JP2002037734A - 免疫不全改善薬 - Google Patents

免疫不全改善薬

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JP2002037734A
JP2002037734A JP2000221159A JP2000221159A JP2002037734A JP 2002037734 A JP2002037734 A JP 2002037734A JP 2000221159 A JP2000221159 A JP 2000221159A JP 2000221159 A JP2000221159 A JP 2000221159A JP 2002037734 A JP2002037734 A JP 2002037734A
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adenine
ameliorating
immunodeficiency
medicine
immunological deficiency
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JP2000221159A
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English (en)
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Keisuke Hirasawa
計介 平澤
Kimiyoshi Michiyoshi
公美 道善
Toru Hiruma
徹 比留間
Takako Miyasaka
貴子 宮坂
Kazunori Soma
和典 相馬
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Fujirebio Inc
Original Assignee
Fujirebio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の免疫不全改善薬とは異なった機序で効
果を発揮し、副作用の少ない免疫不全改善薬を開発する
こと。 【解決手段】 アデニン、その水溶性誘導体及びそのプ
ロドラッグから選択される1種又は2種以上の化合物を
有効成分として含有する免疫不全改善薬

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アデニン、その水
溶性誘導体及びそのプロドラッグから選択される化合物
を有効成分として含有する免疫不全改善薬に関する。
【0002】
【従来の技術】種々の原因による免疫の低下は、感染症
の罹患による重篤な病状をもたらす。例えば、老齢者の
病院内集団感染は、免疫力の低下が主要因である。ま
た、エイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)患者で
は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)による選択的な免
疫担当細胞の減少によって引き起こされる免疫不全によ
って、健常人では何ら問題とならない細菌感染、すなわ
ちいわゆる日和見感染によって死に至る場合もある。
【0003】このように免疫力の低下した患者の免疫力
を回復させる免疫不全改善薬としては、インターフェロ
ン、G−CSF(ヒト顆粒球コロニー刺激因子)、IL
−2(インターロイキン2)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の薬剤に
ついては、重要な副作用、例えば、天然型インターフェ
ロンであるインターフェロンアルファでは、間質性肺
炎、抑鬱・自殺企図、糖尿病等が、G−CSF製剤であ
るレノグラスチムでは、ショック、間質性肺炎、芽球の
増加等が、またIL−2製剤であるセルモロイキンで
は、体液貯留、間質性肺炎、抑鬱・自殺企図が報告され
ており、副作用の少ない、新たな治療剤が求められてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
従来の、インターフェロン、G−CSF、IL−2とは
異なった機序で効果を発揮し得る免疫不全改善薬の開発
のため鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】本発明は、アデニン、その水溶性誘導体及
びそのプロドラッグから選択される化合物を有効成分と
する、免疫力の低下した患者、例えばHIV感染者又は
エイズ患者に対する、安価な、免疫不全改善薬に関す
る。
【0007】アデニンの水に対する溶解度は低いもの
の、本発明の作用効果を充分に示すことができ、誘導体
に変換することなく用いることもできるが、各種酸(塩
酸、硝酸、硫酸、カルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸、ク
エン酸)など)との水溶性塩、糖置換誘導体などの水溶
性誘導体として用いることもできる。糖置換誘導体とし
ては、アデノシンが挙げられる。また、更にリン酸エス
テル化することによりアデノシン5′−2リン酸(AD
P)として用いることができる。
【0008】プロドラッグとは、生体内で変化して活性
化合物になる前駆体であるが、本発明の場合、アデニル
酸、ADP等が例示される。
【0009】上記の、アデニン、その水溶性誘導体及び
そのプロドラッグは、公知の化合物であるか又は公知の
方法によって製造することができる。
【0010】免疫不全改善薬とは、正常の又は低下して
いる免疫応答能を改善する薬剤をいう。本発明のHIV
感染者又はエイズ患者に対する免疫不全改善薬は、薬
剤、例えば免疫抑制剤であるシクロスポリンの投与によ
って免疫機能を低下させたラット等で、免疫機能を回復
させることが見出された。
【0011】免疫不全改善薬として、上記の化合物を製
剤化するには、常法によって、これらの化合物の1種又
は2種以上を、1種以上の薬学的に許容し得る賦形剤と
組み合わせることによって行う。
【0012】本発明の免疫不全改善薬の投与量は、1日
当たり有効成分1μg/kg〜100g/kg、好ましくは1
0μg/kg〜1g/kg、より好ましくは1mg/kg〜500
mg/kgの用量の範囲で投与することができる。更に患者
の体重、症状及び当業者が認める他の因子によって、そ
の投与量を変化させることができる。
【0013】また、本発明の免疫不全改善薬の投与形態
は任意であるが、有効成分に加えて、薬学的に許容し得
る結合剤、防腐剤、安定剤、香味剤、塩類等と共に一般
的に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混
和することができる。これらの組成物又は製剤中の有効
成分の量は、支持された範囲の適当な用量が得られるよ
うに適宜決められる。
【0014】本発明の薬剤の投与経路は、特に限定され
ないが、経口投与、吸入の他、皮内、皮下、筋肉又は静
脈内に投与することも可能である。本発明の薬剤の形態
としては、錠剤、液剤、カプセル剤、吸入剤、注射剤等
を挙げることができる。
【0015】
【実施例】実施例1 シクロスポリンA(CsA)及びコンカナバリンA(C
onA)添加ラットリンパ球に対するアデニンの効果の
検討 4週齢の雄性Sprague-Dawley(IGS)系ラット(日本
チャールス・リバー、横浜)の脾臓から脾リンパ球を常
法にしたがって採取し、10%ヒト血清添加RPMI1
640培養液中で、37℃、5%CO2下で、1日間培養
した。培養器は、96ウェルマイクロプレートを用い、
細胞密度は、5×105細胞/200μl/ウェルとし
た。次に、免疫抑制剤であるシクロスポリンA(Cs
A、50ng/mlノバルティス ファーマ(株))及びマイ
トジェンであるコンカナバリンA(ConA、5μg/ml
Vector Laboratories. Inc., USA)を添加した。な
お、対照には、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加え
た。 これらにアデニン(0M、10-7M、10-6M、10
-5M 三共製薬)を添加し、2日間培養した後、3H-チミ
ジンを加え更に1日間培養した。細胞を、セルハーベス
ターによって採取し、放射活性を測定(アロカ(株) L
SC−1000)した。CsAにより免疫抑制された脾
リンパ球は、ConA刺激に応答し、3H-チミジンの取
り込み量が増加した。アデニンの添加により、この3H-
チミジンの取り込み量が用量依存的に増加した(図
1)。このことはアデニンが、免疫不全状態にあるリン
パ球の増殖刺激に対する応答を増強すること、即ち免疫
不全改善作用を有していることを示す。
【0016】実施例2 4週齢の雄性Sprague-Dawley(IGS)系ラット(日本
チャールス・リバー,横浜)20匹に、CsA20mg/m
lを筋肉内に連続投与(1回/1日 14日間)して免疫
不全を誘発した。CsA投与開始の翌日から、アデニン
(腹腔内;3,10mg/kg、経口;30mg/kg)を、1日
2回ずつ、14日間連続投与した。1群当たりの動物数
は、5匹とした。投与終了1時間後に尾静脈から炭素微
粒子((株)呉竹精昇堂 墨滴)を注入した。炭素微粒子
注入の5分及び180分後に、眼底静脈から採血し,血
液を炭酸ナトリウム水溶液で溶解し,650nmの吸光度
を測定した(Beckman DU640)。得られた吸光度から、血
液浄化度を下記式によって算出した。 血液浄化度(%)=180分後の吸光度/5分後の吸光
度×100。 アデニン投与群では、アデニン濃度又は投与方法に係わ
らず、血液浄化度の改善が認められた(図2)。このこ
とは、アデニンが免疫不全動物の異物貪食能を亢進する
こと、即ち免疫不全改善作用を有していることを示す。
【0017】実施例3 PHAで刺激したHIV−1感染者末梢血単球に対する
アデニンの効果の検討フィコール・パック遠心法で分離
した、HIV−1陽性患者の血液由来の末梢血単球(以
下PBMC)を、10%ヒト血清添加RPMI1640
培養液中で、37℃、5%CO2条件下で、72時間培
養した。培養器は、96穴マイクロプレートを用い、細
胞密度は、2×105細胞/200μl/ウェルとした。
培養液に、マイトジェンであるフィトヘマグルチニンP
(PHA、DIFCO LABORATORIES, USA 0.2μg/m
l)、又は日和見感染症の抗原であるカンジダ・アルビカ
ン(C.albicans, EY laboratories, USA 0.2μg/m
l)あるいは対照としてのPBSを添加し、さらにアデ
ニン(0M、10-7M、10-6M、10-5M)を添加した。
培養終了後、Cell Proliferation ELISA(ロッシュ・ダ
イアグノスティクス、東京)を用いて、細胞内に取り込
まれた5′−ブロモ−2′−デオキシウリジン(Brd
U)量を、(450nm)吸光度として測定した。PHA
又はC.albicansのみで刺激したHIV−1陽性患者PB
MCのBrdU取り込み量は、アデニンの添加によって
用量依存的に増加した(図3A、B)。このことは、ア
デニンが、HIV−1陽性患者のリンパ球の増殖刺激に
対する応答を増強すること、即ち免疫不全改善作用を有
していることを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】シクロスポリンA(CsA)及びコンカナバリ
ンA(ConA)添加ラットリンパ球に対するアデニン
の効果を示す。X軸は、アデニン濃度(M)を、Y軸
は、3H-チミジン取り込み量(dpm)を示す。
【図2】シクロスポリンA(CsA)添加ラットリンパ
球に対するアデニンの貪食能亢進効果を示す。X軸は、
各投与群を、Y軸は、血液浄化度(%)を示す。
【図3】A PHAで刺激したHIV−1感染者末梢血
単球に対するアデニンの効果を示す。 B C.albicansで刺激したHIV−1感染者末梢血単球
に対するアデニンの効果を示す。 X軸は、アデニン濃度(M)、Y軸は、BrdU取り込
み量(吸光度)、黒棒は、PHA添加、黒棒は、PHA
(A)又はC.albicans(B)刺激、白棒は、PBS対照
を示す。治療の項は治療薬剤、VLは血中HIVウイル
ス量(RNAコピー数)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07H 19/167 C07H 19/167 19/20 19/20 (72)発明者 比留間 徹 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 (72)発明者 宮坂 貴子 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 (72)発明者 相馬 和典 東京都中央区日本橋浜町2丁目62番5号 富士レビオ株式会社内 Fターム(参考) 4C057 LL41 LL44 4C086 AA01 AA02 CB10 EA18 MA01 MA04 NA14 ZB07 ZC55

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アデニン、その水溶性誘導体及びそのプ
    ロドラッグから選択される化合物を有効成分として含有
    する、免疫力が低下した患者に対する免疫不全改善薬。
  2. 【請求項2】 アデニン、その水溶性誘導体及びそのプ
    ロドラッグから選択される化合物を有効成分として含有
    する、HIV感染者又はエイズ患者に対する免疫不全改
    善薬。
  3. 【請求項3】 有効成分が、アデニン、アデノシン又は
    アデニル酸である、請求項1又は2記載の免疫不全改善
    薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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