JP2002181296A

JP2002181296A - Ｒｆｉｄタグの取付構造及びｒｆｉｄタグの取付方法

Info

Publication number: JP2002181296A
Application number: JP2000377078A
Authority: JP
Inventors: Fujio Senba; 不二夫仙波; Nakamaro Hiyoudou; 仲麻呂兵頭; Jun Fujii; 潤藤井; Tomoki Uchiyama; 知樹内山; Shigeru Kida; 茂木田
Original assignee: Hanex Co Ltd
Current assignee: Hanex Co Ltd
Priority date: 2000-12-12
Filing date: 2000-12-12
Publication date: 2002-06-26

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、ＲＦＩＤタグをボンベのネックリ
ングに設置し、該ＲＦＩＤタグに記憶された情報を取り
出すことで、安全性が確保され、信頼性の高い製品管理
が効率的に出来るＲＦＩＤタグの取付構造及びＲＦＩＤ
タグの取付方法を提供することを可能にすることを目的
としている。【解決手段】ボンベ１のネックリング２に取付溝部４
を形成し、分割型の容器６内にシリンダ状のアンテナコ
イル10ａを有するＲＦＩＤタグ５ａを収容し、ＲＦＩＤ
タグ５ａの少なくとも表面側を覆う状態で該容器６を取
付溝部４に挿入して固定して構成したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、高圧ガスを収容す
る金属製のボンベにＲＦＩＤ（Radio Frequency-IDenti
fication）タグを取り付ける構造及びその取付方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】プロパンガス、天然ガス、酸素ガス、水
素ガス、炭酸ガス、窒素ガス等のガスは高圧液化してボ
ンベ内に収容され、保管、運搬及び使用等に供される。
これ等ボンベは高圧ガス保安法等の規制により定期的に
検査等の管理を行うことが要求され、その際、ボンベの
型式、内容物の種類と容積、耐圧、製造年月日、製造
者、製造番号、使用履歴等を照合する必要がある。

【０００３】従来、これ等の情報は製造番号等を基に台
帳を使用して管理されているのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例では、各ボンベに刻印された製造番号を逐一確認
して、その製造番号を台帳から探し出してボンベの型
式、内容物の種類と容積、耐圧、製造年月日、製造者、
製造番号、使用履歴等を照合する必要があるため照合に
手間がかかり管理効率が悪かった。

【０００５】一方、ボンベに上記各種の情報を記憶した
ＲＦＩＤタグを取り付け、その情報を端末機で読み出し
て管理することも考えられる。情報タグとしては記憶の
書き込み及び読み出しを電磁波で行うＲＦＩＤ（Radio
Frequency-IDentification）方式が多く採用されてお
り、その中でも電磁誘導方式や電磁結合方式が一般的で
ある。

【０００６】例えば、ボンベの上部に設けた取付部の穴
に紐を通して樹脂ケースにより覆ったＲＦＩＤタグを取
り付け、該ＲＦＩＤタグにボンベに関する各種の情報を
記憶してリーダ端末機により読み出して管理すること等
が考えられる。

【０００７】しかしながら、ボンベは運搬時に倒したり
転がしたりすることが多く、樹脂ケースにより覆われた
ＲＦＩＤタグの損傷や紐が切れてＲＦＩＤタグが紛失す
る虞がある。

【０００８】また、ＲＦＩＤタグの姿勢が一定せず、更
には金属製のボンベがＲＦＩＤタグの通信や電力搬送を
行う際に生じる磁界に対して反磁界を発生させる反磁性
発生体であるため、ＲＦＩＤタグをボンベから離してリ
ーダ端末機により情報を読み取るため両手がふさがって
しまうという煩わしさがある。

【０００９】その解決方法としては、ＲＦＩＤタグをボ
ンベに直接取り付けることも考えられるが、ボンベ自体
に穴や凹溝を設けることは安全上出来ないこと、また、
従来の常識ではＲＦＩＤタグの情報読み出しに支障があ
るため反磁性発生体であるボンベには直接取り付けられ
ないこと等から実際に試みられることはなかった。

【００１０】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、ＲＦＩＤタグをボンベのネッ
クリングに設置し、該ＲＦＩＤタグに記憶された情報を
取り出すことで、安全性が確保され、信頼性の高い製品
管理が効率的に出来るＲＦＩＤタグの取付構造及びＲＦ
ＩＤタグの取付方法を提供せんとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係るＲＦＩＤタグの取付構造は、高圧ガスを
収容する金属製のボンベにＲＦＩＤタグを取り付ける構
造であって、ボンベを構成するネックリングに形成した
取付溝部と、前記取付溝部内に配置されたＲＦＩＤタグ
と、前記ＲＦＩＤタグの少なくとも表面側を覆う保護体
とを備えていることを特徴とする。

【００１２】本発明は、上述の如く構成したので、ＲＦ
ＩＤタグをボンベを構成するネックリングに形成した取
付溝部に直接取り付けて、該ＲＦＩＤタグの少なくとも
表面を保護体で保護するのでボンベの耐圧や強度に影響
を与えることがない上に、ボンベを倒したり転がしたり
してもＲＦＩＤタグが破損したり、外れて紛失する虞が
ない。

【００１３】また、ＲＦＩＤタグは常に一定の姿勢でネ
ックリングに取り付けられるので、片手でリード端末機
等を持って情報の読み出し等が行える。

【００１４】また、前記保護体が樹脂封止材で形成され
た場合には、ＲＦＩＤタグの取り付けが更に容易で電磁
波の伝播性も良好である。

【００１５】また、前記保護体が樹脂で作られた分割型
の容器、板状の蓋体、または一方が開放されたキャップ
状の蓋体を含む場合には、ＲＦＩＤタグの取り付けが容
易で且つ機械的な外力に対する保護が出来、電磁波の伝
播性も確保し易い。

【００１６】また、前記保護体が反磁性発生材料で作ら
れ、その保護体及び／または該保護体と前記取付溝部と
の間に磁束を漏洩させる磁束漏洩路を形成した場合に
は、該磁束漏洩路を介して電磁波が漏洩し、ＲＦＩＤタ
グと外部のリード端末機との間で電力送電媒体及び情報
通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来
る。

【００１７】また、前記保護体が反磁性発生材料で作ら
れた分割型の容器、板状の蓋体、または一方が開放され
たキャップ状の蓋体である場合には、ＲＦＩＤタグの取
り付けが容易で且つ機械的な外力に対する保護が確実且
つ容易になり電磁波の伝播性も確保し易い。

【００１８】また、前記取付溝部が断面円形に形成さ
れ、その内壁に前記保護体が螺着される場合には、ＲＦ
ＩＤタグの交換等が容易になる。

【００１９】また、前記ＲＦＩＤタグがシリンダ状のア
ンテナコイルを有する場合には、保護体或いは保護体と
取付溝部との間に形成した磁束漏洩路から電磁波を伝播
させ易い。

【００２０】また、本発明に係るＲＦＩＤタグの取付方
法は、高圧ガスを収容する金属製のボンベにＲＦＩＤタ
グを取り付ける方法であって、ボンベを構成するネック
リングに取付溝部を形成し、その取付溝部にＲＦＩＤタ
グを配置すると共に、そのＲＦＩＤタグの少なくとも表
面側を保護体で覆うことを特徴とする。

【００２１】上記方法によれば、上述のＲＦＩＤタグの
取付構造を容易に得ることが出来、更にこの取付方法は
新規製作のボンベに限らず、既存のボンベにも容易に適
用することが出来る。

【００２２】

【発明の実施の形態】図により本発明に係るＲＦＩＤタ
グの取付構造及びＲＦＩＤタグの取付方法の一実施形態
を具体的に説明する。図１は本発明に係るＲＦＩＤタグ
の取付構造によりＲＦＩＤタグを取り付けたネックリン
グを有する高圧ガスボンベにおいて、ＲＦＩＤタグに記
憶された方法を読み出す様子を示す斜視説明図である。

【００２３】また、図２は本発明に係るＲＦＩＤタグの
取付構造によりＲＦＩＤタグを取り付けたネックリング
の分解説明図、図３は本発明に係るＲＦＩＤタグの取付
構造によりＲＦＩＤタグを取り付けたネックリングの組
立説明図である。

【００２４】また、図４はシリンダ状のアンテナコイル
を有するＲＦＩＤタグと、それに発生する磁界の様子を
示す図、図５は同心円盤状のアンテナコイルを有するＲ
ＦＩＤタグと、それに発生する磁界の様子を示す図、図
６はＲＦＩＤタグの構成を示すブロック図である。

【００２５】また、図７はシリンダ状のアンテナコイル
を有するＲＦＩＤタグを保護体に収容した状態でネック
リングに接着固定する様子を示す斜視説明図、図８はシ
リンダ状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤタグを保護
体に収容した状態でネックリングに接着固定した構造に
おいてＲＦＩＤタグに発生する磁界の様子を示す断面説
明図である。

【００２６】図９はシリンダ状のアンテナコイルを有す
るＲＦＩＤタグを保護体に収容した状態でネックリング
に螺着固定する様子を示す斜視説明図である。

【００２７】図10は同心円盤状のアンテナコイルを有す
るＲＦＩＤタグを保護体に収容した状態でネックリング
に接着固定する様子を示す斜視説明図、図11は同心円盤
状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤタグを保護体に収
容した状態でネックリングに接着固定した構造において
ＲＦＩＤタグに発生する磁界の様子を示す断面説明図で
ある。

【００２８】図１〜図３において、１はプロパンガス、
天然ガス、酸素ガス、水素ガス、炭酸ガス、窒素ガス等
が高圧液化して収容される金属製のボンベであり、それ
等各種高圧ガスの保管、運搬及び使用等に供される。

【００２９】ボンベ１の開口端部には金属製のネックリ
ング２がカシメ接合により取り付けられて固定されてい
る。ネックリング２の中径部の外周にはバルブ９が設け
られた保護キャップ３を取り付けるためのネジ部２ａが
形成されており、ネックリング２のネジ部２ａに保護キ
ャップ３の内周に設けられたネジ部３ａを螺合させて保
護キャップ３及びバルブ９がネックリング２と一体的に
ボンベ１に固定される。

【００３０】ネックリング２の側面には、図７及び図８
に示すように、断面円形の取付溝部（円形凹部）４が形
成されており、その取付溝部４にはＲＦＩＤタグ５を収
容すると共に該ＲＦＩＤタグ５の少なくとも表面側を覆
う保護体として反磁性発生材料である金属製の分割型の
容器６が固定されている。

【００３１】容器６は表面側に配置される金属製の円形
キャップ状の蓋体６ａと、該蓋体６ａの外径に応じた外
径を有する金属製の円盤状の底盤６ｂにより２分割され
ており、蓋体６ａの内部にＲＦＩＤタグ５が収容配置さ
れ、樹脂７を封入することでＲＦＩＤタグ５が蓋体６ａ
内部に封止され、更に底盤６ｂが蓋体６ａに対してネジ
止めや接着等により固定される。

【００３２】ＲＦＩＤタグ５が内部に封止された容器６
はネックリング２の取付溝部４内に挿入され、接着剤８
により接着固定される。

【００３３】容器６の表面はネックリング２の表面から
突出しないことが望ましい。容器６の蓋体６ａと底盤６
ｂとの接合部は、接着であれば略平滑な接触面が形成さ
れ、ネジ止めであればネジ部の接触面が形成される。そ
して、これ等の接触面により磁束を漏洩させる磁束漏洩
路が形成される。

【００３４】上記の接触面は特別な間隙を設計するので
はなく、それ等の接触表面を所望の表面粗度で加工する
ことによって形成することが現実的である。その場合の
対向する両表面は互いに分散接触し、磁束漏洩路は分散
した非接触部分を利用して形成される。

【００３５】接触面の表面粗度は、互いに対向する表面
の一方の表面粗度が０．０４μｍ程度に加工され、これ
により接触面の隙間として０．０８μｍ程度が形成さ
れ、所望の電磁波の漏洩度が確保される。

【００３６】尚、磁束を漏洩させる磁束漏洩路として
は、容器６の底盤６ｂを省略して一方が開放されたキャ
ップ状の蓋体６ａと取付溝部４との間の接触面により形
成しても良いし、キャップ状の蓋体６ａの天蓋や側壁に
切り欠きや穴、或いはスリット等を設けて構成しても良
い。

【００３７】また、キャップ状の蓋体６ａの代りに保護
体として反磁性発生材料である金属製の板状の蓋体によ
りＲＦＩＤタグ５の少なくとも表面側を覆い、板状の蓋
体と取付溝部４との間に形成された接触面からなる磁束
漏洩路により磁束を漏洩させるようにすることも出来
る。

【００３８】ここで、ＲＦＩＤタグ５の通信や電力搬送
を行う際に生じる磁界Ｈに対して反磁界を発生させる反
磁性発生材料としては、例えば、鉄材やその合金等の強
磁性金属、アルミニウム材、銅材、ステンレス材等の各
種金属材料や、樹脂、セメント、コンクリート等に鉄粉
等の磁性体を混練した材料や、繊維状の強磁性金属や強
磁性材料を織り込んだ織物や網体、強磁性金属や強磁性
材料からなる繊維、或いは粉体を分散混入したプラスチ
ックや非磁性金属等の非磁性材料鉄粉等の磁性体を布等
に折り込んだり付着させた材料や、鉄フェライトや磁石
等の強磁性材料が適用可能である。

【００３９】図４及び図５はシリンダ状のアンテナコイ
ル10ａを備えたＲＦＩＤタグ５ａと、同心円盤状のアン
テナコイル10ｂを備えたＲＦＩＤタグ５ｂの外観図及び
その発生磁界を夫々示す。

【００４０】本実施形態で好適に採用されるＲＦＩＤタ
グ５は、電磁結合方式、電磁誘導方式のＲＦＩＤタグで
あり、本実施形態では、電磁誘導方式のＲＦＩＤタグを
用いた場合の一実施形態について以下に説明する。

【００４１】本実施形態のＲＦＩＤタグ５は、無線周波
が１波の振幅偏移変調（ＡＳＫ）の無線通信方式を使
い、共振周波数帯域も広い、線径も数十ミクロンの空心
或いはコア部材11を有するアンテナコイルで特殊な送受
信回路を組み込んだ消費電力の非常に少ないＣＭＯＳ−
ＩＣを使ったＲＦＩＤタグを採用した。

【００４２】従来、電磁誘導方式、電磁結合方式のＲＦ
ＩＤタグは、内部に埋設されたアンテナコイルを貫く磁
界の変化により電力の受電及び信号の送受信を可能にす
るものであるためＲＦＩＤタグの設置場所付近にＲＦＩ
Ｄタグの通信や電力搬送を行う際に生じる磁界に対して
反磁界を発生させる金属や磁石等の反磁性発生体が存在
すると、その反磁性発生体の影響によって磁界が減衰し
て利用出来なくなるという固定観念があったためにＲＦ
ＩＤタグの近辺から磁性体や金属物品を排除するのが常
識であり、金属製のボンベにＲＦＩＤタグを取り付けよ
うとする試みはこれまでなされていなかった。

【００４３】そこで、本発明者等は、金属や磁性体等の
反磁性発生体へのＲＦＩＤタグの有効利用を目的とし
て、ＲＦＩＤタグの設置場所付近に反磁性発生体が存在
すると、該反磁性発生体の影響によって磁界が減衰して
使用出来なくなるという従来の固定観念を排除して、反
磁性発生体により囲まれていてもＲＦＩＤタグを収容す
る容器の蓋等の僅かな隙間があれば外部との電磁波交信
が可能であることを実験的に見い出し、これによりＲＦ
ＩＤタグの保全を確保しつつ該ＲＦＩＤタグの有効利用
を実現させたものである。

【００４４】ＲＦＩＤタグでは外部のリードライト端末
機から送信された交流磁界をＲＦＩＤタグに内蔵された
アンテナコイルの共振周波数により受信する。その際に
従来のＲＦＩＤタグは、通信距離を伸ばすために周波数
偏移変調（ＦＳＫ）方式で無線周波は、例えば、１２５
kHzと１１７kHzの２波を使用し、尚且つ受信電力を増や
すためアンテナコイルにフェライトコアを使い、コイル
の線径を太くして複数巻きにして通信距離を伸ばす方式
が一般的であった。

【００４５】無線周波を２波使う周波数偏移変調（ＦＳ
Ｋ）は、金属や磁性体等の反磁性発生体が近づくと受信
周波数がずれて受信電力が低下すると共に通信エラーが
発生して通信が出来なくなり通信距離が極端に低下し、
実用上、使用不可能になるためＲＦＩＤタグは、金属や
磁性体等の反磁性発生体に取り付けて使用することは不
可能であるとの固定観念が支配的であった。

【００４６】しかしながら、最近では無線周波は、１波
の振幅偏移変調（ＡＳＫ）の無線通信方式を使い、共振
周波数帯域も広い、線径も数十ミクロンの空心アンテナ
コイルで特殊な送受信回路を組み込んだ消費電力の非常
に少ないＣＭＯＳ−ＩＣを使ったＲＦＩＤタグが提案さ
れた。

【００４７】このＲＦＩＤタグは金属や磁性体等の反磁
性発生体が近くにあっても振幅偏移変調（ＡＳＫ）の無
線通信方式を使い、ＦＳＫに比べて共振周波数帯域が広
いため、周波数がずれても受信電力は低下せず、無線通
信も殆んど影響を受けないことが本発明者等が行った実
験結果により判明した。

【００４８】更に、本発明者等が行った実験結果によれ
ば、磁界は狭い隙間であっても回析現象により狭い隙間
から伝搬することが判明したものであり、物理的な僅か
な隙間である磁束漏洩路が形成されるだけでＲＦＩＤタ
グと外部のリード端末機との間で電力送電媒体及び情報
通信媒体である交流磁界を相互に送受信することが出来
ることを見い出したものである。

【００４９】図４及び図５に示すＲＦＩＤタグ５ａ，５
ｂは、シリンダ状のアンテナコイル10ａ、或いは同心円
盤状のアンテナコイル10ｂと、制御部となる半導体ＩＣ
チップ12とがプリント回路基板等を介さずに直結して構
成されており、これによりＲＦＩＤタグ５ａの小型化を
実現している。単線巻きでシリンダ状に形成されたアン
テナコイル10ａの内部には軸方向（図４の左右方向）に
鉄心やフェライト等の円柱状のコア部材11が挿入されて
いる。

【００５０】半導体ＩＣチップ12はＩＣ（半導体集積回
路）チップやＬＳＩ（半導体大規模集積回路）チップ等
の一体的にパッケージされて構成されたものであり、該
半導体ＩＣチップ12の内部には、図６に示すように、制
御部となるＣＰＵ12ａ、記憶部となるメモリ12ｂ、送受
信機12ｃ及び蓄電手段となるコンデンサ12ｄが設けられ
ている。

【００５１】外部のリードライト端末機13から発信され
た信号は、送受信機12ｃを介してＣＰＵ12ａに伝達さ
れ、電力はコンデンサ12ｄに蓄電される。尚、蓄電手段
となるコンデンサ12ｄが無く、外部のリードライト端末
機13から連続的に半導体ＩＣチップ12に電力が供給され
るものでも良い。

【００５２】ＣＰＵ12ａは中央演算処理装置であり、メ
モリ12ｂに格納されたプログラムや各種データを読み出
し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものであ
る。

【００５３】メモリ12ｂにはＣＰＵ12ａが動作するため
の各種プログラムや電磁誘導タグ１ａが設置されたボン
ベ１の固有情報として、例えば、ＲＦＩＤタグ５が設け
られる高圧ガスボンベ１の型式、内容物の種類と容積、
耐圧、製造年月日、製造者、製造番号、使用履歴等が記
憶されている。

【００５４】尚、ＲＦＩＤタグ５にボンベ１の固有のコ
ード情報が記憶されており、その固有のコード情報をリ
ードライト端末機13により読み出して別のデータベース
から各種情報を閲覧することも可能である。

【００５５】そして、図８に示すように容器６のキャッ
プ状の蓋体６ａと底盤６ｂとの間に形成される磁束漏洩
路及び蓋体６ａと取付溝部４との間に形成される磁束漏
洩路から漏洩する漏れ磁束により形成される磁界Ｈを利
用してＲＦＩＤタグ５ａに記憶された情報をリードライ
ト端末機13により取り出すことが出来る。

【００５６】例えば、図４に示すアンテナコイル10ａの
一例としては、直径３０μｍ程度の銅線が単線巻きで径
方向に多重層で軸方向にシリンダ状に巻かれており、そ
のアンテナコイル10ａの内部にコア部材11が有る状態で
のインダクタンスは９．５mH（周波数１２５kHz）程度
で、アンテナコイル10ａに共振用に別途接続されたコン
デンサ12ｄの静電容量は１７０pF（周波数１２５kHz）
程度であった。

【００５７】また、図５に示す同心円盤状のアンテナコ
イル10ｂの一例としては、直径３０μｍ程度の銅線が単
線巻きで径方向に多重層をなして同心円盤状に巻かれて
おり、そのアンテナコイル10ｂのインダクタンスは９．
５mH（周波数１２５kHz）程度で、該アンテナコイル10
ｂに共振用に別途接続されたコンデンサ12ｄの静電容量
は１７０pF（周波数１２５kHz）程度であった。

【００５８】図７及び図８では、シリンダ状のアンテナ
コイル10ａを有するＲＦＩＤタグ５ａを金属製の容器６
内に収容して樹脂７を充填して封止し、その容器６をネ
ックリング２に形成した取付溝部４に挿入して接着剤８
により接着固定したものである。

【００５９】図９では、金属製のキャップ状の蓋体６ａ
の側壁面6a1にネジ部6a2が形成されており、該ネジ部6a
2に対応してネックリング２の取付溝部４の側壁面4a1に
ネジ部4a2が形成されている。また、本実施形態では底
盤６ｂは省略されている。

【００６０】そして、キャップ状の蓋体６ａ内部にＲＦ
ＩＤタグ５ａを収容して樹脂７により封止して固定した
後、蓋体６ａのネジ部6a2を取付溝部４のネジ部4a2に螺
合締着して螺着する。

【００６１】尚、蓋体６ａの天板の上面には係合穴6a3
が形成されており、図示しない締着治具を該係合穴6a3
に係合させて蓋体６ａをネックリング２に螺着すること
が出来るようになっている。

【００６２】本実施形態の場合、蓋体６ａと取付溝部４
との間に形成される接触面により磁束を漏洩させる磁束
漏洩路が形成され、これにより、図８に示したと同様な
磁界Ｈが形成されて外部のリードライト端末機13との間
で情報通信が可能となる。

【００６３】尚、前記実施形態では、保護体となる容器
６を金属製等の反磁性発生材料で作成した場合について
説明したが、シリンダ状のアンテナコイル10ａを有する
ＲＦＩＤタグ５ａの保護体を樹脂封止材で形成しても良
く、更には樹脂でつくられた分割型の容器や板状の蓋
体、或いは一方が開放されたキャップ状の蓋体であって
も良い。

【００６４】図10は図５に示す同心円盤状のアンテナコ
イル10ｂを有するＲＦＩＤタグ５ｂを収容する樹脂製の
分割型の容器21を断面円形の凹部を有する収容容器21ａ
と蓋体21ｂとにより構成したものである。

【００６５】ＲＦＩＤタグ５ｂを収容容器21ａの凹部に
挿入して樹脂７により封止した後、その収容容器21ａに
蓋体21ｂをビス止めや接着等により固定し、図11に示す
ように容器21をネックリング２の取付溝部４に挿入して
接着剤８により固着する。

【００６６】尚、ネックリング２の取付溝部４の断面は
円形に限らず方形や長円形、船底形（円弧溝）であって
も良い。また、保護体は板状の蓋体であっても良く、そ
の場合は取付溝部４の開口縁に段差部を設けて装着する
ことでも良い。

【００６７】反磁性発生材料で作られた分割型の容器内
にＲＦＩＤタグ５を収容する場合には、その分割部に形
成される磁束漏洩路と、その容器と取付溝部４との間に
形成される磁束漏洩路を通して電磁波が外部に伝播する
ことが出来る。

【００６８】シリンダ状のアンテナコイル10ａを有する
ＲＦＩＤタグ５ａの方が容器６と取付溝部４との間に形
成される磁束漏洩路から電磁波を伝播させ易いので有利
である。

【００６９】尚、磁束漏洩路の経路長と該磁束漏洩路の
間隙幅（平均間隙幅）は外部のリードライト端末機13と
の間に電磁波の送信が可能な最低値以上有れば良く、
０．０８μｍ程度の間隙幅（平均間隙幅）があれば十分
である。

【００７０】

【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、ＲＦＩＤタグをボンベのネックリングに設置
し、該ＲＦＩＤタグに記憶された情報を取り出すこと
で、安全性が確保され、信頼性の高い製品管理が効率的
に出来る。

【００７１】即ち、ＲＦＩＤタグをボンベを構成するネ
ックリングに形成した取付溝部に直接取り付けて、該Ｒ
ＦＩＤタグの少なくとも表面を保護体で保護するのでボ
ンベの耐圧や強度に影響を与えることがない上に、ボン
ベを倒したり転がしたりしてもＲＦＩＤタグが破損した
り、外れて紛失する虞がない。

【００７２】また、ＲＦＩＤタグは常に一定の姿勢でネ
ックリングに取り付けられるので、片手でリード端末機
等を持って情報の読み出し等が行える。

【００７３】また、保護体が樹脂封止材で形成された場
合には、ＲＦＩＤタグの取り付けが更に容易で電磁波の
伝播性も良好である。

【００７４】また、保護体が樹脂で作られた分割型の容
器、板状の蓋体、または一方が開放されたキャップ状の
蓋体を含む場合には、ＲＦＩＤタグの取り付けが容易で
且つ機械的な外力に対する保護が出来、電磁波の伝播性
も確保し易い。

【００７５】また、保護体が反磁性発生材料で作られ、
その保護体及び／または該保護体と取付溝部との間に磁
束を漏洩させる磁束漏洩路を形成した場合には、該磁束
漏洩路を介して電磁波が漏洩し、ＲＦＩＤタグと外部の
リード端末機との間で電力送電媒体及び情報通信媒体で
ある交流磁界を相互に送受信することが出来る。

【００７６】また、保護体が反磁性発生材料で作られた
分割型の容器、板状の蓋体、または一方が開放されたキ
ャップ状の蓋体である場合には、ＲＦＩＤタグの取り付
けが容易で且つ機械的な外力に対する保護が確実且つ容
易になり電磁波の伝播性も確保し易い。

【００７７】また、取付溝部が断面円形に形成され、そ
の内壁に前記保護体が螺着される場合には、ＲＦＩＤタ
グの交換等が容易になる。

【００７８】また、ＲＦＩＤタグがシリンダ状のアンテ
ナコイルを有する場合には、保護体或いは保護体と取付
溝部との間に形成した磁束漏洩路から電磁波を伝播させ
易い。

【００７９】また、本発明に係るＲＦＩＤタグの取付方
法によれば、上述のＲＦＩＤタグの取付構造を容易に得
ることが出来、更にこの取付方法は新規製作のボンベに
限らず、既存のボンベにも容易に適用することが出来
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＲＦＩＤタグの取付構造によりＲ
ＦＩＤタグを取り付けたネックリングを有する高圧ガス
ボンベにおいて、ＲＦＩＤタグに記憶された方法を読み
出す様子を示す斜視説明図である。

【図２】本発明に係るＲＦＩＤタグの取付構造によりＲ
ＦＩＤタグを取り付けたネックリングの分解説明図であ
る。

【図３】本発明に係るＲＦＩＤタグの取付構造によりＲ
ＦＩＤタグを取り付けたネックリングの組立説明図であ
る。

【図４】シリンダ状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグと、それに発生する磁界の様子を示す図である。

【図５】同心円盤状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグと、それに発生する磁界の様子を示す図である。

【図６】ＲＦＩＤタグの構成を示すブロック図である。

【図７】シリンダ状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグを保護体に収容した状態でネックリングに接着固定
する様子を示す斜視説明図である。

【図８】シリンダ状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグを保護体に収容した状態でネックリングに接着固定
した構造においてＲＦＩＤタグに発生する磁界の様子を
示す断面説明図である。

【図９】シリンダ状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグを保護体に収容した状態でネックリングに螺着固定
する様子を示す斜視説明図である。

【図10】同心円盤状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグを保護体に収容した状態でネックリングに接着固定
する様子を示す斜視説明図である。

【図11】同心円盤状のアンテナコイルを有するＲＦＩＤ
タグを保護体に収容した状態でネックリングに接着固定
した構造においてＲＦＩＤタグに発生する磁界の様子を
示す断面説明図である。

【符号の説明】

１…ボンベ２…ネックリング２ａ…ネジ部３…保護キャップ３ａ…ネジ部４…取付溝部 4a1…側壁面 4a2…ネジ部５，５ａ，５ｂ…ＲＦＩＤタグ６…容器６ａ…蓋体 6a1…側壁面 6a2…ネジ部 6a3…係合穴６ｂ…底盤７…樹脂８…接着剤９…バルブ 10ａ，10ｂ…アンテナコイル 11…コア部材 12…半導体ＩＣチップ 12ａ…ＣＰＵ 12ｂ…メモリ 12ｃ…送受信機 12ｄ…コンデンサ 13…リードライト端末機 21…容器 21ａ…収容容器 21ｂ…蓋体

フロントページの続き (72)発明者藤井潤東京都新宿区西新宿１丁目22番２号羽田ヒューム管株式会社内 (72)発明者内山知樹東京都新宿区西新宿１丁目22番２号羽田ヒューム管株式会社内 (72)発明者木田茂東京都新宿区西新宿１丁目22番２号羽田ヒューム管株式会社内Ｆターム(参考） 3E072 AA01 GA21

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高圧ガスを収容する金属製のボンベにＲ
ＦＩＤタグを取り付ける構造であって、ボンベを構成するネックリングに形成した取付溝部と、前記取付溝部内に配置されたＲＦＩＤタグと、前記ＲＦＩＤタグの少なくとも表面側を覆う保護体と、を備えていることを特徴とするＲＦＩＤタグの取付構
造。
【請求項２】前記保護体は樹脂封止材で形成されたこ
とを特徴とする請求項１に記載のＲＦＩＤタグの取付構
造。
【請求項３】前記保護体は樹脂で作られた分割型の容
器、板状の蓋体、または一方が開放されたキャップ状の
蓋体を含むことを特徴とする請求項１または請求項２に
記載のＲＦＩＤタグの取付構造。
【請求項４】前記保護体は反磁性発生材料で作られ、
その保護体及び／または該保護体と前記取付溝部との間
に磁束を漏洩させる磁束漏洩路を形成したことを特徴と
する請求項１に記載のＲＦＩＤタグの取付構造。
【請求項５】前記保護体は分割型の容器、板状の蓋
体、または一方が開放されたキャップ状の蓋体であるこ
とを特徴とする請求項４に記載のＲＦＩＤタグの取付構
造。
【請求項６】前記取付溝部は断面円形に形成され、そ
の内壁に前記保護体が螺着されることを特徴とする請求
項５に記載のＲＦＩＤタグの取付構造。
【請求項７】前記ＲＦＩＤタグはシリンダ状のアンテ
ナコイルを有することを特徴とする請求項４〜６のいず
れか１項に記載のＲＦＩＤタグの取付構造。
【請求項８】高圧ガスを収容する金属製のボンベにＲ
ＦＩＤタグを取り付ける方法であって、ボンベを構成するネックリングに取付溝部を形成し、そ
の取付溝部にＲＦＩＤタグを配置すると共に、そのＲＦ
ＩＤタグの少なくとも表面側を保護体で覆うことを特徴
とするＲＦＩＤタグの取付方法。