JP4492063B2 - 水素供給ステーション及びその水素充填方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2においては、あくまでも水素を発熱させてしまった後で冷却手段により冷却をしている。そのため、車載タンク内の温度上昇を防ぐための直接的な対策はなされていないばかりでなく、上記冷却を行うには莫大なエネルギーが必要となる。
貯蔵する水素の圧力を複数段に異ならせた複数の貯蔵タンクにそれぞれ水素を貯蔵するタンクユニットと、
該タンクユニット内の水素を上記車載タンクへ供給するための供給ラインと、
該供給ラインに接続する上記貯蔵タンクを切り替える切替装置と、
上記供給ライン内を流れる水素の流量を調整する供給調整手段と、
上記供給ライン内を流れる水素の流量を検出する供給流量検出手段と、
上記車載タンク内の圧力を検出する圧力検出手段と、
上記車載タンクにおける最高使用圧力及び許容最大流量の情報を検出するタンク仕様検出手段と、
上記切替装置の操作及び上記供給調整手段の制御が可能である制御装置とを有しており、
上記制御装置は、上記切替装置を操作して、上記圧力検出手段により検出された圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクを上記供給ラインに接続し、上記供給調整手段を操作して、上記供給流量検出手段により検出された検出流量が、規定の基準流量よりも大きく、かつ上記許容最大流量よりも小さくなるよう制御し、
上記供給調整手段の操作によっても上記検出流量を上記基準流量よりも大きくすることができなくなったときには、上記切替装置を再び操作して、上記供給ラインに接続する貯蔵タンクを、上記車載タンク内に残留している水素による残留圧力に最も近く、かつ該残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクに切り替えるよう構成されており、かつ、上記圧力検出手段によって検出された圧力が上記最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときには、上記供給調整手段により上記水素の充填を停止させるよう構成されていることを特徴とする水素供給ステーションにある(請求項1)。
すなわち、本発明の水素供給ステーションにおいては、上記車載タンクに水素の充填を開始する際には、上記圧力検出手段により車載タンク内の圧力が検出される。そして、制御装置は、上記切替装置を操作して車載タンク内に残留している水素による残留圧力に近く、かつこの残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力ステージを有する貯蔵タンクを上記供給ラインに接続することができる。そして、その後、水素の充填が進行し車載タンク内の圧力が高くなるに従って、供給ラインに接続する貯蔵タンクを圧力ステージが高いものに逐次切り替えながら水素の充填を継続することができる。
そして、制御装置は、上記圧力検出手段によって検出された圧力が上記最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときには、上記供給調整手段を操作して上記水素の充填を停止させる。そのため、車載タンクへの水素の充填の停止も確実に行うことができる。
また、上記充填目標圧力は、上記最高使用圧力よりも小さな値とすることができる。そして、制御装置は、車載タンク内の圧力が常に最高使用圧力を超えないように上記供給調整手段を制御することができ、水素を充填する際の十分な安全性を確保することができる。
上記水素供給ステーションに接続された車載タンクにおける最高使用圧力及び許容最大流量の情報を検出すると共に、該車載タンク内の圧力を検出し、上記複数の貯蔵タンクのうち上記検出した圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクを選択して、上記水素の充填を開始し、かつ、上記水素の充填速度を検出し、該充填速度が規定の速度よりも大きく、かつ上記許容最大速度よりも小さくなるよう制御する充填開始ステップと、
上記充填速度を上記規定の速度よりも大きくすることができなくなったときには、上記充填に使用する貯蔵タンクを、上記車載タンク内に残留している水素による残留圧力に最も近く、かつ該残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクに切り替えて、上記水素の充填を行う切替充填ステップと、
上記車載タンク内の圧力が上記最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときに上記水素の充填を停止させる充填停止ステップとを有することを特徴とする水素供給ステーションの水素充填方法にある(請求項5)。
すなわち、本発明においては、上記充填開始ステップとして、上記水素供給ステーションに上記車載タンクを接続したときには、この車載タンクにおける最高使用圧力の情報を検出すると共に、この車載タンク内の圧力を検出する。そして、上記複数の貯蔵タンクのうちの水素の充填に使用する貯蔵タンクには、上記検出した圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力ステージを有する貯蔵タンクを選択し、この貯蔵タンクから水素の充填を開始する。そのため、水素の充填速度が規定の速度よりも高い状態で、水素の充填を開始することができる。
また、上記使用する貯蔵タンクの切替を行って水素を充填することにより、上記発明と同様に、水素を充填する際に車載タンク内が加熱されてしまうことを抑制でき、貯蔵タンクからの水素の送出の際に生じる水素の圧力エネルギーの損失を小さくできる。
なお、上記水素充填に使用する貯蔵タンクを切り替える動作は、この水素充填に現在使用されている貯蔵タンクの圧力ステージ(圧力レベル)と、上記車載タンク内の圧力との差が規定の圧力差よりも小さくなったときに行うこともできる。
この場合には、上記供給ラインの接続ユニットへの上記車載タンクの充填口の接続動作を利用して、上記車載タンクの最高使用圧力を検出することができる。
この場合には、上記水素供給ステーションのアースアダプタへの上記車載タンクのアース端子の接続動作を利用して、上記車載タンクの最高使用圧力を検出することができる。
(実施例1)
本例の水素供給ステーション1は、図1に示すごとく、車両に搭載された車載タンク7に対して水素を充填するものである。この水素供給ステーション1は、貯蔵する水素の圧力ステージPtを複数段に異ならせた複数の貯蔵タンク21にそれぞれ水素を貯蔵するタンクユニット2と、このタンクユニット2内の水素を上記車載タンク7へ供給するための供給ライン3と、この供給ライン3に接続する上記貯蔵タンク21を切り替える切替装置22とを有している。また、水素供給ステーション1は、供給ライン3内を流れる水素の充填速度(流量)Vを調整する供給調整手段32と、供給ライン3内を流れる水素の充填速度(流量)Vを検出する供給流量検出手段33と、車載タンク7内の圧力Pvを検出する圧力検出手段31と、車載タンク7における最高使用圧力Pmの情報を検出するタンク仕様検出手段34とを有している。
また、上記水素供給ステーション1は、車載タンク7に水素の充填を行う際の条件を上記制御装置6に収集するための収集手段61を有している。また、本例においては、上記充填目標圧力Pm’は、車載タンク7の最高使用圧力Pmに安全率を掛けて求めた許容最高使用圧力とする。そして、制御装置6は、車載タンク7内の圧力Pvが許容最高使用圧力に達したときに、水素の充填を停止させるよう構成されている。
なお、上記加圧手段42としては、ポンプ以外にも、圧縮機、エジェクター等を用いることもできる。
また、上記温度検出手段43及び放出圧力調整手段44は、上記制御装置6に電気的に接続されている。そして、制御装置6は、上記温度検出手段43により検出された温度Tvに基づいて、上記冷却手段41における冷却強度を操作するよう構成されている。具体的には、制御装置6は、上記水素の充填中において、上記切替装置22を操作して水素充填に使用する貯蔵タンク21を圧力ステージPtが高いものに切り替えるときには、上記温度検出手段43によって検出された温度Tvが規定の基準温度Tsよりも高くなっていないかを監視し、これが高くなっているときには上記冷却手段41における冷却強度を増加させるよう構成されている。
なお、上記冷却手段41による冷却強度は、上記車載タンク7内の温度上昇が小さくなる又は温度上昇がほぼなくなったら減少させることも可能である。
なお、上記タンク仕様検出手段34は、車載タンク7のアース端子を接続させるためのアースアダプタに形成することもできる。
そして、制御装置6は、タンク仕様検出手段34により車載タンク7の許容最大充填速度を検出し、車載タンク7への充填速度Vがこの許容最大充填速度を超えないように上記供給調整手段32を制御するよう構成されている。また、上記水素充填に使用する貯蔵タンク21の切替が行われるときの上記基準速度Vsは、上記許容最大充填速度よりも小さい値とした。
上記車両の車載タンク7に上記水素ステーションから水素を充填するに当たっては、まず、充填開始ステップとして、図2におけるステップS101において、車載タンク7の水素充填口71を上記供給ライン3の先端部に設けた接続ユニットに接続し、車載タンク7の水素放出口72を上記還流ライン4における接続部に接続する。また、車載タンク7のアース端子を水素供給ステーション1におけるアースアダプタに接続する。そして、上記供給ライン3の接続ユニット、還流ライン4の接続部及びアースアダプタには、上記各接続が行われたことを検出するセンサが配設されており、このセンサにより各接続が行われたことが検出されると、上記制御装置6は、水素充填ができる状態が形成されたことを検知する。
そして、S104において、制御装置6は、上記放出圧力調整手段44に制御信号を送信して、この放出圧力調整手段44における放出圧力値Prを、上記検出した圧力Pvの値よりも規定の圧力差ΔP0を超えて高い圧力値に設定する。すなわち、放出圧力値Prは、Pr=Pv+ΔP0とする。そして、車載タンク7の水素放出口72に設けたバルブを開けると共に、還流ライン4に設けた第2ストップバルブ45を開ける。
次いで、S106において、制御装置6は、上記供給調整手段32に制御信号を送信し、これを開けて水素充填を開始させる。そして、制御装置6は、供給調整手段32における流量調整弁321の開度を調整して、水素の充填速度Vが基準速度Vsよりも高い状態にする。また、制御装置6は、流量調整弁321の開度を、上記供給ライン3内を流れる水素の充填速度Vが上記車載タンク7における許容最大充填速度を超えないよう制御する。
そして、以降同様に、上記S107〜S116を繰り返し、上記充填速度Vが上記基準速度Vsよりも小さくなる毎に、逐次高い圧力ステージPtの貯蔵タンク21に切り替えて水素充填を行うことができる。
このように、上記水素供給ステーション1は、上記車載タンク7の最高使用圧力Pmを確実に検知した上で水素の充填を行うことができる。また、この水素充填が終了したときには、上記制御装置6において算出した充填量Qにより車載タンク7内にどれだけの水素を充填したかを検知することができる。
そして、制御装置6は、圧力検出手段31によって検出された圧力Pvが上記最高使用圧力Pmから算出した充填目標圧力Pm’に達したときには、上記供給調整手段32を操作して上記水素の充填を停止させる。そのため、車載タンク7への水素の充填の停止も確実に行うことができる。
さらに、本例においては、上記圧力ステージPtが低い貯蔵タンク21から圧力ステージPtが高い貯蔵タンク21まで、段階的に貯蔵する水素の圧力の範囲を異ならせたことにより、これらの貯蔵タンク21に水素を補充する際においても、低い圧力ステージPtの貯蔵タンク21には、圧力の低い補充装置から補充することができ、あるいは水素を昇圧する量を少なくすることができる。そのため、水素の補充の際に必要なエネルギーを少なくすることもできる。
また、本例においては上記冷却手段41は上記還流ライン4に設けたが、これに対し、この冷却手段41は、上記供給ライン3に配設することもできる。そして、この場合には、上記車載タンク7に充填する水素を常温以下に冷却することができ、水素を充填する際に、車載タンク7が高温に加熱されてしまうことを一層効果的に防止することができる。
本例の水素供給ステーション1は、図3に示すごとく、上記還流ライン4を有する代わりに、上記車載タンク7から放出させた水素を上記タンクユニット2へ戻すための戻りライン40を有している。また、本例においては、上記冷却手段41は上記戻りライン40に配設し、この戻りライン40には、その内部を流れる水素の充填速度(流量)V’を検出する戻り流量検出手段46を配設している。
そして、本例においては、上記水素充填を行う際に、上記車載タンク7から戻りライン40に放出された水素は、冷却手段41により冷却された後に上記タンクユニット2における貯蔵タンク21に戻される。また、このタンクユニット2に戻される水素の充填速度V’は、上記戻り流量検出手段46により検出しており、制御装置6は、上記検出した充填速度V’の値を積算して水素の戻り量Q’を算出することができる。
本例においても、その他は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
2 タンクユニット
21 貯蔵タンク
22 切替装置
3 供給ライン
31 圧力検出手段
32 供給調整手段
33 供給流量検出手段
34 タンク仕様検出手段
4 還流ライン
40 戻りライン
41 冷却手段
42 加圧手段
43 温度検出手段
44 放出圧力調整手段
5 回収ライン
6 制御装置
7 車載タンク
V 充填速度(流量)
Vs 基準速度
Q 充填量
Pv 圧力
Pt 圧力ステージ
Pm 最高使用圧力
Pm’ 充填目標圧力
Claims (5)
- 車両に搭載された車載タンクに対して水素を充填するための水素供給ステーションであって、
貯蔵する水素の圧力を複数段に異ならせた複数の貯蔵タンクにそれぞれ水素を貯蔵するタンクユニットと、
該タンクユニット内の水素を上記車載タンクへ供給するための供給ラインと、
該供給ラインに接続する上記貯蔵タンクを切り替える切替装置と、
上記供給ライン内を流れる水素の流量を調整する供給調整手段と、
上記供給ライン内を流れる水素の流量を検出する供給流量検出手段と、
上記車載タンク内の圧力を検出する圧力検出手段と、
上記車載タンクにおける最高使用圧力及び許容最大流量の情報を検出するタンク仕様検出手段と、
上記切替装置の操作及び上記供給調整手段の制御が可能である制御装置とを有しており、
上記制御装置は、上記切替装置を操作して、上記圧力検出手段により検出された圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクを上記供給ラインに接続し、上記供給調整手段を操作して、上記供給流量検出手段により検出された検出流量が、規定の基準流量よりも大きく、かつ上記許容最大流量よりも小さくなるよう制御し、
上記供給調整手段の操作によっても上記検出流量を上記基準流量よりも大きくすることができなくなったときには、上記切替装置を再び操作して、上記供給ラインに接続する貯蔵タンクを、上記車載タンク内に残留している水素による残留圧力に最も近く、かつ該残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクに切り替えるよう構成されており、かつ、上記圧力検出手段によって検出された圧力が上記最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときには、上記供給調整手段により上記水素の充填を停止させるよう構成されていることを特徴とする水素供給ステーション。 - 請求項1において、上記タンク仕様検出手段は、上記車載タンクの充填口を接続するために上記供給ラインの先端部に設けた接続ユニットに形成されていることを特徴とする水素供給ステーション。
- 請求項1において、上記タンク仕様検出手段は、上記車載タンクのアース端子を接続させるためのアースアダプタに形成されていることを特徴とする水素供給ステーション。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記タンク仕様検出手段は、上記車載タンクの最高使用圧力の情報及び上記車載タンクの許容最大流量の情報を含み、これ以外にも該車載タンクの許容最高温度又はタンク製造日の少なくとも1つの情報を含むタンク情報を検出するよう構成されていることを特徴とする水素供給ステーション。
- 貯蔵する水素の圧力ステージを複数段に異ならせた複数の貯蔵タンクにそれぞれ水素を貯蔵するタンクユニットを有する水素供給ステーションから、車両に搭載された車載タンクに対して水素を充填する方法であって、
上記水素供給ステーションに接続された車載タンクにおける最高使用圧力及び許容最大流量の情報を検出すると共に、該車載タンク内の圧力を検出し、上記複数の貯蔵タンクのうち上記検出した圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクを選択して、上記水素の充填を開始し、かつ、上記水素の充填速度を検出し、該充填速度が規定の速度よりも大きく、かつ上記許容最大速度よりも小さくなるよう制御する充填開始ステップと、
上記充填速度を上記規定の速度よりも大きくすることができなくなったときには、上記充填に使用する貯蔵タンクを、上記車載タンク内に残留している水素による残留圧力に最も近く、かつ該残留圧力よりも規定の圧力差を超えて高い圧力の貯蔵タンクに切り替えて、上記水素の充填を行う切替充填ステップと、
上記車載タンク内の圧力が上記最高使用圧力から算出した充填目標圧力に達したときに上記水素の充填を停止させる充填停止ステップとを有することを特徴とする水素供給ステーションの水素充填方法。
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