JP2002179232A - 搬送および供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で、信頼性と生産性が高く、高速
および安定性に優れた搬送および供給装置を提供するこ
とを目的とするものである。 【解決手段】 磁性体を用いて構成したワーク１を搭載
し搬送するベルト４でなるベルトコンベアと、前記ベル
トコンベアの駆動を行うモータ６、プーリ７でなる駆動
部と、ベルトコンベアのベルト４の直下にマグネット５
を配置し、そしてベルトコンベアの先端直近に、ワーク
１が供給される切込保持溝２９を設けたディスク９を結
合したインデックスユニット１１を配設してなる構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は磁性体を用いて構成
されたワークの搬送および供給装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の製品すなわちワークの搬
送および供給は、ベルトコンベアにより搬送を行い、搬
送されたワークの供給を行う際には、搬送されたワーク
を供給する直前で停止させ保持するために、搬送部に予
めワークのストッパーを設けておき、停止させ保持した
ワークをチャックで把持して取出し、前記チャックで保
持したワークを所定個所に挿入や載置などの供給を行う
方法であった。

【０００３】あるいは、前記と同じ動作により停止した
ワークを、ガイドピンとプッシャーピンでサンドイッチ
状態に挟持することにより姿勢を安定させ、その状態で
各々のピンの移動によってワークの供給を行う方法、さ
らにはワークすなわち製品の形状が球状あるいは円柱状
などのものであれば、ベルトコンベアで搬送された前記
ワークをインデックステーブルに設けた周辺溝に直接供
給して搬送する方法などがあった。

【０００４】また、ワークの搬送を行うコンベアのベル
トにマグネットを取付けたり、あるいはベルト自体を磁
石の特性を有する部材で形成し、そのマグネットあるい
は磁石の特性を有するベルトにワークを直接吸着させて
搬送を行ったりしていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成による方法や装置では、ベルトコンベア部にワ
ークのストッパーを設け、チャックあるいはピンで保持
して供給するため、搬送および供給装置のメカ構造が複
雑で高価、またチャックあるいはピンの駆動源が必要で
ある。

【０００６】また、球状や円柱状など以外の形状のワー
クすなわち製品では、供給を行う際に、ワークどうしの
引っ掛かりや絡み合いが発生するばかりか、ワークの挙
動も不安定となるため、ワークの変形や不良が発生する
恐れがあり、供給される手前のワークをストッパーで停
止させることで絡み合いを無くし、その後ストッパーを
解除することによりワークの所定供給を行っていた。

【０００７】従って、ストッパーで停止させ保持してい
たワークにおいて、ストッパーが解除された瞬間には、
ワークとベルトコンベア間では滑り現象が発生するばか
りか、その後摩擦力によってベルトコンベアのスピード
に追従して移動動作を開始するまで等加速度運動を行っ
て、ストッパーを解除した後インデックステーブルの周
辺溝にワークを供給完了するまでには多くの時間を要
し、搬送と供給の安定および高速化を図るには限界があ
り、品質および生産性が低いという課題を有していた。

【０００８】本発明は前記課題を解決しようとするもの
であり、簡単な構成の装置で、信頼性と生産性が高く、
高速および安定性に優れたワークの搬送および供給装置
を提供することを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明による搬送および供給装置は、磁性体を用いて
構成したワークを搭載し搬送するベルトコンベアと、前
記ベルトコンベアの駆動を行う駆動部と、ベルトコンベ
アのベルトの直下にマグネットを配置し、前記ベルトコ
ンベアのベルトの先端直近に、ワークが供給される切込
保持溝を設けたディスクを結合したインデックス機構を
設置してなる構成としたものである。

【００１０】このように磁性体を用いた製品すなわちワ
ークの搬送および供給装置によれば、簡単な構成で信頼
性や生産性が高く、高速および安定性に優れた搬送およ
び供給が可能となる。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、磁性体を用いて構成したワークを搭載し搬送するベ
ルトコンベアと、前記ベルトコンベアの駆動を行う駆動
部と、ベルトコンベアのベルトの直下にマグネットを配
置してなる搬送および供給装置としたものであり、ワー
クを整列保持して安定確実に搬送し供給できるという作
用を有する。

【００１２】請求項２に記載の発明は、ベルトコンベア
のベルトの先端直近に、ワークが供給される切込保持溝
を設けたディスクを結合したインデックス機構を設置し
てなる請求項１に記載の搬送および供給装置としたもの
であり、請求項１に記載の作用に加えてワークを回動搬
送および保持できるという作用を有する。

【００１３】請求項３に記載の発明は、ベルトコンベア
のベルトの先端直近に、ワークが供給される保持溝を設
けた直線移動自在なパレットを設置してなる請求項１に
記載の搬送および供給装置としたものであり、請求項１
に記載の作用に加えてワークを直線搬送および保持でき
るという作用を有する。

【００１４】請求項４に記載の発明は、マグネットをベ
ルトコンベアのベルトの先端部にのみ配置してなる請求
項１に記載の搬送および供給装置としたものであり、必
要なワークの移載工程部のみで吸引し整列保持できると
いう作用を有する。

【００１５】請求項５に記載の発明は、ベルトコンベア
のベルト上における最先端の次のワーク位置でワークを
停止させ保持するストッパー部を設けてなる請求項１に
記載の搬送および供給装置としたものであり、相互に干
渉することなくワークを移載できるという作用を有す
る。

【００１６】請求項６に記載の発明は、ワークを収納す
るホルダーを使用してなる請求項１に記載の搬送および
供給装置としたものであり、各種の形状のワークを同一
の装置で搬送および供給できるという作用を有する。

【００１７】請求項７に記載の発明は、使用するマグネ
ットを電磁石としてなる請求項１に記載の搬送および供
給装置としたものであり、ワークの吸引力を制御できる
とともに、ワークの磁性体部における不要な磁化の進行
を軽減できるという作用を有する。

【００１８】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて説明する。図１は本発明の実施の形態における搬
送および供給装置の要部構成図、図２（ａ），（ｂ）は
同他の搬送および供給装置の平面図と一部断面正面図、
図３は同ストッパー部の要部構成図、図４（ａ）〜
（ｄ）は同ストッパーの動作説明図、図５（ａ）〜
（ｃ）は他の搬送および供給を説明する動作説明図、図
６（ａ），（ｂ）は製品を保持し搬送するホルダーの平
面図および側断面図、そして図７は磁性体を用いたワー
ク（製品）の構成を示す斜視図である。

【００１９】図７はワークすなわち製品における構成の
一例を示しており、磁性体を用いて構成されたワーク１
は、直方体で両側面に規制や位置決めなどを行うための
溝３を、そして上面に引出し接続用のリード端子２を設
けている。

【００２０】図１において、１は前記したワーク、４は
ワーク１を上面に載置し搬送を行う非磁性体でなるベル
ト、６はベルトコンベアを構成するベルト４の駆動を行
うための駆動源であるモータ、７はモータ６の駆動力を
ベルト４に伝達する回転自在なプーリでありモータ６と
ともに駆動部を構成している。そして、５はベルト４の
直下でベース８上に複数個配置されたマグネットであ
る。

【００２１】図２において、９はインデックス動作を行
う円板状のディスクであり、外円周端がベルト４の先端
の直近位置となるように配置されており、搬送されたワ
ーク１が供給される切込保持溝２９を外円周端に定間隔
で設けられ、回転動作をインデックス動作に変換するイ
ンデックスユニット１１に結合されている。そして、１
０は駆動モータであり、ギアやタイミングプーリおよび
タイミングベルトなどでなる伝達機構１０ａを介してイ
ンデックスユニット１１を回転駆動するのである。以上
によりインデックス機構を構成している。

【００２２】１２はベルト４の両サイドに配置され、ベ
ルト４およびベルト４で搬送および供給されるワーク１
の規制とガイドを行うコンベアガイド、１３はベルト４
の先端でディスク９の下面に配置され、切込保持溝２９
に供給されたワーク１の到達の有無を検出するセンサ
ー、１４はワーク１どうしの引っ掛かりや絡み合いを防
止するために、供給されるワーク１の１個手前のワーク
１を停止させ保持するストッパーであり、コンベアガイ
ド１２の外側近傍に設けてある。

【００２３】図３において、１５はストッパー１４を載
置し高速かつ正確に移動動作させるためのスライダー、
１６はストッパー１４を直線移動させる動力源の駆動用
モータ、１７はストッパー１４をタイミング動作させる
ために駆動用モータ１６に結合されたカム、１８はレバ
ーであり、一端をストッパー１４に連結され、他端をカ
ム１７の外周端に当接させて支点軸１８ａを支点にカム
１７の回転により揺動して駆動用モータ１６の動力をス
トッパー１４に伝達する。以上によりストッパー部を構
成している。

【００２４】図５において、１９はワーク１が供給され
保持する保持溝２３を片側面部に設けた非磁性体でなる
パレットであり、ベルト４の先端直近に前記で説明した
ディスク９に代えてスライダー２０に載置され直線移動
自在に設置されている。

【００２５】図６において、２１は非磁性体でなるホル
ダーであり、片面に設けたワーク１の外形と近似形状の
保持穴２２内にワーク１を収納して、搬送および供給す
ることでワーク１を搬送および供給するものである。

【００２６】以上のように構成された本発明の搬送およ
び供給装置の動作について説明する。

【００２７】まず図１および図２に示すように、ベルト
４の上に磁性体を用いたワーク１をリード端子２が上と
なるように複数個整列して搭載する。そして、モータ６
の回転駆動によりプーリ７を介してベルト４を矢印方向
に移動動作させることにより、ワーク１を搬送および供
給するのであり、その際、予めベルト４の直下でベース
８上に配置されたマグネット５の磁力により、ベルト４
の上面に吸引され密着されるため移動搬送中にワーク１
の振動や、倒れあるいは滑りが防止されて確実に搬送お
よび供給が行われるのである。

【００２８】前記で搬送されたワーク１は、駆動モータ
１０により駆動されるインデックスユニット１１に結合
され、インデックス動作を行うディスク９の切込保持溝
２９に順次供給される。この時、ワーク１の供給有無を
センサー１３により検出および確認を行いながらインデ
ックス動作を行うのである。

【００２９】なお、供給される１個手前のワーク１は、
図４（ａ）に示すように、前に供給されたワーク１との
干渉や引っ掛かりを防止するために、ストッパー１４の
駆動により停止させ保持しておく。そして、インデック
ス動作が終了して次に供給を行うディスク９の切込保持
溝２９に、次のワーク１の供給を行うために図４（ｂ）
に示すようにストッパー１４で停止させ保持していたワ
ーク１の解除を行う。

【００３０】ストッパー１４が解除されてワーク１が切
込保持溝２９に供給される際には、図２に示すようにベ
ルト４の直下に設置したマグネット５の磁力によりワー
ク１が吸引されているため、見かけ上の重力（質量）が
増えている。従って、ストッパー１４が解除された瞬
間、ワーク１とベルト４との摩擦力は磁力により大きく
なっているのであり、ワーク１はベルト４上を滑ること
がほとんどなく、ベルト４の移動動作に高速かつ確実に
追従して移動すなわち搬送が行えるため、短時間で次の
ディスク９の切込保持溝２９に供給を行うことができる
のである。

【００３１】ワーク１が切込保持溝２９に供給された後
は、図４（ｃ）に示すように次のワーク１をストッパー
１４で停止させておく。また、ディスク９が回転を始め
た後は図４（ｄ）に示すように次の切込保持溝２９が回
転してくる間、ストッパー１４を解除しておくこともで
きる。

【００３２】さらに、ワーク１の直線搬送や保持が必要
とするならば、図５（ａ）〜（ｃ）に示すようにインデ
ックス動作を行うディスク９の切込保持溝２９にワーク
１を供給する構成に代えて、スライダー２０に載置され
高速に往復直線動作を行うパレット１９の保持溝２３に
ワーク１の供給を行う構成としてもよい。

【００３３】あるいはまた、前記構成の搬送および供給
装置でベルト４の直下全てにマグネット５を配置せずに
ベルト４の先端部にのみ配置して、ワーク１の搬送およ
び供給を行い、マグネット５の磁力による吸引が機能す
る個所にて、ストッパー１４によりワーク１を停止させ
保持する構成、さらにまた、図６に示すように、ワーク
１に代えてワーク１をホルダー２１の保持穴２２内に収
納して、ホルダー２１を搬送および供給する構成として
もよい。

【００３４】また、ストッパー１４は図３に示すよう
に、駆動用モータ１６により回転駆動されるカム１７に
よって、レバー１８を介してタイミングをとり無駄なく
動作を行うとともに、ストッパー１４はスライダー１５
に載置されているので、ワーク１を高速に搬送および供
給を行っても、容易に追従できる構造に成っている。

【００３５】以上のように、本発明の搬送および供給装
置は、ダイレクトにワーク１すなわち製品を供給するこ
とができるため、構造が簡単であり、ストッパー１４に
よって１個手前のワーク１を停止させ保持して、その前
のワーク１を切込保持溝２９や保持溝２３に供給を行っ
ているので、ワーク１どうしの引っ掛かりや干渉がな
く、搬送および供給の品質が優れている。

【００３６】磁性体を用いたワーク１の搬送および供給
を行う際には、マグネット５がベルト４の直下に配置さ
れているため、磁力が働いて見かけ上の摩擦力が増大
し、ストッパーで停止させ保持していたワーク１が解除
されたら、瞬時にベルト４の動作に追従して移動するば
かりか、ワーク１の振動や倒れなどもなくなって、安定
した高速搬送が行えるのであり、供給の失敗が無く生産
性の高い搬送および供給が行えるものである。

【００３７】また、使用するマグネット５を電磁石にす
ることにより、磁力による吸引力の調整や解除が容易に
でき、ベルト４への追従性が調整できて搬送速度の設定
調整が容易にできるばかりか、本装置の動作が停止して
いる場合、電源をオフにすることにより磁力を解除でき
るため、磁力線による他部への悪影響を無くせるととも
に、ワーク１の磁性体部における不要な磁化の進行を軽
減することができる。

【００３８】なお、本実施の形態では磁性体を用いたワ
ーク（例えば電子部品の半固定抵抗器やフィルターデバ
イス、テーピング包装形態の電子部品など）の搬送およ
び供給を行うための搬送および供給装置について説明し
たが、他の機構部品や構成体などの搬送および供給を行
う装置としても使用できる。

【００３９】

【発明の効果】以上、本発明の搬送および供給装置は、
ワークをダイレクトに供給するベルトコンベア部と、ワ
ークを停止させて保持するストッパー部と、ベルト直下
に配置されたマグネットおよびインデックス機構による
構成で、供給時のワークどうしの引っ掛かりや干渉およ
び搬送時のワークの振動や倒れなどの現象が無くなり、
極めて安定したワークの高速搬送および供給が行え、ま
た、磁力線による他部への悪影響およびワークの磁性体
部における不要な磁化の進行を軽減できるという効果を
有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態における搬送および供給装
置の要部構成図

【図２】（ａ）同他の搬送および供給装置の平面図 （ｂ）同一部断面正面図

【図３】同ストッパー部の要部構成図

【図４】（ａ）〜（ｄ）同ストッパーの動作説明図

【図５】（ａ）〜（ｃ）他の搬送および供給を説明する
動作説明図

【図６】製品を保持し搬送するホルダーの平面図および
側断面図

【図７】磁性体を用いたワーク（製品）の構成を示す斜
視図

【符号の説明】

１ 製品（ワーク） ２ リード端子 ３ 溝 ４ ベルト ５ マグネット ６ モータ ７ プーリ ８ ベース ９ ディスク １０ 駆動モータ １０ａ 伝達機構 １１ インデックスユニット １２ コンベアガイド １３ センサー １４ ストッパー １５ スライダー １６ 駆動用モータ １７ カム １８ レバー １８ａ 支点軸 １９ パレット ２０ スライダー ２１ ホルダー ２２ 保持穴 ２３ 保持溝 ２９ 切込保持溝

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁性体を用いて構成したワークを搭載し
   搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアの駆動
   を行う駆動部と、ベルトコンベアのベルトの直下にマグ
   ネットを配置してなる搬送および供給装置。
2. 【請求項２】 ベルトコンベアのベルトの先端直近に、
   ワークが供給される切込保持溝を設けたディスクを結合
   したインデックス機構を設置してなる請求項１に記載の
   搬送および供給装置。
3. 【請求項３】 ベルトコンベアのベルトの先端直近に、
   ワークが供給される保持溝を設けた直線移動自在なパレ
   ットを設置してなる請求項１に記載の搬送および供給装
   置。
4. 【請求項４】 マグネットをベルトコンベアのベルトの
   先端部にのみ配置してなる請求項１に記載の搬送および
   供給装置。
5. 【請求項５】 ベルトコンベアのベルト上における最先
   端の次のワーク位置でワークを停止させ保持するストッ
   パー部を設けてなる請求項１に記載の搬送および供給装
   置。
6. 【請求項６】 ワークを収納するホルダーを使用してな
   る請求項１に記載の搬送および供給装置。
7. 【請求項７】 使用するマグネットを電磁石としてなる
   請求項１に記載の搬送および供給装置。