【0030】また、カソード電解処理の電圧を1〜20
Vに設定した場合には、高付着量の化成皮膜を安定して
かつ効率的に得ることができる。
【0031】また、カソード電解処理を、化成処理の開
始後30秒以後に開始する場合には、無駄なカソード電
解処理の実施をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における化成処理時間とTi付着量との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 圭子 堺市海山町6丁224番地 昭和アルミニウ ム株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA09 BA01 BB06 BB10 CA13 CA23 CA26 CA28 CA38 DA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ti系化成処理液を用いてアルミニウム
    材を化成処理し、その表面にTi系皮膜を形成するに際
    し、前記化成処理中にカソード電解処理を実施すること
    を特徴とするアルミニウム材の化成処理方法。
  2. 【請求項2】 前記カソード電解処理における電圧が1
    〜20Vである請求項1に記載のアルミニウム材の化成
    処理方法。
  3. 【請求項3】 前記カソード電解処理を、化成処理の初
    期からまたは化成処理の開始後30秒以後に開始する請
    求項1または2に記載のアルミニウム材の化成処理方
    法。
JP2000389158A 2000-12-21 2000-12-21 アルミニウム材の化成処理方法 Pending JP2002194589A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011118588A1 (ja) 2010-03-23 2011-09-29 新日本製鐵株式会社 容器用鋼板及びその製造方法
US8133594B2 (en) 2010-06-04 2012-03-13 Nippon Steel Corporation Steel sheet for container use

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