JP2002239843A - 放電加工装置 - Google Patents

放電加工装置

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JP2002239843A
JP2002239843A JP2001105609A JP2001105609A JP2002239843A JP 2002239843 A JP2002239843 A JP 2002239843A JP 2001105609 A JP2001105609 A JP 2001105609A JP 2001105609 A JP2001105609 A JP 2001105609A JP 2002239843 A JP2002239843 A JP 2002239843A
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quill
electric discharge
linear motor
linear
discharge machining
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JP2001105609A
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Inventor
Akio Hosaka
昭夫 保坂
Sadao Sano
定男 佐野
Yoichi Seki
陽一 関
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KHS KK
Sodick Co Ltd
Original Assignee
KHS KK
Sodick Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のリニアモータをZ軸のサーボ制御送り、
及び上昇、下降のストロークの大きいジャンプ往復移動
に使用した放電加工の送り装置のものでは、高速応答性
で、高速移動のリニアモータの性能を発揮することがで
きず、形彫り放電加工機の性能向上に寄与させることが
できなかった。 【解決手段】垂直方向に移動可能なクイルと、該クイル
下端に設けられた工具電極が取り付けられる電極取付装
置と、前記クイルの軸芯に関して対称な両側面に取り付
けられたリニアモータの各移動子と、該リニアモータの
各移動子のそれぞれに向かい合うように設けられるリニ
アモータの各固定子と、前記クイルの側面でクイルを垂
直方向に案内する1組の直線案内装置と、前記クイルの
荷重と釣り合いを取るエアシリンダと、前記移動子と固
定子とからなるリニアモータは、永久磁石を列状に配置
した磁石板と、ヨークとヨークに巻かれたコイルを含む
電機子との組み合わせから成り、前記電機子には冷却液
が流通する冷却管が設けられた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具電極と導電性
のワークピースの間に放電を発生させつつ工具電極をワ
ークピースへ向けて送ることによって種々の形状の穴を
ワークピース中に形作る放電加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工装置(Electric Di
scharge MachiningApparatu
s)は、硬い導電性のワークピースをモールドやダイへ
精密に加工するために広く使用されている。ワークピー
スは加工槽内に配置されたテーブルに固定され、銅やグ
ラファイトの工具電極は垂直に移動可能なクイルあるい
はラムに工具ホルダを用いて取り付けられる。加工槽は
灯油のような誘電性液で満たされ、工具電極はワークピ
ースに非常に接近して位置決めされる。工具電極とワー
クピースとの隙間はギャップ(放電間隙)と呼ばれ、そ
のサイズは、数μmから数十μmである。オンタイムの
間パワーパルスが工具電極とワークピース間に印加され
ると、ギャップ中の誘電性液の絶縁特性が破壊され放電
が発生する。この放電による熱のため、微量のワークピ
ース材料が蒸発するあるいは溶融して誘電性液に流され
る。オンタイムが終了すると、ギャップ中の誘電性液の
絶縁特性を回復するためパワーパルスの印加がオフタイ
ムの間停止される。放電によってクレータ状の微細な穴
がワークピースの表面に残る。放電加工装置は、通常、
オンタイムとオフタイムを1μsec〜数10msec
の間で制御してパワーパルスを繰り返しギャップに印加
する。放電加工装置は工具電極をワークピースへ向かっ
てZ軸に沿って降下させギャップを一定のサイズに維持
する。工具電極はワークピースに接触することなくワー
クピースから微量の材料を除去できるので、良好な粗さ
の面をもつ、形状において工具電極に相補的な窪みが精
度よくワークピース中に形作られる。このような放電加
工装置は、走行するワイヤ電極を使用するワイヤ放電加
工機(Wire EDM)と区別して、形彫放電加工機
(Sinker EDM)と呼ばれる。
【0003】ワークピースから除去された破片をギャッ
プから洗い流すためギャップを経由する誘電性液の流れ
を作り出す“フラッシング”動作が、放電加工には重要
である。フラッシング動作は、ワークピースから除去さ
れた破片と工具電極との間に発生する望ましくない2次
放電を防止しオフタイム中の確実な絶縁の回復に貢献す
る。熟練の作業者は、加工前に、新鮮な誘電性液をギャ
ップへ送り込んだり汚れた誘電性液をギャップから吸引
するための穴を工具電極やワークピース中の適当な位置
に形成する。工具電極のサイズや形状に因りそのような
穴の形成が制限される場合、作業者は誘電性液をギャッ
プへ向けて噴射する噴射装置を適当な位置に配置する。
フラッシングは、より速くより精度良く放電加工を行う
ための鍵であるけれども、ギャップのすべてにわたって
均一な流れを作り出すためには熟練が必要となる。
【0004】工具電極を周期的にZ軸に沿って急速に上
昇させ急速に下降させてギャップ中の汚れた誘電性液の
ほとんどをワークピース中の窪みから追い出す、“ジャ
ンプ”と呼ばれる動作が知られている。ジャンプ動作
中、従来、工具電極は数百mm/minの速度で移動す
る。工具電極の往復距離が大きければ、より多くの新鮮
な液がギャップへ流れ込みより多くの汚れた液がギャッ
プから排出される。少なくともワークピース中に加工さ
れている穴の深さ以上に工具電極を上昇させることが望
ましい。しかしながら、ジャンプ動作中は加工が中断し
ワークピースから材料の除去が行われないため、過度に
頻繁なジャンプ動作は材料除去速度を低下させてしま
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、材料
除去速度を低下させることなく、ワークピースから除去
された破片を効果的にギャップから洗い流すことのでき
る放電加工装置を提供することである。また、本発明の
別の目的は、高い熟練を必要とすることなく、ワークピ
ースから除去された破片を効果的にギャップから洗い流
すことのできる放電加工装置を提供することである。そ
して、前述の目的を達成するために本発明は、工具電極
の送りを、高応答、高加減速で、高速度に精度良く行な
い得る送り装置を備えた放電加工装置を提供することに
ある。さらに、その他の本発明の目的は、以下に続く説
明の中に部分的に述べられ、発明を実践することによ
り、当業者に部分的に明らかになるであろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)ワークピースと工具電極との間に放電を発生させ
ながら工具電極をワークピースへ向けて垂直方向に移動
させることによってワークピースを加工する放電加工装
置において、垂直方向に移動可能なクイルと、該クイル
下端に設けられた工具電極が取り付けられる電極取付装
置と、前記クイルの軸芯に関して対称な両側面に取り付
けられたリニアモータの各移動子と、該リニアモータの
各移動子のそれぞれに向かい合うように設けられるリニ
アモータの各固定子と、前記クイルの側面でクイルを垂
直方向に案内する1組の直線案内装置と、前記クイルの
荷重と釣り合いを取るエアシリンダと、前記移動子と固
定子とからなるリニアモータは、永久磁石を列状に配置
した磁石板と、ヨークとヨークに巻かれたコイルを含む
電機子との組み合わせから成り、前記電機子には冷却液
が流通する冷却管が設けられていることを特徴とする放
電加工装置とすることにより達成される。
【0007】また、前述の本発明の目的は、(2)前記
クイルは、その中心に垂直方向に延びる穴を有し、全体
として中空の柱状体に構成されていることを特徴とする
前記(1)に記載の放電加工装置とすることにより達成
される。
【0008】また、前述の本発明の目的は、(3)前記
エアシリンダが前記クイルの穴に挿設した状態でクイル
に連結されており、ピストンロッドがコラムに連結され
てクイルをコラムに保持させて成ることを特徴とする前
記(2)に記載の放電加工装置とすることにより達成さ
れる。
【0009】また、前述の本発明の目的は、(4)前記
エアシリンダに精密レギュレータから所定の制御された
圧力気体が供給されるように構成されて成ることを特徴
とする前記(1)、(2)または(3)に記載の放電加
工装置とすることにより達成される。
【0010】また、前述の本発明の目的は、(5)前記
クイルが、コラム前面に取り付けられた枠体により垂直
方向移動可能に取り囲み保持され、前記1組の直線案内
装置がコラム前面とクイルの後壁面間に、リニアモータ
がクイル両側面と枠体の両側壁とに設けられて成ること
を特徴とする前記(1)、(2)、(3)または(4)
に記載の放電加工装置とすることにより達成される。
【0011】また、前述の本発明の目的は、(6)前記
1組の直線案内装置が、前記リニアモータが設けられた
クイル両側面と直交する両側面部に設けられて成ること
を特徴とする前記(1)、(2)、(3)または(4)
に記載の放電加工装置とすることにより達成される。
【0012】また、前述の本発明の目的は、(7)前記
クイルが、密度4g/cm以下のセラミックスまたは
軽合金から製作されたものであることを特徴とする前記
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)または(6)
に記載の放電加工装置とすることにより達成される。
【0013】また、前述の本発明の目的は、(8)前記
クイルの垂直方向の直線移動位置を検出するように、ク
イルとコラムまたは枠体に取り付けられたリニアスケー
ルとセンサからなる直線位置検出装置と、該検出装置の
検出フィードバック信号を受け電機子コイルへ制御信号
を出力する駆動装置とを備えて成ることを特徴とする前
記(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)ま
たは(7)に記載の放電加工装置とすることにより達成
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、具
体的に図示した複数の異なる実施の形態により詳細に説
明する。図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態の
説明図で、図1は第1の実施の形態の送り装置を搭載し
た形彫放電加工機の全体構成を、要部の一部を透視図と
して示した斜視図、図2は、クイルを駆動する装置を図
1のA−A線に沿って見た横断平面図、図3は、同じく
図1のB−B線に沿って見た縦断左側面図、また図4
は、同じく図1のC−C線に沿って見た縦断正面図であ
る。
【0015】図1中にイラストされているように、コラ
ム2はベッド1の背後に配置され、移動体3がY軸の方
向に摺動可能にベッド1に設けられている。サドル4は
Y軸に直交するX軸の方向に摺動可能に移動体3に設け
られている。誘電性液で満たされる加工槽5はサドル4
に設けられている。ワークピース(イラストされていな
い)は、加工槽5中に配置されたテーブル(イラストさ
れていない)に固定されている。ワークピースの近くに
位置決めされる工具電極6は、電極取り付け装置9に取
り付けられる。電極取り付け装置9はZ軸方向に移動可
能な中空のクイル8の下端に固定されている。材料除去
速度を低下させることなく大きい移動量のジャンプ動作
を行うため、放電加工装置は、重力加速度(1G)を超
える加速と減速、10m/min以上の速度で工具電極
6を精度良く移動することを可能にする。
【0016】図2中に詳細に示されるように、クイル8
は外形がほぼ正方形の横断面を有する。電極取り付け装
置9および工具電極6は、図3および図4中に示される
ように、クイル8の中心軸QCと同軸に配置されている
ので、工具電極6は精度良く移動できる。列状の永久磁
石片11と13とが中心軸QCに関して対称に四角柱状
のクイル8の軸芯に対称な両側壁に移動方向に列状に配
置されている。
【0017】駆動により送り移動させられるクイル8
は、高い加速を得るため高い剛性を保ちつつクイル8を
軽量化することに注意が払われている。クイル8は、そ
の中心に垂直方向に延びる円筒形の穴8aを有し、4g
/cm以下の密度を有する。それは、好ましくは、小
さい熱膨張係数と大きなヤング率を有するセラミックス
から成る。特に、3.2g/cmの密度、3.0〜
3.1×10kgf/cmのヤング率、4.5〜
5.0MPa・m1/2の破壊靭性を有する窒化珪素
(Si)セラミックスが選ばれる。
【0018】セラミックスクイルの製造方法の一例が簡
単に述べられる。まず、酸化アルミニウム(Al
)、二酸化珪素(SiO)又は窒化アルミニウ
ム(AlN)の焼結助剤が窒化珪素(Si)の粒
子に添加される。その混合物は、例えばアイソスタティ
ックプレス法により中空の四角柱へ成形される。その成
形体は、常圧焼結法および雰囲気加圧焼結法によって焼
結される。
【0019】また、クイル8は、軽金属と40体積%以
上のセラミックスとの複合材料から成ってもよい。軽金
属は、アルミニウムやマグネシウムおよびそれらの合金
を含む。セラミックスは、炭化珪素(SiC)セラミッ
クス、酸化アルミニウム(Al)セラミックスお
よび窒化珪素(Si)セラミックスを含む。
【0020】また、アルミニウム合金と55体積%の酸
化アルミニウムセラミックスの複合材料は、2.95g
/cmの密度、2.0×10kgf/cmのヤン
グ率および10.5MPa・m1/2の破壊靭性を有す
る。アルミニウム合金と55体積%の酸化アルミニウム
セラミックスの複合材料は、3.00g/cmの密
度、2.65×10kgf/cmのヤング率および
10.0MPa・m1/ の破壊靭性を有する。このよ
うな複合材料は、例えば、溶融した軽金属を700〜8
00C°の窒素中でセラミックス焼結体に浸透させるこ
とによって作られる。
【0021】永久磁石片11と13とは、それらの間に
良好な磁気回路を形成するため、鉄のような軟磁性材か
ら成るできるだけ薄い磁石板12と14とに配置され
る。クイル8と磁石板との間になんらの部材も設けられ
ていない。イラストされた実施例では、2列の永久磁石
11が配置された磁石板12がクイル8の一方の側壁へ
貼り付けられ、2列の永久磁石13が配置された磁石板
14がクイル8の他方の側壁へ貼り付けられている。
【0022】クイル8の垂直の移動を案内するため、2
本のリニアモーションボールベアリングレール21が互
いに平行にコラム2の前面2aに取り付けられている。
レール21に係合する上側および下側ベアリングブロッ
ク22と23が、クイル8の後壁に取り付けられてい
る。
【0023】永久磁石11と13に向い合う電機子固定
子10と15を支持する枠体7が、コラム2の前面2a
にクイル8を囲むように取り付けられている。図2およ
び図4中に示されるように、励磁コイルとヨークから成
る電機子固定子10と15が、クイル8の中心軸に関し
て対称となるように板7dと7eのそれぞれの垂直面に
取り付けられる。板7dと7eは枠体7の両側壁に形成
された窓7aと7bに嵌め込み固定されている。板7d
と7eに積層の珪素鋼板から成るヨーク31と41がそ
れぞれ取り付けられ、電気子コイル32と42がヨーク
31と41のそれぞれの移動方向に並ぶ磁極歯に巻かれ
ている。ヨーク31と永久磁石11との隙間と、ヨーク
41と永久磁石13との隙間は同じサイズになるよう調
整されている。例えば、これら2つの隙間は、板7dと
7eに設けられた多数の押しねじと引きねじによって同
じサイズに調整される。その結果、2つのリニアモータ
の移動子と固定子の間に発生する各磁気的な吸引力が相
互に相殺される。
【0024】工具電極6を取り付けたクイル8は、放電
加工中ジャンプ運動が設定されていると、1G以上の加
減速で、数10m/min以上の高速移動で、上昇と下
降を頻繁に繰り返させられる高負荷作動で、発熱が避け
られず、冷却液が通るいくつかの管33と43が、ヨー
ク31と41のそれぞれの中に形成された穴に挿入され
ている。
【0025】そして、この実施例の場合、リニアスケー
ル51はクイル8の前壁に取り付けられ、クイル8の位
置を読み取るセンサ52が枠体7の前壁7cの内側に設
けられている。リニアモータの駆動装置(図示されてい
ない)はセンサ52の検出信号を受け取り電機子コイル
32と42へ制御信号を供給する。
【0026】そして、本発明は、クイル8のリニアモー
タによる高応答、高加減速での高速移動を可能とするた
め、1G以上の加速度で移動を可能とすべくクイル8の
荷重とのつりあいをとるシリンダ61が設けられる。機
械をコンパクトにするため、この実施例ではシリンダ6
1は中心軸QCと同軸に穴8a中に配置され、その上端
はフランジ64によってクイル8に固定されている。シ
リンダ61はクイル8の直近に設けられているので、そ
の高い応答性が確保される。ピストンロッド63は一端
でピストン62へ接続され、その他端で連結板65へ接
続されている。水平に延びる連結板65はコラム2に固
定されている。ピストン62より上のシリンダ61内に
形成された上室61aの空気圧は精密エアレギュレータ
によって一定値に維持されている。シリンダ61によ
り、コイル32と42に供給される電力はクイル8の静
止中には節約される。
【0027】そして更に、特に磁性粉塵の浸入を防ぐた
めいくつかの蛇腹がクイル8と枠体7との隙間に設けら
れている。
【0028】しかして、クイル8を案内する装置やリニ
アスケール51の位置は、前述図2、図3および図4中
にイラストされた実施例に限定されない。例えば、本発
明の第2の実施の形態である図5中にイラストされるよ
うに、クイル8の垂直な移動を案内し、ラジアルモーシ
ョンを抑制するクロスローラベアリング23がクイル8
の前壁と枠体7の前壁7cの間に追加的に設けられるこ
とが好ましい。この場合、リニアスケール51がクイル
8の後壁に設けられクイル8の位置を検出するセンサ5
2がコラム2の前面2aに設けられてもよい。
【0029】また、本発明の第3の実施の形態である図
6および図7中に示されるように、ヨーク31と41
が、板8bと8cを用いて、クイル8の両側壁に取り付
けられてもよい。この場合、ヨーク31に向い合う永久
磁石11が貼り付けられた磁石板12が、板7dを用い
て枠体7に支持される。ヨーク41に向い合う永久磁石
13が貼り付けられた磁石板14は、板7eを用いて枠
体7に支持される。冷却管33と43から延びる撓みホ
ースや、コイル32と42から延びる電力線は、ケーブ
ルキャリア71と72へ接続される。なお、この場合、
図7にイラストされているように、ヨーク31と41と
はクイル8の上端側に偏奇させて設け、ストローク高さ
を大きくさせないのが良い。
【0030】図8、図9、図10、図11および図12
を参照して、本発明による放電加工装置の第4の実施の
形態が述べられる。上述の図1、図2、図3、図4、図
5、図6および図7中と同様の要素には、同じ参照番号
が与えられ、その説明が省略される。
【0031】一列の永久磁石16と17がそれぞれ貼り
付けられた磁石板12と14が、4角柱状のクイル8の
前壁と後壁にそれぞれ取り付けられている。図11中に
示されるように、個々の永久磁石16と17は、トルク
の脈動を減少させるため、水平方向からわずかに傾いて
磁石板12と14に貼り付けられている。クイル8は、
軽量化のため中心軸QCと同軸の4角柱状の穴8aを有
する。クイル8を案内するリニアクロスローラガイド2
4と25が、クイル8の両側面と枠体7との間に設けら
れている。図10中に良く示されるように、クイル8の
荷重のつりあいをとるシリンダ61は、ヨーク41が取
り付けられた板7eとコラム2との間に、コラム等の固
定部に固定して設けられている。ピストンロッド63は
連結板65を用いてクイル8へ接続されている。
【0032】図12を参照して、クイル8を駆動する力
が詳細に説明される。図中の参照符号GCLは、永久磁
石列16と17が対称に配置される中心線を示してい
る。永久磁石列17とヨーク31との間に発生する推力
FAと永久磁石列16とヨーク41との間に発生する推
力FBの合成力TFは、クイルの中心線GCLに重な
る。リニアクロスローラガイド24と25は、それぞれ
の案内面において、その案内力が中心線GCLに重なる
ように配置されている。したがって、垂直方向以外の力
は、クイル8を案内するリニアクロスローラガイド24
と25に作用しない。こうして、軽量のクイル8は、高
い加速で精度良く垂直方向に移動できる。
【0033】次に、本発明の放電加工装置の適用が有効
な1加工例につき説明する。底面で1.0mmの厚さと
38mmの幅、各側面で1°の傾きをもつリブ状のグラ
ファイト工具電極を使用してワークピース中に深さ70
mmの穴を加工した。この時、オンタイムは100μs
ec、オフタイムは140μsec、電流波高値は93
A、平均ギャップ電圧は55V、無負荷電圧は120
V、“ジャンプ”速度は、30m/min、1サイクル
の“ジャンプ”時間はストローク約50mmにおいてな
お約0.24secに設定された。ワークピースの材質
は、日本工業規格のSKD11であった。“フラッシン
グ”は行われなかったにもかかわらず、加工速度はほぼ
一定に維持され加工は135分で終了した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、下方先端に工具電極取
付装置を取り付けたクイルを精度良く垂直方向に高応
答、高加減速で、高速に送り移動させることができ、こ
のため電極ジャンプに際し、熟練を要せず、従って加工
速度を低下させずに、ワークピースから除去された破片
を効果的にギャップから洗い流す電極ジャンプが行なわ
れて、放電加工機の加工性能を格段に向上させられる。
【0035】本発明を開示されたフォームに限定するこ
とは意図されていない。上述の記述を参照して多くの改
良及びバリエーションが可能であることは明らかであ
る。例えば、クイル8の横断面は、正方形に限定されな
い。それは、例えば、長方形でもよく、図13中に示さ
れるように互いに平行な2つの垂直面を有する形状であ
れば良い。イラストされた実施例は、発明の本質とその
実用的な応用を説明するために選ばれた。発明の範囲
は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の送り装置を搭載し
た形彫放電加工機の全体構成を、要部の一部を透視図と
して示した斜視図。
【図2】同じく、第1の実施の形態のクイルを駆動する
装置を図1のA−A線に沿って見た横断平面図。
【図3】同じく、図1のB−B線に沿って見た縦断左側
面図。
【図4】同じく、図1のC−C線に沿って見た縦断正面
図。
【図5】本発明の第2の実施の形態のクイルを駆動する
装置を、前記図2と同様にA−A線に沿って見た横断平
面図。
【図6】本発明の第3の実施の形態のクイルを駆動する
装置を、前記図2と同様にA−A線に沿って見た横断平
面図。
【図7】同じく、前記図4と同様にC−C線に沿って見
た縦断正面図。
【図8】本発明の第4の実施の形態の送り装置を搭載し
た放電加工機を前記図1と同様に全体構成として示した
斜視図。
【図9】同じく、図2と同様クイルを駆動する装置を図
8のA−A線に沿って見た横断平面図。
【図10】同じく、図8のB−B線に沿って見た縦断左
側面図。
【図11】同じく、クイルの軸送り機構と駆動する装置
の外形斜視図。
【図12】図5、または図9と図10のクイル軸送り機
構において、クイルに作用する推力を示す斜視図。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態のクイルおよ
びその駆動装置を、前記図1または図8のA−A線に沿
って見た横断平面図。
【符号の説明】
1 :ベッド 2 :コラム 3 :移動体 4 :サドル 5 :加工槽 6 :工具電極 7 :枠体 7a、7b:窓 7d、7e:板 7c :前壁 8 :クイル 8a :穴 9 :電極取付装置 10、15:電機子 11、13、16、17:永久磁石片 12、14:磁石板 21 :レール 22、23:ベアリングブロック 24、25:クロスローラガイド 31、41:ヨーク 32、42:コイル 33、43:冷却管 51 :リニアスケール 52 :センサ 61 :シリンダ 62 :ピストン 63 :ピストンロッド 64 :フランジ 65 :連結板 71、72:ケーブルキャリア
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月16日(2001.11.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 放電加工装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具電極と導電性
のワークピースの間に放電を発生させつつ工具電極をワ
ークピースへ向けて送ることによって種々の形状の穴を
ワークピース中に形作る放電加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電加工装置(Electric Di
scharge MachiningApparatu
s)は、硬い導電性のワークピースをモールドやダイへ
精密に加工するために広く使用されている。ワークピー
スは加工槽内に配置されたテーブルに固定され、銅やグ
ラファイトの工具電極は垂直に移動可能なクイルあるい
はラムに工具ホルダを用いて取り付けられる。加工槽は
灯油のような誘電性液で満たされ、工具電極はワークピ
ースに非常に接近して位置決めされる。工具電極とワー
クピースとの隙間はギャップ(放電間隙)と呼ばれ、そ
のサイズは、数μmから数十μmである。オンタイムの
間パワーパルスが工具電極とワークピース間に印加され
ると、ギャップ中の誘電性液の絶縁特性が破壊され放電
が発生する。この放電による熱のため、微量のワークピ
ース材料が蒸発するあるいは溶融して誘電性液に流され
る。オンタイムが終了すると、ギャップ中の誘電性液の
絶縁特性を回復するためパワーパルスの印加がオフタイ
ムの間停止される。放電によってクレータ状の微細な穴
がワークピースの表面に残る。放電加工装置は、通常、
オンタイムとオフタイムを1μsec〜数10msec
の間で制御してパワーパルスを繰り返しギャップに印加
する。放電加工装置は工具電極をワークピースへ向かっ
てZ軸に沿って降下させギャップを一定のサイズに維持
する。工具電極はワークピースに接触することなくワー
クピースから微量の材料を除去できるので、良好な粗さ
の面をもつ、形状において工具電極に相補的な窪みが精
度よくワークピース中に形作られる。このような放電加
工装置は、走行するワイヤ電極を使用するワイヤ放電加
工機(Wire EDM)と区別して、形彫放電加工機
(Sinker EDM)と呼ばれる。
【0003】ワークピースから除去された破片をギャッ
プから洗い流すためギャップを経由する誘電性液の流れ
を作り出す“フラッシング”動作が、放電加工には重要
である。フラッシング動作は、ワークピースから除去さ
れた破片と工具電極との間に発生する望ましくない2次
放電を防止しオフタイム中の確実な絶縁の回復に貢献す
る。熟練の作業者は、加工前に、新鮮な誘電性液をギャ
ップへ送り込んだり汚れた誘電性液をギャップから吸引
するための穴を工具電極やワークピース中の適当な位置
に形成する。工具電極のサイズや形状に因りそのような
穴の形成が制限される場合、作業者は誘電性液をギャッ
プへ向けて噴射する噴射装置を適当な位置に配置する。
フラッシングは、より速くより精度良く放電加工を行う
ための鍵であるけれども、ギャップのすべてにわたって
均一な流れを作り出すためには熟練が必要となる。
【0004】工具電極を周期的にZ軸に沿って急速に上
昇させ急速に下降させてギャップ中の汚れた誘電性液の
ほとんどをワークピース中の窪みから追い出す、“ジャ
ンプ”と呼ばれる動作が知られている。ジャンプ動作
中、従来、工具電極は数百mm/minの速度で移動す
る。工具電極の往復距離が大きければ、より多くの新鮮
な液がギャップへ流れ込みより多くの汚れた液がギャッ
プから排出される。少なくともワークピース中に加工さ
れている穴の深さ以上に工具電極を上昇させることが望
ましい。しかしながら、ジャンプ動作中は加工が中断し
ワークピースから材料の除去が行われないため、過度に
頻繁なジャンプ動作は材料除去速度を低下させてしま
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、材料
除去速度を低下させることなく、ワークピースから除去
された破片を効果的にギャップから洗い流すことのでき
る放電加工装置を提供することである。また、本発明の
別の目的は、高い熟練を必要とすることなく、ワークピ
ースから除去された破片を効果的にギャップから洗い流
すことのできる放電加工装置を提供することである。そ
して、前述の目的を達成するために本発明は、工具電極
の送りを、高応答、高加減速で、高速度に精度良く行な
い得る送り装置を備えた放電加工装置を提供することに
ある。さらに、その他の本発明の目的は、以下に続く説
明の中に部分的に述べられ、発明を実践することによ
り、当業者に部分的に明らかになるであろう。
【0006】しかして、本発明者等は、上記目的を達す
るための形彫り放電加工機用の送り機構として、駆動源
にリニアモータを使用した図1乃至図4、及び図5に示
す送り機構を、平成10年11月17日付け出願の平成
10年特許願第327,316号として先に提案した。
そして、本発明は、この先発明の改良に係り、その構成
等は多く符合しているので、以下その構成、作動、及び
問題点等につき上記図を参照して説明する。
【0007】図1乃至図4は、上記先発明の第1の実施
の形態の説明図で、図1は第1の実施の形態の送り装置
を搭載した形彫放電加工機の全体構成を、要部の一部を
透視図として示した斜視図、図2は、クイルを駆動する
装置を図1のA−A線に沿って見た横断平面図、図3
は、同じく図1のB−B線に沿って見た縦断左側面図、
また図4は、同じく図1のC−C線に沿って見た縦断正
面図である。
【0008】図1中にイラストされているように、コラ
ム2はベッド1の背後に配置され、移動体3がY軸の方
向に摺動可能にベッド1に設けられている。サドル4は
Y軸に直交するX軸の方向に摺動可能に移動体3に設け
られている。誘電性液で満たされる加工槽5はサドル4
に設けられている。ワークピース(イラストされていな
い)は、加工槽5中に配置されたテーブル(イラストさ
れていない)に固定されている。ワークピースの近くに
位置決めされる工具電極6は、電極取り付け装置9に取
り付けられる。電極取り付け装置9はZ軸方向に移動可
能な中空のクイル8の下端に固定されている。材料除去
速度を低下させることなく大きい移動量のジャンプ動作
を行うため、放電加工装置は、重力加速度(1G)を超
える加速と減速、10m/min以上の速度で工具電極
6を精度良く移動することを可能にする。
【0009】図2中に詳細に示されるように、クイル8
は外形がほぼ正方形の横断面を有する。電極取り付け装
置9および工具電極6は、図3および図4中に示される
ように、クイル8の中心軸QCと同軸に配置されている
ので、工具電極6は精度良く移動できる。列状の永久磁
石片11と13とが中心軸QCに関して対称に四角柱状
のクイル8の軸芯に対称な両側壁に移動方向に列状に配
置されている。
【0010】駆動により送り移動させられるクイル8
は、高い加速を得るため高い剛性を保ちつつクイル8を
軽量化することに注意が払われている。クイル8は、そ
の中心に垂直方向に延びる円筒形の穴8aを有し、4g
/cm以下の密度を有する。それは、好ましくは、小
さい熱膨張係数と大きなヤング率を有するセラミックス
から成る。セラミックスとしては、Al等の酸化
物系のものの外に、非酸化物系のSiC、特に、3.2
g/cmの密度、3.0〜3.1×10kgf/c
のヤング率、4.5〜5.0MPa・m1/2の破
壊靭性を有する窒化珪素(Si)セラミックスが
選ばれる。
【0011】永久磁石片11と13とは、それらの間に
良好な磁気回路を形成するため、鉄のような軟磁性材か
ら成るできるだけ薄い磁石板12と14とに配置され
る。クイル8と磁石板との間になんらの部材も設けられ
ていない。イラストされた実施例では、2列の永久磁石
11が配置された磁石板12がクイル8の一方の側壁へ
貼り付けられ、2列の永久磁石13が配置された磁石板
14がクイル8の他方の側壁へ貼り付けられている。
【0012】クイル8の垂直の移動を直線に案内するた
め、2本のリニアモーションボールベアリングレール2
1が互いに平行にコラム2の前面2aに取り付けられて
いる。レール21に係合する上側および下側ベアリング
ブロック22と23が、クイル8の後壁に取り付けられ
ている。
【0013】永久磁石11と13に向い合う電機子固定
子10と15を支持する枠体7が、コラム2の前面2a
にクイル8を囲むように取り付けられている。図2およ
び図4中に示されるように、励磁コイルとヨークから成
る電機子固定子10と15が、クイル8の中心軸に関し
て対称となるように板7dと7eのそれぞれの垂直面に
取り付けられる。板7dと7eは枠体7の両側壁に形成
された窓7aと7bに嵌め込み固定されている。板7d
と7eに積層の珪素鋼板から成るヨーク31と41がそ
れぞれ取り付けられ、電機子コイル32と42がヨーク
31と41のそれぞれの移動方向に並ぶ磁極歯に巻かれ
ている。ヨーク31と永久磁石11との隙間と、ヨーク
41と永久磁石13との隙間は同じサイズになるよう調
整されている。例えば、これら2つの隙間は、板7dと
7eに設けられた多数の押しねじと引きねじによって同
じサイズに調整される。その結果、2つのリニアモータ
の移動子と固定子の間に発生する各磁気的な吸引力が相
互に相殺される。
【0014】工具電極6を取り付けたクイル8は、放電
加工中ジャンプ運動が設定されていると、1G以上の加
減速で、数10m/min以上の高速移動で、上昇と下
降を頻繁に繰り返させられる高負荷作動で、発熱が避け
られず、冷却液が通るいくつかの管33と43が、ヨー
ク31と41のそれぞれの中に形成された穴に挿入され
ている。
【0015】そして、この実施例の場合、リニアスケー
ル51はクイル8の前壁に取り付けられ、クイル8の位
置を読み取るセンサ52が枠体7の前壁7cの内側に設
けられている。リニアモータの駆動装置(図示されてい
ない)はセンサ52の検出信号を受け取り電機子コイル
32と42へ制御信号を供給する。
【0016】そして、この先発明のものは、クイル8の
リニアモータによる高応答、高加減速での高速移動を可
能とするため、1G以上の加速度で移動を可能とすべく
クイル8の荷重とのつりあいをとるシリンダ61がエア
バランサとして設けられる。機械をコンパクトにするた
め、この実施例ではシリンダ61は中心軸QCと同軸に
穴8a中に配置され、その上端はフランジ64によって
クイル8に固定されている。シリンダ61はクイル8の
直近に設けられているので、その高い応答性が確保され
る。ピストンロッド63は一端でピストン62へ接続さ
れ、その他端で連結板65へ接続されている。水平に延
びる連結板65はコラム2に固定されている。ピストン
62より上のシリンダ61内に形成された上室61aの
空気圧は精密エアレギュレータによって一定値に維持さ
れている。シリンダ61により、コイル32と42に供
給される電力はクイル8の静止中には節約される。
【0017】そして更に、特に磁性粉塵の浸入を防ぐた
めいくつかの蛇腹がクイル8と枠体7との隙間に設けら
れている。
【0018】しかして、クイル8を案内する装置やリニ
アスケール51の位置は、前述図2、図3および図4中
にイラストされた実施例に限定されない。例えば、後述
する先発明の第2の実施の形態である図5中にイラスト
されるように、クイル8の垂直な移動を案内し、ラジア
ルモーションを抑制するクロスローラベアリング23が
クイル8の前壁と枠体7の前壁7cの間に追加的に設け
られることが好ましい。この場合、リニアスケール51
がクイル8の後壁に設けられクイル8の位置を検出する
センサ52がコラム2の前面2aに設けられてもよい。
【0019】以上のように、前述図1〜4の先発明のも
のは、そのリニアモータの配置構成やエアバランサの付
設等により、例えば特開平5ー104,332号公報や
同8−309,620号公報などに記載された公知の、
リニアモータ使用の放電加工機の欠点を或る程度克服で
きたとしても、電極6、取付装置9、リニアモータの移
動子、及び、直線案内などを取り付けたクイル8を含む
軸送り移動部がコラム2及び枠体7の大きさ及び剛性に
対し、或る程度大型及び/又は高重量になると、直線案
内装置21,22へのラジアル荷重を含む負荷が著増
し、駆動により発熱し、高い加速と減速での高応答及び
バランスのよいスムーズな高速移動を実現することは、
実際上困難なものであった。従って、本発明はかかる先
発明の欠点を解決しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】前述の本発明の目的は、
(1)ワークピースと工具電極との間に放電を発生させ
ながら工具電極をワークピースへ向けて垂直方向に移動
させることによってワークピースを加工する放電加工装
置において、垂直方向に移動可能にコラム前部に保持さ
れたクイルと、該クイル下端に設けられた工具電極が取
り付けられる電極取付装置と、前記クイルの軸芯に関し
て対称な背向する両側面に取り付けられたリニアモータ
の各移動子と、該リニアモータの各移動子のそれぞれに
向かい合うように、クイル保持の固定部に設けられるリ
ニアモータの各固定子と、前記リニアモータの移動子を
取り付けたクイルの両側面に交叉する両側面と該両側面
に向かい合うクイル保持の固定部とに夫々取り付けられ
た垂直方向の直線案内装置と、前記クイルの荷重と釣り
合いを取るエアシリダと、前記移動子と固定子とからな
るリニアモータは、永久磁石を列状に配置した磁石版
と、ヨークとヨークに巻かれたコイルを含む電機子との
組み合わせから成り、前記電機子には冷却液が流通する
冷却管が設けられている放電加工装置とすることにより
達成される。
【0021】また、前述の本発明の目的は、(2)前記
クイルは、その中心に垂直方向に延びる穴を有し、全体
として中空の柱状体に構成されている前記(1)に記載
の放電加工装置とすることにより達成される。
【0022】また、前述の本発明の目的は、(3)前記
エアシリンダが前記クイルの穴に挿設した状態でクイル
に連結されており、ピストンロッドがコラムに連結され
てクイルをコラムに保持させて成る前記(2)に記載の
放電加工装置とすることにより達成される。
【0023】また、前述の本発明の目的は、(4)前記
1組の直線案内装置が、リニアクロスローラガイドであ
って、前記リニアモータが設けられたクイル両側面と直
交する両側面部に設けられて成る前記(1)、(2)、
または(3)に記載の放電加工装置とすることにより達
成される。
【0024】また、前述の本発明の目的は、(5)前記
クイルが、密度4g/cm以下のセラミックスから製
作された前記(1)、(2)、(3)または(4)に記
載の放電加工装置とすることにより達成される。
【0025】また、前述の本発明の目的は、(6)前記
クイルの垂直方向の直線移動位置を検出するように、ク
イルとコラムまたは枠体に取り付けられたリニアスケー
ルとセンサからなる直線位置検出装置と、該検出装置の
検出フィードバック信号を受け電機子コイルへ制御信号
を出力する駆動装置とを備えて成る前記(1)、
(2)、(3)、(4)または(5)に記載の放電加工
装置とすることにより達成される。
【0026】
【発明の実施の形態】図6、図7、図8、図9、および
図10を参照して、本発明による放電加工装置の実施の
形態が述べられる。本発明の実施例を示す図6は前述図
1に、図7は前述図2に、また図8は前述図3と図4に
夫々対応して、夫々互いに同様な要素、構成からなり、
また、図9及び図10も同様な要素から成るものである
ので、図中の同様の要素には、同じ参照番号が与えら
れ、その説明が省略される。
【0027】一列の永久磁石16と17がそれぞれ貼り
付けられた磁石板12と14が、4角柱状のクイル8の
前壁と後壁にそれぞれ取り付けられている。図9及び図
10中に示されるように、個々の永久磁石16と17
は、トルクの脈動を減少させるため、水平方向からわず
かに傾いて磁石板12と14に貼り付けられている。ク
イル8は、軽量化のため中心軸QCと同軸の4角柱状の
穴8aを有する。クイル8を案内するリニアクロスロー
ラガイド24と25が、図6及び図7から明らかなよう
に、クイル8のリニアモータを設けた背向する両側面と
交叉する両側面と枠体7との間に垂直方向に沿って設け
られている。また、図8中に良く示されるように、クイ
ル8の荷重のつりあいをとるシリンダ61は、ヨーク4
1が取り付けられた板7eとコラム2との間に、コラム
等の固定部に固定して設けられている。ピストンロッド
63は連結板65を用いてクイル8へ接続されている。
【0028】図10を参照して、クイル8を駆動する力
が詳細に説明される。図中の参照符号GCLは、永久磁
石列16と17が対称に配置される中心線を示してい
る。永久磁石列17とヨーク31との間に発生する推力
FAと永久磁石列16とヨーク41との間に発生する推
力FBの合成力TFは、クイルの中心線GCLに重な
る。リニアクロスローラガイド24と25は、それぞれ
の案内面において、その案内力が中心線GCLに重なる
ように配置されている。したがって、垂直方向以外の力
は、クイル8を案内するリニアクロスローラガイド24
と25に作用しない。こうして、クイル8は、大型電極
6等の負荷により、大型及び/又は或る程度偏荷重で高
重量となっても、高い加速で精度良く垂直方向に移動で
きる。
【0029】次に、本発明の放電加工装置の適用が有効
な1加工例につき説明する。底面で1.0mmの厚さと
38mmの幅、各側面で1°の傾きをもつリブ状のグラ
ファイト工具電極を使用してワークピース中に深さ70
mmの穴を加工した。この時、オンタイムは100μs
ec、オフタイムは140μsec、電流波高値は93
A、平均ギャップ電圧は55V、無負荷電圧は120
V、“ジャンプ”速度は、30m/min、1サイクル
の“ジャンプ”時間はストローク約50mmにおいてな
お約0.24secに設定された。ワークピースの材質
は、日本工業規格のSKD11であった。“フラッシン
グ”は行われなかったにもかかわらず、加工速度はほぼ
一定に維持され加工は135分で終了した。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、下方先端に工具電極取
付装置を取り付けたクイルを精度良く垂直方向に高応
答、高加減速で、高速に送り移動させることができ、こ
のため電極ジャンプに際し、熟練を要せず、従って加工
速度を低下させずに、ワークピースから除去された破片
を効果的にギャップから洗い流す電極ジャンプが行なわ
れて、放電加工機の加工性能を格段に向上させられる。
【0031】本発明を開示されたフォームに限定するこ
とは意図されていない。上述の記述を参照して多くの改
良及びバリエーションが可能であることは明らかであ
る。例えば、クイル8の横断面は、正方形に限定されな
い。それは、例えば、長方形でもよく、図2中に示され
るように円形状であっても良い。イラストされた実施例
は、発明の本質とその実用的な応用を説明するために選
ばれた。発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって
定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1】先に提案した発明の実施の形態の送り装置を搭
載した形彫放電加工機の全体構成を、要部の一部を透視
図として示した斜視図。
【図2】同じく、図1の実施の形態のクイルを駆動する
装置を図1のA−A線に沿って見た横断平面図。
【図3】同じく、図1のB−B線に沿って見た縦断左側
面図。
【図4】同じく、図1のC−C線に沿って見た縦断正面
図。
【図5】図1の実施の形態のクイルを駆動する装置の付
加変更例を、前記図2と同様にA−A線に沿って見た横
断平面図。
【図6】本発明の実施の形態の送り装置を搭載した放電
加工機を前記図1と同様に全体構成として示した斜視
図。
【図7】同じく、図2と同様クイルを駆動する装置を図
6のA−A線に沿って見た横断平面図。
【図8】同じく、図6のB−B線に沿って見た縦断左側
面図。
【図9】同じく、クイルの軸送り機構と駆動する装置の
外形斜視図。
【図10】図5、または図6乃至図9のクイル軸送り機
構において、クイルに作用する推力を示す斜視図。
【符号の説明】 1 :ベッド 2 :コラム 3 :移動体 4 :サドル 5 :加工槽 6 :工具電極 7 :枠体 7a、7b:窓 7d、7e:板 7c :前壁 8 :クイル 8a :穴 9 :電極取付装置 10、15:電機子 11、13、16、17:永久磁石片 12、14:磁石板 21 :レール 22、23:ベアリングブロック 24、25:クロスローラガイド 31、41:ヨーク 32、42:コイル 33、43:冷却管 51 :リニアスケール 52 :センサ 61 :シリンダ 62 :ピストン 63 :ピストンロッド 64 :フランジ 65 :連結板
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図3】
【図4】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平11−57209 (32)優先日 平成11年3月4日(1999.3.4) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 関 陽一 石川県加賀市宮町カ1−1株式会社ソディ ック加賀事業所内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB01 DE04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークピースと工具電極との間に放電を
    発生させながら工具電極をワークピースへ向けて垂直方
    向に移動させることによってワークピースを加工する放
    電加工装置において、 垂直方向に移動可能なクイルと、 該クイル下端に設けられた工具電極が取り付けられる電
    極取付装置と、 前記クイルの軸芯に関して対称な両側面に取り付けられ
    たリニアモータの各移動子と、 該リニアモータの各移動子のそれぞれに向かい合うよう
    に設けられるリニアモータの各固定子と、 前記クイルの側面でクイルを垂直方向に案内する1組の
    直線案内装置と、 前記クイルの荷重と釣り合いを取るエアシリンダと、 前記移動子と固定子とからなるリニアモータは、永久磁
    石を列状に配置した磁石板と、ヨークとヨークに巻かれ
    たコイルを含む電機子との組み合わせから成り、 前記電機子には冷却液が流通する冷却管が設けられてい
    ることを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記クイルは、その中心に垂直方向に延
    びる穴を有し、全体として中空の柱状体に構成されてい
    ることを特徴とする前記請求項1に記載の放電加工装
    置。
  3. 【請求項3】 前記エアシリンダが前記クイルの穴に挿
    設した状態でクイルに連結されており、ピストンロッド
    がコラムに連結されてクイルをコラムに保持させて成る
    ことを特徴とする前記請求項2に記載の放電加工装置。
  4. 【請求項4】 前記エアシリンダに精密レギュレータか
    ら所定の制御された圧力気体が供給されるように構成さ
    れて成ることを特徴とする前記請求項1、2または3に
    記載の放電加工装置。
  5. 【請求項5】 前記クイルが、コラム前面に取り付けら
    れた枠体により垂直方向移動可能に取り囲み保持され、
    前記1組の直線案内装置がコラム前面とクイルの後壁面
    間に、リニアモータがクイル両側面と枠体の両側壁とに
    設けられて成ることを特徴とする前記請求項1、2、3
    または4に記載の放電加工装置。
  6. 【請求項6】 前記1組の直線案内装置が、前記リニア
    モータが設けられたクイル両側面と直交する両側面部に
    設けられて成ることを特徴とする前記請求項1、2、3
    または4に記載の放電加工装置。
  7. 【請求項7】 前記クイルが、密度4g/cm以下の
    セラミックスまたは軽合金から製作されたものであるこ
    とを特徴とする前記請求項1、2、3、4、5または6
    に記載の放電加工装置。
  8. 【請求項8】 前記クイルの垂直方向の直線移動位置を
    検出するように、クイルとコラムまたは枠体に取り付け
    られたリニアスケールとセンサからなる直線位置検出装
    置と、該検出装置の検出フィードバック信号を受け電機
    子コイルへ制御信号を出力する駆動装置とを備えて成る
    ことを特徴とする前記請求項1、2、3、4、5、6ま
    たは7に記載の放電加工装置。
JP2001105609A 1998-11-17 2001-04-04 放電加工装置 Pending JP2002239843A (ja)

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JP33628598 1998-11-26
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