JP2002178252A - レンズの加工方法および加工装置 - Google Patents

レンズの加工方法および加工装置

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JP2002178252A
JP2002178252A JP2000377195A JP2000377195A JP2002178252A JP 2002178252 A JP2002178252 A JP 2002178252A JP 2000377195 A JP2000377195 A JP 2000377195A JP 2000377195 A JP2000377195 A JP 2000377195A JP 2002178252 A JP2002178252 A JP 2002178252A
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lens
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thickness
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JP2000377195A
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Yuta Nishide
雄太 西出
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズを高精度に加工する際、加工中のレン
ズ中肉を正確に把握するとともに、加工レンズの中肉実
測値と所望中肉との差分を訂正しつつ中肉を高精度に管
理してレンズの連続加工を可能にする。 【解決手段】 ワーク軸11の一端側にホルダー2を介
して保持したレンズ1と、砥石軸4の一端側に取り付け
て回転される総型砥石3とを当接して加圧しながら、レ
ンズ加工面1aの曲率中心を揺動中心として総型砥石3
を揺動してレンズ1を加工する際、レンズ1の加工に応
じて移動するワーク軸11の移動量をリニアスケール1
7で検出するとともに、所望の中肉を得る設定値をリニ
アスケール17で検出した際に加工を停止する。そし
て、加工レンズの中肉を実測し、その実測値と所望の中
肉を得る目標値との間に差分が生じている際には、その
差分に基づいて上記設定値を補正し、次のレンズ1を加
工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズを高精度に
加工する際の、レンズの加工方法および加工装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】加工中のレンズの中肉を測定しつつ、レ
ンズ加工の継続または終了の指令を出す技術としては、
特公平4−4094号公報および特開平10−2914
9号公報に記載のものが挙げられる。この技術に用いら
れる装置を図12および図13において説明する。
【0003】図12は特公平4−4094号公報におけ
る自動研磨測定装置を示しており、図12(a)は全体
を示す断面図、図12(b)は一部を拡大して示す断面
図である。この自動研磨測定装置は、図12(a)の下
方側の研磨皿回転揺動機構Aと、図12(a)の上方側
および図12(b)の研磨ホルダー固定加圧機構Bと、
この加圧機構Bに取り付けられる研磨測定機構Cとに大
別できる。
【0004】研磨皿回転揺動機構Aは、筒状のボックス
111内の中央部に設けた中空状のスリーブ108にス
ピンドル103付きの駆動軸102を上下のベアリング
115を介して内設し、この駆動軸102の上方先端に
は球面状のへこみを具備した凸面研磨用の研磨皿101
を螺着するとともに、下方他端にはVプーリー104が
取り付けてあり、Vプーリー105およびベルト107
を介して駆動されるように形成されている。Vプーリー
105はスピンドルモーター109の駆動軸106に取
り付けられており、このスピンドルモーター109の駆
動によって研磨皿101の回転が自在となる。
【0005】また、ボックス111の上方部には、フレ
ームべース114の下面側に固定したベアリングケース
113内のベアリング115aに支持されるセンターシ
ャフト112が取り付けられており、この研磨皿回転揺
動機構Aを構成する筒状のボックス111の全体が、ボ
ックス111の側壁と係合するスイングポスト116お
よびスイングシリンダー117を介して振り子状に揺動
されるようになっている。110はスリーブべース、1
25は研磨剤ドレンピット(容器)、118はシリンダ
ーフート、119はフレームである。
【0006】また、研磨ホルダー固定加圧機構Bには、
研磨ホルダー124がホルダーアーム121にメタル1
22を介して取り付けたホルダーシャフト120の先端
に取り付けられている。ホルダーアーム121は加圧用
のスプリング123を介してホルダーシャフト120の
上方突端部と連結されており、ホルダーシャフト120
はスプリング123によって常時下方に向けて加圧され
ている。この加圧によって、研磨皿101上のレンズL
を常時研磨ホルダー124が加圧するように構成されて
いる。すなわち、研磨ホルダー固定加圧機構Bは、研磨
ホルダー124を常に一定方向(垂直方向)から研磨皿
101の球心に対して常時加圧して、研磨用のレンズL
を研磨皿101と研磨ホルダー124間に圧置するよう
になっている。
【0007】さらに、研磨測定機構Cはダイヤルゲージ
130を備えており、ダイヤルゲージ130は信号取り
出し用のリード線131を介して電動され、上方部に取
り付けてある測定端子133により作動されるよう構成
されている。すなわち、測定端子133の押圧作動によ
りダイヤルゲージ130内の電気接点が作動され停止信
号を発するようにしてある。132は電気接点用の調節
ツマミであり、研磨量をあらかじめ決めておくための調
節用ツマミである。つまり、図12(b)に示すよう
に、調節用ツマミ132により、レンズLの研磨量Mを
ダイヤルゲージ130の目盛りにあわせてセットしてお
けば、測定端子133の押圧作動によって調節された目
盛りのところに針130aが移動Sしたときに、停止信
号を発する。134は調整ボルトであり、ホルダーシャ
フト120の上方端部に取り付けられた検出板135を
介して測定端子133の突端上方部に螺合により固定し
てある。この調整ボルト134は、測定端子133に接
触する長さを、その回転により調整することにより、研
磨量Mの位置決めをするためのものである。
【0008】従って、ホルダーシャフト120の上下移
動により、検出板135を介して調整ボルト134は上
下動し、この調整ボルト134の上下動によって、さら
に測定端子133の先端の押圧が自在となる。136は
ダイヤルゲージの取り付け板であり、測定端子133と
ホルダーアーム121間に取り付けてある。この取り付
け板136は、ダイヤルゲージ130をホルダーアーム
121に固定するものであるが、この固定によってホル
ダーシャフト120に固定されている検出板135の上
下移動を検出することができる。
【0009】このような構成による研磨測定機構Cを使
用することにより、ダイヤルゲージ130および調整ボ
ルト134にて設定した研磨量Mの値までレンズLの加
工が進行した段階で、加工終了の信号が発せられ、加工
が終了する。
【0010】実際の使用方法としては、レンズの中肉
(絶対値)に対して制御するような使用方法、および取
り代(加工量)に対して制御する方法がある。具体的な
手法としては以下の通りである。
【0011】標準レンズセット→標準レンズ押圧→測定
端子133を下げる(手動)→調節用ツマミ132で位
置合わせ→調整ボルト134にて位置合わせ→調整ボル
ト14をロック→標準レンズとレンズLを交換→加工→
加工レンズの実測→設定値補正(実測値と目標値に差が
生じた場合)以上のようになる。
【0012】すなわち、標準レンズを研磨ホルダー12
4にセットし、スプリング123によりホルダーシャフ
ト120を介して研磨皿101上に標準レンズを押圧す
る。そこで、測定端子133を指先で押し下げながら調
節用ツマミ132を回して針130aをダイヤルゲージ
130の所望目盛りの位置に合わせる。次いで、調整ボ
ルト134により測定端子133を上下させ、針130
aを前記所望目盛りの位置に合わせて調整ボルト134
をロックする。そして、標準レンズとレンズLを交換し
てレンズLを加工し、針130aが所定目盛りの設定位
置に達すると加工は終了する。
【0013】次に、加工終了後の加工レンズを取り出し
て厚み(中肉)を測定する。そして、測定値と目標値に
差がある場合は、調整ボルト134により目標値を修正
する。実際に、加工レンズを実測して目標値との間に差
が生じている場合は、調整ボルト134を回すことによ
り加工量を調節し、再度、加工→実測→補正のルーチン
を回すことになる。
【0014】一方、図13は特開平10−29149号
公報に開示された研磨装置を示す図である。この研磨装
置においては、上軸220の下端に設けられた球状部2
20aと研磨皿221の上部に形成された嵌合穴221
aとが嵌合して自在継手を構成し、上軸220と研磨皿
221とが傾動自在に連結されている。研磨皿221の
内面にはレンズの光学曲面を構成する研磨面221bが
形成され、この研磨面221bは、下軸222の上端に
取り付けられた貼付治具223に固着されたレンズ基材
224の表面に摺接している。
【0015】上軸220は、揺動アーム225に対し貫
通状態で上下動可能に取り付けられている。また、揺動
アーム225は、図示しない揺動駆動機構によって前後
方向(図では左右方向)に水平に揺動するように構成さ
れている。一方、下軸222は図示しない回転駆動機構
によって、下軸222の軸線を中心として回転されるよ
うになっている。
【0016】揺動アーム225の上方に突出している上
軸220の上部には、水平方向に突出する支持部材22
7が設けられ、この支持部材227の取り付け孔には設
定ダイヤル軸228が上下に挿通して固定されている。
この設定ダイヤル軸228は、上部にダイヤル部228
aと下部に設定端部228bが設けられており、支持部
材227の上方に位置するダイヤル部228aを回転さ
せることにより、支持部材227の下方に位置する設定
端部228bが上下に出没するように構成されている。
【0017】また、揺動アーム225の先端部には検出
ゲージ229を支持するための取り付け部材226が設
けられ、この取り付け部材226の内部には上下方向に
伸びる取り付け孔が上記設定端部228bの下方位置に
形成されている。取り付け部材226の取り付け孔には
検出ゲージ229の本体229dが挿通固定されてお
り、この検出ゲージ229には、取り付け部材226の
上方に出没自在に突出した検出部229aと、この検出
部229aの没入量を表示する表示部229bとがあ
り、検出部229aは設定ダイヤル軸228の設定端部
228b下方に位置されている。この検出ゲージ229
は、検出部229aの没入量が所定の設定値を超えると
リード線231を介して電気信号を出力するように構成
されている。この設定値は、表示部229bの側面に設
けられた設定ツマミ229cを回転することによって調
整できるようになっている。
【0018】上記揺動アーム225の先部には上下方向
に貫通した取り付け孔225aが設けられ、この取り付
け孔225aに上軸220が挿通されている。取り付け
孔225aの内周面にはフランジ部225bが内側に突
出するように設けられ、このフランジ部225bを、上
軸220の外周面にリング状に形成された凹部220b
の中に収容するようにして組み立てている。凹部220
bの内部にはコイルスプリング230がフランジ部22
5bの下面と凹部220bの下側面との間に圧縮状態で
収容されている。
【0019】このような構造により、上軸220は、揺
動アーム225に対して所定範囲内で上下に摺動自在に
取り付けられていることになり、しかも上軸220は常
にコイルスプリング230により下方に付勢されている
ことになる。
【0020】上記構成により、下軸222を回転させな
がら揺動アーム225を揺動させることにより、貼付治
具223に固着されたレンズ基材224の表面が研磨皿
221の研磨面221bによって研磨され、レンズ基材
224が研磨されることによって上軸220が下降する
ことになる。
【0021】レンズ基材224の研磨量を測定するため
には、揺動アーム225と上軸220との相対的な移動
量を検出すればよく、この際、揺動アーム225が研磨
方向にはほとんど動作しないため、検出ゲージ229の
検出部229aに対する設定端部228bの移動量(押
し下げ量)を検出すれば精度良くレンズ基材224の研
磨量を測定できる。
【0022】そして、検出部229aの押し下げ量を検
出電位に変換させ、検出電位が検出ゲージ229の所定
の設定値に対応した基準電位を上回ると、電位比較から
検出パルスを出力するようにして、その検出パルス数を
カウント・積算し、検出パルス数が所定の基準値に達し
た場合、研磨が終了したとして、研磨装置の停止をさせ
るようにしている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】特公平4−4094号
公報に記載されているように、レンズLの加工時に上下
動しないホルダーアーム121に対し取り付け板136
を介して固定されたダイヤルゲージ130のような接触
式の測定装置を付け、加工中のレンズLの研磨量を測定
しながら研磨加工を行ったとしても、ホルダーシャフト
120(あるいは上軸)に対して片持ちで検出部(ある
いは設定端部)が取り付けられ、かつレンズ加工部位と
レンズ加工量検出部(ゲージによる検出部)とが離れて
いることによって、レンズ研磨加工中に発生する振動が
増幅して検出され、正確な値を測定することができず、
そのために所望の加工量が得られていないにも関わら
ず、加工終了の信号が出てレンズ加工が終了してしまう
ことがある。また、測定端子の接触にて到達点を判断す
る場合、測定端子の接触する圧力が変動することがあ
り、加工終了の信号が出たり出なかったりする場合があ
る。
【0024】一方、特開平10−29149号公報も、
特開平4−4094号公報と同様に、設定ダイヤル22
8の設定端部228bと検出ゲージ229の検出部22
9aとの接触にて到達点の判断を行っているため、上記
と同様の不具合も発生する。また、検出パルス数をカウ
ントし、それにより研磨量を検出し、加工終了の信号を
出すようにすれば、上述したような振動による誤作動は
回避することができるが、この研磨装置による加工方式
は球心研磨方式(揺動中心がレンズ曲率中心と一致して
いる加工方式)にはなっておらず、揺動アーム225の
揺動により上下方向の位置移動が必ず生ずる。これによ
り上軸側の上下動が起きて検出誤差が生じ、制御よりこ
の誤差を修正するのは不可能である。
【0025】また、実際のレンズの品質として必要なの
は中肉精度(中肉厚さ精度)になるため、取り代はある
一定以上であれば、その取り代そのものは特に問題とな
らない。取り代が不足する際に生じる不具合として、前
工程の深いクラックが残り、俗に言う砂目として研磨面
に残留することがあるが、工程を設定する際にあらかじ
め取り代が不足しないように設定さえしておけば、中肉
精度を確保するためには、取り代を制御するより中肉の
絶対値を制御する方が好ましい。
【0026】特開平4−4094号公報にて示されてい
る具体的な手法を用いた場合、標準レンズセット→標準
レンズ押圧→測定端子133を下げる(手動)→調節用
ツマミ132で位置合わせ→調整ボルト134にて位置
合わせ→調整ボルト14をロック→標準レンズとレンズ
Lを交換→加工→加工レンズの実測→設定値補正(実測
値と目標値に差が生じた場合)
【0027】以上の手順を踏んでいき、加工レンズを実
測して目標値との間に差が生じている場合は、調整ボル
ト134を回すことにより加工量を調節し、再度、加工
→実測→補正のルーチンを回すことになる。すなわち、
加工終了位置を決めるのは調整ボルト134なので、そ
の調整ボルト134の先端位置をいかに精度良く決めら
れるかがポイントになる。しかし、調整ボルト134を
使用した位置決めは、調整ボルト134のネジ山のピッ
チにもよるが、せいぜい10μmレベルの調整ができる
程度である。仮に、調整ボルト134をマイクロメータ
ーヘッドのように調整しやすい部材にて、上記の精度を
向上させることができたとしても、その調整自体に時間
を費やすことは否めない。
【0028】また、標準レンズ(基準となるレンズ)を
研磨ホルダー124にセットして、基準値を出すように
しているが、これはあくまで目安にしかならない。なぜ
なら、標準レンズの形状精度と工具(研磨皿101)の
形状精度が誤差なく一致するのが理想的であるが、実際
は加工に伴い工具の形状精度が崩れている場合が往々に
してある。すなわち、標準レンズの表面と工具の加工面
との間に部分的な隙間が生じる。さらに、レンズ加工に
おいてレンズLの保持部に自由度のある(自由に動く)
部分がなければ、加工中の抵抗や振動をレンズLが吸収
することになり、形状精度の劣化を招くため、レンズL
を保持している部分が多少なりとも変形を起こすように
構成されているのが通例である。すなわち、標準レンズ
をセットして、基準値を出す場合、そのレンズ保持部が
加工中と同じような変形が生じた状態で測定を行わなけ
れば正確な値を測定するのは困難となる。
【0029】加えて、上述したように加工中の振動が生
じた場合、接触している測定端子の摩耗、接触している
調整ボルトの摩耗および位置ズレ等も発生する可能性が
あり、それが測定誤差を生む要因となることが想定され
る。
【0030】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑みて
なされたもので、レンズを高精度に加工する際、加工中
のレンズ中肉を正確に把握するとともに、加工レンズの
中肉実測値と所望中肉との差分を訂正しつつ中肉を高精
度に管理してレンズの連続加工が可能なレンズの加工方
法および加工装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に係るレンズの加工方法は、レン
ズの加工形状に合致した形状の加工面を持つ総型工具を
使用し、保持具に保持したレンズと前記総型工具のいず
れかを移動して前記レンズと前記総型工具とを押圧し、
前記総型工具を回転させつつ、レンズ加工面の曲率中心
を揺動中心として前記総型工具もしくは前記レンズを前
記レンズ加工面に沿って揺動することによりレンズを加
工するレンズの加工方法において、前記総型工具あるい
はレンズを取り付けるいずれかの揺動しない移動軸側と
加工中に移動しない固定位置との相対位置を測定装置に
より検出することで、加工中のレンズの中肉を算出し、
前記相対位置が設定値を超えた段階で加工を終了し、そ
の加工済みの加工レンズの中肉を実測し、中肉の目標値
との差分を求めた上で、次のレンズを加工する前に前記
差分を補正値として設定値に加算もしくは減算すること
を特徴とする。
【0032】本発明の請求項2に係るレンズの加工方法
は、請求項1のレンズの加工方法にあって、加工済みの
加工レンズ中肉を自動で実測し、目標値との差分を算出
した上で自動的に補正を行うことを特徴とする。
【0033】本発明の請求項3に係るレンズの加工装置
は、レンズの加工形状に合致した形状の加工面を持つ総
型工具と、前記レンズを保持する保持具と、前記レンズ
を前記総型工具に押圧する機構と、前記総型工具を回転
させる機構と、レンズ加工面の曲率中心を揺動中心とし
て前記総型工具もしくは前記レンズを前記レンズ加工面
に沿って揺動する機構と、前記総型工具あるいは前記レ
ンズを取り付けたいずれかの揺動しない側の移動軸と、
を有するレンズの加工装置において、前記移動軸と加工
中に移動しない任意の固定位置に取り付けられ前記移動
軸と前記固定位置との相対位置を検出する測定装置と、
前記測定装置からの信号により加工の継続または停止を
指令する制御装置と、加工済みの加工レンズの中肉を実
測する測定装置と、測定した測定値と目標値との差分を
算出する算出装置と、設定値に算出結果をフィードバッ
クさせるフィードバック経路を備えたことを特徴とす
る。
【0034】本発明の請求項4に係るレンズの加工装置
は、請求項3のレンズの加工装置にあって、レンズの着
脱を自動で行う搬送装置と、加工済みの加工レンズ中肉
の実測を自動で行う測定装置と、実測値と目標値との差
分を自動で算出する電算部と、その差分を補正値として
設定値に自動で加算もしくは減算する制御回路を具備し
たことを特徴とする。
【0035】本発明の請求項5に係るレンズの加工装置
は、請求項3のレンズの加工装置にあって、前記移動軸
と前記固定位置との相対位置を検出する測定装置と、加
工済みの加工レンズ中肉を実測する測定装置が、ともに
非接触式の測長器であることを特徴とする。
【0036】請求項1または請求項3に係るレンズの加
工方法およびレンズの加工装置においては、レンズの加
工形状に合致した形状の加工面を持つ総型工具に対し、
レンズを保持具に保持した状態で押圧し、総型工具を回
転させつつ、レンズ加工面の曲率中心を揺動中心とし
て、総型工具がレンズ加工面に沿って揺動することによ
りレンズを倣い加工する際に、測定装置により移動軸と
固定位置との相対位置を検出することで、加工中の前記
レンズの中肉を測定し、前記相対位置が設定値(所望す
るレンズ中肉に対応する値)を越えた時点で加工を終了
し、その加工済みの加工レンズの中肉を実測し、目標と
する中肉の値との差分を求めた上で、その差分を補正値
として前記設定値に加算もしくは減算することにより、
レンズ中肉を自動制御し、レンズを高精度に加工する。
【0037】請求項2または請求項4に係るレンズの加
工方法およびレンズの加工装置においては、請求項1お
よび請求項3の構成にあって、加工済みの加工レンズ中
肉の実測、その実測値と目標値との差分の算出、算出し
た差分を補正値として設定値に加算もしくは減算する一
連の作業をすべて自動的に行うことで、作業の煩雑さを
なくした状態で、レンズ中肉の自動制御を行う。
【0038】請求項5に係るレンズの加工装置において
は、請求項3の構成にあって、測定装置に非接触の測長
器を用いることにより、測長器自体の摺動抵抗、測定端
部の摩耗に起因する測定誤差などが出ない状態で、レン
ズ中肉の自動制御を行う。
【0039】なお、上記各請求項に関わる発明の作用と
しては、総型工具が揺動を行い、測定装置をレンズの移
動軸と固定位置に取り付けた場合について説明したが、
これとは逆にレンズが揺動を行い、測定装置を総型工具
の移動軸と固定位置に取り付けた場合についても同様な
作用、効果が得られるものである。
【0040】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の実施の
形態1を図1〜図5に基づいて説明する。図1は本実施
の形態の加工装置の要部概略図、図2はリニアスケール
(位置検出器)近傍の詳細図、図3(a)、(b)、
(c)は上軸全体が上昇、下降および加圧した際の概略
正面図、図4はレンズ加工前のレンズ中肉およびレンズ
加工後の取り代の関係を示す図、図5はリニアスケール
の設定値(加工終了位置)を固定してレンズの連続加工
を行った際のレンズ中肉および砥石高さの変化を示す図
である。
【0041】図1において、まず加工装置の要部の砥石
3を保持する下軸側Sから説明すると、レンズ1の球面
(図では凸球面)形状に対応した加工面としての球面3
a(図では凹球面)形状を有する総型工具としての総型
砥石(以下、砥石という)3が砥石軸4の上端に接続さ
れている。砥石3には、砥粒をメタルボンドもしくはレ
ジンボンドで固定した精研削用砥石、または研磨材を樹
脂にて固定した研磨用砥石を使用する。
【0042】砥石軸4はスピンドル5と一体となってお
り、さらにスピンドル5は砥石回転モーター7に接続さ
れている。砥石回転モーター7は、スピンドル5を回転
可能に支持する下軸台座14に固定されており、加工装
置の全体を制御する制御装置40によって制御されるイ
ンバーター41を介して、砥石軸4の軸心回りに砥石3
を回転させる。下軸台座14は、その上部が揺動部材9
を貫通するようにして、上部外周面を揺動部材9に一体
的に取り付けてあり、この下軸台座14上には揺動部材
9を揺動させるための揺動モーター6が、砥石回転モー
ター7の回転軸線と直交する方向に回転軸線を有するよ
うに固定されている。この揺動モーター6は、加工装置
の全体を制御する制御装置40によって制御されるモー
ター制御装置42により、回転速度および回転方向を任
意に制御可能になっている。
【0043】前記揺動部材9は舟型形状に形成され、そ
の下面が加工装置の本体に固定した揺動部材受け部10
により支持されている。揺動部材受け部10は、揺動部
材9との対向面を前記舟型形状の底面に見合った凹曲面
形状にして揺動部材9を揺動可能に支持するとともに、
揺動部材9が揺動する際の下軸台座14との干渉をなく
すための開口部分(図示省略)を形成している。
【0044】前記揺動モーター6の駆動軸には、ギア6
aが取り付けられており、ギア6aは円弧状のガイド8
とかみ合った状態となっている。ガイド8は、図示省略
した加工装置本体に固定されており、揺動モーター6に
よりギア6aが回動しつつガイド8に沿って移動して前
記下軸台座14が揺動し、揺動部材9および砥石3等が
円弧を描きつつ往復揺動するようになっている。
【0045】砥石3の上方には、貼付皿12に貼り付け
により保持されたレンズ1が配置されている。レンズ1
は、凸球面状のレンズ加工面(レンズ球面)1aを砥石
3に向けるとともに貼付皿12を保持具としてのホルダ
ー2内に保持させることにより、ホルダー2に対して回
転自在に支持されている。なお、貼付皿12とホルダー
2は、図1では分離した状態であるが、図3のように組
み立てられる。さらに、ホルダー2はワーク軸11の下
端側に接続されており、ワーク軸11は、その上端に連
結された加圧用エアシリンダー16のロッドにより上下
動される。
【0046】加圧用エアシリンダー16は、バックプレ
ート19の上面に固定した第1取付板19aに取り付け
られて制御装置40により制御される加圧制御装置43
により制御されており、砥石3に対してレンズ1を下降
した後のレンズ1の加工時には、レンズ加工面1aを砥
石3の球面3aに加圧するようになっている。ここで、
ワーク軸11、ホルダー2およびホルダー2に貼付皿1
2を介して取り付けられるレンズ1からなる構成を上軸
全体Uと称する。また、上軸全体Uを支持する第1取付
板19aおよびバックプレート19は、レンズ加工中は
上下動せず、後述の位置検出器の一方のセンサー部を配
する支持部材として機能する。
【0047】ワーク軸11の中心軸線は、砥石3の球面
3aにおける曲率中心を通る軸線上に位置しており、バ
ックプレート19の前面に固定した第2取付板19bに
ロッドを連結した粗動用エアシリンダー18により、バ
ックプレート19および加圧用エアシリンダー16等を
上下に移動するようになっている。粗動用エアシリンダ
ー18は、加工装置本体20に固定されて前記制御装置
40により制御されており、ワーク軸11およびホルダ
ー2が加工装置本体20に穿設した孔20aを貫通して
(図1では貫通していない状態で図示しているが、図3
の状態になる)レンズ1を砥石3に対向するように配置
されている。なお、砥石3の球面3aおよびレンズ1の
レンズ加工面1aの曲率中心は往復揺動する砥石軸4の
円弧の曲率中心と一致した位置にある。この位置を揺動
中心位置(以下、球心位置という)Oといい、上記加圧
用シリンダー16は上型全体Uを球心位置Oを通る鉛直
方向に加圧している。
【0048】また、加圧用エアシリンダー16の下方の
ワーク軸11とバックプレート19には、それぞれ可動
側と固定側とが対となって用いられる測定装置としての
リニアスケール17(位置検出器)が配してあり、加圧
用エアシリンダー16によるワーク軸11の移動量を検
出し、その移動量は表示器22に表示されるようになっ
ている。また、バックプレート19には、ボルト15a
(図3参照)を弛めることにより上下に位置調整可能な
ストッパー15が固定されており、バックプレート1
9、すなわちバックプレート19を介して上軸全体Uを
粗動用エアシリンダー18により下降した際、バックプ
レート19側のストッパー15が加工装置本体20に固
定したストッパー(本体側)21に当て付くように配さ
れている。
【0049】図2は、対となったリニアスケール17
(位置検出器)の近傍を拡大図示したものである。リニ
アスケール17は、バックプレート19側に配される目
盛り読取り用のセンサー部25を内部に有した固定側リ
ニアスケール部23と、ワーク軸11側に配される目盛
りが形成された目盛り部を有した可動側リニアスケール
部24からなっている。固定側リニアスケール部23
は、レンズ1の加工中には固定されるとともに、可動側
リニアスケール24はワーク軸11と一体に上下動さ
れ、固定側リニアスケール部23の内部のセンサー部2
5によって固定側リニアスケール部23と可動側リニア
スケール部24の相対的な位置を常に読み取ることがで
きる。このセンサー部25によって読み取った値は、図
1における表示器22に表示される仕組みになってい
る。また、リニアスケール17における仮のゼロ点を設
定するために、可動側リニアスケール部24の上端と当
て付くゼロ点ストッパー26がバックプレート19に固
定されている。
【0050】図3および図4は、加工時における上軸の
動きを模式的に表したもので、図3(a)は加工開始前
の状態を、図3(b)は図3(a)の状態から粗動(下
降)した状態を、図3(c)は図3(b)の状態から微
動(下降)した加圧状態を示し、図4はレンズ加工によ
る加工量を説明する図である。なお、図3(b)は図3
(c)の状態から微動(上昇)した加圧解除状態、図3
(a)は図3(b)の状態から粗動(上昇)した状態も
現している。
【0051】上記の構成によれば、加工装置の制御装置
40によって制御されてレンズ加工開始時には、図3
(a)に示した状態から粗動用エアシリンダー18のロ
ッドが下降され、それによりバックプレート19を介し
て上軸U全体が下降する。このとき、バックプレート1
9に固定されたストッパー15がストッパー(本体側)
21に当て付くまで下降する。このように下降してスト
ッパー15,21が当て付いた段階では、バックプレー
ト19は位置固定されて移動しない状態となるととも
に、バックプレート19に固設されている固定側リニア
スケール部23も固定状態となり、また図3(b)に示
すようにワーク軸11の下端にホルダー2を介して保持
されているレンズ1と砥石3との間には隙間が生じてい
る。また、この段階では、可動側リニアスケール部24
とゼロ点ストッパー26とは当接している。
【0052】この状態から図3(c)のように、収縮状
態になっていた加圧用エアシリンダー16のロッドを加
圧制御装置43による制御で伸ばすことによりワーク軸
11が下降し、レンズ1のレンズ加工面1aが砥石3の
球面3aに当接するとともに、レンズ1のレンズ加工面
1aに上方から圧力が加わる。そして、加圧用エアシリ
ンダー16のロッドを伸ばすことにより、ワーク軸11
が下方向に移動するため、ワーク軸11に固定されてい
る可動側リニアスケール部24も移動し、レンズ1と砥
石3が当接した位置(第1位置A)を固定側リニアスケ
ール部23のセンサー部25が検出する。なお、前記の
ように加圧用エアシリンダー16のロッドが収縮してい
る状態では、可動側リニアスケール部24の端面がゼロ
点ストッパー26に当て付いた状態になっている。
【0053】図3(c)に示すようにレンズ1が砥石3
に接した後、図1に示すように、加工装置の制御装置4
0で制御されるモーター制御装置42によって、揺動モ
ーター6を駆動することによりギア6aが回転し、ガイ
ド8に沿って揺動モーター6が揺動する。揺動部材9
は、揺動部材受け部10にて支承されているので、揺動
モーター6が駆動することにより揺動モーター6を固設
した下軸台座14と共に揺動部材9を含む下軸全体Sが
揺動する。また、揺動を行うのと同時に、インバーター
41を介して砥石回転モーター7を駆動することによ
り、砥石軸4が回転し、砥石軸4に接続された砥石3が
回転する。このとき揺動部材受け部10の揺動部材9を
支持する部分は傾いているので、砥石軸4は傾きに対応
した角度分だけ傾斜し、この傾斜の軸を中心にして、揺
動モーター6の正転、逆転作動により、任意の傾斜角
(あるいは揺動角)をもって揺動する。
【0054】以上のように、砥石3がレンズ1のレンズ
加工面1aに沿って回転および往復揺動することにより
レンズ加工面1aの加工を行う。すなわち、給水口13
から研磨液をレンズ1と砥石3に供給しながら、加圧用
エアシリンダー16によるワーク軸11からの加圧、お
よび砥石3の回転および揺動の要素が加わって砥石3に
よるレンズ1の倣い加工が行われる。
【0055】加工中もしくは加工終了時には、レンズ1
の加工量分だけワーク軸11が下方向に移動した位置、
すなわちレンズ1の加工量と等しい値(等価)の位置に
ある。その位置(位置B)をリニアスケール17が読み
取ることで、加工中および加工終了後のレンズ1の中肉
を算出できる。
【0056】前記レンズの加工量について図4を用いて
説明すると、ホルダー2に貼付皿12を保持させた時
の、ホルダー2と貼付皿12とが当接する貼付皿衝面1
2aから加工前のレンズ1の面頂までの高さをt、加
工後の貼付皿衝面12aからレンズ1の面頂までの高さ
をtとすると、加工後のレンズ中肉を管理する場合、
を管理(制御)することになる。なお、Δtは、t
−tである。
【0057】具体的には、ゼロ点ストッパー26に可動
側リニアスケール部24が当て付いた状態(加圧用エア
シリンダー16が収縮した状態)をゼロ点に設定する。
その状態で、ワーク軸11を下降して貼付皿12に貼り
付けたレンズ1を前もって1個加工し、このときのt
と加工後のワーク軸11の位置(目標位置B)との相関
を前記可動側リニアスケール部24で求める。これによ
り目標とする中肉tに対応する加工後のワーク軸11
のあるべき目標位置Bが明確になる。この目標位置B
が、レンズ1を砥石3により加工した際に所望の値(目
標値)tが得られる位置として、加工装置の制御装置
40に設定値として入力しておく。この入力により、加
工装置の制御装置40は、ワーク軸11に取り付けた新
たなレンズの加工が進行してワーク軸11の可動側リニ
アスケール部24の位置が前記入力した設定値である目
標位置B(目標値)まで進んだときに、レンズ加工が終
了するように、制御装置40によりレンズ加工のON/
OFF制御をする。これにより、加工後の貼付皿衝面1
2aからレンズ1の面頂までの高さt位置が常に一定
の状態、すなわち一定の中肉に到達した時点で、制御装
置40による制御信号により加工が終了する。また、ワ
ーク軸11の移動量すなわちゼロ点からの可動側リニア
スケール24の位置は表示器22に表示され、加工の進
行状況および加工終了までの残量なども明確になる。
【0058】レンズ1の加工が終了した時には、制御装
置40による制御信号により砥石3の回転および下軸側
S全体の揺動は停止し、またストッパー21にストッパ
ー15が当て付いて位置固定されていたバックプレート
19と共に上軸U全体が上昇して加圧を解除する。すな
わち、上軸U全体は、図3(c)の状態から加圧用エア
シリンダー16により図3(b)の状態に微動上昇し、
さらに図3(b)の状態から図3(a)の状態に粗動用
エアシリンダー18によりバックプレート19が粗動上
昇する。
【0059】ただし、連続して同じレンズ1を複数加工
する際に注意しなければならないのが、レンズ1の加工
ごとに進行する砥石3の摩耗である。すなわち、ワーク
軸11は、レンズ1の加工量に対応して下降するととも
に、砥石3が摩耗した場合もその摩耗量に応じて下降す
るため、ワーク軸11の下降量はレンズ1の加工量に対
応しなくなる。図5は、仮に設定値(加工終了位置)を
一定にして数十個レベルでレンズ1の連続加工を行った
ときのレンズ中肉および砥石3の高さを示したものであ
る。このとき、レンズ1の中肉が徐々に厚くなっている
と同時に、砥石3の高さが徐々に減少していくのが分か
る。これは、ワーク軸11、すなわち可動側リニアスケ
ール24がレンズ1の加工量および砥石3の摩耗量に応
じて下降し、レンズ1の加工量と砥石3の摩耗量を合算
した量が設定値(加工終了位置)に達するとレンズ1の
加工を終了するため、次第にレンズ1の加工量が減少
し、砥石3の摩耗量が増加するので、このようなグラフ
になっている。
【0060】よって、砥石3の摩耗によるレンズ1の中
肉誤差をキャンセルできるように、設定値に砥石3の摩
耗量と対応させた補正を入れる必要がある。具体的に
は、加工済みの加工レンズの中肉を実測し、目標値と異
なる中肉の場合、目標値と実測値との差分だけ、設定値
を加算もしくは減算し、その設定値で加工を行う。な
お、このレンズ中肉の実測および設定値の補正は、連続
して行うレンズの加工ごとに行うのが望ましい。
【0061】本実施の形態によれば、レンズ1の加工量
に追従して下降するワーク軸11の移動量を、ワーク軸
11の外周面に直接に取り付けた接触式のリニアスケー
ル17によって検出しているので、検出位置と加工位置
とが近いことから、従来のように加工中の振動による増
幅された誤差信号の影響を受けることがなく、所望の加
工量を十分に行うことができる。そして、加工時のレン
ズ1の中肉を従来例にあるようなアナログ的な制御では
なく、デジタル的に制御することが可能になり、測定器
(本実施の形態ではリニアスケール17)から得られる
ワーク軸11の移動量の検出に基づく測定値の処理方法
により、レンズ中肉そのものの制御を極めて正確にする
ことができる、といった効果がある。
【0062】また、リニアスケール17(位置検出器)
の分解能を向上させることにより、さらに高精度のレン
ズ中肉の管理を要求されるものについても、安定して製
造することが可能になる。
【0063】加えて砥石3の摩耗に伴うレンズ中肉の誤
差もキャンセルすることができ、レンズ中肉をより精度
の高いものに仕上げることが可能になる。
【0064】さらに、補正を加える際の設定値の変更も
基本的にデジタル制御で行えるため、従来例にあるよう
なストッパーの位置調節等、作業の煩雑さも軽減するこ
とができる。
【0065】なお、本実施の形態では、凸球面のレンズ
1を加工する場合についてのみ言及したが、凹球面のレ
ンズや平面のレンズについても、同構成の装置で、同様
の効果が得られる。
【0066】(実施の形態2)本発明の実施の形態2を
図6および図7に基づいて説明する。図6は本実施の形
態の加工装置の要部概略図、図7はレンズの連続加工を
行う際の設定値およびレンズ中肉の実測値を示す図であ
る。なお、本実施の形態はリニアスケールの設定値をレ
ンズの加工ごとに自動的に変更可能な手段を設けた構成
以外は、実施の形態1と同一であので、同一の部分には
同一の番号を付して、その説明は省略する。
【0067】本実施の形態においては、実施の形態1と
異なる部分は、リニアスケール17の設定値を電算機5
0に接続している部分である。そして、この電算機50
には、あらかじめ数式等を入力しておき、レンズ1の加
工ごとにリニアスケール17の設定値を上記数式等によ
って自動で変化させ、複数の加工レンズの中肉を一定に
することが可能になっている。
【0068】上記構成による加工装置を用いてレンズ1
の加工を行う場合、加工に伴う動作は基本的に実施の形
態1と同じで、実施の形態1と異なるのは、同じ形状の
レンズ1を連続して加工する際、リニアスケール17の
設定値をレンズ1の加工ごとに自動で変化させることで
ある。上記設定値を一定にしてレンズ1を連続的に加工
すると、砥石3の摩耗によって加工レンズの中肉が次第
に厚くなり、図5に示すようにレンズ中肉がグラフの上
では右上がりになるが、本実施の形態では複数のレンズ
1を連続加工しても加工レンズの中肉が一定となるよう
に、リニアスケール17の設定値を自動で変化させなが
らレンズ1の加工を行う。
【0069】具体的にどのように設定値を変化させるか
について説明すると、まず図5の状態、すなわち設定値
を一定にした場合、複数のレンズ1を連続加工して同一
形状の加工レンズを得る場合に、どのように加工レンズ
の中肉が変化していくかを把握する。このため、ある程
度の個数のレンズ1の連続加工を行い、加工レンズの中
肉変化のグラフ上の傾き、すなわち図5の破線で示す近
似直線−加工後中肉の傾きを求める。
【0070】例えば、リニアスケール17の設定値をX
にしてN個のレンズ1の加工を行った際、得られた加工
レンズの1個目(初回)のレンズ中肉とN個目のレンズ
中肉との変化量がΔTであったと仮定すると、一定の設
定値Xで加工した場合、レンズ1を1個加工するごとに
ΔT/Nの中肉が変化したことになる。次に、同条件で
複数のレンズ1を連続加工して同じ形状の加工レンズを
得る際、設定値Xをレンズ1ごとに変化させて行う。こ
のとき、n個目のレンズ1を加工するときの設定値X
(n)は、〔X(n−1)+ΔT/N〕もしくは〔X
(0)+n×ΔT/N〕となる(ここでいうX(n−
1)はn個目より1つ前の設定値、X(0)は設定値の
初期値である)。そして、上記関係式をあらかじめ電算
機50に記憶させておき、n(n=2〜)個目のレンズ
1の加工に際して自動でリニアスケール17の設定値を
変化させ、その変化した設定値X(n)でn個目のレン
ズ1を加工する。それにより、加工レンズの中肉は、図
7に示すように、ある一定範囲内で安定する。その他の
加工方法、その作用は実施の形態1と同様である。
【0071】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様に、加工時のレンズ1の中肉を従来例にあるようなア
ナログ的な制御ではなく、デジタル的に制御することが
可能になり、レンズ中肉そのものを制御することができ
る、といった効果がある。
【0072】加えて、レンズ1を連続加工する際の砥石
3の摩耗に伴うレンズ中肉の誤差も自動的に補正するこ
とができ、レンズ中肉をより精度の高い加工レンズに仕
上げると同時に、加工レンズの実測や設定値の変更等と
いった作業者の負担を軽減させることが可能である。
【0073】なお、本実施の形態では、凸球面のレンズ
1を加工する場合についてのみ言及したが、凹球面のレ
ンズや平面のレンズについても、同構成の装置で、同様
の効果が得られる。
【0074】(実施の形態3)本発明の実施の形態3を
図8〜図11に基づいて説明する。図8は本実施の形態
の加工装置の要部概略図、図9はレーザースケール近傍
を示す拡大図で、図9(a)は概略斜視図、図9(b)
は図9(a)を上方から見た図、図10はレンズを保持
するリンクを示し、図10(a)は拡大斜視図、図10
(b)は図10(a)を反対側から見た図、図10
(c)は図10(b)を正面側から見た簡略構成図、図
11は設定値の制御・処理方法を示すブロック図であ
る。
【0075】本実施の形態において実施の形態1と異な
る点は、リンク31を介してレンズ1をワーク軸11で
保持する点と、ワーク軸11の移動量を検出する検出器
が非接触方式である点と、レンズ1の加工から加工レン
ズ中肉の実測および実測値に基づいて設定値を補正する
工程を全自動で行う点である。その他の構成は、実施の
形態1と同一であるので、同一の部分は同一の番号を付
して、その説明は省略する。
【0076】まず、実施の形態1と同様に上軸側におい
ては、レンズ1と砥石3とを当接した後に加圧するため
の加圧用エアシリンダー16があり、上軸全体Uを下軸
側Sの球心位置Oを通る鉛直方向に加圧する。その加圧
用エアシリンダー16の下方には、測定装置としてのレ
ーザースケール27(位置検出器)が配してあり、加圧
用エアシリンダー16によるワーク軸11の移動量がす
ぐに分かるようになっている。
【0077】レーザースケール(位置検出器)27は、
図9(a)に示すように、2体からなっており、固定側
レーザースケール部28と可動側レーザースケール部2
9に分かれている。このレーザースケール27の内部に
はセンサー部30があり、センサー部30は固定側レー
ザースケール部28に固定されている。センサー部30
は、図9(b)に示すように、上方から見たときにコ字
形の可動側レーザースケール部29の中空部分に配設さ
れて、センサー部30と可動側レーザースケール部29
は非接触になっており、前記コ字形の対向面から照射さ
れるレーザー36によりセンサー部30内にある格子を
読み取る仕組みになっている。上記の構成により、固定
側レーザースケール部28と可動側レーザースケール部
29の相対的な位置を常に読み取ることができる。
【0078】固定側レーザースケール部28と可動側レ
ーザースケール部29は、それぞれ実施の形態1と同様
に、上軸全体Uを停止状態から移動状態にして支持する
バックプレート19とワーク軸11の外周面とに直接固
定されており、ワーク軸11は加圧用エアシリンダー1
6のロッドが動くことにより、直結して移動する。それ
に伴い、ワーク軸11の外周面に固定されている可動側
レーザースケール部29もワーク軸11と同じ量だけ動
くことになる。結果として、レンズ加工中には固定され
移動しないバックプレート19に取り付けられた固定側
レーザースケール部28とレンズ加工量(中肉の変化
量)に応じて移動する可動側レーザースケール部29の
相対的な位置変化をセンサー部30が感知し、その値が
表示器22に表示される。
【0079】ワーク軸11の下端には、レンズ1を保持
する保持具としてのリンク31が配設されている。リン
ク31は、図10に示すように、支柱部材31aとコの
字型第1部材31bとコの字型第2部材31cを備えた
多関節構造になっている。支柱部材31aは、その上端
水平部から折曲形成した鉛直部を有するL字型に形成さ
れており、上端水平部においてワーク軸11の先端(下
端)に固設されている。支柱部材31aの鉛直部下部に
は、コの字型第1部材31bがその背部中央においてベ
アリング31dを介して接続されている。コの字型第1
部材31bの開放側両先部には、コの字型第2部材31
cの開放側両先部がベアリング31eを介して接続され
ている。すなわち、リンク31はコの字型第1部材31
bがY軸回りの回転方向に、コの字型第2部材31cが
X軸回りの回転方向にあらかじめ自由度を持った構造に
なっている。
【0080】コの字型第2部材31cの背部中央には、
貼付皿12の保持部が設けられ、貼付皿12をワーク軸
11の軸線上に配設し得るようになっている。保持部は
図1におけるホルダー2をコの字型第2部材31cに組
み込んで構成でき、貼り付けたレンズ1のレンズ加工面
1aを下に向けて貼付皿12を保持するようになってい
る。さらに、貼付皿12をコの字型第2部材31cに保
持した際には、レンズ1のレンズ加工面1aは、図10
(c)に示すように、X軸より上方に位置するようにな
っており、擬似的にレンズ加工面1aより下方に支点
(レンズ1を抑える力点)36を有している。すなわ
ち、支点36はコの字型第1部材31bの回転軸(Y
軸)とコの字型第2部材31cの回転軸(X軸)の交点
となっており、また支点36はレンズ外周面からレンズ
加工面1aの接線を引いた際の交点にもなっている。
【0081】加工機本体20には貼付皿12を保持する
ローダー32がアーム37を介して配置されている。ロ
ーダー32はレンズ1を収容した状態で貼付皿12を吸
着保持する貼付皿吸着部を有しており、貼付皿12は電
空弁等により自動で着脱可能になっている。このローダ
ー32は、水平回転および上下動可能なアーム37に接
続されており、モーターや空圧により駆動するアクチュ
エーターなどの移動手段によって貼付皿吸着部を上下に
向けるように反転可能になっている。すなわち、ローダ
ー32は貼付皿吸着部を下に向けて貼付皿12を吸着保
持させた後、ローダー32を反転させてアーム37によ
り水平回転搬送し、アーム37を上下動させてリンク3
1の保持部に対する貼付皿12の保持と受け取りが可能
になっている。
【0082】さらに、加工済みの加工レンズ中肉を実測
する測定装置としてのレーザー測長器33が備えられて
いる。レーザー測長器33には、貼付皿吸着部を下に向
けたローダー32から吸着解除された貼付皿12が加工
レンズと共にベルトコンベア(図示省略)により自動で
搬送されるようになっている。この場合、貼付皿12に
貼り付けてある加工レンズのみの搬送、あるいは貼付皿
12をパレット等に載置して搬送してもよい。レーザー
測長器33は表示器34および算出部35に接続されて
おり、加工レンズの中肉測長データを表示器34にて表
示して確認できるとともに、その測長データを算出部3
5へ転送できるようになっている。算出部35では、測
長データをあらかじめ入力されている中肉の目標値から
計算するとともに、その計算結果からレンズ1の加工量
の設定値を補正することが可能なようにセッティングさ
れている。
【0083】上記構成による加工装置を用いて加工を行
う場合、まず、ローダー32の貼付皿吸着部を下に向
け、レンズ1を収容するようにして貼付皿吸着部に貼付
皿12を吸着保持する。その後、ローダー32を反転し
て貼付皿12を上向き状態にし、アーム37により水平
回転移動してリンク31に搬送する。そして、コの字型
第2部材31cの保持部の下に貼付皿12を位置させ
て、アーム37を上動させることで貼付皿12を上記保
持部に保持させ、リンク31を介してレンズ1をワーク
軸11に保持させる。なお、コの字型第2部材31cへ
の貼付皿12の保持は、ワーク軸11を下動させて行う
こともできる。
【0084】その後、アーム37の回転によりローダー
32をリンク31から退避させ、実施の形態1と同様
に、粗動用エアシリンダー18により上軸全体Uが下降
し、ストッパー21にストッパー15が当て付くこと
で、上軸全体Uがバックプレート19により停止し、さ
らに、加圧用エアシリンダー16のロッドを伸ばすこと
により、レンズ1と砥石3が接触する。このときワーク
軸11も下方に動くため、この段階から固定側レーザー
スケール部28と可動側レーザースケール部29との一
対からなるレーザースケール27による測定が可能とな
る。このときのレンズ1と砥石3が接触した段階で検出
されるレーザースケール27による検出値をリセット
し、可動側レーザースケール部29がゼロ点ストッパー
26に当て付いている状態で、加工前のワーク軸11の
位置を0(ゼロ)点にする。
【0085】その後、加圧用エアシリンダー16による
加圧、砥石軸4の駆動による砥石3の回転および揺動モ
ーター6による下軸S全体の揺動が加わり、レンズ1の
加工が進行し、レンズ中肉が削減する。ワーク軸11
は、一定圧力で加圧用エアシリンダー16により下方に
押圧されているので、レンズ1が加工されることによっ
てワーク軸11の位置がレンズ1の加工量(レンズ中肉
削減量)と同じ値(等価)で下方に下がってくる。この
段階で、レーザースケール27はワーク軸11の下方向
の移動量を検出することになる。この検出値は、レンズ
1が砥石3に接触した位置を0(ゼロ)としているの
で、レンズ1の加工量すなわちレンズ中肉の変化と同じ
値を示すことになる。
【0086】このレンズ1の加工に際しては、貼付皿1
2を介してレンズ1を保持するリンク31は、ベアリン
グ31d,31eにより接続された支柱部材31aとコ
の字型第1部材31bおよびコの字型第2部材31cか
らなる多関節構造であり、コの字型第1部材31bとコ
の字型第2部材31cは自由度(図10のX軸、Y軸回
りの自由度)を有しており、その自由度から加工中の振
動をある程度吸収して安定した加工を行う。加えて、擬
似的にレンズ加工面1aより下方にX軸とY軸との交点
である支点(力点)36を有してレンズ1の加工を行
う。
【0087】そして、上記検出値が中肉の目標値である
設定値と一致すると、レンズ1の加工が自動的に終了す
る。この加工済みの加工レンズは、アーム37より水平
回転移動されたローダー32の貼付皿吸着部にリンク3
1から吸着され、アーム37によりレーザー測長器33
に搬送される。この時、ローダー32は反転されて貼付
皿12の吸着を解除し、加工レンズのレンズ面を上に向
けた状態でベルトコンベアによりレーザー測長器33に
搬送して、レーザー測長器33が非接触で加工レンズの
中肉を測定する。その測定結果は、表示器34に表示さ
れて確認できるとともに算出部35に転送される。そし
て、測定値と目標値との間にあらかじめ設定しておいた
中肉の許容値以上に差が生じている場合は、その差分を
設定値に対して加算もしくは減算する。その制御・処理
方法は図11に示すように行い、以下に説明する。
【0088】図11において、レンズまたは加工レンズ
セットからレンズ中肉実測までは上記説明したとおりで
ある。そして、中肉を実測した結果、「目標値−実測
値」の差分の絶対値が上記許容値より小さい場合は、設
定値を変更することなく、新たなレンズ1の加工を行
う。また、上記差分が許容値より大きい場合は、その差
分を補正値としてこのレンズ1を加工した際の設定値に
対して加算または減算して、上記差分が許容値内に収ま
るように設定値を変更し、この設定値で新たなレンズ1
の加工を行う。なお、ここで、「レンズまたは加工レン
ズセット」にしてあるのは、基本的には設定値変更して
加工するのは新たなレンズ1であるが、加工レンズを再
び加工することも可能であるからである。この時、差分
が許容値を超えた厚いレンズが加工された場合にそのレ
ンズを再度加工するもので、上記レンズ1の搬送におけ
る手順を逆転させ、測定後の加工レンズをレーザー測長
器33から加工装置(リンク31)までローダー32お
よびアーム37により再度、搬送する。
【0089】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様に、加工時のレンズ1の中肉を従来例にあるようなア
ナログ的な制御ではなく、デジタル的に制御することが
可能になり、測定器(本実施の形態ではレーザースケー
ル27)から得られるワーク軸11の移動量の検出に基
づく測定値の処理方法により、レンズ中肉そのものを極
めて正確に制御することや、加工によるレンズ1の摩耗
量(削減量)を極めて正確に制御することができる、と
いった効果がある。
【0090】また、レーザースケール27(非接触方
式)を使用することにより、測定器自体の摺動抵抗がな
くなり、摺動抵抗に起因する測定誤差も低減できる、と
いった効果もある。さらに、接触方式の測定方法を使用
した際に問題となる、接触部分(例えば、測定端子)の
摩耗に起因する測定誤差を低減できる、といった効果も
ある。
【0091】さらに、貼付皿12(レンズ1)の保持具
に自由度を有する多関節構造のリンク31を用いている
ので、リンク31の自由度の高さからレンズ加工中の振
動を吸収し、かつレンズ保持の支点(加工の際の力点)
36をレンズ面1aより低くしてレンズ1を保持できる
ので、安定したレンズ1の加工を行うことができる、と
いった効果がある。
【0092】なお、本実施の形態では、凸球面のレンズ
1を加工する場合についてのみ言及したが、凹球面のレ
ンズや平面のレンズについても、同構成の装置で、同様
な効果が得られる。
【0093】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係るレンズの加工方法によれば、加工中のレンズおよ
び加工終了時の加工レンズの中肉を管理することによっ
て、加工済みの加工レンズ中肉のバラツキを抑え、所望
する加工レンズの中肉精度を向上させることができると
ともに、加工品質の安定性も向上させることができる。
さらに、同一形状のレンズを連続加工する場合にあっ
て、複数のレンズを加工する際に生じる総型工具の摩耗
に起因するレンズ中肉寸法の誤差についても、加工レン
ズ中肉の実測値と所望の中肉を得る設定値との差分に基
づいて設定値を補正するので、安定した高精度な中肉精
度を有するレンズを連続して加工することができる。
【0094】また、本発明の請求項2に係るレンズの加
工方法によれば、請求項1の効果に加え、加工レンズの
中肉を自動で実測し、その実測値に基づいて中肉の目標
値となる設定値を自動で補正するので、加工の一連の作
業が極めて簡便にでき、かつ安定した加工レンズ中肉の
測定と高精度なレンズ加工を行うことができる。
【0095】さらに、本発明の請求項3に係るレンズの
加工装置によれば、加工中のレンズおよび加工終了時の
加工レンズの中肉を管理するとともに、加工レンズの中
肉を実測し、その実測値と中肉の目標値との差を算出し
て目標値を得る設定値にフィードバックして新たなレン
ズを加工するので、加工レンズ中肉のバラツキを抑え、
所望する加工レンズの中肉精度を向上させることができ
るとともに、加工品質の安定性も向上させることができ
る。さらに、同一形状のレンズを連続加工する場合にあ
って、複数のレンズを加工する際に生じる総型工具の摩
耗に起因するレンズ中肉寸法の誤差についても、加工レ
ンズ中肉の実測値と所望の中肉を得る設定値との差分に
基づいて設定値を補正するので、安定した高精度な中肉
精度を有するレンズを連続して加工することができる。
【0096】また、本発明の請求項4に係るレンズの加
工装置によれば、請求項3の効果に加え、レンズを加工
装置に対して自動で着脱できるとともに、加工レンズの
中肉を自動で実測し、その実測値に基づいて中肉の目標
値との差分を自動で算出し、目標値となる設定値を前記
算出値に基づいて自動で補正するので、加工の一連の作
業が極めて簡便にでき、かつ安定した加工レンズ中肉の
測定と高精度なレンズ加工を行うことができる。
【0097】さらに、本発明の請求項5に係るレンズの
加工装置よれば、請求項3の効果に加え、非接触方式に
したので、相対位置を検出する測定装置の摺動抵抗に起
因する加工レンズ中肉の測定誤差、実測する測定装置に
おける測定端部の摩耗に起因する加工レンズ中肉の測定
誤差がなくなり、精度の高い中肉測定および加工を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の加工装置を示す要部概
略図である。
【図2】本発明の実施の形態1の加工装置のリニアスケ
ール近傍を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1の加工方法を示す正面概
略図である。
【図4】本発明の実施の形態1におけるレンズ加工前の
レンズ中肉およびレンズ加工後の取り代の関係を示す説
明図である。
【図5】本発明の実施の形態1においてリニアセンサー
の設定値を一定にしてレンズの連続加工を行った際のレ
ンズ中肉および砥石の高さの変化を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2の加工装置を示す要部概
略図である。
【図7】本発明の実施の形態2においてレンズの連続加
工を行う際の設定値およびレンズ中肉の実測値を示す説
明図である。
【図8】本発明の実施の形態3の加工装置を示す要部概
略図である。
【図9】本発明の実施の形態3の加工装置のセンサー部
近傍を示し、図9(a)は斜視図、図9(b)は図9
(a)を上方から見た図である。
【図10】本発明の実施の形態3の加工装置のレンズを
保持するリンクを示し、図10(a)は拡大斜視図、図
10(b)は図10(a)を反対側から見た図、図10
(c)は図10(b)を正面側から見た簡略構成図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態3の加工方法の制御系を
示すブロック図である。
【図12】従来の研磨装置を示す要部断面図である。
【図13】従来の研磨装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 レンズ 2 ホルダー 3 総型砥石(砥石) 4 砥石軸 9 揺動部材 10 揺動部材受け部 11 ワーク軸 12 貼付皿 16 加圧用エアシリンダー 17 リニアスケール 18 粗動用エアシリンダー 19 バックプレート 22,34 表示器 23 固定側リニアスケール部 24 可動側リニアスケール部 25,30,31 センサー部 26 ゼロ点ストッパー 27 レーザースケール 28 固定側レーザースケール部 29 可動側レーザースケール部 31 リンク 32 ローダー 33 レーザー測長器 35 算出部 40 制御装置 42 モーター制御装置 43 加圧制御装置 50 電算機
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B24B 49/12 B24B 49/12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズの加工形状に合致した形状の加工
    面を持つ総型工具を使用し、保持具に保持したレンズと
    前記総型工具のいずれかを移動して前記レンズと前記総
    型工具とを押圧し、前記総型工具を回転させつつ、レン
    ズ加工面の曲率中心を揺動中心として前記総型工具もし
    くは前記レンズを前記レンズ加工面に沿って揺動するこ
    とによりレンズを加工するレンズの加工方法において、 前記総型工具あるいはレンズを取り付けるいずれかの揺
    動しない移動軸側と加工中に移動しない固定位置との相
    対位置を測定装置により検出することで、加工中のレン
    ズの中肉を算出し、前記相対位置が設定値を超えた段階
    で加工を終了し、その加工済みの加工レンズの中肉を実
    測し、中肉の目標値との差分を求めた上で、次のレンズ
    を加工する前に前記差分を補正値として設定値に加算も
    しくは減算することを特徴とするレンズの加工方法。
  2. 【請求項2】 加工済みの加工レンズ中肉を自動で実測
    し、目標値との差分を算出した上で自動的に補正を行う
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズの加工方法。
  3. 【請求項3】レンズの加工形状に合致した形状の加工面
    を持つ総型工具と、前記レンズを保持する保持具と、前
    記レンズを前記総型工具に押圧する機構と、前記総型工
    具を回転させる機構と、レンズ加工面の曲率中心を揺動
    中心として前記総型工具もしくは前記レンズを前記レン
    ズ加工面に沿って揺動する機構と、前記総型工具あるい
    は前記レンズを取り付けたいずれかの揺動しない側の移
    動軸と、を有するレンズの加工装置において、 前記移動軸と加工中に移動しない任意の固定位置に取り
    付けられ前記移動軸と前記固定位置との相対位置を検出
    する測定装置と、前記測定装置からの信号により加工の
    継続または停止を指令する制御装置と、加工済みの加工
    レンズの中肉を実測する測定装置と、測定した測定値と
    目標値との差分を算出する算出装置と、設定値に算出結
    果をフィードバックさせるフィードバック経路を備えた
    ことを特徴とするレンズの加工装置。
  4. 【請求項4】 レンズの着脱を自動で行う搬送装置と、
    加工済みの加工レンズ中肉の実測を自動で行う測定装置
    と、実測値と目標値との差分を自動で算出する電算部
    と、その差分を補正値として設定値に自動で加算もしく
    は減算する制御回路を具備したことを特徴とする請求項
    3記載のレンズの加工装置。
  5. 【請求項5】 前記移動軸と前記固定位置との相対位置
    を検出する測定装置と、加工済みの加工レンズ中肉を実
    測する測定装置が、ともに非接触式の測長器であること
    を特徴とする請求項3記載のレンズの加工装置。
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