JP2002290136A - アンテナテープ及びその設置構造 - Google Patents

アンテナテープ及びその設置構造

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JP2002290136A
JP2002290136A JP2001084112A JP2001084112A JP2002290136A JP 2002290136 A JP2002290136 A JP 2002290136A JP 2001084112 A JP2001084112 A JP 2001084112A JP 2001084112 A JP2001084112 A JP 2001084112A JP 2002290136 A JP2002290136 A JP 2002290136A
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antenna
tape
coil
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wire
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JP2001084112A
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Fujio Senba
不二夫 仙波
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Hanex Co Ltd
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Hanex Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、物体にワンタッチで設置出来るア
ンテナテープを提供すると共に、そのアンテナテープを
利用して物体へRFIDタグ等を取り付けて利用可能な
設置構造を提供することを可能にすることを目的として
いる。 【解決手段】 細長い可撓性の基材シート2の片面に接
着剤層3を介して離型シート4を設け、該基材シート2
の他面の長手方向に沿ってアンテナ線5を固定してアン
テナテープ1を構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信用のアンテナ
線を有するアンテナテープ及びその設置構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から物品の生産、保管、及び流通等
において、物品の型式、製造番号、管理番号、容積、重
量、材質、用途等の固有情報を物品に保有させ、その情
報を基に管理や自動化を行なう方法が広く普及してい
る。
【0003】例えば、自動倉庫では、多種の製品を種
類、仕向先等により指定された保管場所に自動的に搬出
入する。尚、それ等の製品はパレットと呼ばれる箱状の
物品に収納されて搬出入及び保管がなされる。
【0004】従来、パレットのような物品に、その固有
情報を保有させる方法として、物品の表面にバーコード
を貼り付ける方法が採用されており、そのバーコードは
自動装置に付加した光学的読取装置で自動的に読み取ら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来例において、バーコードの情報容量は、それ程、多
くないので、その適用は狭い範囲に制限されていた。
【0006】そこで、大きな情報量を格納出来るメモリ
を内蔵したRFIDタグ(Radio Frequency IDentifica
tion TAG)が注目されている。RFIDタグは読取装置
と電磁波を利用して非接触型により通信が可能である。
【0007】しかし、一般的なRFIDタグの通信可能
な距離は数mm〜数cm程度であるため、読取装置でR
FIDタグの設置位置を探さなければ通信出来ないとい
う問題があり、実用化には至っていない。
【0008】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、物体にワンタッチで設置出来
るアンテナテープを提供すると共に、そのアンテナテー
プを利用して物体へRFIDタグ等を取り付けて利用可
能な設置構造を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は物体に設置
したRFIDタグの通信距離を広げると共に、物体の全
方向から容易に情報を読取可能にすることを種々研究し
た結果、RFIDタグのアンテナコイルと電磁的に結合
出来るループ状のアンテナ線を物体に設ければ、その課
題を達成出来ることが判明した。
【0010】前記目的を達成するための本発明に係るア
ンテナテープは、細長い可撓性の基材シートと、前記基
材シートの片面に接着剤層を介して設けられた離型シー
トと、前記基材シートの他面の長手方向に沿って固定さ
れたアンテナ線とを有することを特徴とする。
【0011】上記アンテナテープは通信用のアンテナ線
が細長い可撓性の基材シートの長手方向に沿って設けら
れ、更にその基材シートの裏面側に接着剤層が設けら
れ、その表面に離型シートが設けられたことで、離型シ
ートを剥がして接着剤層を露出させ、目的の物体に貼着
することで、ワンタッチで任意の形状の通信用アンテナ
を形成することが出来る。また、アンテナテープの撤去
も容易である。
【0012】また、前記アンテナ線を保護層で覆った場
合には耐蝕性等に優れたアンテナテープを形成すること
が出来る。
【0013】また、本発明に係るアンテナテープの設置
構造は、前述のアンテナテープと、RFIDタグのアン
テナコイルと磁気的に結合する誘導用コイルと、が物体
に貼着され、該アンテナテープのアンテナ線の両端部
と、前記誘導用コイルの両端部とを接続して直列回路を
構成したことを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、物体にループ状に貼着
したアンテナテープのアンテナ線の両端部と、誘導用コ
イルの両端部とを接続して直列回路を構成し、該誘導用
コイルとRFIDタグのアンテナコイルとを磁気的に結
合するように取り付けることで、RFIDタグの通信距
離(領域)を所望の範囲に拡大出来、更に所望の方向に
おける指向性を設定することが容易に出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】図により本発明に係るアンテナテ
ープ及びその設置構造の一実施形態を具体的に説明す
る。図1(a)は本発明に係るアンテナテープの構成を
示す平面説明図、図1(b)は本発明に係るアンテナテ
ープの構成を示す横断面図、図1(c)は本発明に係る
アンテナテープの構成を示す縦断面図である。
【0016】図2(a)は本発明に係るアンテナテープ
の両端部と誘導用コイルの両端部とを接続した様子を示
す平面説明図、図2(b)は誘導用コイルの一例を示す
断面説明図である。
【0017】図3(a),(b)はパレットの底部に本
発明に係るアンテナテープを貼着し、該アンテナテープ
のアンテナ線に直列に接続された誘導コイルと磁気的に
結合するアンテナコイルを有するRFIDタグを取り付
けた様子を示す底面説明図及び側断面説明図である。
【0018】図3(c)はパレットの側部に本発明に係
るアンテナテープを貼着し、該アンテナテープのアンテ
ナ線に直列に接続された誘導コイルと磁気的に結合する
アンテナコイルを有するRFIDタグを取り付けた様子
を示す側面説明図である。
【0019】図4は同心円盤状のアンテナコイルと円形
の誘導用コイルとが電磁的に結合された様子を示す図、
図5はシリンダ状のアンテナコイルとシリンダ状の誘導
用コイルとが電磁的に結合された様子を示す図である。
【0020】図6は同心円盤状のアンテナコイルを有す
るRFIDタグの構成を示す正面及び側面説明図、図7
は同心円盤状のアンテナコイルを有するRFIDタグに
発生する磁界の様子を示す模式図である。
【0021】図8はシリンダ状のアンテナコイルを有す
るRFIDタグの構成を示す正面説明図、図9はシリン
ダ状のアンテナコイルを有するRFIDタグに発生する
磁界の様子を示す模式図である。
【0022】図10はRFIDタグの制御系の構成を示す
ブロック図、図11は複数の誘導用コイルをアンテナテー
プのアンテナ線を介して直列に接続し、所望の誘導用コ
イルにRFIDタグやリーダライタ端末機等を接近させ
て通信する構成を示す図である。
【0023】図1において、1は本発明に係るアンテナ
テープであり、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル等の細長い可撓性を有する透明、半透明、或い
は不透明な基材シート2の片面側に接着剤層3が設けら
れ、該接着剤層3の表面側に離型シート4が貼着されて
いる。離型シート4は表面に離型剤を塗布した一般的な
離型紙等を使用することが出来る。
【0024】また、基材シート2の他面の長手方向に沿
ってアンテナ線5が接着等により固定されており、更に
アンテナ線5の外周は保護層6により覆われている。ア
ンテナ線5は銅やアルミニウム等の導電性の良い金属材
料で作られた単線、縒り線または幅の狭いシート状の電
線により構成される。また、保護層6は基材シート2と
同様な素材で作られている。尚、基材シート2と保護層
6とが一体的に構成され、その内部にアンテナ線5が埋
設された構造であっても良い。
【0025】図2(a)は上述のアンテナテープ1を方
形状にループを描くように配置し、該アンテナテープ1
の内部に設けられたアンテナ線5の両端部に、銅線を複
数回巻回して同心円盤状に形成された誘導用コイル7a
の両端部を電気的に接続して直列回路を構成したもので
ある。
【0026】誘導用コイル7aとしては、図2(b)に
示すように、アンテナテープ1と同様に予め接着/剥離
可能な接着ユニット11として構成することも出来る。即
ち、銅やアルミニウム等の導電性の良い金属材料で作ら
れた単線、縒り線または幅の狭いシート状の電線により
構成される誘導用コイル7aの両端部に予め接続用の圧
着端子12が設けられ、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル等の細長い可撓性を有する透明、半透
明、或いは不透明な保護層13により電気的絶縁性が保持
された状態で保護されている。
【0027】保護層13の片面側には接着剤層3が設けら
れ、該接着剤層3の表面側に離型シート4が貼着されて
いる。
【0028】図3(a),(b)では、物体の一例とし
て自動倉庫等の物品収容器となるパレット8の底部に環
状に設けられた底溝部8aに、図2(a)に示したよう
なアンテナテープ1を貼着してループアンテナを形成
し、図4に示すようにアンテナテープ1に設けた誘導用
コイル7aと、RFIDタグ9aのアンテナコイル10a
とが磁気的に結合するように配置して該RFIDタグ9
aがパレット8に接着等により取り付けた様子を示す。
【0029】また、図3(c)では、パレット8の下部
周辺に設けた周溝部8bにアンテナテープ1を貼着して
ループアンテナを形成し、同様にアンテナテープ1に設
けた誘導用コイル7aと、RFIDタグ9aのアンテナ
コイル10aとが磁気的に結合するように配置して該RF
IDタグ9aがパレット8に接着等により取り付けた様
子を示す。
【0030】図4は同心円盤状のアンテナコイル10aを
有するRFIDタグ9aと、同心円盤状の誘導用コイル
7aとが重ね合わされて磁気的に結合された状態を示
し、図5はシリンダ状のアンテナコイル10bを有するR
FIDタグ9bと、シリンダ状の誘導用コイル7bとが
磁気的に結合された状態を示す。
【0031】図5に示す誘導用コイル7bは、図8に示
すRFIDタグ9bのアンテナコイル10bの内部に挿通
されたコア部材14に沿ってガラス容器15の外周に巻回さ
れ、電磁的に結合した状態で接着剤等により固定され、
RFIDタグ9b及び誘導用コイル7bが一体的に接着
剤等によりパレット8に固定される。
【0032】誘導用コイル7a,7bはRFIDタグ9
a,9bのアンテナコイル10a,10bと電磁的な結合を
行うため、該アンテナコイル10a,10bの形状に適合さ
せる。即ち、同心円盤状のアンテナコイル10aの場合
は、円形の誘導用コイル7aとし、シリンダ状のアンテ
ナコイル10bの場合は、シリンダ状(筒状)の誘導用コ
イル7bとする。
【0033】そして、誘導用コイル7a,7bとアンテ
ナコイル10a,10bを夫々接近させ、両コイルを鎖交す
る磁束変化により信号や電力を伝送する。即ち、電磁的
な結合により信号等の伝送を行う。尚、誘導用コイル7
a,7bの通信感度を上げるためにはその巻回数を増や
せば良い。
【0034】尚、このような誘導用コイル7a,7bを
設けることにより、従来のRFIDタグをそのまま使用
出来る利点があると共に、誘導用コイル7a,7bの巻
き数を増やすことにより、アンテナテープ1のアンテナ
線5を流れる電流による磁束発生量を必要に応じて増大
させることが出来る。
【0035】各実施形態で好適に採用されるRFIDタ
グ9a,9bは、電磁結合方式、電磁誘導方式のRFI
Dタグであり、何れも電磁波を利用してリードライト端
末機等と非接触で通信を行なえるようになっている。本
実施形態では、電磁誘導方式のRFIDタグを用いた場
合の一実施形態について以下に説明する。
【0036】一般にRFIDタグ9a,9bはアンテナ
コイル10a,10bと制御部となる半導体ICチップ16を
有し、図示しない外部のリードライト端末機等からの送
信信号をアンテナコイル10a,10bが受信すると、制御
部がそれを電力としてコンデンサ16dに蓄積すると共
に、その電力を利用して記憶部となるメモリ16bに記憶
されたIDコード等の情報を再びアンテナコイル10a,
10bからリードライト端末機等に送信するように構成さ
れている。
【0037】送受信方式としては、1波を使用する振幅
偏移変調(ASK方式:AmplitudeShift Keying方式)
と、2波を使用する周波数偏移変調(FSK:Frequenc
y Shift Keying方式)があり、前者は電磁波の強度変調
により送受信を行い、後者は電磁波の周波数変調により
送受信を行う。
【0038】一般的なRFIDタグをアンテナコイル形
式で分けると、円形の空心コイルを使用した同心円盤状
のアンテナコイル10aと棒状のフェライトコア等のコア
部材14にエナメル線等の絶縁銅線を巻き付けたシリンダ
状のアンテナコイル10bとの2種が存在し、外形は夫々
のアンテナコイル10a,10bの形状に対応して前者は円
盤状に形成され、後者は棒状に形成される。
【0039】尚、同心円盤状のアンテナコイル10aを有
するRFIDタグ9aは円形コイルの面方向の磁束変化
を利用して通信を行い、シリンダ状のアンテナコイル10
bを有するRFIDタグ9bは軸方向の磁束変化を利用
して通信を行う。本発明ではこれら円盤状とシリンダ状
との何れのRFIDタグ9a,9bも使用出来る。
【0040】図6に示すRFIDタグ9aは同心円盤状
のアンテナコイル10aと、制御部となる半導体ICチッ
プ16とがプリント回路基板等を介さずに直結して一体的
に形成されており、これによりRFIDタグ9aの小型
化を実現している。
【0041】半導体ICチップ16はIC(半導体集積回
路)チップやLSI(半導体大規模集積回路)チップ等
の一体的にパッケージされて構成されたものであり、該
半導体ICチップ16の内部には、図10に示すように、制
御部となるCPU16a、記憶部となるメモリ16b、送受
信機16c及び蓄電手段となるコンデンサ16dが設けられ
ている。
【0042】図示しない外部のリーダライタ端末機等か
ら発信された信号は、送受信機16cを介してCPU16a
に伝達され、電力はコンデンサ16dに蓄電される。尚、
蓄電手段となるコンデンサ16dが無く、外部のリーダラ
イタ端末機等から連続的に半導体ICチップ16に電力が
供給されるものでも良い。
【0043】CPU16aは中央演算処理装置であり、メ
モリ16bに格納されたプログラムや各種データを読み出
し、必要な演算や判断を行い、各種制御を行うものであ
る。
【0044】メモリ16bにはCPU16aが動作するため
の各種プログラムやRFIDタグ9a,9bが設置され
たパレット8に収容された物品に関する履歴データや管
理データ等の各種情報が記憶されている。
【0045】本実施形態のRFIDタグ9a,9bは、
無線周波が1波の振幅偏移変調(ASK;Amplitude Sh
ift Keying)の無線通信方式を使い、共振周波数帯域も
広い、線径も数十ミクロンの空心或いはコア部材14を有
するアンテナコイル10a,10bで特殊な送受信回路を組
み込んだ消費電力の非常に少ないCMOS−ICを使っ
たRFIDタグ9a,9bを採用した。
【0046】図6及び図7に示すRFIDタグ9aの内
部には、単線巻きで径方向に多重層をなして同心円盤状
に巻かれて形成されたアンテナコイル10a、半導体IC
チップ16等が一体的に樹脂17により封止されて全体が円
盤状に構成されている。
【0047】RFIDタグ9aはアンテナコイル10aの
径方向の外径D2に応じた外径D1を有する樹脂17により
封止されている。
【0048】以下に本実施形態で採用したRFIDタグ
9aの樹脂17の外径D1、及びアンテナコイル10aの外
径D2及びアンテナコイル10aの内径D3の一例を示す。
【0049】
【表1】
【0050】また、RFIDタグ9aの樹脂17の厚さT
は0.7mm〜12.0mm程度であり、RFIDタグ9a
の重量は、0.7g〜5.2g程度である。
【0051】アンテナコイル10aの一例としては、直径
30μm程度の銅線が単線巻きで径方向に多重層をなし
て同心円盤状に巻かれており、そのアンテナコイル10a
のインダクタンスは9.5mH(周波数125kHz)程度
で、アンテナコイル10aに共振用に別途接続されたコン
デンサの静電容量は170pF(周波数125kHz)程度
であった。
【0052】図7はフリーの状態のRFIDタグ9aか
ら発生する磁界Hの様子を示す。
【0053】図8に示すRFIDタグ9bは、シリンダ
状のアンテナコイル10bと、制御部となる半導体ICチ
ップ16とがプリント回路基板等を介さずに直結して一体
的に形成されており、これによりRFIDタグ9bの小
型化を実現している。
【0054】単線巻きでシリンダ状に形成されたアンテ
ナコイル10bの内部には軸方向(図8の左右方向)に鉄
心やフェライト等の円柱状のコア部材14が挿入されてお
り、アンテナコイル10b、コア部材14、半導体ICチッ
プ16等が一体的に形成されて全体が棒状に構成されてい
る。尚、RFIDタグ9bの制御系の構成は図10に示し
て前述したと同様である。
【0055】図8に示すように、RFIDタグ9bはア
ンテナコイル10bの径方向の外径D 5に応じた外径D4
有する非導電性材料となるガラス材料で作られたガラス
容器15により封止して全周が覆われている。
【0056】本実施形態で採用したRFIDタグ9bの
ガラス容器15の軸方向の長さL1は7mm〜15.7mm程
度であり、外径D4は2.12mm〜4.12mm程度であ
る。また、RFIDタグ9bの重量は、55mg〜400
mg程度である。
【0057】以下に本実施形態で採用したRFIDタグ
9bのガラス容器15の軸方向の長さL1、外径D4、及び
アンテナコイル10bの軸方向の長さL2、外径D5の一例
を示す。
【0058】
【表2】
【0059】アンテナコイル10bの一例としては、例え
ば、直径30μm程度の銅線が単線巻きで径方向に多重
層で軸方向にシリンダ状に巻かれており、そのアンテナ
コイル10bの内部にコア部材14が有る状態でのインダク
タンスは9.5mH(周波数125kHz)程度で、アンテ
ナコイル10bに共振用に別途接続されたコンデンサの静
電容量は170pF(周波数125kHz)程度であった。
【0060】図9はフリーの状態のRFIDタグ9bか
ら発生する磁界Hの様子を示す。
【0061】RFIDタグ9a,9bのメモリ16bには
パレット8に収容された物品の所有者情報や配達先情報
等の固有情報を記憶させたりすることも出来る。
【0062】例えば、外部のリードライト端末機等から
RFIDタグ9a,9bに記憶された固有情報を読み出
す場合、その情報はアンテナコイル10a,10bから磁束
変化として誘導用コイル7a,7bに伝送される。
【0063】すると、誘導用コイル7a,7bには、そ
の磁束変化に応じた電流が流れ、その電流は同時にそれ
と直列回路を構成するアンテナテープ1のアンテナ線5
にも流れ、それによってパレット8の全周に亘って磁束
変化が発生する。
【0064】従って、パレット8の外部全方向からリー
ドライト端末機等で情報を読み出すことが出来る。逆に
リードライト端末機等から電力や情報をRFIDタグ9
a,9bに伝達する場合は、リードライト端末機等のア
ンテナから発信した信号により生じる磁束変化を、先ず
アンテナテープ1のアンテナ線5が捉え、それによって
該アンテナ線5に電流が流れ、それを誘導用コイル7
a,7bが磁束の形態で増幅(巻回数による増幅)し、
その増幅された磁束の変化をRFIDタグ9a,9bの
アンテナコイル10a,10bが捉える。
【0065】このように、全方向から通信が可能なの
で、パレット8が倉庫等の狭い隙間に保管された場合等
でも露出した方面からRFIDタグ9a,9bのメモリ
16bに記憶された各種の情報を読み取ることが出来る。
【0066】図11は基体18上に複数の誘導用コイル7a
が配置され、それ等の間がアンテナテープ1のアンテナ
線5により電気的に接続されている。そして、特定の誘
導用コイル7aにRFIDタグ9aをそのアンテナコイ
ル10aが電磁的に結合する状態で設置し、他の誘導用コ
イル7aの部分からリードライト端末機等との間で通信
することが出来るようになっている。
【0067】このように構成したことにより、例えば、
危険な場所に設置したRFIDタグ9aに周囲の圧力等
の状態を検出する検出部を設け、その検出値を安全な場
所に設けた誘導用コイル7aの部分で読み取るような用
途にも適用出来る。
【0068】また、複数箇所に配置したRFIDタグ9
aに対して1箇所から通信することが出来る。その場合
には複数のRFIDタグ9a間の混信を避けるために周
波数をずらせる等の公知のアンチコリジョン技術を使用
することが出来る。
【0069】尚、前記各実施形態では、アンテナテープ
1、誘導用コイル7a,7b及びRFIDタグ9a,9
bを取り付ける物体の一例としてパレット8に適用した
場合について説明したが、コンテナの外周や倉庫の外
周、更には他の種々の物品に適用することも出来、更に
は物品以外にも家屋やビル、田畑、山林等の各種不動産
や動植物等の各種生物等、種々の物体に適用することも
可能である。
【0070】上記構成によれば、各種の物体にワンタッ
チで設置出来るアンテナテープ1を提供することが出
来、そのアンテナテープ1を利用して物体へRFIDタ
グ9a,9b等を取り付けて利用可能な設置構造を提供
することが出来る。
【0071】即ち、アンテナテープ1を通信用のアンテ
ナ線5が細長い可撓性の基材シート2の長手方向に沿っ
て設け、更にその基材シート2の裏面側に接着剤層3を
設け、その表面に離型シート4を設けたことで、該離型
シート4を剥がして接着剤層3を露出させ、目的の物体
に貼着することで、ワンタッチで任意の形状の通信用ア
ンテナを形成することが出来、アンテナテープ1の撤去
も容易である。
【0072】また、アンテナ線5を保護層6で覆ったこ
とで耐蝕性等に優れたアンテナテープ1を形成すること
が出来る。
【0073】また、物体にループ状に貼着したアンテナ
テープ1のアンテナ線5の両端部と、誘導用コイル7
a,7bの両端部とを接続して直列回路を構成し、該誘
導用コイル7a,7bとRFIDタグ9a,9bのアン
テナコイル10a,10bとを夫々磁気的に結合するように
取り付けることで、該RFIDタグ9a,9bの通信距
離(領域)を所望の範囲に拡大出来、更に所望の方向に
おける指向性を設定することが容易に出来る。
【0074】
【発明の効果】本発明は、上述の如き構成と作用とを有
するので、物体にワンタッチで設置出来るアンテナテー
プを提供すると共に、そのアンテナテープを利用して物
体へRFIDタグ等を取り付けて利用可能な設置構造を
提供することが出来る。
【0075】即ち、アンテナテープを通信用のアンテナ
線が細長い可撓性の基材シートの長手方向に沿って設
け、更にその基材シートの裏面側に接着剤層を設け、そ
の表面に離型シートを設けたことで、離型シートを剥が
して接着剤層を露出させ、目的の物体に貼着すること
で、ワンタッチで任意の形状の通信用アンテナを形成す
ることが出来、アンテナテープの撤去も容易である。
【0076】また、アンテナ線を保護層で覆った場合に
は耐蝕性等に優れたアンテナテープを形成することが出
来る。
【0077】また、本発明に係るアンテナテープの設置
構造によれば、物体にループ状に貼着したアンテナテー
プのアンテナ線の両端部と、誘導用コイルの両端部とを
接続して直列回路を構成し、該誘導用コイルとRFID
タグのアンテナコイルとを磁気的に結合するように取り
付けることで、RFIDタグの通信距離(領域)を所望
の範囲に拡大出来、更に所望の方向における指向性を設
定することが容易に出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係るアンテナテープの構成を
示す平面説明図、(b)は本発明に係るアンテナテープ
の構成を示す横断面図、(c)は本発明に係るアンテナ
テープの構成を示す縦断面図である。
【図2】(a)は本発明に係るアンテナテープの両端部
と誘導用コイルの両端部とを接続した様子を示す平面説
明図、(b)は誘導用コイルの一例を示す断面説明図で
ある。
【図3】(a),(b)はパレットの底部に本発明に係
るアンテナテープを貼着し、該アンテナテープのアンテ
ナ線に直列に接続された誘導コイルと磁気的に結合する
アンテナコイルを有するRFIDタグを取り付けた様子
を示す底面説明図及び側断面説明図、(c)はパレット
の側部に本発明に係るアンテナテープを貼着し、該アン
テナテープのアンテナ線に直列に接続された誘導コイル
と磁気的に結合するアンテナコイルを有するRFIDタ
グを取り付けた様子を示す側面説明図である。
【図4】同心円盤状のアンテナコイルと円形の誘導用コ
イルとが電磁的に結合された様子を示す図である。
【図5】シリンダ状のアンテナコイルとシリンダ状の誘
導用コイルとが電磁的に結合された様子を示す図であ
る。
【図6】同心円盤状のアンテナコイルを有するRFID
タグの構成を示す正面及び側面説明図である。
【図7】同心円盤状のアンテナコイルを有するRFID
タグに発生する磁界の様子を示す模式図である。
【図8】シリンダ状のアンテナコイルを有するRFID
タグの構成を示す正面説明図である。
【図9】シリンダ状のアンテナコイルを有するRFID
タグに発生する磁界の様子を示す模式図である。
【図10】RFIDタグの制御系の構成を示すブロック図
である。
【図11】複数の誘導用コイルをアンテナテープのアンテ
ナ線を介して直列に接続し、所望の誘導用コイルにRF
IDタグやリーダライタ端末機等を接近させて通信する
構成を示す図である。
【符号の説明】
1…アンテナテープ 2…基材シート 3…接着剤層 4…離型シート 5…アンテナ線 6…保護層 7a,7b…誘導用コイル 8…パレット 8a…底溝部 8b…周溝部 9a,9b…RFIDタグ 10a,10b…アンテナコイル 11…接着ユニット 12…圧着端子 13…保護層 14…コア部材 15…ガラス容器 16…半導体ICチップ 16a…CPU 16b…メモリ 16c…送受信機 16d…コンデンサ 17…樹脂 18…基体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長い可撓性の基材シートと、 前記基材シートの片面に接着剤層を介して設けられた離
    型シートと、 前記基材シートの他面の長手方向に沿って固定されたア
    ンテナ線と、 を有することを特徴とするアンテナテープ。
  2. 【請求項2】 前記アンテナ線を保護層で覆ったことを
    特徴とする請求項1に記載のアンテナテープ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアンテ
    ナテープと、RFIDタグのアンテナコイルと磁気的に
    結合する誘導用コイルと、が物体に貼着され、該アンテ
    ナテープのアンテナ線の両端部と、前記誘導用コイルの
    両端部とを接続して直列回路を構成したことを特徴とす
    るアンテナテープの設置構造。
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