JP2002194012A - 水分散体の製造方法およびその水分散体 - Google Patents
水分散体の製造方法およびその水分散体Info
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Abstract
て乳化重合を行う水分散体の製造方法で、重合時に凝集
物の発生しない安定な水分散体の製造方法を提供すると
ともに、光沢やブロッキング性に優れた水分散体を提供
する 【解決手段】カルボキシル基含有不飽和単量体とカルボ
ニル基含有不飽和単量体とを含むラジカル重合可能な不
飽和単量体(X)を乳化重合して1次重合体(a)とす
る第1の工程;前記1次重合体(a)を塩基性物質で中
和して1次重合体(a’)とする第2の工程;および、
ラジカル重合性の不飽和基を2個以上有する不飽和単量
体を含むラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)を、前
記1次重合体(a’)の存在下で乳化重合して2次重合
体(b)とする第3の工程を含む3つの工程から水分散
体(c)を合成し、さらに、ヒドラジド化合物を添加し
てなる水分散体(d)の製造方法。
Description
安定性、成膜性の良好な水分散体の製造方法およびその
水分散体に関し、さらに詳しくは、紙、フィルム、金
属、ガラス、木材、皮革などの各種基材に使用すること
のできるコーティング用、インキ用水分散体であり、ロ
ールコート適性に優れ、光沢、耐水性、耐溶剤性、ブロ
ッキング性、密着性の良好な塗膜を形成する水分散体に
関する。
量体を重合してなる水分散体の重合方法として、乳化重
合法は多岐にわたり利用されている。一般的な乳化重合
法としては、水媒体中で界面活性剤を使用し、そのミセ
ル中でラジカル重合を行う方法がある。この方法で作ら
れた水分散体は分子量が高く、コーティング用樹脂とし
て使用した場合には優れた物性をもつ塗膜が得られる。
反面、高分子量であるため成膜性が悪く光沢のよい塗膜
を得るのが難しい。また得られた水分散体の粘性はチキ
ソ性が強く、スプレーコートには適しているがロールコ
ートには適していない。
水溶性の樹脂を高分子乳化剤として使用する乳化重合法
が知られている。この方法で作られた水分散体は、水溶
性樹脂が比較的多く存在するために成膜性がよく、ある
程度の高光沢な塗膜が得られる。また、粘性もニュート
ニアンに近くロールコートに適しているという特徴があ
る。この方法に用いられる高分子乳化剤としては、さま
ざまな水溶性樹脂が利用されており、これを用いたラジ
カル重合による製造方法としては溶液重合、塊状重合、
乳化重合などによる方法が知られている。
必要性があり効率性、経済性がよくない。塊状重合によ
る方法は得られた固形樹脂を水に溶解する工程が必要で
あり効率性に問題がある。
の重合を行うことができるため最も効率のよい方法であ
る。例えば、特公平6−81765号公報には、親水性
の1次重合体を乳化重合で作成して、次に疎水性の2次
重合体を乳化重合する方法が示されている。
て使用する乳化重合法は酸価の高い水溶性樹脂を比較的
多く使用しているため耐水性が悪いという欠点を持って
いる。また、紙コーティングなどの光沢を必要として、
かつ塗装面同士が接触する可能性がある用途に使用する
場合、耐水性が悪いとブロッキング性が悪くなる傾向に
ある。この問題を解決するために樹脂のTgを高くし塗
膜の軟化を抑えたり、樹脂の酸価を下げて耐水性を上げ
る検討がなされている。樹脂のTgを高くすると成膜性
が低下し、光沢に悪影響をおよぼす。樹脂の酸価を下げ
ると乳化重合時の安定性に問題が生じ凝集物が多量に発
生する。さらに酸価を下げる代わりに親水性の単量体を
使用する試みもされているが、樹脂全体の親水性を大き
く下げていることにはなっておらず、かつ乳化重合での
安定性もそれほど改善されていないのが現状である。
化重合により作成した高分子乳化剤を使用して乳化重合
を行う水分散体の製造方法で、重合時に凝集物の発生し
ない安定な水分散体の製造方法を提供するとともに、光
沢やブロッキング性に優れた水分散体を提供することを
課題とする。
〜25重量%のカルボキシル基含有不飽和単量体と1〜
10重量%のカルボニル基含有不飽和単量体とを含むラ
ジカル重合可能な不飽和単量体(X)を乳化重合して1
次重合体(a)とする第1の工程;前記1次重合体
(a)を塩基性物質で中和して1次重合体(a’)とす
る第2の工程;および、不飽和単量体(Y)全体に対し
て0.1〜10重量%のラジカル重合性の不飽和基を2
個以上有する不飽和単量体を含むラジカル重合可能な不
飽和単量体(Y)を、前記1次重合体(a’)の存在下
で乳化重合して2次重合体(b)とする第3の工程を含
む3つの工程から水分散体(c)を合成し、さらに、水
分散体(c)に含まれるカルボニル基に対してモル当量
比で0.5〜1.5であるヒドラジド化合物を添加して
なる水分散体(d)の製造方法に関する。
ジカル重合可能な不飽和単量体(Y)が、1〜10重量
%のカルボニル基含有不飽和単量体を含むことを特徴と
する上記製造方法に関する。
1の工程のラジカル重合可能な不飽和単量体(X)に由
来する部分と、第3の工程のラジカル重合可能な不飽和
単量体(Y)に由来する部分との重量比が9:1〜3:
7であることを特徴とする上記製造方法に関する。
なる水分散体に関する。
を説明するが、本発明は以下の説明に限定されるもので
はない。
めに2回(第1の工程および第3の工程)の乳化重合を
行う。第1の工程は1次重合体(a)を重合する工程で
あり、5〜25重量%のカルボキシル基含有不飽和単量
体と1〜10重量%のカルボニル基含有不飽和単量体と
を含むラジカル重合可能な不飽和単量体(X)を乳化重
合する。
な不飽和単量体(X)は、カルボキシル基含有不飽和単
量体、カルボニル基含有不飽和単量体、および、その他
のラジカル重合可能な不飽和単量体からなる。
和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などの重合
性不飽和カルボン酸およびそれらの無水物などから1種
または2種以上を選択することができる。
の工程で使用するラジカル重合可能な不飽和単量体
(X)中の5〜25重量%であることが望ましい。カル
ボキシル基含有不飽和単量体が5重量%より少ないと、
重合安定性が悪く凝集物が多量に発生して生産効率に悪
影響を及ぼす。一方、25重量%より多いと、コーティ
ング剤に使用した場合、塗膜の耐水性が悪くなる。
単量体としては、ダイアセトンアクリルアミド、ダイア
セトンメタアクリルアミド、アクロレイン、N−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、アセトアセト
キシエチルアクリレート、アセトアセトキシプロピルア
クリレート、アセトアセトキシブチルアクリレート、ア
セトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキ
シプロピルメタクリレート、アセトアセトキシブチルメ
タクリレートなどから1種または2種以上を選択するこ
とができる。
工程においては、第1の工程で使用するラジカル重合可
能な不飽和単量体(X)中の1〜10重量%であること
が望ましい。カルボニル基含有不飽和単量体は分子中に
2個以上のヒドラジド基を有する化合物を架橋剤として
用いることにより常温で架橋反応を起こすことが知られ
ている。このことにより、酸価が高く耐水性の悪い1次
重合体(a’)を後架橋し、最終的にブロッキング性を
大きく向上させることができた。しかしながら、カルボ
ニル基含有不飽和単量体を1重量%より少なく使用する
と、架橋性が十分でなく、ブロッキング性に対する効果
がみられない。一方、10重量%より多く使用すると、
水分散体(d)の保存安定性が悪くなり、ゲル化する傾
向にある。
能な不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミ
ル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチ
ル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアク
リル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル
酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタク
リル酸ドデシルなどのメタクリル酸アルキルエステル
類;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマ
ー;N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−メチロールメタアクリルアミ
ド、N−ブトキシメチルメタアクリルアミドなどのN−
置換アクリル、メタクリル系モノマー;アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有
モノマー;並びにアクリロニトリルなどから1種または
2種以上を選択することができる。
は、前記1次重合体(a)を塩基性物質で中和して1次
重合体(a’)とする。この操作により1次重合体
(a)は高分子乳化剤としての機能を十分発揮できるよ
うになる。
ニア;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルア
ミン等のアルキルアミン類;2−ジメチルアミノエタノ
ール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ア
ミノメチルプロパノール等のアルコールアミン類;モル
ホリン等の塩基で中和することができる。
有単量体のカルボキシル基と、塩基性物質の塩基とを反
応させることを意味し、必ずしも、中和後のpHが7付
近である必要はない。従って、中和の程度は特に制限は
なく、1次重合体(a’)が高分子乳化剤として機能す
る範囲で行うことができる。
飽和単量体(Y)全体に対して0.1〜10重量%のラ
ジカル重合性の不飽和基を2個以上有する不飽和単量体
を含むラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)を、前記
1次重合体(a’)の存在下で乳化重合して2次重合体
(b)を作成する。
基を2個以上有する不飽和単量体としては、ジビニルベ
ンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、ポリエチレンジアクリレー
ト、ポリエチレンジメタクリレート、1,4−ブタンジ
オールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオ−ルジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオ−ルジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプ
ロパン、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプ
ロパン、2,2−ビス{4−(アクリロキシエトキシ)
フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(メタクリロ
キシエトキシ)フェニル}プロパン、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリト
ールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、
ペンタエリスリトールトテトラアクリレート、ペンタエ
リスリトールトテトラメタクリレート、ペンタエリスリ
トールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトペ
ンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ペンタエリスリトールヘキサメタクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラメタクリレートなどから1種
または2種以上を選択することができる。
和基を2個以上有する不飽和単量体は、第3の工程で使
用するラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)中の0.
1〜10重量%であることが望ましい。ラジカル重合性
の不飽和基を2個以上有する単量体を0.1重量%より
少なく使用すると、コーティング剤に使用した場合、特
にブロッキング性の効果が現れてこない。一方、10重
量%より多く使用すると、重合時の安定性に問題が生
じ、凝集物の発生やゲル化が起こりやすくなる。もし重
合できたとしてもコーティング剤に使用した場合、粒子
が硬く成膜性に問題が起こる。
は、ラジカル重合性の不飽和基を2個以上有する不飽和
単量体以外のラジカル重合可能な不飽和単量体としてカ
ルボニル基含有不飽和単量体を使用することも特徴とし
ている。カルボニル基含有不飽和単量体は第1の工程で
説明した単量体の中から1種または2種以上から選択す
ることができる。
和単量体は、第3の工程で使用するラジカル重合可能な
不飽和単量体(Y)中の1〜10重量%であることが望
ましい。カルボニル基含有単量体を1重量%より少なく
使用すると、コーティング剤に使用した場合、特にブロ
ッキング性の効果が現れてこない。一方、10重量%よ
り多く使用すると、重合時の安定性に問題が生じ、凝集
物の発生が起こりやすくなる。
る不飽和単量体以外のラジカル重合可能な不飽和単量体
としては、前記カルボニル基含有不飽和単量体の他、第
1の工程で説明した、カルボキシル基含有不飽和単量体
およびその他のラジカル重合可能な不飽和単量体の中か
ら1種または2種以上から選択することができる。第1
の工程で用いるラジカル重合可能な不飽和単量体(X)
と、第3の工程で用いるラジカル重合可能な不飽和単量
体(Y)とは、同じであっても異なっていてもよい。カ
ルボキシル基含有不飽和単量体は、第3の工程では、必
ずしも必要ではない。
体(c)に架橋剤として分子中に2個以上のヒドラジド
基を含有するヒドラジド化合物を配合して水分散体
(d)を作成する。添加方法としては、水溶性ヒドラジ
ド化合物のものはそのまま、あるいは水で希釈して添加
する。油溶性ヒドラジド化合物のものは溶剤に希釈して
徐々に添加するか、あるいは界面活性剤で乳化して添加
するのが好ましい。
るヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジヒドラジド、
マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタ
ル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン
酸ジヒドラジドなどの脂肪族ジヒドラジドの他、炭酸ポ
リヒドラジド、脂肪族、脂環族、芳香族ビスセミカルバ
ジド、芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド、ポリアクリル
酸のポリヒドラジド、芳香族炭化水素のジヒドラジド、
ヒドラジン−ピリジン誘導体およびマレイン酸ジヒドラ
ジドなどの不飽和ジカルボン酸のジヒドラジドなどがあ
げられる。
るヒドラジド化合物は、水分散体(c)に含まれるカル
ボニル基1モル当量に対して0.5〜1.5モル当量に
なるような比率で配合するのが好ましい。ヒドラジド基
が0.5モル当量より少ないと、十分な架橋が行われ
ず、期待される塗膜物性が得られない。一方、1.5モ
ル当量より多いと、架橋しないヒドラジド化合物が塗膜
に残ることになり物性にプラスになることはなく、さら
に経済的にも好ましくない。
工程のラジカル重合可能な不飽和単量体(X)に由来す
る部分と、第3の工程のラジカル重合可能な不飽和単量
体(Y)に由来する部分の重量比が9:1〜3:7であ
ることが好ましい。重量比において、9:1より第1の
工程の不飽和単量体(X)に由来する部分の量が多くな
ると得られる水分散体(c)の中の低分子量の親水性の
樹脂が増えることとなり、コーティング剤に使用した際
の塗膜物性、特に耐水性や強度などに悪影響がでる。ま
た3:7より第1の工程の不飽和単量体(X)に由来す
る部分の量が少なくなると2次分散体(b)を分散させ
る能力が及ばず、乳化重合時の重合安定性が悪くなる。
の乳化重合時に使用する開始剤としては、アンモニウム
パーオキサイド、ソディウムパーオキサイド等の無機系
過酸化物重合開始剤や水溶性アゾ系開始剤を使用する。
場合によればベンゾイルパーオキサイド、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどの油溶性の開始剤を併用することも
できる。これら開始剤は単独で使用することもできる
が、ロンガリット等の還元剤との併用によるレドックス
型で使用してもよい。
銅等の銅イオンや、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等の鉄イオ
ンなどの遷移金属イオンを重合系に10-7〜10-5モル
/リットルの範囲で添加することができる。
て、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メト
キシブチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカ
プトプロピオン酸メトキシブチル、ステアリルメルカプ
タン等のメルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー
などを使用することができる。連鎖移動剤は、特に1次
重合体(a)の乳化重合での使用が重要であり、1次重
合体の分子量によりその高分子乳化剤としての性能も左
右される。1次重合体(a)の重量平均分子量について
は5000〜50000が適当であり、この調整には連
鎖移動剤を用いるのが最も有効である。さらに水分散体
(c)の分子量を調整するために2次重合体(b)の乳
化重合時にも使用することができる。
剤を用いるが、場合によっては使用しなくても良い。し
かし、安定な乳化重合を行い、目的とする高分子乳化剤
を得るには界面活性剤を使用する方が好ましい。界面活
性剤を使用する場合、塗膜物性を考えるとラジカル重合
性の不飽和基を1個以上有する界面活性剤を使用する方
が好ましい。
ラジカル重合性の不飽和基を1個以上有するものでは、
例えばスルフォコハク酸エステル系(市販品としては、
例えば花王株式会社製ラテムルS−120,S−180
P,S−180A,三洋化成株式会社製エレミノールJ
S−2等)やアルキルフェノールエーテル系(市販品と
しては、例えば第一工業製薬株式会社製アクアロンHS
−10,RN−20等)がある。
2種以上を混合して用いる。またラジカル重合性の不飽
和基を1個以上有する界面活性剤の使用量が少なく乳化
が不充分である場合は、必要に応じて反応性のない界面
活性剤を併用することも、単独で使用することも可能で
ある。しかし、前述したように塗膜の耐水性等の悪影響
が考えられるため極力さけた方が好ましい。反応性のな
い界面活性剤としては、通常の乳化重合に使用されるア
ニオン系、ノニオン系の界面活性剤を使用することがで
きる。
ン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が、また保護コロ
イドとしてのポリビニルアルコール、水溶性セルロース
誘導体等が使用できる。
ティング剤に使用することができる。このコーティング
剤は保存安定性、成膜性の良好であり、ロールコート適
性に優れ、光沢、耐水性、耐溶剤性、ブロッキング性、
密着性の良好な塗膜を形成する。コーティング剤の具体
例としては紙、フィルム、金属、ガラス、木材、皮革な
どの各種基材に使用することのできる塗料やインキが挙
げられる。またこれらのコーティング剤には顔料、染料
等の着色剤やフィラー、微粉末シリカ等のチキソ性調整
剤、コロイダルシリカ、アルミナゾル、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール、水溶性ポリエステル樹
脂、水溶性または水分散性ポリウレタン樹脂、乳化剤、
消泡剤、レベリング剤、滑り剤、粘着性付与剤、防腐
剤、防黴剤、造膜助剤としての有機溶剤などを必要に応
じて配合してもよい。
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。 (実施例1)温度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒
素ガスで置換した反応容器に、表1に示す反応釜量のイ
オン交換水を仕込んだ。表1の第1工程滴下分はあらか
じめ混合してプレエマルジョンとしておいた。内温を8
0℃に昇温した後、滴下を開始した。内温を80℃に保
ちながらプレエマルジョンを約45g/10分の割合で
滴下し、さらにその温度で1時間反応した。次に第2工
程の表1に示す25%アンモニア水を添加して10分間
撹拌を続けた。次に第3工程としてまず表1に示す重合
開始剤を添加し、同時に表1に示すモノマーを約25g
/10分の割合で滴下し、さらに2時間反応させた。冷
却後、表1に示すアジピン酸ジヒドラジドをイオン交換
水と同時に添加して30分間撹拌した。固形分41.2
%、粘度570mPa・s、pH8.3、粒子径83n
mの水分散体を得た。
例1と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を得
た。
1と同様の方法で重合して、それぞれの水分散体を得
た。
1〜9の水分散体の物性を評価した。評価試験方法は下
記に示した方法で行った。各試験で得られた試料の物性
結果を表4に示した。
着量および、濾布で濾過後の凝集物の量を目視で評価し
た。なお、評価基準は次のとおりである。
水分散体をいれて40℃で1カ月保存し、粘度の変化率
を測定した。さらに、ガラス容器の底の凝集物について
目視で評価した。なお、評価基準は次のとおりである。
められない。
ずかに認められる。
しくは凝集物が一部認められる。
なりの沈降が認められる。
00部にブチルセロソルブ5部を添加し試験用の分散体
溶液とした。顔料濃度14%、樹脂/顔料の固形分比=
1/1の水性フレキソインキを#4バーコーターでコー
ト紙に塗工し80℃のオーブンで1分間乾燥した。この
上に、試験用の分散溶液を#6バーコーターで塗工し、
120℃のオーブンで3分間乾燥させ評価試料とした。
試料を学振型テスターにセットして、水で濡らしたカナ
キン3号布で500g×100回表面を往復させ、表面
状態を目視で観察した。なお、評価基準は次のとおりで
ある。
化がない。
変化が見られる。
変化が見られる。
塗膜がなくなってしまう。
いて、60度の鏡面反射率をグロスメーターで測定し
た。
価試料を用いて、塗膜面同士を重ね、温度40℃、湿度
80%、荷重500g/cm2で24時間放置してブロ
ッキングの発生を目視で評価した。なお、評価基準は次
のとおりである。
ない。
のの、塗膜には変化がないもの。
ッキングの痕が観察されるもの。
り、塗膜の一部またはほとんどが反対の面 に移
行しているもの。
れぞれ、カルボキシル基含有不飽和単量体4重量%、同
30重量%、カルボニル基含有単量体0.5重量%、同
15重量%を用いた例であるが、比較例1,2,4では
重合安定性および保存安定性に劣り、比較例3ではブロ
ッキング性に問題があった。
て、それぞれ、ラジカル重合性の不飽和基を2個以上有
する単量体0.05重量%、同12重量%、カルボニル
基含有単量体12重量%を用いた例であるが、比較例5
ではブロッキング性に問題があり、比較例6,7では重
合安定性や保存安定性に問題があった。
施例1〜10は、いずれも、重合安定性、保存安定性、
耐水性、光沢値、ブロッキング性のすべてを満足するも
のであった。
性、成膜性の良好な水分散体を製造することができ、そ
の水分散体を紙、フィルム、金属、ガラス、木材、皮革
などの各種基材に使用することのできるコーティング
用、インキ用塗装剤に用いると、ロールコート適性に優
れ、光沢、耐水性、耐溶剤性、ブロッキング性、密着性
の良好な塗膜を形成することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】5〜25重量%のカルボキシル基含有不飽
和単量体と1〜10重量%のカルボニル基含有不飽和単
量体とを含むラジカル重合可能な不飽和単量体(X)を
乳化重合して1次重合体(a)とする第1の工程;前記
1次重合体(a)を塩基性物質で中和して1次重合体
(a’)とする第2の工程;および、不飽和単量体
(Y)全体に対して0.1〜10重量%のラジカル重合
性の不飽和基を2個以上有する不飽和単量体を含むラジ
カル重合可能な不飽和単量体(Y)を、前記1次重合体
(a’)の存在下で乳化重合して2次重合体(b)とす
る第3の工程を含む3つの工程から水分散体(c)を合
成し、さらに、水分散体(c)に含まれるカルボニル基
に対してモル当量比で0.5〜1.5であるヒドラジド
化合物を添加してなる水分散体(d)の製造方法。 - 【請求項2】第3の工程において、ラジカル重合可能な
不飽和単量体(Y)が、1〜10重量%のカルボニル基
含有不飽和単量体を含むことを特徴とする請求項1記載
の製造方法。 - 【請求項3】第3の工程において、第1の工程のラジカ
ル重合可能な不飽和単量体(X)に由来する部分と、第
3の工程のラジカル重合可能な不飽和単量体(Y)に由
来する部分との重量比が9:1〜3:7であることを特
徴とする請求項1または2記載の製造方法。 - 【請求項4】請求項1〜3いずれか記載の製造方法で製
造してなる水分散体。
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