JP3546727B2 - オルガノポリシロキサンガムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、末端単位のヒドロキシル基含有量が少なく、各種シリコーンゴム組成物の成分として好適なオルガノポリシロキサンガムを簡単な工程で製造することができる新規なオルガノポリシロキサンガムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
オルガノポリシロキサン重合体の製造方法としては、例えば、環状オルガノシロキサンをアルカリ触媒の存在下で重合後、所望であれば触媒を中和・失活させ、生成物中の低揮発分を留去する方法が知られている。この場合、かかる重合体の重合度は、末端停止剤として作用する低分子量のオルガノポリシロキサンの使用量で調節される。また、生成されるオルガノポリシロキサンの末端単位の構造は、前記末端停止剤の構造に依存する。
【0003】
しかし、オルガノポリシロキサンの製造方法においては、原料中に含まれる微量水分が末端停止剤として作用するため、所望の末端単位にそぐわず、得られるオルガノポリシロキサンの末端単位にヒドロキシル基が形成される。このように生成した末端ヒドロキシル基を有する高分子量のオルガノポリシロキサンガムは、これをシリカ等の補強材と共に混練りし、シリコーンゴムコンパウンドを調製したとき、オルガノポリシロキサンガム末端のヒドロキシル基とシリカ表面のヒドロキシル基との相互作用により、経時変化によってゴムコンパウンドのクレープハードニング(Crepe hardening)が発生する。このようにクレープハードニングを生じたゴムコンパウンドは、使用前に2本ロール等の混練機等を用いて再度強力な剪断力を与え、初期の状態に近づけなければならないという問題があった。
【0004】
従って、シリコーンゴムコンパウンド原料としてオルガノポリシロキサンガムを使用する場合、通常、末端単位がトリオルガノシリル基であるように設計されることが望ましい。ところが、前述のように、予期せぬ要因により末端単位にヒドロキシル基が生成してしまうのが現状であり、このため、上記オルガノポリシロキサンガムの製造においては、上記ヒドロキシル基含有量を低減させる必要があった。
【0005】
この場合、一般にオルガノポリシロキサンガムの製造においては、出発原料となる環状オルガノポリシロキサンや末端停止剤としての低分子量の線状オルガノポリシロキサン中の微量水分を除去するため、これら原料を予めN2などの不活性ガスを吹き込んだり、シリカゲル又はモレキュラーシーブなどの乾燥剤を用いて乾燥させるといった前処理操作が行われてはいるが、このような反応前処理操作を行うことは工程数が増えて面倒であった。
【0006】
また、特開昭58−69228号公報には、原料中の水分の影響を低減するため、環状オルガノポリシロキサンの一部を重合触媒の存在下で重合開始温度より少なくとも10℃低い温度で蒸留留去する方法が開示されているが、この方法も反応前に煩雑な原料処理工程を要することから、面倒であるという問題があった。
【0007】
更に、特開昭60−49033号公報には、オルガノポリシロキサン末端単位のヒドロキシル基を低減させる方法として、アルカリ触媒をトリオルガノハロシランとヘキサオルガノジシラザンの添加により中和する方法が開示されている。しかし、この方法は、ヒドロキシル基の低減化を達成することができるものの、工程数が増えるという煩雑さの他に、ハロシランの使用による金属設備の腐食という点で問題があった。
【0008】
従って、高重合度のオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンガム)の製造において、末端単位のヒドロキシル基含有量を効率よく低減させる技術の開発が望まれた。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、末端単位のヒドロキシル基含有量が少ない品質の安定したオルガノポリシロキサンガムを簡単な工程で効率的に製造することができるオルガノポリシロキサンガムの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、環状オルガノポリシロキサンを熱分解型重合触媒の存在下で末端がトリオルガノシリル基で封鎖された低分子量の線状オルガノポリシロキサンと共に重合させてオルガノポリシロキサンガムを製造する方法において、前記重合反応後の加熱及び熱分解型重合触媒の分解失活工程を常圧未満の減圧下、好ましくは500mmHg以下で行うことにより、末端単位にヒドロキシル基をほとんど含まないオルガノポリシロキサンガムを前処理操作を行うことなく簡単な工程で、しかも設備の腐食などの問題もなく、工業的に有利な方法で製造できること、それ故、この方法で得られるオルガノポリシロキサンガムは、シリコーンゴム組成物の成分としてシリカ等の補強材と共に配合してもクレープハードニング現象などを生じることがないことから、シリコーンゴム組成物用成分として幅広く利用できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0011】
従って、本発明は、環状オルガノポリシロキサンを熱分解型重合触媒として、ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン及び/又はアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンの存在下で末端がトリオルガノシリル基で封鎖された低分子量の線状オルガノポリシロキサンと共に重合させて、オルガノポリシロキサンガムを製造する方法において、前記重合反応後の加熱及び熱分解型重合触媒の分解失活工程を常圧未満の減圧下で行うことを特徴とするオルガノポリシロキサンガムの製造方法を提供する。
【0012】
以下、本発明について更に詳しく説明すると、本発明のオルガノポリシロキサンガムの製造方法は、環状オルガノポリシロキサンを熱分解型重合触媒の存在下で末端がトリオルガノシリル基で封鎖された低分子量の線状オルガノポリシロキサンと共に重合して高分子量のオルガノポリシロキサンガムを得るものである。
【0013】
ここで、上記原料としては公知のものが使用できるが、環状オルガノポリシロキサンとしては、下記式(1)で示されるものが好適に使用できる。
【0014】
【化1】
(式中、R1,R2はそれぞれ非置換又は置換の一価炭化水素基を表す。nは3以上の整数である。)
【0015】
上記式(1)において、R1,R2はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは炭素数1〜12、特に1〜8のものであり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、フェニルエチル基等のアラルキル基、アルカリール基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基、α−シアノフェニルエチル基などが挙げられ、好ましくはメチル基、フェニル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基である。nは3以上の整数、好ましくは3〜8の整数、更に好ましくは4である。
【0016】
上記式(1)の環状オルガノポリシロキサンしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等のジメチルシロキサン環状体、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のメチルビニルシロキサン環状体、オクタフェニルシクロテトラシロキサン等のジフェニルシロキサン環状体、トリメチルトリフルオロプロピルシクロトリシロキサン等のメチルトリフルオロプロピルシロキサン環状体などが挙げられる。これらの中では、原料調達の容易さの点からオクタメチルシクロテトラシロキサン等のジメチルシロキサン環状体が好ましく、また、架橋点としてのアルケニル基導入の点からはメチルビニルシロキサン環状体の併用が好ましい。これらの環状シロキサンは、単独で用いても2種以上の環状シロキサンの混合物であってもかまわないが、n=4の環状体を40%以上、特に60%以上含有することが好ましい。
【0017】
これらの環状オルガノポリシロキサンは公知の方法で得ることができ、例えばジメチルジクロロシランを加水分解することにより、ジメチルシロキサン環状体の混合物が得られる。必要により蒸留することにより単体を得ることができる。
【0018】
また、低分子量の線状オルガノポリシロキサンは、末端封止剤として作用し、重合反応を停止させることにより、重量平均分子量を調節するために配合するものである。この末端封止剤としては、例えばビニル連鎖停止剤、メチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖停止剤などの公知の連鎖停止剤を用いることができ、具体的に、下記式(2)で示されるものなどが挙げられる。なお、これらの末端停止剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合してもよく、最終生成物の目的用途に応じて選択することができる。本発明では、これらの中で特にメチル連鎖停止剤等のトリアルキルシロキシ連鎖停止剤やビニル連鎖停止剤のアルケニル基含有アルキルシロキシ連鎖停止剤が好ましく使用される。
【0019】
【化2】
【0020】
上記式(2)中、R3〜R8はそれぞれ互いに同一又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基を表す。このR3〜R8の1価炭化水素基としては、上記式(1)のR1,R2と同様の炭素数を有するものが好ましく、上述したものと同様の基とすることができる。R7,R8は特にメチル基又はビニル基であることが好ましい。nは1〜200、好ましくは10〜100、特に好ましくは20〜80の整数である。
【0021】
上記末端封止剤の配合量は、式(1)の環状オルガノポリシロキサン100部(重量部、以下同じ)に対して0.0001〜10部、特に0.0001〜5部とすることが好ましい。
【0022】
熱分解型重合触媒としては、例えば水酸化第四級ホスホニウム、アンモニウム化合物等が例示されるが、特にホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン、アンモニウム基含有オルガノポリシロキサン等が好ましく使用される。上記ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、n−テトラブチルホスホニウムハイドロキサイド、テトラフェニルホスホニウムハイドロキサイド、テトラメチルホスホニウムハイドロキサイド等の水酸化第四級ホスホニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応させることなどにより得ることができる。具体的には、例えばn−テトラブチルホスホニウムハイドロキサイドとヘキサメチルシクロトリシロキサンを1:10の重量比で仕込み、温度40〜45℃,30mmHgの圧力下で10〜20時間反応させ、十分に脱水して透明状とした後、更に20mmHgの圧力下で2時間程度反応を継続させることにより得ることができる。
【0023】
同様にアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンも、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラフェニルアンモニウムハイドロキサイド等の水酸化第四級アンモニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンとを反応させることなどにより得ることができ、具体的には、水酸化第四級アンモニウムとヘキサメチルシクロトリシロキサンを1:100〜1:5の割合で混合させ、40〜60℃,1〜200mmHgで1〜10時間反応させることが好ましい。
【0024】
熱分解型重合触媒の配合量は、環状オルガノポリシロキサンと末端がトリオルガノシリル基で封鎖された低分子量の線状オルガノポリシロキサン成分の総量に対し1〜1,000ppm、特に10〜500ppmとすることが好ましい。1ppm未満では十分な重合が得られない場合があり、1,000ppmを超えると残存化合物の除去が困難となったり、得られたシロキサン生ゴムの外観や臭気、耐熱性、架橋特性などに悪影響が生じる場合がある。
【0025】
上記出発原料を用いた場合、即ち平衡化反応の反応条件としては、通常の温度条件、例えば80〜130℃で30分〜2時間の条件を採用することができる。
【0026】
また、上記反応物の熱分解型重合触媒を失活させる条件としては、通常の温度条件、例えば130〜200℃、好ましくは140〜180℃で30分〜2時間の条件を採用することができるが、本発明においては、この加熱及び熱分解型重合触媒の失活工程を常圧未満の減圧下で行うことを特徴とする。
【0027】
この場合、本発明方法では、従来は常圧〜微加圧下で行われていた熱分解型重合触媒の失活工程を常圧より低い圧力で行うことにより、熱分解型重合触媒の失活反応と同時に反応系内に存在する水分を効率よく除去することができるもので、減圧は、常圧未満、好ましくは500mmHg以下、より好ましくは30〜100mmHgである。圧力が常圧以上では水分を十分に除去できず、末端単位のヒドロキシル基が生成してしまい、本発明の目的を達成することができない。また、加熱を行わず、重合工程を常圧未満の減圧下で行うのみでは、熱分解型重合触媒の失活工程で生成する末端単位のヒドロキシル基を除去することができず、本発明の目的を達成することができない。
【0028】
このようにして得られたオルガノポリシロキサンガムは、このまま使用することも可能であるが、通常は得られたオルガノポリシロキサンガム中に残存する低分子シロキサンや触媒の分解副生物などの揮発性物質を取り除いて使用することが望ましい。そのためには熱分解型重合触媒の失活後、得られた重合反応物中に重合残分として残存するシクロポリシロキサン及び揮発性成分を除去することが好ましい。
【0029】
なお、以上の方法によって得られるオルガノポリシロキサンガムは、通常、平均重合度が3,000以上、特に4,000以上のものである。平均重合度の上限は特に制限されないが、一般的には30,000以下である。
【0030】
また、得られたオルガノポリシロキサンガムは、その末端単位が実質的にすべて上記低分子量線状オルガノポリシロキサン末端のトリオルガノシリル基に由来するトリオルガノシリル基で封鎖されたもので、末端ヒドロキシル基量が顕著に減少したものであり、後述する相対粘度比で1.10以下、特に1.05以下のものである。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0032】
〔実施例1〕
高粘度流体を撹拌するのに十分な撹拌モーター、撹拌羽根を備えた4Lのステンレススチール製反応器にオクタメチルシクロテトラシロキサン1800g、25℃での粘度60csのビニルジメチルシリル基末端ポリジメチルシロキサン9.6gを仕込み、約1時間かけて110℃に昇温した。この原料中の水分は120ppmであった。温度が110℃に到達した後、水酸化テトラ−n−ブチルホスホニウムを10%含有するジメチルポリシロキサネート3gを添加して、反応器内の圧力を常圧で110℃に保ちながら重合反応させた。30分経過したところで内容物を確認したところ、内容物が十分に高分子化していることが確認された。引き続き反応器内の圧力を200mmHgに保ちながら温度を上げ、150〜180℃で2時間保温し、水酸化テトラ−n−ブチルホスホニウムを熱分解させた。その後、反応器内の圧力を5mmHg以下となるまで徐々に下げ、約2時間かけて低揮発分を留去した。得られたオルガノポリシロキサンガムは、数平均分子量500,000、平均重合度6,500の無色透明生ゴム状生成物であった。
【0033】
次いで、得られたオルガノポリシロキサンガム10gをトルエン90gに溶解させ、このトルエン溶液にテトラメトキシシラン0.5gとテトラプロピルチタネートを数滴添加した。この溶液の初期粘度及び1時間後の粘度を測定したところ、その相対粘度比[1時間後の粘度/初期粘度]は1.02であった。
相対粘度比がほぼ1であることは、オルガノポリシロキサンガム中にヒドロキシル基がほとんど存在しないことにより、テトラメトキシシランのメトキシ基とヒドロキシル基との縮合反応が行われず、粘度変化がなかったということを意味する。
【0034】
〔比較例1〕
実施例1と同量のオクタメチルシクロテトラシロキサン及びビニルジメチルシリル基末端ポリジメチルシロキサンを反応器に仕込み、窒素を通気しながら温度を110℃とし、更に窒素通気を1時間続けて内容物を乾燥させた。この原料中の水分は約20ppmであった。その後、実施例1と同量の水酸化テトラ−n−ブチルホスホニウムを10%含有するジメチルポリシロキサネートを添加し、重合反応から水酸化テトラ−n−ブチルホスホニウムの熱分解までの一連の工程を常圧で行ったこと以外は実施例1と同様の手順により、オルガノポリシロキサンガムを調製した。
【0035】
得られたオルガノポリシロキサンガムは、数平均分子量320,000、平均重合度4,500であり、実施例1と同様の方法により測定した相対粘度比は1.27であった。相対粘度比が1.27であったことから、原料を予め乾燥したにも拘らず、原料中の水分がオルガノポリシロキサンの末端に取り込まれてヒドロキシル基が形成されたことが示唆される。
【0036】
〔実施例2〕
実施例1と同量のオクタメチルシクロテトラシロキサン及びビニルジメチルシリル基末端ポリジメチルシロキサンを反応器に仕込み、約1時間かけて110℃に昇温した。この原料中の水分は130ppmであった。温度が110℃に到達した後、水酸化テトラ−n−ブチルホスホニウムを10%含有するジメチルポリシロキサネート3gを添加して反応器内の圧力を常圧で110℃に保ちながら重合反応させた。引き続き反応器内の圧力を50mmHgに保ちながら温度を150〜180℃に上げた以外は実施例1と同様の手順により、オルガノポリシロキサンガムを調製した。
【0037】
得られたオルガノポリシロキサンガムは、数平均分子量520,000、平均重合度6,700であり、実施例1と同様の方法により測定した相対粘度比は1.00であった。
【0038】
実施例1,2及び比較例1の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
表1の結果より、本発明の製造方法によれば、得られたオルガノポリシロキサンガム(実施例1,2)の相対粘度比が比較例1のものより小さく、またその値がほぼ1であることから、原料の事前処理を行うことなく効率的に末端単位のヒドロキシル基含有量が少ないオルガノポリシロキサンガムが得られることが確認された。
【0041】
【発明の効果】
本発明のオルガノポリシロキサンガムの製造方法によれば、原料の乾燥等の煩雑な前処理を行うことなく、簡単な工程で、オルガノポリシロキサンガム末端単位のヒドロキシル基の形成を飛躍的に低減でき、しかも設備の腐食等の心配もないもので、シリコーンゴム組成物の成分としてシリカ等の補強材と共に配合してもクレープハードニング現象などを生じることのない、高品質なオルガノポリシロキサンガムを工業的に有利に安定して製造することができる。
Claims (3)
- 環状オルガノポリシロキサンを熱分解型重合触媒として、ホスホニウム基含有オルガノポリシロキサン及び/又はアンモニウム基含有オルガノポリシロキサンの存在下で末端がトリオルガノシリル基で封鎖された低分子量の線状オルガノポリシロキサンと共に重合させて、オルガノポリシロキサンガムを製造する方法において、前記重合反応を行った後、加熱して前記熱分解型重合触媒を失活させる工程を常圧未満の減圧下で行うことを特徴とするオルガノポリシロキサンガムの製造方法。
- 熱分解型重合触媒の失活工程を500mmHg以下の減圧下で行う請求項1記載の製造方法。
- 熱分解型重合触媒の失活工程を30〜100mmHgの減圧下で行う請求項2記載の製造方法。
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