JP4117989B2 - Icタグ - Google Patents

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博 宮沢
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サクサ株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タグ情報を記憶したICチップとアンテナを主な内部部品として持ち、被着体(物品等)に貼付され、非接触で外部装置との間で情報等の交信を行うICタグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物品等に貼付されているタグ情報を自動的に読み取って識別するためのシステムとして、バーコード方式などがあるが、より大量の情報を扱え、遠隔読み出しが可能となるデータキャリアシステムと呼ばれるICタグシステムの開発が進んでいる。
【0003】
このICタグシステムは、物品等に貼付されるICタグと呼ばれる応答器と、質問器で構成され、これら応答器と質問器との間で、磁気、誘導電磁界、マイクロ波(電波)等の伝送媒体を介して非接触で交信を行うものである。
【0004】
図1は従来のICタグ構造を示す分解斜示図である。1はタグ情報を記憶したICチップであり、2はアンテナとなるドーナツ型コイル状銅線である。ドーナツ型コイル状銅線2の巻きはじめの接続端部2aと巻き終わりの接続端部2bはICチップ1に直接接続され、ICタグが構成される。
【0005】
前記ドーナツ型コイル状銅線2の接続端部2a、2bを前記ICチップ1に接続した後、絶縁シート3、両面接着シート4を用い、上下から挟んで接着してICタグを完成する。前記両面接着シート4の物品等に貼付する面には剥離紙(不図示)が設けられている。前記ICタグを直接物品等に貼り付けて用いる場合、剥離紙を剥がして物品等に貼付してタグ情報の自動認識システムにおける応答器として用いるものである。
【0006】
図2は従来のICタグを物品に貼り付けた状態を示す断面図である。シート3には粘着層5が形成されている。両面接着シート4にはICチップ1を内側に配置したドーナツ型コイル状銅線2が載置され、前記絶縁シート3と両面接着シート4で挟まれてICタグが構成されている。両面接着シート4の物品等に貼付する面には剥離紙(不図示)が設けられているが、物品に貼付するときに剥がして使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、物品に貼付されたICタグは、貼り付けた物品そのもののタグ情報を記憶しているものなので、一度貼り付けたICタグが他の物品に貼り替えられるようなことがあると誤ったタグ情報が認識されてしまい物品の取扱に悪影響を与えてしまう。そこで、物品に一度貼ったICタグは、再度利用できないようなICタグの構造にする必要がある。
図3は、図2のICタグを剥がした状態を示す断面図である。図3に示すように、絶縁シート3(粘着層5)と両面接着シート4はそれぞれ分離して剥がれるが、ICチップ1とドーナツ型コイル状銅線2は両面接着シート4に接着されたまま剥がれてしまう場合がある。この時ICチップ1とドーナツ型コイル状銅線2が分離して剥がれれば、ICタグは壊れてしまうので使えなくなる。しかし、図3のような状態で剥がれると、ICタグの機能上ICチップ1とコイル状銅線2は接続されたままなので、さらに両面接着シート4を物品6から剥がし取ることによってこれを他の物品に貼り替えて使用することができてしまう。また、図3の状態とは逆にICチップ1とドーナツ型コイル状導線2が絶縁シート3の粘着層5に接着したまま剥がされることもある。この場合もそのまま他の物品に貼り替えての使用が可能となってしまう。
そこで、本発明は一度物品に貼付したICタグを剥がそうとした場合に、ICタグが確実に破壊される構造を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
少なくとも、アンテナとなるドーナツ型コイル状銅線と、ICチップを含む回路部と、前記ドーナツ型コイル状銅線より導出され前記回路部と電気的に接続する導線部と、被着体に貼付する面に剥離紙を備えた両面接着シートと、絶縁シートを備え、回路部をドーナツ内部に配置したドーナツ型コイル状銅線を前記両面接着シートに載置し、回路部周辺上部に接着剤を塗布し、両面接着シートと絶縁シートでドーナツ型コイル状銅線とICチップを含む回路部を挟み込んで成るICタグであって、
前記絶縁シートと前記ICチップを含む回路部と前記両面接着シートそれぞれの接着力強度は、絶縁シートと回路部との接着力>被着体と両面接着シートとの接着力>両面接着シートと絶縁シートの接着力の関係にあるICタグとする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図4は本発明の一実施形態のICタグを説明するための図で、物品(被着体)に貼付された状態の断面図である。7は両面接着シートでその一方の面にICチップ9をドーナツ内部に配置したドーナツ型コイル状銅線8が載置され接着されている。さらにICチップ9の周辺上部には接着剤10が塗布され、絶縁シート11と両面接着シート7でICチップ9とドーナツ型コイル状銅線8とを挟み込んでICタグを構成している。図示しないがドーナツ型コイル状銅線の巻きはじめの端部と巻き終わりの端部はICチップ9に接続されている。両面接着シート7の物品12に貼付する側の面には使用前においては剥離紙(不図示)が設けられており、被着体となる物品12に貼付するときに剥がして使用されるものである。尚、絶縁シート11には粘着層を設けない構造とする。
【0011】
前記した本発明のICタグを構成する絶縁シート11、ICチップ9、ドーナツ型コイル状銅線8、両面接着シート7それぞれの接着力強度は、接着剤10によるICチップ9とICチップ9の周辺上部の絶縁シート11との接着力を一番強く構成する。次に被着体(物品12)と両面接着シート7との接着力を強く構成し、両面接着シート7と絶縁シート11の接着力を一番弱い構成にしておく。
【0012】
図5は図4に示すICタグが剥がされる状態を示す図である。
ICタグを剥がそうとする場合、ICタグの外周部となる絶縁シート11と両面接着シート7の方向から剥がされることになる。この時、物品12と両面接着シート7の接着力は絶縁シート11と両面接着シート7の接着力よりも強いので必然的に絶縁シート11が両面接着シート7から分離して剥がれされることになる。さらにそのままICタグの中心方向へ剥がされていくが、絶縁シート11には粘着層が形成されていないのでドーナツ型コイル状銅線8とは簡単に分離し、ドーナツ型コイル状銅線8は両面接着シート7に接着されたまま残る。ICチップ9はその周辺上部に塗布した接着剤10によってその周辺に位置する絶縁シート11および両面接着シート7の一部と共に強固に固定されている。前記接着剤10と絶縁シート11との接着強度はICチップ9と両面接着シート7の接着強度よりも強く、また両面接着シート7と物品12の接着強度よりも強い構成である。したがって、図5において上方に引っぱられる力が加わることによりICチップ9は絶縁シート11に接着されたままの状態で剥がれ、さらに接着剤10が塗布された両面接着シートの一部を破壊しながら剥がれることとなる。これによりコイル状銅線8とICチップ9は分離されるのでドーナツ型コイル状銅線の接続部(不図示)が切断されてICダグが確実に破壊される。また、仮に両面接着シート7の一部が破壊されず、物品12に貼付されたままの状態で残っても、ICチップ9は絶縁シート11側に接着されたまま残るので、ICチップ9とドーナツ型コイル状銅線8は分離されICタグは破壊される。
【0013】
また、絶縁シート11は一定の強度を有し、厚さが0.1mm程度の熱的安定性が優れるポリエステル系シートが好適であるが、両面接着シート7により接着され、且つICチップ9を接着剤10により強固に固定できる接着性を有するものであればその材質は限定されるものではない。
【0014】
尚、本明細書中の両面接着シートとは、シートの両面に粘着層を有するもの、粘着層単体、又は粘着層を積層したものである。
【0015】
【発明の効果】
両面接着シートと絶縁シートでICチップとドーナツ型コイル状銅線を挟み込む際に、ICチップの周辺部上部に接着剤を塗布したのでドーナツ型コイル状銅線と絶縁シートは容易に剥がれ両面接着シート側に残り、ICチップは接着剤により絶縁シート側に接着されたまま剥がれる状態になるのでドーナツ型コイル状銅線とICチップが分離され、ICタグの破壊が可能となる。
【0016】
絶縁シートと回路部の接着力強度を、被着体と両面接着シートとの接着力や両面接着シートと絶縁シートとの接着力強度より強く構成することにより、ICチップの絶縁シート側への接着力を強固なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のICタグを示す分解斜示図
【図2】従来のICタグを物品に貼付した状態を示す断面図
【図3】図2のICタグを剥がした状態を示す断面図
【図4】本発明の一実施形態で、ICタグを物品に貼付した状態の断面図
【図5】図4に示すICタグを剥がした状態を示す図
【符号の説明】
1 ICチップ
2 ドーナツ型コイル状銅線
2a 接続端部
2b 接続端部
3 絶縁シート
4 両面接着シート
5 粘着層
6 物品
7 両面接着シート
8 ドーナツ型コイル状銅線
9 ICチップ
10 接着剤
11 絶縁シート
12 物品

Claims (1)

  1. 少なくとも、アンテナとなるドーナツ型コイル状銅線と、ICチップを含む回路部と、前記ドーナツ型コイル状銅線より導出され前記回路部と電気的に接続する導線部と、被着体に貼付する面に剥離紙を備えた両面接着シートと、絶縁シートを備え、回路部をドーナツ内部に配置したドーナツ型コイル状銅線を前記両面接着シートに載置し、回路部周辺上部に接着剤を塗布し、両面接着シートと絶縁シートでドーナツ型コイル状銅線とICチップを含む回路部を挟み込んで成るICタグであって、
    前記絶縁シートと前記ICチップを含む回路部と前記両面接着シートそれぞれの接着力強度は、絶縁シートと回路部との接着力>被着体と両面接着シートとの接着力>両面接着シートと絶縁シートの接着力の関係にあることを特徴とするICタグ。
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