JP2002186995A - 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法 - Google Patents

汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚泥脱水ケーキに静菌剤を添加して、混合する
ことなく防臭効果を発現させ、しかもその効果を持続す
ることができる汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法を提
供する。 【解決手段】汚泥脱水ケーキに、25℃において水10
0mLに20g以上溶解する静菌剤を添加することを特徴
とする汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥脱水ケーキの
臭気発生防止方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、下水処理場、し尿処理場などの汚泥脱水ケーキから
発生する硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、
アミンなどに由来する臭気を効果的に防止することがで
きる汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水処理場、し尿処理場や、食品工場、
紙パルプ工場などの有機性産業排水の処理工程などにお
いては、各種の汚泥が発生する。例えば、下水を最初沈
殿池で固液分離すると初沈生汚泥が発生し、最初沈殿池
の上澄水を曝気槽などを用いて浮遊生物方式により処理
すると、活性汚泥の量が増加する。曝気槽などで処理さ
れた水は最終沈殿池に導かれ、活性汚泥が分離され、そ
の一部は返送汚泥として曝気槽などに返送され、残余は
余剰汚泥とされる。初沈生汚泥と余剰汚泥は、汚泥濃縮
槽に導かれ、その後、汚泥貯留槽にいったん貯留され
る。汚泥貯留槽内の汚泥は、次いで脱水機により脱水さ
れ、得られた汚泥脱水ケーキは埋め立てや、焼却のため
に搬出される。脱水後の汚泥脱水ケーキは、腐敗により
悪臭物質を発生する。下水処理場で発生する悪臭物質と
して頻繁に検出される物質は、硫化水素、メチルメルカ
プタンなどのイオウ化合物、アンモニア、トリメチルア
ミンなどの窒素化合物、吉草酸、イソ酪酸などの低級脂
肪酸などである。これらの中で、硫化水素とメチルメル
カプタンの量が特に多い。汚泥貯留槽や脱水機の多くは
密閉系となっているが、脱水により得られる汚泥脱水ケ
ーキは開放系で運搬、保管される場合が多いので、臭気
対策は重要である。すなわち、汚泥脱水ケーキの運搬に
は、通常コンベアやトラックなどが使われ、臭気発生源
である汚泥脱水ケーキが移動するので、覆蓋、臭気の吸
引などによる処理が困難であり、臭気対策がむつかし
い。また、最終埋め立て地においても、発生する臭気が
拡散し、付近の住民に不快感を与えるなど、環境に悪影
響を及ぼす。このために、汚泥脱水ケーキから発生する
臭気自体を抑制する必要があり、従来よりさまざまな脱
臭方法が提案されている。本発明者らは、特開2000
−202494号公報において、非塩素系、非金属系の
処理剤を用いて、低コストで効果的に汚泥脱水ケーキの
臭気の発生を防止する方法として、亜硝酸塩、亜硫酸塩
又は亜硫酸水素塩を汚泥スラリーに添加したのち脱水す
る方法を提案し、特開2000−288592号公報に
おいて、汚泥脱水ケーキ中に窒素分を残留させる亜硝酸
塩の添加量を少なくして十分な消臭効果が発現する汚泥
脱水ケーキの臭気発生防止方法として、酸化剤、金属塩
又は有機系殺菌剤と亜硝酸塩を併用して汚泥スラリーに
添加する方法を提案した。また、人や環境に対する影響
のない薬剤を用いて汚泥脱水ケーキの臭気発生を防止す
る方法として、汚泥スラリーに酸化剤と亜硝酸塩、亜硫
酸塩又は亜硫酸水素塩を添加したのち、ソルビン酸を添
加する方法が有効であることを見いだした。しかし、こ
れらの方法は、いずれも薬剤を汚泥スラリーに添加する
ために、薬剤の添加量が多くなり、また、汚泥スラリー
の貯留槽と汚泥脱水機での臭気発生を効果的に防止する
ことができるが、汚泥脱水ケーキからの臭気発生効果の
持続時間は、数時間ないし最大で半日程度で、前日の汚
泥脱水ケーキをケーキホッパーに貯留し、翌日に搬出す
る場合には、経済的に見合った薬剤添加量では、臭気防
止効果がほとんど期待できなかった。さらに、本発明者
らは、特開2000−70999号公報において、少な
い薬剤の使用で、汚泥スラリー及び汚泥脱水ケーキのい
ずれの場合も、悪臭物質の発生を長時間にわたって抑制
することができる臭気発生防止方法として、難溶性の硫
化物を生成する金属塩と、難溶性のピリチオン化合物と
を含む消臭剤を添加する方法を提案した。しかし、汚泥
脱水ケーキにこの消臭剤を添加する場合は、添加後に十
分に混合する必要があるので、小さい駆動力で均一に混
合できるように、脱水前ないし脱水処理中の汚泥に添加
することが好ましいとされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、汚泥脱水ケ
ーキの臭気発生防止方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、汚泥脱水ケーキに静菌剤を添加して、混合する
ことなく防臭効果を発現させ、しかもその効果を持続す
ることができる汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法に関
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、汚泥脱水ケーキ
に易溶性の静菌剤を添加することにより、汚泥脱水ケー
キを混合しなくても十分な防臭効果が発現し、しかもそ
の効果が持続することを見いだして、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)汚泥脱水ケーキに、25℃において水100mLに
20g以上溶解する静菌剤を添加することを特徴とする
汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法、及び、(2)静菌
剤が、亜硝酸塩である請求項1記載の汚泥脱水ケーキの
臭気発生防止方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の汚泥脱水ケーキの臭気発
生防止方法においては、汚泥脱水ケーキに25℃におい
て水100mLに20g以上、好ましくは35g以上、よ
り好ましくは50g以上溶解する静菌剤を添加する。本
発明方法において、静菌剤とは、細菌の発育あるいは増
殖を阻止する薬剤である。本発明方法においては、一般
に殺菌剤と称されている薬剤も、低濃度で用いることに
より静菌作用を発現させ、静菌剤として使用することが
できる。本発明方法に用いる静菌剤としては、例えば、
亜硝酸塩、次亜塩素酸塩、第四級アンモニウム塩、エタ
ノール、ホルムアルデヒドなどを挙げることができる。
これらの中で、亜硝酸塩を好適に用いることができる。
25℃において水100mLに20g以上溶解する亜硝酸
塩としては、例えば、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸リチ
ウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸セシ
ウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸
ストロンチウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸ニッケル、亜
硝酸鉛などを挙げることができる。これらの中で、亜硝
酸ナトリウム、亜硝酸カリウム及び亜硝酸カルシウム
は、取り扱いと入手が容易であり、汚泥脱水ケーキの二
次利用の支障とならないので、特に好適に使用すること
ができる。
【0006】本発明方法において、汚泥脱水ケーキに静
菌剤を添加する方法に特に制限はなく、例えば、固体又
は液体の静菌剤をそのまま汚泥脱水ケーキに添加するこ
とができ、あるいは、静菌剤の水溶液を汚泥脱水ケーキ
に添加することもできる。静菌剤を水溶液として添加す
る場合は、希釈倍率が大きいと、水分を多く加えること
になり、ケーキ含水率を上昇させることになる。したが
って、水溶液の濃度は20重量%以上であることが好ま
しい。静菌剤を汚泥脱水ケーキに添加する場所に特に制
限はないが、例えば、静菌剤を高濃度の水溶液とし、噴
霧器を用いて、汚泥脱水ケーキの搬送部、ケーキホッパ
ーへの落ち口などに散布することができる。従来は、汚
泥に含まれる臭気物質の分解や、汚泥からの臭気物質生
成を抑制するための消臭剤は、汚泥に均一に混合して反
応させるために、汚泥と消臭剤との混合が十分に行われ
る汚泥スラリーに添加されていた。しかし、消臭剤を汚
泥スラリーに添加すると、添加された消臭剤が汚泥脱水
ケーキの臭気発生防止に完全には利用されないので、必
要な消臭剤の添加量が多くなる。また、汚泥脱水ケーキ
に消臭剤を添加すると、汚泥脱水ケーキと消臭剤を十分
に混合することが必要となるが、汚泥脱水ケーキと消臭
剤の混合は既設の設備では実施することができないので
新たな混合機の設置が必要であり、混合のために多大の
動力を消費し、なおかつ十分な混合を望むことは困難で
あった。このために、汚泥脱水ケーキへの消臭剤の添加
は、発生した臭気を他の芳香薬剤などでマスキングする
場合を除いて実施されていなかった。汚泥脱水ケーキ
に、25℃において水100mLに20g以上溶解する静
菌剤を添加する本発明方法によれば、汚泥脱水ケーキと
静菌剤の混合を行わずとも、静菌剤は汚泥脱水ケーキに
浸透し、汚泥スラリーに静菌剤を添加する場合に比べ
て、より少量の静菌剤で十分な臭気発生防止効果が得ら
れ、しかもその効果が長時間にわたって持続する。
【0007】本発明方法において、静菌剤として亜硝酸
塩を用いる場合は、汚泥スラリー又は汚泥脱水ケーキの
pHが低いほど静菌剤としての亜硝酸塩の効果が高い。下
水汚泥及び下水汚泥脱水ケーキのpHは、通常は5〜6程
度であり、このpH範囲では、汚泥脱水ケーキに亜硝酸塩
を添加する本発明の臭気発生防止方法が確実に効果を発
揮する。25℃において水100mLに20g以上溶解す
る静菌剤は、固体又は液体の静菌剤をそのままで、ある
いは、高濃度の水溶液として、汚泥脱水ケーキに散布な
どにより添加したとき、特に汚泥脱水ケーキと静菌剤の
混合を行わずとも、汚泥脱水ケーキ全体に浸透する。静
菌剤として亜硝酸塩を用いると、亜硝酸塩自体及び亜硝
酸が分解するときに生成する酸化窒素が微生物の活動を
抑制する。微生物の活動が抑制される結果、硫化水素、
メチルメルカプタンなどの臭気成分の発生量が減少する
とともに、微生物の活動の証左である炭酸ガスの発生量
も減少する。汚泥脱水ケーキからの臭気成分は、主とし
て含イオウ蛋白などが嫌気性微生物によって分解される
ために発生するが、静菌剤を汚泥脱水ケーキに添加する
ことにより、これらの分解反応を抑制することができ
る。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。なお、実施例及び比較例におい
て、硫化水素の分析は、ガステック社製ガス検知管4
M、4L又は4LLを用い、メチルメルカプタンの分析
は、ガステック社製ガス検知管71H又は71を用い、
炭酸ガスの分析は、ガステック社製ガス検知管2HH又
は2Hを用いて行った。硫化水素とメチルメルカプタン
の検出下限濃度は、ともに0.25ppm(容量比)であ
る。 実施例1 下水処理場の混合生汚泥(pH5.06、懸濁物質濃度2.
24重量%)250mLに、脱水剤[栗田工業(株)、クリ
フィックスCP604、カチオンポリマー]30mgを添
加して凝集したのち、直径60cmのカラムを用いて2分
間重力ろ過し、カラムを取りはずして、さらに圧力0.
05MPaで2分間圧搾脱水し、直径約80mm、厚さ5mm
の脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキの重量は25
gであり、含水率は78重量%であった。得られた脱水
ケーキの片面の3か所に、38重量%亜硝酸ナトリウム
水溶液79mgを等分して点滴したのち、脱水ケーキを2
つ折りしてテトラバックに入れ、入れ口をヒートシール
し、空気600mLを封入して、30℃の恒温器に保管し
た。24時間後にガス分析を行ったところ、硫化水素と
メチルメルカプタンは検出されず、炭酸ガスは1.3容
量%であった。さらに、48時間後にガス分析を行った
ところ、硫化水素とメチルメルカプタンは依然として検
出されず、炭酸ガスは11.2容量%であった。 実施例2 脱水ケーキの片面1か所に38重量%亜硝酸ナトリウム
水溶液79mgを点滴したのち、脱水ケーキを2つ折りし
てテトラバックに入れた以外は、実施例1と同じ処理を
行った。24時間後に、硫化水素とメチルメルカプタン
は検出されず、炭酸ガスは1.5容量%であった。48
時間後に、硫化水素とメチルメルカプタンはいずれも2
ppm(容量比)であり、炭酸ガスは12.6容量%であっ
た。 実施例3 脱水ケーキの片面の3か所に、38重量%亜硝酸ナトリ
ウム水溶液79mgを等分して点滴し、脱水ケーキを2つ
折りし、さらに手で十分に混練したのちテトラバックに
入れた以外は、実施例1と同じ処理を行った。24時間
後に、硫化水素とメチルメルカプタンは検出されず、炭
酸ガスは1.3容量%であった。48時間後にも硫化水
素とメチルメルカプタンは検出されず、炭酸ガスは1
0.4容量%であった。 実施例4 脱水ケーキの片面の3か所に、亜硝酸ナトリウムの結晶
粉末10mgずつを載置して、脱水ケーキを2つ折りし、
テトラバックに入れた以外は、実施例1と同じ処理を行
った。24時間後に、硫化水素とメチルメルカプタンは
検出されず、炭酸ガスは1.4容量%であった。48時
間後に、硫化水素は2ppm(容量比)、メチルメルカプ
タンは1ppm(容量比)であり、炭酸ガスは12.2容量
%であった。
【0009】比較例1 実施例1と同じ下水処理場の混合生汚泥250mLに、脱
水剤[栗田工業(株)、クリフィックスCP604、カチ
オンポリマー]30mgを添加して凝集し、直径60cmの
カラムを用いて30秒間重力ろ過したのち、38重量%
亜硝酸ナトリウム水溶液79mgを加え、スパーテルを用
いて30秒間撹拌し、さらに圧力0.05MPaで2分間圧
搾脱水して脱水ケーキを得た。得られた脱水ケーキを2
つ折りしてテトラバックに入れ、入れ口をヒートシール
し、空気600mLを封入して、30℃の恒温器に保管し
た。24時間後に、硫化水素は検出されず、メチルメル
カプタンは1ppm(容量比)であり、炭酸ガスは7.2容
量%であった。48時間後に、硫化水素は150ppm
(容量比)、メチルメルカプタンは400ppm(容量
比)であり、炭酸ガスは22.0容量%であった。 比較例2 実施例1と同じ下水処理場の混合生汚泥250mLに、3
8重量%亜硝酸ナトリウム水溶液79mgを添加して60
分間撹拌したのち、脱水剤[栗田工業(株)、クリフィッ
クスCP604、カチオンポリマー]30mgを添加して
凝集し、直径60cmのカラムを用いて2分間間重力ろ過
し、さらに圧力0.05MPaで2分間圧搾脱水して脱水ケ
ーキを得た。得られた脱水ケーキを2つ折りしてテトラ
バックに入れ、入れ口をヒートシールし、空気600mL
を封入して、30℃の恒温器に保管した。24時間後
に、硫化水素は10ppm(容量比)、メチルメルカプタ
ンは12ppm(容量比)であり、炭酸ガスは12.8容量
%であった。48時間後に、硫化水素は800ppm(容
量比)、メチルメルカプタンは1,200ppm(容量比)
であり、炭酸ガスは25.0容量%であった。 比較例3 混合生汚泥への38重量%亜硝酸ナトリウム水溶液の添
加量を158mgとした以外は、比較例2と同じ処理を行
った。24時間後に、硫化水素は検出されず、メチルメ
ルカプタンは2ppm(容量比)であり、炭酸ガスは9.6
容量%であった。48時間後に、硫化水素は400ppm
(容量比)、メチルメルカプタンは900ppm(容量
比)であり、炭酸ガスは24.0容量%であった。 比較例4 混合生汚泥への38重量%亜硝酸ナトリウム水溶液の添
加量を237mgとした以外は、比較例2と同じ処理を行
った。24時間後に、硫化水素とメチルメルカプタンは
ともに検出されず、炭酸ガスは5.8容量%であった。
48時間後に、硫化水素は120ppm(容量比)、メチ
ルメルカプタンは500ppm(容量比)であり、炭酸ガ
スは22.0容量%であった。 比較例5 亜硝酸ナトリウム水溶液を点滴しなかった以外は、実施
例1と同じ処理を行った。24時間後に、硫化水素は4
0ppm(容量比)、メチルメルカプタンは20ppm(容量
比)であり、炭酸ガスは14.0容量%であった。48
時間後に、硫化水素は1,100ppm(容量比)、メチル
メルカプタンは800ppm(容量比)であり、炭酸ガス
は25.0容量%であった。実施例1〜4及び比較例1
〜5の結果を、第1表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】実施例1と実施例2は、汚泥脱水ケーキに
高濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液を点滴した例である。
点滴液量は、直径約80mm、重量約25gの汚泥脱水ケ
ーキに対して、約0.08gと水滴で3滴程度の極少量
であり、点滴時にはケーキのごく一部にしか付着してい
ないが、ほぼ48時間の臭気発生防止効果を示してい
る。この効果は、実施例3の点滴後に十分混合した場合
にほぼ等しいものであった。また、亜硝酸ナトリウムの
結晶粉末を、直径約80mmの汚泥脱水ケーキ1枚の3か
所に載置した実施例4においても、良好な臭気防止効果
が示され、汚泥脱水ケーキの一部にでも必要量の亜硝酸
ナトリウムが付着すれば、特に混合を行わずとも、薬剤
が浸透し、良好な臭気防止効果が発現する。また、臭気
防止効果が発現している実施例1〜4では、炭酸ガスの
発生が著しく少ないことから、微生物活動が抑制されて
いることが分かる。一方、これまでの添加方法である汚
泥スラリーに亜硝酸ナトリウムを添加する比較例2〜4
では、亜硝酸ナトリウムの添加量を、実施例の3倍とし
た比較例4においても、24時間までの臭気防止が限界
であり、48時間後には相当量の硫化水素とメチルメル
カプタンが発生した。亜硝酸ナトリウムを効率よく汚泥
に混合する方法として、凝集汚泥を重力ろ過した後に添
加混合して比較例1では、改善は認めれるものの、効果
はまだ不十分であった。
【0012】実施例5 下水処理場で、脱水ケーキに亜硝酸ナトリウム水溶液を
噴霧添加する方法により、汚泥脱水ケーキの臭気発生防
止効果の実設備による評価、確認を行った。この下水処
理場は、最初沈殿池からの生汚泥と、最終沈殿池からの
余剰汚泥を分離処理しており、かつ余剰汚泥は沈降濃縮
のみで、その汚泥の容量が最初沈殿池の生汚泥に対して
多く、この結果pHは5.5〜6.0と下水汚泥としては高
く、懸濁物質濃度1.4〜1.6重量%であり、薬剤によ
る臭気発生防止のし難い汚泥である。9時から16時ま
での7時間の運転中、脱水ケーキ搬送コンベアのホッパ
ーへの落ち口に、38重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を
3.6L/hの割合で噴霧添加した。7時間の汚泥脱水
ケーキの発生量は7.4tであり、汚泥脱水ケーキ10
0重量部に対して亜硝酸ナトリウム0.13重量部が添
加されたことになる。翌日8時30分、ホッパーから汚
泥脱水ケーキを排出するとき、トラック荷台上の汚泥脱
水ケーキの上部10cmの空気をとり、ガス検知管により
硫化水素とメチルメルカプタンの濃度を測定した。硫化
水素は8ppm(容量比)であり、メチルメルカプタンは
2ppm(容量比)であった。汚泥脱水ケーキは、脱水直
後は茶褐色であったが、翌日には、黒色度がなくなり、
明るい茶色を示していた。 比較例6 実施例5と同じ下水処理場において、汚泥貯留槽に脱水
1時間前に、汚泥1Lに対して亜硝酸ナトリウム180
mgの割合で、38重量%亜硝酸ナトリウム水溶液を一括
添加し、途中の汚泥追加に合わせて同じ割合で38重量
%亜硝酸ナトリウム水溶液を追加して添加した。9時か
ら16時までの7時間の運転中、38重量%亜硝酸ナト
リウム水溶液50.0kg、すなわち亜硝酸ナトリウムと
して19.0kgを添加し、この間の汚泥脱水ケーキの発
生量は7.2tであった。汚泥脱水ケーキ100重量部
に対して亜硝酸ナトリウム0.26重量部が添加された
ことになる。翌日8時30分、ホッパーから汚泥脱水ケ
ーキを排出するとき、実施例5と同様にして、ガス検知
管により硫化水素とメチルメルカプタンの濃度を測定し
た。硫化水素は400ppm(容量比)であり、メチルメ
ルカプタンは70ppm(容量比)であった。汚泥脱水ケ
ーキは、黒色化し、嫌気腐敗が生じたことを示してい
た。 比較例7 実施例5と同じ下水処理場において、亜硝酸ナトリウム
を添加することなく、脱水処理を行った。9時から16
時までの7時間の運転中、汚泥脱水ケーキの発生量は
7.1tであった。翌日8時30分、ホッパーから汚泥
脱水ケーキを排出するとき、実施例5と同様にして、ガ
ス検知管により硫化水素とメチルメルカプタンの濃度を
測定した。硫化水素は500ppm(容量比)であり、メ
チルメルカプタンは100ppm(容量比)であった。汚
泥脱水ケーキは、黒色化し、嫌気腐敗が生じたことを示
していた。実施例5及び比較例6〜7の結果を、第2表
に示す。
【0013】
【表2】
【0014】実施例5においては、汚泥脱水ケーキ10
0重量部に対して亜硝酸ナトリウム0.13重量部を水
溶液として噴霧添加することにより、無処理の比較例7
に比べて、翌日朝の脱水ケーキの臭気成分は約50分の
1に低減している。亜硝酸ナトリウムを汚泥スラリーに
添加した比較例6では、実施例5の約2倍量の亜硝酸ナ
トリウムを用いているにもかかわらず、翌日朝の臭気成
分の発生量は、無処理の比較例7と大差はなく、脱水ケ
ーキも黒色化して、嫌気腐敗が生じていることがうかが
える。
【0015】
【発明の効果】汚泥脱水ケーキに、易溶性の静菌剤を添
加する本発明方法により、静菌剤の使用量を低減し、汚
泥脱水ケーキと静菌剤を混合することなく防臭効果を発
現させ、しかもその効果を持続することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚泥脱水ケーキに、25℃において水10
    0mLに20g以上溶解する静菌剤を添加することを特徴
    とする汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法。
  2. 【請求項2】静菌剤が、亜硝酸塩である請求項1記載の
    汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010058045A (ja) * 2008-09-03 2010-03-18 Daiwa House Industry Co Ltd 汚泥脱水ケーキ貯留槽からの悪臭発生防止方法及び悪臭発生防止装置
JP4937926B2 (ja) * 2004-12-20 2012-05-23 ロディア ユーケイ リミテッド 下水汚泥の処理方法

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