JP2002178339A - 金型付着物の除去剤及び金型付着物の除去方法 - Google Patents
金型付着物の除去剤及び金型付着物の除去方法Info
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Abstract
おいて、高温金型表面へ付着する金型への析出物(いわ
ゆるモールドデポジット)及び防錆剤、離型剤、潤滑剤
を容易に除去でき、しかも作業環境上好ましい金型付着
物の除去剤を提供する。 【解決手段】 沸点が150℃以上の一価アルコール
と、リモネン、メチルジヒドロジャスモネートよりなる
群から選ばれる少なくとも1種の香料と、からなる熱可
塑性樹脂の成形に用いる金型付着物の除去剤。
Description
等の熱可塑性樹脂の成形において、高温金型表面へ付着
する金型への析出物(いわゆるモールドデポジット)及
び防錆剤、離型剤、潤滑剤を除去する除去剤及び除去方
法に関するものである。
有することから、電気電子部品、自動車部品、建材部
品、事務機器部品等の成形に幅広くに使用され、その使
用量も年々増大している。
出成形により所望の形状に成形されるが、その成形にお
いて、金型表面へいわゆるモールドデポジットが発生
し、それが製品表面へ転写されて製品の外観が損なわれ
たり、寸法精度の要求される部品の寸法精度が損なわれ
ることが生じる。また、凹凸を施したシボ加工の金型表
面へモールドデポジットが発生すると、凹凸の転写が著
しく悪くなる。このような外観の損傷、寸法精度の低
下、凹凸転写の悪化は、金型表面への防錆剤、離型剤、
潤滑剤の残留によっても発生する。
解掃除に多々の時間を費している場合が多く、生産性の
向上、コストダウンの大きな障害となっている。
はポリオキシメチレンについての金型付着物の除去方法
が記載されているが、該公報には除去剤を金型表面塗布
する方法として推進剤を用いることは記載されていな
い。
は、ベンジルアルコールにアルコール性水酸基を少なく
とも1つ有する溶媒を加えた溶液を、推進剤を用いて吹
き付け塗布する金型付着物の除去方法が記載されている
が、この方法は、金型温度が150℃程度の高温を要す
るケースでは、溶液が蒸散し、洗浄機能を発揮できない
ため、スーパーエンプラ等の成形に用いる高温金型の洗
浄には適さない。
ーパーエンプラの様に金型温度が高温となる金型に付着
したモールドデポジット及び防錆剤、離型剤、潤滑剤を
容易に除去する方法が望まれている。
ンプラ等の熱可塑性樹脂の成形において、高温金型表面
へ付着する金型への析出物(いわゆるモールドデポジッ
ト)及び防錆剤、離型剤、潤滑剤を容易に除去でき、し
かも作業環境上好ましい金型付着物の除去剤及び金型付
着物の除去方法を提供することを目的とする。
ットの付着成分を調べ、熱可塑性樹脂に添加されている
成分及び防錆剤、離型剤、潤滑剤と除去剤の成分の関
係、及び除去剤を金型表面に均一に塗布する方法につい
て詳細に検討した結果極めて有効な手段を見いだすに到
った。
一価アルコールと、リモネン、メチルジヒドロジャスモ
ネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の香料
と、からなることを特徴とする熱可塑性樹脂の成形に用
いる金型付着物の除去剤及び熱可塑性樹脂の成形に用い
る金型表面への付着物を除去するに、該除去剤を、推進
剤を用いて吹き付け塗布することを特徴とする金型付着
物の除去方法を提供するものである。
℃以上の一価アルコールと、リモネン、メチルジヒドロ
ジャスモネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種
の香料と、からなる。
ては、炭素数6〜10のアルコールが好ましく、これら
のうちでも1−ヘプタノール、2−オクタノール、シク
ロヘキサノールが好ましい。これらを一種あるいは一種
以上を組合わせても構わない。
ヒドロジャスモネート(MDJ)を単独で用いてもよい
し、これらを混合して用いてもよい。
ることが好ましく、より好ましくは、リモネンの場合は
40重量%〜60重量%、MDJの場合は20重量%〜
30重量%である。香料の濃度が10重量%未満、また
は90重量%を越えると除去効率が低下する傾向にあ
る。
の成形に用いる金型表面への付着物を除去するに、前記
除去剤を、推進剤を用いて吹き付け塗布する。
する際に、大きな効果を示す働きを持っている。推進剤
は一般に高圧ガスといわれる気体で、スプレー缶に充填
した場合、0.1kg/cm2以上の充填圧を示すもの
である。その具体例としては、空気、窒素ガス、アルゴ
ンガス、ヘリウム、CO2、LPG、ネオンガス等が挙
げられる。その内、環境汚染、取扱安全性よりLPGが
最も適切である。推進剤によって上記除去剤を複雑な形
状をした金型表面でも均一に塗布することができる。
BS、AS、スチレン/ブタジエン樹脂、アクリルニト
リル/アクリレート/スチレン共重合体、塩化ビニル、
ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリア
ミド、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ア
イオノマー、アミノポリアクリルアミド、フッ素樹脂、
ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、PBT、P
ET、ポリ塩化ビニリデン、ボリカーボネート、酢酸ビ
ニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポ
リビニルホルマール、変性PPE、変性PPO、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリメチルペンテン、液晶ポリ
マー、LCP等のスーパーエンプラ等を挙げることがで
きる。これらのうちでも、金型温度が150℃以上の高
温となるスーパーエンプラを用いる成形において、本発
明は特にその効果を発揮する。
るものは、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、帯電防止剤、
潤滑剤等の樹脂に特性を持たせるために添加した添加剤
の一部、あるいは樹脂によって違うが樹脂のオリゴマー
等が主な成分である。また、金型に塗布後残留するもの
として、金型の錆を防止するための防錆剤、例えば有機
高分子化合物を主成分とするものを挙げることができ
る。さらには、成形品と金型の離型性を高める離型剤、
例えば植物油脂成分を主成分とするものや、金型ノック
ピンの摺動性を保持する潤滑剤、例えばフッ素樹脂を主
成分とするものがある。
アルミ皿に、表1に示す除去剤を2ml秤り込み、表面
温度150℃のサンドバス上に30秒間おいて除去剤を
蒸散させた。室温まで空冷後、アルミ皿の重量を秤り、
減量から除去剤の残存率を求めた。また、臭気について
も官能検査を行った。結果を表1に示す。
は、150℃でも残存率はほぼ100%であり、刺激臭
もなく、作業環境上好ましいことが分かる。
「IS−100E」で、住友化学(株)製LCP樹脂
「スミカスーパーE4008」を用い、円筒状のコップ
(内径46mm、外形50mm、高さ50mm、底の厚
み4mm)を、シリンダー温度380℃、金型温度15
0℃で成形し、1ショット目と1万ショット目に得られ
たコップの内側の底について光沢度計を用いて光沢度を
測定した。
1万ショット目の成形品光沢度は約50%まで低下して
いた。
手動操作に切り替え、金型開きの状態に保ち、表2に示
す除去剤をヘアースプレーと同様なノズルを取り付けた
スプレー缶に推進剤であるLPGと共に封入して、成形
機の金型に5秒間吹き付けた。金型は筒状になってお
り、推進剤であるLPGによって吹き付けなければ金型
のキャビディに均一に届かない構造になっており、推進
剤の効果はこのような手の届かない構造のものに大変有
利に働く。
ショット)を行い、5ショット目の成形品について同様
に光沢度を測定した(吹き付け後の成形品光沢度)。
デジタル変角光度計「Model・VG−10」を用
い、入射角60度で測定した。
(No.1〜6)は、吹き付け後の成形品光沢度が75
〜85%になっており、成形直後のモールドデポジット
の発生していない時の状態と同程度まで回復できた。但
し、香料含有量が少な目の除去剤(No.3,6)につ
いては、光沢度の回復がやや劣る傾向にある。
プを成形するための金型にあらかじめ東洋化学商会社製
防錆剤「エースガード」を吹き付け塗布し、実施例2と
同じLCP樹脂を用い、上記円筒形のコップを実施例2
と同じ条件で成形した。1ショット空打ちを行い、2シ
ョット目の成形品(コップ)の内側の底の光沢度を実施
例2と同様に測定した(除去前の成形品光沢度)。
プを成形するための金型にあらかじめ東洋化学商会社製
防錆剤「エースガード」を吹き付け塗布し、表3に示す
除去剤をLPG(推進剤)で実施例2と同様に金型に吹
き付け、旭化成工業社製不織布「アサクリンワイパー」
で乾拭きした後、実施例2と同じLCP樹脂を用い、上
記円筒形のコップを実施例2と同じ条件で成形した。1
ショット空打ちを行い、2ショット目の成形品(コッ
プ)の内側の底を光沢度を実施例2と同様に測定した
(除去後の成形品光沢度)。
会社製離型剤「ペインタブル」を吹き付け塗布した以外
は、実施例3と同様に評価した。結果を表4に示す。
会社製潤滑剤「ザ・キング」を吹き付け塗布した以外
は、実施例3と同様に評価した。結果を表5に示す。
型表面、特にスーパーエンプラの様に金型温度が高温と
なる金型表面へ付着する金型への析出物(いわゆるモー
ルドデポジット)及び防錆剤、離型剤、潤滑剤を除去す
ることができ、外観の損傷及び寸法精度の低下のない、
製品表面への転写性に優れた金型に復帰できる。また、
金型の分解掃除に多々の時間を費やすことなく、生産性
の向上、コストダウンが計れる。更に、高温でも蒸散し
にくく、しかも香料を原料成分とするため、作業環境上
好ましい。
Claims (5)
- 【請求項1】 沸点が150℃以上の一価アルコール
と、リモネン、メチルジヒドロジャスモネートよりなる
群から選ばれる少なくとも1種の香料と、からなること
を特徴とする熱可塑性樹脂の成形に用いる金型付着物の
除去剤。 - 【請求項2】 香料の濃度が、10重量%〜90重量%
であることを特徴とする請求項1に記載の金型付着物の
除去剤。 - 【請求項3】 一価アルコールが、炭素数6〜10のア
ルコールであることを特徴とする請求項1または2に記
載の金型付着物の除去剤。 - 【請求項4】 前記炭素数6〜10のアルコールが、1
−ヘプタノール、2−オクタノール、またはシクロヘキ
サノールであることを特徴とする請求項3に記載の金型
付着物の除去剤。 - 【請求項5】 熱可塑性樹脂の成形に用いる金型表面へ
の付着物を除去するに、請求項1〜4のいずれかに記載
の除去剤を、推進剤を用いて吹き付け塗布することを特
徴とする金型付着物の除去方法。
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JP2000378445A JP2002178339A (ja) | 2000-12-13 | 2000-12-13 | 金型付着物の除去剤及び金型付着物の除去方法 |
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- 2000-12-13 JP JP2000378445A patent/JP2002178339A/ja active Pending
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