JP2002192426A - 放電加工の送り装置 - Google Patents

放電加工の送り装置

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JP2002192426A
JP2002192426A JP2001351222A JP2001351222A JP2002192426A JP 2002192426 A JP2002192426 A JP 2002192426A JP 2001351222 A JP2001351222 A JP 2001351222A JP 2001351222 A JP2001351222 A JP 2001351222A JP 2002192426 A JP2002192426 A JP 2002192426A
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linear
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discharge machining
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Akio Hosaka
昭夫 保坂
Hideji Okazaki
秀二 岡崎
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Sodick Co Ltd
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Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マシニングセンタや放電加工機などの工作機械
の主軸やクイルの送り駆動手段としてリニアモータを使
用することは知られていたが、特に電極ジャンプ作動の
ために高加速度駆動が要請される形彫放電加工機の加工
ヘッドクイル装置において、リニアモータの高速で、高
応答性及び高制御性が充分利用される状態に為されてい
なかった。 【解決手段】加工ヘッドに鉛直方向移動自在に直線案内
装置によって取り付けられ、小比重の軽量体により柱状
に形成されたクイルと、該クイルの水平方向の背向する
両側面の上方端側に取り付けられたヨーク鉄芯と励磁コ
イルとからなる一対の可動子と、加工ヘッドの相対向す
る内面に前記各可動子に対して微小間隙を介して相対向
するように設けられた前記移動方向に永久磁石片を列設
した磁石板固定子と、前記移動方向の可動子クイルの固
定部加工ヘッドに対する移動位置を検出するように両者
間に前記移動方向に沿って取付けられた位置検出装置と
を備えて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、棒状電極や所望形
状の型電極を用い、被加工体と加工液が介在する微小加
工間隙を隔てて相対向させ、前記加工間隙をサーボ制御
送りによって維持させながら、休止時間を置いて間歇的
に印加される電圧パルスにより発生する放電パルスによ
り加工する穿孔、形彫り等のラム型放電加工の前記サー
ボ送り制御機構、そして、特に前記加工間隙から発生加
工屑を介在加工液とともに排出除去させる作用を、前記
間隙維持のサーボ制御送りとは別の、電極または被加工
体に対する相対的な所望ストローク開離後元の間隙位置
へ復帰させて加工する作動を繰り返す、所謂往復移動の
ジャンプ運動に好適な送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種のリニアモータが、高精度、シンプ
ル、および高タクト等を理由に、比較的小型の各種製造
装置、測定・検査装置等の高剛性2軸位置決めステージ
に、また超小型、クリーン、高精度等を理由に光学・医
療・バイオ・半導体等各装置の高精度位置決めテーブル
に用いられてきていた。また、マシニングセンタ等の工
作機械のテーブル送り駆動を、高速、高精度化のため
に、各種のリニアーモータが使用されるようになってき
ており、最近では、主軸の送り駆動にも使用したものが
散見されるようになってきている。
【0003】そして、放電加工機の分野においても、例
えば、送り装置の機構部に動力変換機構がなくて、直線
移動可能に主軸を案内支持する直線案内装置とリニアー
モータとの組合せ構成体とした形彫放電加工装置が特開
平5−104332号公報によって提案されており、ま
た、特開平8−309620号公報によれば、形彫放電
加工装置の主軸のみならず、XおよびYの全軸をリニア
モータを駆動手段として利用する送り装置を使用し、微
小な放電加工間隙を所望目標値に微細に制御するものと
して提案されている。そして、また、さらに特開平8−
318433号公報によれば、ワイヤカット放電加工機
において、複数の軸方向における相対送りの送り機構に
リニアモータを組み込み具備し、該リニアモータによる
直線駆動によって、各軸方向の相対送りを得るようにす
ることにより、従来の送り装置の回転−直動変換機構内
にあったバネ定数要素を削減し、送り移動系のサーボゲ
インを高く設定することを可能として高応答性とし、放
電加工の高速化と精度向上とを得ることができるように
なったと主張している。しかしながら、本発明者等は、
このリニアモータを搭載した形彫放電加工機も、ワイヤ
カット放電加工機も見たことがなく、市販されたとも聞
かない。その理由としては、種々のことが考えられる
が、恐らく、期待したほどには、目的とする性能が得ら
れなかったのではないかと思われる。そして、このこと
は、上記各公報における開示内容を見ると、明らかなよ
うである。
【0004】例えば、前述の特開平5−104332号
公報に記載のものの場合、主軸に連結されているガイド
機構には、工作機械の直線ガイド機構として用いられる
リニア・モーション・ボール・ベアリング(直動球軸
受)が組み込まれていて、循環するボールで直動方向に
直角な2つの方向の引張り、圧縮(またはラジアル)荷
重に対し等剛性となるように配置されていて、放電加工
中の主軸の高速応答の位置制御に対して充分な剛性を有
し、主軸の滑らかな運動を確保している等と開示してい
るが、主軸の落下防止の保持については何ら開示がな
い。したがって、前記落下防止の保持には、リニアモー
タによる上方への持上げ推力を連続的または間歇的に付
与するように作用させているものと推測される。ゆえ
に、このものにおいて、主軸をリニアモータに特有の数
10m/minまたはそれ以上の高速でジャンプ等の運
動をさせようとすると、その加速度が大きく、例えば、
1G以上になる場合があると、上記のリニア・モーショ
ン・ボール・ベアリングによる直動案内のみでは、逆ラ
ジアル荷重が高く作用する可能性があり、また、リニア
モータ3,5は、コラム前面と主軸背面間の一面に形成
されているのみであるから、主軸1とコラム前面間には
強い磁気吸引力または反発力が作用するので、ベアリン
グ案内に負荷を与え、撓みが発生し、送り移動が円滑に
行なえなくなる可能性があり、円滑で、高速度の上昇、
下降は期待できない。このため、前述ジャンプ等の移動
速度は、従来型の回転モータ使用の場合の数100mm
/minから、本発明者等が提案した2,000mm/
min、高くても5,000mm/min程度以下の移
動速度を想定していたものと思われる。
【0005】また、もう1つの形彫放電加工機に係る特
開平8−309620号公報に記載のものは、リニアモ
ータによって、鉛直、Z軸方向の所定位置に停止させる
ことも可能なカウンターバランス手段40,77が設け
られており、これでは前述のように加速度が1Gを超え
る場合がある高速ジャンプでの加工は不可能であり、従
来型の送り装置による移動速度のジャンプ運動しか予定
されていなかったものと考えられる。そして、このこと
は、ヘッド36のヘッドコラム32への直線移動案内装
置54の取付、構成が、コラム32に形成した一対の直
線レール56,56に対するヘッド36に設けた摺動足
58,58の嵌挿摺接滑りによって行なわれる構成とな
っていることからも明らかである。また、前記直線移動
案内とリニアモータとが近い位置に設けられている点で
は好ましいものの、リニアモータが1個であって、直線
移動案内の案内面に平行なヘッド36の背面のみに沿っ
て推力が作用するところから、逆ラジアル荷重の発生が
高いことが予想され、さらに前述可動子と固定子間の磁
気吸引力(または反発力)が直線移動案内に負担を与え
る欠点も改善されていないものである。
【0006】そこで、本発明者等は、リニアモータを駆
動装置として組み込み、サーボ送り制御に止まらず、加
速度が1G以上になる場合もある鉛直方向の高速ジャン
プを行なわせる形彫放電加工機のクイル送り装置とし
て、高速性、高応答性、および高精度等の性能を発揮さ
せるための改良された送り装置として、平成10年特許
願第327316号「放電加工の送り機構」他の発明を
提案した。
【0007】上記改良した送り装置の構成は、概略次の
ようなものである。加工ヘッドを加工テーブルにほぼ鉛
直方向に相対向するようにコラムを取り付けた構成の放
電加工機において、前記対向方向に全体として柱状体の
前記加工ヘッドまたはコラムに前記対向方向に移動可能
に取り付けられる小比重で軽量の金属体または非金属体
から成るクイルと、該クイルを前記対向方向に直線移動
可能にコラムまたは加工ヘッドに取り付ける直線案内装
置と、前記クイルを重力に抗してコラムまたは加工ヘッ
ドに保持させるように必要に応じて設けられるエアバラ
ンサと、前記クイルの前記対向方向と直角な方向の背向
両側面それぞれに前記移動方向に沿って所定個数列設さ
れた永久磁石と、該永久磁石を設けたクイルの各側面に
微小間隙を介して相対向するように加工ヘッドに取り付
けた一対のヨークと、該各ヨークに巻回して設けた励磁
コイルと、下方先端に電極と被加工体の一方の取付手段
を有する前記クイルの直線移動位置を検出するようにク
イルとコラムまたは加工ヘッドに取り付けられた位置検
出装置と、該位置検出装置の検出フィードバック信号を
受けつつ前記励磁コイルへ作動信号を出力する駆動装置
とを備えて成るものである。
【0008】そして、かかる構成とすると、永久磁石片
を移動方向に列設した界磁電機子が軽量体のクイルから
成り、そして、エアバランサを設けた場合には、クイル
が低イナーシャ状態に保持した状態で、一対のリニアモ
ータによりクイルの中心軸を通る面に両側面からバラン
スよく推力が作用して移動するので、高応答で、容易に
高加減速の高速移動をさせることができ、簡単かつコン
パクトな構成で、位置決め精度等も良好なものとするこ
とができるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成にすると、永久磁石片を列設した長尺の界磁
電機子が、加工ヘッドまたはコラムに対して鉛直方向に
移動するわけであるから、機械の背丈が加工ヘッド部に
おいて高くなる可能性がある。特に、前記必要に応じて
設けられるエアバランサとクイルおよび固定部間の配
置、連結の仕方によっては、クイルの移動ストロークと
同等以上に高くなる可能性があり、そしてこのことは、
エアバランサとクイルおよび固定部間の配置、連結の仕
方には背丈を高くしないようにするのに制約があると言
うことである。
【0010】また、クイルの下方先端の電極板に電極工
具や被加工体を軸の廻りの回動割出し機能を有する、所
謂C軸を介設させる場合とか、あるいはさらに、前記C
軸機能に加えて軸の廻りの高速回転機能を有するR軸機
能を有する加工ヘッドを介設させようとする場合には、
特に上記後者の場合、その加工ヘッドは相当に長尺なも
のとなるから、ダイレクト・ドライブで、モータとして
移動した長さが、即、移動ストロークであるリニアモー
タ部は、その全長をより短く構成することが要請される
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)加工ヘッドを加工テーブルにほぼ鉛直方向に相対
向するようにコラムに取り付けた構成の放電加工機にお
いて、前記コラムまたは加工ヘッドに前記対向方向に移
動可能に取り付けられ、前記対向方向に延びる全体とし
て柱状のクイルと、該クイルを前記対向方向に直線移動
可能にコラムまたは加工ヘッドに取り付ける直線案内装
置と、前記クイルの前記対向方向と直角な方向の互いに
背向する側面とコラムまたは加工ヘッドによって形成さ
れる枠部対向内面との間に配置形成されるリニアモータ
であって、該リニアモータが、前記の相対向する両内面
に前記移動方向に沿って所定個数列設された永久磁石片
を有する磁石板固定子と、該磁石板固定子を設けた枠部
両内面に微小間隙を介して相対向するように前記クイル
の互いに背向する両側面の上方端側に取り付けられた一
対のヨークと該ヨークに巻回して設けた励磁コイルを有
する可動子とから成り、さらに下方先端に電極と被加工
体の一方の取付手段を有する前記クイルの直線移動位置
を検出するようにクイルとコラムまたは加工ヘッドに取
り付けられた位置検出装置とを備えて成る放電加工の送
り装置とすることにより達成される。
【0012】また、前述の本発明の目的は、(2)前記
クイルが、軸中心に軸方向貫通孔を有する中空柱状体か
ら成る前記(1)に記載の放電加工の送り装置とするこ
とにより達成される。
【0013】また、前述の本発明の目的は、(3)前記
クイルがアルミニウム、またはマグネシウムを主成分と
する軽量合金から成る前記(1)、または(2)に記載
の放電加工の送り装置とすることにより、より良く達成
される。
【0014】また、前述の本発明の目的は、(4)前記
クイルが、繊維強化セラミックス、粒子分散強化セラミ
ックス、またはウィスカ強化セラミックスを含むAl
系やZrO系の酸化物系セラミックス、若しくは
Si−Al−O−N系4元化合物のサイアロンで、全体
が一体の燒結成形体から成る前記(1)、または(2)
に記載の放電加工の送り装置とすることにより、より良
く達成される。
【0015】また、前述の本発明の目的は、(5)前記
クイルが、炭素繊維強化プラスチック製で、全体が一体
物から成る前記(1)、または(2)に記載の放電加工
の送り装置とすることにより、より良く達成される。
【0016】また、前述の本発明の目的は、(6)前記
リニアモータが、リニア交流同期モータであって、界磁
固定子の前記永久磁石片が希土類金属合金磁石、特に、
Sm−Co合金系またはNd−Fe−B合金系の希土類
金属合金磁石である前記(1)、(2)、(3)、
(4)、または(5)に記載の放電加工の送り装置とす
ることにより、より良く達成される。
【0017】また、前述の本発明の目的は、(7)前記
直線案内装置は、その一対が、前記一対のリニアモータ
を取り付けたクイルの移動軸と直交する対向軸と、クイ
ルのほぼ中心軸近傍において互いに直交する対向軸を有
するようにクイルの両背向側面部に設けられている前記
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)
に記載の放電加工の送り装置とすることにより、より良
く達成されるものである。
【0018】また、前述の本発明の目的は、(8)前記
励磁コイルを巻回して設けたヨークが、基部側に冷却液
が流通する冷却パイプが挿設されて成る前記(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)または(7)
に記載の放電加工の送り装置とすることによって達成さ
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の送り装置を搭載
した一実施例の形彫放電加工機の全体構成を示す斜視図
で、1はベッド、2はベッド1の後側部または上面に立
設されたコラム、3はコラム2前面のベッド1上に水平
一軸(Y軸)方向に移動可能に設けた移動体、4は移動
体3上に他の水平一軸(X軸)方向に移動可能に設けた
サドル、5はサドル4のコラム2前面側に設けた加工槽
で、図示しない被加工体を取り付け、加工液中浸漬状態
で加工電極6と相対向配置させる加工テーブルを備えて
いる。
【0020】7は、コラム2の上部の加工槽5側に延出
したコラム前面2Aに取り付けられた加工ヘッドで、全
体として中空柱状体で、下方先端に加工電極6の取付手
段8Aを有するほぼ四角柱状のクイル8を、クイル後面
とコラム前面または加工ヘッド内側面等に設けた直線案
内装置9により、鉛直方向への駆動により直線移動自在
に内包保持して成る。10Aおよび10Bは、前記加工
ヘッド7の鉛直方向と直角な方向の対向内側面それぞれ
に移動方向に沿って所定個数列設される図示しない永久
磁石板固定子と微小間隙を介して相対向するようにクイ
ル8の背向両側面の上方端側に設けられるヨーク鉄芯と
巻回励磁コイルとから成る一対の電磁石装置、すなわ
ち、所謂リニアモータの励磁可動子で、ヨーク鉄芯と励
磁コイルを取り付けたクイル18をリニアモータの鉄芯
およびコイル取付板の可動子として移動させるものであ
る。
【0021】図2乃至図4に基づき、以下にその詳細を
説明するように、本実施例は、本発明送り装置における
移動構造体を、前記形彫放電加工機の加工電極送りクイ
ルに適用した場合の一例である。図2は、図1のA−A
線に沿う加工ヘッド7部切断平面図、図3は、同じくB
−B線に沿う切断左側面図、また図4は同じくC−C線
に沿う切断正面図である。
【0022】図2乃至図4において、7は前述加工ヘッ
ドで、該加工ヘッドは前記図2の平面図で示すように、
この実施例の場合は断面コの字状であるから、図示で
は、例えば直線案内装置9のレール9A,9Aのよう
に、前記コラム前面2Aに取り付けられているが、例え
ば断面ロの字状の場合には、前記レール9A,9Aやク
イル8の位置を検出するリニアスケール等は、加工ヘッ
ド7の内壁面等の別の位置に設けられていることにな
る。また、図示実施例の場合、加工ヘッド7は、前面7
Aと両側壁7B,7Cとから成り、前面7Aが開閉可能
で、内装や組立、調整を可能としている。
【0023】クイル8は、後述する構成のリニアモータ
の可動子として、駆動により移動する。その移動の態様
は、高速応答でかつ高速で、特に電極ジャンプ作動の場
合には、好ましくは往復とも、そして少なくとも長いス
トロークのジャンプ後の加工位置への近接復帰時には、
加速度が1G以上にも及ぶ高加速度で加速されて高速に
移動し得るよう、より軽量に構成される。図示の場合、
四角柱状のクイル8は、中心に所望内径の貫通孔8Bを
穿った中空柱状の構成とし、さらに、該中空柱状のクイ
ル8の全体を一体の小比重軽量合金または非金属の小比
重の軽量体によって構成するようにするものである。
【0024】この小比重の軽量合金としては、アルミニ
ウムまたはマグネシウムを主成分として構成された軽量
合金のものとし、また前記非金属の小比重の軽量体とし
ては、具体的には、各種のセラミックスの外、繊維強化
セラミックス、粒子分散強化セラミックス、またはウィ
スカ強化セラミックス等のセラミックス系の複合材であ
っても良い。例えば、Al系やZrO系等の酸
化物系セラミックス、またはSiC系やSi系等
の非酸化物系セラミックス、若しくはSi−Al−O−
N系4元化合物のサイアロン等の全体が一体の燒結成形
体とすることにより、クイル8本体のみの場合、従来の
鋼材製による場合の3分の1の重量とすることができ
る。
【0025】セラミックスの場合の一具体例を挙げる
と、窒化珪素燒結体は、窒化珪素(Si)の粉末
粒子に燒結助剤を、あるいはさらに、結晶化促進剤ない
しは結晶成長コントロール作用等を期待して、酸化物系
のものもあるが、多くは希土類元素酸化物、ないしは該
希土類元素酸化物に燒結能を高めるAl、SiO
、AlN等、あるいはさらに、Be、SrO等を適宜
添加したものを混合し、アイソスタティックプレスない
しは準アイソスタティックプレス法により目的とする形
状に成形した後、常圧燒結法とガス圧燒結法を組み合わ
せて二段燒結するか、ホットプレスまたは熱間静水圧燒
結をした後、ガス圧燒結法による後処理を行ない、ダイ
ヤモンド工具による旋削加工仕上げ後、焼鈍処理をする
ものである。クイルをかかるセラミックス製のものとす
ると、前述軽量に止まらず、機械的強度が大きく、高剛
性で、耐熱衝撃性および耐磨耗性に優れ、熱膨張や熱変
形が少なく、前記クイルだけでなく、工作機械の主軸等
としても有用なものである。
【0026】本発明における非金属の小比重の軽量体と
しては、移動構成体の適用物によっては、例えば、炭素
繊維と通常熱硬化性プラスチックとから成る炭素繊維強
化プラスチックを使用することができる。この場合、炭
素繊維のトウに未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて後に
硬化処理する製作態様のものの外、炭素繊維を短繊維状
とした樹脂との混合物を射出成形する製作物も使用可能
であり、前述セラミックス製の物より可動子構造体を一
段と軽量に構成することができる。
【0027】このようにして製作等された四角柱状のク
イル8は、移動軸に直角な背面側がコラム前面2A等の
直線案内装置9に取り付けられた状態で鉛直方向にバラ
ンス良く直線に移動するように、クイル8の両側面にそ
らぞれリニアモータを構成配置して、構造体のクイル8
を可動子として作動せしめる。このため、研削等して仕
上げられたクイル8の前記背向する両側面の上端部近く
には、珪素鋼板の積層体から成るヨーク鉄芯10AY,
10BYと、該ヨーク鉄芯の櫛歯部に巻回した励磁コイ
ル10AC,10BCとを取り付けた取付板12A,1
2Bを有する励磁可動子10A,10Bが、加工ヘッド
7の相対向する両側壁内面とそれぞれ対向して設けられ
ることになるが、クイル8を前述のように金属または非
金属の小比重の軽量体、例えば、セラミックス、Si
製とすると、リニアモータの可動子として取り付け
た励磁可動子10A,10Bと後述する直線案内装置9
の通常4個のベアリングブロック9B,9Bおよび前記
各励磁可動子10A,10Bと加工ヘッド7内壁間に連
携して設けられる可撓で可動のケーブルキャリア10A
K,10BKと加工電極6およびその取付手段8Aとが
被駆動部材の全てであって、被駆動体のクイル8をこの
ように、特にセラミックス製で一体の中空柱状体にする
と、軽量であるから慣性が小で制御の応答性が高く、熱
による膨張や変形も少ないので、精度の高い加工を可能
とする送り装置が得られる。
【0028】しかして、軽量体のクイル8の鉛直方向の
移動を案内する前記直線案内装置9は、図示実施例の場
合、リニア・モーション・ボール(またはローラ)・ベ
アリングのレール9A,9Aが、2本、所定の間隔を置
いて鉛直平行にコラム前面2Aに取り付けられ、これに
対し、ベアリングブロック9B,9Bが、各レール9
A,9A毎に2個、鉛直方向に所定の間隔を置いてクイ
ル8に取り付けられていて、両者を嵌合組付け構成され
ている。
【0029】上記のように、案内装置9を構成した場
合、クイル8が軽量体であっても、その上昇時および下
降停止時に、チャックおよび電極を含むクイルの重量と
加速度およびその変化による逆ラジアル方向の荷重が作
用することは事実で、これがコラム2および加工ヘッド
7を前方および下方へ撓ませる場合には、ベアリング
9,9の寿命を損なうので、かかる場合には、図5の変
更実施例のように、加工ヘッド7の前面板7Aとクイル
前面との間に鉛直方向に延びる直線案内、例えば、クロ
スローラベアリング17を設け、コラム前面2Aに向け
たラジアル荷重を付与することにより、前記逆ラジアル
荷重を受けて、クイル8の上昇および下降を案内させる
ようにすれば良い。
【0030】11A,11Bは、前記加工ヘッド7の相
対向する両側壁7B,7Cの各内面に取り付けられた、
取付板12C,12Dが兼用することある磁路形成用の
鉄板や電磁軟鉄等の軟磁性材料の磁石板11,11に、
前記クイル8の移動方向に所定の極性で、所定の間隔を
置いて、吸着、接着材接着、またはねじ止めにより接着
列設された永久磁石片で、この永久磁石片11A,11
Bを列設した磁石板11,11上の永久磁石片11A,
11Bと微小間隙を隔てて相対向した状態で移動方向に
移動し得る励磁可動子10A,10Bの移動長さが、リ
ニアモータとしてのクイル8の移動ストロークを決定す
る。
【0031】図示構成の場合、永久磁石片11A,11
Bを列状に片側2列設けた磁石板11,11を加工ヘッ
ド7内壁に設けた固定子と、ヨーク10AY,10BY
と励磁コイル10AC,10BCとから成る電機子を軽
量体のクイル8の上端の背向側壁面に設けて可動子とし
たリニアモータは、型式としては励磁コイルおよびヨー
ク鉄芯可動型のリニア交流同期モータ(LSM)で、磁
石片列に応じ、励磁コイル10AC,10BCも、片側
それぞれ2列設けているが、磁石片列を各1列として励
磁コイルを各1個としても良く、励磁コイルを図示の複
巻きを単巻きとしても良い。また、当該リニア交流同期
モータ(LSM)は、リニア直流モータ(LDM)のコ
イル電流を3相としたものであるから、リニアモータと
しては、このリニア直流モータ(LDM)を使用するこ
とができるだけでなく、より高速駆動が可能なリニア交
流誘導モータ(LIM)を使用しても良い。但し、この
リニア交流誘導モータ(LIM)の場合には、可動子と
固定子の間に磁気吸引力ではなく、磁気反発力が発生作
用することになる。
【0032】何れにしても、本発明は、軽量体から成る
クイル8等の可動子構造体の移動方向と直角水平な左右
の両側面の上方端側にリニアモータを形成して設けるこ
とにより、クイル8の左右両側におけるリニアモータの
可動子と固定子間の磁気吸引力(反発力)をバランスさ
せて打ち消させ、この水平左右方向の力の打消し合いに
よりクイル8の軸運動の真直性を向上させ、直線案内装
置9に与える負荷を著しく軽減させることができる。そ
して、このクイル8の左右両側面におけるリニアモータ
の可動子と固定子間の磁気吸引力(反発力)を平衡させ
て打ち消させ得るように、ヨーク10AY,10BYの
各取付板12A,12B、および/または磁石板11,
11の取付板12C,12Dの各前または背板面に分布
して設けた押しねじと引きねじにより、ヨーク10A
Y,10BYまたは磁石板11,11の傾き調整および
/または前後進位置決めにより、固定子側永久磁石片1
1A,11Bの板面と各ヨーク10AY,10BY間の
間隔を等しく、図示の場合、左右の各リニアモータの磁
気吸引力が等しくなるように間隙調整が可能に構成され
ているものである。もちろん、調整設定後は、前記押し
ねじと引きねじを、固定剤で固定するようにしてもよ
い。この場合、磁石板11,11の取付板12C,12
Dを設ける加工ヘッド7の両側面7B,7Cには、前記
各取付板12C,12Dを設ける加工ヘッド7の両側壁
7B,7Cには、前記各取付板12C,12Dを嵌込み
固定する移動方向に長い破線で示す凹部、および/また
は長尺状または複数島状の貫通窓を形成しておくこと
が、前述調整操作上望ましいものであり、かかる構成
は、励磁可動子10A,10Bのクイル8の背向側壁の
上方端側に対する取付に際しても、必要に応じて採用さ
れるものである。また、14A,14Bは、励磁可動子
10A,10Bのヨーク鉄芯10AY,10BY冷却用
の冷却液の流通路で、珪素鋼板の積層体の基部側に板面
を貫通するように形成されているが、前記励磁可動子と
磁石板固定子間の隙間をより微細に(例えば、約0.4
mm程度、またはそれ以下)調整設定すれば、リニアモ
ータの駆動電力効率が高くなり、前記冷却能力を大きく
設定する必要がなくなるので望ましいものである。
【0033】13は、軽量体クイル8の直線移動位置を
検出する高検出速度のリニアスケールで、図示の場合、
スケール13Aがクイル8前面に、これに対向する加工
ヘッド7前方内面にセンサ13Bが取り付けられ、検出
位置信号を移動位置指令信号が与えられる駆動装置にフ
ィードバックして、励磁コイル10AC,10BCに制
御された作動信号を出力する。しかして、前記図5の変
更実施例の場合は、このリニアスケール13が、クイル
8背面とコラム前面2Aとの間に設けられているが、そ
の機能や作動等は、前述のものと実質上同一のものであ
る。
【0034】以上の構成であると、軽量クイル8の上方
端にヨーク鉄芯と巻回励磁コイルから成る一対のリニア
モータの可動子があって、該一対のリニアモータによる
クイル8持上げ推力以外に、下方先端に電極取付手段8
Aを有する前記軽量体クイル8の荷重を重力に抗して持
ち上げておく構成がない。このため、前述の先行技術で
は、カウンターバランス手段が設けられているが、クイ
ル8の上昇、下降における加速度が重力の加速度1G程
度またはそれ以上になると、バランサが応答できず振動
するになる。然るに、本発明は、放電加工のZ軸主軸と
なるクイル8が軽量に構成されていて、該軽量のクイル
8が移動方向に短いヨーク鉄芯とその励磁コイルとから
成る電機子をクイル上端に取りつけたリニアモータの可
動子として直接に直線に駆動される構成であって、かつ
各リニアモータ吸引力は相殺されていて移動の障害と成
るようには働かず、またリニアモータによる駆動の際に
ラジアル荷重も大きく掛かりにくく構成されているの
で、クイル8はバランス良く、かつ軸運動の直線性が良
いところから、通常の放電加工の際には、前述カウンタ
ーバランス手段のようなものを格別必要としないが、電
極6および取付手段8A等が大重量のもの等の場合に
は、当然ながら、対応が必要となるものである。その一
例につき説明するに、図示のものは、クイル8をコラム
2または加工ヘッド7に保持させる手段として、シリン
ダ15A、ピストン15B、ロッド15Cおよび図示し
ないバルブ、配管等から成るエアバランサ15を少なく
とも1個設けたもので、該エアバランサ15は、シリン
ダまたはロッド15Cの一方をコラム2(ヘッド7)ま
たはクイル8の一方に固定し、かつそれぞれ他方どうし
を連結ないし固定することによりクイル8をコラム2
(またはヘッド7)に保持させるものである。しかると
ころ、図示例示の場合はバランス良く、かつ省スペース
状態とするために、エアバランサ15のシリンダ15A
をクイル8の貫通孔8Bに同軸状に挿入し、上縁部のフ
ランジ部15Dでクイル8と連結し、ロッド15Cの上
端を連結杆16を介してコラム2に連結固定したもので
ある。
【0035】そして、図6に示すように、このエアバラ
ンサ15には、コンプレッサ等の空気圧源18から、例
えば約7kg/cmの圧縮空気が、エアドライヤ1
9、出力3kg/cmのエアレギュレータ20、およ
び出力2.5kg/cmの精密エアレギュレータ21
を介して、シリンダ15Aの上部室15RUに加圧空気
が導入され、下部室15RDは実質上開放された状態と
すると、エアバランサ15は、左右の両リニアモータが
作動して可動子のクイル8を送り制御および位置決めし
た位置にシリンダ15Aと一体に持上げ保持した状態を
保ち、ここでクイル8が下降送りされると増圧するが、
所定値を越えると、精密エアレギュレータ21で一定圧
に制御されている上部室15RUのエアは排出されて一
定圧に戻り、逆にクイル8が上昇すると減圧する上部室
15RUにエアが急速に送り込まれて一定圧になるよう
にハイ・レリーフバルブ付等の精密エアレギュレータ2
1が作動し、低イナーシャ(低慣性モーメント)でクイ
ル8の重量バランスを取り、リニアモータによる駆動時
の高速応答を可能とするものである。
【0036】また、クイル8の上昇、下降に伴なうエア
バランサ15に対する精密エアレギュレータ21からの
加圧空気の供給と排気の作動の態様としては、正常な放
電加工状態でのサーボ制御による間隙変化長さが、前述
約10〜100μm程度以内の状態のときには応答せ
ず、前記間隙変化長さが、上記正常状態中のサーボ制御
による間隙変化長さ以上、例えば、約200μmを越え
る異常状態回避のサーボ制御送りの時、または周期的作
動か、間隙状態検出判別による作動で、設定最低ストロ
ークが約200μm以上である電極ジャンプ作動時に、
加圧空気の給排が応答するように、クイル8とエアバラ
ンサ15間か、エアバランサ15と連結杆16の間等
に、クイル8の前記約200μm以内の上昇、下降の移
動では、シリンダ上部室15RU内の圧力が、精密エア
レギュレータ21が作動するまで変動しないように、そ
の機械的連結に、上記約200μm程度の隙間等による
ガタまたはバックラッシュを持たせておく構成とするこ
とが、正常状態でのサーボ送り制御上好ましいようであ
る。なお、この場合、例えば上記正常加工状態が継続し
て、加工送込み長さの累計が上記約200μm以上に達
したら、精密エアレギュレータが作動するようになるこ
と当然である。
【0037】上述図1〜図6中における本発明の好まし
い実施例は、図2または図5の加工ヘッド部の切断平面
図において、第1に送り駆動手段としてリニアモータを
用いることであるが、下方直下先端に電極等の取付手段
を有するクイル自体をそのリニアモータのヨーク鉄芯と
巻回励磁コイルとから成る可動子を有する被駆動体とし
て構成すること、そして、クイルの軸と直交する背向側
面にリニアモータをそれぞれ1個または2個設けて強い
磁気吸引力または反発力を相殺させた状態で軸方向に駆
動送りする構成とし、この目的のために、リニアモータ
のヨークと励磁コイルとから成る可動子を磁石板固定子
間の対向微小間隙を調整設定し得るように構成し、そし
て、せっかく使用しするリニアモータの高速応答および
高速移動特性が損なわれないように、被駆動の可動子ク
イルを軽量とするためにクイル軸芯に孔を穿った中空柱
状体とし、そしてさらに、より軽量で熱影響の少ない可
動子クイルとするために前記中空柱状体のクイルを、好
ましくは燒結成形したセラミックス製、または炭素繊維
強化プラスチック製とするものであり、そしてこの軽量
になった可動子クイルを、低イナーシャで、バランス良
く保持され、かくすることにより、サーボ送り制御にお
いて、0.1μm以下の最小設定単位長さの送りを数m
secまたはそれ以下の応答速度で指令して制御を行な
うとともに、電極ジャンプにおいて、加速度が1G以上
となる場合にも円滑に応答して高速で移動し、加工休止
時間を少なくして、高速リブ加工を実行させ得る等、本
発明の目的を如何なく発揮させることができるものであ
る。
【0038】図7は、本発明の別の実施例を示す前述図
2および図5と同様な形彫放電加工機の図1A−A線に
沿う切断平面図で、同一物または同一作用物には同一の
符号が付されている。前述図2および図5のものと相違
する点は、セラミックス製等の構造体クイル8が、切断
平面図において、ロの字状の四角形中空柱状体であるこ
とと、ヨークおよび励磁コイル可動子10A,10B
と、永久磁石片11A,11Bを設けた磁石板11,1
1で成る固定子とで構成される2つのリニアモータと、
例えば、クロスローラベアリング等から成る直線案内装
置9,9とが互いにクイル軸中心近傍でほぼ直角にクロ
スして、加工ヘッド7に側面四方から案内支持および直
線送り駆動されるように構成されていること、および前
記クイル8を保持するエアバランサ15のシリンダ15
Aがコラム2等固定側に設けられ、クイル8がピストン
ロッド15Cに連結杆16を介して連結され、図示しな
いシリンダ15Aの下部室15RDに導入される加圧空
気により持ち上げられるピストン15Bと一体にクイル
8が昇降する構成となっている点のみである。かかる構
成によれば、バランス良く確実に保持されている以上、
リニアモータによるクイル8の昇降の作動時に、クイル
8に対する駆動軸芯と案内軸芯とが、クイル8の中心軸
に重なってあるかの如くに作動することになり、直線案
内装置9,9に負担がかかりにくく好ましいが、リニア
モータの間隙や案内装置9,9の調整に配慮した構成の
付加等が必要な場合がある。また、必要ならば、エアバ
ランサ15のシリンダをコラム2の左右両側に2個設
け、クイル8を支持させるようにしてもよい。
【0039】以上は、本発明を図示した実施例をもと
に、放電加工の加工ヘッドのクイルに対する送り装置の
場合につき説明を加えたが、上述した本発明の精神を逸
脱しない範囲で、各部に種々の変更を加え、各種形彫放
電加工機の送り装置としての実施が可能なものである。
例えば、電源が無停電電源でない場合、停電するとクイ
ル8が落下することになるから、停電時に作動してクイ
ル8をコラム2または加工ヘッド7に固定するメカロッ
ク機構を設けることが推奨される。また、この可動子ク
イルの落下防止のための前述メカロックに代えて、設定
下死点以下への移動を防止する、好ましくは調整可能な
下ストッパをクイル8とコラム2または加工ヘッド7
間、あるいは電極取付手段8Aと加工槽内加工テーブル
間に設けるとか、図3等に示したように、リニアモータ
への磁性塵埃の侵入を防止するための加工ヘッド7の上
下を閉塞する蛇腹の取付けおよびその構成、さらにリニ
アエンコーダ13とともに、またはこれに代えて永久磁
石片11Aまたは11Bの位置を検出する磁電変化素子
等のポールセンサをヨーク10AYまたは10BYに設
けるようにしても良い。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、リニア
モータを駆動送り手段として組み込んだ形彫放電加工の
加工ヘッドクイル送り装置は、駆動により往復等させる
直線運動を軸運動の直線性を向上させた状態でバランス
良く高速で行なわせ得るとともに、高応答性で、高い制
御性を有するように構成することができる。このため、
形彫放電加工機に適用した場合の加工電極送りは、その
鉛直方向の加工のためのサーボ制御送りや加工屑等排除
のための電極ジャンプ等の直線往復運動を軸運動の直線
性を向上させた状態で、バランス良く、そして真に所定
の高速度で移動させることができるとともに、高速応答
性で、高い制御性を有することとなり、上記サーボ制御
送り状態での正常で良好な放電加工を実現させて、加工
性能を一段と向上させるとともに、電極ジャンプを使用
する加工における加工性能を一段と向上させることがで
きるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送り機構を搭載した形彫放電加工機の
全体構成を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断平面図。
【図3】図1のB−B線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断左側面図。
【図4】図1のC−C線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断正面図。
【図5】図2と同じく、図1のA−A線に沿う加工ヘッ
ド部の異なる実施例の切断平面図。
【図6】図3の切断左側面図にエアバランサ用エア供給
源を付加して示した図。
【図7】図2または図5と同じく、図1のA−A線に沿
う加工ヘッド部の異なる実施例の切断平面図。
【符号の説明】
1,ベッド 2,コラム 3,移動体 4,サドル 5,加工槽 6,加工電極 7,加工ヘッド 8,クイル 8A,電極取付手段 8B,中空貫通孔 9,直線案内装置 10A,10B,励磁可動子 10AY,10BY,ヨーク 10AC,10BC,励磁コイル 10AK,10BK,ケーブルキャリア 11,磁石板 11A,11B,永久磁石片 12A,12B,可動子取付板 12C,12D,磁石板取付板 13,リニアスケール 14A,14B,冷却液パイプ 15,エアバランサ 15A,シリンダ 15B,ピストン 15C,ロッド 15RU,シリンダ上部室 15RD,シリンダ下部室 16,連結杆 17,リニアクロスローラベアリング 18,エア供給源 19,エアドライヤ 20,エアレギュレータ 21,精密エアレギュレータ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工ヘッドを加工テーブルにほぼ鉛直方
    向に相対向するようにコラムに取り付けた構成の放電加
    工機において、前記コラムまたは加工ヘッドに前記対向
    方向に移動可能に取り付けられ、前記対向方向に延びる
    全体として柱状のクイルと、該クイルを前記対向方向に
    直線移動可能にコラムまたは加工ヘッドに取り付ける直
    線案内装置と、前記クイルの前記対向方向と直角な方向
    の互いに背向する側面とコラムまたは加工ヘッドによっ
    て形成される枠部対向内面との間に配置形成されるリニ
    アモータであって、該リニアモータが、前記の相対向す
    る両内面に前記移動方向に沿って所定個数列設された永
    久磁石片を有する磁石板固定子と、該磁石板固定子を設
    けた枠部両内面に微小間隙を介して相対向するように前
    記クイルの互いに背向する両側面の上方端側に取り付け
    られた一対のヨークと該ヨークに巻回して設けた励磁コ
    イルを有する可動子とから成り、さらに下方先端に電極
    と被加工体の一方の取付手段を有する前記クイルの直線
    移動位置を検出するようにクイルとコラムまたは加工ヘ
    ッドに取り付けられた位置検出装置とを備えて成ること
    を特徴とする放電加工の送り装置。
  2. 【請求項2】 前記クイルが、軸中心に軸方向貫通孔を
    有する中空柱状体から成るものであることを特徴とする
    請求項1に記載の放電加工の送り装置。
  3. 【請求項3】 前記クイルがアルミニウム、またはマグ
    ネシウムを主成分とする軽量合金から成るものであるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の放電加工の送
    り装置。
  4. 【請求項4】 前記クイルが、繊維強化セラミックス、
    粒子分散強化セラミックス、またはウィスカ強化セラミ
    ックスを含むAl系やZrO系の酸化物系セラ
    ミックス、若しくはSi−Al−O−N系4元化合物の
    サイアロンで、全体が一体の燒結成形体から成るもので
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の放電加
    工の送り装置。
  5. 【請求項5】 クイルが、炭素繊維強化プラスチック製
    で、全体が一体物から成るものであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の放電加工の送り装置。
  6. 【請求項6】 前記リニアモータが、リニア交流同期モ
    ータであって、界磁固定子の前記永久磁石片が希土類金
    属合金磁石、特に、Sm−Co合金系またはNd−Fe
    −B合金系の希土類金属合金磁石であることを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5に記載の放電加工の送
    り装置。
  7. 【請求項7】 前記直線案内装置は、その一対が、前記
    一対のリニアモータを取り付けたクイルの移動軸と直交
    する対向軸と、クイルのほぼ中心軸近傍において互いに
    直交する対向軸を有するようにクイルの両背向側面部に
    設けられているものであることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6に記載の放電加工の送り装置。
  8. 【請求項8】 前記励磁コイルを巻回して設けたヨーク
    が、基部側に冷却液が流通する冷却パイプが挿設されて
    成ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6ま
    たは7に記載の放電加工の送り装置。
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