JP2002334314A - データキャリア構造及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
大する。 【解決手段】 データキャリア構造10は、円盤状のアン
テナコイル2とIC回路3を有し且つ樹脂製の密封容器
18に封入されたデータキャリア1と、密封容器18の上面
及び下面に沿って配置した第1のシート状磁性体11と第
2のシート状磁性体12とを、アルミニウム製の保護容器
13内に収容して構成される。保護容器13に設けた空隙17
を通してデータキャリア1からの磁束が漏洩することに
より形成される磁束路φを利用し外部と通信を行う。
Description
信を行えるデータキャリアを備えたデータキャリア構造
に関し、特に円盤状のアンテナコイルを有するデータキ
ャリアの通信距離を拡大したデータキャリア構造に関す
る。
CカードやRFIDタグ(Radio frequency Identifi
cation TAG)等のデータキャリアが各分野に広く普及
している。これ等データキャリア(子機)には携帯型、
または装置や機械もしくは各種部品に装着する固定型の
2種があり、いずれも無線通信領域である高周波の電磁
波を利用して、親機であるリーダライタ機(またはリー
ダ機)との間で非接触によりデータの送受信(通信)を
行う。
してのバッテリー等の電源を保有せず、リーダライタ機
から送信される電磁波の一部を電源として利用するよう
に構成されている。
図であり、図13はそのブロック図である。図12(a)に
示すように、一般的なデータキャリア1は導線を空芯コ
イルに巻回して形成した円盤状のアンテナコイル2と、
そのアンテナコイル2の両端に接続されたIC回路3を
有する。
4、CPU(中央演算装置)5、書き込み可能な不揮発
性記憶素子を有するメモリ6及び電力貯蔵用のコンデン
サ7を有している。そしてこれ等アンテナコイル2及び
IC回路3は非導電性材料である樹脂材を用いて薄い円
盤状もしくはカード状に一体成形するか、またはラミネ
ート加工されて外部環境から保護された密封型に形成さ
れる。
により説明すると、先ず図示しないリーダライタ機が最
初のステップでデータキャリア1の呼び出し及び電力送
信用の電磁波を送信する。するとデータキャリア1はそ
の電磁波をアンテナコイル2と送受信回路4の同調作用
により受信し、その電力をコンデンサ7に貯蔵する。こ
れによってデータキャリア1は作動状態になるので、次
のステップでリーダライタ機からデータキャリア1に読
み出し用の電磁波を送信する。
ル2から送受信回路4を経てCPU5に入力し、CPU
5はそれに応じて必要な情報をメモリ6から読み出し、
その情報を送受信回路4からアンテナコイル2を経て電
磁波としてリーダライタ機に送信する。リーダライタ機
からデータキャリア1のメモリにデータを書き込むとき
も上記方法に準じて実行される。尚、これ等一連のステ
ップはほぼ瞬時に行われる。
関係を説明するものである。一般に電磁波は90度の位
相差をもって交流的に伝播する電界と磁界により表すこ
とができ、その磁界とアンテナコイル2が鎖交すること
により該アンテナコイル2に流れる電流(高周波電流)
を利用して送受信が行われる。
信される場合は、アンテナコイル2に流れる高周波電流
により図示のような高周波の磁界成分Hがアンテナコイ
ル2の中心を通るループ(磁束ループ)として分布し、
この磁束領域にリーダライタ機のアンテナコイルを置く
と、リーダライタ機はデータキャリア1からの情報を受
信できる。同様にリーダライタ機から電磁波を送信する
ときにも、データキャリア1のアンテナコイル2の周囲
には図示のような磁界成分Hが分布し、それをアンテナ
コイル2が受信することになる。
がリーダライタ機との間で通信できる距離、即ち、通信
距離は通常数mm〜数cm程度である。例えば鉄道の自
動改札口の場合には、定期券等のデータキャリアをその
挿入口に差し込んで装置内部に設けたリーダ部に近接通
過させて読み取ることができるので、通信距離の問題は
ほとんどない。
タグ等を物品に装着して管理を行う場合等においては、
通信距離が短いとその利用範囲が制限される。また、管
理形態によっては特定方向の通信指向性の高いことが要
求されることもある。そこで従来からデータキャリアの
通信距離の延長方法または指向性向上方法について種々
の提案がされている。
いる方法を説明する図である。データキャリア1は、エ
ナメル線等の絶縁電線を巻回して形成した円形空芯コイ
ルからなる円盤状のアンテナコイル2と、その両端に接
続されたIC回路3を有し、アンテナコイル2にはアモ
ルファスシートからなる細長いシート状磁性体8が挿通
される。そしてシート状磁性体8はその鋭いエッジでア
ンテナコイル2の表面に形成された絶縁被覆を傷つけな
いように、その周囲が絶縁シートで覆われている。
入できるように、アンテナコイル2の中空部の直径より
小さい幅のものを選択し、挿入後にアンテナコイル2と
シート状磁性体8を平坦に押圧整形する。
抵抗が著しく小さいので、アンテナコイル2と鎖交する
磁束はシート状磁性体8の長手方向に容易に延長してそ
の先端部を通る磁束ループとして空気中に分布する。従
って、通信距離は主としてシート状磁性体8の長手方向
に延長され、且つ該方向の通信指向性が高くなる。
方法は、アンテナコイル2にシート状磁性体8を挿通さ
せるので、製造が難しく手間がかかるという問題があ
る。また、一般にRFIDタグ等のデータキャリア1は
アンテナコイル2とIC回路3を一体的に樹脂封止して
大量生産され、短い通信距離の標準品が安価な価格で市
販流通している。しかし上記方法では製造過程でシート
状磁性体8をアンテナコイル2に挿入するので、標準品
とは別の特別な製造工程で作らなければならず、コスト
的に不利になる。
ンテナコイル2に挿入してから両者を平坦に押圧整形す
る際に、アンテナコイル2の絶縁皮膜を損傷する恐れが
あり、その対策が必要になる。そこで本発明は、このよ
うな問題を解決することを課題とし、そのための新しい
データキャリア構造及びその製造方法を提供することを
目的とする。
の本発明に係る第1の発明は、円盤状のアンテナコイル
を有し電磁波により通信を行うデータキャリアを備えた
データキャリア構造であり、前記アンテナコイルの片面
から外側に向けて第1のシート状磁性体が延長され、反
対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状磁性体が
延長され、前記第1のシート状磁性体と前記第2のシー
ト状の磁性体は前記アンテナコイルを通る連続的な磁束
路を形成していることを特徴とする。
1のシート状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を高
比透磁率の磁性材料で作ることができる。
て、データキャリアを薄型の非導電性材料で作られた密
封容器内に封入し、前記第1のシート状磁性体及び前記
第2のシート状磁性体を前記密封容器の外面に沿って延
長することができる。
において、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシ
ート状磁性体を含めた全体を、薄型で磁束が漏洩する保
護容器内に収容することができる。そして、その場合、
前記保護容器の少なくとも一方の表面部分をアルミニウ
ムもしくはその合金で作ることができる。更に、前記保
護容器の少なくとも一方の表面部分を磁性金属で作り、
その内面にアルミニウムもしくはその合金の薄層を形成
することができる。それ等表面部分は銘板として利用す
ることもできる。
係る第2の発明は、データキャリア構造の製造方法であ
り、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に封入され
たデータキャリアを使用し、その密封容器の片面から外
側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配置すると
共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状
磁性体を延長して配置し、その際、前記第1のシート状
磁性体と前記第2のシート状の磁性体が前記アンテナコ
イルを通る連続的な磁束路を形成するようにし、前記密
封容器、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシー
ト状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容
器内に収容することを特徴とする。
態を説明する。図1は本発明に係るデータキャリア構造
の基本的構成を示す平面図、図2は図1を拡大した側面
図である。これ等の図において、データキャリア構造10
は電磁波により通信を行なうデータキャリア1と、第1
のシート状磁性体11と及び第2のシート状磁性体12を備
えている。
ものと同様に構成され、図2に示すような円盤状のアン
テナコイル2とIC回路3を有している。データキャリ
ア1の通信方式には、例えば125kHzと117kH
zの2波を使用する周波数偏移変調方式(FSK:Freq
uency Shift Keying)及び1波のみ使用する振幅偏移
変調方式(ASK:Amplitude Shift Keying)の2種
存在するが、データキャリア1の近くに金属等の導電性
部材が存在しても比較的安定してリーダライタ機等と通
信できるASK方式が望ましい。
状磁性体12はいずれも10μm〜50μm程度の厚さを
有するシート状磁性体を方形に切断加工して形成され
る。第1のシート状磁性体11はアンテナコイル2の上面
に沿って、図1におけるその中央部やや左側から右方向
外側まで延長され、その一部がアンテナコイル2の上面
側に接着等により固定されている。
イル2の下面に沿って、図1におけるその中央部やや右
側から左方向外側まで延長され、その一部がアンテナコ
イル2の下面側に接着等により固定されている。
位置する第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性
体12の端部は、それ等一部が互いに重なって(オーバラ
ップして)いる。
も一部は、この場合には空中よりも著しく磁気抵抗の少
ない第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12
をそれぞれ通り、アンテナコイル2を介する図2の破線
で示すような扁平に拡大された磁束路(磁束ループ)φ
を形成する。
る第2のシート状磁性体12は第1のシート状磁性体11よ
りも幅が若干小さくなっているが、実際は同じ幅とされ
る。
イル2の面に平行な方向に拡大されるので、該方向の通
信距離が延長し且つその方向への通信指向性が高くな
る。尚、このように通信距離が拡大する原理は前記した
図14の場合と同様に考えることができる。
磁性体8をアンテナコイル2に貫通させているが、本実
施形態ではそのような貫通方式を採用せず、アンテナコ
イル2の片面から外側に向けて第1のシート状磁性体11
を延長し、更に、反対面から逆方向の外側に向けて第2
のシート状磁性体12を延長し、それ等第1、第2のシー
ト状磁性体11,12がアンテナコイル2を通る連続的な磁
束路φを形成していることに特徴がある。
φの磁束密度に比例し、その磁束密度は第1のシート状
磁性体11及び第2のシート状磁性体12の比透磁率に比例
する。従って第1のシート状磁性体11及び第2のシート
状磁性体12は比透磁率のできるだけ高いものを選択すべ
きであり、少なくとも1万以上の比透磁率を有する磁性
体が望ましい。このような高い比透磁率を有する磁性材
料からなる磁性体として、シート状に形成したアモルフ
ァス磁性体を挙げることができる。
万から数百万の範囲にあり、極めて比透磁率が高い。例
えば米国のアライドケミカル社から市販されているFe
―Ni―Mo―B−S系で比透磁率が80万のシート状
アモルファス磁性体があり、更に、類似組成でより高比
透磁率のシート状アモルファス磁性体が日立金属(株)
から市販されており、いずれも本発明に使用できる。
構造10である。この例は図1に示すデータキャリア1、
第1のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12を
含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器13内に収容
して構成される。
それ等を連結するリング状の中間枠体16により構成され
る。保護容器13は樹脂のような非導電性材料またはアル
ミニウムもしくはその合金(例えばジュラルミン)で作
ることができる。
は、先ずデータキャリア1の上側と下側にそれぞれ第1
のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12を接着等
により貼り付けて延長させる。次に下蓋15の上に中間枠
体16を配置し、その内側に前記データキャリア1等を収
容する。次に容器内に接着剤もしくは充填剤を充填し、
上蓋14で封鎖して固化させることにより、下蓋15、中間
枠体16及び上蓋14が一体化されると共に、その内部にデ
ータキャリア1等が安定に固定される。
構造10の主要部を収容することにより、保管、運搬及び
使用上において外部からの物理的、化学的な影響や浸水
による影響を回避でき、更に、良好な外観を有するデー
タキャリア構造10を構成できる。
は、例えば機械、装置またはそれ等を構成する部品等の
表面に取り付けて、情報格納型の銘板として利用するこ
とができる。その場合には保護容器13の全体または少な
くともその表面部分(例えば、上蓋14部分)をアルミニ
ウムもしくはその合金、或いは磁性金属で構成し、該表
面部分に文字、記号等を刻印すると耐久性のよい銘板と
することができる。
特に電気抵抗の小さい金属部材等の保護容器で覆うと、
通信に際しての磁束(高周波磁束)により導電性部材に
渦電流が発生し、その渦電流により生じる反対方向の打
消し磁束により通信に必要な磁束が減少する傾向があ
り、更に、保護容器の内外に磁束が通らないことによ
り、多くの場合通信が不可能になる。
容器13を導電性部材であるアルミニウムもしくはその合
金で作り、更に、保護容器13を磁束漏洩型とすることに
より、通信が可能であることが分かった。保護容器13を
磁束漏洩型とするには、該保護容器13に何らかの方法で
磁束を漏洩させる空隙を形成すればよい。
は、樹脂自体が磁束を漏洩するので問題はない。アルミ
ニウムもしくはその合金で構成する場合には、図3のよ
うに保護容器13を上蓋14、下蓋15及び中間枠体16のよう
に分割可能に形成し、例えば上蓋14と中間枠体16の間及
び下蓋15と中間枠体16の間に磁束漏洩用の空隙17を設
け、その空隙17にゴム等の非導電性物質を介在させる
か、またはその空隙17を維持するようにして、前記のよ
うな非導電性物質である接着剤等を内部に充填して固定
する。
15と中間枠体16の間に形成する隙間量は所望する磁束漏
洩量にもよるが、通常の通信には数百μm〜数mm程度
の範囲に設定すれば十分である。
データキャリア1からの磁束は、例えば図3に示すよう
に第2のシート状磁性体12から図3の左側の空隙17を通
って外部に漏洩し、図3の右側の空隙17からアンテナコ
イル2を経て第1のシート状磁性体11に戻る破線のよう
な磁束路φが形成される。そしてこの磁束路φを利用し
てデータキャリア1と外部のリーダライタ機との間で通
信ができる。
状磁性体12の先端部を空隙17に近づけるほど通信感度は
向上する。例えば、それ等先端部を保護容器13の外部に
臨む程度まで空隙17に挿入すると通信感度は最も高くな
る。
ャリア構造10を示す断面図、図5は図4の平面図であ
る。この例は大量生産され市場に流通している標準的な
データキャリアを利用し、それに図1と同様な第1のシ
ート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12を組み合わ
せて保護容器13内に収容したものである。これ等の図に
おいて、データキャリア1は薄型で樹脂等の非導電性材
料で作られた密封容器18内に円盤状のアンテナコイル2
とIC回路3を封入して構成される。
磁性体11を平行に配置して接着等によって固定し、該密
封容器18の下面に沿って第2のシート状磁性体12を同様
に平行に配置して接着等によって固定する。
密封容器18内に配置されたアンテナコイル2の図5にお
ける中央部よりやや右側から左方向の外側まで延長さ
せ、第2のシート状磁性体12の先端部は密封容器18内に
配置されたアンテナコイル2の図5における中央部より
やや左側から右方向の外側まで延長させる。
び第2のシート状磁性体12を密封容器18と共に保護容器
13内に収容し、接着剤等を充填してモールドすることに
より図4に示すデータキャリア構造10が形成される。
尚、図4の保護容器13も図3と同様に構成され、それを
金属材料で構成する場合には、例えば、上蓋14及び下蓋
15と中間枠体16の間に同様に空隙17を形成する。
造10は、図1の例と同様に、アンテナコイル2の中央部
側に位置する第1のシート状磁性体11と第2のシート状
磁性体12の端部は一部が互いに重なって(オーバラップ
して)いる。
とも一部は空中よりも著しく磁気抵抗の少ない第1のシ
ート状磁性体11と第2のシート状磁性体12、及びアンテ
ナコイル2を通って破線で示すような扁平で拡大された
磁束路(磁束ループ)φを形成する。
のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の先端
部を保護容器13の外部に臨む程度まで空隙17に挿入する
と通信感度は最も高くなる。
は、前記のようにアルミニウムもしくはその合金を用い
ることにより良好な通信を確保できることが分かってい
る。しかし実験によれば、それ以外の導電性材料、例え
ば鉄、ステンレス、銅、真鍮等の磁性金属で作られた保
護容器13であっても、その内面にアルミニウムもしくは
その合金の薄層19を形成することによって使用できるこ
とが分かった。
示す断面図である。尚、図6は図4に準じて描かれてお
り、図4と同じ部分には同一符号が付されている。保護
容器13は上蓋14、下蓋15及び中間枠体16により構成さ
れ、上蓋14及び下蓋15と中間枠体16の間に磁束を漏洩す
るための空隙17が形成される。
電性材料(磁性金属)で作られ、その上蓋14と下蓋15の
内面にそれぞれアルミニウムもしくはその合金の薄層19
が接着等により固定される。このような薄層19を設ける
と、理由は明らかではないが、アルミニウムもしくはそ
の合金で作られた図4の保護容器13と同様に作用して通
信可能になる。
のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の先端
部を保護容器13の外部に臨む程度まで空隙17に挿入する
と通信感度は最も高くなる。
ャリア構造10を示す平面図である。この例では第1のシ
ート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状を三
角形とし、それぞれの1つの頂部をアンテナコイル2の
中央部に対向させ、そこから面積が次第に拡大するよう
に外側に延長させている。
及び図2と同様にアンテナコイル2の面方向外側に磁束
路φが拡大され、それによって通信距離が広がり、その
方向における通信指向性も向上する。
ート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線
で示す保護容器13に収容される場合を示しているが、こ
の例においても図4のような密封容器18を用いて構成で
きる。
ャリア構造10を示す平面図である。この例でも第1のシ
ート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状を三
角形とし、それぞれの1つの辺部をアンテナコイル2の
中央部に対向させ、そこから面積が次第に縮小するよう
に外側に延長させている。
にアンテナコイル2の面方向外側に磁束路φが拡大さ
れ、それによって通信距離が広がり、その方向における
通信指向性が向上する。
ト状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線で
示す保護容器13に収容される場合を示しているが、この
例においても図4のような密封容器18を用いて構成でき
る。
ャリア構造10を示す平面図である。この例では第1のシ
ート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12の形状をL
型に形成している。
右方向に平行に配置し、その先端部をアンテナコイル2
の上面側中央部に位置させ、他辺を図9の上方(縦方
向)に延長するように配置する。第2のシート状磁性体
12は1辺を図9の左右方向に平行に配置し、その先端部
をアンテナコイル2の下面側中央部に位置させ、他辺を
図9の下方(縦方向)に延長するように配置する。
シート状磁性体12の先端部はアンテナコイル2を上下か
ら挟んで一部が互いに重なって配置される。そしてアン
テナコイル2を挟んで第1のシート状磁性体11における
図9の左右方向の辺と、第2のシート状磁性体12におけ
る図9の左右方向の辺により第1の磁束路φ1が形成さ
れ、アンテナコイル2を挟んで第1のシート状磁性体11
における図9の左右方向及び縦方向の辺と第2のシート
状磁性体12における図9の左右方向及び縦方向の辺によ
り第2の磁束路φ2が形成される。
は磁束路φ1による図9の左右方向及び磁束路φ2によ
る図9の上下方向のいずれにも延長できると共に、それ
等両方向における通信指向性も向上する。従って、この
ように構成することにより、平面的な方向における方向
性のない(もしくは少ない)データキャリア構造10を得
ることができる。
ト状磁性体11及び第2のシート状磁性体12が二点鎖線で
示す保護容器13に収容される場合を示しているが、この
例においても図4のような密封容器18を用いて構成でき
ることは言うまでもない。
構造10の通信距離を測定した結果である。実験に使用し
たデータキャリア構造10は次のように製造した。先ず円
盤状のアンテナコイル2とASK方式で通信を行うIC
回路3を樹脂製の密封容器18でモールドしたデータキャ
リア1を用意し、その密封容器18の上面に第1のシート
状磁性体11を接着し、下面に第2のシート状磁性体12を
接着し、次にそれ等を一体としてアルミニウム製の保護
容器13に収容した。
磁性体12は前記したアライドケミカル社の比透磁率80
万のシート状アモルファス磁性体を使用した。保護容器
13は図4のように上蓋14、下蓋15及び中間枠体16により
構成し、それ等全てをアルミニウム材で作った。
束漏洩路として厚さ数百μm程度の空隙17を全周に沿っ
て設けた。尚、保護容器13は、横方向の長さ(図5の左
右方向の長さ)85mm、縦方向の長さ55mm、厚さ
1mmとした。
種、即ち、アンテナコイル2の口径(平均直径)が10
mm、25mm及び50mmの3種のものについて、そ
れぞれ第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体
12の重なり関係を変えて通信距離を測定した。
ト状磁性体12の幅はそれぞれ対応するアンテナコイル2
の口径に一致させ、長さは保護容器13の横方向の長さ
(図5の左右方向の長さ)85mmに略一致させた。
における第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性
体12の重なり関係で、+は重なり幅(オーバラップ
幅)、−は間隙幅(離反幅)である。また縦軸は測定さ
れた通信距離である。通信距離の測定はリーダライタ機
を各データキャリア構造10の長手方向延長上(図4の左
右方向)に配置し、データキャリア1との間で電磁波に
より送受信が可能な距離をmm単位で計測した。
にもよるが、アンテナコイル2の中心部における第1の
シート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の端部関係
が、5mm程度の間隙幅を有するものから25mm程度
重なり幅を有するものまで通信可能であることが分かっ
た。
程度の重なり幅の範囲であり、より好ましくは10mm
±5mm程度の範囲である。但し最適な範囲はアンテナ
コイル2の口径に比例して重なり幅の大きい領域にシフ
トする傾向がある。更に、アンテナコイル2の口径が大
きくなるほど通信距離が拡大することも分かった。
イル2を有するデータキャリア構造10について、その第
1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性体12の重な
り幅を0mmとしたときに、それ等シートの幅を10m
m、5mmとした場合の通信距離を測定したところ、そ
れぞれ150mm、90mmであった。
保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム性から非導電性
材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測定をした。そ
の結果、通信距離は図10に比べて約2倍程度それぞれ拡
大した。
図4及び図5のように保護容器13に収容して図10の場合
と同様にして通信距離を測定した結果である。データキ
ャリア構造10は、口径25mmφのアンテナコイル2
と、ASK方式で通信するIC回路3を樹脂製の密封容
器18に封入したデータキャリア1を使用し、それに第1
のシート状磁性体11及び第2のシート状磁性体12として
L型で幅20mmの前記アライドケミカル社シート状ア
モルファス磁性体を接着してからアルミニウム製の保護
容器13内にモールドした。
ート状磁性体12におけるそれぞれのL型の寸法は図9の
ように保護容器13の長さ及び幅に一致させた。図11の結
果から、第1のシート状磁性体11と第2のシート状磁性
体12の重なり0mm〜20mmの範囲で図9の縦方向及
び左右方向共に100mm以上の通信距離が得られるこ
とが分かった。
における保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム製から
非導電性材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測定を
したところ、通信距離は図11に比べて約2倍程度拡大す
ることが分かった。
ア構造10を図4及び図5のように保護容器13に収容して
同様に通信距離を測定した。実験に使用したデータキャ
リア構造10は、先ず口径25mmφのアンテナコイル2
と、ASK方式で通信するIC回路3を樹脂製の密封容
器18に封入したデータキャリア1を用意し、第1のシー
ト状磁性体11と第2のシート状磁性体12として、前記ア
ライドケミカル社シート状アモルファス磁性体を、図7
及び図8の縦方向における辺長が55mm、左右方向の
垂線長が45mmとなるように三角形型に加工した。
の面に沿って接着し、最後にそれ等を一体としてアルミ
ニウム製の保護容器13内にモールドすることにより製造
した。
ト状磁性体12との重なり幅はそれぞれ10mmとした。
その結果、図7、図8のデータキャリア構造10における
図面左右方向の通信距離はそれぞれ120mm、60m
mであった。
造10における保護容器13の上蓋14のみをアルミニウム製
から非導電性材料の樹脂製に代えて同様に通信距離の測
定をした結果、通信距離は上述の通信距離と比べて約2
倍程度拡大した。
に示す保護容器13は上蓋14、下蓋15及び中間枠体16によ
り構成され、それ等は同じ材料で作られている。しか
し、これ等各部材は互いに別の材料を組み合わせて作る
こともできる。また場合によっては上蓋14を省略するこ
ともできる。上蓋14を省略する場合には下蓋15と中間枠
体16で構成される保護容器13の内部を耐久性のある樹脂
などで封鎖する。
アルミニウムもしくはその合金、或いは樹脂で作る場合
には、その内面に設けるアルミニウムもしくはその合金
の薄層19を省略できる。
キャリア構造は、アンテナコイルの片面から外側に向け
て第1のシート状磁性体が延長され、反対面から逆方向
の外側に向けて第2のシート状磁性体が延長され、それ
等磁性体はアンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成
していることを特徴とする。
を拡大することができる。またアンテナコイルの上面と
した面にそれぞれシート状磁性体を配置するだけでよい
ので、製造が簡単で手間がかからない。更に、従来のよ
うにシート状磁性体をアンテナコイルに挿入しないので
構造が簡単になり、アンテナコイルがシート状磁性体に
よって損傷を受ける恐れもない。
シート状磁性体及び第2のシート状磁性体をアモルファ
ス磁性体のような高比透磁率の磁性材料で作ることがで
き、それによって通信距離をより拡大することができ
る。
て、データキャリアを薄型の非導電性材料で作られた密
封容器内に封入し、第1のシート状磁性体及び第2のシ
ート状磁性体を密封容器の外面に沿って延長することが
できる。このように構成すると、標準品として市販され
流通している樹脂封入のデータキャリアをそのまま利用
することができ、低コストで信頼性の高いデータキャリ
ア構造を提供することができる。
において、第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁
性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に
収容することができる。そのように構成すると、保管、
運搬及び使用上において、データキャリアに対する外部
からの物理的、化学的な影響や浸水による影響を回避で
き、更に、良好な通信性及び外観性を有するデータキャ
リア構造とすることができる。
くとも一方の表面部分をアルミニウムもしくはその合金
で作ることができる。そのように構成すると、物理的強
度がより向上すると共に、耐久性を有する銘板として使
用することができる。
製造方法は、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に
封入されたデータキャリアを使用し、その密封容器の片
面から外側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配
置すると共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2の
シート状磁性体を延長して配置し、その際、第1のシー
ト状磁性体と第2のシート状の磁性体がアンテナコイル
を通る連続的な磁束路を形成するようにし、密封容器、
第1のシート状磁性体及び第2のシート状磁性体を含め
た全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容するこ
とを特徴とする。
データキャリアをそのまま利用してデータキャリア構造
を低コストで且つ容易に製造することができる。
を示す平面図である。
態によるデータキャリア構造を示す断面図である。
実施形態によるデータキャリア構造を示す断面図であ
る。
態によるデータキャリア構造を示す断面図である。
態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
態によるデータキャリア構造を示す平面図である。
距離を測定した結果を示すグラフである。
定した結果を示すグラフである。
ある。
造を説明する図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 円盤状のアンテナコイルを有し電磁波に
より通信を行うデータキャリアを備えたデータキャリア
構造において、前記アンテナコイルの片面から外側に向
けて第1のシート状磁性体が延長され、反対面から逆方
向の外側に向けて第2のシート状磁性体が延長され、前
記第1のシート状磁性体と前記第2のシート状磁性体は
前記アンテナコイルを通る連続的な磁束路を形成してい
ることを特徴とするデータキャリア構造。 - 【請求項2】 前記第1のシート状磁性体及び前記第2
のシート状磁性体が高比透磁率の磁性材料で作られてい
ることを特徴とする請求項1に記載のデータキャリア構
造。 - 【請求項3】 前記データキャリアが薄型の非導電性材
料で作られた密封容器内に封入され、前記第1のシート
状磁性体及び前記第2のシート状磁性体が前記密封容器
の外面に沿って延長されることを特徴とする請求項1ま
たは請求項2に記載のデータキャリア構造。 - 【請求項4】 前記データキャリア、前記第1のシート
状磁性体及び前記第2のシート状磁性体を含めた全体が
薄型で磁束が漏洩する保護容器内に収容されていること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のデー
タキャリア構造。 - 【請求項5】 前記保護容器の少なくとも一方の表面部
分がアルミニウムもしくはその合金で作られていること
を特徴とする請求項4に記載のデータキャリア構造。 - 【請求項6】 前記保護容器の少なくとも一方の表面部
分が磁性金属で作られ、その内面にアルミニウムもしく
はその合金からなる薄層が形成されていることを特徴と
する請求項4に記載のデータキャリア構造。 - 【請求項7】 アルミニウムもしくはその合金、または
磁性金属で作られた前記保護容器の表面部分が銘板を構
成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載
のデータキャリア構造。 - 【請求項8】 データキャリア構造の製造方法におい
て、薄型の非導電性材料で作られた密封容器に封入され
たデータキャリアを使用し、その密封容器の片面から外
側に向けて第1のシート状磁性体を延長して配置すると
共に、反対面から逆方向の外側に向けて第2のシート状
磁性体を延長して配置し、その際、前記第1のシート状
磁性体と前記第2のシート状磁性体が前記アンテナコイ
ルを通る連続的な磁束路を形成するようにし、前記密封
容器、前記第1のシート状磁性体及び前記第2のシート
状磁性体を含めた全体を薄型で磁束が漏洩する保護容器
内に収容することを特徴とするデータキャリア構造の製
造方法。
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