JP2729835B2 - アルミニウム基体表面にセラミックス皮膜を形成させる方法 - Google Patents
アルミニウム基体表面にセラミックス皮膜を形成させる方法Info
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Description
ってセラミックス皮膜を形成する方法に関する。
は、焼結法、気相法、化成法が知られている。
基材にスプレーする法や浸漬する方法等により塗布し、
高温の炉で溶融焼付ける方法である。
よばれる物理的蒸発法がある。前者は、形成しようとす
るセラミックスの原料を加熱により気化させた後、気相
中で反応させて基材に皮膜を形成させるものであり、一
方後者は、形成しようとするセラミックスを気化させ、
物理的に表面に付着させ形成させるものである。
の方法は、中性から酸性の溶液中で、基材を陽極として
電解酸化させ、基材のアルミニウムが酸化アルミニウム
となる反応を利用するものである。
えば、特公昭58−17278号、同59−28636号、同59−2863
7号、同59−28638号、同59−45722号、及び、同60−124
38号公報等には、シリケートあるいは各種の金属酸素酸
塩のアルカリ性水溶液からなる電解槽を構成し陽極付近
に吸引されるケイ酸イオン、金属酸素酸イオンと、陽極
金属との間に陽極火花放電を生じさせ、これによってセ
ラミックス層を形成する方法が開示されている。
膜は、超高真空でのガス放出特性、耐食性及び可撓性に
すぐれ、さらに遠赤外放射性にすぐれる等の特徴が見い
出されて注目を集めるようになっている。
他の方法に比べて絶縁性等に劣るという問題がある。ま
た平滑性と硬度の上昇も望まれている。
た特性を有する皮膜を、陽極火花放電によってアルミニ
ウム基材表面に形成できる方法を提供することを目的と
する。
皮膜は、使用するケイ酸塩から予想されるように、ナト
リウム、カリウム等のアルカリ金属が数%含有されてお
り、これらのアルカリ金属が、硬度、絶縁破壊電圧等の
性能に悪影響を与えていると推定される。さらに半導体
製造装置ではこれらのアルカリ金属は悪影響を与えるた
め問題となる。これに対して、コロイダルシリカでは、
ケイ酸ナトリウム等に比較し、アルカリ金属量が数10分
の1であり、これらを用いて、火花放電皮膜を形成すれ
ば性能の向上がはかれると考えた。
で皮膜形成可能との記載が見られるが、コロイダルシリ
カ溶液による陽極電解のみでは、本発明の目的を達成す
るに足る皮膜を形成できない。
酸塩を含有する電解浴を用いて火花放電し、次いでコロ
イダルシリカを含有する電解浴を用いて火花放電する
と、上記課題を効率よく達成できるとの知見に基づいて
なされたのである。
陽極として通電し、火花放電によりアルミニウム基体表
面にセラミックス皮膜を形成させる方法であって、ケイ
酸塩を含有する第1の電解浴中で火花放電により皮膜を
形成した後、コロイダルシリカを含有する第2の電解浴
中で火花放電することを特徴とする、アルミニウム基体
表面にセラミックス皮膜を形成させる方法を提供する。
ケイ酸塩を含有する溶液が使用され、ケイ酸塩として
は、一般式M2O・nSiO2(Mはアルカリ金属を示し、nは
0.5乃至20の正数を示す)で表わされる種々の水溶性の
もの、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケ
イ酸リチウム等があげられる。ケイ酸塩の濃度は、10g/
以上が良く、好ましくは50〜300g/である。
ニッケル等不溶性電極を用い、陽極にアルミニウム基体
を用いて火花放電を行う。電解時間、つまり火花放電前
の時間も含めた放電時間は、1分以上が良く、2〜5分
が好ましい。より好ましくは、第1段の電解により、厚
みが0.5μm以上、好ましくは1〜10μmの皮膜を形成
させるのがよい。つまり、このような皮膜を形成させて
おくと、次に行う第2の火花放電でコロイダルシリカに
よるセラミックス皮膜を効率よく形成できるからであ
る。
いが、5〜60℃が好ましい。
上である。好ましい電流密度範囲は、0.5〜3A/dm2であ
る。つまり、電流密度が低いと、火花放電を開始するま
での時間が長くなり、実際的でなく、高すぎると皮膜が
粗くなり適さないからである。
アルミ板であれば、洗浄、エッチング等は特に必要ない
が、皮膜の均一性、平滑性を向上させるために、洗浄や
エッチング等を行なう方が良い。
コギリ波、パルス波等任意のものでよいが、火花放電開
始時間が短縮できること、皮膜が均一化する事などから
ノコギリ波、パルス波が好ましい。
イダルシリカは、無定形シリカ粒子が水中に分散してコ
ロイド状となっているものであり、代表的なコロイダル
シリカとしては、日産化学工業(株)の商品名「スノー
テックス」があげられる。尚、シリカ粒子径、pH、濃度
等について種々のものを使用できる。しかし、粒子径が
30mμ以上ではまだらに析出するので30mμ以下のものが
好ましい。
/(無水ケイ酸に換算して、1〜200g/)、好ましく
は、無水ケイ酸に換算して、2.5〜100g/が良い。濃度
が高くなると、ゼリー状の析出がおこるようになり、セ
ラミックス皮膜とならず、濃度が低くなると、析出速度
がおそくなり、実用的ではないからである。
電極を用い、陽極に前記アルミニウム基体を用いて火花
放電を行う。電解時の電流密度は0.2〜10A/dm2で行なう
事が出来るが、好ましくは、0.5〜3A/dm2が良い。電流
密度が低いと、平滑な析出とならず、高すぎると下地の
皮膜が破壊されたり、析出した皮膜が粗になる傾向があ
る。又、電解時の電圧は450V以上とするのがよい。電解
時間は必要とする膜厚を得る任意の時間とすることがで
きるが、通常膜厚が2〜200μmとなるようにするのが
よい。さらに皮膜の機能性、電解時間の実用性を考慮し
たもっとも好ましい範囲は5〜40μmである。
ス波等任意のものでよいが、より均一な皮膜を得ようと
するには、ノコギリ波、パルス波(矩形波形)が良い。
濃度は、従来法に比較して数10分の1に減少でき、さら
に硬度、絶縁破壊電圧、平滑性等が向上した。しかも、
可とう性、遠赤外放射特性は従来法に比べて劣らないの
で、本発明の方法によれば従来のセラミックス皮膜にな
い特長を有する皮膜をアルミニウム基体上に形成でき
る。
にセラミック皮膜を施せば、高真空で用いる事の出来る
セラミックス被覆電線が得られ、アルミニウムの薄板上
に皮膜を形成すると、アルミの高熱伝導性を生かした、
電子回路用フレキシブル基板が得られる。さらに、従
来、アルカリ金属を含有するので使用が困難だった半導
体製造装置等にも使用出来るようになる。
性化して清浄化した後、陽極として用い、ステンレス板
を陰極とし、K2O・nSiO2200g/を含有する水溶液から
なる第1の電解浴にて25℃で、1A/dm2、1分間火花放電
して2μm厚のセラミックス皮膜をアルミニウム板上に
形成させた。該アルミニウム板を電解浴から取り出し、
水洗後、次に示す第2の電解浴で火花放電した。
して、コロイダルシリカ(スノーテックスXS)250g/
(pH10)を含有する水溶液からなる第2の電解浴で、25
℃で1A/dm2、10分間火花放電し、15μmのセラミックス
皮膜を形成させた。
度、絶縁破壊電圧、平滑性にすぐれた特性を示した。
カ(スノーテックスN)500g/(pH約10)とした以外
は実施例1と同様にして火花放電した。
壊電圧、平滑性ともすぐれたものであった。
(スノーテックス40)125g/(pH約10)に変更した以
外は実施例1と同様にして火花放電した。
壊電圧、平滑性ともすぐれたものであった。
カ(スノーテックス0)250g/(pH4)に変更した以外
は実施例1と同様にして火花放電した。
壊電圧、平滑性ともすぐれたものであった。
施例1と同様にして火花放電した。
壊電圧、平滑性ともすぐれたものであった。
2200g/を含有する水溶液により、25℃、1A/dm2、10分
間、実施例1と同様に前処理したアルミニウム板を陽極
として、ステンレス板を陰極として火花放電した。
により火花放電を行った。
用的ではなかった。従って、硬度、絶縁破壊電圧等は測
定不能だった。
は次の方法で行った。
製)で測定した。
らに研き、角を鋭くした鉛筆を塗面に対し、45℃の角度
で塗面に強く押しつけ均一な速さで(3cm/秒)動かし
た。5回試験を繰り返し、4回以上やぶれなかった場合
の鉛筆の硬さで示した。
ワニス塗膜試験方法に準じた方法により、破壊電圧計B
−5110AF型((株)フェイス製)で測定した。
下記の基準で判定した。
Claims (1)
- 【請求項1】電解浴中でアルミニウム基体を陽極として
通電し、火花放電によりアルミニウム基体表面にセラミ
ックス皮膜を形成させる方法であって、ケイ酸塩を含有
する第1の電解浴中で火花放電により皮膜を形成した
後、コロイダルシリカを含有する第2の電解浴中で火花
放電することを特徴とする、アルミニウム基体表面にセ
ラミックス皮膜を形成させる方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14906189A JP2729835B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | アルミニウム基体表面にセラミックス皮膜を形成させる方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14906189A JP2729835B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | アルミニウム基体表面にセラミックス皮膜を形成させる方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0313593A JPH0313593A (ja) | 1991-01-22 |
JP2729835B2 true JP2729835B2 (ja) | 1998-03-18 |
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ID=15466818
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14906189A Expired - Lifetime JP2729835B2 (ja) | 1989-06-12 | 1989-06-12 | アルミニウム基体表面にセラミックス皮膜を形成させる方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6599643B2 (en) * | 1997-01-31 | 2003-07-29 | Elisha Holding Llc | Energy enhanced process for treating a conductive surface and products formed thereby |
JP6061202B2 (ja) * | 2011-02-08 | 2017-01-18 | ケンブリッジ ナノリティック リミティド | 非金属被覆およびその生産方法 |
US9928820B2 (en) | 2015-09-24 | 2018-03-27 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Fuel cell system |
-
1989
- 1989-06-12 JP JP14906189A patent/JP2729835B2/ja not_active Expired - Lifetime
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