JP2002182405A - 電子写真感光体、これを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、これを用いた電子写真装置及びプロセスカートリッジ

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JP2002182405A
JP2002182405A JP2000379330A JP2000379330A JP2002182405A JP 2002182405 A JP2002182405 A JP 2002182405A JP 2000379330 A JP2000379330 A JP 2000379330A JP 2000379330 A JP2000379330 A JP 2000379330A JP 2002182405 A JP2002182405 A JP 2002182405A
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electrophotographic photosensitive
photoreceptor
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Kaori Iemura
香於里 家村
Hiroichi Sakashita
博一 坂下
Taketoshi Hoshizaki
武敏 星崎
Makoto Takemoto
竹本  誠
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流電圧を用いて帯電を行う場合であって
も、白抜け故障の発生を十分に防止することができる電
子写真感光体、これを用いた電子写真装置及びプロセス
カートリッジを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、導電性基材上に少なくとも感
光体を備える電子写真感光体において、導電性基材3上
に形成される層全体の誘電膜厚が6μm以下であること
を特徴とする。この電子写真感光体によれば、電子写真
装置に装着し、直流電圧を印加して帯電しても、白抜け
故障の発生を十分に防止することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
ビームプリンター等の電子写真装置に用いられる電子写
真感光体、これを用いた電子写真装置及びプロセスカー
トリッジに関する。
【0002】
【従来技術】近年電子写真感光体は、高速、かつ高印字
品質が得られるという利点を有するため、複写機及びレ
ーザービームプリンター等の分野において著しく利用さ
れている。これら電子写真装置において用いられる電子
写真感光体として、従来からセレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等無機光導電材
料を用いた電子写真感光体が用いられているが、最近で
は、これらに比べて安価で製造性及び廃棄性の点で優れ
た利点を有することから、有機光導電材料を用いた有機
感光体が主流を占める様になってきている。
【0003】上記電子写真装置は、一般的には次のよう
な構成、およびプロセスを有するものである。すなわ
ち、感光体表面を帯電手段で所定の極性および電位に一
様に帯電させ、帯電後の感光体表面を、像露光により選
択的に除電することにより静電潜像を形成させた後、現
像手段で該静電潜像にトナーを付着させることにより、
潜像をトナー像として現像し、トナー像を転写手段で被
転写体に転写させることにより、画像形成物として排出
させる。
【0004】ここで、帯電手段により電子写真感光体に
電圧を印加する方式としては、直流電圧のみを印加する
直流方式と、直流電圧に交流電圧を重畳して印加する交
流重畳方式とがある。
【0005】ところが、交流重畳方式によれば、感光体
表面を一様に帯電できる利点がある反面、微小空隙にお
いて放電が発生するため、放電領域でイオンが振動・運
動することにより、感光体表面にダメージを与え、感光
体の摩耗量が増大し、感光体の寿命が短くなってしま
う。また、コロナ放電方式に比較すればはるかに少ない
が、やはりオゾンやNOXが発生することにより、画像
ボケを生じてしまう。
【0006】これに対して直流方式によれば、交流重畳
方式と比較して、微小空隙において発生する放電のエネ
ルギーが小さいため、感光体へのダメージも少なく、感
光体の長寿命化を達成することができる。
【0007】従って、感光体の長寿命化の観点からは、
直流方式で感光体を帯電することが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に直
流方式で感光体を帯電する場合には、以下に示す課題が
あった。
【0009】即ち、直流方式では、交流重畳方式と比較
して、帯電能力が劣るため、帯電直前の感光体の表面電
位の影響を受けやすく、不均一な帯電となってしまう欠
点がある。特に、感光体表面に一様露光することによる
除電工程を持たない場合では、感光体表面の急峻な電位
の変化が緩和されることなく、帯電工程に至ることによ
り、電位の変化点において帯電部材により異常放電が発
生するため、露光部と非露光部の境界で、感光体の表面
電位が急激に高くなる。従って、前サイクルでの像の境
界部分が白く抜ける白抜け故障の発生を十分に防止する
ことができなかった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、直流電圧を用いて帯電を行う場合であっても、
前記のような白抜け故障の発生を十分に防止することが
できる電子写真感光体、これを用いた電子写真装置及び
プロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の点
を鑑みて種々検討した結果、像担持体としての電子写真
感光体に直流電圧を印加して帯電する電子写真装置にお
いて、導電性基材上の層全体の誘電膜厚を特定の範囲に
規定することにより、白抜け故障の発生が十分に防止で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、導電性基材上に少な
くとも感光層を備える電子写真感光体において、前記導
電性基材上に形成される層全体の誘電膜厚が6μm以下
であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0013】この電子写真感光体によれば、電子写真装
置に装着し、直流電圧を印加して帯電しても、白抜け故
障の発生を十分に防止することが可能となり、良好な出
力画像を得ることが可能となる。
【0014】また、本発明は、上記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電
手段により帯電される前記電子写真感光体を露光する露
光手段と、前記露光手段により露光された部分を現像す
る現像手段と、前記現像手段により前記電子写真感光体
に現像された像を転写する転写手段とを備えることを特
徴とする電子写真装置である。
【0015】この電子写真装置によれば、帯電手段によ
り電子写真感光体に直流電圧を印加して帯電しても、画
像における白抜け故障の発生を十分に防止することが可
能となり、良好な出力画像を得ることが可能となる。
【0016】上記電子写真装置において、転写手段が、
前記電子写真感光体と逆極性の転写電圧を印加され、前
記電子写真感光体に接触される中間転写体を備えること
が好ましい。
【0017】電子写真感光体においては、通常、転写工
程後の感光体表面電位は、露光部と比べて非露光部の方
が高くなる。この時、中間転写体を電子写真感光体に接
触させ、感光体上の像を中間転写体に転写させると、中
間転写体は電子写真感光体と逆極性に帯電されるため、
中間転写体から感光体表面に電荷が注入される。この
時、電荷は電位の高い方の部分、即ち非露光部により多
く注入される。このため、非露光部の電位がより低減さ
れ、露光部と非露光部間の電位差が低減される。従っ
て、次サイクルの帯電工程において、帯電能力に劣る直
流方式で帯電しても異常放電が発生せず、白抜け故障の
発生をより十分に防止することが可能となる。
【0018】上記電子写真装置において、帯電手段が、
電子写真感光体に接触する接触帯電部材を備えているこ
とが好ましい。
【0019】この接触帯電部材を用いて電子写真感光体
を帯電すると、オゾンの発生が少なくなり画像ボケや感
光体の劣化が十分に防止される。また、非接触方式(一
般的にはコロナ帯電方式)と比べて帯電効率がよく、帯
電時における省力化が図られる。
【0020】また、本発明は、上記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を直流電圧を用いて帯電させる帯電
手段、及び前記電子写真感光体に現像する現像手段から
なる群より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支
持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴と
するプロセスカートリッジである。
【0021】このプロセスカートリッジによれば、電子
写真本体に装着して、電子写真感光体に直流電圧を印加
して帯電しても、画像における白抜け故障の発生を十分
に防止することが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素について
は同一の符号を付す。
【0023】まず、本発明による電子写真感光体につい
て説明する。本発明の電子写真感光体は、基本的に導電
性基材上に感光層を備えている。感光層は、単層構造で
あってもよく、電荷発生層と電荷輸送層とからなる複層
構造であってもよい。また、感光層と導電性基材との間
に下引き層があってもよく、感光層の上には保護層が設
けられてもよい。
【0024】以下、上記電子写真感光体の種々の形態に
ついて例示するが、電子写真感光体は、これら例示され
る感光体によって限定されるものではない。図1〜図7
は、電子写真感光体を模式的に示す断面図であり、図1
〜図4は、感光層が積層構成のものである。図1に示す
電子写真感光体においては導電性基材3上に電荷発生層
1が設けられ、その上に電荷輸送層2が設けられてい
る。図2に示す電子写真感光体においては、さらに、電
荷発生層1と導電性基材3との間に下引き層4が設けら
れている。また、図3に示す電子写真感光体は、図1に
示す電子写真感光体の電荷輸送層2の上に最表面層とし
ての保護層5を備えたものである。さらに、図4に示す
電子写真感光体は、図2に示す電子写真感光体の電荷輸
送層2の上に保護層5を備えたものである。図5〜図7
は、感光層が単層構成のもので、図5においては、導電
性基材3の上に感光層6が設けられ、また図6において
は導電性基材3と感光層6の間に下引き層4を設けてあ
る。さらに図7においては、図6に示す電子写真感光体
の感光層6の上にさらに保護層5が設けられている。
【0025】上記電子写真感光体は、導電性基材上に少
なくとも感光層を有し、導電性基材上の層全体の誘電膜
厚d0が6μm以下である。ここで、誘電膜厚とは、層
全体の厚さを層全体の誘電率で除した値であり、ヒュー
レットパッカード社製 4194A インピーダンスア
ナライザを用いて測定される値をいう。
【0026】電子写真感光体において、誘電膜厚d0が
6μm以下になると、電子写真感光体を電子写真装置に
装着し、直流電圧を印加して帯電しても、白抜け故障の
発生を十分に防止することが可能となり、良好な出力画
像を得ることが可能となる。
【0027】誘電膜厚d0の上限は5.4μmであるこ
とが好ましい。この場合、より十分に白抜け故障の発生
を防止することが可能となる。
【0028】また、誘電膜厚d0の下限は3.5μmで
あることが好ましい。誘電膜厚d0が3.5μm未満に
なると、電子写真感光体の表層が摩耗される傾向があ
り、早期交換が必要となるからである。
【0029】電子写真感光体において誘電膜厚を6μm
以下にするためには、下引き層、電荷発生層、電荷輸送
層、保護層の膜厚を適宜調整すればよいが、実際には下
引き層、電荷発生層、保護層の膜厚が薄くほぼ無視でき
るため、電荷輸送層の膜厚を調整すればよいと考えられ
る。
【0030】次に、本発明の電子写真装置の第1実施形
態について説明する。
【0031】図8は、本発明の電子写真装置の第1実施
形態を示す概略図である。図8に示す電子写真装置は電
子写真感光体7を備えており、電子写真感光体7の周囲
には、電子写真感光体7の回転方向に沿って順次、帯電
部材8、画像入力装置9、現像装置10、1次転写部材
11、クリーニング装置12が配置されている。ここ
で、1次転写部材11は、電子写真感光体7の表面と逆
極性に帯電可能となっている。また、13は定着装置、
14は画像出力媒体であり、画像出力媒体14は1次転
写部材11と転写部材15とによって挟まれている。
【0032】上記帯電部材8は、電子写真感光体7の表
面に接触されて帯電させる接触式帯電部材であることが
好ましい。これは、次の理由による。即ち、帯電部材8
として接触帯電部材を用いると、オゾンの発生が少なく
なり画像ボケや感光体の劣化が十分に防止され、また、
非接触方式(一般的にはコロナ帯電方式)と比べて帯電
効率がよく、帯電時における省力化が図られるからであ
る。
【0033】また、帯電部材8には、電源20により電
位が与えられるようになっている。ここで、電源20は
直流電源であることが好ましい。その理由は次の通りで
ある。即ち、電源20が直流電源である場合、感光体7
に直流電圧が印加されることとなり、交流重畳方式で印
加する場合に比べて感光体7の長寿命化が達成できるか
らである。
【0034】次に、上記電子写真装置を用いた画像形成
方法について説明する。
【0035】まず、電子写真感光体7を回転させる。そ
して、帯電部材8を用いて電子写真感光体7を帯電さ
せ、画像入力装置(露光装置)9により画像信号に基づ
いて帯電された電子写真感光体7を露光することで静電
潜像を形成し、現像装置10により静電潜像を現像し、
最後にこの像を1次転写部材11に転写する。すると、
1次転写部材11に転写された像は画像出力媒体14に
転写される。
【0036】転写後の感光体7の表面電位は、通常、露
光部と比べて非露光部の方が高くなる。特に本実施形態
の電子写真装置は、転写工程と帯電工程の間に、感光体
7の表面に一様露光する除電装置を持たないため、露光
部と非露光部により生じた急激な電位の変化が緩和され
ることがない。従って、このままでは次サイクルの帯電
工程に移行することになる。そうすると、帯電方式が帯
電能力に劣る直流方式の場合、電位の変化点において異
常放電を発生するため、電位の変化点における電位は、
帯電により通常の帯電電位よりも高くなる。その結果、
前サイクルでの像の境界部分で画像が白く抜ける画像欠
陥(白抜け故障)が発生する。原理的には、帯電工程前
に露光部と非露光部の電位差をなくすこと、または、小
さくすることによって白抜け故障は発生しなくなる。
【0037】そこで、本発明者らは、転写時において1
次転写部材11に電子写真感光体7と逆極性の転写電圧
を印加することとしている。この場合、1次転写部材1
1には感光体7からトナーを転写することを目的として
感光体7と逆極性の転写電圧が印加されているため、1
次転写部材11から感光体7への電荷注入が起こり、露
光部と非露光部の電位差が転写後に小さくなる。そし
て、この時、導電性基材上の層全体の誘電膜厚が6μm
以下となる感光体7を用いることで1次転写部材11の
放電開始電圧が小さくなり、より電荷注入が起こりやす
くなり、露光部と非露光部の電位差がより低減される。
【0038】従って、電子写真感光体7の表面がクリー
ニング装置12によりクリーニングされて次サイクルの
帯電工程に移行する場合、帯電能力に劣る直流方式で電
子写真感光体7を帯電しても異常放電が発生せず、帯電
時に局所的に高電位の部分が発生することが十分に防止
され、白抜け故障の発生をより十分に防止することが可
能となる。よって、良好な出力画像を得ることが可能と
なる。
【0039】なお、上記実施形態では、1次転写部材1
1と転写部材15との間に画像出力媒体14が挟まれて
いるが、図9に示すように、1次転写部材11と画像出
力媒体14との間に2次転写部材16が介在されていて
もよい。また、感光体7には直流電圧を印加している
が、交流重畳電圧を印加してもよい。この場合でも、出
力画像における白抜けの発生を防止することは可能であ
る。
【0040】次に、本発明の電子写真装置の第2実施形
態について説明する。
【0041】図10に示す電子写真装置は、プロセスカ
ートリッジ17と電子写真装置本体とを備えており、プ
ロセスカートリッジ17が電子写真装置本体に着脱可能
である点で図8に示す電子写真装置と相違する。
【0042】ここで、電子写真装置本体は、1次転写部
材11、転写部材15、定着装置13、画像入力装置9
及び取り付けレール18により構成されている。
【0043】また、プロセスカートリッジ17は、ハウ
ジング17a内に電子写真感光体7、接触式の帯電部材
8、現像装置10及びクリーニング装置12を収容して
いる。プロセスカートリッジ17は取り付けレール18
に取り付け可能であり、プロセスカートリッジ17が取
り付けレール18に取り付けられると、電子写真感光体
7が1次転写部材11に当接されるようになっている。
また、ハウジング17aには、窓19が形成されてお
り、この窓19を通して画像入力装置9から電子写真感
光体7に光が照射され、静電潜像による画像が形成され
るようになっている。なお、プロセスカートリッジ17
において、クリーニング装置12は必ずしも必要ではな
い。
【0044】上記電子写真装置においては、上記導電性
基材上の層全体の誘電膜厚が6μm以下となる電子写真
感光体7がプロセスカートリッジ17に設けられている
ため、上記第1実施形態の電子写真装置と同様に、白抜
け故障の発生を十分に防止することが可能となり、良好
な出力画像を得ることが可能となる。
【0045】本発明は、前述した第1及び第2実施形態
に限定されるものではない。例えば上記第1及び第2実
施形態のいずれも、電子写真装置が中間転写体としての
1次転写部材11を備えているが、本発明においては、
中間転写体はなくてもよい。この場合でも、導電性基材
上の層全体の誘電膜厚が6μm以下となる電子写真感光
体7を用いることで、白抜け故障の発生を十分に防止す
ることが可能となる。
【0046】次に、本発明の内容を実施例を用いて具体
的に説明するが、本発明がこれらの実施例によって限定
されるものではない。
【0047】
【実施例】(実施例1)導電性基材には、ED管アルミ
ニウム(30mmφ)の表面を、アルミナ球状微粉末
(D50=30μm)を用いて液体ホーニング法により
中心線平均粗さRa=0.18μmに粗面化処理したも
のを用いた。
【0048】そのアルミニウム支持体の上に、ポリビニ
ルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水化学社
製)4重量部を溶解させたn−ブチルアルコール170
重量部に、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトン
ジルコニウムブチレート)30重量部及び有機シラン化
合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)3重量
部の混合物を混合攪拌し、得られた下引き層形成用塗布
液を用いて浸漬塗布法により、導電性基材上に塗布し、
150℃において1時間の硬化処理を行い、膜厚1.2
μmの下引き層を形成した。なお、下引き層の膜厚は、
FISCHER社製 FISCHER SCOPE M
MSを用いて測定した。
【0049】次にCukα線を用いたX線回折スペクト
ルのブラッグ角度(2θ±0.2°)において、7.5°,9.9°,
12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に回折ピー
クを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン3重量
部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、日本
ユニカー社製)2重量部及び酢酸ブチル180重量部か
らなる混合物をサンドミルにより4時間分散処理し、得
られた分散液を用いて、上記下引き層の上に浸漬塗布法
により塗布し、これを乾燥させて膜厚0.2μmの電荷
発生層を形成した。
【0050】次に、下記構造式(1)に示す電荷輸送材
料(CTM1)4重量部と、ビスフェノールZ型ポリカ
ーボネート樹脂(三菱化学社製:ユーピロンZ400)
6重量部とを、テトラヒドロフラン60重量部及び2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.2重量
部に加えて溶解させた。
【0051】
【化1】
【0052】得られた塗布溶液を用いて、上記電荷発生
層の上に塗布し、これを120℃において40分間乾燥
させて、膜厚15μmの電荷輸送層を形成させることに
より、3層からなる電子写真感光体を作製した。なお、
電荷輸送層の膜厚は、FISCHER社製 FISCH
ER SCOPE MMSを用いて測定した。
【0053】こうして作製した電子写真感光体の表面に
直径10mmの円形の誘電膜厚測定用金電極を蒸着によ
り形成した。この金電極を形成した電子写真感光体につ
いてヒューレットパッカード社製4194A インピー
ダンスアナライザを用いてピーク間電圧1V、10kH
z(20℃、40%RH)の条件下で導電性基材上に積
層形成した下引き層、電荷発生層、電荷輸送層全体での
誘電膜厚を測定した。
【0054】
【表1】
【0055】また、上記のようにして得られた感光体
を、図8に示す構成の反転現像型画質確認用プリンター
にセットし、プリントテストを行い、白抜け故障が発生
するかどうかを目視により調べた。なお、図8に示され
る接触式帯電部材に供給される電圧は直流とした。その
結果、白抜け故障は発生せず、良好な出力画像が得られ
た。
【0056】(実施例2、3)電荷輸送層の厚さ及び誘
電膜厚を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製した。そして、この電子写真感
光体について実施例1と同様にしてプリントテストを行
った。その結果、実施例2、3のいずれにおいても、白
抜け故障は発生せず、良好な出力画像が得られた。
【0057】(比較例1,2)電荷輸送層の厚さ及び誘
電膜厚を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作製した。そして、この電子写真感
光体について実施例1と同様にしてプリントテストを行
った。その結果、比較例1においては、やや白抜け故障
が発生し、比較例2においても白抜け故障が発生した。
【0058】(実施例4)上記構造式(1)の電荷輸送
材料に代えて、下記構造式(2)に示す電荷輸送材料
(CTM2)を用い、且つ電荷輸送層の厚さ及び誘電膜
厚を表1に示す値とした以外は実施例1と同様にして、
電子写真感光体を作製した。
【0059】
【化2】
【0060】そして、この電子写真感光体について実施
例1と同様にしてプリントテストを行った。その結果、
白抜け故障は発生せず、良好な出力画像が得られた。
【0061】(比較例3)電荷輸送層の厚さ及び誘電膜
厚を表1に示す値とした以外は実施例3と同様にして電
子写真感光体を作製した。そして、この電子写真感光体
について実施例1と同様にしてプリントテストを行っ
た。その結果、出力された画像に白抜け故障が発生する
ことが分かった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
子写真感光体に直流電圧を印加して帯電しても、白抜け
故障の発生を十分に防止することが可能となり、良好な
出力画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】機能分離型積層構造の電子写真感光体の一例を
示す断面図である。
【図2】機能分離型積層構造の電子写真感光体の他の例
を示す断面図である。
【図3】図1の機能分離型積層構造の電子写真感光体の
電荷輸送層上に保護層を設けた電子写真感光体の例を示
す断面図である。
【図4】図2の機能分離型積層構造の電子写真感光体の
電荷輸送層上に保護層を設けた電子写真感光体の例を示
す断面図である。
【図5】単層構造の電子写真感光体の一例を示す断面図
である。
【図6】単層構造の電子写真感光体の他の例を示す断面
図である。
【図7】図5の電子写真感光体の感光層上に保護層を設
けた電子写真感光体の例を示す断面図である。
【図8】本発明の電子写真装置の一実施形態を示す概略
図である。
【図9】本発明の電子写真装置の他の実施形態を示す概
略図である。
【図10】本発明の電子写真装置の更に他の実施形態を
示す概略図である。
【符号の説明】
7…電子写真感光体、8…帯電部材(帯電手段)、9…
画像入力装置(露光手段)、10…現像装置(現像手
段)、11…1次転写部材(中間転写体)、12…クリ
ーニング装置(プロセスカートリッジ)、14…画像出
力媒体、17…プロセスカートリッジ、17a…ハウジ
ング(プロセスカートリッジ)、18…取り付けレール
(電子写真装置本体)、20…電源(帯電手段)。
フロントページの続き (72)発明者 星崎 武敏 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 竹本 誠 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 DD03 2H032 AA05 BA08 BA23 CA02 2H068 AA28 AA35

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材上に少なくとも感光層を備え
    る電子写真感光体において、 前記導電性基材上に形成される層全体の誘電膜厚が6μ
    m以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電子写真感光体と、 前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、 前記帯電手段により帯電される前記電子写真感光体を露
    光する露光手段と、 前記露光手段により露光された部分を現像する現像手段
    と、 前記現像手段により前記電子写真感光体に現像された像
    を転写する転写手段とを備えることを特徴とする電子写
    真装置。
  3. 【請求項3】 前記転写手段が、前記電子写真感光体と
    逆極性の転写電圧を印加され、前記電子写真感光体に接
    触される中間転写体を備えることを特徴とする請求項2
    に記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 前記帯電手段に印加される電圧が直流電
    圧であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真装
    置。
  5. 【請求項5】 前記帯電手段が、前記電子写真感光体に
    接触する接触帯電部材を備えることを特徴とする請求項
    2〜4のいずれか一項に記載の電子写真装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の電子写真感光体と、前
    記電子写真感光体を帯電させる帯電手段、及び前記電子
    写真感光体に現像する現像手段からなる群より選ばれる
    少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置
    本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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