JP2003055796A - アルミニウム材およびその製造方法、ならびに電子写真用感光体および電解コンデンサ電極用アルミニウム材料 - Google Patents

アルミニウム材およびその製造方法、ならびに電子写真用感光体および電解コンデンサ電極用アルミニウム材料

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JP2003055796A JP2001242642A JP2001242642A JP2003055796A JP 2003055796 A JP2003055796 A JP 2003055796A JP 2001242642 A JP2001242642 A JP 2001242642A JP 2001242642 A JP2001242642 A JP 2001242642A JP 2003055796 A JP2003055796 A JP 2003055796A
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phosphorus
aluminum
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Masahiro Omori
将弘 大森
Koji Shiraki
浩司 白木
Kiyoshi Tada
清志 多田
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質で、密着性が高く厚い皮膜を有するアル
ミニウム材およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン成分およびリン成分を含有する処
理液にアルミニウム基材を浸漬し、前記アルミニウム基
材をカソードとする電解処理を実施することにより、前
記アルミニウム基材の表面にチタン−リン系複合酸化物
皮膜を付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、表面にチタン−
リン系複合酸化物皮膜を有するアルミニウム材およびそ
の製造方法、ならびに前記チタン−リン系複合酸化物皮
膜を下地層とする電子写真用感光体、および前記チタン
−リン系複合酸化物皮膜を被覆層とする電解コンデンサ
電極用材料に関する。
【0002】なお、この明細書において、アルミニウム
の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用い
る。
【0003】
【従来の技術】アルミニウム材は、その軽量性、易加工
性、高耐食性などの特性からさまざまな分野で使用さ
れ、特に近年では電子材料や情報機器などに多く用いら
れている。また、用途に応じて、表面に皮膜が形成され
ることも多い。
【0004】例えば、特開平5−306497号公報に
は、リン酸化成処理と電解処理と組み合わせた処理によ
りアルミニウム材の表面にリン酸塩皮膜を形成する技術
が記載され、特開2000−275884号公報には、
化成処理によってアルミニウム−酸素−チタニウム皮膜
またはアルミニウム−酸素−ジルコニウム皮膜を形成す
る技術が記載されている。
【0005】ところで、皮膜はアルミニウム基材表面に
対して高い密着性が必要であるだけでなく、用途によっ
ては十分な厚さが必要となる。例えば、電子写真用感光
体における感光層の下地層は、アルミニウム基体表面の
凹凸等の機械的欠陥や化学的不純物を隠蔽し、これらに
起因する画像欠陥を解消するために形成されるが、皮膜
厚さが不足するとこれらを隠蔽することができない。ま
た、感光体は繰り返し使用や連続使用等過酷な条件で使
用されるため、耐久性の点でも厚膜であることが要求さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した皮膜では、皮
膜の厚さが0.1μm未満の薄膜であれば良好な密着性
を得ていた。しかし、0.1μm以上になると、皮膜自
体の重量増加、アルミニウム基材と皮膜との境界の不整
合性等から、均一な厚膜で高い密着性を得ることができ
なかった。
【0007】この発明は、このような技術背景に鑑み、
密着性が高く厚い皮膜を有するアルミニウム材およびそ
の製造方法の提供を目的とし、さらに前記皮膜を感光層
の下地層とする電子写真用感光体、および前記皮膜を被
覆層とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材料の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述したように、リン酸
化成処理と電解処理との組み合わせによるリン酸塩皮膜
や化成処理によるチタニウム系またはジルコニウム系皮
膜では、基材に対する密着性に優れた厚い皮膜を形成す
ることが困難である。
【0009】このような従来技術に対し、本発明では、
電解処理によってチタン−リン系複合酸化物皮膜を形成
することにより、密着性と厚膜化の両方を実現すること
ができた。
【0010】即ち、この発明のアルミニウム材は、アル
ミニウム基材の表面に、チタン、リンおよび酸素を含有
するチタン−リン系複合酸化物皮膜が形成されてなるこ
とをを基本要旨とする。
【0011】前記アルミニウム材において、前記チタン
−リン系複合酸化物皮膜は、チタンとリンとが原子比で
リン/チタン=0.2〜2.0の割合で含有されてなる
こと、チタン−リン系複合酸化物皮膜は、厚さが0.1
〜5.0μmであること、硬度が鉛筆硬度H以上である
こと、前記アルミニウム基材に対する密着性が碁盤目剥
離試験で80/100以上であることが好ましい。
【0012】さらに、前記アルミニウム基体の形状は、
箔状、管状、棒状、板状、箱状のいずれかであることが
好ましい。
【0013】また、この発明のアルミニウム材の製造方
法は上述のアルミニウム材を好適に製造できる方法であ
って、チタン成分およびリン成分を含有する処理液にア
ルミニウム基材を浸漬し、前記アルミニウム基材をカソ
ードとする電解処理を実施することにより、前記アルミ
ニウム基材の表面にチタン−リン系複合酸化物皮膜を付
着させることを基本要旨とする。
【0014】また、前記アルミニウム材の製造方法にお
いて、前記電解処理は、電圧1〜100V、電流密度
0.5〜10A/dm2で行うことが好ましい。
【0015】また、前記処理液のチタン成分が、フルオ
ロチタン酸、チタンアルコキシド、四塩化チタンまたは
これらの加水分解物から選ばれる少なくとも1種である
こと、前記リン成分が、リン酸、縮合リン酸、リン酸エ
ステルまたはこれらの加水分解物から選ばれる少なくと
も1種であることが好ましい。
【0016】また、前記処理液において、チタン濃度が
0.001〜1.0モル/lであること、リン濃度が
0.001〜1.0モル/lであること、チタン濃度と
リン濃度とが原子比でリン/チタン=0.1〜10の割
合となされていることが好ましい。
【0017】さらに、前記電解処理は、前記処理液中に
前記アルミニウム基材を浸漬した直後から実施すること
が好ましい。
【0018】この発明の電子写真用感光体は、上述のチ
タン−リン系複合酸化物皮膜を感光層の下地層として用
いるものであって、アルミニウム基体上に、チタン、リ
ンおよび酸素を含有するチタン−リン系複合酸化物皮膜
からなる下地層が形成され、前記下地層上に感光層が積
層されてなることを要旨とする。
【0019】この発明の電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム材は、上述のチタン−リン系複合酸化物皮膜を表面
被覆層として用いるものであって、アルミニウム基体上
に、チタン、リンおよび酸素を含有するチタン−リン系
複合酸化物皮膜からなる被覆層が形成されてなることを
要旨とする。
【0020】この発明のアルミニウム材におけるチタン
−リン系複合酸化物皮膜は、電解処理メカニズム、XP
Sによる皮膜の表面分析結果より、チタンおよびリンを
含有する複合酸化物皮膜であると推測される。前記皮膜
は、非晶質であって、例えば、膜厚0.5μmであれば
チタン量が250mg/m2程度と極めてチタン量の多
い緻密な組織であり、硬質でアルミニウム基材との密着
性に優れている。前記皮膜は、電解処理によって生成さ
れる酸化物が基材表面に析出沈積することによって形成
される。このため、アルミニウム基材との化学反応によ
って形成される化成皮膜とは異なり、皮膜には基材に由
来するアルミニウムは含有されない。
【0021】前記チタン−リン系複合酸化物皮膜におい
て、チタンとリンとの割合は、皮膜の硬度およびアルミ
ニウム基材に対する密着性に影響を及ぼす。チタンとリ
ンとの割合が原子比でリン/チタン=0.2〜2.0が
好ましく、高い硬度とアルミニウム基材との優れた密着
性を得ることができる。前記割合が0.2未満になると
密着性が低下し、2.0を超えると電気抵抗値が低下す
る。特に好ましい割合は、リン/チタン=0.5〜1.
2である。
【0022】また、前記チタン−リン系複合酸化物皮膜
の厚さは、0.1〜5.0μmが好ましい。0.1μm
未満の薄膜では、アルミニウム基材の表面欠陥の隠蔽力
や表面改質効果等が得られにくく、皮膜を形成する意味
が乏しい。また、5.0μmを超えると、皮膜形成に要
する時間およびエネルギーに比して得られる厚膜化効果
が少ないために、工業的利点が乏しい。特に好ましい皮
膜厚さは、0.4〜3.0μmである。
【0023】さらに、前記チタン−リン系複合酸化物皮
膜は、組織が緻密であるから硬度が高く、アルミニウム
基材に対する密着性も優れている。具体的には、前記チ
タン−リン系複合酸化物皮膜の硬度は、JIS 540
0に準拠した鉛筆硬度試験法による鉛筆硬度でH以上で
あることが好ましく、特に2H以上が好ましい。また、
碁盤目剥離試験で80/100以上の密着性を有するこ
とが好ましく、特に90/100以上が好ましい。
【0024】前記アルミニウム基材の形状は特に限定さ
れることはないが、箔状、管状、棒状、板状、箱状のい
ずれか好ましい。後に詳述するように、皮膜は電解処理
によって形成されるから、アルミニウム基材の形状に拘
わらず形成することができる。また、材質は、純アルミ
ニウムおよび各種アルミニウム合金を任意に用いること
ができる。管状のものは電子写真用の感光ドラムとし
て、板状または箔状のものは電解コンデンサ電極用アル
ミニウム材料として好適である。
【0025】上述のチタン−リン系複合酸化物皮膜を有
するアルミニウム材は、以下に詳述する本発明のアルミ
ニウム材の製造方法によって形成される。
【0026】即ち、チタン成分およびリン成分を含有す
る処理液にアルミニウム基材を浸漬し、前記アルミニウ
ム基材をカソードとする電解処理を実施することによ
り、前記アルミニウム基材の表面にチタン−リン系複合
酸化物皮膜を付着させる。
【0027】この発明におけるカソード電解処理は、処
理液中でアルミニウム基材を陰極とする電解処理であ
り、対極である陽極材料にはカーボン、チタン、白金等
処理液に溶解しない任意のものを使用できる。電解処理
が開始されると、アルミニウム基材の表面で処理液中の
水素イオンが還元されて水素ガスが発生する。その結果
アルミニウム基材のpHが上昇することで処理液中のチ
タン成分およびリン成分が基材の表面に析出沈積して皮
膜が形成される。
【0028】このような皮膜形成方法は、電気的外力を
加える電解処理によるものであるから、皮膜を速やかに
形成するために、処理液中にアルミニウム基材を浸漬し
た直後から電解処理を実施することが好ましい。
【0029】また、電解処理であるから、アルミニウム
基材の溶解は起こりにくい。特にアルミニウム基材を処
理液に浸漬直後から電解処理を実施する場合は基材の溶
解は起こりにくい。このため、処理液中にアルミニウム
が含有されていない限り、皮膜はチタン、リン、酸素を
主成分とする複合酸化物皮膜となる。但し、ごく僅かに
アルミニウム基材の溶解が起こるため、皮膜の基材の極
近傍で微量のアルミニウムが含有されることがある。こ
のようなアルミニウムの含有は、基材表面から厚さ0.
05μm以内の部分にすぎない。
【0030】前記電解処理において、電解電圧は1〜1
00Vが好ましく、電流密度は0.5〜10A/dm2
が好ましい。電解電圧が1V未満または電流密度が0.
5A/dm2では水素の還元反応に乏しいものとなり、
皮膜付着量を大きくすることが困難になる。一方100
Vまたは10A/dm2を越えると電解に伴う水素ガス
の発生が激しくなりすぎ、皮膜成分の析出沈積が阻害さ
れるおそれがある。特に好ましい電解電圧は3〜20V
であり、特に好ましい電流密度は1〜5A/dm2であ
る。また、電解時間は60秒〜60分が好ましく、特に
200秒〜20分が好ましい。
【0031】前記チタン−リン系複合酸化物皮膜の生成
に用いる処理液は、チタンイオンまたはチタン含有イオ
ン等のチタン成分およびリンイオン、リン酸イオン等の
リン成分を含有する処理液である。具体的には、チタン
成分として、フルオロチタン酸、チタンアルコキシド、
四塩化チタンまたはこれらの加水分解物から選ばれる少
なくとも1種を推奨でき、リン成分として、リン酸、縮
合リン酸、あるいはリン酸エステルまたはこれらの加水
分解物から選ばれる少なくとも1種を推奨できる。
【0032】上述のチタン成分およびリン成分として加
水分解物を使用する場合、加水分解の程度(加水分解
率)に制限はない。必要に応じて、溶媒を水または水溶
性溶媒に変更することができる。具体的には、メチルア
ルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、エ
ーテル類およびこれらから任意に選択した混合物であ
る。さらに、アセチルアセトン等の加水分解抑制剤を添
加して、加水分解率を調整することもできる。上述した
各成分の処理液の中で、最も推奨できるのはフルオロチ
タン酸とヘキサリン酸エステルであるフィチン酸の混合
物であり、特にフルオロチタン酸と50%加水分解され
たフィチン酸の混合物である。なお、ここでいう加水分
解率とは下記式(I)で示される。
【0033】 加水分解率(%)=C1/C2 ・・・(I) C1:加水分解により生成した物質濃度(ppm) C2:原料の濃度(ppm) また、前記処理液は上述のチタン成分またはリン成分を
含有していれば、電解処理による膜成分の析出を阻害し
ない限り、その他の共存元素は許容される。例えば、チ
タンイオンの対イオンである塩素イオンやフッ素イオン
が含まれていても支障はない。また、リンイオン、リン
酸イオン等の対イオンについても同様である。
【0034】また、前記処理液において、処理液中のチ
タン濃度とリン濃度とはアルミニウム基材の形状、表面
積、さらには電解処理時間に応じて適宜決定する。好ま
しいチタン濃度およびリン濃度はそれぞれ0.001〜
1.0モル/lであり、特に好ましい濃度はそれぞれ
0.01〜0.1モル/lである。また、チタン濃度と
リン濃度とが原子比でリン/チタン=0.1〜10の割
合であることが好ましく、上述した組成の皮膜が生成さ
れる。特に好ましい割合はリン/チタン=0.3〜3.
0である。
【0035】また、前記処理液は、成分濃度によってp
Hが一定ではないので、pH調整剤の添加により、電解
処理開始時のpHを4.0前後に設定しておくことが好
ましく、皮膜が速やかに生成される。pH調整剤は、金
属イオンを含有していない無機または有機アルカリが好
ましく、アンモニアイオンを含有するものを推奨でき
る。具体的には、アンモニア、重炭酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、尿素、塩化テトラメチルアンモニウム
等の4級アンモニウム塩を例示できる。
【0036】また、この発明の電子写真用感光体は、上
述のチタン−リン系複合酸化物皮膜を感光層の下地層と
して用いるものであって、下地層の性質および形成方法
は上述したアルミニウム材およびその製造方法に準ず
る。前記下地層は十分な膜厚に形成されるため、基体の
欠陥や不純物を隠蔽して優れた画像品質を得ることがで
きる。また、高温多湿環境で繰り返し長時間使用するな
ど過酷な条件で使用しても画像品質を維持でき、優れた
耐久性を得ることができる。また、アルミニウム基体と
の密着性が優れていることはもとより、感光層あるいは
感光層との間に任意に形成される中間層との密着性にも
優れている。
【0037】前記下地層の上に形成される感光層および
その形成方法は特に限定されないが、電荷発生層(CG
L)と電荷移動層(CTL)とに機能分離した積層型の
ものを推奨できる。
【0038】前記電荷発生層は、ダイアンブルー、スー
ダンレッド等のアゾ顔料、キノン、ピレン、アントアン
トロン等のキノン顔料、インディゴ、チオインディゴ等
のインディゴ顔料、キノシオアニン顔料、ぺリレン顔
料、フタロシアニン顔料等の電荷発生物質を、ポリスチ
レン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、アクリ
ル樹脂等の樹脂に分散させた分散液を作製し、これを前
記下地層上に塗布、乾燥するか、もしくは真空蒸着する
ことにより形成されたものを適宜用いることができる。
前記電荷発生層の厚さは5μm以下が好ましく、特に
0.01〜3μmが好ましい。
【0039】また、電荷移動層は、インドール、オキサ
ジアゾール、カルバゾール、ピラゾリン等の窒素環含有
化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、あるいは
主鎖または側鎖にアントラセン、ピレン、ビフェニレ
ン、フェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物
等の電荷移動物質を成膜性を有する樹脂に溶解させた溶
液を作製し、これを塗布、乾燥することにより形成され
たものを使用できる。前記電荷移動層の厚さは5〜40
μm以下が好ましく、特に10〜30μmが好ましい。
【0040】また、この発明の電解コンデンサ電極用ア
ルミニウム材料は、箔状または板状のアルミニウム基材
の表面被覆層として上述のチタン−リン系複合酸化物皮
膜を形成したものであって、被覆層の性質および形成方
法は上述したアルミニウム材およびその製造方法に準ず
る。このような被覆層の形成は、アルミニウム基材上に
薄く強固な絶縁層が形成されることになる。この被覆層
は、従来用いられている電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム材料に形成されている酸化アルミニウム皮膜に比
べ、高い誘電率を有しているので、コンデンサとした場
合高い静電容量を持つ。従って、コンデンサとしての電
気的特性に優れたものとなし得る。
【0041】
【実施例】アルミニウム基材として、実施例1、3およ
び比較例1,2においてはJISA3003アルミニウ
ム合金円筒管(外径29mm×長さ254mm)を用い、実
施例2においては、JIS A3003アルミニウム合
金板(厚さ1mm×幅50mm×長さ80mm)を用い、実施
例4においては純度99.9%の純アルミニウム箔(厚
さ0.12mm×幅100mm×長さ100mm)を用いた。
前記円筒管は電子写真感光体用の基体として用いられる
ものであり、前記箔は電解コンデンサ電極材料として用
いられるものである。
【0042】そして、各アルミニウム基材は、アルカリ
型の脱脂剤で脱脂洗浄した後、各処理液中で該アルミニ
ウム基材を陰極、カーボンを陽極とし、条件の異なる電
解処理を施し、もしくは化成処理を施した。 〔実施例1〕蒸留水784gに、50重量%のフィチン
酸94gと60重量%のフルオロチタン酸122gを添
加して水溶液とし、この水溶液を攪拌しながら80℃に
て14時間保持し、フィチン酸を加水分解させた。生成
したリン酸濃度からフィチン酸の加水分解率〔生成した
リン酸濃度(ppm)/フィチン酸中に含まれるリン酸
濃度(ppm)〕を求めたところ、48%であった。
【0043】さらに、前記水溶液を6%に希釈し、重炭
酸アンモニウムを用いてpHを4.0に調整して電解用
処理液を作製した。この処理液におけるチタン濃度は
2.67×10-2モル/l、リン濃度2.56×10-2
モル/l、リンとチタンの濃度比は原子比でリン/チタ
ン=0.96であった。
【0044】前記処理液を40℃に保温し、処理液中に
前記アルミニウム基材を投入したと同時に、電解電圧1
0V、電流密度3.5A/dm2の条件で電解処理を開
始し、15分間電解処理を行った。処理中は処理液を緩
やかに攪拌し、アルミニウム基材表面から発生する水素
ガスを基材表面から緩やかに離脱させるようにした。
【0045】電解処理終了後は、アルミニウム基材を蒸
留水で軽く洗浄し、室温で24時間乾燥させた。 〔実施例2〕処理液として、四塩化チタン水溶液および
リン酸を表1に示す濃度に調整した混合液を用い、表1
に示す条件で電解処理を施した。その他の条件は実施例
1と同様に行った。 〔実施例3〕処理液として、チタンイソプロポキシドお
よびリン酸を表1に示す濃度に調整した混合液を用い、
さらに加水分解抑制剤としてアセチルアセトンを添加し
た。。そして、表1に示す条件で電解処理を施した。そ
の他の条件は実施例1と同様に行った。 〔実施例4〕処理液として、実施例1の加水分解率48
%のフィチン酸を加水分解率65%のフィチン酸に変
え、表1に示す濃度に調整した混合液を用い、表1に示
す条件で電解処理を施した。その他の条件は実施例1と
同様に行った。 〔比較例1〕実施例1と同じ処理液を用いたが、電解処
理を行わず、40℃の処理液中にアルミニウム基材を5
分間浸漬する化成処理を施した。
【0046】化成処理後は、アルミニウム基材を蒸留水
で軽く洗浄し、室温で24時間乾燥させた。 〔比較例2〕処理液として、実施例1のフィチン酸を用
いずフルオロチタン酸のみの液を用い、表1に示す条件
で電解処理を施した。その他の条件は実施例1と同様に
行った。
【0047】以上の各例でアルミニウム基材の表面に形
成した皮膜について、皮膜の成分、厚さ、硬度、アルミ
ニウム基材に対する密着性を下記の方法で調べ評価し
た。結果を表1に示す。 〔皮膜の成分〕X線電子分光法(XPS)により皮膜中
に含有される成分を同定し、皮膜成分を調べた。さら
に、蛍光X線解析装置にてチタンおよびリンの付着量を
測定し、皮膜中のリン/チタンの原子比を調べた。 〔皮膜の膜厚〕走査型電子顕微鏡(SEM)にて皮膜の
断面観察を行い、膜厚を測定した。 〔皮膜の硬度〕JIS K5400に準拠した鉛筆硬度
試験法により、鉛筆硬度を測定した。 〔皮膜の密着性〕JIS K5400に準拠した碁盤目
試験法にもとづき、切り傷間隔1mm、ます目数100と
して剥離試験を行い、密着性を評価した。
【0048】
【表1】
【0049】表1の結果より、実施例で形成された皮膜
はいずれも硬く、かつ厚膜でアルミニウム基材との密着
性にも優れていることが明白である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のアルミ
ニウム材は、アルミニウム基材の表面に、チタン、リン
および酸素を含有するチタン−リン系複合酸化物皮膜が
形成されてなり、この皮膜はチタン含有量が多く、緻密
で基材に対する密着性に優れていることから、硬く、厚
膜化が可能である。このため、電子写真用感光体におけ
る下地層、電解コンデンサ電極用アルミニウム材料の表
面被覆層等の各種アルミニウム製品の表面皮膜として利
用することができ、製品の性能を向上させることができ
る。
【0051】また、前記アルミニウム材において、前記
チタン−リン系複合酸化物皮膜がチタンとリンとが原子
比でリン/チタン=0.2〜2.0の割合で含有されて
なる場合、チタン−リン系複合酸化物皮膜の厚さが0.
1〜5.0μmである場合、硬度が鉛筆硬度H以上であ
る場合、前記アルミニウム基材に対する密着性が碁盤目
剥離試験で80/100以上である場合に、特に硬く、
密着性に優れた厚膜となる。
【0052】さらに、皮膜は電解処理によって形成され
るから、前記アルミニウム基体の形状を選ばず、箔状、
管状、棒状、板状、箱状のいずれでも皮膜を形成するこ
とができる。
【0053】また、この発明のアルミニウム材の製造方
法は上述のアルミニウム材を好適に製造できる方法であ
って、チタン成分およびリン成分を含有する処理液にア
ルミニウム基材を浸漬し、前記アルミニウム基材をカソ
ードとする電解処理を実施することにより、前記アルミ
ニウム基材の表面に上述した硬く密着性に優れたチタン
−リン系複合酸化物皮膜を付着させることができ、厚膜
化が可能である。
【0054】また、前記アルミニウム材の製造方法にお
いて、前記電解処理を電圧1〜100V、電流密度0.
5〜10A/dm2で行う場合は、特に硬度および密着
性に優れた厚膜を形成することができる。
【0055】また、前記処理液のチタン成分がフルオロ
チタン酸、チタンアルコキシド、四塩化チタンまたはこ
れらの加水分解物から選ばれる少なくとも1種である場
合、前記リン成分がリン酸、縮合リン酸、リン酸エステ
ルまたはこれらの加水分解物から選ばれる少なくとも1
種である場合に、特に硬度および密着性に優れた厚膜を
形成することができる。
【0056】また、前記処理液において、チタン濃度が
0.001〜1.0モル/lである場合、リン濃度が
0.001〜1.0モル/lである場合、チタン濃度と
リン濃度とが原子比でリン/チタン=0.1〜10の割
合となされている場合に、特に硬度および密着性に優れ
た厚膜を形成することができる。
【0057】さらに、前記電解処理を前記処理液中に前
記アルミニウム基材を浸漬した直後から実施する場合
は、速やかに皮膜を形成できる。
【0058】この発明の電子写真用感光体は、上述のチ
タン−リン系複合酸化物皮膜を感光層の下地層として用
いるものであるから、硬い下地層が十分な膜厚で形成さ
れる。このため、下地層が基体の欠陥や不純物を隠蔽し
て優れた画像品質を得ることができるとともに、過酷な
条件で長時間使用しても画像品質を維持でき、優れた耐
久性を得ることができる。
【0059】この発明の電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム材は、上述のチタン−リン系複合酸化物皮膜を表面
被覆層として用いるものであるから、電気的特性に優れ
たコンデンサとなし得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 清志 栃木県小山市犬塚1丁目480番地 昭和電 工株式会社小山事業所内 Fターム(参考) 4K026 AA09 AA22 BA03 BA11 BB05 BB06 BB10 CA13 CA18 CA23 CA26 CA28 CA38 DA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基材の表面に、チタン、リ
    ンおよび酸素を含有するチタン−リン系複合酸化物皮膜
    が形成されてなることを特徴とするアルミニウム材。
  2. 【請求項2】 前記チタン−リン系複合酸化物皮膜は、
    チタンとリンとが原子比でリン/チタン=0.2〜2.
    0の割合で含有されてなる請求項1に記載のアルミニウ
    ム材。
  3. 【請求項3】 前記チタン−リン系複合酸化物皮膜は、
    厚さが0.1〜5.0μmである請求項1または2に記
    載のアルミニウム材。
  4. 【請求項4】 前記チタン−リン系複合酸化物皮膜は、
    硬度が鉛筆硬度H以上である請求項1〜3のいずれかに
    記載のアルミニウム材。
  5. 【請求項5】 前記チタン−リン系複合酸化物皮膜は、
    前記アルミニウム基材に対する密着性が碁盤目剥離試験
    で80/100以上である請求項1〜4のいずれかに記
    載のアルミニウム材。
  6. 【請求項6】 前記アルミニウム基体の形状は、箔状、
    管状、棒状、板状、箱状のいずれかである請求項1〜5
    のいずれかに記載のアルミニウム材。
  7. 【請求項7】 チタン成分およびリン成分を含有する処
    理液にアルミニウム基材を浸漬し、前記アルミニウム基
    材をカソードとする電解処理を実施することにより、前
    記アルミニウム基材の表面にチタン−リン系複合酸化物
    皮膜を付着させることを特徴とするアルミニウム材の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記電解処理は、電圧1〜100V、電
    流密度0.5〜10A/dm2で行う請求項7に記載の
    アルミニウム材の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記処理液のチタン成分は、フルオロチ
    タン酸、チタンアルコキシド、四塩化チタンまたはこれ
    らの加水分解物から選ばれる少なくとも1種である請求
    項7または8に記載のアルミニウム材の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記リン成分は、リン酸、縮合リン
    酸、リン酸エステルまたはこれらの加水分解物から選ば
    れる少なくとも1種である請求項7〜9のいずれかに記
    載のアルミニウム材の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記処理液において、チタン濃度は
    0.001〜1.0モル/lである請求項7〜10のい
    ずれかに記載のアルミニウム材の製法。
  12. 【請求項12】 前記処理液において、リン濃度は0.
    001〜1.0モル/lである請求項7〜11のいずれ
    かに記載のアルミニウム材の製法。
  13. 【請求項13】 前記処理液において、チタン濃度とリ
    ン濃度とが原子比でリン/チタン=0.1〜10の割合
    となされている請求項7〜12のいずれかに記載のアル
    ミニウム材の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記電解処理は、前記処理液中に前記
    アルミニウム基材を浸漬した直後から実施する請求項7
    〜13のいずれかに記載のアルミニウム材の製造方法。
  15. 【請求項15】 アルミニウム基体上に、チタン、リン
    および酸素を含有するチタン−リン系複合酸化物皮膜か
    らなる下地層が形成され、前記下地層上に感光層が積層
    されてなることを特徴とする電子写真用感光体。
  16. 【請求項16】 アルミニウム基体上に、チタン、リン
    および酸素を含有するチタン−リン系複合酸化物皮膜か
    らなる被覆層が形成されてなることを特徴とする電解コ
    ンデンサ電極用アルミニウム材料。
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