JP2002346871A - 工作機械等の送り装置 - Google Patents

工作機械等の送り装置

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JP2002346871A
JP2002346871A JP33762798A JP33762798A JP2002346871A JP 2002346871 A JP2002346871 A JP 2002346871A JP 33762798 A JP33762798 A JP 33762798A JP 33762798 A JP33762798 A JP 33762798A JP 2002346871 A JP2002346871 A JP 2002346871A
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Japan
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linear motor
quill
linear
feeder
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JP33762798A
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English (en)
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Akio Hosaka
昭夫 保坂
Sadao Sano
定男 佐野
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Sodick Co Ltd
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Sodick Co Ltd
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】リニアモータの高速で、高応答性及び高制御性
が充分利用される状態にする。 【解決手段】リニアモータによって駆動される被駆動移
動構造体の一部以上がリニアモータの可動子を兼用する
送り装置において、前記構造体が非金属の小比重の軽量
体からなると共に、一軸に直角で移動方向に平行に延び
る一対の面を有してなり、該構造体を固定部に対して前
記移動方向に直線移動自在にガイドに保持する直線案内
装置と、前記一対の面に接着取付けた軟磁性板8cと、
該各軟磁性板に構造体の前記移動方向に間隔を置いて所
望数接着取付けられた永久磁石片の列11A,11B
と、該永久磁石片の列が設けられた構造体の各面に微小
間隙を隔てて相対向するよう固定部に取付けられたヨー
ク鉄芯と巻回励磁コイルとから成る一対のリニアモータ
の励磁固定子10A,10Bと、前記移動方向の可動子
構造体の固定部に対する移動位置を検出するように両者
間に前記移動方向に沿って取付けられた位置検出装置と
を備えて成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータを駆
動源として使用する工作機械等の送り装置に係るもので
あり、マシニングセンタ等の工作機械の主軸、特に形彫
り放電加工機のクイルまたは加工ヘッドの鉛直方向の送
り装置として、高速性、高応答性及び高制御性等の点か
ら好適なものであるが、上記高応答性及び高制御性等の
点のよれば、上記形彫り放電加工機の水平2軸(X,
Y)及びワイヤ放電加工機のワイヤ電極軸とほぼ直角な
平面2軸の各制御送り装置として有用なものであり、更
にリニアモータを駆動源として使用する各種製造装置や
検査装置の位置決めテーブルまたはステージ等の各軸制
御送り装置としても使用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】各種のリニアモータが、高精度、シンプ
ル、及び高タクト等を理由に、比較的小型の各種製造装
置、測定・検査装置等の高剛性2軸位置決めステージ
に、また超小型、クリーン、高精度等を理由に光学・医
療・バイオ・半導体等各装置の高精度位置決めテーブル
に用いられて来ていた。またマシニングセンタ等の工作
機械のテーブル送り駆動を高速、高精度化のために、各
種のリニアモータが使用されるように成って来て居り、
最近では、主軸の送り駆動にも使用したものが散見され
るようになって来ている。
【0003】そして、放電加工機の分野に於いても、例
えば、送り装置の機構部に動力変換機構がなくて、直線
移動可能に主軸を案内支持する直線案内装置とリニアモ
ータとの組み合わせ構成体とした形彫り放電加工装置が
特開平5−104,332号公報によって提案されて居
り、また、特開平8−309,620号公報によれば、
形彫り放電加工装置のZ軸のみならず、X及びYの全軸
をリニアモータを駆動手段として利用する送り装置を使
用し、微小な放電加工間隙を所望目標値に微細に制御す
るものとして提案されている。そして、またさらに特開
平8−318,433号公報によれば、ワイヤカット放
電加工機に於いて、複数の軸方向における相対送りの送
り機構にリニアモータを組み込み具備し、該リニアモー
タによる直線駆動によって、各軸方向の相対送りを得る
ようにすることにより、従来の送り装置の回転−直動変
換機構内に有ったバネ定数要素を削減し、送り移動系の
サーボゲインを高く設定することを可能として高応答性
とし、放電加工の高速化と精度向上とを得ることが出来
るようになったと主張している。しかしながら、本発明
者等は、この、リニアモータを搭載した形彫り放電加工
機も、ワイヤカット放電加工機も見たことがなく、市販
されたとも聞かない。その理由としては、種々のことが
考えられるが、恐らく、目的とする程には、目的とする
性能が得られなかったのではないかと思われる。そして
このことは、上記各公報に於ける開示内容を見ると、明
らかなようである
【0004】例えば、前述の特開平5−104,332
号公報に記載のものの場合、主軸に連結されているガイ
ド機構には、工作機械の直線ガイド機構として用いられ
るリニア・モーション・ボール・ベアリング(直動球軸
受)が組み込まれていて、循環するボールで直動方向に
直角な2つの方向の引張り、圧縮(またはラジアル)荷
重に対し等剛性となるように配置されていて、放電加工
中の主軸の高速応答の位置制御に対して充分な剛性を有
し、主軸の滑らかな運動を確保している等と開示してい
るが、主軸の落下防止の保持に付いては何等開示がな
い。前記落下防止の保持に、リニアモータによる上方へ
の持ち上げ推力を連続的または間歇的に付与するように
作用させているにしても、主軸をリニアモータに特有の
数10m/minまたはそれ以上の高速でジャンプ等の
運動をさせようとすると、その加速度が大きく、例え
ば、1G以上になる場合があると、上記のリニア・モー
ション・ボール・ベアリングによる直動案内のみでは、
逆ラジアル荷重が高く作用する可能性があり、またリニ
アモータ3,5はコラム前面と主軸背面間の一面に形成
されているのみであるから、主軸1とコラム前面間には
強い磁気吸引力または反発力が作用するので、ベアリン
グ案内に負荷を与え、撓みが発生し、送り移動が円滑に
行えなくなる可能性があり、円滑で、高速度の上昇、下
降は期待できない。このため、前述ジャンプ等の移動速
度は、従来型の回転モータ使用の場合の数100mm/
minから、本発明者等が提案した2,000mm/m
in、高くても5,000mm/min程度以下の移動
速度を想定していたものと思われる。
【0005】また、もう1つの形彫り放電加工機に係る
特開平8−309,620号公報に記載のものは、リニ
アモータによって、鉛直、Z軸方向にコラムに対して送
り移動される加工ヘッドには、該ヘッドをZ軸方向の所
定位置に停止させることも可能なカウンターバランス手
段が設けられて居り、これでは前述のように加速度が1
Gを超える場合がある高速ジャンプでの加工は不可能で
あり、従来型の送り装置による移動速度のジャンプ運動
しか予定されていなかったものと考えられる。そしてこ
のことは、ヘッド36のヘッドコラム32への直線移動
案内装置54の取付、構成が、コラム32に形成した一
対の直線レール56,56に対するヘッド36に設けた
摺動足58,58の嵌挿摺接滑りによって行われる構成
となっていることからも明らかである。また、前記直線
移動案内とリニアモータとが近い位置に設けられている
点では好ましいものの、リニアモータが1個であるとこ
ろから、可動子と固定子間の吸引力(または反発力)が
直線移動案内に負担を与える欠点は改善されていないも
のである。
【0006】また、上述の特開平8−318,433号
公報に開示されたワイヤカット放電加工機は、前述形彫
り放電加工機の主軸等に該当するものが無く、また加工
中に加工間隙の正常状態維持制御以外に、長い距離高速
度で往復移動することはないので、そのための構成と相
俟って、駆動制御等も比較的やり易いはずであるが、開
示されている直線移動案内装置の種類及び各軸1個のリ
ニアモータの設け方等には、前述したものと同様に問題
があり、これでは、ワークテーブル15のX及びY軸の
駆動制御にリニアモータを採用したとしても、その高精
度での高速応答性及び高制御性の性能を発揮させて、加
工中の加工間隙の制御作動を行わせることが出来ず、加
工精度や加工速度等の加工性能を向上させることができ
ないものと思われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のリニアモータを被駆動移動の構造体の駆動送り手段と
して組み込んだ加工、位置決め、または検査等のための
送り装置が、その組み込んだリニアモータの高速性、高
応答性、及び高精度等の性能を充分発揮させ得なかった
と言う課題を解決するために、本発明は提案されるもの
である。よって、本発明の目的は、リニアモータを駆動
送り手段として組み込んだ被駆動移動構造体を含む送り
装置の上述のような問題点を解決すべく、被駆動移動構
造体を非金属の小比重の軽量体によって構成するととも
に、該構造体の一部以上、または大部分をリニアモータ
の可動子とする構成とし、駆動往復等の直線移動を軸運
動の直線性を向上させた状態で、バランス良く高精度で
行わせ得ると共に、高応答性で、高い制御性を有するよ
うに構成することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)リニアモータによって駆動される被駆動移動構造
体の一部以上がリニアモータの可動子を兼用する送る装
置において、前記構造体が非金属の小比重の軽量体から
なると共に、一軸に直角で移動方向に平行に延びる一対
の面を有してなり、該構造体を固定部に対して前記移動
方向に直線移動自在にガイド保持する直線案内装置と、
前記一対の面に接着取付けた軟磁性板と、該各軟磁性板
に構造体の前記移動方向に間隔を置いて所望数接着取付
られた永久磁石片の列と、該永久磁石片の列が設けられ
た構造体の各面に微小間隙を隔てて相対向するよう固定
部に取付けられたヨーク鉄芯と巻回励磁コイルとから成
る一対のリニアモータの励磁固定子と、前記移動方向の
可動子構造体の固定部に対する移動位置を検出するよう
に両者間に前記移動方向に沿って取付けられた位置検出
装置とを備えて成る工作機械等の送り装置とすることに
より達成される。
【0009】また、前述の本発明の目的は、前記可動子
構造体を構成する非金属の小比重軽量体が、繊維強化セ
ラミックス、粒子分散強化セラミックス、または、ウイ
スカ強化セラミックスを含むAl系やZrO
等の酸化物系セラミックス、またはSiC系やSi
系等の非酸化物系セラミックスで、全体が一体の焼結
成形体から成る前記(1)に記載の工作機械等の送り装
置とすることにより、より良く達成される。
【0010】また、前述の本発明の目的は、前記可動子
構造体を構成する非金属の小比重軽量体が、炭素繊維強
化プラスチック製で、全体が一体物から成る前記(1)
に記載の工作機械等の送り装置とすることにより、より
良く達成される。
【0011】また、前述の本発明の目的は、前記可動子
構造体が、前記移動方向に延びる全体として中空柱状
体、または前記移動方向と直交する断面が、T字状で移
動方向に延びる柱状体から成る前記(1)、(2)、ま
たは(3)に記載の工作機械等の送り装置とすることに
より達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の送り装置を搭載
した一実施例の型彫り放電加工機の全体構成を示す斜視
図で、1はベッド、2はベッド1の後側部または上面に
立設されたコラム、3はコラム2前面のベッド1上に水
平一軸(Y軸)方向に移動可能に設けたサドル、4はサ
ドル3上に他の水平一軸(X軸)方向に移動可能に設け
たラム、5はラム4のコラム2前面側に設けた加工槽
で、図示しない被加工体を取り付け、加工液中浸漬状態
で加工電極6と相対向配置させる加工テーブルを備えて
いる。
【0013】7は、コラム2上部の加工槽5側に延出し
たコラム前面2Aに取付けられた加工ヘッドで、全体と
して中空柱状体で、下方先端に加工電極6の取付手段8
Aを有するほぼ四角柱状のクイル8を、クイル後面とコ
ラム前面または加工ヘッド内面間等に設けた直線案内装
置9により、鉛直方向への駆動により直線移動自在に内
包保持して成る。10A及び10Bは、前記クイル8の
鉛直方向と直角な方向の対向側面夫々に移動方向に沿っ
て所定個数列設される図示しない永久磁石と微小間隙を
介して相対向するように加工ヘッド7の両側面に設けら
れるヨークと巻回励磁コイルとから成る一対の電磁石装
置、即ち、所謂リニアモータの励磁固定子で、永久磁石
を取付けたクイル8をリニアモータの磁石取付板の可動
子として移動させるものである。
【0014】図2乃至図4に基づき、以下にその詳細を
説明するように、本実施例は、本発明送り装置における
移動構造体を、前記型彫り放電加工機の加工電極送りク
イルに適用した場合の一例である。図2は、図1のA−
A線に沿う加工ヘッド7部切断平面図、図3は同じくB
−B線に沿う切断左側面図、また図4は同じくC−C線
に沿う切断正面図である。
【0015】図2乃至4において、7は前述加工ヘッド
で、該加工ヘッドは前記図2の平面図で示すように、こ
の実施例の場合は断面コの字状であるから、図示では、
例えば直線案内装置9のレール9A、9Aのように前記
コラム前面2Aに取付けられているが、例えば断面口の
字状の場合には、前記レール9A、9Aやクイル8の位
置を検出するリニアスケール等は加工ヘッド7の内壁面
等の別の位置に設けられていることになる。また図示実
施例の場合加工ヘッド7は前面が開閉可能で、内装や組
立、調整を可能としている。
【0016】クイル8は後述する構成のリニアモータの
可動子として駆動により、高速応答でかつ高速で、特に
電極ジャンプ作動の場合には、好ましくは往復とも、そ
して少なくとも長いストロークのジャンプ後の近接復帰
時には加速度が1G以上にも及ぶ高加速度で加速されて
移動し得るよう、より軽量に構成することが望ましく、
図示の場合四角柱状のクイル8は、中心に所望内径の貫
通孔8Bを穿った中空柱状の構成とし、さらに該中空柱
状のクイル8全体を一体の非金属の小比重の軽量体によ
って構成するようにするものである。
【0017】この非金属の小比重の軽量体としては、具
体的には、繊維強化セラミックス、粒子分散強化セラミ
ックス、または、ウイスカ強化セラミックス等のセラミ
ックス系複合材であっても良い、例えばAl系や
ZrO系等の酸化物系セラミックス、またはSiC系
やSi系等の非酸化物系セラミックス等の全体が
一体の焼結成形体とすることにより、クイル8本体のみ
の場合従来の鋼材による場合の約3分の1の重量とする
ことができる。
【0018】セラミックスの場合の一具体例を挙げる
と、窒素硅素焼結体は、窒化硅素(Si )の粉末
粒子に焼結助剤を、或いは更に結晶化促進剤乃至は結晶
成長コントロール作用等を期待して、酸化系物のものも
あるが、多くは希土類元素酸化物、乃至は該希土類元素
酸化物に焼結能を高めるAl、SiO、AlN
等、或いは更にBe、SrO等を適宜添加したものを混
合し、アイソスタティックプレス乃至は準アイソスタテ
ィックプレス法により目的とする形状に成形した後、常
圧焼結法とガス圧焼結法を組合せた二段焼結するか、ホ
ットプレス又は熱間静水圧焼結をした後ガス圧焼結法に
よる後処理を行い、ダイアモンド工具による旋削加工仕
上げ後焼鈍処理するものである。かかるセラミックスに
よれば、前述軽量に止まらず、機械的強度が大きく高剛
性で、耐熱衝撃性及び耐摩擦性に優れ、熱膨張や熱変形
が少なく、前記クイルや工作機械の主軸等としても有用
なものである。
【0019】本発明における非金属の小比重の軽量体と
しては、移動構成体の適用物によっては、例えば、炭素
繊維と通常熱硬化性プラスチックとから成る炭素繊維強
化プラスチックを使用するとができる。この場合、炭素
繊維のトウに未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて後硬化
処理する製作態様のものの外、炭素繊維を短繊維状とし
た樹脂との混合物を射出成形する製作物も使用可能であ
り、前述セラミックス製のものより可動子構造体を一段
と軽量に構成することができる。
【0020】このようにして製作等された四角柱状のク
イル8は、移動軸に直角な背面側がコラム前面2A等の
直線案内装置9に取付けられた状態で鉛直方向にバラン
ス良く直線に移動するように、クイル8の両側面に夫々
リニアモータを構成配置して構造体のクイル8を可動子
として作動せしめられる。このため、研削等して仕上げ
られた前記両側面に永久磁石片11A,11Bを移動方
向に接着剤やねじ止めにより接着固定し、列設して設け
るのであるが、クイル8を前述のように非金属の小比重
の軽量体、例えば、セラミックス、Si製とする
と、リニアモータの可動子として張り付けられた永久磁
石片11A、11Bの相互間等において、良好な磁気回
路が形成されないから、本発明の実施には、前記セラミ
ックス製クイル8の両側面に鉄板や電磁軟鉄等の軟磁性
材料の磁石板8Cを張りつけた上に永久磁石片11A、
11Bを張りつけ固定するようにするものである。クイ
ル8をこのように、特にセラミックス製で、一体の中空
柱状体にすると、軽量であるから、慣性が小で制御の応
答性が高く、熱による膨張や変形も少ないから精度の高
い加工を可能とする送り装置が得られる。
【0021】而して、軽量体のクイル8の鉛直方向の移
動を案内する前記直線案内装置9は、図示実施例の場
合、リニア・モーション・ボール(又はローラ)・ベア
リングのレール9A、9Aが、2本、所定の間隔を置い
て鉛直平行にコラム前面2Aに取付けられ、これに対し
ベアリングブロック9B、9Bが、各レール9A、9A
毎に2個、鉛直方向に所定の間隔を置いて取付けられて
いて、両者を嵌合組み付け構成されている。
【0022】上記のように、案内装置9を構成した場
合、クイル8が軽量体であっても、その上昇時及び下降
停止時に、チャック及び電極を含むクイルの重量と加速
度及びその変化による逆ラジアル方向の荷重が作用する
ことは事実で、これがコラム2及び加工ヘッド7を前方
及び下方へ撓ませる場合にはベアリング9、9の寿命を
損なうので、かかる場合には、図5の変更実施例のよう
に、加工ヘッド7の前面板7Aとクイル前面との間に鉛
直方向に延びる直線案内、例えば、クロスローラベアリ
ング17を設け、コラム前面2Aに向けたラジアル荷重
を付与することにより前記逆ラジアル荷重を受けて、ク
イル8の上昇及び下降を案内させるようにすれば良い。
【0023】10A、10Bは、前記永久磁石片11
A、11Bを夫々鉛直移動方向に取付けた軽量体クイル
8の両側面に微小間隙を介して相対向するように加工ヘ
ッド7の側板の窓部7B、7Cに夫々取付板12A、1
2Bにより取付けられたリニアモータ用の励磁固定子
で、夫々ヨーク10AY、10BYとヨークの櫛歯部に
巻回した励磁コイル10AC、10BCとから成り、硅
素鋼板等の積層体から成るヨーク10AY、10BYの
櫛歯部後方の基部側の積層部には、冷却流体が流通する
冷却パイプ14A、14Bを挿通する千鳥状の穴が設け
られている。
【0024】図示構成の場合、永久磁石片11A、11
Bを列状に片側2列張り付けた軽量体クイル8から成る
可動子と、ヨーク10AY、10BYと励磁コイル10
AC、10BCとから成る固定子とから成るリニアモー
タは、型式としては永久磁石可動型のリニア交流同期モ
ータ(LSM)で、磁石片列に応じ、励磁コイル10A
C、10BCも、片側夫々2列設けているが、磁石片列
を各1列として励磁コイルを各1個としても良い。ま
た、当該リニア交流同期モータ(LSM)は、リニア直
流モータ(LDM)のコイル電流を3相としたものであ
るから、リニアモータとしては、このリニア直流モータ
(LDM)を使用することが出来るだけでなく、より高
速駆動が可能なリニア交流誘導モータ(LIM)も使用
しても良い。但し、このリニア交流誘導モータ(LI
M)の場合には、可動子と固定子の間に磁気吸引力では
なく、磁気反発力が発生作用することになる。
【0025】何れにしても、本発明は、軽量体からなる
クイル8等の可動子構造体の移動方向と直角水平な左右
の両側面にリニアモータを形成して設けることにより、
クイル8の左右両側におけるリニアモータの可動子と固
定子間の磁気吸引力(反発力)をバランスさせて打ち消
させ、この水平左右方向の力の打消し合いによりクイル
8の軸運動の真直性を向上させ、直線案内装置9に与え
る負荷を著しく軽減させることができる。そしてこの、
クイル8の左右両側面に於ける磁気吸引力(反発力)を
平衡させて打消させ得るように、ヨーク10AY、10
BYの各取付板12A、12Bの背板面に分布して設け
た押しねじと引きねじにより、ヨーク10AY、10B
Yの傾き調整及び/または前後進位置決めにより、可動
子側永久磁石11A、11Bの板面と各ヨーク10A
Y、10BY間の間隙を等しく、図示の場合左右の各リ
ニアモータの磁気吸引力が等しくなるように間隙調整が
可能に構成されているものである。勿論、調整設定後
は、前記押しねじと引きねじを、固定剤で固定するよう
にしてもよい。
【0026】13は、軽量体クイル8の直線移動位置を
検出する高検出速度のリニアスケールで、図示の場合ス
ケール13Aがクイル8前面に、これに対向する加工ヘ
ッド7前方内面にセンサ13Bが取付けられ、検出位置
信号を移動位置指令信号が与えられる駆動装置にフィー
ドバックして、励磁コイル10AC、10BCに制御さ
れた作動信号を出力する。而して、前記図5の変更実施
例の場合は、このリニアスケール13が、クイル8背面
とコラム前面2Aとの間に設けられているが、その機能
や作動等は、前述のものと実質上同一のものである。
【0027】以上の構成であると、下方先端に電極取付
手段8Aを有する軽量体クイル8の荷重を重力に抗して
持ち上げておく構成がない。このため前述の先行技術で
は、カウンターバランス手段が設けられているが、クイ
ル8の上昇、下降に於ける加速度が重力の加速度1G程
度、またはそれ以上になると、バランサが応答できず振
動することになる。このため本発明ではクイル8をコラ
ム2または加工ヘッド7に保持させる手段として、シリ
ンダ15A、ピストン15B、ロッド15C及び図示し
ないバルブ、配管等から成るエアバランサ15を少なく
とも1個設けたもので、該エアバランサ15は、シリン
ダ15Aまたはロッド15Cの一方をコラム2(ヘッド
7)またはクイル8の一方に固定し、かつ夫々他方同志
を連結乃至固定することによりクイル8をコラム2(又
はヘッド7)に保持させることができるものである。し
かるところ、図示実施例の場合はバランス良く、かつ省
スペース状態とするためにエアバランサ15のシリンダ
15Aをクイル8の貫通孔8Bに同軸状に挿入し、上縁
部のフランジ部15Dでクイル8と連結し、ロッド15
Cの上端を連結杆16を介してコラム2に連結固定した
ものである。
【0028】そして、図6に示すように、このエアバラ
ンサ15にはコンプレッサ等の空気圧源18から、例え
ば約7kg/cmの圧縮空気が、エアドライア19、
出力3kg/cmのエアレギュレータ20、及び出力
2.5kg/cmの精密エアレギュレータ21を介し
て、シリンダ15Aの上室15RUに加圧空気が導入さ
れ、下室15RDは実質上開放された状態とすると、エ
アバランサ15は、左右の両リニアモータが作動して可
動子のクイル8を送り制御及び位置決めした位置にシリ
ンダ15Aと一体に持ち上げ保持した状態を保ち、ここ
でクイル8が下降送りされると増圧するが、所定値を越
えると、精密エアレギュレータ21で一定圧に制御され
ている上室15RUのエアは排出されて一定圧に戻り、
逆にクイル8が上昇すると減圧する上室15RUにエア
が急速に送り込まれて一定圧となるようにハイ・レリー
フバルブ付等の精密エアレギュレータ21が作動し、低
イナーシャ(低慣性モーメント)でクイル8の重量バラ
ンスを取り、高速応答を可能としている。
【0029】またクイル8の上昇、下降に伴うエアバラ
ンサ15に対する精密エアレギュレータ21からの加圧
空気の供給と排気の作動の態様としては、正常な放電加
工状態でのサーボ制御による間隙変化長さが、前述約1
0〜100μm程度以内の状態のときは応答せず、前記
間隙変化長さが、上記正常状態中のサーボ制御による間
隙変化長さ以上、例えば、約200μmを越える異常状
態回避のサーボ制御送りの時、または周期的作動か、間
隙状態検出判別による作動で、設定最低ストロークが約
200μm以上である電極ジャンプ時に、加圧空気の給
排が応答するように、クイル8とエアバランサ15間
か、エアバランサ15と連結杆16の間等に、クイル8
の前記約200μm以内の上昇、下降の移動では、シリ
ンダ上室15RU内の圧力が、精密エアレギュレータ2
1が作動する迄変動しないように、その機械的連結に、
上記約200μm程度の隙間等によるガタまたはバック
ラッシュを持たせておく構成とすることが、正常状態で
のサーボ送り制御上好ましいようである。なおこの場
合、例えば上記正常加工状態が継続して、加工送り込み
長さの累計が、上記約200μm以上に達したら、精密
エアレギュレータが作動するようになること当然であ
る。
【0030】上述図1〜6中に於ける本発明の好ましい
実施例は、図2又は図5の加工ヘッド部の切断平面図に
於いて、第1に送り駆動手段としてリニアモータを用い
ることであるが、下方直下先端に電極等の取付手段を有
するクイル自体をそのリニアモータの可動子として構成
すること、そしてクイルの軸と直交する対向側面にリニ
アモータを夫々1個又は2個設けて強い磁気吸引力また
は反発力を相殺させた状態で軸方向に駆動送りする構成
とし、この目的のためにリニアモータの可動子クイルと
ヨークと励磁コイルとから成る固定子間の対向微小間隙
を調整設定し得るように構成し、そして、折角使用する
リニアモータの高速応答及び高速移動特性が損なわれな
いように被駆動の可動子クイルを軽量とするためにクイ
ル軸芯に穴を穿った中空柱状体とし、そして、さらによ
り軽量で熱影響の少ない可動子クイルとするために前記
中空柱状体のクイルを焼結成形したセラミック製、また
は炭素繊維強化プラスチック製とするものであり、そし
てこの軽量になった可動子クイルを、好ましくは、エア
バランサを設けて支え、可動子クイルが低イナーシャ
で、バランス良く保持され、かくすることにより、サー
ボ制御送りに於て、0.1μm以下の最小設定単位長さ
の送りを数msecまたはそれ以下の応答速度で制御を
行うと共に、電極ジャンプに於いて、加速度が1G以上
となる場合にも円滑に応答して高速で移動し、加工休止
時間を少なくして、リブ加工を実行させる等、本発明の
目的を如何なく発揮させることができるものである。
【0031】図7は、本発明の別の実施例を示す前述図
2及び図5と同様な型彫り放電加工機の図1A−A線に
沿う切断平面図で、同一物または同一作用物には同一の
符号が付されている。前述図2及び図5のものと相違す
る点は、セラミックス製等の構造体クイル8が、切断平
面図に於て、口の字状の四角形中空柱状体であること
と、励磁固定子10A,10Bと永久磁石片11A,1
1Bを設けた磁石板8C,8Cとから成る2つのリニア
モータと、例えば、クロスローラベアリング等から成る
直線案内装置9,9とが互いに直角にクロスして、加工
ヘッド7に側面四方から案内支持及び直線送り駆動され
るように構成されていること、及び前記クイル8を保持
するエアバランサ15のシリンダ15Aがコラム2等固
定側に設けられ、クイル8がピストンロッド15Cに連
結杆16を介して連結され、図示しないピストン15B
と一体に昇降する構成となっている点のみである。かか
る構成によれば、バランス良く確実に保持されている以
上、リニアモータによるクイル8昇降の作動時に、クイ
ル8に対する駆動軸芯と案内軸芯とが、クイル8の中心
軸に重なってあるかの如くに作動することになり、直線
案内装置9,9に負担がかかりにくく好ましいが、リニ
アモータの間隙や案内装置9,9の調整に配慮した構成
とすることが必要な場合がある。また、必要ならば、エ
アバランサ15のシリンダをコラム2の左右両側に2個
設け、クイル8を支持させるようにしてもよい。
【0032】図8は、また本発明の別の実施例を示す前
述図7と同様な切断平面図で、セラミックス製等の構造
体クイル8が、切断平面図に於て、T字型をしている点
で前述迄の実施例のものと相違するが、この実施例はク
イル8の前面8D(図では上方)に突出して、例えば回
転割出し(C軸)を兼ねる回転駆動源モータ(R軸)を
有する電極等工具主軸を取付けようとする物の一例であ
る。この場合、構造体クイル8は、長尺の板状体の2枚
の板を組合わせ結合した構成であっても良く、例えば、
Tの字の柱の部分が前述図2に示した中空柱状のクイル
8で、その前面に板状体を組合わせ結合した構成とする
ことが考えられる。又クイルの前面8Dを水平面と一致
させて水平に配置すると、水平2軸の一方又は両方のサ
ドルやラム、あるいはテーブルを載置して取付けた水平
軸の駆動構造体の送り装置とすることができ、この水平
方向の送り装置とするときには、前述したようなカウン
タバランサやエアバランサ等は不要となる。
【0033】図9は、また別の実施例の、紙面表裏方向
に移動する小型の位置決めテーブル8等の切断正面図
で、左右両方にあるリニアモータ10A,10Bは、夫
々の磁気吸引力を相互に相殺している点で、前述実施例
のものと同様で、上記テーブル8等をセラミックス製や
炭素繊維強化プラスチック製等の非金属の小比重軽量体
で構成することにより、高応答性で、高速度で移動さ
せ、かつ制御することができるようになる。
【0034】以上は、本発明を図示した実施例をもと
に、放電加工の場合を主に説明を加えたが、上述した本
発明の精神を逸脱しない範囲で、各部に種々の変更を加
え、工作機械等の送り装置としての実施が可能なもので
ある。例えば、電源が無停電電源でない場合、停電する
とクイル8が落下することになるから、停電時に作動し
てクイル8をコラム2又は加工ヘッド7に固定するメカ
ロック機構を設けることが推奨される。また、この可動
子クイルの落下防止のための前述メカロックに代えて、
設定下死点以下への移動を防止する、好ましくは調整可
能な下ストッパをクイル8とコラム2または加工ヘッド
7間、或いは電極取付手段8Aと加工槽内加工テーブル
間に設けるとか、図3等に示したように、リニアモータ
への磁性塵埃の進入を防止するための加工ヘッド7の上
下を閉塞する蛇腹の取付及びその構成、さらにリニアエ
ンコーダ13とともに、またはこれに代えて永久磁石1
1A又は11Bの位置を検出する磁電変換素子等のポー
ルセンサをヨーク10AY又は10BYに設けるように
しても良い。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、リニア
モータを駆動送り手段として組み込んだ被駆動移動構造
体を含む送り装置を、駆動により往復等させる直線運動
を軸運動の直線性を向上させた状態でバランス良く高速
度で行わせ得ると共に、高応答性で、高い制御性を有す
るように構成することができる。そしてこれを、形彫り
放電加工機に適用した場合について見ると、主としてほ
ぼ鉛直方向の加工電極送りの駆動源にリニアモータを用
いた場合に、その鉛直方向の、加工のためのサーボ制御
送りや加工屑等排除のための電極ジャンプ等の直線往復
運動を軸運動の直線性を向上させた状態で、バランス良
く、そして真に所定の高速度で移動させることができる
と共に、高速応答性で、高い制御性を有することとな
り、上記サーボ制御送り状態での正常で良好な放電加工
を実現させて、加工性能を一段と向上させると共に、電
極ジャンプを使用する加工における加工性能を一段と向
上させることができるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送り機構を搭載した形彫り放電加工機
の全体構成を示す斜視図。
【図2】図1のA−A線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断平面図。
【図3】図1のB−B線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断左側面図。
【図4】図1のC−C線に沿う加工ヘッド部の一実施例
の切断正面図。
【図5】図2と同じく、図1のA−A線に沿う加工ヘッ
ド部の異なる実施例の切断平面図。
【図6】図3の切断左側面図に一実施例のエアバランサ
用エア供給源を付加して示した図。
【図7】図2又は図5と同じく、図1のA−A線に沿う
加工ヘッド部の異なる実施例の切断平面図。
【図8】図7と同じく、さらに異なる実施例の切断平面
図。
【図9】また、別の実施例のテーブル等に適用した場合
の切断正面図。
【符号の説明】
1 ベッド 2 コラム 3 サドル 4 ラム 5 加工槽 6 加工電極 7 加工ヘッド 8 クイル 8A 電極取付手段 8B 中空貫通孔 8C 軟磁性板 9 直線案内装置 10A,10B 励磁固定子 10AY,,10BY ヨーク 10AC,10BC 励磁コイル 11A,11B 永久磁石 12A,12B 固定子取付板 13 リニアスケール 14A,14B 冷却液パイプ 15 エアバランサ 15A シリンダ 15B ピストン 15C ロッド 15RU シリンダ上部室 15RD シリンダ下部室 16 連結杆 17 リニアクロスローラベアリング 18 エア供給源 19 エアドライヤ 20 エアレギュレータ 21 精密エアレギュレータ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月9日(1999.6.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータを駆
動源として使用する工作機械等の送り装置に係るもので
あり、マシニングセンタ等の工作機械の主軸、特に形彫
り放電加工機のクイルまたは加工ヘッドの鉛直方向の送
り装置として、高速性、高応答性及び高制御性等の点か
ら好適なものであるが、上記高応答性及び高制御性等の
点によれば、上記形彫り放電加工機の水平2軸(X,
Y)及びワイヤ放電加工機のワイヤ電極軸とほぼ直角な
平面2軸の各制御送り装置として有用なものであり、更
にリニアモータを駆動源として使用する各種製造装置や
検査装置の位置決めテーブルまたはステージ等の各軸制
御送り装置としても使用可能なものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】そして、放電加工機の分野に於いても、例
えば、送り装置の機構部に動力変換機構がなくて、直線
移動可能に主軸を案内支持する直線案内装置とリニアモ
ータとの組み合わせ構成体とした形彫り放電加工装置が
特開平5−104,332号公報によって提案されて居
り、また、特開平8−309,620号公報によれば、
形彫り放電加工装置のZ軸のみならず、X及びYの全軸
をリニアモータを駆動手段として利用する送り装置を使
用し、微小な放電加工間隙を所望目標値に微細に制御す
るものとして提案されている。そして、またさらに特開
平8−318,433号公報によれば、ワイヤカット放
電加工機に於いて、複数の軸方向における相対送りの送
り機構にリニアモータを組み込み具備し、該リニアモー
タによる直線駆動によって、各軸方向の相対送りを得る
ようにすることにより、従来の送り装置の回転−直動変
換機構内に有ったバネ定数要素を削減し、送り移動系の
サーボゲインを高く設定することを可能として高応答性
とし、放電加工の高速化と精度向上とを得ることが出来
るようになったと主張している。しかしながら、本発明
者等は、この、リニアモータを搭載した形彫り放電加工
機も、ワイヤカット放電加工機も見たことがなく、市販
されたとも聞かない。その理由としては、種々のことが
考えられるが、恐らく、目的とする程には、期待する性
能が得られなかったのではないかと思われる。そしてこ
のことは、上記各公報に於ける開示内容を見ると、明ら
かなようである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】例えば、前述の特開平5−104,332
号公報に記載のものの場合、主軸に連結されているガイ
ド機構には、工作機械の直線ガイド機構として用いられ
るリニア・モーション・ボール・ベアリング(直動球軸
受)が組み込まれていて、循環するボールで直動方向に
直角な2つの方向の引張り、圧縮(またはラジアル)荷
重に対し等剛性となるように配置されていて、放電加工
中の主軸の高速応答の位置制御に対して充分な剛性を有
し、主軸の滑らかな運動を確保している等と開示してい
るが、主軸の落下防止の保持に就いては何等開示がな
い。前記落下防止の保持に、リニアモータによる上方へ
の持ち上げ推力を連続的または間歇的に付与するように
作用させているにしても、主軸をリニアモータに特有の
数10m/minまたはそれ以上の高速でジャンプ等の
運動をさせようとすると、その加速度が大きく、例え
ば、1G以上になる場合があると、上記のリニア・モー
ション・ボール・ベアリングによる直動案内のみでは、
逆ラジアル荷重が高く作用する可能性があり、またリニ
アモータ3,5はコラム前面と主軸背面間の一面に形成
されているのみであるから、主軸1とコラム前面間には
強い磁気吸引力または反発力が作用するので、ベアリン
グ案内に負荷を与え、撓みが発生し、送り移動が円滑に
行えなくなる可能性があり、円滑で、高速度の上昇、下
降は期待できない。このため、前述ジャンプ等の移動速
度は、従来型の回転モータ使用の場合の数100mm/
minから、本発明者等が提案した2,000mm/m
in、高くても5,000mm/min程度以下の移動
速度を想定していたものと思われる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】また、(2)前述の本発明の目的は、前記
可動子構造体を構成する非金属の小比重軽量体が、繊維
強化セラミックス、粒子分散強化セラミックス、また
は、ウイスカ強化セラミックスを含むAl系やZ
rO系等の酸化物系セラミックス、またはSiC系や
Si系等の非酸化物系セラミックスで、全体が一
体の焼結成形体から成る前記(1)に記載の工作機械等
の送り装置とすることにより、より良く達成される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】また、前述の本発明の目的は、(3)前
可動子構造体を構成する非金属の小比重軽量体が、炭素
繊維強化プラスチック製で、全体が一体物から成る前記
(1)に記載の工作機械等の送り装置とすることによ
り、より良く達成される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、前述の本発明の目的は、(4)前
可動子構造体が、前記移動方向に延びる全体として中空
柱状体、または前記移動方向と直交する断面が、T字状
で移動方向に延びる柱状体から成る前記(1)、
(2)、または(3)に記載の工作機械等の送り装置と
することにより達成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】セラミックスの場合の一具体例を挙げる
と、窒化硅素焼結体は、窒化硅素(Si)の粉末
粒子に焼結助剤を、或いは更に結晶化促進剤乃至は結晶
成長コントロール作用等を期待して、酸化系物のものも
あるが、多くは希土類元素酸化物、乃至は該希土類元素
酸化物に焼結能を高めるAl、 SiO、Al
N等、或いは更にBe、SrO等を適宜添加したものを
混合し、アイソスタティックプレス乃至は準アイソスタ
ティックプレス法により目的とする形状に成形した後、
常圧焼結法とガス圧焼結法を組合せた二段焼結するか、
ホットプレス又は熱間静水圧焼結をした後ガス圧焼結法
による後処理を行い、ダイアモンド工具による旋削加工
仕上げ後焼鈍処理するものである。かかるセラミックス
によれば、前述軽量に止まらず、機械的強度が大きく高
剛性で、耐熱衝撃性及び耐摩耗性に優れ、熱膨張や熱変
形が少なく、前記クイルや工作機械の主軸等としても有
用なものである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】而して、軽量体のクイル8の鉛直方向の移
動を案内する前記直線案内装置9は、図示実施例の場
合、リニア・モーション・ボール(又はローラ)・ベア
リングのレール9A、9Aが、2本、所定の間隔を置い
て鉛直平行にコラム前面2Aに取付けられ、これに対し
ベアリングブロック9B、9Bが、各レール9A、9A
毎に2個、鉛直方向に所定の間隔を置いてクイル8に取
付けられていて、両者を嵌合組み付け構成されている。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】またクイル8の上昇、下降に伴うエアバラ
ンサ15に対する精密エアレギュレータ21からの加圧
空気の供給と排気の作動の態様としては、正常な放電加
工状態でのサーボ制御による間隙変化長さが、前述約1
0〜100μm程度以内の状態のときは応答せず、前記
間隙変化長さが、上記正常状態中のサーボ制御による間
隙変化長さ以上、例えば、約200μmを越える異常状
態回避のサーボ制御送りの時、または周期的作動か、間
隙状態検出判別による作動で、設定最低ストロークが約
200μm以上である電極ジャンプ時に、加圧空気の給
排が応答するように、クイル8とエアバランサ15間
か、エアバランサ15と連結杆16の間等に、クイル8
の前記約200μm以内の上昇、下降の移動では、シリ
ンダ上室15RU内の圧力が、精密エアレギュレータ2
1が作動する迄変動しないように、その機械的連結に、
上記約200μm程度の隙間等によるガタまたはバック
ラッシュを持たせておく結合構成とすることが、正常状
態でのサーボ送り制御上好ましいようである。なおこの
場合、例えば上記正常加工状態が継続して、加工送り込
み長さの累計が、上記約200μm以上に達したら、精
密エアレギュレータが作動するようになること当然であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 定男 神奈川県横浜市緑区長津田町5289番地 株 式会社ケイ・エッチ・エス長津田事業所内 Fターム(参考) 3C048 AA01 BB01 BB03 BB10 BC01 DD01 DD26 3C059 AA01 AB01 AB05 DE04 DE09 JA04 JA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リニアモータによって駆動される被駆動移
    動構造体の一部以上がリニアモータの可動子を兼用する
    送り装置において、前記構造体が非金属の小比重の軽量
    体からなると共に、一軸に直角で移動方向に平行に延び
    る一対の面を有してなり、該構造体を固定部に対して前
    記移動方向に直線移動自在にガイドに保持する直線案内
    装置と、前記一対の面に接着取付けた軟磁性板と、該各
    軟磁性板に構造体の前記移動方向に間隔を置いて所望数
    接着取付けられた永久磁石片の列と、該永久磁石片の列
    が設けられた構造体の各面に微小間隙を隔てて相対向す
    るよう固定部に取付けられたヨーク鉄芯と巻回励磁コイ
    ルとから成る一対のリニアモータの励磁固定子と、前記
    移動方向の可動子構造体の固定部に対する移動位置を検
    出するように両者間に前記移動方向に沿って取付けられ
    た位置検出装置とを備えて成ることを特徴とする工作機
    械等の送り装置。
  2. 【請求項2】前記可動子構造体を構成する非金属の小比
    重軽量体が、繊維強化セラミックス、粒子分散強化セラ
    ミックス、またはウイスカ強化セラミックスを含むAl
    系やZrO系等の酸化物系セラミックス、また
    はSiC系やSi系等の非酸化物系セラミックス
    で、全体が一体の焼結成形体から成るものであることを
    特徴とする請求項1に記載の工作機械等の送り装置。
  3. 【請求項3】前記可動子構造体を構成する非金属の小比
    重軽量体が、炭素繊維強化プラスチック製で、全体が一
    体物から成るものであることを特徴とする請求項1に記
    載の工作機械等の送り装置。
  4. 【請求項4】前記可動子構造体が、前記移動方向に延び
    る全体として中空柱状体、または前記移動方向と直交す
    る断面がT字状で移動方向に延びる柱状体から成るもの
    であることを特徴とする請求項1、2、または3に記載
    の工作機械等の送り装置。
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Cited By (10)

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