JP2002194288A - 皮膜形成性シリコーン樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

皮膜形成性シリコーン樹脂組成物およびその製造方法

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JP2002194288A
JP2002194288A JP2000398326A JP2000398326A JP2002194288A JP 2002194288 A JP2002194288 A JP 2002194288A JP 2000398326 A JP2000398326 A JP 2000398326A JP 2000398326 A JP2000398326 A JP 2000398326A JP 2002194288 A JP2002194288 A JP 2002194288A
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silicone resin
resin composition
film
weight
catalyst
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JP2000398326A
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English (en)
Inventor
Motoi Sasaki
基 佐々木
Hideki Kobayashi
秀樹 小林
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DuPont Toray Specialty Materials KK
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Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 室温で速やかに硬化して各種無機材料の表面
に平滑な撥水性皮膜を形成し、良好な保存安定性を示す
皮膜形成性シリコーン樹脂組成物およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 (A)ポリジオルガノシロキサンとアル
キルトリアルコキシシランとを触媒の存在下に平衡化反
応させて得るアルコキシシリル官能性オルガノポリシロ
キサンと(B)アルキルポリシリケートからなる皮膜形
成性シリコーン樹脂組成物、および、(1)(A)を合
成する工程、(2)得られたアルコキシシリル官能性オ
ルガノポリシロキサンを加熱して環状ジオルガノシロキ
サン4量体を除去する工程、(3)アルキルポリシリケ
ートを添加する工程からなる、(A)、(B)成分から
なり、環状ジオルガノシロキサン4量体の含有量が1重
量%以下であるシリコーン樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温で硬化可能な
皮膜形成性シリコーン樹脂組成物およびその製造方法に
関する。詳しくは、良好な保存安定性を有し、硬化後は
無機材料の表面に平滑な撥水性皮膜を形成する皮膜形成
性シリコーン樹脂組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、硬化性シリコーンレジン組成物
は、各種無機材料の表面に撥水性や耐水性を付与するコ
ーティング剤として使用されている。このような硬化性
シリコーンレジン組成物には、一般に、メチルトリクロ
ロシランを加水分解縮合したポリメチルシルセスキオキ
サンや、メチルトリクロロシランにジメチルジクロロシ
ランやメチルフェニルジクロロシランを加えてこれらを
加水分解縮合したシリコーンレジンが使用されている。
また、ポリシクロシロキサンとメチルトリメトキシシラ
ンを平衡化反応させた後、加水分解して高分子量化した
シリコーンレジンを主成分とするコーティング剤組成物
も提案されている(特開平2−284958号公報およ
び特開平2−286748号公報参照)。しかしなが
ら、このように加水分解により得られるシリコーンレジ
ンは微量のシラノール基を有するため、時間の経過と共
にシラノール基が縮合してミクロゲルが発生し、著しい
場合には沈降物が認められるという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち、本発明の目的は、室温で速やかに硬化して各種無
機材料の表面に平滑な撥水性皮膜を形成し、かつ、長期
間にわたって良好な保存安定性を示す皮膜形成性シリコ
ーン樹脂組成物およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は、「(A)ポリジオルガノシロキサンとアルキルトリアルコキシシラ ンとを触媒の存在下に平衡化反応させて得られるアルコキシシリル官能性オルガ ノポリシロキサン 100重量部、 (B)アルキルポリシリケート 10〜100重量部 からなることを特徴とする皮膜形成性シリコーン樹脂組
成物」および、「(1)ポリジオルガノシロキサンとア
ルキルトリアルコキシシランとを触媒の存在下に平衡化
反応させてアルコキシシリル官能性オルガノポリシロキ
サンを合成する工程、(2)得られたアルコキシシリル
官能性オルガノポリシロキサンを加熱して環状ジオルガ
ノシロキサン4量体を含む揮発性シロキサン成分を除去
する工程、(3)アルキルポリシリケートを添加する工
程、からなることを特徴とする、上記(A)成分と
(B)成分からなり、環状ジオルガノシロキサン4量体
の含有量が1重量%以下である皮膜形成性シリコーン樹
脂組成物の製造方法」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】最初に、本発明組成物について詳
細に説明する。
【0006】(A)成分のアルコキシシリル官能性オル
ガノポリシロキサンは、ポリジオルガノシロキサンとア
ルキルトリアルコキシシランとを触媒の存在下に平衡化
反応させて得られるシリコーンレジンである。ここで使
用されるポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結
合する有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル
基などのアルキル基;ビニル基,アリル基,5−ヘキセ
ニル基などのアルケニル基;フェニル基などのアリール
基;3,3,3-トリフルオロプロピル基,ノナフルオロヘキ
シル基などのハロアルキル基が例示される。具体的に
は、ポリジメチルシロキサン,ジメチルシロキサン・フ
ェニルメチルシロキサン共重合体,ジメチルシロキサン
・ジフェニルシロキサン共重合体が例示される。その分
子構造は直鎖状でも環状でもよい。直鎖状のオルガノポ
リシロキサンの場合は、25℃における粘度が高すぎな
いものであればよく、具体的には、分子鎖末端がトリオ
ルガノシロキシ基で封鎖された重合度100以下のポリ
ジメチルシロキサンが挙げられる。環状のポリジオルガ
ノシロキサンとしては、4量体から30量体程度のもの
が挙げられる。このような(A)成分に使用されるポリ
ジオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサ
ンが好ましく、環状のポリジメチルシクロシロキサンが
より好ましい。アルキルトリアルコキシシラン中のアル
キル基としては、メチル基,エチル基が挙げられ、アル
コキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基,イソプロポキシ基が挙げられる。具体的には、メ
チルトリメトキシシラン,メチルトリエトキシシラン,
メチルトリイソプロポキシシラン,エチルトリメトキシ
シラン、エチルトリエトキシシランが例示される。これ
らの中でもメチルトリエトキシシラン,エチルトリメト
キシシランが好ましい。ポリジオルガノシロキサンとア
ルキルトリアルコキシシランとの平衡化反応に用いる触
媒としては、シロキサンの平衡重合に通常使用される塩
基性触媒や酸性触媒を使用することができる。例えば、
水酸化カリウム,カリウムシラノレート,トリメチルア
ンモニウムハイドロキサイド,トリメチルアンモニウム
シラノレートなどの塩基性触媒;トリフルオロメタンス
ルホン酸,活性白土,濃硫酸などの酸性触媒が挙げられ
る。平衡化反応は、ポリジオルガノシロキサンとアルキ
ルトリアルコキシシランに触媒を加えた後、触媒の活性
な温度範囲、例えば50〜200℃の範囲に加熱して、
通常、1〜10時間反応させればよい。ポリジオルガノ
シロキサンとアルキルトリアルコキシシランの反応比率
は、一般にモル比で、1:0.1〜1:1の範囲であ
り、1:0.2〜1:0.5の範囲が好ましい。尚、本
発明では、平衡化反応後に加水分解は行わない。このよ
うにして得られる(A)成分のアルコキシシリル官能性
オルガノポリシロキサンは、通常、分子中にアルコキシ
基を10〜44重量%含有し、18〜33重量%含有す
ることが好ましい。またその重量平均分子量は、通常、
2,000以下であり、1,000以下であることがより
好ましい。
【0007】(B)成分のアルキルポリシリケートは、
アルコキシシランを加水分解縮合させたポリアルコキシ
シロキサンであり、テトラアルコキシシランの加水分解
縮合物であることが好ましい。アルコキシ基としては、
メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,イソプロポキ
シ基などが挙げられ、中でもエトキシ基が好ましい。こ
のような(B)成分は、2量体〜100量体のシロキサ
ン混合物であることが好ましく、2量体〜20量体のシ
ロキサン混合物であることがより好ましい。(B)成分
の配合量は(A)成分100重量部に対して10〜10
0重量部の範囲が好ましく、20〜60重量部の範囲が
より好ましい。
【0008】本発明組成物は上記(A)成分と(B)成
分からなるものであるが、さらに(C)成分として縮合
反応用触媒を添加配合することが好ましい。縮合触媒と
しては、従来公知のシラノール縮合反応促進触媒が使用
され、具体例としては、ジブチルスズジアセテ−ト,ジ
ブチルスズジオクテ−ト,ジブチルスズジラウレート,
ジブチルスズジマレート,ジオクチルスズジラウレー
ト,ジオクチルスズジマレート,オクチル酸スズなどの
有機スズ化合物;イソプロピルトリイソステアロイルチ
タネート,イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホス
フェート)チタネート,ビス(ジオクチルパイロホスフ
ェート)オキシアセテートチタネート,テトラアルキル
チタネートなどの有機チタネート化合物;テトラブチル
ジルコネート,テトラキス(アセチルアセトナート)ジ
ルコニウム,テトライソブチルジルコネート,ブトキシ
トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム,ナフテ
ン酸ジルコニウムなどの有機ジルコニウム化合物;トリ
ス(エチルアセトアセテート)アルミニウム,トリス
(アセチルアセトナート)アルミニウムなどの有機アル
ミニウム化合物;ナフテン酸亜鉛,ナフテン酸コバル
ト,オクチル酸コバルトなどの有機金属触媒;ジエタノ
−ルアミン,トリエタノ−ルアミン等の有機ケイ素化合
物を含まないアミン系触媒などが挙げられる。この
(C)成分の添加量は、(A)成分と(B)成分の合計
量100重量部に対して0.1〜10重量部が好まし
く、0.5〜10重量部がさらに好ましい。
【0009】さらに本発明組成物には、必要に応じて、
塩素化パラフィン,固形パラフィン,流動パラフィン,
ワセリン等を添加することができる。その添加量は、上
記(A)成分と(B)成分100重量部に対して10重
量部以下であることが好ましく、9重量部以下であるこ
とがより好ましい。この他にも、着色顔料,体質顔料,
防錆顔料などの顔料類;可塑剤,タレ止め剤,シランカ
ップリング剤,防汚剤などを適宜配合することができ
る。また、本発明組成物は有機溶媒により希釈されてい
てもよい。使用される有機溶媒は、(A)成分や(B)
成分を溶解するものであればよく、その種類や分子量に
よって適宜選択される。具体的には、トルエン,キシレ
ン等の芳香族系炭化水素;アセトン,メチルエチルケト
ン,メチルイソブチルケトン等のケトン類;ヘキサン,
オクタン,ヘプタン等の脂肪族系炭化水素;クロロホル
ム,塩化メチレン,トリクロロエチレン,四塩化炭素等
の有機塩素系溶剤;メタノール,エタノール,イソプロ
パノール,ブタノール,イソブタノール等のアルコール
類;酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエス
テル類;ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルトリ
シロキサンのような揮発性シリコーンの1種または2種
以上の混合溶剤が挙げられる。
【0010】次に、本発明組成物の製造方法について説
明する。本発明組成物は、例えば、次の工程(1)〜
(3)によって製造することができる。 (1)ポリジオルガノシロキサンとアルキルトリアルコ
キシシランとを触媒の存在下に平衡化反応させてアルコ
キシシリル官能性オルガノポリシロキサンを合成する工
程。 (2)得られたアルコキシシリル官能性オルガノポリシ
ロキサンを加熱して環状ジオルガノシロキサン4量体を
含む揮発性シロキサン成分を除去する工程。 (3)アルキルポリシリケートを添加する工程。
【0011】工程(1)の平衡化反応において、ポリジ
オルガノシロキサン、アルキルトリアルコキシシランお
よび触媒は前記の通りである。平衡化反応は、ポリジオ
ルガノシロキサンとアルキルトリアルコキシシランに触
媒を加えた後、触媒の活性な温度範囲、例えば50〜2
00℃の範囲に加熱して、通常、1〜10時間反応させ
ればよい。このとき、ポリジオルガノシロキサンに少量
のアルキルトリアルコキシシランと触媒を加えて反応を
開始させた後、残りのアルキルトリアルコキシシランを
添加する方法が好ましい。尚、ポリジオルガノシロキサ
ンとアルキルトリアルコキシシランの反応比率は、一般
にモル比で、1:0.1〜1:1の範囲であり、1:
0.2〜1:0.5の範囲が好ましい。
【0012】工程(2)は、工程(1)で副生した低分
子量の揮発性シロキサン成分を加熱除去する工程であ
る。このシロキサン成分中、環状ジオルガノシロキサン
4量体の生成量が最も多いが、その他5〜10量体の環
状ジオルガノシロキサンも、環状ジオルガノシロキサン
4量体と共に除去されることが望ましい。これらの環状
ジオルガノシロキサンは揮発性なので、その蒸発を促進
させて系外に排出させて除去すれば良く、必要に応じて
減圧下に加熱してもよい。またこのとき、工程(1)で
使用した平衡重合触媒を失活させることが好ましい。触
媒の失活は、塩基性触媒により平衡化反応を行った場合
には、当量の酸性物質を添加混合して中和すればよく、
例えば、炭酸ガスや塩化水素が挙げられる。酸性触媒に
より平衡化反応を行った場合には、当量の塩基性物質を
添加混合して中和すればよく、例えば、炭酸水素ナトリ
ウム,炭酸ナトリウム,水酸化ナトリウムが挙げられ
る。また、熱分解性の触媒であれば、加熱により温度を
上げて分解させればよい。この平衡重合触媒の失活は、
揮発性シロキサン成分を除去する前に実施してもよく、
除去した後に実施してもよい。塩基性触媒や酸性触媒が
中和により十分に失活していれば、揮発性シロキサン成
分を加熱除去する工程において反応溶液中に中和塩が存
在していてもよく、あるいは、中和塩が生成した時点で
ろ過などの方法で、予め反応溶液から除去してもよい。
このようにして得られるアルコキシシリル官能性オルガ
ノポリシロキサン中の環状ジオルガノシロキサン4量体
の含有量は、1重量%以下であることが好ましい。
【0013】工程(3)は、前記工程(1)および(2)
で得られたアルコキシシリル官能性オルガノポリシロキ
サンに、(B)成分のアルキルポリシリケートを添加す
る最後の工程である。
【0014】以上のような本発明組成物は、縮合反応用
触媒を配合すると、室温で速やかに硬化して各種無機材
料の表面に平滑な撥水性皮膜を形成するため、ガラス、
セラミックス、金属等の無機材料のコーティング剤とし
て有用である。さらに、溶液状態で長期間保管した場合
にも良好な保存安定性を示すという特徴を有する。ま
た、本発明の製造方法は、工程(2)において環状ジオ
ルガノシロキサン4量体を含む揮発性シロキサン成分を
除去するので、硬化性に優れた皮膜形成性シリコーン樹
脂組成物が得られるという特徴を有する。加えて、工程
(2)で除去された環状ジオルガノシロキサン成分は、
工程(1)の原料として最利用できるので連続生産が可
能であるという利点を有する。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例中、粘度は25℃における測定値である。
【0016】
【実施例1】攪拌機,マントルヒーター,還流冷却管,
温度計および滴下ロートを取り付けた内容量2Lのガラ
スフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン7
40gとメチルトリエトキシシラン20gを仕込んだ。
次いで、反応触媒として水酸化カリウムを4重量%含む
ジメチルシロキサン4gを加えて180℃まで昇温した
ところ、オクタメチルシクロテトラシロキサンの開環重
合とメチルトリエトキシシランとの平衡化反応が起こ
り、反応溶液の粘度上昇が認められた。引き続き加熱状
態を保ちながら、滴下ロートからメチルトリエトキシシ
ランをゆっくりと滴下したところ、低分子量物の還流が
確認された。その後還流状態を保ちながら、2時間かけ
てメチルトリエトキシシラン514gを滴下した。滴下
完了時の還流温度は165℃であった。得られた反応生
成物の分子量をガスクロマトグラフィーで測定したとこ
ろ、5量体にピークを持ち、2〜20重量体に分布を有
する平衡化反応物であることが確認された。さらに、揮
発物を系外に留去しながら、常圧で還流温度が195℃
に到達するまで加熱を継続した。このときの留去量は1
40gであった。得られた反応生成物の分子量をガスク
ロマトグラフィーで測定したところ、6量体にピークを
持ち、3〜20重量体に分布を有する、重量平均分子量
が500のエトキシシリル官能性ジメチルポリシロキサ
ンであることが確認された。また、このエトキシシリル
官能性ジメチルポリシロキサン中のオクタメチルシクロ
テトラシロキサンの含有量は1重量%以下であることが
確認された。このようにして得られたエトキシシリル官
能性ジメチルポリシロキサンを室温まで冷却した後、大
過剰のドライアイスを投入して触媒を中和失活させた。
生成した中和塩をろ過により除去して、エトキシシリル
官能性ジメチルポリシロキサン1130gを得た。次い
でこれに、粘度3.0 mm2/sのテトラエトキシシラ
ンの部分加水分解縮合物(平均分子量740、SiO2
の含有量41重量%、比重 1.050)435gを加
えて攪拌して、無色透明液体の混合物Aを調製した。得
られた混合物Aの粘度は3.6mm2/sであり、比重
は0.994であり、屈折率は1.3965であった。
【0017】このようにして得られた混合物A 100
重量部に、硬化触媒としてジブチル錫ジアセテート3重
量部を室温で混合して、シリコーン樹脂組成物を調製し
た。得られた組成物1mlを50×50mmのガラス基
板上に滴下した後、ガラス基板を立てかけて風乾した。
3日後に皮膜は十分に硬化し、指触でのべたつきは感じ
られなかった。得られた硬化皮膜は撥水性を有してお
り、その表面は平滑であった。また、上記で得られたシ
リコーン樹脂組成物150gを、225mL容量ガラス
ビン中に密閉して室温で3ヶ月保管したところ、3ヶ月
経過後の外観は製造直後と変わらず無色透明であり、ゲ
ル等の発生は認められなかった。粘度も調製直後とほぼ
同じで著しい変化は認められなかった。また、その分子
量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、縮合反
応等の化学反応が進行していないことが確認された。こ
れらのことから、本発明の皮膜形成性シリコーン樹脂組
成物は保存安定性に優れることが判明した。
【0018】
【実施例2】攪拌機、マントルヒーター、還流冷却管、
温度計および滴下ロートを取り付けた内容量2Lのガラ
スフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン7
40gとメチルトリエトキシシラン20gを仕込んだ。
次いで、反応触媒として水酸化カリウム0.5gを加え
て180℃まで昇温したところ、オクタメチルシクロテ
トラシロキサンの開環重合とメチルトリエトキシシラン
との平衡化反応が起こり、反応溶液の粘度上昇が認めら
れた。引き続き加熱状態を保ちながら、滴下ロートから
メチルトリエトキシシランをゆっくりと滴下したとこ
ろ、低分子量物の還流が確認された。その後還流状態を
保ちながら、2時間かけてメチルトリエトキシシラン4
70gとエチルトリメトキシシラン34.5gとの混合
液を滴下した。滴下完了時の還流温度は165℃であっ
た。得られた反応生成物の分子量をガスクロマトグラフ
ィーで測定したところ、5量体にピークを持ち、2〜2
0重量体に分布を有する平衡化反応物であることが確認
された。さらに揮発物を系外に留去しながら、常圧で還
流温度が195℃に到達するまで加熱を継続した。この
ときの留去量は135gであった。得られた平衡化反応
物の分子量をガスクロマトグラフィーで測定したとこ
ろ、6量体にピークを持ち、3〜20重量体に分布を有
する、重量平均分子量が600のアルコキシシリル官能
性オルガノポリシロキサンであることが確認された。こ
のアルコキシシリル官能性オルガノポリシロキサン中の
オクタメチルシクロテトラシロキサンの含有量は1重量
%以下であることが確認された。このようにして得られ
たアルコキシシリル官能性オルガノポリシロキサンを室
温まで冷却した後、大過剰のドライアイスを投入して触
媒を中和失活させた。生成した中和塩をろ過により除去
して、アルコキシシリル官能性オルガノポリシロキサン
1100gを得た。次いでこれに、粘度3.0mm2
sのテトラエトキシシランの部分加水分解縮合物(平均
分子量740、SiO2の含有量41重量%、比重 1.
050)423gを加えて攪拌して、無色透明液体の混
合物Bを調製した。得られた混合物Bの粘度は4.3m
2/sであり、比重は0.997であり、屈折率は
1.3985であった。
【0019】このようにして得られた混合物B 100
重量部に、硬化触媒としてジブチル錫ジアセテート3重
量部を室温で混合して、シリコーン樹脂組成物を調製し
た。得られた組成物1mlを50×50mmのガラス基
板上に滴下した後、ガラス基板を立てかけて風乾した。
3日後に皮膜は十分に硬化し、指触でのべたつきは感じ
られなかった。得られた硬化皮膜は撥水性を有してお
り、その表面は平滑であった。また、上記で得られたシ
リコーン樹脂組成物150gを、225mL容量ガラス
ビン中に密閉して室温で3ヶ月保管したところ、3ヶ月
経過後の外観は製造直後と変わらず無色透明であり、ゲ
ル等の発生は認められなかった。粘度も調製直後とほぼ
同じで著しい変化は認められなかった。また、その分子
量をガスクロマトグラフィーで測定したところ、縮合反
応等の化学反応が進行していないことが確認された。こ
れらのことから、本発明の皮膜形成性シリコーン樹脂組
成物は保存安定性に優れることが判明した。
【0020】
【比較例1】攪拌機、マントルヒーター、還流冷却管、
温度計および滴下ロートを取り付けた内容量2Lのガラ
スフラスコに、メチルトリエトキシシラン1360g
(10.0mol)およびメタノール200gを仕込
み、攪拌しながら0.0025規定の塩酸水171gを
ゆっくりと滴下した。滴下完了後、還流温度(約70
℃)で3時間保持して、加水分解および縮合反応を行っ
た。次いで、常圧100℃の条件下で揮発分を留去した
後、徐々に減圧を行い、40mmHg、150℃の条件
下でさらに揮発分を減圧留去して、加水分解反応物(反
応物C)620gを得た。この反応生成物Cの分子量を
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したと
ころ、その重量平均分子量は2500であった。
【0021】このようにして得られた反応生成物C 1
00重量部に、硬化触媒としてジブチル錫ジアセテート
3重量部を室温で混合して、シリコーン樹脂組成物を調
製した。得られた組成物1mLを50×50mmのガラ
ス基板上に滴下した後、ガラス基板を立てかけて風乾し
た。3日後に皮膜は十分に硬化し、指触でのべたつきは
感じられなかった。得られた硬化皮膜は撥水性を有して
いたが、その表面は平滑ではなくミクロゲルの発生によ
る微小な凹凸が確認された。また、上記で得られたシリ
コーン樹脂組成物150gを、225mL容量ガラスビ
ン中に密閉して室温で保管したところ、1週間経過後に
は微濁してビン底部にゲル状物の白色沈殿が確認され
た。加えて、縮合反応による溶液粘度の上昇も確認され
た。これらのことから、得られたシリコーン樹脂組成物
は保存安定性が不十分であることが判明した。
【0022】
【比較例2】攪拌機、マントルヒーター、還流冷却管、
温度計および滴下ロートを取り付けた内容量2Lのガラ
スフラスコに、メチルトリエトキシシラン1346g
(9.9mol)、エチルトリメトキシシラン15g
(0.1mol)およびメタノール200gを仕込み、
これらを攪拌しながら0.0025規定の塩酸水171
gをゆっくりと滴下した。滴下完了後、還流温度(約7
0℃)で3時間保持して、加水分解および縮合反応を行
った。次いで、常圧100℃の条件下で揮発分を留去し
た後、徐々に減圧を行い、40mmHg、150℃の条
件下でさらに揮発分を減圧留去して、加水分解反応物
(反応物D)615gを得た。この反応生成物Dの分子
量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
たところ、その重量平均分子量は2400であった。
【0023】このようにして得られた反応生成物D 1
00重量部に、硬化触媒としてジブチル錫ジアセテート
3重量部を室温で混合して、シリコーン樹脂組成物を調
製した。得られた組成物1mLを50×50mmのガラ
ス基板上に滴下した後、ガラス基板を立てかけて風乾し
た。3日後に皮膜は十分に硬化し、指触でのべたつきは
感じられなかった。得られた硬化皮膜は撥水性を有して
いたが、その表面は平滑ではなくミクロゲルの発生によ
る微小な凹凸が確認された。また、上記で得られたシリ
コーン樹脂組成物150gを、225mL容量ガラスビ
ン中に密閉して室温で保管したところ、1週間経過後に
は微濁してビン底部にゲル状物の白色沈殿が確認され
た。加えて、縮合反応による溶液粘度の上昇も確認され
た。これらのことから、得られたシリコーン樹脂組成物
は保存安定性が不十分であることが判明した。
【0024】
【発明の効果】本発明の皮膜形成性シリコーン樹脂組成
物は、上記(A)成分と(B)成分各所定量からなるの
で、室温で速やかに硬化して、撥水性に優れた平滑な硬
化皮膜を形成するという特徴を有する。また、本発明の
製造方法は、硬化性に優れた本発明組成物を効率よく製
造することができるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DL021 DL031 GA01 GA12 HA146 HA176 HA376 JA44 JB09 JC13 JC32 JC35 JC38 JC41 KA04 MA08 MA10 NA07 NA25 PA18 PB09 PC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリジオルガノシロキサンとアルキルトリアルコキシ シランとを触媒の存在下に平衡化反応させて得られるアルコキシシリル官能性オ ルガノポリシロキサン 100重量部、 および (B)アルキルポリシリケート 10〜100重量部、 からなることを特徴とする皮膜形成性シリコーン樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリジオルガノシロキサン
    がポリジメチルシロキサンであり、アルキルトリアルコ
    キシシランがメチルトリエトキシシランまたはエチルト
    リメトキシシランであることを特徴とする、請求項1に
    記載の皮膜形成性シリコーン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のポリジオルガノシロキサン
    がポリジメチルシクロシロキサンであることを特徴とす
    る、請求項1または請求項2に記載の皮膜形成性シリコ
    ーン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のアルキルポリシリケートが
    ポリエトキシシロキサンであることを特徴とする、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーン
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 環状ジオルガノシロキサン4量体の含有
    量が1重量%以下であることを特徴とする、請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーン樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 さらに(C)縮合反応用触媒を、(A)
    成分と(B)成分の合計量100重量部に対して0.1
    〜10重量部含有することを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の皮膜形成性シリコーン樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 (1)ポリジオルガノシロキサンとアル
    キルトリアルコキシシランとを触媒の存在下に平衡化反
    応させてアルコキシシリル官能性オルガノポリシロキサ
    ンを合成する工程、(2)得られたアルコキシシリル官
    能性オルガノポリシロキサンを加熱して環状ジオルガノ
    シロキサン4量体を含む揮発性シロキサン成分を除去す
    る工程、(3)アルキルポリシリケートを添加する工
    程、からなることを特徴とする、請求項5に記載の皮膜
    形成性シリコーン樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002317153A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Dow Corning Toray Silicone Co Ltd ガラス容器のかすれ傷塗布剤
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