JP2002179588A - チオレドキシンファミリーに属するポリペプチド類を含む炎症予防乃至治療剤 - Google Patents
チオレドキシンファミリーに属するポリペプチド類を含む炎症予防乃至治療剤Info
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Abstract
乃至治療に有効な新規な物質を提供することにある。 【解決手段】チオレドキシンファミリーに属するポリペ
プチド類(TRXファミリーに属するポリペプチド)を含
む白血球の浸潤に由来する炎症疾患予防乃至治療剤を提
供する。
Description
属するポリペプチドを含む炎症疾患の予防乃至治療剤に
関する。
れた活性部位(−Cys−Gly−Pro−Cys−)
においてジチオール/ジスルフィドの酸化還元活性を有
する分子量約12kDの偏在するタンパク質である。TR
Xは、大腸菌においてリボヌクレオチドレダクターゼの
電子供与体として同定され、原核生物及び真核生物にお
いてチオレドキシンレダクダーゼ及びNADPHと共
に、蛋白質のジスルフィド還元を触媒することが知られ
ている。
型(HTLV―1)−形質転換T細胞から、産生される
ヒト成人T細胞白血病由来因子(ヒトADF)としてク
ローニングされている。TRXはウイルス感染を含む種々
のストレスによって誘導され、細胞から分泌されること
が知られている。外因性のTRXは、過酸化水素によって
誘導される細胞障害性及び再灌流障害を抑制することが
知られている。
Xを全身的に過剰発現するTRX−トランスジェニックマウ
スは、限局性大脳虚血、放射線、パラコート障害に、よ
り抵抗性がある。更に、最近の研究によって、TRXが好
中球、単球及びリンパ球に対して走化性効果があること
が知られている。
の死亡率という重篤な予後を示す。その多くは原因不明
(特発性)であるが、その他放射線、抗癌剤、ショッ
ク、敗血症などによって発症する。多くのメディエータ
ー(例えば、サイトカイン類、ケモカイン類、遊走阻止
因子(MIF)、酸素ラジカル)が、急性間質性肺炎の原
因に含まれると考えられている。確かに、高サイトカイ
ン血症(hypercytochenemia)は、しばしば多臓器障害
(MOF)において、系統的炎症応答症候群(SIRS、syste
mic inflammatory response syndrome)及び/又は成人
呼吸窮迫症候群(ARDS)と共に臨床的に観察される。IL
-1、IFN-γ、TNF-αなどの炎症誘発性のサイトカイン及
びIL-8等のケモカインは、これら致命的な臓器不全のメ
ディエーターとして考えられている。
カインであり、毒素ショックのアクネ菌(Proprionobac
terium acnes)-誘導性のモデルにおいて、IFN-γ誘導
因子(IGIF)として発見された。IL-18は、IL-12、IL-2
等の共同刺激シグナル及び抗原が添加されると、Tヘル
パー1(Th1)クローンや細胞株やNK細胞中で相乗的にIF
N-γ及び顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-C
SF)産生を誘導する。本発明者や他のグループは、IL-1
8が潜在的にTh2サイトカイン(IL-4、IL-10、IL-13)及
びIgE産生を誘導することができ、IL-18がTh1及びTh2細
胞誘導においてコファクターとして作用することができ
ることを示唆した報告がなされている。最近の研究で
は、IL-18は、IL-12、IL-2又はIL-15と相乗して臓器不
全の病原性、致命的な敗血症において重大な役割を示す
ことが判ってきた。
共に使用されたときに、急性間質性肺炎を誘導すること
を見出した。
球浸潤に由来する炎症疾患の予防や治療に有効な新規な
物質を提供することにある。
を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、TRXファミリー
に属するポリペプチド、特に、チオレドキシンが、その
ような炎症予防乃至治療効果があることを見出し、本発
明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下の発明を
提供するものである。
ポリペプチド類(TRXファミリーに属するポリペプチ
ド)を含む白血球の浸潤に由来する炎症疾患予防乃至治
療剤。
症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、リウマチ、痛風、虚
血再灌流障害又は糸球体腎炎である、項1に記載の予防
乃至治療剤。
ポリペプチド類(TRXファミリーに属するポリペプチ
ド)を含む間質性肺炎の予防乃至治療剤。
ドがチオレドキシンである項1〜3のいずれかに記載の
予防乃至治療剤。
ンファミリー」とは、活性中心に配列-Cys-X-Y-Cys-
(X及びYは同一又は異なって20種類のアミノ酸を示
す。)を有し、チオレドキシンスーパーファミリー(以
下、「TRXファミリー」という)と呼ばれるものであ
る。
としては、活性中心に配列-Cys-Gly-Pro-Cys-、-Cys-Pr
o-Tyr-Cys-、-Cys-Pro-His-Cys-、-Cys-Pro-Pro-Cys-を
有するポリペプチド類を例示することができ、これらの
中でも、活性中心に配列-Cys-Gly-Pro-Cys-を有するポ
リペプチド類が好ましい。
ペプチドとしては、ヒト由来のチオレドキシン(ヒトA
DF)、大腸菌由来のチオレドキシン、酵母由来のチオ
レドキシン等のチオレドキシン;ヒトADF活性を有す
るポリペプチド(ヒトADFP);ヒト,大腸菌等由来
のグルタレドキシン等が含まれる。また、チオレドキシ
ン活性を有するものであれば、全長を有する必要はな
く、オリゴペプチドであってもよく、本発明のポリペプ
チドにはそのようなものも包含される。
細菌、植物及び動物由来のいずれであってもよい。ま
た、TRXファミリーに属するポリペプチドは、天然物を
精製する方法、遺伝子組換え法により、酵母,大腸菌等
から得られるものであってもよく、TRX活性を有する限
り、その1又は複数のアミノ酸を置換、付加、欠失等し
た誘導体であってもよい。また、化学合成によって製造
してもよい。
としては、例えば、下記のようなヒトADFPを得る方
法が挙げられる。
胞等)を培養し、その培養液又は細胞抽出液から、塩
析、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマト
グラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、クロ
マトフォーカシング、逆相クロマトグラフィー、疎水性
クロマトグラフィー等の一般に用いられる手法により精
製する方法(特開平1−85097号公報参照)。
PのcDNA又はゲノム遺伝子を、大腸菌、枯草菌、酵
母、高等動物細胞、植物細胞などの宿主細胞に導入し、
宿主細胞内で組み換えヒトADFPを発現させ、その後
(i)に記したような手法を用いて精製する方法(特開平
1−85097号公報参照)。
5−139992号公報に開示された配列表の配列番号
1又は2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドを
合成する方法。
て白血球の浸潤による炎症疾患をいう。このような炎症
疾患としては、サイトカイン・ケモカインによって誘導
されるものを含む。ここで、サイトカインとは主に白血
球を活性化する因子で、ケモカインは白血球を遊走させ
る因子である。炎症疾患では、サイトカインにより活性
化された白血球がケモカインを産生し、さらに白血球を
遊走させ、炎症がおこる。このような炎症疾患として
は、例えば、間質性肺炎、肺線維症、ARDS、リウマチ、
痛風、虚血再灌流障害、糸球体腎炎等が挙げられる。虚
血再灌流障害とは、各種臓器の一部又は全体が虚血に陥
った後、血液によって再灌流される際に生じる組織の障
害をいい、例えば、心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞等の疾患
の治療時に生じる障害である。本発明においては、特
に、肺梗塞、脳梗塞の治療時に有効である。
ン、好ましくはヒト由来のチオレドキシンがよい。
浸潤に由来する各種炎症疾患の予防又は治療に有効であ
る。例えば、癌患者に抗腫瘍剤を投与していると、その
副作用として、間質性肺炎を発症する場合があり、本発
明の炎症疾患予防剤は、そのような発症を予防するのに
非常に有効である。
位形態としては、一般的には有効成分であるTRXファミ
リーに属するポリペプチドのみ又はそれと慣用の担体と
共に、各種の形態が治療目的に応じて選択できる。その
代表的なものとしては、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カ
プセル剤、坐剤、トローチ剤、硬膏剤等の固形製剤;液
剤、懸濁剤、乳剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)、シロッ
プ剤、ローション剤等の液状製剤;軟膏剤等のクリーム
状の製剤;貼布剤;エアゾール剤、アトマイザー、ネブ
ライザー等の吸入剤;含嗽剤等が挙げられる。これら
は、当該形態において通常用いられている方法により調
製することができる。
製剤学的に許容される担体としては、製剤の使用形態に
応じて通常使用される、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、
吸収促進剤、保湿剤、吸着剤、滑沢剤、充填剤、増量
剤、付湿剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、可溶化剤、浸透
圧を調節する塩、緩衝剤等の希釈剤又は賦形剤を例示で
き、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜
選択使用される。
て着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬
品を含有させて、剤として調製することもできる。
がなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条
件、疾患の程度等に応じて決定される。例えば、錠剤、
丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、トローチ剤、液剤、
懸濁剤、乳剤、シロップ剤は経口投与され、注射剤は静
脈内に、或いは筋肉内、皮内、皮下又は腹腔内に投与さ
れ、硬膏剤、軟膏剤、ローション剤、貼布剤は経皮投与
され、坐剤は直腸内投与される。また、吸入剤は、鼻腔
又は口腔より鼻粘膜、口腔・上部消化管粘膜、気道上皮
に投与される。含嗽剤は、口腔・上部消化管粘膜を通し
て投与される。
プチド含量としては、例えば、0.0002〜0.2(w/v%)程
度、好ましくは0.001〜0.1(w/v%)程度に調整される。ま
た、これら液状製剤とした場合は凍結保存、又は凍結乾
燥等により水分を除去して保存してもよい。凍結乾燥製
剤は、使用時に注射用蒸留水などを加え、再溶解して使
用される。
に応じた適当な投与経路により投与され得る。例えば、
注射剤の形態にして静脈、動脈、皮下、筋肉内などに投
与することができる。その投与量は、患者の症状、年
齢、体重などにより適宜調整されるが、通常TRXファミ
リーに属するポリペプチドとして体重1kg当たり、0.005
mg〜500mg、好ましくは0.1mg〜100mgであり、これを1
日1回ないし数回に分けて投与するのが適当である。
ターロイキン2レセプターの発現を誘導する物質として
発見され、ヒト成人型T白血病患者より樹立したT白血
病細胞株の培養液上清中に存在することが見出され(特
許第1845952号)、チオレドキシンの遺伝子配列は既に知
られているため(特開昭64-85097号)、例えば、この遺
伝子を各種動物、例えば、ブタ、ウシ、マウス、ラッ
ト、ハムスター、ニワトリ、イヌ等に組み込むことによ
って、間質性肺炎、肺線維症、ARDS、リウマチ、痛風、
虚血再灌流障害又は糸球体腎炎等の炎症疾患に抵抗性の
あるトランスジェニック動物を得ることができる。
って、チオレドキシンファミリーに属するポリペプチド
をコードする遺伝子を細胞に組み込むことによって、間
質性肺炎、肺線維症、ARDS、リウマチ、痛風、虚血再灌
流障害又は糸球体腎炎等の炎症疾患を予防乃至治療する
ことができる。
するポリペプチド類(TRXファミリーに属するポリペプ
チド)を含む炎症疾患予防乃至治療剤は、白血球の浸潤
を抑制することができるので、間質性肺炎、肺線維症、
ARDS、リウマチ、痛風、虚血再灌流障害又は糸球体腎炎
等の炎症疾患に有効である。
が、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
性間質性肺炎の予防効果 リコンビナントのヒトTRX(ヒトrTRX)を、Mitsui, A.,
Hirakawa, T. & Yodoi, J. (1992) Biochem Biophys R
es Commun 186, 1220-6.に記載の方法によって調製し
た。
腔内に投与すると、肺の間質腔に白血球浸潤を伴った急
性間質性肺炎を発症し、それによって死亡することを発
見したので、このモデルを用いて、以下の試験を行っ
た。
6)マウス(体重約20g)を2群(各群n=5)にわけ、各
々に0.2μgのIL-18及び50000I.U.のIL-2を含む0.2mlのP
BSを毎日腹腔内注射した。更に、一方の群には20μgの
ヒトrTRXを溶解した0.1mlのPBS(TRX投与群)を、他方
の群にはコントロール群として、0.1mlのPBSのみ(コン
トロール群)を、1日おきに腹腔内注射した。
TRX投与群では60%の生存率であったが、コントロール群
においては、IL-18/IL-2投与後11日間にすべて死亡し
た。
(体重約20g)を2群(各群n=10)にわけ、各々に0.2μ
gのIL-18及び50000I.U.のIL-2を含む0.2mlのPBSを毎日
腹腔内注射(ip)した。更に、一方の群には20μgのヒトr
TRXを溶解した0.1mlのPBS(TRX投与群)を、他方の群に
はコントロールタンパクとしてOVAを用い「OVA投与群」
として、20μgのOVAを溶解した0.1mlのPBSを、1日おき
に腹腔内注射(ip)した。
与群では80%の生存率であったが、OVA投与群では90%の
マウスが死亡した。Kaplan-Meier(Log-Rank)及びWilc
oxon分析によれば、TRX投与群はOVA投与群に比して有意
な生存率を示した(それぞれp=0.0059、p=0.0226)(図
1)。
(TRX day 20)及び19日目に死亡したOVA投与群(OVA d
ay 19)の各マウスの肺の組織を、光学顕微鏡で観察し
た。その結果を図2に示す。図2から明らかなように、
TRX投与群においては、白血球の浸潤や浮腫も抑制さ
れ、更に肺胞性の空洞の大幅な分散が見られたのに対
し、OVA投与群では、肺間質への著明な白血球浸潤と間
質の浮腫・肥厚・破壊が観察され、間質性肺炎の病巣が
見られた。
(体重約20g)を3群(各群n=5)にわけ、1日おきにPB
Sを0.1mlのみ腹腔内注射したマウス(n=5)(コントロ
ール群)、上記(2)と同様な処置をしたマウス(TRX
投与群及びOVA投与群(0.2μgのIL-18及び50000I.U.のI
L-2を含む0.2mlのPBSを毎日腹腔内注射、TRX投与群には
20μgのヒトrTRXを溶解した0.1mlのPBSを、OVA投与群に
は20μgのOVAを溶解した0.1mlのPBSを、1日おきに腹腔
内注射))の28日後のマウスの肺及び心臓の重量を測定
した。但し、OVA投与群については、死亡したマウスの
肺及び心臓の重量を測定したが、他の群については、28
日後に殺し、その肺及び心臓の重量を測定した。結果を
表1に示す。
に比して有意に減少した(p=0.007)。
を用いた間質性肺炎の予防効果 ヒトチオレドキシン遺伝子を導入され、ヒトチオレドキ
シンを全身に過剰発現するマウスであるヒトTRXトラン
スジェニックマウスを、特開平5-130819号に従って作製
し、実施例1と同様な実験を行った。該マウスは、刺激
により血中にヒトチオレドキシンが放出され、チオレド
キシンを点滴静脈内投与するようなモデルとなるもので
ある。
ニックマウス(n=8)(体重約20g)と8週令の雄のC57B
L/6マウス(体重約20g)(n=10)を用い、各々に0.2μg
のIL-18及び50000I.U.のIL-2を含む0.2mlのPBSを毎日腹
腔内注射(i.p.)した。
ニックマウス(TRX TG)においては、C57BL/6マウスに
比して26日後有意に生存した(Kaplan-Meier(Log-Ran
k):p=0.0391及びWilcoxon: p=0.0774)。
ジェニックマウス(TRX TG Day 26 Sacrificed)及び8
日後に死亡したC57BL/6マウス(C57BL/6 Day 8 dead)
の肺及び他の器官の組織を、光学顕微鏡で観察した。そ
の結果を図4(図4は肺の結果を示す)に示す。TRXト
ランスジェニックマウスにおいては、ほとんど病理学的
に変化が見られなかったのに対し、C57BL/6マウスで
は、肺に白血球の浸潤と共に、間質の浮腫、肥厚及び破
壊が観察され、間質性肺炎の病巣が見られた。
e Air Pouch Model)を用いたTRXの白血球浸潤抑制 マウスエアパウチモデル(Mouse Air Pouch Model)を
用いて、TRXの白血球浸潤抑制を調べた。
(体重約20g)の背中の皮下に注射器を用いて4mlの空気
を注射し、該マウスの背中にエアパウチを作製した。
記の溶液を注射した。 生理食塩水を1ml 1μg/mlのLPSを含む生理食塩水を1ml 1μg/mlのLPSを含む生理食塩水を1ml 但し、の場合のみ、エアパウチにLPSを注射する直前
に、40μgのTRXを400μg/ml(生理食塩水に溶解)の濃
度で0.1ml尾静脈より静注(iv)した。
て、細胞を取り出し、フローサイトメーターを用いて観
察した。その結果を図5に示す。
浸潤が見られるが、TRXを投与することによって、その
白血球の浸潤が抑制されるのが判った。
ば、痛風(尿酸結晶)関節炎の治療モデルとしても使用
されるものであり(Terkeltaub R, Baird S, Sears P,
Santiago R, Boisvert W.The murine homolog of the i
nterleukin-8 receptor CXCR-2is essential for the o
ccurrence of neutrophilic inflammation in the airp
ouch model of acute urate crystal-induced gouty sy
novitis. Arthritis Rheum. 1998 May;41(5):900-
9.)。他の白血球の浸潤に由来する各種炎症疾患、例え
ば、肺線維症、ARDS、リウマチ、虚血再灌流障害又
は糸球体腎炎においてもモデルとして使用されるもので
あるので、このような疾患の予防乃至治療に本願の剤が
有効であることは明らかである。
カインの発現抑制 8週令の雌のC57BL/6マウス(体重約20g)を5群(各
群n=10)にわけ、 PBSを3日連続0.2mlのみ腹腔内注射したマウス(コン
トロール群)、 IL-2 (50000 IU)を含む0.2mlのPBSを3日連続腹腔内
注射したマウス(IL-2群)、 IL-18 (1μg)を含む0.2mlのPBSを3日連続腹腔内注射
したマウス(IL-18群)、 IL-2 (50000 IU)とIL-18 (1μg)を含む0.2mlのPBSを
3日連続腹腔内注射したマウス(IL-2/IL-18群)、 更に40 μgのヒトrTRXを溶解した0.1mlのPBSを1,3
日目に前投与しIL-2/IL-18群と同様の処置をしたマウス
(TRX群) の肺局所のサイトカインを、Neteaらの方法(J. Immunol
ogy,164:2644-9,2000)で測定した。以下の表に示すごと
くTRX群は肺局所のIFN-γの発現がIL-2/IL-18群に比べ
有意に(p=0.019933)抑制された。
の抑制 8週令雌のC57BL/6マウス(体重約20g)を2群(各群n
=5)にわけ、ブレオマイシン2mgを含む0.2mlのPBSを尾
静脈より投与したマウス(ブレオマイシン群)、更に40
μgのヒトrTRXを溶解した0.1mlのPBSを0,2,4,6
日目に投与しブレオマイシン群と同様の処置をしたマウ
ス(TRX群)を7日目に処分し、マウスの肺の組織を光
学顕微鏡で観察した。TRX投与群(Bleomycin+TRX)では
ブレオマイシン群(Bleomycin)と比べ肺間質部、血管
部への白血球浸潤が抑制された。上段の写真は正常(No
rmal)のものである。
縦軸は生存率(SURVIVING)、横軸は日数(TIME(DAY
S))を示す。
ある。上段の写真はTRX投与群、下段の写真はOVA投与群
である。
肺炎が予防できたことを示す図である。縦軸は生存率
(Surviving)、横軸は日数(Days)を示す。
質性肺炎を発症しなかったことを示す写真である。上段
の写真は26日後に犠牲にしたTRXトランスジェニック
マウス(TRX TG Day 26 Sacrificed)の肺、下段の写真
は、8日後に死亡したC57BL/6マウス(C57BL/6 Day 8 d
ead)の肺の写真である。
トメーターの結果を示す。上段は、生理食塩水(Saline
in air pouch)、中段は、LPSで刺激した結果(LPS in
air pouch)、下段は、LPS刺激と共にTRXを投与した結
果(40μg TRX iv LPSin air pouch)を示す。
への白血球の浸潤を抑制したことを示す写真である。上
段の写真は正常(Normal)のもの、中段の写真はブレオ
マイシン群(Bleomycin)、下段の写真はTRX投与群(Bl
eomycin+TRX)のものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 チオレドキシンファミリーに属するポ
リペプチド類(TRXファミリーに属するポリペプチド)
を含む白血球の浸潤に由来する炎症疾患予防乃至治療
剤。 - 【請求項2】 炎症疾患が、間質性肺炎、肺線維症、
成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、リウマチ、痛風、虚血再
灌流障害又は糸球体腎炎である、請求項1に記載の予防
乃至治療剤。 - 【請求項3】 チオレドキシンファミリーに属するポ
リペプチド類(TRXファミリーに属するポリペプチド)
を含む間質性肺炎の予防乃至治療剤。 - 【請求項4】 TRXファミリーに属するポリペプチド
がチオレドキシンである請求項1〜3のいずれかに記載
の予防乃至治療剤。
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