JP2002179862A - 4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物およびその用途 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン系重合体組成物およびその用途

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JP2002179862A JP2000376010A JP2000376010A JP2002179862A JP 2002179862 A JP2002179862 A JP 2002179862A JP 2000376010 A JP2000376010 A JP 2000376010A JP 2000376010 A JP2000376010 A JP 2000376010A JP 2002179862 A JP2002179862 A JP 2002179862A
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pentene
butene
ethylene
film
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JP2000376010A
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Tatsuya Tanizaki
崎 達 也 谷
Mineo Kubo
保 峰 雄 久
Hiromi Shigemoto
本 博 美 重
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明の4-メチル-1- ペンテン系重合体組
成物は、4-メチル-1-ペンテン系重合体(A)20〜5
0重量部と、1-ブテン系重合体10〜40重量部(B)
と、エチレン系重合体(C)20〜50重量部[これら
の合計量は100重量部である]とを溶融混合してな
る。本発明の医療用および食器用フィルムは上記組成物
からなる。また本発明の医療用袋は上記医療用フィルム
からなる。 【効果】上記組成物は、4-メチル-1- ペンテン系重合体
が本来的に有する優れたガス透過性を損なうことなく、
耐熱性、ヒートシール性、柔軟性、機械的強度特性およ
び安全衛生性に優れるフィルム(シートを含む)を成形
できる。上記医療用および食器用フィルムは、ガス透過
性、耐熱性、ヒートシール性、柔軟性、機械的強度特性
および安全衛生性に優れている。この医療用フィルム
は、たとえば血小板保存用袋、細胞保存用袋などに好適
に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、4-メチル-1- ペンテン系
重合体組成物およびその用途に関し、特に、ガス透過
性、ヒートシール性、柔軟性、機械的強度特性、および
安全衛生性に優れるフィルムを成形し得る4-メチル-1-
ペンテン系重合体組成物、およびその用途たとえば血小
板保存用袋、細胞保存用袋などの医療用袋、食器用フィ
ルムに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】4-メチル-1- ペンテン系重合体
は、融点が220〜240℃で熱たわみ温度が高く、ガ
ス透過性も高い等の特徴を有しているので、この特徴を
活かして各種の用途への利用が図られている。ところ
で、血小板保存用袋や細胞保存用袋のような医療用袋
は、現在、塩化ビニル系の材料が主に使用されている。
しかしながら、塩化ビニル系の材料は、ガス透過性が低
いため、血小板や細胞の保存可能な時間が短い。そのた
め、血小板保存用袋や細胞保存用袋の材料として、より
ガス透過性の高い材料が求められている。
【0003】一方、4-メチル-1- ペンテン系重合体は、
ガス透過性は高いが、機械的特性が低く柔軟性に欠け、
また、そのフィルムはヒートシール性に劣るため、ヒー
トシールにより作製したバッグはシールの安定性に欠け
るという問題がある。一般に、ヒートシール性を改良す
る方法として、4-メチル-1- ペンテン系重合体に、低密
度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体等のエ
チレン系樹脂を添加することがよく知られている。しか
しながら、4-メチル-1- ペンテン系重合体に、かかるエ
チレン系樹脂を添加した組成物を用いても、そのフィル
ムのヒートシール性はほとんど改良されず、逆に、その
組成物が分散不良を起こし耐衝撃性が低下するという問
題がある。
【0004】また、4-メチル-1- ペンテン系重合体フィ
ルムのヒートシール性を改良する他の方法として、4-メ
チル-1- ペンテン系重合体に特定のプロピレン・α- オ
レフィン共重合体をブレンドする方法が提案されている
(特開昭60−28442号公報)。しかしながら、こ
の4-メチル-1- ペンテン系重合体と特定のプロピレン・
α- オレフィン共重合体とのブレンド物からなるフィル
ムは、ヒートシール強度が必ずしも十分ではなく、機械
的強度特性の改善効果も顕著ではなかった。
【0005】本願発明者らは、上記のような問題を解決
すべく鋭意研究し、4-メチル-1- ペンテン系重合体に、
1-ブテン系重合体とエチレン系重合体を特定割合で配合
した組成物から、4-メチル-1- ペンテン系重合体が本来
的に有する優れたガス透過性を損なうことなく、ヒート
シール性、柔軟性、機械的強度特性および安全衛生性に
優れるフィルムを成形することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、4-メチル-1- ペ
ンテン系重合体が本来的に有する優れたガス透過性を損
なうことなく、ヒートシール性、柔軟性、機械的強度特
性および安全衛生性に優れるフィルム(シートを含む)
を成形し得る4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物、お
よびその用途たとえば血小板保存用袋、細胞保存用袋な
どの医療用袋、食器用フィルムを提供することを目的と
している。
【0007】
【発明の概要】本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重
合体組成物は、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)2
0〜50重量部と、1-ブテン系重合体(B)10〜40
重量部と、エチレン系重合体(C)20〜50重量部
[成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量は
100重量部である]とを溶融混合してなることを特徴
としている。
【0008】前記4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)
は、通常、4-メチル-1- ペンテン単独重合体、または4-
メチル-1- ペンテン含有量が80〜99.9重量%であ
る、4-メチル-1- ペンテンと炭素原子数が2〜20の4-
メチル-1- ペンテン以外のα- オレフィンとからなる4-
メチル-1- ペンテン・α- オレフィンランダム共重合体
である。
【0009】前記4-メチル-1- ペンテン・α- オレフィ
ンランダム共重合体としては、1-デセン、1-ドデセン、
1-テトラデセン、1-ヘキサデセンおよび1-オクタデセン
から選ばれる少なくとも1種のα- オレフィンと、4-メ
チル-1- ペンテンとのランダム共重合体が好ましい。前
記1-ブテン系重合体(B)は、通常、1-ブテン単独重合
体、または1-ブテン含有量が50〜99.9重量%であ
る、1-ブテンと炭素原子数が2、3、5〜20のα- オ
レフィンとからなる1-ブテン・α- オレフィンランダム
共重合体である。
【0010】前記1-ブテン・α- オレフィンランダム共
重合体としては、エチレンおよび/またはプロピレン
と、1-ブテンとのランダム共重合体が好ましい。前記エ
チレン系重合体(C)は、通常、エチレン単独重合体、
またはエチレン含有量が50〜99.9重量%である、
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとから
なるエチレン・α- オレフィンランダム共重合体であ
る。
【0011】前記エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体としては、エチレン・プロピレンランダム共重合
体またはエチレン・1-ブテンランダム共重合体が好まし
い。上記の、本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合
体組成物は、医療用および食器用フィルムの製造の際に
好適に用いられる。本発明に係る医療用および食器用フ
ィルムは、上記の、本発明に係る4-メチル-1- ペンテン
系重合体組成物からなることを特徴としている。
【0012】本発明に係る医療用袋は、上記の、本発明
に係る医療用フィルムからなることを特徴としている。
医療用袋としては、たとえば血小板保存用袋、細胞保存
用袋などが挙げられる。本明細書中、4-メチル-1- ペン
テン系重合体(A)、1-ブテン系重合体(B)およびエ
チレン系重合体(C)における「重合体」なる用語は、
単独重合体と共重合体の両方を意味するものである。
【0013】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る4-メチル-1-
ペンテン系重合体組成物およびその用途について具体的
に説明する。本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合
体組成物は、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)、1-
ブテン系重合体(B)およびエチレン系重合体(C)と
を溶融混合してなる。まず、これらの成分について説明
する。
【0014】4-メチル-1- ペンテン系重合体(A) 本発明で用いられる4-メチル-1- ペンテン系重合体は、
4-メチル-1- ペンテンから導かれる構成単位含有量(4-
メチル-1- ペンテン含有量)が80重量%以上である、
4-メチル-1- ペンテン単独重合体もしくは4-メチル-1-
ペンテンと他のα- オレフィンとのランダム共重合体で
ある。
【0015】他のα- オレフィンとしては、たとえばエ
チレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテ
ン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサ
デセン、1-オクタデセン、1-エイコセン等の炭素原子数
2〜20のα- オレフィンが挙げられる。中でも、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセンおよび1-エイコセンが好ましい。これら
の他のα- オレフィンは、1種単独、あるいは2種以上
組み合わせて用いられる。
【0016】4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)とし
ては、4-メチル-1- ペンテン含有量が80〜99.9重
量%、すなわち他のα- オレフィン含有量が0.1〜2
0重量%の範囲内にある4-メチル-1- ペンテン・α- オ
レフィンランダム共重合体が、耐熱性に優れた組成物が
得られる点で好ましい。4-メチル-1- ペンテン系重合体
(A)の上記組成は、13C−NMR法により測定するこ
とができる。
【0017】また、4-メチル-1- ペンテン系重合体
(A)のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1
238,荷重5.0kg、温度260℃)は、好ましく
は0.1〜150g/10分、さらに好ましくは1.0
〜100g/10分である。本発明において、MFRが
上記範囲内にある4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)
を用いると、流動性、成形性に優れる4-メチル-1- ペン
テン系重合体組成物が得られ、しかも、この組成物から
ヒートシール性、耐衝撃性に優れるフィルムを成形する
ことができる。
【0018】1-ブテン系重合体(B) 本発明で用いられる1-ブテン系重合体(B)は、1-ブテ
ンから導かれる構成単位含有量(1-ブテン含有量)が5
0重量%以上である、1-ブテン単独重合体もしくは1-ブ
テンと他のα- オレフィンとのランダム共重合体であ
る。他のα- オレフィンとしては、たとえばエチレン、
プロピレン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-テ
トラデセン、1-オクタデセン等の炭素原子数2〜20の
α- オレフィンが挙げられる。中でも、エチレンおよび
プロピレンが好ましい。これらの他のα- オレフィン
は、1種単独、あるいは2種以上組み合わせて用いられ
る。
【0019】1-ブテン系重合体(B)としては、他のα
- オレフィンから導かれる構成単位含有量(他のα- オ
レフィン含有量)が50重量%未満である、1-ブテン単
独重合体および1-ブテン・α- オレフィンランダム共重
合体が、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)との相溶
性の点で、好ましい。中でも、他のα- オレフィン含有
量が40重量%未満である、1-ブテン単独重合体および
1-ブテン・α- オレフィンランダム共重合体が特に好ま
しい。
【0020】1-ブテン系重合体(B)の上記組成は、13
C−NMR法により測定することができる。また、1-ブ
テン系重合体(B)のメルトフローレート(MFR;A
STM D1238、荷重2.16kg、温度190
℃)は、好ましくは0.01〜100g/10分、さら
に好ましくは0.1〜50g/10分である。本発明に
おいて、MFRが上記範囲内にある1-ブテン系重合体
(B)を用いると、4-メチル-1-ペンテン系重合体組成
物中に、1-ブテン系重合体(B)をより均一に分散させ
ることができ、しかも、その組成物からヒートシール性
および耐衝撃性に優れるフィルムを成形することができ
る。
【0021】エチレン系重合体(C) 本発明で用いられるエチレン系重合体(C)は、エチレ
ンから導かれる構成単位含有量(エチレン含有量)が5
0重量%以上である、エチレン単独重合体もしくはエチ
レンと他のα- オレフィンとのランダム共重合体であ
る。他のα- オレフィンとしては、たとえばプロピレ
ン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
テトラデセン、1-オクタデセン等の炭素原子数3〜20
のα- オレフィンが挙げられる。中でも、プロピレンお
よび1-ブテンが好ましい。
【0022】これらの他のα- オレフィンは、1種単
独、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。エチレ
ン系重合体(C)としては、エチレン含有量が50〜8
0重量%、すなわち他のα- オレフィンから導かれる構
成単位含有量(オレフィン含有量)が20〜50重量%
の範囲内にあるエチレン・α- オレフィンランダム共重
合体が、ヒートシール性および引張強度等の機械的強度
特性の改善効果の点で好ましい。中でも、α- オレフィ
ン含有量が25〜40重量%の範囲内にあるエチレン・
α- オレフィンランダム共重合体が特に好ましい。
【0023】エチレン系重合体(C)の上記組成は、13
C−NMR法により測定することができる。また、エチ
レン系重合体(C)のメルトフローレート(MFR;A
STM D1238,荷重2.16kg、温度190
℃)は、好ましくは0.01〜100g/10分、さら
に好ましくは0.1〜50g/10分である。本発明に
おいて、MFRが上記範囲内にあるエチレン系重合体
(C)を用いると、4-メチル-1-ペンテン系重合体組成
物中に、エチレン系重合体(C)と4-メチル-1- ペンテ
ン系重合体(A)をより均一に分散させることができ、
しかも、その組成物からヒートシール性および耐衝撃性
に優れるフィルムを成形することができる。
【0024】4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物 本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物にお
いて、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)、1-ブテン
系重合体(B)およびエチレン系重合体(C)の合計量
100重量部に対して、4-メチル-1- ペンテン系重合体
(A)は、20〜50重量部、好ましくは25〜45重
量部、さらに好ましくは20〜40重量部の割合で用い
られ、1-ブテン系重合体(B)は、10〜40重量部、
好ましくは15〜35重量部、さらに好ましくは20〜
30重量部の割合で用いられ、エチレン系重合体(C)
は、20〜50重量部、好ましくは25〜45重量部、
さらに好ましくは30〜40重量部の割合で用いられ
る。これらの成分を上記のような割合で用いると、4-メ
チル-1- ペンテン系重合体が本来有する、優れた耐熱性
およびガス透過性を保持させることができるとともに、
組成物中の4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)とエチ
レン系重合体(C)の分散性を良好にすることができ
る。
【0025】本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合
体組成物には、必要に応じて、シランカップリング剤、
耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、核剤、顔料、染
料等のポリオレフィンに添加して使用される各種配合剤
を、本発明の目的を損なわない範囲で添加することがで
きる。本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合体組成
物としては、メルトフローレート(MFR;ASTM
D 1238,荷重5.0kg、温度260℃)が0.
1〜150g/10分の範囲内にある組成物が好まし
い。中でも、MFRが1.0〜100g/10分の範囲
にある組成物が特に好ましい。
【0026】本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合
体組成物は、そのMFRが上記範囲内にあると、流動性
が良好で、所望の成形を行なうことがより容易となり、
しかも、ヒートシール性、および耐衝撃性等の機械的強
度特性により優れるフィルムを成形することができる。
4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物の調製 本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物の調
製は、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)、1-ブテン
系重合体(B)、エチレン系重合体(C)、および必要
に応じて添加される各種配合剤を、所定の割合で、種々
公知の方法、たとえばV型ブレンダー、リボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー等で混
合した後、得られた混合物を単軸押出機もしくは複軸押
出機、またはニーダー、バンバリーミキサー等を用いて
溶融混合し、造粒あるいは粉砕する方法に従って行うこ
とができる。この溶融混合は、通常、組成物の温度が2
60〜320℃、好ましくは270〜310℃となる条
件で行なうことができる。
【0027】上記のようにして得られる、本発明に係る
4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物は、成形性に優
れ、耐熱性、ヒートシール性、耐衝撃性等の機械的強度
特性およびガス透過性に優れるフィルムを成形すること
ができる。したがって、この組成物は、ガス透過性が高
いことが要求される各種の医療用あるいは食器用フィル
ムとして好適である。
【0028】医療用および食器用フィルム 本発明に係る医療用および食器用フィルム(シートを含
む)は、上記のような、本発明に係る4-メチル-1- ペン
テン系重合体組成物からなる。これらのフィルムのメル
トフローレート(ASTM D 1238,荷重5kg、
温度260℃)は、好ましくは0.1〜200g/10
分、さらに好ましくは1.0〜150g/10分であ
る。
【0029】本発明に係る医療用および食器用フィルム
は、4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物から、たとえ
ば押出成形法により調製することができる。上記のよう
にして調製される、本発明に係る医療用フィルムは、た
とえばヒートシール性、柔軟性および機械的強度特性を
必要とする血小板保存用袋、細胞保存用袋などの用途に
好適に利用することができる。
【0030】また、上記のようにして調製される食器用
フィルムは、たとえば青果物保存用袋などの用途に好適
に利用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重
合体組成物は、4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)
に、1-ブテン系重合体(B)とエチレン系重合体(C)
を特定割合で含有している溶融混合物であるので、4-メ
チル-1- ペンテン系重合体が本来的に有する優れたガス
透過性を損なうことなく、耐熱性、ヒートシール性、柔
軟性、機械的強度特性および安全衛生性に優れるフィル
ム(シートを含む)を成形することができる。
【0032】したがって、本発明に係る4-メチル-1- ペ
ンテン系重合体組成物は、押出成形法により上記の優れ
た特性を持つ各種のフィルムを製造するのに好適な材料
である。たとえば、ガス透過性が高いことが要求される
各種の医療用あるいは食器用フィルムに好適である。本
発明に係る医療用および食器用フィルムは、上記の、本
発明に係る4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物からな
るので、ガス透過性、耐熱性、ヒートシール性、柔軟
性、機械的強度特性および安全衛生性に優れている。
【0033】本発明に係る医療用フィルムは、たとえば
ヒートシール性、柔軟性および機械的強度特性を必要と
する血小板保存用袋、細胞保存用袋などに好適に利用す
ることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例により何ら限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例で行なったフィルム物性
(MFR、引張特性、ヒートシール性、ガス透過性)の
測定は、下記の方法に従って行なった。 (1)MFR フィルムのMFRは、ASTM D 1238に準拠し
て、荷重5kg、温度260℃の条件で測定した。 (2)引張特性 フィルムから試験片を切り出し、下記の条件で引張試験
を行ない、引張破断強度、初期弾性率および引張破断伸
びを測定した。
【0035】<試験条件> 試験片形状:ASTM タイプIV 試験速度:200mm/分 チャック間距離:64mm 試験温度:23℃ 試験回数(n):5 (3)ヒートシール性 フィルムを2枚重ね合わせ、ヒートシール用バーを用い
てシール温度280℃、シール時間4秒の条件でヒート
シールを行なった。次に、ヒートシール部分のT字型剥
離試験を下記の条件で行ない、ヒートシール強度を測定
した。
【0036】<剥離試験条件> 試験速度:300mm/分 チャック間距離:64mm 試験温度:23℃ 試験回数(n):5 (4)ガス透過性 フィルムを、1/10の面積にマスキングし、酸素濃度
が4.95%のガスを使用した以外は、JIS K71
26に準じて、酸素透過係数を測定し、この係数をガス
透過性の指標とした。
【0037】
【実施例1】4-メチル-1- ペンテン・1-オクタデセンラ
ンダム共重合体粉末[1-オクタデセン含有量:6.0重
量%、MFR(ASTM D 1238,260℃、荷重 5.0kg):
5.0g/10分]30重量部、1-ブテン・プロピレン
ランダム共重合体[プロピレン含有量:5重量%、MF
R(ASTM D 1238,190℃、荷重2.16kg):0.2g/1
0分]30重量部、およびエチレン・1-ブテンランダム
共重合体[1-ブテン含有量:20重量%、MFR(ASTM
D 1238,190℃、荷重2.16kg):3.6g/10分]4
0重量部に、さらに安定剤としてトリス(2,4-ジ-t- ブ
チルフェニル)フォスファイト[チバスペシャルティー
ケミカルズ(株)製、商品名 イルガフォス(Irga
fos)168]0.07重量部、テトラキス〔メチレ
ン-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕メタン[チバスペシャルティーケミカルズ
(株)製、商品名 イルガノックス(Irganox)
1010]0.12重量部、およびステアリン酸カルシ
ウム[三共有機合成(株)製、商品名 ステアリン酸カ
ルシウム]0.03重量部を配合し、ヘンシェルミキサ
ーを用いて高速で1分間混合した。
【0038】次いで、得られた混合物を、二軸押出機
(設定温度:280℃、65mmφ)を用いて、280
℃で溶融混練し組成物を得た。この組成物のMFR(A
STMD 1238,荷重5.0kg、温度260℃)
は、22g/10分であった。次いで、この組成物をT
−ダイ(設定温度:280℃)から押出し、60℃の成
形ロールで冷却して、厚さ300μmのフィルムを調製
した。
【0039】このフィルムについて、MFR、引張特
性、ヒートシール性およびガス透過性を上記方法に従っ
て測定した。その結果を第1表に示す。
【0040】
【実施例2】実施例1において、4-メチル-1- ペンテン
・1-オクタデセンランダム共重合体粉末の配合量を40
重量部、1-ブテン・プロピレンランダム共重合体の配合
量を20重量部、かつ、エチレン・1-ブテンランダム共
重合体の配合量を40重量部に変更した以外は、実施例
1と同様にして組成物を調製し、さらに厚さ300μm
のフィルムを調製した。
【0041】得られた組成物のMFR(ASTM D 1
238,荷重5.0kg、温度260℃)は、28g/
10分であった。このフィルムについて、MFR、引張
特性、ヒートシール性およびガス透過性を上記方法に従
って測定した。その結果を第1表に示す。
【0042】
【比較例1】実施例1において、4-メチル-1- ペンテン
・1-オクタデセンランダム共重合体粉末の配合量を10
0重量部に変更し、1-ブテン・プロピレンランダム共重
合体およびエチレン・1-ブテンランダム共重合体を用い
なかった以外は、実施例1と同様にして組成物を調製
し、さらに厚さ300μmのフィルムを調製した。
【0043】得られた組成物のMFR(ASTM D 1
238,荷重5.0kg、温度260℃)は、40g/
10分であった。このフィルムについて、MFR、引張
特性、ヒートシール性およびガス透過性を上記方法に従
って測定した。その結果を第1表に示す。
【0044】
【比較例2】実施例1において、4-メチル-1- ペンテン
・1-オクタデセンランダム共重合体粉末の配合量を10
重量部、1-ブテン・プロピレンランダム共重合体の配合
量を50重量部、かつ、エチレン・1-ブテンランダム共
重合体の配合量を40重量部に変更した以外は、実施例
1と同様にして組成物を調製し、さらに厚さ300μm
のフィルムを調製した。
【0045】得られた組成物のMFR(ASTM D 1
238,荷重5.0kg、温度260℃)は、12g/
10分であった。このフィルムについて、MFR、引張
特性、ヒートシール性およびガス透過性を上記方法に従
って測定した。その結果を第1表に示す。
【0046】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/04 A61J 1/00 331A (72)発明者 重 本 博 美 山口県玖珂郡和木町和木6−1−2 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 3E086 AA23 AB01 AD01 BA02 BA15 BB01 CA15 CA40 4C081 AC11 AC14 BB02 CA021 CC01 DA02 EA05 4F071 AA15 AA15X AA20X AA21 AA21X AH04 AH19 BB06 BC01 4J002 BB05Y BB15Y BB17W BB17X GB01 GG01 GG02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)20
    〜50重量部と、 1-ブテン系重合体(B)10〜40重量部と、 エチレン系重合体(C)20〜50重量部 [成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量は
    100重量部である]とを溶融混合してなることを特徴
    とする4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物。
  2. 【請求項2】前記4-メチル-1- ペンテン系重合体(A)
    が、4-メチル-1- ペンテン単独重合体、または4-メチル
    -1- ペンテン含有量が80〜99.9重量%である、4-
    メチル-1- ペンテンと炭素原子数が2〜20の4-メチル
    -1- ペンテン以外のα- オレフィンとからなる4-メチル
    -1- ペンテン・α- オレフィンランダム共重合体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の4-メチル-1- ペンテ
    ン系重合体組成物。
  3. 【請求項3】前記4-メチル-1- ペンテン・α- オレフィ
    ンランダム共重合体が、1-デセン、1-ドデセン、1-テト
    ラデセン、1-ヘキサデセンおよび1-オクタデセンから選
    ばれる少なくとも1種のα- オレフィンと、4-メチル-1
    - ペンテンとのランダム共重合体であることを特徴とす
    る請求項2に記載の4-メチル-1- ペンテン系重合体組成
    物。
  4. 【請求項4】前記1-ブテン系重合体(B)が、1-ブテン
    単独重合体、または1-ブテン含有量が50〜99.9重
    量%である1-ブテンと炭素原子数が2、3、5〜20の
    α-オレフィンとからなる1-ブテン・α- オレフィンラ
    ンダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載
    の4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物。
  5. 【請求項5】前記1-ブテン・α- オレフィンランダム共
    重合体が、エチレンおよび/またはプロピレンと、1-ブ
    テンとのランダム共重合体であることを特徴とする請求
    項4に記載の4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物。
  6. 【請求項6】前記エチレン系重合体(C)が、エチレン
    単独重合体、またはエチレン含有量が50〜99.9重
    量%である、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレ
    フィンとからなるエチレン・α- オレフィンランダム共
    重合体であることを特徴とする請求項1に記載の4-メチ
    ル-1- ペンテン系重合体組成物。
  7. 【請求項7】前記エチレン・α- オレフィンランダム共
    重合体が、エチレン・プロピレンランダム共重合体また
    はエチレン・1-ブテンランダム共重合体であることを特
    徴とする請求項6に記載の4-メチル-1- ペンテン系重合
    体組成物。
  8. 【請求項8】医療用または食器用フィルムの製造の際に
    用いられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに
    記載の4-メチル-1- ペンテン系重合体組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の4-メチル
    -1- ペンテン系重合体組成物からなることを特徴とする
    医療用フィルム。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の医療用フィルムからな
    ることを特徴とする医療用袋。
  11. 【請求項11】前記医療用袋が、血小板保存用袋または
    細胞保存用袋であることを特徴とする請求項10に記載
    の医療用袋。
  12. 【請求項12】請求項1〜7のいずれかに記載の4-メチ
    ル-1- ペンテン系重合体組成物からなることを特徴とす
    る食器用フィルム。
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