JP4671682B2 - ゲーム用チップ - Google Patents

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本発明は、ゲーム用チップに関し、より詳しくはICカードリーダライタなどの読み取り装置でデータを読み出すことが可能なゲーム用チップに関する。
従来から多くの人々に親しまれているゲーム(遊技)の中には、いわゆるゲーム用チップをゲームテーブル上の任意の位置にプレイヤが置くことにより、何に幾らベットするのかを決定するタイプのゲームが多々ある。このタイプのゲームとしては、例えば、ルーレットやポーカー、ブラックジャックなどのカードゲームなどがある。
近年のアミューズメント施設の隆盛に伴い、ゲームセンターやカジノなどの遊技場に配備されるゲーム機に、よりリアルなゲーム臨場感をプレイヤに提供するタイプの機器が登場するようになって来ており、上記のようなタイプのゲームのためのゲーム機も多数市場に出回るようになっている。
かかるタイプのゲーム機には、いわゆるコントロールパネルからのボタンの押下などにより、プレイヤにベットの対象・ベットする枚数を入力させるものがあるが、このようなゲーム機は、ゲーム用チップをプレイヤが置くという動作を行うことがないため、ゲームの臨場感・リアル感に欠けるという問題点があった。
そこで、ゲーム用チップの中にいわゆるICチップやICタグを入れて、ゲーム機がこのICチップなどが封入されたゲーム用チップをリーダライタを用いて読み取り、これをプレイヤの入力として扱う技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2,特許文献3)。
特開2003−196634(段落[0014]) 特開2003−085504(図1) 特開2004−021648(段落[0023]、図7)
一般に、ゲーム機のプレイヤは、ベットしたい対象(例えば特定の数字、赤/黒、奇数/偶数など)に好きなだけゲーム用チップを賭けることができる。プレイヤはゲームテーブル上の予め定められた領域(例えば、1〜36までの各数字に割り当てられた領域、赤/黒、奇数/偶数のそれぞれに割り当てられた領域など)に、自己の決定したベット数に相当する枚数のゲーム用チップを置くことにより、ベットを行う。
この場合、ゲーム用チップはそのベットの対象となる領域内に収まるように置かれなければならないが、ベットされるゲーム用チップの枚数が多くなるとその領域内に収まらない場合もある。この様な場合には、ゲーム用チップを小塔のごとく積み上げて、ベットの対象となる領域に置くことにより、所望の領域内に収めることがおこなわれている。
しかしながら、リーダライタを用いて、ゲーム用チップを読み取る技術を利用するゲーム機においては、ゲーム用チップが高く積み上げられると、上方のゲーム用チップはリーダライタと距離が離れてしまう。そのため情報のゲーム用チップ内部やその周辺では、ゲーム用チップに搭載されたICデバイスが応答できない程度まで、電波が拡散・減衰して弱まり、その結果リーダライタによるゲーム用チップの認識及び読み取りが困難になったり、不安定になったりするという問題点があった。
また、上方のゲーム用チップの情報を確実に読み取るためにリーダライタから送出する電磁波の出力を上げる事も可能であるが、その場合隣接している(すなわち、そのリーダライタの担当する領域とは別の領域にベットされた)ゲーム用チップの情報を読み取ってしまうという問題点があった。
本発明の目的は、ゲーム用チップが積み上げられて使用される場合であっても、認識・読み取りが可能なゲーム用チップを提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下のような特徴を有する。
本発明の第1の態様は、電磁波を放射するアンテナを有する読み取り装置(例えば、リーダライタ)により読み取り可能なデータを記憶し、積み上げて使用可能なゲーム用チップとして提案される。ここにいう「ゲーム用チップ」は、プレイヤのベット(賭け)を行う行為の際に、賭けの対象及び賭ける有価価値(現金、クレジット、ポイントなど)の量を示すために使用される道具であって、コイン、メダルなどと呼ばれるものも本明細書にいう「ゲーム用チップ」に含まれる。
このゲーム用チップは、読み取り装置(例えば、リーダライタなど)からの要求に応じてデータの送受信を行う回路手段(例えば、ICデバイス、ICチップなど)と、この回路手段に接続されたアンテナ手段であって、読み取り装置のアンテナと電磁結合し、前記回路手段に電力を供給することが出来ると共に、電磁波を介して共振状態となるように構成され、負荷変調によって、読み取り装置側にデータ転送が可能なアンテナ手段(例えば、アンテナコイルなど)と、読み取り装置によって発生する磁束が前記ゲーム用チップの外部に漏れるのを防ぐように、反磁性体からなる第1の磁界誘導手段(例えば、第1リングなど)と、アンテナ手段によって変調された磁束を前記読み取り装置に向けて誘導する、比透磁率の高い磁性体からなる第2の磁界誘導手段(例えば、第2リングなど)とを有している事を特徴としている。
この第1の磁界誘導手段は、読み取り装置から放出された磁界を効率的にアンテナ手段に導くように機能し、また、第2の磁界誘導手段はアンテナ手段に到達した磁界を前記読み取り装置に誘導するように機能する。
ゲーム用チップは、読み取り装置と電磁結合をなして、読み取り装置が発生する搬送波によりデータの送受信を行うと共に、この搬送波を受けたアンテナ手段における電磁誘導作用により回路手段に電力を供給する。一方、ゲーム用チップが読み取り装置に応答する方法として、電磁結合による共振状態にあるリーダライタに対し負荷変調を利用したデータ転送が行われる。読み取り装置はこの負荷変調された搬送波若しくは副搬送波を増幅・復調して、ゲーム用チップからの応答を認識する。
本実施の形態にかかるゲーム用チップは、第1の磁界誘導手段によりゲーム用チップの上方に磁束が導かれ、さらに磁束は透磁率の大きい物質の中に集まろうとする性質により、比透磁率の高い材質でできている第2の磁界誘導手段中に集まり、読み取り装置側に誘導される。その結果、磁界が外部空間に不必要に漏れなくなるため、積み上げられたチップが隣接しておかれていても隣同士干渉することなく、読み取り装置でのデータ読み出し処理を行うことが可能となる。
また、このゲーム用チップでは、前記第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段はそれぞれ、前記ゲーム用チップの外周部に配置された部材であって、ゲーム用チップが複数枚積み上げられた場合に、隣接する他のゲーム用チップの第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段に接触する
かかる構成によれば、ゲーム用チップが複数枚積み上げられた場合に、最上部に位置するゲーム用チップから最下部に位置するゲーム用チップまでの各磁界誘導手段が一つの連続した筒状導路を形成し、この導路に磁界が導かれて読み取り装置まで磁界を戻す。
本発明によれば、ゲーム用チップが積み上げられて使用される場合であっても、ゲーム用チップの認識およびゲーム用チップに格納されたデータ若しくは情報の読み取りが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[1.ゲーム用チップを扱うゲーム機]
まず、本実施の形態にかかるゲーム用チップを使用するゲーム機について説明する。図1は、本実施の形態にかかるゲーム用チップを使用するゲーム機の外観斜視図である。
本実施の形態にかかるゲーム機1は、プレイヤにルーレットを遊技させるための装置である。ゲーム機100は、図1に示すように、テーブル状のゲーム機体101上面に「0」、「00」と「1」から「36」までのそれぞれの数字に対応するポケットが設けられたホイール102と、「0」「00」と「1」から「36」までの数字などに対応する複数のベット領域(ベットの対象を特定した領域をいう)が配列されたレイアウト103とを有している。
プレイヤは、回転しているホイール102内に投入されたボール104がどの数字のポケットに収まるかを予想し、予想に基づいてレイアウト103内のいずれかの領域にゲーム用チップ105を置く。このゲーム用チップ105を置くという動作により、ゲーム機100にベットがなされたことの入力が行われる。プレイヤの予想が当たれば、プレイヤはベットしたゲーム用チップなどに応じて配当を受け取ることができる。
図2は、ゲーム機100の主要な内部構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機100内には、ゲーム機の主たる動作を制御するための主制御装置201と、レイアウト103の下側であって、各ベット領域に対応して設けられた、複数の読み取り装置であるリーダライタ202が備えられている。
読み取り装置であるリーダライタ202は、ゲーム用チップ105がその読み取り範囲内であるベット領域に置かれると、ゲーム用チップ105内に記憶された情報(本例では、ID情報)を読み取り、主制御装置201に読み取った情報を通知する。なお、本明細書中では、「リーダライタ」と呼ぶが、必ずしも書き込み機能が必要なことを意味するものではなく、少なくともゲーム用チップ105に記憶されたデータを読み出す機能を有していれば、本明細書中の「リーダライタ」として使用することが可能である。
ゲーム用チップ105に記憶されたID情報は、ゲーム用チップ105をユニークに特定する情報であって、このID情報に基づいて、どのプレイヤの所有する幾らの価値を有するゲーム用チップ105であるか、などが判別できる情報である。なお、ゲーム用チップ105が記憶する情報は、ゲーム用チップ105を特定するためのID情報でなくとも良く、どのプレイヤの所有する幾らの価値を有するゲーム用チップ105であるかが判別できればどのような情報でも良い。例えば、プレイヤID情報及びチップの価値情報(例えば、1コイン分の価値、10コインの価値、100コインの価値などの種別を示す情報)を共にゲーム用チップ105に格納しておいても構わない。
主制御装置201は、各リーダライタ202から読み取り情報を受け取ることにより、どのベット領域に、どのプレイヤが幾らベットしているかを認識する。また、主制御装置201はホイール101のどのポケットにボールが停止したかをホイールに設けたセンサ(図略)にて検出して、リーダライタ202から送られてきたどのベット領域に、どのプレイヤが幾らベットしているかという情報に基づいて、各プレイヤの勝敗及び配当を決定して、別途備えている払い戻し表示装置(図略)にそのプレイヤの蓄えているクレジットに配当分を加算させるなどのゲーム処理を行う。
[2.ゲーム用チップの構成例]
次に、本実施の形態にかかるゲーム用チップ105の構成例について図3(A)〜図3(C)を参照しながら説明する。図3(A)は、ゲーム用チップ105の透過斜視図、図3(B)は、図3(A)のB−B断面線における断面図、図3(C)は、図3(B)のC−C断面線における断面図である。
図3(A)から(C)に示すように、ゲーム用チップ105は、樹脂等からなる本体301と、本体301の外側に嵌合する筒状の部材であって、反磁性又は完全反磁性体の性質を有する材質からなる第1の磁界誘導手段である第1リング305と、その外側に位置し、比透磁率の高い材質からなる第2の磁界誘導手段である第2リング304とを有している。本体301内部には、基板306が格納されており、基板306上には、回路手段であるICデバイス302と、このICデバイス302に接続されたアンテナ手段であるアンテナコイル303とが搭載されている。
ICデバイス302は、処理機能、記憶機能及び入出力制御機能を実行するように設計された電子部品であって、リーダライタ202からの要求に応じて、記憶している情報をリーダライタ202に渡す機能を有する。
アンテナコイル303は、リーダライタ202とゲーム用チップ105との間の信号の送受信及び、リーダライタ202からの搬送波を電力に変換してICデバイス302に電力供給する。
第1リング305、第2リング304は、ゲーム用チップ105の外周を取り巻くように配置された筒状部材であって、その平面上の位置はすべてのゲーム用チップで一致している。
また、これら第1リング305、第2リング304の高さhはゲーム用チップ105の厚さとほぼ等しくなっていることが好ましく、ゲーム用チップ105が複数枚積み上げられた場合に隣接する他のゲーム用チップ105の高透磁率部材304と接し、積み上げられたゲーム用チップ105の外周を覆うトンネルのようになる。
第1リング305は、積み上げられた情報のゲーム用チップ105に磁束を導くものであり、反磁性又は完全反磁性の性質を有する材質で構成されており、第2リング304は、積み上げられたゲーム用チップ105の上方に達した磁束が拡散して、近傍の別のベット対象の領域に置かれたゲーム用チップ105の情報をリーダライタ202が読み取る事のないように、透磁率の高い材料(例えば、鉄、フェライト)を用い、その中に磁束を取り込み、磁束がゲーム用チップ105の外に漏れないようにする。なお、第2リング304の比透磁率は、ICデバイス302、及びアンテナコイル303を格納した状態の本体301の比透磁率より高ければよい。
なお、第1リング305、第2リング304の形状・配置位置は図3に示すものに限られるものではなく、円筒でなくとも、ゲーム用チップ105が複数枚積み上げられた場合に上下方向に隣接する他のゲーム用チップ105の第1リング305、第2リング304と接することが可能であれば、どのような形状でも良く、ゲーム用チップ105の外周に等間隔に配された複数の環状部材を第1リング305、第2リング304としても良い。
[3.ゲーム用チップの動作例]
次に、ゲーム用チップ105の動作例について説明する。
図4は、リーダライタ202がレイアウト103に置かれたゲーム用チップ105の読み取りを行う際に発生する磁界の様子を示した図である。
リーダライタ202は、搬送波として高周波(例えば、13.56MHz)を発生し、送信データに対応するベースバンド信号によりこの搬送波を変調・電力増幅し、これをアンテナに供給し、アンテナより電磁界として放出する。また、この搬送波の放出により発生した磁界401の電磁誘導作用により、アンテナコイル303に誘導電流が生じ、この誘導電流によって、ゲーム用チップ105(ICデバイス302)に電力供給もなされる。
一方、ゲーム用チップ105は、ICデバイス302に接続されたアンテナコイル303を通じてリーダライタ202と電磁誘導作用により、共振回路を構成するので、記憶しているデータを用いて負荷変調によりリーダライタ202にデータを送信する事ができる。
次に、ゲーム用チップ105が複数枚積み上げられている状態で、リーダライタ202がレイアウト103に置かれたゲーム用チップ105の読み取りを行う際の磁界の様子について図5を参照しながら説明する。図5は、複数枚積み上げられている状態でゲーム用チップ105の読み取りを行う際の磁界の様子の例を示す図である。
本図に示す例では、5枚のゲーム用チップ105〜105が積み上げられているところを、リーダライタ202により読み取りを行っている。
リーダライタ202から放出され、ゲーム用チップ105〜105内を通り抜けた磁界(磁束)は、最上部に位置するゲーム用チップ105を抜けて大気中を通過するが、透磁率の大きい物体の中に磁束が集まろうとする性質により、最上部に位置する第2リング304に集まり、以下、第2リング304〜304を順に通過してリーダライタ202まで導かれる。その結果、隣りに積まれたゲーム用チップ105(図示せず)を磁束が通過する事がないので、近接してゲーム用チップ105が積まれていても、リーダライタ202が誤って読み取ってしまう心配がなくなる。
すなわち、本実施の形態にかかるゲーム用チップ105によれば、ゲーム用チップ105が複数積み上げられて使用されている状態でも、ゲーム用チップ105により多くの磁束を導く事ができるので、より高く積む事が可能であり、且つその場合でも近隣のベット対象の領域に置かれたゲーム用チップ105を読む事がない技術を提供する事が可能である。
本発明は、ゲーム機に使用されるゲーム用チップに適用されるとして説明したが、本発明はゲーム用チップに限られず、ICカードやICタグなど電磁結合を利用した非接触通信方式を用いるすべての装置に適用することが可能である。
ゲーム機の外観斜視図 ゲーム機の機能ブロック図 (A)は、ゲーム用チップの透過斜視図、(B)は(A)におけるB−B断面線における断面図、(C)は、(B)におけるC−C断面線における断面図 リーダライタがゲーム用チップを読み取る際に発生する磁界を示す図 リーダライタがゲーム用チップを読み取る際に発生する磁界を示す図
符号の説明
100…ゲーム機、 101…ゲーム機本体、 102…ホイール、 103…レイアウト、 105…ゲーム用チップ、 202…リーダライタ、 302…ICデバイス、 303…アンテナコイル、 304…第2リング、 305…第1リング

Claims (3)

  1. 電磁波を放射するアンテナを有する読み取り装置により読み取り可能なデータを記憶し、積み上げて使用可能なゲーム用チップであって、
    読み取り装置からの要求に応じてデータの送受信を行う回路手段と、
    前記回路手段に接続されたアンテナ手段であって、読み取り装置のアンテナと電磁結合し、前記回路手段に電力を供給する事が出来ると共に、電磁波を介して共振状態となるよう構成され、負荷変調によって、読み取り装置側にデータ転送が可能なアンテナ手段と、
    前記読み取り装置によって発生する磁束が前記ゲーム用チップの外部に漏れるのを防ぐように、反磁性体からなる第1の磁界誘導手段と、
    前記アンテナ手段によって変調された磁束を前記読み取り装置に向けて誘導する、比透磁率の高い磁性体からなる第2の磁界誘導手段と、
    を有し、
    前記第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段はそれぞれ、前記ゲーム用チップの外周部に配置された部材であって、ゲーム用チップが複数枚積み上げられた場合に、隣接する他のゲーム用チップの第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段に接触することを特徴とするゲーム用チップ。
  2. 前記第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段は、ゲーム用チップの外周を取り巻くように配置された筒状部材であることを特徴とする請求項1に記載のゲーム用チップ。
  3. 前記第1の磁界誘導手段及び第2の磁界誘導手段は、複数のゲーム用チップが積み上げられるときにそれぞれの平面上の位置がすべて一致するように形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のゲーム用チップ。
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