JPH11290895A - 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤 - Google Patents

汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤

Info

Publication number
JPH11290895A
JPH11290895A JP11437598A JP11437598A JPH11290895A JP H11290895 A JPH11290895 A JP H11290895A JP 11437598 A JP11437598 A JP 11437598A JP 11437598 A JP11437598 A JP 11437598A JP H11290895 A JPH11290895 A JP H11290895A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sludge
agent
deodorizing
zinc pyrithione
dewatered cake
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11437598A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Yamamoto
成一 山本
Saburo Harada
三郎 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOYO CLEAN KAGAKU KK
Original Assignee
TOYO CLEAN KAGAKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOYO CLEAN KAGAKU KK filed Critical TOYO CLEAN KAGAKU KK
Priority to JP11437598A priority Critical patent/JPH11290895A/ja
Publication of JPH11290895A publication Critical patent/JPH11290895A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きい消臭効果が長期間にわたって持続し、
しかも環境汚染の危険性がなく、安全性が大きく、操作
性がよい汚泥脱水ケーキの脱臭方法およびこの方法に使
用する消臭剤を提供する。 【解決手段】 第一剤としてジンクピリチオンと第二剤
として過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫
酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合
物とを別個に併用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種汚泥の脱水ケ
ーキの消臭方法および消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭廃水、産業廃水、下水および屎尿な
どの汚水は、各種の処理を経て清浄化された後に河川、
湖沼および海に放流される。この汚水の清浄化処理とし
て、たとえば、家庭廃水、産業廃水、下水および屎尿な
どについての活性汚泥処理、活性汚泥処理で発生した余
剰汚泥または屎尿などについての嫌気性消化処理ならび
に放流前の上記の各種清浄化処理後の汚水についての凝
集処理がある。
【0003】これらの処理においては各種の汚泥が発生
する。すなわち、その汚泥としては、たとえば、活性汚
泥処理における余剰汚泥および濃縮汚泥、嫌気性消化処
理における消化槽引抜き汚泥ならび放流前の各種清浄化
処理後の汚水の凝集処理における凝集汚泥などがある。
これらの各種汚泥は脱水せしめられてケーキとされ(以
下このケーキを汚泥脱水ケーキと記す)、最終的に焼却
されるか、または、最終処分場に廃棄される。
【0004】しかして、この各種汚泥脱水ケーキには各
種の嫌気性微生物が多量に棲息しているため、これらの
嫌気性微生物の作用により硫化水素およびメチルメルカ
プタンなどが汚泥脱水ケーキから発生して悪臭の原因と
なる。各種の汚泥から発生した汚泥脱水ケーキが最終的
に焼却され、または、最終処分場に廃棄されるまでの間
に、時間の経過とともにこれらの硫化水素およびメチル
メルカプタンなどの発生量は増大し、汚泥脱水ケーキは
強烈な悪臭を発生するに至り公害となる。このような、
汚泥脱水ケーキが発生する強烈な悪臭を消臭乃至脱臭す
るために、たとえば、芳香剤および香料などによるマス
キング処理、イソチアゾロン系化合物およびジンクピリ
チオンなどの静菌剤系消臭剤の添加、さらに亜塩素酸ナ
トリウムおよび塩素酸ナトリウムなどの酸化剤系消臭剤
の添加などが行われている。
【0005】たとえば、(イ)脱水前の汚泥に、イソチア
ゾロン化合物またはその塩などの水に易溶性乃至難溶性
または不溶性の粉末状の殺菌剤、さらにはジンクピリチ
オンなどのその他の殺菌剤を添加する消臭方法(特開平
1−224098号)、(ロ)脱水前の汚泥に、消臭剤と
して亜塩素酸塩および次亜塩素酸塩と場合により、たと
えば、ベンゾイソチアゾロンまたはジンクピリチオンな
どの静菌剤系消臭剤とを併用する消臭方法(特開平5−
253599号)ならびに(ハ)二酸化塩素および塩化亜
鉛を併用する脱臭方法(特開平7−68295号)が知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法において
は、実用上、満足できる程度の消臭効果乃至脱臭効果が
奏されているとは言い難く、仮に、実用上、一時的には
満足できる程度の消臭効果乃至脱臭効果が奏されても、
これらの効果を長時間にわたって保持することは期待で
きなかった。
【0007】さらに上記(ロ)の方法では、良好な消臭効
果を奏せしめるためには薬剤の添加順序が、亜塩素酸
塩、次亜塩素酸塩および静菌剤系消臭剤の順序でなけれ
ばならないとされており、これは、操作上、混乱を招く
虞れがあり、操作に無用な神経を使わなければならず、
その操作性が悪い。また、上記(ハ)の方法では、ここで
使用される二酸化塩素は、常態では気体で、刺激臭なら
びに毒性および爆発性を有し、危険性が大きいため、そ
の取り扱いに多大な注意が払われなければならない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な従来の消臭方法乃至脱臭方法における欠点を解消し
て、消臭効果が大きく、かつ、この消臭効果が長期間に
わたって持続し、しかも環境汚染の危険性がなく、安全
性が大きく、操作性のよい各種汚泥脱水ケーキの消臭方
法および該汚泥脱水ケーキの消臭に好適な消臭剤を開発
すべく鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことに、
ジンクピリチオンを静菌剤系消臭剤として単独に少量使
用した場合には、時により硫化水素およびメチルメルカ
プタンなどの悪臭の原因となる物質の発生量は却って増
加せしめられるが、第一剤としてジンクピリチオンと第
二剤として過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポ
リ硫酸第二鉄(一般式[Fe2(OH)n(SO4)3-(n/2)
m)からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物と
を別個に併用することにより、各種汚泥からの汚泥脱水
ケーキに対する大きな消臭効果が長期間持続せしめられ
るとの新知見を得、この新知見に基づいて、本発明に到
達した。
【0009】すなわち、本第一発明は、汚泥脱水ケーキ
の消臭方法において、第一剤としてジンクピリチオンと
第二剤として過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛および
ポリ硫酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種
の化合物とを別個に併用することを特徴とする汚泥脱水
ケーキの消臭方法である。本第二発明は、第一剤がジン
クピリチオンであり、第二剤が過酸化水素、亜塩素酸
塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄からなる群から選ば
れた少なくとも1種の化合物である汚泥脱水ケーキ消臭
剤である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明方法における汚泥は、その
汚泥脱水ケーキが最終的に焼却され、または、最終処分
場に廃棄されるまでの間に悪臭を発生する汚泥であれば
よく特に制限はないが、たとえば、家庭廃水、産業廃
水、下水および屎尿などの汚水の活性汚泥処理で発生し
た余剰汚泥および濃縮汚泥、活性汚泥処理で発生した余
剰汚泥または屎尿などの嫌気性消化処理で発生した消化
槽引抜き汚泥ならびに放流前の各種清浄化処理後の汚水
の凝集処理で発生した凝集汚泥などがある。就中、濃縮
汚泥が最も好ましい。
【0011】上記の各種の汚泥は、たとえば、濾過およ
び遠心分離などの機械的な脱水手段によって汚泥脱水ケ
ーキとされる。この汚泥脱水ケーキの含水率は、汚泥の
種類、含有物の種類および含有率、脱水手段の種類など
によって異なり、一概に特定し得ないが、通常は、60
〜90重量%程度である。
【0012】本発明の消臭方法において、通常は、脱水
前の各種の汚泥および/または汚泥脱水ケーキに、第一
剤としてのジンクピリチオンと第二剤としての過酸化水
素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄からな
る群から選ばれた少なくとも1種の化合物とが事前に混
合されることなしに、別個に添加されて、混合される。
混合が容易であり、均一に混合できることから各種薬剤
を脱水前の汚泥と混合することが好ましい。汚泥脱水時
の排水に薬剤が含有されて逸失せしめないことから各種
薬剤を汚泥脱水ケーキに混合することもできる。また、
均一に混合し、汚泥脱水時の排水に薬剤を含有せしめな
いめに、第一剤である水に難溶なジンクピリチオンを脱
水前の汚泥と混合し、次いで該汚泥を脱水した後の汚泥
脱水ケーキと第二剤である水溶性の大きい過酸化水素、
亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄からなる群
から選ばれた少なくとも1種の化合物とを混合すること
もできる。就中、実用上、各種薬剤を脱水前の汚泥と混
合することが最も好ましい。また、本発明における第二
剤である化合物は1種類でも所期の消臭効果を奏せしめ
ることができるが、2種類以上を併用することを妨げな
い。なお、第二剤として過酸化水素とポリ硫酸第二鉄と
を併用することはできない。
【0013】ジンクピリチオンは、ケミカル アブスト
ラクツ(Chemical Abstracts)のオンライン データベ
ースであるCAファイルにおけるケミカル アブストラ
クツレジストリ(Chemical Abstracts Registry)のフ
ァイルに、そのCAS登録番号が「CAS No.134
63−41−7」として収載されており、化学名はビス
[1−ヒドロキシ−2(1H)ピリジンチオネート−
O,S]−(T−4)ジンクと称され、それ自体公知で
水に難溶な化合物である。第一剤であるジンクピリチオ
ンと第二剤である過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛お
よびポリ硫酸第二鉄のそれぞれは、いずれも工業薬品が
好適に使用されるが、試薬を使用することを妨げない。
【0014】これらは市販品をそのまま使用することが
できる。ジンクピリチオンについては防菌防黴剤として
市販されているジンクオマジン(Zinc Omadine)(登録
商標日本オーリン株式会社の商品)を使用することがで
きる。過酸化水素については30%過酸化水素水溶液
(試薬)および35%過酸化水素水溶液(工業薬品)な
どの市販品を使用する。亜塩素酸塩としては亜塩素酸ナ
トリウムが最も好ましい。また、ポリ硫酸第二鉄([F
2(OH)n(SO4)3-(n/2)m)については凝集剤とし
て市販されているポリテツ(登録商標 日鉄鉱業株式会
社の商品 第二鉄11.0%以上、硫酸イオン350mg
/lを含有するポリ硫酸第二鉄の水溶液で赤褐色を呈す
る)をそのまま使用する。
【0015】ジンクピリチオンならびに過酸化水素、亜
塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄のそれぞれの
使用量は汚泥の種類、含有物の種類および含有率ならび
に最終処分に至るまでの時間、温度などによって異なり
一概に特定し得ないが、通常は、脱水前の汚泥の固形物
または汚泥脱水ケーキの固形物1kgに対して、ジンクピ
リチオンの使用量は約20〜3000mg、好ましくは、
約100〜2000mg、過酸化水素の使用量は約1〜2
5g、好ましくは、約1.5〜15g、亜塩素酸塩として
亜塩素酸ナトリウムを使用する場合はその使用量は約
0.5〜25g、好ましくは、約1〜15g、塩化亜鉛の
使用量は約1〜40g、好ましくは、約2〜25g、ポリ
硫酸第二鉄の使用量は、ポリ硫酸第二鉄がポリテツの場
合にはポリテツとして約2〜200g、好ましくは、ポ
リテツとして約20〜100gとされる。
【0016】ジンクピリチオンならびに亜塩素酸塩およ
び塩化亜鉛はそれぞれ固体−特に、粉末−で脱水前の汚
泥または汚泥脱水ケーキに添加することもできるが、通
常は、ジンクピリチオンは水を分散媒とする濃厚な懸濁
液として、また、亜塩素酸塩および塩化亜鉛はそれぞれ
濃厚な水溶液として脱水前の汚泥または汚泥脱水ケーキ
に添加する。
【0017】過酸化水素またはポリ硫酸第二鉄は、その
水溶液のままで使用する。脱水前の汚泥または汚泥脱水
ケーキとの混合を良好ならしめるために、上記の固形状
各薬剤に希釈剤を添加して増量せしめて、これを脱水前
の汚泥または汚泥脱水ケーキと混合することもできる。
この希釈剤は上記の各薬剤に対して不活性な物質であれ
ばよく、この代表例として、粉末状の塩類などを挙げる
ことができる。
【0018】本発明の汚泥脱水ケーキの消臭方法におい
て、脱水前の汚泥または汚泥脱水ケーキへの第一剤であ
るジンクピリチオンと第二剤である過酸化水素、亜塩素
酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄からなる群から選
ばれた少なくとも1種の化合物とを別個に併用する際の
それぞれの添加順序には全く制限はない。また、上記の
各薬剤同士を添加する間隔は短い程好ましいが、先に添
加された薬剤が残留している間であればその添加間隔に
特に制限はない。脱水前の汚泥と上記の各薬剤との混合
は、常法によって行われるが、各種の攪拌翼式攪拌機に
よることが好ましい。汚泥脱水ケーキと上記の各薬剤と
の混合は、常法によって行われるが、捏和機によること
が好ましい。
【0019】本第一発明の汚泥脱水ケーキの消臭方法に
は、本第二発明の汚泥脱水ケーキ消臭剤が使用される。
本第二発明のこの消臭剤において第一剤であるジンクピ
リチオンと第二剤である過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化
亜鉛およびポリ硫酸第二鉄はそれぞれ、たとえば、プラ
スチック製袋、瓶および缶などの包装容器に別個に収納
され、さらに、キットとされることが好ましい。しかし
て、上記の各薬剤は所望の使用量となるような分量で別
個に収納されることが特に好ましい。
【0020】
【実施例】次の実施例は本発明をさらに具体的に説明す
るためのものであって、本発明を限定するためのもので
はない。 実施例1 1.試験方法 (1) 汚泥の性状 M市下水処理場の濃縮汚泥を使用して本発明の汚泥脱水
ケーキの消臭方法を試験した。試験に先立って濃縮汚泥
の全蒸発残留物(以下 固形物 と記すこともある)を
測定した。試験例1および試験例2のそれぞれにおいて
使用された濃縮汚泥の全蒸発残留物は26600mg/l
であった。また、試験例3乃至試験例6のそれぞれにお
いて使用された濃縮汚泥の全蒸発残留物は27400mg
/lであった。
【0021】(2) 濃縮汚泥に添加される各薬剤の調製 (イ) ジンクピリチオン ジンクピリチオン48重量%水懸濁液(亜鉛含有率9.
9重量%)の市販品であるジンクオマジン(登録商標
日本オーリン株式会社の商品)を攪拌してジンクピリチ
オンを均一に分散せしめ、これに水を加えて24倍に希
釈して24倍希釈液を得た。
【0022】(ロ) 亜塩素酸ナトリウム 工業薬品である粉末状亜塩素酸ナトリウム(亜塩素酸ナ
トリウム含有率 86%)29.1gに水を加えて100
mlとして、亜塩素酸ナトリウムの25%(重量/容量)
水溶液を得た。 (ハ) 塩化亜鉛 塩化亜鉛の水溶液である脱臭クリーンWL(商品名 東
洋クリーン化学株式会社の商品)の原液をそのまま使用
した。
【0023】(3) 濃縮汚泥への各薬剤の添加、混合およ
び汚泥脱水ケーキの調製 上記の濃縮汚泥に、その固形物量7gに対して上記の薬
剤のそれぞれを所定量添加し、攪拌翼式攪拌機にて約1
分間混合し、その後、10分間放置し、引続き高分子凝
集剤として約40mgのフロックリーン C−68−P
(商品名 東洋クリーン化学株式会社の商品)を添加し
てこの濃縮汚泥を凝集せしめ、直ちに700mmHg乃至7
60mmHg未満の減圧下で脱水濾過試験器(株式会社宮本
製作所の商品)を用いて濾過、脱水して水分含有率が約
80%とされた汚泥脱水ケーキを得、この汚泥脱水ケー
キについて臭気を測定した。
【0024】(4) 臭気測定方法 上記の汚泥脱水ケーキを径5〜10mm程度の細片に粉砕
し、粉砕された汚泥脱水ケーキを500ml容三角フラス
コ(実容積605ml)の底に収納してその表面を均し、
該三角フラスコを密栓して、直ちに、ガテックス社製の
硫化水素測定用またはメチルメルカプタン測定用の検知
管を使用して該三角フラスコ内の気体100mlをそれぞ
れ吸引し、硫化水素量およびメチルメルカプタン量のそ
れぞれをppm表示で測定し、これらの量を0時間におけ
る硫化水素発生量(ppm)およびメチルメルカプタン発
生量(ppm)とした。その後、注射針を付した注射器を
用いて密栓から該三角フラスコ内に清浄空気200mlを
注入して該三角フラスコ内を吸引前のもとの状態に復元
せしめた後、30℃下24時間静置した。静置24時間
後に硫化水素発生量(ppm)およびメチルメルカプタン
発生量(ppm)を0時間におけると同様にして測定し、
これを30℃下24時間静置汚泥脱水ケーキの硫化水素
発生量(ppm)およびメチルメルカプタン発生量(ppm)
とした。
【0025】その後、密栓を取り外し該三角フラスコ内
に清浄空気を2〜5分間通気して該三角フラスコ内に残
留していた硫化水素およびメチルメルカプタンを排除
し、再び該三角フラスコを密栓して該三角フラスコ内に
硫化水素およびメチルメルカプタンが存在しないことを
上記ガス検知器を用いて上記と同様にして確認した。次
いで、上記と同様にして注射針を付した注射器を用いて
密栓から該三角フラスコ内に清浄空気を注入して30℃
でさらに24時間静置し、静置24時間(試験開始から
48時間)後の硫化水素発生量(ppm)およびメチルメ
ルカプタン発生量(ppm)(以下両者を 悪臭ガス発生
量 と記すこともある)を0時間におけると同様にして
測定した。この測定値を上記の30℃下24時間静置汚
泥脱水ケーキの硫化水素水素発生量(ppm)およびメチ
ルメルカプタン発生量(ppm)に各々加算し、これをそ
れぞれ30℃下48時間静置汚泥脱水ケーキの硫化水素
発生量(ppm)およびメチルメルカプタン発生量(ppm)
とした。
【0026】また、これらの測定結果から次式によって
消臭率を算出した。すなわち、 消臭率(%)=(薬剤無添加の場合の悪臭ガス発生量−
薬剤添加の場合の悪臭ガス発生量)÷薬剤無添加の場合
の悪臭ガス発生量×100 なお、消臭率が−(マイナス)であることは、悪臭ガス
発生量が増加したことを示している。
【0027】試験例1 濃縮汚泥へのジンクピリチオンと塩化亜鉛のそれぞれの
逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の相乗効果を調
べた。すなわち、濃縮汚泥に、その固形物量7gに対し
て所定量のジンクピリチオンおよび塩化亜鉛をそれぞれ
単独添加し、または、この両薬剤を別個に10分間間隔
で逐次添加し、最後の薬剤の添加直後(0時間)、24
時間後および48時間後における悪臭ガス発生量を測定
してそれぞれ積算し、かつ、消臭率を算出した。結果を
表1Aおよび表1Bに示す。
【0028】なお、表1Aおよび表1Bのそれぞれにお
いて、悪臭ガス発生量を積算値(ppm)で示し、かつ、
括弧内に消臭率を示した。また、表1Aおよび表1Bの
それぞれにおける「Zpt」および「ZnCl2」はそれぞれジ
ンクピリチオンおよび塩化亜鉛を示し、「ND」および
「Tr」は、それぞれ「検出限界以下のため測定不能」
および「痕跡」を示している。「ND」および「Tr」
の場合には、それぞれ悪臭ガス発生量を「0」と看做し
てその消臭率は100%とされている。
【0029】さらに、表1Aおよび表1Bのそれぞれに
おいて、たとえば「Zpt→ZnCl2」は、「ジンクピリチオ
ンに次いで塩化亜鉛が添加された」ことを示している。
表2Aおよび表2B以降の表においてもこれに準ずる。
但し、「NaClO2」は亜塩素酸ナトリウムを示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】表1Aおよび表1Bでの結果は次のことを
示している。すなわち、3.5mgのジンクピリチオンの
単独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却って、悪
臭ガス発生量が増加していることを示している。70mg
の塩化亜鉛の単独添加では、メチルメルカプタンの消臭
率は、実用できない程に極めて低い。これに対して、
3.5mgのジンクピリチオンおよび70mgの塩化亜鉛の
それぞれを逐次添加した場合には、その添加順序とは関
係なく、硫化水素およびメチルメルカプタンの両者につ
いて長時間にわたって極めて高い消臭率を示し、実質的
に完全に消臭しており、ジンクピリチオンと塩化亜鉛の
それぞれの逐次添加により消臭作用に関する両薬剤の顕
著な相乗効果が奏されている。
【0033】試験例2 濃縮汚泥へのジンクピリチオンと亜塩素酸ナトリウムと
のそれぞれの逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の
相乗効果を調べた。すなわち、濃縮汚泥に、その固形物
量7gに対して所定量のジンクピリチオンおよび亜塩素
酸ナトリウムをそれぞれ単独添加し、または、両薬剤を
別個に10分間間隔で逐次添加し、最後の薬剤の添加直
後(0時間)、24時間後および48時間後における悪
臭ガス発生量を測定してそれぞれ積算し、かつ、消臭率
を算出した。結果を表2Aおよび表2Bに示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】表2Aおよび表2Bでの結果は次のことを
示している。すなわち、43.75mgの亜塩素酸ナトリ
ウムおよび3.5mgのジンクピリチオンのそれぞれの単
独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却って、悪臭
ガス発生量が増加している。これに対して、3.5mgの
ジンクピリチオンおよび43.75mgの亜塩素酸ナトリ
ウムのそれぞれを逐次添加した場合には、その添加順序
とは関係なく、硫化水素およびメチルメルカプタンの両
者について長時間にわたって極めて高い消臭率を示し、
実質的に完全に消臭しており、ジンクピリチオンと亜塩
素酸ナトリムのそれぞれの逐次添加により消臭作用に関
する両薬剤の顕著な相乗効果が奏されている。
【0037】試験例3 濃縮汚泥へのジンクピリチオンと塩化亜鉛のそれぞれの
逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の量的関係と消
臭効果との関係を調べた。すなわち、濃縮汚泥に、その
固形物量7gに対して3.5mgのジンクピリチオンと種々
の量の塩化亜鉛とを別個に10分間間隔で逐次添加し、
最後の薬剤の添加直後(0時間)、24時間後および4
8時間後における悪臭ガス発生量を測定してそれぞれ積
算し、かつ、消臭率を算出した。結果を表3Aおよび表
3Bに示す。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】表3Aおよび表3Bのそれぞれでの結果は
次のことを示している。すなわち、3.5mgのジンクピ
リチオン単独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却
って、悪臭ガス発生量が増加している。これに対して、
両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガスの消
臭率が増大し、特に、3.5mgのジンクピリチオンと1
4mg以上の塩化亜鉛のそれぞれの逐次添加により硫化水
素の発生は実質的に完全に抑制されており、また、3.
5mgのジンクピリチオンと70mg以上の塩化亜鉛のそれ
ぞれの逐次添加によりメチルメルカプタンの発生は長時
間にわたって実質的に完全に抑制されている。
【0041】試験例4 濃縮汚泥へのジンクピリチオンと亜塩素酸ナトリウムの
それぞれの逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の量
的関係と消臭効果との関係を調べた。すなわち、濃縮汚
泥に、その固形物量7gに対して3.5mgのジンクピリチ
オンと種々の量の亜塩素酸ナトリウムとを別個に10分
間間隔で逐次添加し、最後の薬剤の添加直後(0時
間)、24時間後および48時間後における悪臭ガス発
生量を測定してそれぞれ積算し、かつ、消臭率を算出し
た。結果を表4Aおよび表4Bに示す。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】表4Aおよび表4Bでの結果は次のことを
示している。すなわち、3.5mgのジンクピリチオン単
独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却って、悪臭
ガス発生量が増加している。これに対して、両薬剤をそ
れぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガスの消臭率が増大
し、特に、3.5mgのジンクピリチオンと8.75mg以上
の亜塩素酸ナトリウムのそれぞれの逐次添加によりメチ
ルメルカプタンの発生は長時間にわたって大きく抑制さ
れており、また、3.5mgのジンクピリチオンと43.7
5mg以上の亜塩素酸ナトリウムのそれぞれの逐次添加に
より悪臭ガスの発生は長時間にわたって実質的に完全に
抑制されている。
【0045】試験例5 濃縮汚泥への塩化亜鉛とジンクピリチオンのそれぞれの
逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の量的関係と消
臭効果との関係を調べた。すなわち、濃縮汚泥に、その
固形物量7gに対して70mgの塩化亜鉛と種々の量のジ
ンクピリチオンとを別個に10分間間隔で逐次添加し、
最後の薬剤の添加直後(0時間)、24時間後および4
8時間後における悪臭ガス発生量を測定してそれぞれ積
算し、かつ、消臭率を算出した。結果を表5Aおよび5
Bに示す。
【0046】
【表9】
【0047】
【表10】
【0048】表5Aおよび表5Bでの結果は次のことを
示している。すなわち、70mgの塩化亜鉛の単独添加で
は、メチルメルカプタンの消臭率は低い。これに対し
て、両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガス
の消臭率が増大し、特に、70mgの塩化亜鉛と1.75m
g以上のジンクピリチオンのそれぞれの逐次添加により
メチルメルカプタンの発生は長時間にわたって大きく抑
制され、また、硫化水素の発生は長時間にわたって実質
的に完全に抑制されており、70mgの塩化亜鉛と3.5m
g以上のジンクピリチオンのそれぞれの逐次添加により
悪臭ガスの発生は長時間にわたり実質的に完全に抑制さ
れている。
【0049】試験例6 濃縮汚泥への亜塩素酸ナトリウムとジンクピリチオンの
それぞれの逐次添加による消臭作用に関する両薬剤の量
的関係と消臭効果との関係を調べた。すなわち、濃縮汚
泥に、その固形物量7gに対して43.75mgの亜塩素酸
ナトリウムと種々の量のジンクピリチオンとを別個に1
0分間間隔で逐次添加し、最後の薬剤の添加直後(0時
間)、24時間後および48時間後における悪臭ガス発
生量を測定してそれぞれ積算し、かつ、消臭率を算出し
た。結果を表6Aおよび表6Bに示す。
【0050】
【表11】
【0051】
【表12】
【0052】表6Aおよび表6Bでの結果は次のことを
示している。すなわち、43.75mgの亜塩素酸ナトリ
ウムの単独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却っ
て、硫化水素の発生量が増加している。これに対して、
両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガスの消
臭率が増大し、特に、43.75mgの亜塩素酸ナトリウ
ムと3.5mg以上のジンクピリチオンのそれぞれの逐次
添加により、悪臭ガスの発生は長時間にわたって実質的
に完全に抑制されている。
【0053】実施例2 1.試験方法 (1) 汚泥の性状 実施例1と同様にして測定した全蒸発残留物が1780
0mg/lであるM市下水処理場の濃縮汚泥を試験に供し
た。
【0054】(2) 濃縮汚泥に添加される各薬剤 (イ) ジンクピリチオン 実施例1におけると同じ。 (ロ) 過酸化水素 市販の30%過酸化水素水溶液(試薬)を使用した。 (ハ) ポリ硫酸第二鉄 ポリ硫酸第二鉄水溶液である市販のポリテツ(登録商標
日鉄鉱業株式会社の商品)をそのまま使用した。
【0055】(3) 濃縮汚泥への各薬剤の添加、混合およ
び汚泥脱水ケーキの調製 実施例1におけると同じ。 (4) 臭気測定方法 実施例1におけると同じ。
【0056】試験例1 実施例1の試験例1に準じて、濃縮汚泥へのジンクピリ
チオンとポリ硫酸鉄のそれぞれの逐次添加による消臭作
用に関する両薬剤の相乗効果を調べた。結果を表7Aお
よび表7Bに示す。なお、表7A以降の表において「PF
S」は市販のポリ硫酸第二鉄水溶液であるポリテツ(以
下「ポリテツ」と記す)を示す。
【0057】
【表13】
【0058】
【表14】
【0059】表7Aおよび表7Bのそれぞれでの結果は
次のことを示している。すなわち、350mgの「ポリテ
ツ」の単独添加では、悪臭ガス発生量は薬剤無添加の場
合と大差はなく、消臭作用は殆ど認められていない。他
方、3.5mgのジンクピリチオンの単独添加では、薬剤
無添加の場合に比して、却って、悪臭ガス発生量が増加
している。これに対して、350mgの「ポリテツ」およ
び3.5mgのジンクピリチオンをそれぞれ逐次添加した
場合には、その添加順序とは関係なく、長時間にわたっ
て硫化水素およびメチルメルカプタンの両者について極
めて高い消臭率を示し、悪臭ガスの発生は長時間にわた
って実質的に完全に抑制されており、ジンクピリチオン
とポリ硫酸第二鉄のそれぞれの逐次添加により消臭作用
に関する両薬剤の顕著な相乗効果が奏されている。
【0060】試験例2 実施例1の試験例1に準じて、濃縮汚泥へのジンクピリ
チオンと過酸化水素のそれぞれの逐次添加による消臭作
用に関する両薬剤の相乗効果を調べた。結果を表8Aお
よび表8Bに示す。なお、表8A以降の表において「H
22」は過酸化水素を示す。
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】表8Aおよび表8Bのそれぞれでの結果は
次のことを示している。すなわち、52.5mgの過酸化
水素および3.5mgのジンクピリチオンのそれぞれの単
独添加では、薬剤無添加の場合に比して、却って、悪臭
ガス発生量が増加している。これに対して、52.5mg
の過酸化水素および3.5mgのジンクピリチオンのそれ
ぞれを逐次添加した場合には、その添加順序とは関係な
く、長時間にわたって硫化水素およびメチルメルカプタ
ンの両者について極めて高い消臭率を示し、悪臭ガスの
発生は長時間にわたって実質的に完全に抑制されてお
り、ジンクピリチオンと過酸化水素のそれぞれの逐次添
加により消臭作用に関する両薬剤の顕著な相乗効果が奏
されている。
【0064】試験例3 実施例1の試験例3に準じて、濃縮汚泥へのジンクピリ
チオンとポリ硫酸第二鉄のそれぞれの逐次添加による消
臭作用に関する両薬剤の量的関係と消臭効果との関係を
調べた。結果を表9Aおよび表9Bに示す。
【0065】
【表17】
【0066】
【表18】
【0067】表9Aおよび表9Bのそれぞれでの結果は
次のことを示している。すなわち、3.5mgのジンクピ
リチオンの単独添加では、薬剤無添加の場合に比して、
却って、悪臭ガス発生量が増加している。これに対し
て、両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガス
の消臭率が増大し、特に、3.5mgのジンクピリチオン
および175mg以上の「ポリテツ」のそれぞれの逐次添
加により悪臭ガスの発生は大きく抑制されており、ま
た、3.5mgのジンクピリチオンおよび700mg以上の
「ポリテツ」のそれぞれの逐次添加により悪臭ガスの発
生は長時間にわたって実質的に完全に抑制されている。
【0068】試験例4 実施例1の試験例3に準じて、濃縮汚泥へのジンクピリ
チオンと過酸化水素のそれぞれの逐次添加による消臭作
用に関する両薬剤の量的関係と消臭効果との関係を調べ
た。結果を表10Aおよび表10Bに示す。
【0069】
【表19】
【0070】
【表20】
【0071】表10Aおよび表10Bのそれぞれでの結
果は次のことを示している。すなわち、3.5mgのジン
クピリチオンの単独添加では、薬剤無添加の場合に比し
て、却って、悪臭ガス発生量が増加している。これに対
して、両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪臭ガ
スの消臭率が増大し、特に、3.5mgのジンクピリチオ
ンおよび10.5mg以上の過酸化水素のそれぞれの逐次
添加によりメチルメルカプタンの発生は抑制されてお
り、また、3.5mgのジンクピリチオンおよび52.5mg
以上の過酸化水素のそれぞれの逐次添加により、悪臭ガ
スの発生は長時間にわたって実質的に完全に抑制されて
いる。
【0072】試験例5 実施例1の試験例5に準じて、濃縮汚泥へのポリ硫酸第
二鉄とジンクピリチオンのそれぞれの逐次添加による消
臭作用に関する両薬剤の量的関係と消臭効果との関係を
調べた。結果を表11Aおよび表11Bに示す。
【0073】
【表21】
【0074】
【表22】
【0075】表11Aおよび表11Bのそれぞれでの結
果は次のことを示している。すなわち、350mgの「ポ
リテツ」の単独添加では、悪臭ガスの発生を抑制できな
いばかりではなく、長時間経過後は薬剤無添加の場合に
比して、却って、悪臭ガス発生量が増加している。これ
に対して、両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪
臭ガスの消臭率が増大し、特に、350mgの「ポリテ
ツ」および1.75mg以上のジンクピリチオンのそれぞ
れの逐次添加により悪臭ガスの発生は抑制されており、
また、350mgの「ポリテツ」および7mg以上のジンク
ピリチオンのそれぞれの逐次添加により、悪臭ガスの発
生は長時間にわたって実質的に完全に抑制されている。
【0076】試験例6 実施例1の試験例5に準じて、濃縮汚泥への過酸化水素
とジンクピリチオンのそれぞれの逐次添加による消臭作
用に関する両薬剤の量的関係と消臭効果との関係を調べ
た。結果を表12Aおよび表12Bに示す。
【0077】
【表23】
【0078】
【表24】
【0079】表12Aおよび表12Bのそれぞれでの結
果は次のことを示している。すなわち、52.5mgの過
酸化水素の単独添加では、悪臭ガスの発生を抑制できな
いばかりではなく、メチルメルカプタンの発生量は、薬
剤無添加の場合に比して、却って、増加している。これ
に対して、両薬剤をそれぞれ逐次添加した場合には、悪
臭ガスの消臭率が増大し、特に、52.5mgの過酸化水
素および1.75mg以上のジンクピリチオンのそれぞれ
の逐次添加により悪臭ガスの発生は抑制されており、ま
た、52.5mgの過酸化水素および3.5mg以上のジンク
ピリチオンのそれぞれの逐次添加により、悪臭ガスの発
生は長時間にわたって実質的に完全に抑制されている。
【0080】実施例3 試験例1 濃縮汚泥へのジンクピリチオン添加直後、または、30
分後、もしくは、60分後における塩化亜鉛、亜塩素酸
ナトリウム、ポリテツ、または、過酸化水素のいずれか
の各別個逐次添加による消臭作用に関する各両薬剤それ
ぞれの消臭効果について調べた。
【0081】すなわち、実施例1および実施例2のそれ
ぞれの実験結果に基づき、添加間隔を替えた以外は上記
の実施例と同様にして、濃縮汚泥の固形物量7gに対し
て、3.5mgのジンクピリチオンをそれぞれ添加し、そ
の添加直後、または、30分後、もしくは、60分後に
そのそれぞれに、塩化亜鉛70mg、亜塩素酸ナトリウム
43.75mg、ポリテツ350mg、または、過酸化水素
52.5mgのいずれかを各別個に逐次添加し、最後の薬
剤の添加直後(0時間)、24時間後および48時間後
における悪臭ガス発生量をそれぞれ測定し、そのそれぞ
れの消臭率を算出した。各薬剤の逐次添加により、その
添加間隔の時間の長さのいかんを問わずいずれも悪臭ガ
スの発生は長時間にわたって実質的に完全に抑制され
た。
【0082】試験例2 濃縮汚泥への塩化亜鉛、亜塩素酸ナトリウム、ポリテ
ツ、または、過酸化水素のいずれかをそれぞれ添加した
直後、または、30分後、もしくは、60分後における
ジンクピリチオンの個別逐次添加による消臭作用に関す
る各両薬剤それぞれの消臭効果について調べた。
【0083】すなわち、実施例3試験例1の実験結果に
基づき、添加間隔を替えた以外は上記の実施例と同様に
して、濃縮汚泥の固形物量7gに対して、塩化亜鉛70m
g、亜塩素酸ナトリウム43.75mg、ポリテツ350m
g、または、過酸化水素52.5mgのいずれかをそれぞれ
添加した直後、または、30分後、もしくは、60分後
に、3.5mgのジンクピリチオンのそれぞれを別個に逐
次添加し、最後のジンクピリチオンの添加直後(0時
間)、24時間後および48時間後における悪臭ガス発
生量をそれぞれ測定し、そのそれぞれの消臭率を算出し
た。ジンクピリチオンの逐次添加により、その添加間隔
の時間の長さのいかんを問わずいずれも悪臭ガスの発生
は長時間にわたって実質的に完全に抑制された。
【0084】
【発明の効果】本発明の汚泥脱水ケーキの消臭方法およ
び汚泥脱水ケーキ消臭剤は、消臭効果が大きく、かつ、
この消臭効果が長期間にわたって持続し、しかも環境汚
染の危険性がなく、安全性が大きく、操作性がよい。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥脱水ケーキの消臭方法において、第
    一剤としてジンクピリチオンと第二剤として過酸化水
    素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫酸第二鉄からな
    る群から選ばれた少なくとも1種の化合物とを別個に併
    用することを特徴とする汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  2. 【請求項2】 第一剤であるジンクピリチオンと第二剤
    である過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫
    酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合
    物とを別個に脱水前の汚泥と混合することを特徴とする
    請求項1記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  3. 【請求項3】 第一剤であるジンクピリチオンと第二剤
    である過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫
    酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合
    物とを別個に汚泥脱水ケーキと混合することを特徴とす
    る請求項1記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  4. 【請求項4】 亜塩素酸塩が亜塩素酸ナトリウムである
    請求項1記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  5. 【請求項5】 第一剤であるジンクピリチオンの使用量
    が、脱水前の汚泥の固形物または汚泥脱水ケーキの固形
    物1kgに対して20〜2000mgとされる請求項1乃至
    4のいずれか1項記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  6. 【請求項6】 第二剤である過酸化水素の使用量が、脱
    水前の汚泥の固形物または汚泥脱水ケーキの固形物1kg
    に対して1〜25gとされる請求項1乃至3のいずれか
    1項または請求項5記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  7. 【請求項7】 第二剤である亜塩素酸ナトリウムの使用
    量が、脱水前の汚泥の固形物または汚泥脱水ケーキの固
    形物1kgに対して0.5〜25gとされる請求項1乃至5
    のいずれか1項記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  8. 【請求項8】 第二剤である塩化亜鉛の使用量が、脱水
    前の汚泥の固形物または汚泥脱水ケーキの固形物1kgに
    対して1〜40gとされる請求項1乃至3のいずれか1
    項または請求項5記載の汚泥脱水ケーキの消臭方法。
  9. 【請求項9】 第二剤であるポリ硫酸第二鉄の使用量
    が、脱水前の汚泥の固形物または汚泥脱水ケーキの固形
    物1kgに対してポリテツとして2〜200gとされる請
    求項1乃至3のいずれか1項または請求項5記載の汚泥
    脱水ケーキの消臭方法。
  10. 【請求項10】 第一剤がジンクピリチオンであり、第
    二剤が過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ硫
    酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合
    物である汚泥脱水ケーキ消臭剤。
  11. 【請求項11】 第一剤であるジンクピリチオン、第二
    剤である過酸化水素、亜塩素酸塩、塩化亜鉛およびポリ
    硫酸第二鉄からなる群から選ばれた少なくとも1種の化
    合物がそれぞれ別個に包装されキットとされてなる請求
    項10記載の汚泥脱水ケーキ消臭剤。
JP11437598A 1998-04-10 1998-04-10 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤 Pending JPH11290895A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11437598A JPH11290895A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11437598A JPH11290895A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11290895A true JPH11290895A (ja) 1999-10-26

Family

ID=14636126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11437598A Pending JPH11290895A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11290895A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038395A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Toyo Clean Kagaku Kk 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤
CN105731748A (zh) * 2016-05-12 2016-07-06 杭州故乡源污水处理有限公司 一种利用污水处理厂含铁污泥生产聚合硫酸铁的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001038395A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Toyo Clean Kagaku Kk 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤
CN105731748A (zh) * 2016-05-12 2016-07-06 杭州故乡源污水处理有限公司 一种利用污水处理厂含铁污泥生产聚合硫酸铁的方法
CN105731748B (zh) * 2016-05-12 2019-06-07 广州故乡源水处理有限公司 一种利用污水处理厂含铁污泥生产聚合硫酸铁的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4108771A (en) Elimination of odors from organic wastes
US5984993A (en) Method and composition for odor control
JP2000288592A (ja) 脱水ケーキの脱臭方法及び脱臭剤
JP2010110666A (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生抑制方法
JP3605821B2 (ja) 脱水ケーキの脱臭剤及び脱臭方法
JPH11290895A (ja) 汚泥脱水ケーキの消臭方法および汚泥脱水ケーキ消臭剤
JP4174757B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気抑制方法
JP2945402B2 (ja) 汚泥脱臭剤
JP5616872B2 (ja) 汚泥スラリーの脱臭方法、脱水ケーキの脱臭方法、及び脱臭剤
JP3736344B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP4611471B2 (ja) 汚泥脱水ケーキの消臭方法
JP2000351000A (ja) 汚泥脱水ケーキの臭気発生防止剤及び臭気発生防止方法
JP2938331B2 (ja) 脱水ケーキの脱臭方法
JPH01224098A (ja) 脱水汚泥ケーキの消臭方法
JP5982852B2 (ja) 脱臭方法及び脱臭剤キット
JPH0256406A (ja) 脱臭及び殺菌用組成物
JP3900512B2 (ja) 脱水ケーキの臭気発生防止方法
JP3656164B2 (ja) カルキ消臭剤
JP2013111560A (ja) 汚泥処理工程における硫化水素の発生抑制方法
JP2004275541A (ja) 汚泥スラリー及び汚泥脱水ケーキの臭気抑制剤及び臭気抑制方法
JP3619278B2 (ja) 汚泥脱臭剤
JP2829685B2 (ja) 脱水汚泥ケーキの消臭方法
JP3944909B2 (ja) 濃縮汚泥スラリーの脱臭剤及び脱臭方法
JP3628285B2 (ja) 汚泥脱水ケーキ用脱臭剤および脱臭方法
JP2001340895A (ja) 汚水又は汚泥の消臭方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050325

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081028