JP2002179732A - 水溶性樹脂および該樹脂を用いた組成物 - Google Patents

水溶性樹脂および該樹脂を用いた組成物

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JP2002179732A JP2000375128A JP2000375128A JP2002179732A JP 2002179732 A JP2002179732 A JP 2002179732A JP 2000375128 A JP2000375128 A JP 2000375128A JP 2000375128 A JP2000375128 A JP 2000375128A JP 2002179732 A JP2002179732 A JP 2002179732A
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soluble
resin
soluble resin
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English (en)
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Satoru Fujii
悟 藤井
Tetsuya Hosomi
細見  哲也
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Nagase Kasei Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水溶液としたときに安定性があり、低粘度で
取扱いやすく、かつ重合したときに十分な硬度を有する
塗膜を形成できる水溶性樹脂およびこれを用いる水溶性
硬化性樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 1分子中にエポキシ基および重合性基を
それぞれ1個またはそれ以上有する化合物と(メタ)ア
クリル酸とを反応させて得られるエステル化合物と、無
水多価カルボン酸との反応物を中和して水溶性樹脂を
得、これに重合開始剤を配合して水溶性硬化性樹脂組成
物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線あるいは紫
外線等の活性エネルギー線照射により、または常温ある
いは加熱によって硬化可能な水溶性樹脂、特に、酸無水
物変性エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、およびこの
水溶性樹脂を含有する水溶性硬化性樹脂組成物、特に水
溶性光硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】なお、本明細書においては、「(メタ)ア
クリル酸」とは、アクリル酸および/またはメタクリル
酸を表し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート
および/またはメタクリレートを表す。
【0003】
【従来の技術】近年、各種産業分野で使用する有機溶剤
や有機洗浄剤が大気中に放出されることにより、地球規
模の環境汚染、特に大気汚染が進み、生物への影響が懸
念されている。そのため、有機溶剤の使用を極力さける
試みがなされている。例えば、塗料、インキまたは接着
剤等の各種の用途に使用する化合物または樹脂に、水溶
性ないし水分散性を与える試み、すなわち水性化の試み
がなされている。
【0004】水に難溶または不溶性の化合物あるいは樹
脂(以下、単に「水不溶性樹脂等」という)の水性化手
段として、水不溶性樹脂等を、乳化剤を用いて乳化する
方法あるいは水不溶性樹脂等に親水性基を導入する方法
がある。
【0005】しかし、乳化方法は、乳化液の安定性が不
十分であるため、保管中に樹脂が沈降する、塗膜にした
際に乳化剤のブリードが起こる等の、種々の問題を有し
ている。
【0006】他方、特開平5−140251号公報、特
開平8−3275号公報あるいは特開平6−16751
号公報には、水不溶性樹脂等に親水性基を導入すること
により、水溶性樹脂とする試みが記載されている。例え
ば、特開平5−140251号公報には、エポキシ(メ
タ)アクリレート樹脂に飽和または不飽和多塩基酸無水
物を反応させて親水性基を導入し、得られる酸ペンダン
ト型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂のカルボキシル
基の一部を有機アミンまたはアンモニア水で中和するこ
とにより、水溶性のエポキシ(メタ)アクリレート化合
物を製造することが記載されている。
【0007】しかし、この方法では、実施例として示さ
れている芳香族系エポキシアクリレート樹脂を酸無水物
で変性させる方法では、水溶液中でのこの樹脂の安定性
に問題があるばかりではなく、得られる水溶性樹脂溶液
が高粘度となるため取扱いにくいという問題がある。従
って、得られる水溶性樹脂は、その用途が限定される場
合が多く、例えば、ソルダーレジストのような用途では
使用可能であっても、水性塗料、インクのような用途に
対しては実質上、使用できないという問題がある。さら
に、この方法では、芳香族以外のポリエポキシ化合物を
原料として用いた場合には、架橋点間距離が長くなるた
めに塗膜の硬度が上がらないという問題がある。
【0008】特開平8−3275号公報は、親水性基を
導入する別の方法として、多価カルボン酸、特定の構造
を有するエポキシ樹脂および(メタ)アクリル酸を特定
の割合で反応させる方法を記載している。この方法は、
得られる水溶性樹脂を有機アミンなどで中和する必要が
ないため乾燥時に臭気が発生することもないという利点
はある。しかし、この方法では、使用できるエポキシ化
合物の構造が限定されているために汎用性がない。ま
た、この方法は、イオン性を付与せずに水溶性を発現さ
せようとしているため、オキシエチレン鎖の導入が不可
欠となるが、このオキシエチレン基導入により樹脂の性
能が劣化するという問題がある。
【0009】また、特開平6−16751号公報には、
多価アルカンアルコールとエピクロルヒドリンとの反応
によって得られるポリグリシジルエーテルなどの、一分
子中にエポキシ基を2個以上有する分子量が300以上
の脂肪族ポリエポキシエーテエル化合物と(メタ)アク
リル酸とを反応させて得られるエステル化合物と、無水
多価カルボン酸との反応物を中和して、水溶性光硬化性
樹脂を得る方法が記載されている。しかし、この方法で
得られる樹脂は、安定性が悪い、粘度が高い、取り扱い
にくい等の問題がある。さらに、このポリオキシエーテ
ル化合物を用いて得られる樹脂は、架橋点間距離が長く
なるために塗膜にしたとき塗膜の硬度が上がらないとい
う問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、水溶液とした
ときに安定性があり、低粘度で取扱いやすく、かつ重合
したときに十分な硬度を有する塗膜を形成できる水溶性
樹脂が望まれている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、低粘度で
水溶液中の安定性に優れ、さらに塗膜にした時の密着
性、硬度に優れる水溶性樹脂を製造すべく鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は、1分子中にエポキシ
基および重合性基をそれぞれ1個またはそれ以上有する
化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエ
ステル化合物と、無水多価カルボン酸との反応物を中和
して得られる水溶性樹脂に関する。
【0013】好ましい実施態様においては、前記水溶性
樹脂が下記一般式(1)で示される酸無水物変性エポキ
シ(メタ)アクリレート系樹脂である:
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R、Rは、水素またはメチル
基を示し、Xはナトリウム、カリウム、有機アミンまた
はアンモニウムを示し、Zは酸無水物残基を示す。)。
【0016】また、本発明は、前記水溶性樹脂および重
合開始剤を含有する、水溶性硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0017】さらに、本発明は、(A)前記水溶性樹
脂、(B)水および/または水溶性溶剤、(C)光重合
性モノマー、および(D)光重合開始剤を含有する、水
溶性光硬化性樹脂組成物に関する。
【0018】また、本発明は(A)前記水溶性樹脂、
(B)水および/または水溶性溶剤、(C)光重合性モ
ノマー、(D)光重合開始剤、および(E)着色剤を含
有する、水性光硬化性塗料組成物または水性光硬化性イ
ンク組成物に関する。
【0019】さらに、本発明は、1分子中にエポキシ基
および光重合性基をそれぞれ1個またはそれ以上有する
化合物と(メタ)アクリル酸とを反応させてエステル化
合物を得る工程、および該得られたエステル化合物と無
水多価カルボン酸とを反応させる工程を含む、水溶性樹
脂の製造方法に関する。
【0020】本発明により得られる水溶性樹脂およびこ
の樹脂を含有する樹脂組成物は、紙用コーティング剤、
金属あるいは木工用塗料、印刷インキ、接着剤またはレ
ジスト等の各種産業分野において有用である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水溶性樹脂は、1分子中にエポキシ基および重
合性基をそれぞれ1個またはそれ以上有する化合物(以
下、「原料化合物」ということがある)と(メタ)アク
リル酸とを反応させて得られるエステル化合物と、無水
多価カルボン酸との反応物を中和して得られる。
【0022】原料化合物としては、特に制限はないが、
樹脂の溶解性、安定性、粘度、得られる膜の硬度に関連
する架橋点間距離などを考慮すると分子量は小さいほど
好ましい。原料化合物の好ましい分子量は300未満で
あり、分子量200以下がより好ましく、分子量150
以下がさらに好ましい。このような化合物の中でも、1
分子中にエポキシ基および重合性基をそれぞれ1個有す
る化合物を用いることが好ましい。例えば、グリシジル
(メタ)アクリレート、2−グリシジルオキシエチルメ
タクリレート、4−グリシジルオキシブチルアクリレー
トなどが挙げられる。中でもグリシジルメタクリレート
が、生じる樹脂の溶解性、安定性、硬度の点から好まし
い。
【0023】この原料化合物と(メタ)アクリル酸とを
反応させ、エステル化合物を生成させる。原料化合物と
(メタ)アクリル酸とは、原料化合物のエポキシ基1モ
ルに対して(メタ)アクリル酸のカルボキシル基が0.
9〜1.1モルとなるように反応させることが好まし
い。(メタ)アクリル酸のカルボキシル基がエポキシ基
1モルに対して0.9モル未満の場合には、最終製品で
ある水溶性樹脂中に未反応のエポキシ基が多く残存し、
製品の安定性が悪くなる傾向にある。また、(メタ)ア
クリル酸のカルボキシル基がエポキシ基に対して1.1
モルを超える場合には、最終製品である水溶性樹脂中に
未反応の(メタ)アクリル酸が多く残存し、塗膜にした
ときの諸物性が悪くなる傾向にある。
【0024】得られたエステル化合物は、そのまま、次
の無水多価カルボン酸との反応に使用してもよく、必要
に応じて、エステル化合物を単離してから、無水多価カ
ルボン酸との反応に用いてもよい。
【0025】得られたエステル化合物中には、エポキシ
基に由来する水酸基が生成しており、この水酸基と無水
多価カルボン酸(以下、「酸無水物」ということがあ
る)とを反応させる。反応系における水酸基と酸無水物
とは水酸基1モルに対して、酸無水物が0.1〜1モル
であることが好ましい。酸無水物が0.1モル未満の場
合には、水溶性が低下し水溶液の安定性が低下する傾向
にある。酸無水物が1モルを超えると、未反応の酸無水
物が多く残存し、塗膜にしたときの諸物性が悪くなる傾
向にある。
【0026】無水多価カルボン酸としては、無水コハク
酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等が挙げられ
る。中でも、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸
が好ましい。
【0027】得られた酸無水物が付加したエステル化合
物を中和することにより、最終製品である水溶性樹脂が
得られる。
【0028】中和は、当業者が通常用いる方法で行われ
る。例えば、NaOH、KOHなどのアルカリ金属水酸
化物、トリエチルアミン、トリメチルアミンなどの有機
アミン、アンモニウムなどを、酸無水物が付加したエス
テル化合物のカルボキシル基と当モルとなるように添加
して(加熱)攪拌することにより行われる。この中和に
より水溶性樹脂が得られる。
【0029】得られる水溶性樹脂の中でも好適な樹脂
は、グリシジル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリ
ル酸を反応させて得られる、以下の一般式(1)で示さ
れる酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート系樹脂
である。
【0030】
【化3】
【0031】式中、R、Rは水素またはメチル基で
あり、Xはナトリウム、カリウム、有機アミンまたはア
ンモニウムであり、Zは酸無水物残基であるが、Zは無
水コハク酸の残基であるものが好ましい。
【0032】本発明の好ましい製造方法の一例を、上記
一般式(1)で示される化合物の合成を例に説明する。
【0033】攪拌機、温度計を備えた反応器に、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、およ
び反応を円滑に行うための触媒を仕込み、または必要に
応じて反応溶媒および/あるいは(メタ)アクロイル基
のラジカル重合を抑制するための重合防止剤を仕込み、
所定時間加熱する。反応終了後、所定量の酸無水物を添
加し、所定時間加熱攪拌することにより、目的樹脂を得
ることができる。
【0034】反応溶媒としては、水、メチルエチルケト
ンおよびメチルイソブチルケトン等のケトン類、並びに
トルエンおよびキシレン等の芳香族化合物等があげられ
る。
【0035】触媒としては、トリエチルアミンおよび
N,N−ジメチルベンジルアミン等の3級アミン、ジメ
チルアミン塩酸塩等の1,2級アミン、テトラブチルア
ンモニウムブロマイド等の各種4級アンモニウム塩、並
びにトリフェニルホスフィン等の各種含リン化合物等が
あげられる。
【0036】重合防止剤としては、ハイドロキノン、ハ
イドロキノンモノメチルエーテルおよびフェノチアジン
等があげられる。
【0037】反応温度としては、60〜140℃が好ま
しい。反応温度が60℃に満たない場合は反応が遅くな
り、140℃を超える場合は反応系が不安定になること
があったり、不純物が生成したり、ゲル化する場合があ
る。
【0038】得られた水溶性樹脂に重合開始剤を配合す
ることにより、水溶性硬化性樹脂組成物が得られる。本
発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂組成物あるいは光硬
化性樹脂組成物として用いられ、それぞれに適した重合
開始剤が用いられる。
【0039】重合開始剤としては、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインアル
キルエーテル類;2,2−ジエトキシアセトフェノン、
ベンゾフェノン、クロロアセトフェノン類、2−ヒドロ
キシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノ
ン類;2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチ
オキサントン等のキサントン類;クロロアントラキノ
ン、エチルアントラキノン等のアントラキノン類;ジメ
チルベンジルケタール等のケタール類などが挙げられ
る。
【0040】さらに、(A)水溶性樹脂に、(B)水お
よび/または水溶性溶剤、(C)光重合性モノマー、お
よび(D)光重合開始剤を配合すると水溶性光硬化性樹
脂組成物が得られる。(D)光重合開始剤は、上記の通
りである。(B)の水および/または水溶性溶剤として
は、水;メタノール、エタノール等のアルコール類;エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類が挙
げられる。これらは単独で、または2種以上組合せて用
いられる。
【0041】(C)の光重合性モノマーとしては、多価
アルコールと(メタ)アクリル酸との反応から得られる
(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。具体的に
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポ
リ(メタ)アクリレート、グリセロールポリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリ
レート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ
る。
【0042】水溶性光硬化性樹脂は、(A)水溶性樹脂
100重量部に対して、(B)水および/または水溶性
溶剤は、10〜1000重量部、好ましくは50〜50
0重量部、(C)光重合性モノマーは、0〜100重量
部、好ましくは30〜60重量部、(D)光重合開始剤
は、1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部がそれ
ぞれ配合されて、得られる。
【0043】さらに、上記水溶性光硬化性樹脂組成物に
(E)着色剤を含有させることにより、水性光硬化性塗
料組成物または水性光硬化性インク組成物が得られる。
(E)着色剤は、上記水溶性光硬化性樹脂組成物の水溶
性樹脂100重量部に対して10〜200重量部、好ま
しくは20〜100重量部配合される
【0044】着色剤としては、顔料および染料のいずれ
もが用いられる。顔料あるいは染料は分散体として用い
てもよい。
【0045】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をより具体的に説明する。
【0046】実施例1:樹脂1の調製 攪拌機、温度計を備えた反応器にグリシジルメタクリレ
ート142.0g、アクリル酸72.0g、触媒として
テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.
6g、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエー
テル(MEHQ)0.4gを仕込み、70〜80℃で酸
価が2mgKOH/g以下になるまで攪拌を続けた。目
的酸価に達するのに10時間を要した。反応終了後無水
コハク酸100.0gを仕込み70〜80℃で5時間反
応を行った後、常温まで冷却して40重量%NaOH溶
液を100g加えて中和し、水溶液とすることにより、
目的樹脂(樹脂1)を得た。酸無水物の消失はIRスペ
クトルで確認した。
【0047】実施例2:樹脂2の調製 攪拌機、温度計を備えた反応器にグリシジルメタクリレ
ート142.0g、メタクリル酸156.0g、触媒と
してテトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)
0.6g、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチル
エーテル(MEHQ)0.4gを仕込み、70〜80℃
で酸価が2mgKOH/g以下になるまで攪拌を続け
た。目的酸価に達するのに10時間を要した。反応終了
後無水コハク酸100.0gを仕込み70〜80℃で5
時間反応を行った後、常温まで冷却して40重量%Na
OH溶液を100g加えて中和し、水溶液とすることに
より、目的樹脂(樹脂2)を得た。酸無水物の消失はI
Rスペクトルで確認した。
【0048】実施例3:樹脂3の調製 攪拌機、温度計を備えた反応器にグリシジルアクリレー
ト128.0g、アクリル酸72.0g、触媒としてテ
トラメチルアンモニウムクロライド(TMAC)0.6
g、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテ
ル(MEHQ)0.4gを仕込み、70〜80℃で酸価
が2mgKOH/g以下になるまで攪拌を続けた。目的
酸価に達するのに10時間を要した。反応終了後無水コ
ハク酸100.0gを仕込み70〜80℃で5時間反応
を行った後、常温まで冷却して40重量%NaOH溶液
を100g加えて中和し、水溶液とすることにより、目
的樹脂(樹脂3)を得た。酸無水物の消失はIRスペク
トルで確認した。
【0049】比較例1:樹脂4の調製 攪拌機、温度計を備えた反応器に多価エポキシ化合物と
してエチレングリコールジグリシジルエーテル(デナコ
ールEX−811 ナガセ化成工業製、エポキシ当量1
32WPE)132.0g、アクリル酸72.0g、触
媒としてテトラメチルアンモニウムクロライド(TMA
C)0.6g、重合禁止剤としてハイドロキノンモノメ
チルエーテル(MEHQ)0.4gを仕込み、70〜8
0℃で酸価が2mgKOH/g以下になるまで攪拌を続
けた。目的酸価に達するのに10時間を要した。反応終
了後無水コハク酸100.0gを仕込み70〜80℃で
5時間反応を行った後、常温まで冷却して40重量%N
aOH溶液を100g加えて中和し、水溶液とすること
により、目的樹脂(樹脂4)を得た。酸無水物の消失は
IRスペクトルで確認した。
【0050】比較例2:樹脂5の調製 攪拌機、温度計を備えた反応器にグリセロールポリグリ
シジルエーテル(ナガセ化成工業製、デナコールEX−
314、エポキシ当量145WPE)145.0g、ア
クリル酸72.0g、触媒としてテトラメチルアンモニ
ウムクロライド(TMAC)0.6g、重合禁止剤とし
てハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)0.
4gを仕込み、70〜80℃で酸価が2mgKOH/g
以下になるまで攪拌を続けた。目的酸価に達するのに1
0時間を要した。反応終了後無水コハク酸100.0g
を仕込み70〜80℃で5時間反応を行った後、常温ま
で冷却して40重量%NaOH溶液を100g加えて中
和し、水溶液とすることにより、目的樹脂(樹脂5)を
得た。酸無水物の消失はIRスペクトルで確認した。
【0051】実施例4 実施例として樹脂1〜3、および比較例として樹脂4〜
5の、それぞれの樹脂について、水溶性、粘度、安定性
を評価した。評価は以下のように行った。表1に結果を
示す。 (1)水溶性 水溶性樹脂と蒸留水を10:90、50:50、90:
10(重量比)の割合で室温において攪拌混合した後静
置し、目視で溶解性を観察し、以下の基準で、表1に示
した。 ○:任意の割合で溶解した。 △:濁った。 ×:二層に分離した。
【0052】(2)粘度 粘度は、樹脂/水=50/50の樹脂濃度の水溶液を、
25℃にて、B型粘度計を用いて測定した。
【0053】(3)安定性 (1)で得られた水溶性樹脂の水溶液を40℃で2週間
静置し、液の状態を目視で観察し、以下の基準で評価し
た。 ○:透明を維持している。 △:濁った。 ×:二層に分離した。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果は、本発明の水溶性樹脂は、水
溶性に富み、水溶液にしたときの粘度が低く、安定性が
あることを示している。これに対して、脂肪族ポリグリ
シジルエーテルを原料として合成した水溶性樹脂は、非
常に粘度が高く、取扱いにくいことが示された。
【0056】実施例5 実施例として樹脂1〜3、および比較例として樹脂4〜
5の、それぞれの樹脂から得られる塗膜の密着性と硬度
について以下のように評価した。結果を表2に示す。 (1)密着性 水溶性樹脂100重量部に対して、2重量部の割合で光
重合開始剤のイルガキュア(チバガイギー製)を添加混
合した。得られた組成物を、鋼板上に膜厚10μmで塗
布し、80W/cm集光型高圧水銀灯を使用して、コン
ベアスピード10m/minの条件で、水銀灯を繰り返
し通過させることにより硬化させ、1mm間隔で碁盤目
状の切り込みを入れ、JISK−5400に従いクロス
カットセロテープ(登録商標)剥離試験を行った。10
0個のピースについて剥離の有無を観察し、以下の基準
で評価し、表2に示した。 ○:100個とも剥離せず残った。 △:20〜99個が剥離せず残った。 ×:0〜19個が剥離せず残った。
【0057】(2)硬度 水溶性樹脂100重量部に対して、2重量部の割合で光
重合開始剤のイルガキュア(チバガイギー製)を添加混
合した。得られた組成物を、鋼板上に膜厚10μmで塗
布し、80W/cm集光型高圧水銀灯を使用して、コン
ベアスピード10m/minの条件で、水銀灯を繰り返
し通過させることにより硬化させ、鉛筆硬度計で表面硬
度を測定した。
【0058】
【表2】
【0059】表2の結果は、本発明の水溶性樹脂から、
密着性に優れた、硬度に優れた塗膜が得られることを示
している。これに対して、脂肪族ポリグリシジルエーテ
ルを原料として合成した水溶性樹脂から得られる塗膜
は、密着性はあるものの、膜自体の硬度が低いことが示
された。
【0060】実施例6 実施例として樹脂1〜3、および比較例として樹脂4〜
5の、それぞれの樹脂を用いて、以下の組成の水溶性光
硬化性樹脂組成物を調製し、密着性と硬度について以下
のように評価した。結果を表3に示す。組成 (A)水溶性樹脂 50部 (B)水 30部 (C)エチレングリコールジアクリレート 20部 (D)イルガキュア 2部
【0061】評価 (1)密着性 得られた水溶性光硬化性樹脂組成物を、鋼板上に膜厚1
0μmで塗布し、80W/cm集光型高圧水銀灯を使用
して、コンベアスピード10m/minの条件で、水銀
灯を繰り返し通過させることにより硬化させ、1mm間
隔で碁盤目状の切り込みを入れ、JISK−5400に
従いクロスカットセロテープ剥離試験を行った。100
個のピースについて剥離の有無を観察し、以下の基準で
評価し、表3に示した。 ○:100個とも剥離せず残った。 △:20〜99個が剥離せず残った。 ×:0〜19個が剥離せず残った。
【0062】(2)表面硬度 得られた水溶性光硬化性樹脂組成物を、鋼板上に膜厚1
0μmで塗布し、80W/cm集光型高圧水銀灯を使用
して、コンベアスピード10m/minの条件で、水銀
灯を繰り返し通過させることにより硬化させた。この塗
膜の表面硬度を鉛筆硬度計にて測定した。
【0063】
【表3】
【0064】この表3の結果は、本発明で得られる水溶
性樹脂を用いる水溶性光硬化性樹脂組成物は、密着性お
よび硬度に優れることを示している。これに対して、脂
肪族ポリグリシジルエーテルを原料として合成した水溶
性樹脂を用いる水溶性光硬化性樹脂組成物は、得られる
塗膜の密着性、硬度ともに低いことが示された。
【0065】
【発明の効果】1分子中にエポキシ基および重合性基を
それぞれ1個またはそれ以上有する化合物と(メタ)ア
クリル酸とを反応させて得られるエステル化合物と、無
水多価カルボン酸との反応物を中和して得られる水溶性
樹脂は、脂肪族ポリグリシジルエーテルを原料として合
成した水溶性樹脂と比べて、水溶液としたときに安定性
があり、低粘度で取扱いやすく、かつ重合したときに十
分な硬度を有する塗膜を形成できる。本発明の水溶性樹
脂を用いて得られる光硬化性樹脂構成物も従来の樹脂と
比べて、密着性および硬度に優れた膜を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 163/00 C09D 163/00 // C09D 4/06 4/06 Fターム(参考) 4J011 QA03 QA12 QA13 QA17 QA22 QA23 QA24 QA34 QA48 QB16 SA13 SA16 SA17 SA19 SA22 SA34 SA53 SA54 SA58 SA61 SA63 SA64 UA01 VA01 WA02 WA05 4J038 CG141 CH151 CH171 FA122 FA152 GA02 GA07 HA156 KA03 KA06 KA08 MA08 NA11 NA12 NA25 PA17 PC02 PC06 PC10 4J039 AD10 AD21 AE05 AF07 BA12 BC07 BC14 BE12 BE27 CA03 EA05 EA43 EA44 EA48 4J100 AL09Q AL66P AL66Q AL67Q BA08Q BA15P BA17P CA01 CA04 DA38 FA03 JA01 JA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子中にエポキシ基および重合性基を
    それぞれ1個またはそれ以上有する化合物と(メタ)ア
    クリル酸とを反応させて得られるエステル化合物と、無
    水多価カルボン酸との反応物を中和して得られる水溶性
    樹脂。
  2. 【請求項2】 前記水溶性樹脂が下記一般式(1)で示
    される酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート系樹
    脂である、請求項1に記載の水溶性樹脂: 【化1】 (式中、R、Rは水素またはメチル基を示し、Xは
    ナトリウム、カリウム、有機アミンまたはアンモニウム
    を示し、Zは酸無水物残基を示す。)。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水溶性樹脂お
    よび重合開始剤を含有する、水溶性硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)請求項1または2に記載の水溶性
    樹脂、(B)水および/または水溶性溶剤、(C)光重
    合性モノマー、および(D)光重合開始剤を含有する、
    水溶性光硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)請求項1または2に記載の水溶性
    樹脂、(B)水および/または水溶性溶剤、(C)光重
    合性モノマー、(D)光重合開始剤、および(E)着色
    剤を含有する、水性光硬化性塗料組成物または水性光硬
    化性インク組成物。
  6. 【請求項6】 1分子中にエポキシ基および重合性基を
    それぞれ1個またはそれ以上有する化合物と(メタ)ア
    クリル酸とを反応させてエステル化合物を得る工程、お
    よび該得られたエステル化合物と無水多価カルボン酸と
    を反応させる工程を含む、水溶性樹脂の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114882958A (zh) * 2022-05-16 2022-08-09 天津大学 全面反映交联的酸酐固化环氧树脂分子动力学模拟方法

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